JPH0515915A - タンデム圧延機の張力制御方法 - Google Patents

タンデム圧延機の張力制御方法

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JPH0515915A
JPH0515915A JP3169586A JP16958691A JPH0515915A JP H0515915 A JPH0515915 A JP H0515915A JP 3169586 A JP3169586 A JP 3169586A JP 16958691 A JP16958691 A JP 16958691A JP H0515915 A JPH0515915 A JP H0515915A
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Tetsumi Harakawa
川 哲 美 原
Yuichi Kato
藤 祐 一 加
Masaharu Moriya
谷 正 晴 森
Hideo Katori
取 英 夫 香
Koji Ueyama
山 高 次 植
Nobuo Fukui
井 信 夫 福
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スタンド入側張力変化を抑制する。複数の張
力制御系間の干渉による発振で板厚精度が悪化するのを
防止する。 【構成】 スタンド入側張力変化に応じて、圧下位置を
修正し入側張力変化を抑制するとともに、圧下位置修正
量に相当する先進率変化量を求め、先進率の変化に応じ
てロ−ル回転速度を修正し、スタンド出側における張力
変化を抑制し、他スタンドの制御系に影響が及ぶのを防
止。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延工場の仕上工程で
タンデム圧延機により圧延を実施する際のスタンド間に
おける被圧延材張力の制御に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】本発明と関連のある従来技術は、例えば
特開昭56−139210号,特開昭57−19321
3号,特開昭59−118220号,及び特開昭59−
127917号の各公報に開示されている。
【0003】タンデム熱間圧延機においてスタンド間に
おける被圧延材(以下、圧延材という)張力は圧延板厚
に影響を及ぼす。そこで従来は、スタンド間にル−パを
配設しこのル−パによりスタンド間の圧延材張力を一定
に維持するようにしている。図5に、タンデム仕上圧延
機の一例を示す。ル−パは電動機IMで駆動される。ル
−パ高さ制御器H.Cおよびル−パ張力制御器により、
ル−パの高さが設定範囲内にありかつストリップのスタ
ンド間張力が目標値に安定するように電動機IMのトル
ク(電流)が制御される。ストリップの圧延板厚はフィ
−ドフォワ−ド板厚制御機能F.Fと自動板圧制御機能
AGCで制御される。図5中のAGCのブロックに接続
したSRは圧下レオナ−ド、SMは圧下電動機、S0は
ロ−ルギャップ検出器、LCは圧延荷重計であり、F1
〜F7が各スタンドである。各スタンドの圧延ロ−ルは
ロ−ル駆動電動機Mで回転駆動され、この速度を主機レ
オナ−ドSRが制御する。SACはサクセッシブまたは
マスフロ−制御入力を意味する。
【0004】ところでこの種のタンデム圧延機では、ル
−パの応答性(数rad/sec)および圧延速度(Mによる
速度)の応答性(十数rad/sec)が、ロ−ル開度を定め
る油圧圧下位置制御装置(SR+SM)の応答性(百数十rad/
sec)に比べて桁違いに低いので、圧下位置(ロ−ル開
度)の変更によるスタンド間張力の変化に対するル−パ
の応答速度が低く、圧下の変化によって生ずる張力変動
を十分抑制できない。張力変動が生じると、AGC制御
が抑制されて、薄物の圧延材の圧延時に平担度不良が生
じたり、板厚が目標値からずれる。例えば、検出した板
厚が目標値より大きくなると、AGCがロ−ル間間隙を
狭くするように圧下を調整するが、それによって圧延材
張力が小さくなり、その結果、板厚を小さくする効果が
弱くなるので、板厚調整の修正量が過少になる。
【0005】冷間圧延においては、張力変動を圧下位置
(ロ−ル開度)制御により抑制している。従来のこの一
態様を図6に示し、図7には図6に示す圧延設備の、圧
延制御機能を示す。この例では、#1スタンドにおいて
圧下による板厚制御を実施し、#2〜#4スタンドでは
ロ−ル周速(スタンド間ロ−ル周速比)により板厚を決
定する。スタンド間張力が変化し、許容範囲を外れると
圧下により張力を許容範囲に戻す(圧下による張力制限
制御)。#4−5スタンド間において速度による張力モ
ニタAGC(スタンド間ロ−ル周速比制御による板厚制
御)を実施する。図6においてAPCは圧下位置制御装
置、ATCは張力制御機能、ASRがロ−ル周速比制御
による板厚制御機能である。これらの制御機能の内容を
図7に示す。 スタンド間ロ−ル周速比により板厚を決
定しロ−ル周速比制御により板厚を制御し、圧下により
スタンド間張力を制御する場合、油圧圧下位置制御装置
の応答性が高いので、ロ−ル周速の変化による張力変化
を十分吸収する速応性が高い張力制御が実現する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、iスタ
ンドの張力制御による圧下の変化は上流側張力(iスタ
ンドとi−1スタンド間の圧延材張力)と下流側張力
(iスタンドとi+1スタンド間の圧延材張力)の両者
に変化をもたらす。これらの変化は、各スタンドにおい
て張力制御による圧下の変化を誘起し、これらが前方張
力および後方張力に変化をもたらす。すなわちiスタン
ドにおける張力制御による更なる圧下の変化を誘起す
る。このようにしてスタンド間で張力制御が相互作用し
て張力制御が発振してしまう。
【0007】冷間圧延の場合には、圧下を操作した場
合、上流側張力は大きく変化するが下流側張力はほとん
ど変化しないので、このような問題は大きくはない。し
かし熱間圧延の場合には、下流側張力の変化が大きく、
上述の問題が起り易い。この種の問題に内在する圧延挙
動を更に詳しく説明する。図8に、熱間タンデム圧延に
おいて、スタンド間ロ−ル周速比により板厚を決定しロ
−ル周速比制御により板厚を制御し圧下によりスタンド
間張力を制御する場合の、圧延スタンドの機能構成を示
す。図8に示す記号及び以下に示す記号は次の通りの事
項を意味する。
【0008】 M:ミル剛性係数 Q:塑性係数 R:偏
平ロ−ル径 γ:圧下率 f:先進率 H:入
側板厚 h:出側板厚 V:入側板速度 v:出
側板速度 T:上流側張力(後方張力) S:圧下位置(圧下を下げる方向を−とする) (1) #2スタンド上流側張力偏差(張力のゆるみ:ΔT
1−)を検出する。
【0009】(2) 圧下による張力制御系C2が圧下位置
を上げる(ΔS2+)。
【0010】(3) これにより出側板厚が増す(Δh2
+)。
【0011】(4) 圧下率γが小さくなり、先進率fが小
さくなる(Δf2−)。冷間圧延ではΔf2は略零であ
る。 γ=(H−h)/H, f=func.(γ,μ,
R)。
【0012】(5) ロ−ル周速は一定なので、出側板速度
が減速する(Δv2−)。
【0013】(6) 上記(3)と(5)により、入側板速が増速
する(ΔV2+)。
【0014】(7) #1スタンド出側板速は変化しない
(Δv1=0)。
【0015】(8) 上記(6)と(7)より、#2スタンド後方
張力=#1スタンド前方張力が張る(ΔT1+)。
【0016】ここまでで、#2スタンド後方張力の偏差
が吸収される。冷間圧延の場合には、係数B2が小さい
ため、圧下による張力制御の効果は下流スタンドには大
きくは波及しない。しかし熱間圧延の場合には次の問題
が大きくなる。
【0017】(9) #3スタンド入側板速は変化なし(Δ
V2=0)。
【0018】(10) 上記(5)および(9)により、#2スタ
ンド前方張力=#3スタンド後方張力が張る(ΔT2
+)。
【0019】単一スタンドのみに圧下による張力制御系
を導入した場合にはここまでの変化となる。以下、全ス
タンドに圧下による張力制御系を導入している場合につ
いて説明する。
【0020】(11) 上記(10)の変化を検出して#3スタ
ンドの張力制御系(C3)が圧下位置を下げる(ΔS3
−)。
【0021】(12) 上記(3)〜(8)と逆に制御され、#3
スタンド後方張力=#2スタンド前方張力が緩む(ΔT
2−)。
【0022】(13) 上記(12)に伴い、#2スタンド出側
板厚が(更に)増してしまう(Δh2++)。
【0023】(14) 上記(3)〜(8)と同様に、#2スタン
ド後方張力=#1スタンド前方張力が(更に)張る(Δ
T1++)。 このようにして圧下による張力制御が過制御になり張力
制御系が発振する。この種の発振は、板厚精度の悪化に
つながる。
【0024】本発明は、タンデム圧延においてロ−ル周
速の変化およびその他の要因によるスタンド間張力変化
を効果的に防止しかつ張力制御を安定に行なうスタンド
間張力制御装置を提供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、圧延スタンドの上流側での圧延
材張力を検出し、前記圧延スタンドのロ−ル間間隙を修
正するタンデム圧延機の張力制御方法において、前記圧
延スタンドのロ−ル間間隙の修正量に基づいて、それが
当該圧延スタンドの下流側での圧延材張力に及ぼす影響
を、先進率の変化を計算して求め、該先進率変化を補償
するように当該圧延スタンド及びそれよりも上流の圧延
スタンド、もしくは当該スタンドよりも下流の各圧延ス
タンドにおけるロ−ル回転速度を修正する。
【0026】また本発明の好ましい態様においては、前
記圧延スタンドの上流側張力及び下流側張力を検出し、
それらの両者に基づいて先進率の計算を実施する。
【0027】
【作用】圧延ロ−ル間間隙の変更に伴なう下流側への影
響は、先進率によって表わすことができる。先進率は、
例えば圧延のモデル式である次の第(1)式で表わすこと
ができる。
【0028】
【数1】
【0029】但し、f:先進率, μ:摩擦係数,
H:ロ−ル入側板厚, h:ロ−ル出側板厚, R:ロ−ル径, γ:圧下率[(H−h)/H] また、前方張力と後方張力を加味して次の第(2)式の計
算を実施すれば、更に正確に先進率を求めることができ
る。
【0030】
【数2】
【0031】 但し、σf:前方張力(スタンド下流側張力), σb:後方張力(スタンド上流側張力), Kf:変形抵抗 従って、この先進率の変化分を補償するように当該圧延
スタンド及び上流側圧延スタンド、もしくは下流側圧延
スタンドのロ−ル回転速度を調整すれば、前方張力の変
化をなくして板厚精度を高めることができる。
【0032】
【実施例】図1に本発明を実施する熱間仕上圧延工程に
おけるタンデム圧延機の構成を一例として示す。図1を
参照すると、この実施例では、7基の圧延スタンド#
1,#2,#3,#4,#5,#6,及び#7が設けら
れている。各々の圧延スタンドには、圧下位置を調整す
るための油圧圧下機構と、圧延ロ−ルを回転駆動する主
機速度モ−タが設けられている。また、ロ−ル位置、即
ちロ−ル間間隙を検出するロ−ル位置検出器と、圧延荷
重を検出するロ−ドセルが各圧延スタンドに設けられて
いる。更に、隣接する圧延スタンドの間には、圧延材
(鋼材)の張力を検出する張力計がそれぞれ設けられて
いる。
【0033】図1のタンデム圧延機の制御系の構成を図
2に示す。なお図2には3基の圧延スタンドとそれに対
応する制御系を示してあるが、他の圧延スタンドについ
ても同様の制御が実施される。図2においては、中央の
i番目の圧延スタンドとそれに関連する要素は、その符
号に「(i)」を付して他のスタンドと区別し、それより
1スタンド上流側の圧延スタンドに対応する要素は、符
号に「(i-1)」を付し、1スタンド下流側の圧延スタン
ドに対応する要素は、符号に「(i+1)」を付してある。
【0034】図2を参照して各制御要素について説明す
る。圧下制御装置PCは、圧下位置指令に基づいて油圧
圧下機構を制御し、圧下位置(ロ−ル間間隙)を調整す
る。この実施例では、圧下位置指令信号は張力制御装置
TCから出力される。板厚計算装置SHは、次に示すゲ
−ジメ−タ式に基づいてスタンド出側板厚を計算し、計
算結果を速度補正装置VA(i)及びVA(i+1)に出力す
る。
【0035】
【数3】 h=S+(F/M)+Δ ・・・(3) 但し、h:スタンド出側板厚, S:圧下位置, F:圧延荷重実績, M:ミル剛性係数, Δ:各種補正係数 張力制御装置TCは、スタンド間に配置された張力計が
出力するスタンド上流側張力に基づいて、圧下位置指令
信号を出力する。この装置の構成を図3に示す。図3を
参照すると、入力される検出張力と予め設定された張力
設定値との差分、即ち張力偏差が、不感帯処理装置(横
軸が入力レベル,縦軸が出力レベルを示す)101を介
してPI制御装置102に入力され、PI制御装置10
2が圧下位置指令信号を生成する。
【0036】再び図2を参照すると、速度補正装置VA
(i)には、張力制御装置TC(i)の出力する圧下位置指令
信号,板厚計算装置SH(i-1)の出力する前スタンド出
側板厚,及び板厚計算装置SH(i)の出力する当スタン
ド出側板厚が入力される。速度補正装置VA(i)の構成
を図3に示す。図3を参照すると、入力される前スタン
ド出側板厚信号は、圧延材の移動速度に応じて時間を遅
らせる遅延要素111を通り、該前スタンド出側板厚に
対応する圧延材部分が当スタンド入側に到達するタイミ
ングで、当スタンドの入側板厚として、板厚計算装置S
H(i)から出力される当スタンド出側板厚と共に先進率
計算装置112に入力される。また、先進率計算装置1
12は、張力制御装置TCから出力される圧下位置指令
信号を取り込んで、下式のようにスタンド出側板厚を補
正する。
【0037】
【数4】 h’=h+(∂h/∂S)ΔS ・・・(4) h :当該スタンド出側板厚 h’:補正後のh ΔS:圧下位置指令 これらの入力信号に基づいて、先進率計算装置112に
おいては、前に示した第(1)式(又は第(2)式)の計算を
実施して、当スタンドにおける先進率fを計算する。メ
モリ113は、制御開始時の先進率を記憶し保持する。
従って変換装置114には、制御開始時の先進率と現在
の先進率との偏差、すなわち先進率の変化分が入力され
る。変換装置114は、入力される先進率の変化分をロ
−ル周速度の変化に換算する。その計算結果が、PI制
御装置115に入力される。PI制御装置115は、ロ
−ル周速度偏差指令を出力する。
【0038】一方、図1に示すように7番圧延スタンド
の出側にはX線板厚計が設置されている。このX線板厚
計の出力する検出板厚信号が、図2に示すX線モニタ板
厚制御装置XHCに入力される。X線モニタ板厚制御装
置XHCは、予め設定された出側板厚目標値と入力され
る検出板厚との差分、即ち板厚偏差に基づいて、その偏
差を修正するように各スタンド間のロ−ル周速度比を修
正する。この修正結果に基づいて、各々の圧延スタンド
に対応付けられた7つのロ−ル周速度基準信号を生成
し、それらを主機モ−タ速度制御装置MVCに対して出
力する。
【0039】主機モ−タ速度制御装置MVCは、X線モ
ニタ板厚制御装置XHCの出力する7つのロ−ル周速度
基準信号と、各速度補正装置VA(1)〜VA(7)の出力す
るロ−ル周速度偏差指令とに基づいて、各圧延スタンド
の主機モ−タ速度基準信号を生成する。主機モ−タ速度
制御装置MVCの構成を図4に示す。図4に示すよう
に、この主機モ−タ速度制御装置MVCは、各スタンド
間のマスフロ−が変化しないように、サクセシブをとり
ながら、各スタンドの主機モ−タ速度を調整する。7番
スタンドのロ−ル周速度基準とVA(7)からのロ−ル周
速度偏差指令によって生成された7番スタンドのロ−ル
周速度は、ロ−ル周速度からモ−タ回転速度に変換され
て出力される。同様に6番スタンドのロ−ル周速度は、
6番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(6)からのロ−
ル周速度偏差指令によって生成されるが、7番スタンド
のロ−ル周速度に応じて修正された後で、モ−タ回転速
度に変換されて出力される。5番スタンドのロ−ル周速
度は、5番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(5)から
のロ−ル周速度偏差指令によって生成され、6番スタン
ドのロ−ル周速度に応じて修正される。同様に、4番ス
タンドのロ−ル周速度は、4番スタンドのロ−ル周速度
基準とVA(4)からのロ−ル周速度偏差指令によって生
成され、5番スタンドのロ−ル周速度に応じて修正さ
れ、3番スタンドのロ−ル周速度は、3番スタンドのロ
−ル周速度基準とVA(3)からのロ−ル周速度偏差指令
によって生成され、4番スタンドのロ−ル周速度に応じ
て修正され、2番スタンドのロ−ル周速度は、2番スタ
ンドのロ−ル周速度基準とVA(2)からのロ−ル周速度
偏差指令によって生成され、3番スタンドのロ−ル周速
度に応じて修正され、1番スタンドのロ−ル周速度は、
1番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(1)からのロ−
ル周速度偏差指令によって生成され、2番スタンドのロ
−ル周速度に応じて修正される。
【0040】上述の構成によれば、i番スタンド入側に
張力変化の外乱が加わった場合に次のように制御が実施
される。図2を参照しながら説明する。
【0041】(1) i番スタンド上流側張力偏差(張力の
ゆるみ:−)を検出する。
【0042】(2) 張力制御装置TC(i)が圧下位置指令
を修正(圧下位置:+)。
【0043】(3) 圧下制御装置PC(i)が圧下位置を上
げる。
【0044】(4) これにより出側板厚が増す(Δh
(i):+)。
【0045】(5) 圧下率γが小さくなり、先進率fが小
さくなる(Δf(i):−)。
【0046】(6) 速度補正装置VA(i)が、圧下位置指
令の変化に応じて、先進率の変化による影響を補償する
ように、ロ−ル周速度Vr(i)を上げる。
【0047】(7) i番スタンド出側板速度は変化せず、
i番スタンド出側の圧延材張力も変化しない。
【0048】(8) i+1番スタンドの張力制御系には外
乱の影響が及ばない。
【0049】(9) 上記(3)の修正により、i番スタンド
入側の張力偏差が打ち消されるので、i−1番スタンド
出側の張力変化及び板速度変化はなくなり、i−1番ス
タンド入側の張力変化もなく、i−1番スタンドの張力
制御系には外乱の影響が及ばない。
【0050】最初の外乱の張力変化が+側であった場合
には、上記動作と逆方向の制御が実施され、いずれにし
ても、i番スタンドの張力制御系のみで外乱の影響が補
償され、その影響がi−1番スタンド及びi+1番スタ
ンドに及ぶことはないので、隣接するスタンドの張力制
御系がお互いに干渉する現象は生じない。
【0051】なお、先進率計算装置112において、第
(2)式に示す計算式から先進率を計算する場合には、i
−1番目とi番目スタンド間の張力計の出力を後方張力
σbとし、i番目とi+1番目スタンド間の張力計の出
力を前方張力σfとして検出した結果を利用すればよ
い。
【0052】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、i番スタ
ンド入側における張力変動をi番スタンドの圧下量(圧
下位置)の修正によって抑制するとともに、圧下量の修
正によって生じるi番スタンドの先進率の変化に対応し
て、各スタンドのロ−ル回転速度を修正するので、i番
スタンド下流側における張力変化を抑制でき、i番スタ
ンドにおける張力制御の影響がi−1スタンド及びi+
1スタンドに及ぶのを防止して、複数の制御系間の干渉
によって生じる発振を避けることができる。これによっ
て精度の高い板厚制御が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のタンデム圧延機の構成を示す正面図
である。
【図2】 図1の圧延機の一部分とその制御系の構成を
示すブロック図である。
【図3】 図2の張力制御装置TCと速度補正装置VA
の構成を示すブロック図である。
【図4】 図2の主機モ−タ速度制御装置MVCの構成
を示すブロック図である。
【図5】 タンデム圧延システムの従来例を示すブロッ
ク図である。
【図6】 張力制御を実施する従来例を示すブロック図
である。
【図7】 図6の装置の制御の内容を示すブロック図で
ある。
【図8】 3スタンドの張力制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
102,115:PI制御装置 111:遅延要
素 112:先進率計算装置 113:メモリ 114:変換装置 TC(i),TC(i-1),TC(i+1):張力制御装置 PC(i),PC(i-1),PC(i+1):圧下制御装置 SH(i),SH(i-1),SH(i+1):板厚計算装置 VA(i),VA(i-1),VA(i+1):速度補正装置 XHC:X線モニタ板厚制御装置 MVC:主機モ−タ速度制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 谷 正 晴 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 香 取 英 夫 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社中 央研究本部内 (72)発明者 植 山 高 次 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社中 央研究本部内 (72)発明者 福 井 信 夫 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延スタンドの上流側での被圧延材張力
    を検出し、前記圧延スタンドのロ−ル間間隙を修正する
    タンデム圧延機の張力制御方法において、 前記圧延スタンドのロ−ル間間隙の修正量に基づいて、
    それが当該圧延スタンドの下流側での被圧延材張力に及
    ぼす影響を、先進率の変化を計算して求め、該先進率変
    化を補償するように当該圧延スタンド及びそれよりも上
    流の圧延スタンド、もしくは当該スタンドよりも下流の
    各圧延スタンドにおけるロ−ル回転速度を修正する、こ
    とを特徴とする、タンデム圧延機の張力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延スタンドの上流側張力及び下流
    側張力を検出し、それらの両者に基づいて先進率の計算
    を実施する、前記請求項1記載のタンデム圧延機の張力
    制御方法。
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