JP3243347B2 - 圧延制御方法 - Google Patents
圧延制御方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機により
鋼材の圧延を実施する際のスタンド間圧延材の板厚及び
張力の制御方法に関する。
鋼材の圧延を実施する際のスタンド間圧延材の板厚及び
張力の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、例えば、特公平2−
31604号公報に開示されている方法があり、また、
発明者らは、鋼板圧延中に、圧下位置をフィードフォワ
ード制御する板厚制御方法を特願平2−404424号
として提案した。この種の熱間圧延制御装置の一例を図
2を用いて以下に説明する。
31604号公報に開示されている方法があり、また、
発明者らは、鋼板圧延中に、圧下位置をフィードフォワ
ード制御する板厚制御方法を特願平2−404424号
として提案した。この種の熱間圧延制御装置の一例を図
2を用いて以下に説明する。
【0003】図2は、熱間タンデム圧延機であり、7つ
の圧延スタンド,スタンド間のルーパ,圧下制御装置及
びルーパ制御装置により構成されている。図2におい
て、S0はロールギャップ(以下、圧下位置と称する)
検出器、LCは圧延荷重計、SMは圧下位置駆動系、A
GCはSOの出力(圧下位置)とLCの出力(圧延荷
重)から圧下位置変更量を算出する自動板内板厚偏差制
御(Automatic Gauge Control)装置であり、SRAはA
GCの指定した量だけ圧下位置を動かす制御系である。
圧延機のワークロールは、駆動用モータMで駆動され、
ルーパは、ルーパモータIMで駆動される。圧延材の張
力とルーパの高さ(角度θ)を制御するために、高さ制
御装置H.C.と張力制御装置C.C.により、ワーク
ロール駆動モータMとルーパモータIMの回転速度の変
更量がそれぞれ算出される。ワークロールの駆動用モー
タMの回転速度の変更量はSRに送られ、SRによりモ
ータMの速度が指定量だけ変更される。なお、SUC
は、サクセッシブと称され、マスフロー制御のための、
ワ−クロ−ル駆動モ−タMの速度変更量である。また、
X−RAYモニタによる検出板厚をフィ−ドバックして
板厚制御し、各スタンドでの圧下位置変更量等の情報を
次段に伝送して、フィードフォワード制御を行ってい
る。
の圧延スタンド,スタンド間のルーパ,圧下制御装置及
びルーパ制御装置により構成されている。図2におい
て、S0はロールギャップ(以下、圧下位置と称する)
検出器、LCは圧延荷重計、SMは圧下位置駆動系、A
GCはSOの出力(圧下位置)とLCの出力(圧延荷
重)から圧下位置変更量を算出する自動板内板厚偏差制
御(Automatic Gauge Control)装置であり、SRAはA
GCの指定した量だけ圧下位置を動かす制御系である。
圧延機のワークロールは、駆動用モータMで駆動され、
ルーパは、ルーパモータIMで駆動される。圧延材の張
力とルーパの高さ(角度θ)を制御するために、高さ制
御装置H.C.と張力制御装置C.C.により、ワーク
ロール駆動モータMとルーパモータIMの回転速度の変
更量がそれぞれ算出される。ワークロールの駆動用モー
タMの回転速度の変更量はSRに送られ、SRによりモ
ータMの速度が指定量だけ変更される。なお、SUC
は、サクセッシブと称され、マスフロー制御のための、
ワ−クロ−ル駆動モ−タMの速度変更量である。また、
X−RAYモニタによる検出板厚をフィ−ドバックして
板厚制御し、各スタンドでの圧下位置変更量等の情報を
次段に伝送して、フィードフォワード制御を行ってい
る。
【0004】図2に示すように、従来の熱間圧延機は、
基本的に圧下位置制御により圧延材の板厚精度を確保
し、ワークロールのロール周速度(以下、ロール周速と
称する)とルーパの高さにより圧延材の張力を制御して
いる。
基本的に圧下位置制御により圧延材の板厚精度を確保
し、ワークロールのロール周速度(以下、ロール周速と
称する)とルーパの高さにより圧延材の張力を制御して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法には以下に示すような問題点がある。例えば熱間圧
延タンデムプロセスの板厚制御に関しては、次のような
外乱がある。
方法には以下に示すような問題点がある。例えば熱間圧
延タンデムプロセスの板厚制御に関しては、次のような
外乱がある。
【0006】スキッドマーク外乱: 鋼板の長手方向の温度ムラにより生ずる外乱であり、鋼
板に板厚偏差がない場合でも,温度の高低により変形低
抗が変動して出側板厚偏差要因となる。無制御のとき
は、スキッドマークにより温度が高くなれば圧延荷重P
は下がり、出側板厚hは薄くなる。
板に板厚偏差がない場合でも,温度の高低により変形低
抗が変動して出側板厚偏差要因となる。無制御のとき
は、スキッドマークにより温度が高くなれば圧延荷重P
は下がり、出側板厚hは薄くなる。
【0007】ロール偏芯外乱: バックアップロールの偏芯が原因でロールギャップが変
動することにより生じる外乱である。無制御のときは、
ロール偏芯によりロールギャップが大きくなれば圧延荷
重Pは下がり出側板厚hは厚くなる。
動することにより生じる外乱である。無制御のときは、
ロール偏芯によりロールギャップが大きくなれば圧延荷
重Pは下がり出側板厚hは厚くなる。
【0008】入側板厚偏差外乱: 前段の圧延機で出側板厚偏差を生じた部分が、次段での
圧延の際に外乱となる。これが入側板厚偏差外乱であ
る。無制御のとき、鋼板の入側板厚が薄くなれば圧延荷
重Pは下がり、出側板厚hは薄くなる。ここで、入側板
厚偏差はあらかじめスタンド間の計測機器で測定でき
る。
圧延の際に外乱となる。これが入側板厚偏差外乱であ
る。無制御のとき、鋼板の入側板厚が薄くなれば圧延荷
重Pは下がり、出側板厚hは薄くなる。ここで、入側板
厚偏差はあらかじめスタンド間の計測機器で測定でき
る。
【0009】以上述べた外乱の中で、スキッドマーク
外乱とロール偏芯外乱は、その値を前もって知ること
が困難であるため、ロール直下で出側板厚hに偏差△h
が現れたときにフィードバック制御によりできるだけ速
くそれらの影響を除去することが必要である。
外乱とロール偏芯外乱は、その値を前もって知ること
が困難であるため、ロール直下で出側板厚hに偏差△h
が現れたときにフィードバック制御によりできるだけ速
くそれらの影響を除去することが必要である。
【0010】一方、入側板厚偏差外乱は、前もってそ
の値を知ることができるので、フィードフォワード制御
により、その影響を除去することが板厚精度向上のため
には望ましい。
の値を知ることができるので、フィードフォワード制御
により、その影響を除去することが板厚精度向上のため
には望ましい。
【0011】しかるに、従来の板厚制御(AGC)はす
べて、圧延荷重Pを測定して、圧延荷重Pに加えてロー
ルギャップS,ミル剛性係数Mおよびチューニングファ
クタαにより、板厚偏差を零とするためのロールギャッ
プ変更量を算出し板厚を制御する方法である。すなわ
ち,スキッドマーク外乱,ロール偏芯外乱および
入側板厚偏差外乱の影響による出側板厚偏差△hを、す
べて圧延荷重Pの情報を基に推定してフィードバック制
御により除去しようとする。
べて、圧延荷重Pを測定して、圧延荷重Pに加えてロー
ルギャップS,ミル剛性係数Mおよびチューニングファ
クタαにより、板厚偏差を零とするためのロールギャッ
プ変更量を算出し板厚を制御する方法である。すなわ
ち,スキッドマーク外乱,ロール偏芯外乱および
入側板厚偏差外乱の影響による出側板厚偏差△hを、す
べて圧延荷重Pの情報を基に推定してフィードバック制
御により除去しようとする。
【0012】しかし、外乱と外乱は,出側板厚hと
圧延荷重Pとをそれぞれ同一方向に変化させるものであ
るのに対し、外乱は、両者をそれぞれ逆方向に変化さ
せる。このように、圧延荷重Pの増減と出側板厚hの増
減との関係が一対一に対応していないので、外乱〜
の出側板厚hへの影響をすべて圧延荷重Pに基づいて除
去するのは原理的に無理がある。さらに、圧延荷重Pの
偏差△Pを用いて外乱及びの影響を高精度で除去す
るためには、ミル剛性係数Mの値の高精度推定が必要で
あるがこれは実操業では困難なことが多い。
圧延荷重Pとをそれぞれ同一方向に変化させるものであ
るのに対し、外乱は、両者をそれぞれ逆方向に変化さ
せる。このように、圧延荷重Pの増減と出側板厚hの増
減との関係が一対一に対応していないので、外乱〜
の出側板厚hへの影響をすべて圧延荷重Pに基づいて除
去するのは原理的に無理がある。さらに、圧延荷重Pの
偏差△Pを用いて外乱及びの影響を高精度で除去す
るためには、ミル剛性係数Mの値の高精度推定が必要で
あるがこれは実操業では困難なことが多い。
【0013】以上の考察から、従来のAGCによる板厚
制御精度に限界がある原因は、外乱の影響による板厚偏
差を、圧延荷重Pで推定しそしてそれに基づいて圧下を
制御していることにある、といえる。すなわち、外乱の
特徴と従来のAGCの内容の考察から、従来の板厚制御
の問題点は、「外乱の影響による板厚偏差を直接測定し
て制御していないこと」といえる。
制御精度に限界がある原因は、外乱の影響による板厚偏
差を、圧延荷重Pで推定しそしてそれに基づいて圧下を
制御していることにある、といえる。すなわち、外乱の
特徴と従来のAGCの内容の考察から、従来の板厚制御
の問題点は、「外乱の影響による板厚偏差を直接測定し
て制御していないこと」といえる。
【0014】次に、従来のルーパー付きの熱間タンデム
圧延プロセスを、外乱の影響による板厚偏差を直接測定
して制御する系とすることが困難である理由を、図2を
参照して説明する。スキッドマーク外乱およびロール偏
芯外乱の出側板厚への影響を検出する物理量として、圧
延荷重の代わりに鋼板の単位張力に着目する。隣り合う
2スタンドi−1(上流側)とi(下流側)の間の鋼板
単位張力T(i-1)は、iスタンド入側板速Viとi−1ス
タンド出側板速V(i-1)の差の積分で決まる物理量であ
る。
圧延プロセスを、外乱の影響による板厚偏差を直接測定
して制御する系とすることが困難である理由を、図2を
参照して説明する。スキッドマーク外乱およびロール偏
芯外乱の出側板厚への影響を検出する物理量として、圧
延荷重の代わりに鋼板の単位張力に着目する。隣り合う
2スタンドi−1(上流側)とi(下流側)の間の鋼板
単位張力T(i-1)は、iスタンド入側板速Viとi−1ス
タンド出側板速V(i-1)の差の積分で決まる物理量であ
る。
【0015】いま、iスタンドにおいて、入側板厚h(i
-1)と出側板速Viが一定のときに、スキッドマーク外乱
あるいはロール偏差外乱の影響で出側板厚hiに目標値
hsiからの偏差△hiを生じたとする。このとき、iス
タンドに単位時間に入り込む体積と出る体積に関して、 h(i-1)・V(i-1)・B(i-1)=hi・Vi・Bi ・・・(3a) が成立する。ただし、 h(i-1):iスタンド入側板厚[mm] V(i-1):iスタンド入側速度[mm/s] B(i-1):iスタンド入側板幅[mm] hi:iスタンド出側板厚[mm] Vi:iスタンド出側速度[mm/s] Bi:iスタンド出側板幅[mm] である。また、板幅変動が生じない場合は、 Bi=B(i-1) ・・・(3b) が成立するから、 h(i-1)・V(i-1)=hi・Vi ・・・(3c) が導かれ、出側板厚偏差△hiは、入側速度Viの変動に
対応する。
-1)と出側板速Viが一定のときに、スキッドマーク外乱
あるいはロール偏差外乱の影響で出側板厚hiに目標値
hsiからの偏差△hiを生じたとする。このとき、iス
タンドに単位時間に入り込む体積と出る体積に関して、 h(i-1)・V(i-1)・B(i-1)=hi・Vi・Bi ・・・(3a) が成立する。ただし、 h(i-1):iスタンド入側板厚[mm] V(i-1):iスタンド入側速度[mm/s] B(i-1):iスタンド入側板幅[mm] hi:iスタンド出側板厚[mm] Vi:iスタンド出側速度[mm/s] Bi:iスタンド出側板幅[mm] である。また、板幅変動が生じない場合は、 Bi=B(i-1) ・・・(3b) が成立するから、 h(i-1)・V(i-1)=hi・Vi ・・・(3c) が導かれ、出側板厚偏差△hiは、入側速度Viの変動に
対応する。
【0016】さらに、スタンド間の鋼板単位張力T(i-
1)は、(i-1)スタンドの出側速度をV(i-2)[mm/s]とおく
と, T(i-1)=(E/L)∫{V(i-1)−V(i-2)}dt ・・・(3d) で決まる量である。ここで、入側速度Viが変動すると
スタンド間の鋼板単位張力T(i-1)が変化するはずであ
る。ところがこのとき、従来のルーパー付き熱間タンデ
ム圧延プロセス(図2)では、ルーパーも動いてしま
い、iスタンドのロールバイト直下の出側板厚偏差△h
iと鋼板単位張力変化量△T(i-1)とが一対一に対応しな
い。
1)は、(i-1)スタンドの出側速度をV(i-2)[mm/s]とおく
と, T(i-1)=(E/L)∫{V(i-1)−V(i-2)}dt ・・・(3d) で決まる量である。ここで、入側速度Viが変動すると
スタンド間の鋼板単位張力T(i-1)が変化するはずであ
る。ところがこのとき、従来のルーパー付き熱間タンデ
ム圧延プロセス(図2)では、ルーパーも動いてしま
い、iスタンドのロールバイト直下の出側板厚偏差△h
iと鋼板単位張力変化量△T(i-1)とが一対一に対応しな
い。
【0017】従来の熱間タンデム圧延プロセスの問題点
は、ルーパーが存在するために、iスタンドのロールバ
イト直下の出側板厚偏差△hiと鋼板単位張力変化量△
T(i-1)とが一対一に対応しないことにある。仮にルー
パーがなければ、スキッドマークあるいはロール偏芯の
影響による△hiと△T(i-1)とは一対一に対応する。す
なわち、張力を一定にすべく圧下位置を操作すること
は、出側板厚偏差△hiを除去することになる。また、
iスタンドの油膜厚変動やロール熱膨張の影響により、
ロールバイト直下で出側板厚偏差△hiが生じようとし
ても、同様の原理で完全に除去される。
は、ルーパーが存在するために、iスタンドのロールバ
イト直下の出側板厚偏差△hiと鋼板単位張力変化量△
T(i-1)とが一対一に対応しないことにある。仮にルー
パーがなければ、スキッドマークあるいはロール偏芯の
影響による△hiと△T(i-1)とは一対一に対応する。す
なわち、張力を一定にすべく圧下位置を操作すること
は、出側板厚偏差△hiを除去することになる。また、
iスタンドの油膜厚変動やロール熱膨張の影響により、
ロールバイト直下で出側板厚偏差△hiが生じようとし
ても、同様の原理で完全に除去される。
【0018】図3には、冷間圧延におけるル−パのない
タンデム圧延システムの一例を示す。図3において、A
PCは圧下位置制御装置、ATCは張力制御機能、AS
Rがロ−ル周速比制御による板厚制御機能である。図4
には、図3に示す冷間圧延の張力制御機能を示す。冷間
圧延においては、張力制御の応答性を高めるため、張力
変動を圧下位置(ロ−ルギャップ)制御により抑制し
て、ワークロールの周速比により、板厚を制御してい
る。図3,4に示す例では、#1スタンド(以下、#i
はiスタンド圧延機を意味する)において圧下による板
厚制御を実施し、#2〜#4スタンドではロ−ル周速
(スタンド間ロ−ル周速比)により板厚を決定する。ス
タンド間張力が変化し、許容範囲を外れると圧下により
張力を許容範囲に戻す(圧下による張力制限制御)。#
4−5スタンド間において速度による張力モニタAGC
(スタンド間ロ−ル周速比制御による板厚制御)を実施
する。
タンデム圧延システムの一例を示す。図3において、A
PCは圧下位置制御装置、ATCは張力制御機能、AS
Rがロ−ル周速比制御による板厚制御機能である。図4
には、図3に示す冷間圧延の張力制御機能を示す。冷間
圧延においては、張力制御の応答性を高めるため、張力
変動を圧下位置(ロ−ルギャップ)制御により抑制し
て、ワークロールの周速比により、板厚を制御してい
る。図3,4に示す例では、#1スタンド(以下、#i
はiスタンド圧延機を意味する)において圧下による板
厚制御を実施し、#2〜#4スタンドではロ−ル周速
(スタンド間ロ−ル周速比)により板厚を決定する。ス
タンド間張力が変化し、許容範囲を外れると圧下により
張力を許容範囲に戻す(圧下による張力制限制御)。#
4−5スタンド間において速度による張力モニタAGC
(スタンド間ロ−ル周速比制御による板厚制御)を実施
する。
【0019】従って、冷間圧延では、鋼板単位張力変動
による板幅変動が無視できるため、鋼板単位張力制御
は、高応答ではあるが数値的にはおおまかであり、数[k
gf/mm2]の誤差をもっている。そのため、冷間圧延で用
いられていた、ル−パ−を用いない、圧下を操作端とし
た張力制御を熱間圧延に用いたのでは、板厚偏差及び板
幅偏差が顕著に生じる。なぜなら熱間圧延においては、
鋼板単位張力が0.6〜1.0[kgf/mm2]以内の偏差で張力
を制御しなくては顕著な幅変動が生じ、鋼板単位張力偏
差を0[kgf/mm2]にすべく高応答の制御を施さなくては
顕著な板厚偏差が生じ、結果的に大きな歩留低下を来
す。
による板幅変動が無視できるため、鋼板単位張力制御
は、高応答ではあるが数値的にはおおまかであり、数[k
gf/mm2]の誤差をもっている。そのため、冷間圧延で用
いられていた、ル−パ−を用いない、圧下を操作端とし
た張力制御を熱間圧延に用いたのでは、板厚偏差及び板
幅偏差が顕著に生じる。なぜなら熱間圧延においては、
鋼板単位張力が0.6〜1.0[kgf/mm2]以内の偏差で張力
を制御しなくては顕著な幅変動が生じ、鋼板単位張力偏
差を0[kgf/mm2]にすべく高応答の制御を施さなくては
顕著な板厚偏差が生じ、結果的に大きな歩留低下を来
す。
【0020】本発明は、タンデム圧延において、圧延板
厚精度を高めることを目的とし、より具体的には、スキ
ッドマ−ク,圧延スタンドのロ−ル偏芯,入側板厚偏差
等による圧延板厚偏差を可及的に零にすることを第1の
目的とし、加えて先進率変動による板厚偏差を低減する
ことを第2の目的とし、板厚制御と板幅制御の干渉を回
避することを第3の目的とする。
厚精度を高めることを目的とし、より具体的には、スキ
ッドマ−ク,圧延スタンドのロ−ル偏芯,入側板厚偏差
等による圧延板厚偏差を可及的に零にすることを第1の
目的とし、加えて先進率変動による板厚偏差を低減する
ことを第2の目的とし、板厚制御と板幅制御の干渉を回
避することを第3の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンデム圧延
機のスタンド間張力を一定に保ち、かつスタンド間に入
る単位時間あたりの圧延材の質量と当該スタンドから送
り出される単位時間あたり圧延材の質量が等しくなるよ
うにスタンドのロール周速度を制御するタンデム圧延機
の圧延制御方法において、i−1スタンドとiスタンド
の間の圧延材の単位張力T(i-1)及び圧延材速度V(i-1)
を計測し、目標張力に対する検出単位張力T(i-1)の差
△T(i-1)を実質上零とするためのiスタンドの圧下位
置変更量ΔSi1を算出してその分iスタンドの圧下駆動
手段により該スタンドの圧下位置を修正すると共に、i
−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジメ−タ式に基
づいて算出し、i−1スタンド出側での目標板厚hs(i-
1)に対する算出板厚h(i-1)の偏差△h(i-1)=h(i-1)
−hs(i-1)によるiスタンド出側の板厚偏差を低減する
ためのiスタンドの圧下位置変更量△Si2ならびに△h
(i-1)を実質上零とするためのi−1スタンドのロール
周速変更量△VR1(i-1)を ΔVR1(i-1)={−△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) と算出し、圧延材速度V(i-1)に基づいて前記△h(i-1)
を有する部分の圧延材がiスタンドに到達する時刻に、
iスタンドの圧下駆動手段により該スタンドの圧下位置
を圧下位置修正量△Si2だけ修正し、かつ、i−1スタ
ンドのロール周速をロール駆動手段によりロール周速変
更量△VR1(i-1)だけ前記時刻に修正する、ことを特徴
とする。
機のスタンド間張力を一定に保ち、かつスタンド間に入
る単位時間あたりの圧延材の質量と当該スタンドから送
り出される単位時間あたり圧延材の質量が等しくなるよ
うにスタンドのロール周速度を制御するタンデム圧延機
の圧延制御方法において、i−1スタンドとiスタンド
の間の圧延材の単位張力T(i-1)及び圧延材速度V(i-1)
を計測し、目標張力に対する検出単位張力T(i-1)の差
△T(i-1)を実質上零とするためのiスタンドの圧下位
置変更量ΔSi1を算出してその分iスタンドの圧下駆動
手段により該スタンドの圧下位置を修正すると共に、i
−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジメ−タ式に基
づいて算出し、i−1スタンド出側での目標板厚hs(i-
1)に対する算出板厚h(i-1)の偏差△h(i-1)=h(i-1)
−hs(i-1)によるiスタンド出側の板厚偏差を低減する
ためのiスタンドの圧下位置変更量△Si2ならびに△h
(i-1)を実質上零とするためのi−1スタンドのロール
周速変更量△VR1(i-1)を ΔVR1(i-1)={−△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) と算出し、圧延材速度V(i-1)に基づいて前記△h(i-1)
を有する部分の圧延材がiスタンドに到達する時刻に、
iスタンドの圧下駆動手段により該スタンドの圧下位置
を圧下位置修正量△Si2だけ修正し、かつ、i−1スタ
ンドのロール周速をロール駆動手段によりロール周速変
更量△VR1(i-1)だけ前記時刻に修正する、ことを特徴
とする。
【0022】すなわち、より具体的に説明すると、本発
明では、まずルーパーを除去し各スタンド間にテンショ
ンメータを導入し、i−1スタンドとiスタンド間に関
して言えば、スタンド間鋼板単位張力T(i-1)を高精度
で実測し、i−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジ
メ−タ式 h(i-1)=S(i-1)+P(i-1)/M(i-1) ・・・(6) を用いて算出し、以下の制御を行なう。 (1) 張力を一定にするための圧下位置調整(図1の「ΔSi
1の算出」Ac1): i−1/iスタンド間単位張力を一定(目標張力)に維持
する(張力偏差△T(i-1)を実質上零とする)ように、
iスタンドの圧下位置を調整(自動制御)する。これ
を、 ΔSi1=f(△T(i-1)) ・・・(1) と表わす。ΔSi1は、単位張力偏差△T(i-1)に対応す
るiスタンドの圧下位置変更量、f(△T(i-1))は、
張力制御機能の、入力(△T(i-1))と出力(ΔSi1)
の関係を規定する伝達関数であり、いわゆるPID制御
のものを用いる。 (2) 出側板厚偏差除去用の圧下位置調整(図1の「ΔSi2
の算出」Ac2): 本発明ではさらに、ゲ−ジメ−タ式に基づいて算出した
板厚h(i-1)から、i−1スタンド出側板厚偏差△h(i-
1)=h(i-1)−hs(i-1)を算出する。S(i-1)+△S(i-
1)はi−1スタンドの圧下位置、P(i-1)はi−1スタ
ンドの圧下荷重、M(i-1)はi−1スタンドの剛性係
数、hs(i-1)はi−1スタンド出側目標板厚である。そ
して、この偏差△h(i-1)分のiスタンド出側における
板厚偏差を低減するための、iスタンドの圧下位置変更
量ΔSi2を、 △Si2=K2・△h(i-1) ・・・(2) と算出する。iスタンドの出側板厚偏差Δhi,iスタ
ンドの圧下位置調整代△Siおよびi−1スタンドの出
側板厚偏差Δh(i-1)の間には、 Δhi=△Si2・Mi/(Mi+Q)+Δh(i-1)・Q/(Mi+Q) ・・・(2a) Q:圧延材の塑性係数〔kgf/mm〕, Mi:iスタンド剛性係数〔kgf/mm〕 なる関係がある。そこで、Δhi=0とするためには、 △Si2=−(Q/Mi)・Δh(i-1) ・・・(2b) とすればよく、K2=−Q/Miとすると上記(2)式とな
る。したがって(2)式のK2は、K2=−Q/Miであるべ
きであるが、Q,Miは現段階では圧延ライン上で正確
に得ることが難かしいので、QおよびMiの推定値(予
想値)よりK2を算出してこれを(2)式のK2に用いてい
るので、(2)式ではK2は無次元の定数である。 (3) 板厚偏差除去用のロ−ル周速度の調整(図1の「ΔVR
1(i-1)の算出」Ac3):本発明ではさらに、△h(i-1)を
実質上零とするためのi−1スタンドの圧延周速変更量
△VR1(i-1)を、上記(3c)式の関係に基づいて、△h
(i-1)ならびにi−1スタンドの目標圧延速度すなわち
ロール周速指令値Vs(i-1)[mm/s]より、 △VR1(i-1)={−△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) ・・・(3) と算出して、i−1/iスタンド間圧延材速度V(i-1)
に基づいて、上記偏差△h(i-1)を有する部分がiスタ
ンドに到着する時刻 time iを算出し、該時刻 time i
に、iスタンドで上記△Si2分の圧下位置変更を、また
i−1スタンドでは上記△VR1(i-1)分のロ−ル周速変
更を行なう。
明では、まずルーパーを除去し各スタンド間にテンショ
ンメータを導入し、i−1スタンドとiスタンド間に関
して言えば、スタンド間鋼板単位張力T(i-1)を高精度
で実測し、i−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジ
メ−タ式 h(i-1)=S(i-1)+P(i-1)/M(i-1) ・・・(6) を用いて算出し、以下の制御を行なう。 (1) 張力を一定にするための圧下位置調整(図1の「ΔSi
1の算出」Ac1): i−1/iスタンド間単位張力を一定(目標張力)に維持
する(張力偏差△T(i-1)を実質上零とする)ように、
iスタンドの圧下位置を調整(自動制御)する。これ
を、 ΔSi1=f(△T(i-1)) ・・・(1) と表わす。ΔSi1は、単位張力偏差△T(i-1)に対応す
るiスタンドの圧下位置変更量、f(△T(i-1))は、
張力制御機能の、入力(△T(i-1))と出力(ΔSi1)
の関係を規定する伝達関数であり、いわゆるPID制御
のものを用いる。 (2) 出側板厚偏差除去用の圧下位置調整(図1の「ΔSi2
の算出」Ac2): 本発明ではさらに、ゲ−ジメ−タ式に基づいて算出した
板厚h(i-1)から、i−1スタンド出側板厚偏差△h(i-
1)=h(i-1)−hs(i-1)を算出する。S(i-1)+△S(i-
1)はi−1スタンドの圧下位置、P(i-1)はi−1スタ
ンドの圧下荷重、M(i-1)はi−1スタンドの剛性係
数、hs(i-1)はi−1スタンド出側目標板厚である。そ
して、この偏差△h(i-1)分のiスタンド出側における
板厚偏差を低減するための、iスタンドの圧下位置変更
量ΔSi2を、 △Si2=K2・△h(i-1) ・・・(2) と算出する。iスタンドの出側板厚偏差Δhi,iスタ
ンドの圧下位置調整代△Siおよびi−1スタンドの出
側板厚偏差Δh(i-1)の間には、 Δhi=△Si2・Mi/(Mi+Q)+Δh(i-1)・Q/(Mi+Q) ・・・(2a) Q:圧延材の塑性係数〔kgf/mm〕, Mi:iスタンド剛性係数〔kgf/mm〕 なる関係がある。そこで、Δhi=0とするためには、 △Si2=−(Q/Mi)・Δh(i-1) ・・・(2b) とすればよく、K2=−Q/Miとすると上記(2)式とな
る。したがって(2)式のK2は、K2=−Q/Miであるべ
きであるが、Q,Miは現段階では圧延ライン上で正確
に得ることが難かしいので、QおよびMiの推定値(予
想値)よりK2を算出してこれを(2)式のK2に用いてい
るので、(2)式ではK2は無次元の定数である。 (3) 板厚偏差除去用のロ−ル周速度の調整(図1の「ΔVR
1(i-1)の算出」Ac3):本発明ではさらに、△h(i-1)を
実質上零とするためのi−1スタンドの圧延周速変更量
△VR1(i-1)を、上記(3c)式の関係に基づいて、△h
(i-1)ならびにi−1スタンドの目標圧延速度すなわち
ロール周速指令値Vs(i-1)[mm/s]より、 △VR1(i-1)={−△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) ・・・(3) と算出して、i−1/iスタンド間圧延材速度V(i-1)
に基づいて、上記偏差△h(i-1)を有する部分がiスタ
ンドに到着する時刻 time iを算出し、該時刻 time i
に、iスタンドで上記△Si2分の圧下位置変更を、また
i−1スタンドでは上記△VR1(i-1)分のロ−ル周速変
更を行なう。
【作用】上記(1)項の、張力偏差△T(i-1)に対応した△
Si1分のiスタンドの圧下位置修正(張力一定制御)に
よりi−1/iスタンド間張力T(i-1)が一定に維持さ
れ、これにより、△hiと△T(i-1)とは一対一に対応す
る。i−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジメ−タ
式に基づいて算出するので、本発明はスタンド間にX線
板厚計を備えない圧延設備にも適用できる。
Si1分のiスタンドの圧下位置修正(張力一定制御)に
よりi−1/iスタンド間張力T(i-1)が一定に維持さ
れ、これにより、△hiと△T(i-1)とは一対一に対応す
る。i−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジメ−タ
式に基づいて算出するので、本発明はスタンド間にX線
板厚計を備えない圧延設備にも適用できる。
【0023】しかして、上記(2)項の△h(i-1)対応の△
Si2分のiスタンドの圧下位置調整(偏差除去用圧下位
置調整)により、△h(i-1)によるiスタンド出側の板
厚偏差が除去される。圧下位置変更に対する板厚変化の
応答性は高く、この偏差除去用圧下位置調整により、△
h(i-1)の中の、比較的に変動周期が短い高周波成分お
よび変動が緩やかな低周波成分の両者によるiスタンド
出側板厚偏差が除去される。
Si2分のiスタンドの圧下位置調整(偏差除去用圧下位
置調整)により、△h(i-1)によるiスタンド出側の板
厚偏差が除去される。圧下位置変更に対する板厚変化の
応答性は高く、この偏差除去用圧下位置調整により、△
h(i-1)の中の、比較的に変動周期が短い高周波成分お
よび変動が緩やかな低周波成分の両者によるiスタンド
出側板厚偏差が除去される。
【0024】ところで、この偏差除去用圧下位置調整、
特に△h(i-1)の低周波成分対応の圧下位置修正は、i
−1/iスタンド間単位張力T(i-1)に変動をもたらし
上述の単位張力一定制御によりiスタンドの圧下位置修
正を誘発し、誘発された圧下位置修正が、偏差除去用圧
下位置調整を相殺するように作用する可能性がある。こ
の相殺を防止するのが、上記(3)項の、i−1スタンド
での△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更であり、このロ−
ル周速変更が偏差除去用圧下位置調整による張力変化分
を相殺する。すなわち張力一定制御によるiスタンドの
圧下位置修正の誘発を防止する。これにより、偏差除去
用圧下位置調整が有効に機能する。すなわち△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整により生ずる張力変化と△V
R1(i-1)分のロ−ル周速変更により生ずる張力変化とが
拮抗(相殺)する。
特に△h(i-1)の低周波成分対応の圧下位置修正は、i
−1/iスタンド間単位張力T(i-1)に変動をもたらし
上述の単位張力一定制御によりiスタンドの圧下位置修
正を誘発し、誘発された圧下位置修正が、偏差除去用圧
下位置調整を相殺するように作用する可能性がある。こ
の相殺を防止するのが、上記(3)項の、i−1スタンド
での△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更であり、このロ−
ル周速変更が偏差除去用圧下位置調整による張力変化分
を相殺する。すなわち張力一定制御によるiスタンドの
圧下位置修正の誘発を防止する。これにより、偏差除去
用圧下位置調整が有効に機能する。すなわち△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整により生ずる張力変化と△V
R1(i-1)分のロ−ル周速変更により生ずる張力変化とが
拮抗(相殺)する。
【0025】例えば、i−1スタンド出側板厚偏差△h
(i-1)が+(厚い)になると、偏差除去用圧下位置調整
によりiスタンドの圧下位置が閉められ(ロ−ルギャッ
プが狭く調整され)、i−1/iスタンド間単位張力が
下がるはずであるが、△h(i-1)が小さくなるように、
すなわちマスフロ−一定の法則によりロ−ル周速が低く
なるようにiスタンドのロ−ル周速が調整(この調整は
単位張力を高くする)され、圧下位置が閉められること
による張力低下を、ロ−ル周速が下げられることによる
張力上昇が補なうことになり、これにより単位張力は一
定で経過する。その結果、△h(i-1)対応の△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整(偏差除去用圧下位置調整)
により、高周波成分であれ低周波成分であれ△h(i-1)
原因のiスタンド出側の板厚偏差が除去される。
(i-1)が+(厚い)になると、偏差除去用圧下位置調整
によりiスタンドの圧下位置が閉められ(ロ−ルギャッ
プが狭く調整され)、i−1/iスタンド間単位張力が
下がるはずであるが、△h(i-1)が小さくなるように、
すなわちマスフロ−一定の法則によりロ−ル周速が低く
なるようにiスタンドのロ−ル周速が調整(この調整は
単位張力を高くする)され、圧下位置が閉められること
による張力低下を、ロ−ル周速が下げられることによる
張力上昇が補なうことになり、これにより単位張力は一
定で経過する。その結果、△h(i-1)対応の△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整(偏差除去用圧下位置調整)
により、高周波成分であれ低周波成分であれ△h(i-1)
原因のiスタンド出側の板厚偏差が除去される。
【0026】ところで、上述の圧延制御では、先進率変
動に伴なう板厚変動を補正するには至っていない。i−
1スタンドのロ−ル周速度指令値VR(i-1)の変更量ΔV
R1(i-1)の演算に際し、先進率fsiの変動に伴うiスタ
ンド出側の板速変動に考慮がないので、変更量ΔVR1(i
-1)が大き過ぎ、鋼板単位張力に大きな変動を生じ、そ
の結果、板厚・板幅に偏差を生じるばかりでなく通板が
不可能となる場合がありうる。経験的に、補正係数αを
ΔVR1(i-1)に乗じて調整することもできるが、αを板
厚スケジュ−ル等に従って予め決めて制御に用いなけれ
ばならず、煩雑な割には、良い精度が得られない。ま
た、先進率fsiを実測しこれに対応して板厚影響パラメ
−タを修正する方法もあるが、先進率測定精度が低く、
オンラインの板厚制御に用いることができない。また、
板幅B(i-1)が変動する場合それに関しての考慮がな
く、板幅B(i-1)が変動すると板厚が乱れる。
動に伴なう板厚変動を補正するには至っていない。i−
1スタンドのロ−ル周速度指令値VR(i-1)の変更量ΔV
R1(i-1)の演算に際し、先進率fsiの変動に伴うiスタ
ンド出側の板速変動に考慮がないので、変更量ΔVR1(i
-1)が大き過ぎ、鋼板単位張力に大きな変動を生じ、そ
の結果、板厚・板幅に偏差を生じるばかりでなく通板が
不可能となる場合がありうる。経験的に、補正係数αを
ΔVR1(i-1)に乗じて調整することもできるが、αを板
厚スケジュ−ル等に従って予め決めて制御に用いなけれ
ばならず、煩雑な割には、良い精度が得られない。ま
た、先進率fsiを実測しこれに対応して板厚影響パラメ
−タを修正する方法もあるが、先進率測定精度が低く、
オンラインの板厚制御に用いることができない。また、
板幅B(i-1)が変動する場合それに関しての考慮がな
く、板幅B(i-1)が変動すると板厚が乱れる。
【0027】そこで本発明の好ましい実施例では、更
に、iスタンド入側板厚h(i-1),iスタンド入側板厚
基準値hs(i-1),i−1スタンドのロ−ル周速指令値V
s(i-1)およびiスタンド出側板厚基準値hsiに基づい
て、iスタンドの、先進率fsiの変動による圧延材速度
変動分△Viを算出し、ロ−ル周速変更量 △VR2(i-1)=〔hsi/hs(i-1)〕△Vi ・・・(4) を算出し、この分第i−1スタンドのロ−ル周速を変更
する。また、iスタンドの入側板幅B(i-1)および入側
板幅基準値Bs(i-1)に基づいて入側板幅偏差B(i-1)−
Bs(i-1)対応の単位張力偏差△TR(i-1)を算出し、この
分前記iスタンドの圧下位置変更量を変更する。これら
を以下に説明する。 (4) 先進率変動による板速度変動の補償(図1の「ΔVR2
(i-1)の算出」Ac4): iスタンド入側板厚h(i-1)が基準値hs(i-1)のとき
は、iスタンド出側の先進率fsiは、
に、iスタンド入側板厚h(i-1),iスタンド入側板厚
基準値hs(i-1),i−1スタンドのロ−ル周速指令値V
s(i-1)およびiスタンド出側板厚基準値hsiに基づい
て、iスタンドの、先進率fsiの変動による圧延材速度
変動分△Viを算出し、ロ−ル周速変更量 △VR2(i-1)=〔hsi/hs(i-1)〕△Vi ・・・(4) を算出し、この分第i−1スタンドのロ−ル周速を変更
する。また、iスタンドの入側板幅B(i-1)および入側
板幅基準値Bs(i-1)に基づいて入側板幅偏差B(i-1)−
Bs(i-1)対応の単位張力偏差△TR(i-1)を算出し、この
分前記iスタンドの圧下位置変更量を変更する。これら
を以下に説明する。 (4) 先進率変動による板速度変動の補償(図1の「ΔVR2
(i-1)の算出」Ac4): iスタンド入側板厚h(i-1)が基準値hs(i-1)のとき
は、iスタンド出側の先進率fsiは、
【0028】
【数4】
【0029】と与えられる。ここで、 hs(i-1):iスタンドの入側板厚基準値 hsi:iスタンドの出側板厚基準値 Vi:iスタンドのロール周速 μi:iスタンドの摩擦係数 Rei:iスタンドのフラットニングロール径[mm] Ki:iスタンドの変形抵抗[kgf/mm2] G:調整係数 である。よって、 先進率変動による板速度変動量ΔViは、 ΔVi=(fi−fsi)Vi ・・・(4e) となる。
【0030】このΔVi分の板速度変動を補償する周速
変更量ΔVR2(i-1)は、マスフロ−一定則に基づき、 △VR2(i-1)=〔hsi/hs(i-1)〕△Vi ・・・(4) となる。
変更量ΔVR2(i-1)は、マスフロ−一定則に基づき、 △VR2(i-1)=〔hsi/hs(i-1)〕△Vi ・・・(4) となる。
【0031】そこで、上記(4a)〜(4d)式に基づいて先進
率fsi,fiを算出して上記(4e)式に基づいて板速度変動
量ΔViを算出し、そして上記(4)式に基づいて△VR2(i
-1)を算出し、板厚測定点(h(i-1))がiスタンドに到着
する時刻 time iを算出し、該時刻time iに、i−1
スタンドで上記△VR2(i−1)分のロ−ル周速変更を行
なう。 (5) 板幅変動に対する単位張力変動の補償(図1の「ΔT
R(i-1)の算出」Ac5):(i-1)/iスタンド間の圧延材
の板幅偏差△B(i-1)に対して、該スタンド間張力は、 △TR(i-1)=K5・△B(i-1) ・・・(5) の変化を示す。すなわち板幅が変動すると単位張力が変
動する。△B(i-1)=B(i-1)−Bs(i-1)であり、B(i-
1)は、(i-1)/iスタンド間の圧延材の板幅(測定値)、
Bs(i-1)は(i-1)/iスタンド間の圧延材の板幅基準
値、K5は係数で0<K5<1である。そこで、上記(5)
式に基づいて張力補正値△TR(i-1)を算出し、板幅測定
点(B(i-1))がiスタンドに到着する時刻 time iを算出
し、該時刻 time iに、iスタンドで上記△TR(i-1)分
の圧下位置調整を行なう。
率fsi,fiを算出して上記(4e)式に基づいて板速度変動
量ΔViを算出し、そして上記(4)式に基づいて△VR2(i
-1)を算出し、板厚測定点(h(i-1))がiスタンドに到着
する時刻 time iを算出し、該時刻time iに、i−1
スタンドで上記△VR2(i−1)分のロ−ル周速変更を行
なう。 (5) 板幅変動に対する単位張力変動の補償(図1の「ΔT
R(i-1)の算出」Ac5):(i-1)/iスタンド間の圧延材
の板幅偏差△B(i-1)に対して、該スタンド間張力は、 △TR(i-1)=K5・△B(i-1) ・・・(5) の変化を示す。すなわち板幅が変動すると単位張力が変
動する。△B(i-1)=B(i-1)−Bs(i-1)であり、B(i-
1)は、(i-1)/iスタンド間の圧延材の板幅(測定値)、
Bs(i-1)は(i-1)/iスタンド間の圧延材の板幅基準
値、K5は係数で0<K5<1である。そこで、上記(5)
式に基づいて張力補正値△TR(i-1)を算出し、板幅測定
点(B(i-1))がiスタンドに到着する時刻 time iを算出
し、該時刻 time iに、iスタンドで上記△TR(i-1)分
の圧下位置調整を行なう。
【0032】以上の(1)〜(5)項の制御により、板厚と板
幅が同時に制御され、板厚と板幅の干渉が回避される。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の
実施例の説明より明らかになろう。
幅が同時に制御され、板厚と板幅の干渉が回避される。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の
実施例の説明より明らかになろう。
【0033】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。この実施例
は、熱間仕上タンデム圧延の、#6スタンドおよび#7
スタンドに本発明を適用するものであり、上記説明中の
iを7とするものである。#6/#7スタンド間には、
圧延材の幅B(i-1)を測定する幅測定器Wd,圧延材の移
動速度V(i-1)を測定する速度測定器Vdおよび圧延材の
張力T(i-1)を測定する張力測定器Tdが設置されてお
り、コンピュ−タを主体とする板厚制御装置RTCが、
測定器Wd,VdおよびTdの測定値B(i-1),V(i-1)お
よびT(i-1)、ならびに、各種目標値又は基準値および
設定値(以下これらを設定値等と称す)に基づいて、上
記(1)〜(5)項で述べた各種演算を行なって、#7
スタンドの圧下装置に、圧下位置調整量ΔSiを与え、
#6スタンドのロ−ル駆動装置に、ロ−ル周速度調整量
ΔVR(i-1)を与える。
は、熱間仕上タンデム圧延の、#6スタンドおよび#7
スタンドに本発明を適用するものであり、上記説明中の
iを7とするものである。#6/#7スタンド間には、
圧延材の幅B(i-1)を測定する幅測定器Wd,圧延材の移
動速度V(i-1)を測定する速度測定器Vdおよび圧延材の
張力T(i-1)を測定する張力測定器Tdが設置されてお
り、コンピュ−タを主体とする板厚制御装置RTCが、
測定器Wd,VdおよびTdの測定値B(i-1),V(i-1)お
よびT(i-1)、ならびに、各種目標値又は基準値および
設定値(以下これらを設定値等と称す)に基づいて、上
記(1)〜(5)項で述べた各種演算を行なって、#7
スタンドの圧下装置に、圧下位置調整量ΔSiを与え、
#6スタンドのロ−ル駆動装置に、ロ−ル周速度調整量
ΔVR(i-1)を与える。
【0034】すなわち、圧延材が所定短距離進行する毎
に、板厚制御装置RTCのV/F変換器(変換機能)V
FCが1個のパルスAを発生する。このパルスAが発生
する度に、板厚制御装置RTCは次の処理を行なう。
に、板厚制御装置RTCのV/F変換器(変換機能)V
FCが1個のパルスAを発生する。このパルスAが発生
する度に、板厚制御装置RTCは次の処理を行なう。
【0035】 a. 検出値および設定値等(図1のRTCブロックに
与えられる情報)を読込む; b. メモリM1,M2およびM3より、time i 前の
書込み値《ΔSi2》,《△VR(i-1)》および《△TR(i-
1)》を読出す。《 》は、メモリM1,M2又はM3に
格納した、time i前の算出値を意味し、time i の遅
延を掛けた値を意味する。《 》の付かない値は現在値
である。
与えられる情報)を読込む; b. メモリM1,M2およびM3より、time i 前の
書込み値《ΔSi2》,《△VR(i-1)》および《△TR(i-
1)》を読出す。《 》は、メモリM1,M2又はM3に
格納した、time i前の算出値を意味し、time i の遅
延を掛けた値を意味する。《 》の付かない値は現在値
である。
【0036】c. 下記(7)式で△Siを算出して#7ス
タンドの圧下装置に出力; △Si=(1)式による△Si1+《(2)式による△Si2》 =f(△T(i-1))+《K2・△h(i-1)》 △T(i-1)=T(i-1)−Ts(i-1)−《△TR(i-1)》 =T(i-1)−Ts(i-1)−《K5・△B(i-1)》 ((5)式より) 従って、 △Si=f(△T(i-1)−《K5・△B(i-1)》)+《K2・△h(i-1)》 =0.03(△T(i-1)−《K5・△B(i-1)》)+《K2・△h(i-1)》 ・・・(7)。
タンドの圧下装置に出力; △Si=(1)式による△Si1+《(2)式による△Si2》 =f(△T(i-1))+《K2・△h(i-1)》 △T(i-1)=T(i-1)−Ts(i-1)−《△TR(i-1)》 =T(i-1)−Ts(i-1)−《K5・△B(i-1)》 ((5)式より) 従って、 △Si=f(△T(i-1)−《K5・△B(i-1)》)+《K2・△h(i-1)》 =0.03(△T(i-1)−《K5・△B(i-1)》)+《K2・△h(i-1)》 ・・・(7)。
【0037】d. メモリM2より読出した《△TR(i-
1)》をi−1スタンドのロ−ル駆動装置に出力; e. (6)式で圧延材の板厚h(i-1)を算出する; f. (2)式でΔSi2を算出し、メモリM1に書込む; g. (3)式で△VR1(i-1)を算出し、(4)式(および4a〜
4e式)で△VR2(i-1)を算出して、△VR(i-1)=△VR2(i
-1)−△VR1(i-1)をメモリM2に書込む。すなわち、
(8)式で△VR(i-1)を算出してメモリM2に書込む; 《△VR(i-1)》=−((3)式による《△VR1(i-1)》) +(4)式による《△VR2(i-1)》 =−{《△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1)》 +《〔hsi/hs(i-1)〕△Vi》 △Vi=(fi−fsi)Vi 従って、 《△VR(i-1)》=−《{△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) +〔hsi/hs(i-1)〕(fi−fsi)Vi》 ・・・(8) 但し、fi,fsiは、(4a)〜(4d)式で算出。
1)》をi−1スタンドのロ−ル駆動装置に出力; e. (6)式で圧延材の板厚h(i-1)を算出する; f. (2)式でΔSi2を算出し、メモリM1に書込む; g. (3)式で△VR1(i-1)を算出し、(4)式(および4a〜
4e式)で△VR2(i-1)を算出して、△VR(i-1)=△VR2(i
-1)−△VR1(i-1)をメモリM2に書込む。すなわち、
(8)式で△VR(i-1)を算出してメモリM2に書込む; 《△VR(i-1)》=−((3)式による《△VR1(i-1)》) +(4)式による《△VR2(i-1)》 =−{《△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1)》 +《〔hsi/hs(i-1)〕△Vi》 △Vi=(fi−fsi)Vi 従って、 《△VR(i-1)》=−《{△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) +〔hsi/hs(i-1)〕(fi−fsi)Vi》 ・・・(8) 但し、fi,fsiは、(4a)〜(4d)式で算出。
【0038】h. (5)式で△TR(i-1)を算出してメモ
リM3に書込む。
リM3に書込む。
【0039】
【発明の効果】上記(1)項の、単位張力偏差△T(i-1)に
対応した△Si1分のiスタンドの圧下位置修正(単位張
力一定制御)によりi−1/iスタンド間単位張力T(i
-1)が一定に維持され、これにより、△hiと△T(i-1)
とは一対一に対応する。しかして、上記(2)項の△h(i-
1)対応の△Si2分のiスタンドの圧下位置調整(偏差除
去用圧下位置調整)により、△h(i-1)によるiスタン
ド出側の板厚偏差が除去される。圧下位置変更に対する
板厚変化の応答性は高く、この偏差除去用圧下位置調整
により、△h(i-1)の中の、比較的に変動周期が短い高
周波成分および変動が緩やかな低周波成分の両者による
iスタンド出側板厚偏差が除去される。上記(3)項の、
i−1スタンドでの△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更
が、偏差除去用圧下位置調整による単位張力変化分を相
殺する。すなわち単位張力一定制御によるiスタンドの
圧下位置修正の誘発を防止する。これにより、偏差除去
用圧下位置調整が有効に機能する。すなわち△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整により生ずる単位張力変化と
△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更により生ずる張力変化
とが拮抗(相殺)する。i−1スタンドの出側板厚h(i
-1)をゲ−ジメ−タ式に基づいて算出するので、本発明
はスタンド間にX線板厚計を備えない圧延設備にも適用
できる。
対応した△Si1分のiスタンドの圧下位置修正(単位張
力一定制御)によりi−1/iスタンド間単位張力T(i
-1)が一定に維持され、これにより、△hiと△T(i-1)
とは一対一に対応する。しかして、上記(2)項の△h(i-
1)対応の△Si2分のiスタンドの圧下位置調整(偏差除
去用圧下位置調整)により、△h(i-1)によるiスタン
ド出側の板厚偏差が除去される。圧下位置変更に対する
板厚変化の応答性は高く、この偏差除去用圧下位置調整
により、△h(i-1)の中の、比較的に変動周期が短い高
周波成分および変動が緩やかな低周波成分の両者による
iスタンド出側板厚偏差が除去される。上記(3)項の、
i−1スタンドでの△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更
が、偏差除去用圧下位置調整による単位張力変化分を相
殺する。すなわち単位張力一定制御によるiスタンドの
圧下位置修正の誘発を防止する。これにより、偏差除去
用圧下位置調整が有効に機能する。すなわち△Si2分の
iスタンドの圧下位置調整により生ずる単位張力変化と
△VR1(i-1)分のロ−ル周速変更により生ずる張力変化
とが拮抗(相殺)する。i−1スタンドの出側板厚h(i
-1)をゲ−ジメ−タ式に基づいて算出するので、本発明
はスタンド間にX線板厚計を備えない圧延設備にも適用
できる。
【図1】 本発明を一態様で実施する板厚制御装置RT
Cの処理機能をブロック区分で示すブロック図である。
Cの処理機能をブロック区分で示すブロック図である。
【図2】 従来のタンデム圧延設備の一例(熱延)を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図3】 従来のタンデム圧延設備の一例(冷延)を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図4】 図3に示すタンデム圧延設備の張力制御系の
機能を示すブロック図である。
機能を示すブロック図である。
HSC(i),HSC(i+1),HSC(i+2):板厚・板幅・
張力制御装置 TC(i),TC(i+1)、TC(i+2):張力制御装置 Wd:板幅測定器 Vd:圧延材速度測定器 T
d:張力測定器
張力制御装置 TC(i),TC(i+1)、TC(i+2):張力制御装置 Wd:板幅測定器 Vd:圧延材速度測定器 T
d:張力測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 狩 野 竜 一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平6−269830(JP,A) 特開 平5−261418(JP,A) 特開 昭55−147410(JP,A) 特開 平5−96316(JP,A) 特開 平4−84614(JP,A) 特開 昭56−126015(JP,A) 特開 昭58−192615(JP,A) 特公 昭61−21728(JP,B2) 特公 平5−10169(JP,B2) 特公 平3−47934(JP,B2) 特許2900972(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/18 B21B 37/46
Claims (2)
- 【請求項1】タンデム圧延機のスタンド間張力を一定に
保ち、かつスタンド間に入る単位時間あたりの圧延材の
質量と当該スタンドから送り出される単位時間あたり圧
延材の質量が等しくなるようにスタンドのロール周速度
を制御するタンデム圧延機の圧延制御方法において、 i−1スタンドとiスタンドの間の圧延材の単位張力T
(i-1)及び圧延材速度V(i-1)を計測し、目標張力に対す
る検出単位張力T(i-1)の差△T(i-1)を実質上零とする
ためのiスタンドの圧下位置変更量ΔSi1を算出してそ
の分iスタンドの圧下駆動手段により該スタンドの圧下
位置を修正すると共に、 i−1スタンドの出側板厚h(i-1)をゲ−ジメ−タ式に
基づいて算出し、 i−1スタンド出側での目標板厚hs(i-1)に対する算出
板厚h(i-1)の偏差△h(i-1)=h(i-1)−hs(i-1)によ
るiスタンド出側の板厚偏差を低減するためのiスタン
ドの圧下位置変更量△Si2ならびに△h(i-1)を実質上
零とするためのi−1スタンドのロール周速変更量△V
R1(i-1)を ΔVR1(i-1)={−△h(i-1)/hs(i-1)}・Vs(i-1) と算出し、圧延材速度V(i-1)に基づいて前記△h(i-1)
を有する部分の圧延材がiスタンドに到達する時刻に、
iスタンドの圧下駆動手段により該スタンドの圧下位置
を圧下位置修正量△Si2だけ修正し、かつ、i−1スタ
ンドのロール周速をロール駆動手段によりロール周速変
更量△VR1(i-1)だけ前記時刻に修正する、圧延制御方
法であって、 iスタンド入側板厚h(i-1),iスタンド入側板厚基準
値hs(i-1),i−1スタンドのロ−ル周速指令値Vs(i-
1)、iスタンド出側板厚基準値hsi、iスタンドのロ−
ル周速Vi、iスタンドの摩擦係数μi、iスタンドの
フラットニングロール径Rei、iスタンドの変形抵抗K
i、i−1,iスタンド間の単位張力T(i-1)に基づい
て、iスタンドの先進率の変動による圧延材速度変動分
△Viを算出するに当たり、まず、板厚が基準値の場合
の先進率fsiを、 fsi={0.455−0.233(1/μi)〔(hs(i-1)−hsi)/
Rei〕1/2}2γsi/(1−γsi)+G(1−0.16γsi)
{(hs(i-1)−hsi)/Rei}1/2{Ti−T(i-1)(hs(i-
1)/hsi)}/2Ki ただし、γsi=(hs(i-1)−hsi)/hs(i-1)により算
出し、 さらに、通板時の板厚の場合の先進率fiを算出し、 fi={0.455−0.233(1/μi)〔(h(i-1)−hi)/Re
i〕1/2}2γi/(1−γi)+G(1−0.16γi){(h(i-1)
−hi)/Rei}1/2{Ti−T(i-1)(h(i-1)/hi)}/2K
i ただし、γi=(h(i-1)−hi)/h(i-1)により算出
し、 これらより、当該iスタンド先進率の変動に伴うiスタ
ンド圧延材速度変動分△Viを △Vi =(fi−fsi)Vi の手順により算出し、当該iスタンド先進率の変動に伴
うiスタンド圧延材速度変動分△Viにより、iスタン
ド出側板厚変動を実質的に零にするi−1スタンドのロ
−ル周速変更量△VR2(i-1)を △VR2(i-1)=〔hsi/hs(i-1)〕△Vi と算出し、前記△VR1(i-1)を△VR1(i-1)+△VR2(i-
1)とすることを特徴とする圧延制御方法。 - 【請求項2】iスタンドの入側板幅B(i-1)を測定し、
入側板幅B(i-1)および入側板幅基準値Bs(i-1)に基づ
いて入側板幅偏差ΔB(i-1)=B(i-1)−Bs(i-1)対応の
単位張力基準変更量△TR(i-1)を算出し、この分前記i
スタンドの圧下位置変更量を変更する、請求項1記載の
圧延制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26912393A JP3243347B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 圧延制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26912393A JP3243347B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 圧延制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07116718A JPH07116718A (ja) | 1995-05-09 |
JP3243347B2 true JP3243347B2 (ja) | 2002-01-07 |
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ID=17468009
Family Applications (1)
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JP26912393A Expired - Fee Related JP3243347B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 圧延制御方法 |
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Families Citing this family (2)
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CN103568176A (zh) * | 2013-10-31 | 2014-02-12 | 苏州泰科尼光伏材料有限公司 | 一种eva胶膜对压辊 |
CN114393033B (zh) * | 2021-12-17 | 2024-04-05 | 天津市新宇彩板有限公司 | 一种酸连轧机组轧制0.24mm极薄料的轧制方法 |
-
1993
- 1993-10-27 JP JP26912393A patent/JP3243347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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