JP2503345B2 - 圧延制御方法 - Google Patents

圧延制御方法

Info

Publication number
JP2503345B2
JP2503345B2 JP4062403A JP6240392A JP2503345B2 JP 2503345 B2 JP2503345 B2 JP 2503345B2 JP 4062403 A JP4062403 A JP 4062403A JP 6240392 A JP6240392 A JP 6240392A JP 2503345 B2 JP2503345 B2 JP 2503345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stand
tension
plate thickness
rolling
deviation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4062403A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05261418A (ja
Inventor
取 英 夫 香
山 高 次 植
谷 直 治 芳
村 英 都 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4062403A priority Critical patent/JP2503345B2/ja
Publication of JPH05261418A publication Critical patent/JPH05261418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2503345B2 publication Critical patent/JP2503345B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機により
鋼材の圧延を実施する際のスタンド間圧延材の板厚及び
張力の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、例えば、特公平2−
31604号公報に開示されている方法があり、また、
発明者らは、鋼板圧延中に、圧下位置をフィードフォワ
ード制御する板厚制御方法を特願平2−404424号
として提案した。この種の熱間圧延制御装置の一例を図
5を用いて以下に説明する。
【0003】図5は、熱間タンデム圧延機であり、7つ
の圧延スタンド,スタンド間のルーパ,圧下制御装置及
びルーパ制御装置により構成されている。図5におい
て、S0はロールギャップ(以下、圧下位置と称する)
検出器、LCは圧延荷重計、SMは圧下位置駆動系、A
GCはSOの出力(圧下位置)とLCの出力(圧延荷
重)から圧下位置変更量を算出する自動板内板厚偏差制
御(Automatic Gauge Control)装置であり、SRAはA
GCの指定した量だけ圧下位置を動かす制御系である。
圧延機のワークロールは、駆動用モータMで駆動され、
ルーパは、ルーパモータIMで駆動される。圧延材の張
力とルーパの高さ(角度θ)を制御するために、高さ制
御装置H.C.と張力制御装置C.C.により、ワーク
ロール駆動モータMとルーパモータIMの回転速度の変
更量がそれぞれ算出される。ワークロールの駆動用モー
タMの回転速度の変更量はSRに送られ、SRによりモ
ータMの速度が指定量だけ変更される。なお、SUC
は、サクセッシブと称され、マスフロー制御のための、
ワ−クロ−ル駆動モ−タMの速度変更量である。また、
X−RAYモニタによる検出板厚をフィ−ドバックして
板厚制御し、各スタンドでの圧下位置変更量等の情報を
次段に伝送して、フィードフォワード制御を行ってい
る。 図5に示すように、従来の熱間圧延機は、基本的
に圧下位置制御により圧延材の板厚精度を確保し、ワー
クロールのロール周速度(以下、ロール周速と称する)
とルーパの高さにより圧延材の張力を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法には以下に示すような問題点がある。例えば熱間圧
延タンデムプロセスの板厚制御に関しては、次のような
外乱がある。
【0005】スキッドマーク外乱: 鋼板の長手方向の温度ムラにより生ずる外乱であり、鋼
板に板厚偏差がない場合でも,温度の高低により変形低
抗が変動して出側板厚偏差要因となる。無制御のとき
は、スキッドマークにより温度が高くなれば圧延荷重P
は下がり、出側板厚hは薄くなる。
【0006】ロール偏芯外乱: バックアップロールの偏芯が原因でロールギャップが変
動することにより生じる外乱である。無制御のときは、
ロール偏芯によりロールギャップが大きくなれば圧延荷
重Pは下がり出側板厚hは厚くなる。
【0007】入側板厚偏差外乱: 前段の圧延機で出側板厚偏差を生じた部分が、次段での
圧延の際に外乱となる。これが入側板厚偏差外乱であ
る。無制御のとき、鋼板の入側板厚が薄くなれば圧延荷
重Pは下がり、出側板厚hは薄くなる。ここで、入側板
厚偏差はあらかじめスタンド間の計測機器で測定でき
る。
【0008】以上述べた外乱の中で、スキッドマーク
外乱とロール偏芯外乱は、その値を前もって知ること
が困難であるため、ロール直下で出側板厚hに偏差△h
が現れたときにフィードバック制御によりできるだけ速
くそれらの影響を除去することが必要である。
【0009】一方、入側板厚偏差外乱は、前もってそ
の値を知ることができるので、フィードフォワード制御
により、その影響を除去することが板厚精度向上のため
には望ましい。
【0010】しかるに、従来の板厚制御(AGC)はす
べて、圧延荷重Pを測定して、圧延荷重Pに加えてロー
ルギャップS,ミル剛性係数Mおよびチューニングファ
クタαにより、板厚偏差を零とするためのロールギャッ
プ変更量を算出し板厚を制御する方法である。すなわ
ち,スキッドマーク外乱,ロール偏芯外乱および
入側板厚偏差外乱の影響による出側板厚偏差△hを、す
べて圧延荷重Pの情報を基に推定してフィードバック制
御により除去しようとする。
【0011】しかし、外乱と外乱は,出側板厚hと
圧延荷重Pとをそれぞれ同一方向に変化させるものであ
るのに対し、外乱は、両者をそれぞれ逆方向に変化さ
せる。このように、圧延荷重Pの増減と出側板厚hの増
減との関係が一対一に対応していないので、外乱〜
の出側板厚hへの影響をすべて圧延荷重Pに基づいて除
去するのは原理的に無理がある。さらに、圧延荷重Pの
偏差△Pを用いて外乱及びの影響を高精度で除去す
るためには、ミル剛性係数Mの値の高精度推定が必要で
あるがこれは実操業では困難なことが多い。
【0012】以上の考察から、従来のAGCによる板厚
制御精度に限界がある原因は、外乱の影響による板厚偏
差を、圧延荷重Pで推定しそしてそれに基づいて圧下を
制御していることにある、といえる。すなわち、外乱の
特徴と従来のAGCの内容の考察から、従来の板厚制御
の問題点は、「外乱の影響による板厚偏差を直接測定し
て制御していないこと」といえる。
【0013】次に、従来のルーパー付きの熱間タンデム
圧延プロセスを、外乱の影響による板厚偏差を直接測定
して制御する系とすることが困難である理由を、図5を
参照して説明する。スキッドマーク外乱およびロール偏
芯外乱の出側板厚への影響を検出する物理量として、圧
延荷重の代わりに鋼板の単位張力に着目する。鋼板単位
張力T(i)は、(i+1)スタンド入側板速V(i+
1)とiスタンド出側板速v(i)の差の積分で決まる
物理量である。
【0014】いま、(i+1)スタンドにおいて、入側
板厚H(i+1)と出側板速v(i+1)が一定のとき
に、スキッドマーク外乱あるいはロール偏差外乱の影響
で出側板厚h(i+1)に目標値h0(i+1)からの
偏差△h(i+1)を生じたとする。このとき、(i+
1)スタンドに単位時間に入り込む体積と出る体積に関
して、 h(i+1)・v(i+1)・b(i+1)=H(i+1)・V(i+1)・B(i+1) ・・・(1) が成立する。ただし、 h(i+1):(i+1)スタンド出側板厚[mm] v(i+1):(i+1)スタンド出側速度[mm/s] b(i+1):(i+1)スタンド出側板幅[mm] H(i+1):(i+1)スタンド入側板厚[mm] V(i+1):(i+1)スタンド入側速度[mm/s] B(i+1):(i+1)スタンド入側板幅[mm] である。また、板幅変動が生じない場合は、 B(i+1)=b(i+1) ・・・(2) が成立するから、 H(i+1)・V(i+1)=h(i+1)・v(i+1) ・・・(3) が導かれ、出側板厚偏差△h(i+1)は、入側速度V
(i+1)に対応する。さらに、スタンド間の鋼板単位
張力T(i)は、(i+1)スタンド入側速度V(i+
1)[mm/s]とiスタンド出側速度V(i)[mm/s]を用い
て、 T(i)=(E/L)∫{V(i+1)−v(i)}dt ・・・(4) によって決まる量である。ここで、入側速度V(i+
1)が変動するとスタンド間の鋼板単位張力T(i)が
変化するはずである。ところがこのとき、従来のルーパ
ー付き熱間タンデム圧延プロセス(図5)では、ルーパ
ーも動いてしまい、(i+1)スタンドのロールバイト
直下の出側板厚偏差△h(i+1)と鋼板単位張力変化
量△T(i)とが一対一に対応しない。
【0015】従来の熱間タンデム圧延プロセスの問題点
は、ルーパーが存在するために、(i+1)スタンドの
ロールバイト直下の出側板厚偏差△h(i+1)と鋼板
単位張力変化量△T(i)とが一対一に対応しないこと
にある。仮にルーパーがなければ、スキッドマークある
いはロール偏芯の影響による△h(i+1)と△T
(i)とは一対一に対応する。すなわち、張力を一定に
すべく圧下位置を操作することは、出側板厚偏差△h
(i+1)を除去することになる。また、(i+1)ス
タンドの油膜厚変動やロール熱膨張の影響により、ロー
ルバイト直下で出側板厚偏差△h(i+1)が生じよう
としても、同様の原理で完全に除去される。
【0016】図6には、冷間圧延におけるル−パのない
タンデム圧延システムの一例を示す。図6において、A
PCは圧下位置制御装置、ATCは張力制御機能、AS
Rがロ−ル周速比制御による板厚制御機能である。図7
には、図6に示す冷間圧延の張力制御機能を示す。冷間
圧延においては、張力制御の応答性を高めるため、張力
変動を圧下位置(ロ−ルギャップ)制御により抑制し
て、ワークロールの周速比により、板厚を制御してい
る。図6,7に示す例では、#1スタンド(以下、#i
はiスタンド圧延機を意味する)において圧下による板
厚制御を実施し、#2〜#4スタンドではロ−ル周速
(スタンド間ロ−ル周速比)により板厚を決定する。ス
タンド間張力が変化し、許容範囲を外れると圧下により
張力を許容範囲に戻す(圧下による張力制限制御)。#
4−5スタンド間において速度による張力モニタAGC
(スタンド間ロ−ル周速比制御による板厚制御)を実施
する。
【0017】従って、冷間圧延では、鋼板単位張力変動
による板幅変動が無視できるため、鋼板単位張力制御
は、高応答ではあるが数値的にはおおまかであり、数[k
gf/mm2]の誤差をもっている。そのため、冷間圧延で用
いられていた、ル−パ−を用いない、圧下を操作端とし
た張力制御を熱間圧延に用いたのでは、板厚偏差及び板
幅偏差が顕著に生じる。なぜなら熱間圧延においては、
鋼板単位張力が0.6〜1.0[kgf/mm2]以内の偏差で張力を
制御しなくては顕著な幅変動が生じ、鋼板単位張力偏差
を0[kgf/mm2]にすべく高応答の制御を施さなくては顕
著な板厚偏差が生じ、結果的に大きな歩留低下を来す。
【0018】本発明はタンデム圧延において、圧延板厚
精度を高めることを目的とし、より具体的には、スキッ
ドマ−ク,圧延スタンドのロ−ル偏芯,入側板厚偏差等
による圧延板厚偏差を可及的に零にすることを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンデム圧延
機のスタンド間張力を一定に保ち、かつスタンド間に入
る単位時間あたりの圧延材の質量と当該スタンド間から
送り出される単位時間あたり圧延材の質量が等しくなる
ようにスタンドのロール周速度を制御するタンデム圧延
機の圧延制御方法において、iスタンドとi+1スタン
ドの間の圧延材の張力T(i),iスタンド出側板厚h(i)
及び圧延材速度v(i)を計測し、目標張力に対する検出
張力T(i)の差△T(i)を実質上零とするためのi+1ス
タンドの圧下位置変更量DST(i+1)を算出してそ
の分i+1スタンドの圧下駆動手段により該スタンドの
圧下位置を修正すると同時に、iスタンド出側での目標
板厚h0(i)に対する検出板厚h(i)の偏差△h(i)=h
(i)−h0(i)分のi+1スタンド出側の板厚偏差を低減
するためのi+1スタンドの圧下位置変更量△S(i+1)
ならびに△h(i)を実質上零とするためのiスタンドの
ロール周速変更量△VR(i)を算出し、圧延材速度v(i)
に基づいて前記△h(i)を有する部分の圧延材がi+1
スタンドに到達する時刻に、i+1スタンドの圧下駆動
手段により該スタンドの圧下位置を圧下位置修正量△S
(i+1)だけ修正し、かつ、iスタンドのロール周速をロ
ール駆動手段によりロール周速変更量△VR(i)だけ前記
時刻に修正する、ことを特徴とする。
【0020】すなわち、より具体的に説明すると、本発
明では、まずルーパーを除去し各スタンド間にテンショ
ンメータを導入し、iスタンドとi+1スタンド間に関
して言えば、スタンド間鋼板単位張力T(i)を高精度
で実測して、i/(i+1)スタンド間張力を一定(目
標張力)に維持する(張力偏差△T(i)を実質上零とす
る)ように、i+1スタンドの圧下位置を調整(自動制
御)する。これを、 DST(i+1)=f(△T(i)) ・・・(5) と表わす。DST(i+1)は、張力偏差△T(i)に対
応するi+1スタンドの圧下位置変更量、f(△T
(i))は、張力制御器TC(i)の、入力(△T(i))と
出力(DST(i+1))の関係を規定する伝達関数であ
り、いわゆるPID制御のものを用いる。
【0021】本発明ではさらに、iスタンドの出側板厚
h(i)をX線厚み計で高精度に測定し、iスタンド出
側板厚偏差△h(i)=h(i)−h0(i)を算出す
る。h0(i)はiスタンド出側目標板厚である。そし
て、この偏差△h(i)分のi+1スタンド出側におけ
る板厚偏差を低減するための、i+1スタンドの圧下位
置変更量△S(i+1)を、 △S(i+1)=K・△h(i) ・・・(6) と算出する。i+1スタンドの出側板厚偏差Δh(i+
1),i+1スタンドの圧下位置調整代△S(i+1)
およびiスタンドの出側板厚偏差Δh(i)の間には、 Δh(i+1)=△S(i+1)・Mi+1/(Mi+1+Qi+1) +Δh(i)・Qi+1/(Mi+1+Qi+1) ・・・(6a) Qi+1:i+1スタンドロールバイト直下における圧延材の塑 性係数〔kgf/mm〕, Mi+1:i+1スタンド剛性係数〔kgf/mm〕 なる関係がある。そこで、Δh(i+1)=0とするために
は、 △S(i+1)=−(Qi+1/Mi+1)・Δh(i) ・・・(6b) とすればよく、K=−Qi+1/Mi+1とすると上記(6)式
となる。したがって(6)式のKは、K=−Qi+1/Mi+1
であるべきであるが、Qi+1,Mi+1は現段階では圧延ラ
イン上で正確に得ることが難かしいので、Qi+1および
i+1の推定値(予想値)よりKを算出してこれを(6)式
のKに用いているので、(6)式ではKは無次元の定数で
ある。
【0022】本発明ではさらに、△h(i)を実質上零
とするためのiスタンドの圧延周速変更量△VR(i)
を、上記(3)式の関係に基づいて、△h(i)ならびに
iスタンドの目標圧延速度すなわちロール周速指令値V
Rref[mm/s]より、 △VR(i)={−△h(i)/h0(i)}・VRref(i) ・・・(7) と算出して、i/i+1スタンド間圧延材速度v(i)
に基づいて、上記偏差△h(i)を有する部分が(i+
1)スタンドに到着する時刻time(i+1)を算出
し、該時刻time(i+1)に、i+1スタンドで上
記△S(i+1)分の圧下位置変更を、またiスタンド
では上記△VR(i)分のロ−ル周速変更を行なう。
【0023】
【作用】上述の、張力偏差△T(i)に対応したDST
(i+1)分のi+1スタンドの圧下位置修正(張力一
定制御)によりi/i+1スタンド間張力T(i)が一
定に維持され、これにより、△h(i+1)と△T
(i)とは一対一に対応する。 しかして、上述の△h
(i)対応の△S(i+1)分のi+1スタンドの圧下
位置調整(偏差除去用圧下位置調整)により、△h
(i)によるi+1スタンド出側の板厚偏差が除去され
る。圧下位置変更に対する板厚変化の応答性は高く、こ
の偏差除去用圧下位置調整により、△h(i)の中の、
比較的に変動周期が短い高周波成分および変動が緩やか
な低周波成分の両者によるi+1スタンド出側板厚偏差
が除去される。
【0024】ところで、この偏差除去用圧下位置調整、
特に△h(i)の低周波成分対応の圧下位置修正は、i
/i+1スタンド間張力T(i)に変動をもたらし上述
の張力一定制御によりi+1スタンドの圧下位置修正を
誘発し、誘発された圧下位置修正が、偏差除去用圧下位
置調整を相殺するように作用する可能性がある。この相
殺を防止するのが、上述の、iスタンドでの△V
R(i)分のロ−ル周速変更であり、このロ−ル周速変
更が偏差除去用圧下位置調整による張力変化分を相殺す
る。すなわち張力一定制御によるi+1スタンドの圧下
位置修正の誘発を防止する。これにより、偏差除去用圧
下位置調整が有効に機能する。すなわち△S(i+1)
分のi+1スタンドの圧下位置調整により生ずる張力変
化と△VR(i)分のロ−ル周速変更により生ずる張力
変化とが拮抗(相殺)する。
【0025】例えば、iスタンド出側板厚偏差△h
(i)が+(厚い)になると、偏差除去用圧下位置調整
によりi+1スタンドの圧下位置が閉められ(ロ−ルギ
ャップが狭く調整され)、i/i+1スタンド間張力が
下がるはずですが、△h(i)が小さくなるように、す
なわちマスフロ−一定の法則によりロ−ル周速が低くな
るようにiスタンドのロ−ル周速が調整(この調整は張
力を高くする)され、圧下位置が閉められることによる
張力低下を、ロ−ル周速が下げられることによる張力上
昇が補なうことになり、これにより張力は一定で経過す
る。その結果、△h(i)対応の△S(i+1)分のi
+1スタンドの圧下位置調整(偏差除去用圧下位置調
整)により、高周波成分であれ低周波成分であれ△h
(i)原因のi+1スタンド出側の板厚偏差が除去され
る。
【0026】図面を参照して説明する。図2は本発明を
実施するタンデム圧延設備の概要を表す図であり、図1
にはその一部を摘出して機能を示す。図1において、H
SC(i),HSC(i+1),HSC(i+2)は板
厚制御装置であり、各スタンドには、駆動モーター,圧
下位置検出器及び圧下駆動装置を装備し、各スタンド間
にはX線板厚計,圧延材の張力計及び圧延材の速度計を
有している。
【0027】スキッドマーク外乱およびロール偏芯外乱
の出側板厚への影響を検出する物理量として、本発明で
は、圧延荷重の代わりに鋼板の単位張力に着目した。鋼
板単位張力T(i)は、(i+1)スタンド入側板速V
(i+1)とiスタンド出側板速V(i)の差の積分で
決まる物理量である。
【0028】いま、(i+1)スタンドにおいて、入側
板厚H(i+1)と出側板速V(i+1)が一定のとき
に、スキッドマーク外乱あるいはロール偏芯外乱の影響
で出側板厚h(i+1)に板厚偏差△h(i+1)を生
じたとする。
【0029】(i+1)スタンドに単位時間に入り込む
体積と出る体積に関し常に上記(1)式の関係が成立し、
また、板幅変動を生じない場合は上記(2)式の関係が成
立するから、上記(3)式が導かれ、この(3)式から、出側
板厚偏差△h(i+1)は、入側速度V(i+1)に対
応する。
【0030】さらに、スタンド間の鋼板単位張力T
(i)は、上記(4)式で決まる量である。 ここで、入
側速度V(i+1)が変動するとスタンド間の鋼板単位
張力T(i)が変化するはずである。ルーパーのない熱
間タンデム圧延プロセスでは,(i+1)スタンドのロ
ールバイト直下の出側板厚偏差△h(i+1)と鋼板単
位張力変化量△T(i)とが一対一に対応する。すなわ
ち、張力を一定にすべく圧下位置を操作することは、出
側板厚偏差△h(i+1)を除去することになるのであ
る。
【0031】例えば、h(i+1)が目標値h0(i+
1)より薄めになった場合は、 V(i+1)=h(i+1)・v(i+1)/H(i+1) ・・・(8) より、V(i+1)はその分減少し、上記(4)式より、
張力T(i)が減少する。 従って、この張力偏差に対
して圧下を開けるべく圧下位置を上げることで圧延材の
張力偏差及び板厚偏差を同時に除去することができる。
また、反対に、h(i+1)が目標値より厚めになった
場合は、上記(8)式よりV(i+1)はその分増加し、
上記(4)式より張力T(i)が増加する。
【0032】従って、この張力偏差に対して圧下を閉め
るべく圧下位置を下げることで圧延材の張力偏差及び板
厚偏差を同時に除去することができる。
【0033】さらに、X線厚み計でiスタンド出側板厚
(i+1スタンド入側板厚)h(i)を高精度に測定
し、偏差△h(i)=h(i)−h0(i)を算出し
て、これを低減するための、(i+1)スタンドにおけ
る圧下位置変更量△S(i+1)を上記(6)式で算出
し、さらに、iスタンドの圧下周速変更量△VR(i)
を、△h(i)ならびにiスタンドのロール周速指令値
Rref[mm/s]より、上記(7)式で算出して、偏差△
h(i)を有する部分が(i+1)スタンドに到着する
時刻time(i+1)に、i+1スタンドで圧下位置
を△S(i+1)分補正し同時にiスタンドのロール周
速を△VR(i)分修正する。
【0034】これによりiスタンドまでで除去しきれな
かった板厚偏差△h(i)を(i+1)スタンドの入側
板厚偏差として除去する。ここで、周速を変更するだけ
でなく圧下位置を同時に変更するため、周速の変更だけ
で除去できなかった高周波の入側板厚偏差をも除去でき
る。
【0035】以上で、ロールバイト直下での出側板厚偏
差および入側板厚偏差を直接測定して直接制御する理想
的な制御系ができ、画期的精度の板厚が実現できる。
【0036】
【実施例】図1は、本発明を一態様で実施する図2に示
すタンデム圧延設備の、一部分の制御機能を示す。図1
において、HSC(i),HSC(i+1)およびHSC(i+2)
は、板厚・板幅・張力制御装置であり、TC(i),TC
(i+1)およびTC(i+2)は張力制御装置であり、各スタン
ドには、ワ−クロ−ル駆動モータM、圧下位置検出器及
び圧下駆動装置を装備し、各スタンド間にはX線板厚計
(三角形ブロック),圧延材の張力計(丸ブロック)及
び圧延材の速度計(正方形ブロック)を有している。
【0037】図1に示すように、複数の圧延スタンドが
連なって配置されたタンデム圧延設備を用いて圧延を行
う場合、本発明の方法を実施する例を説明する。
【0038】〈張力一定制御〉 (i)スタンドで圧延材が望ましい板厚精度で圧延され
ているときに、さらに(i+1)スタンドにより圧延さ
れて、出側板厚h(i+1)に偏差△h(i+1)を生
じたとする。(i+1)スタンドに単位時間に入り込む
体積と出る体積に関し常に、上記(1)式が成立する。ま
た、板幅変動が生じない場合は、上記(2)式が成立する
から、上記(3)式が導かれ、出側板厚偏差△h(i+
1)は入側速度V(i+1)に対応する。さらに、スタ
ンド間の鋼板単位張力T(i)は、上記(4)式で決まる
量である。ここで、入側速度V(i+1)が変動すると
スタンド間の鋼板単位張力T(i)が変化するはずであ
る。ルーパーのない熱間タンデム圧延プロセスでは、
(i+1)スタンドのロールバイト直下の出側板厚偏差
△h(i+1)と鋼板単位張力変化量△T(i)とが一
対一に対応する。そこで、図1に示す張力制御装置TC
(i)で、この張力変動△T(i)を入力としてこの張
力変動△T(i)を抑えるに必要な圧下位置変更量DS
T(i+1)を DST(i+1)=f(△T(i)) ・・・(5) に従って計算する。例えば、張力制御器TC(i)の伝
達関数f(△T(i))を具体的に、f(△T(i))=0.03△
T(i)、すなわち DST(i+1)=0.03△T(i) ・・・(5P) と、P制御の形で与えると(ここでは説明のためにP制
御を提示したが、実際には、PI制御又はPID制御と
するのが望ましい)、張力偏差△T(i)が △T(i)=0.1[kgf/mm2] ・・・(9) と計測されれば、圧下位置変更量DST(i+1)は、 DST(i+1)=0.03×0.1=0.003 ・・・(5Pt) と算出される。
【0039】この結果に基づいて、i+1スタンドの圧
下位置を0.003[mm]閉める方向に修正する。この結果、
張力偏差△T(i)と出側板厚偏差△h(i+1)が修
正される。
【0040】〈フィードフォワード圧下位置調整&ロ−
ル周速調整〉図1に示すHSC(i)は、X線板厚計が
計測した(i)スタンドで圧延された圧延材の板厚h
(i)を読込んで板厚偏差△h(i)を算出し、それが
設定値以上であるとそのときの圧延材の速度v(i)を
速度計から読込む。そして板厚偏差△h(i)を生じた
部分が♯(i+1)スタンドにかみ込む時刻time
(i+1)(ここで、time(i+1)は図示してい
ない)を計算し、かつ、△h(i)による板厚偏差を除
去するために変更するi+1スタンドの圧下位置変更量
DSH(i+1)(=ΔS(i+1))を上記(6)式で
算出し、また、△h(i)を零とする(△h(i)の発
生を回避する)ための♯iスタンドのロール周速変更量
DVR(i)(=ΔVR(i))を上記(7)式で算出し
て、time(i+1)のときに圧下位置変更量DSH
(i+1)及びロール周速変更量DVR(i)分、i+
1スタンドの圧下位置駆動手段で該スタンドの圧下位置
を修正しかつiスタンドのロール周速を変更する。
【0041】偏差△h(i)によるi+1スタンド出側
板厚偏差を除去するために変更する圧下位置変更量DS
H(i+1)は、上記(6)式により、 DSH(i+1)=△h(i)・K DVR(i)=△VR(i) ={−△h(i)/h0(i)}× VRref(i) =−0.01/1.8×10000 =56[mm/s] と計算される。
【0042】したがって、時刻time(i+1)に、
(i+1)スタンドの圧下位置を0.04[mm]閉め
るべく修正し、同時にiスタンドのロール周速を56
[mm/s]だけ減速させる。その結果、iスタンドで
発生した板厚偏差△h(i)は(i+1)スタンドで除
去される。
【0043】図3に、上述の如く本発明を実施して得た
製品の板厚精度を示す。図3の縦軸は板厚[mm]を表
し、横軸は時刻[秒]を表す。図4には、上述の如く本
発明を実施して得た製品の張力精度を示す。図4の縦軸
は張力[kgf/mm2]を表し、横軸は時刻[秒]を表す。
【0044】図8には、従来の熱間圧延の制御方法を実
施して得た製品の板厚精度を示す。図8の縦軸は板厚
[mm]を表し、横軸は時刻[秒]を表す。図8におい
て、圧延材の長手方向の変形抵抗の変化に起因する板厚
偏差が顕著に出ている。
【0045】図9には、従来の冷間圧延の張力制御を実
施して得た製品の張力精度を示す。図9の縦軸は張力
[kgf/mm2]を表し、横軸は時刻[秒]を表す。図9に
おいては、張力変動が4[kgf/mm2]と著しい。
【0046】本発明を使用すれば、図3及び図4にそれ
ぞれ示すように、板厚偏差を十分に除去し、張力偏差も
所定の範囲内で制御しうる。図3及び図4に示すよう
に、図8及び図9に示されるような比較例と比べて、は
るかに良好な板厚制御精度および張力制御精度が得られ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法により,外乱の影響による
板厚偏差を直接制御する制御系が構築できるので、飛躍
的な板厚精度向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2に示すタンデム圧延設備の機能を示すブ
ロック図である。
【図2】 本発明を一態様で実施するタンデム圧延設備
の概要を示す側面図である。
【図3】 図1に示す制御機能により得られた板厚精度
の一例を示すグラフである。
【図4】 図1に示す制御機能により得られた張力精度
の一例を示すグラフである。
【図5】 従来のタンデム圧延設備の一例(熱延)を示
すブロック図である。
【図6】 従来のタンデム圧延設備の一例(冷延)を示
すブロック図である。
【図7】 図6に示すタンデム圧延設備の張力制御系の
機能を示すブロック図である。
【図8】 従来の熱延圧延制御方法による板厚精度の一
例を示すグラフである。
【図9】 従来の冷間圧延制御方法による張力精度の一
例を示すグラフである。
【符号の説明】
1〜7:X線板厚計 8〜14:
圧下位置検出器 15〜20:圧延材の速度計 21〜2
6:圧延材の張力計 27〜33:駆動モータ 34〜4
0:圧下駆動装置 HSC(i),HSC(i+1),HSC(i+2):板厚・板幅・
張力制御装置 TC(i),TC(i+1)、TC(i+2):張力制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンデム圧延機のスタンド間張力を一定に
    保ち、かつ当該スタンド間に入る単位時間あたりの圧延
    材の質量と当該スタンド間から送り出される単位時間あ
    たり圧延材の質量が等しくなるようにスタンドのロール
    周速度を制御するタンデム圧延機の圧延制御方法におい
    て、 iスタンドとi+1スタンドの間の圧延材の張力T
    (i),iスタンド出側板厚h(i)及び圧延材速度v(i)を
    計測し、 目標張力に対する検出張力T(i)の差△T(i)を実質上零
    とするためのi+1スタンドの圧下位置変更量DST
    (i+1)を算出してその分i+1スタンドの圧下駆動
    手段により該スタンドの圧下位置を修正すると同時に、 iスタンド出側での目標板厚h0(i)に対する検出板厚h
    (i)の偏差△h(i)=h(i)−h0(i)によるi+1スタン
    ド出側の板厚偏差を低減するためのi+1スタンドの圧
    下位置変更量△S(i+1)ならびに△h(i)を実質上零とす
    るためのiスタンドのロール周速変更量△VR(i)を算出
    し、圧延材速度v(i)に基づいて前記△h(i)を有する部
    分の圧延材がi+1スタンドに到達する時刻に、i+1
    スタンドの圧下駆動手段により該スタンドの圧下位置を
    圧下位置修正量△S(i+1)だけ修正し、かつ、iスタン
    ドのロール周速をロール駆動手段によりロール周速変更
    量△VR(i)だけ前記時刻に修正する、ことを特徴とする
    圧延制御方法。
JP4062403A 1992-03-18 1992-03-18 圧延制御方法 Expired - Lifetime JP2503345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4062403A JP2503345B2 (ja) 1992-03-18 1992-03-18 圧延制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4062403A JP2503345B2 (ja) 1992-03-18 1992-03-18 圧延制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05261418A JPH05261418A (ja) 1993-10-12
JP2503345B2 true JP2503345B2 (ja) 1996-06-05

Family

ID=13199140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4062403A Expired - Lifetime JP2503345B2 (ja) 1992-03-18 1992-03-18 圧延制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2503345B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7361121B2 (en) 2004-08-30 2008-04-22 Komatsu Ltd. Control device and method for input clutch of work vehicle

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7361121B2 (en) 2004-08-30 2008-04-22 Komatsu Ltd. Control device and method for input clutch of work vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05261418A (ja) 1993-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4274273A (en) Temperature control in hot strip mill
JP2501490B2 (ja) タンデム圧延機の板厚制御装置
JP2503345B2 (ja) 圧延制御方法
JPS61283406A (ja) 多段圧延機のクラウンコントロ−ル補償制御方法
US4907434A (en) Method and device for controlling strip thickness in rolling mills
JPH07116718A (ja) 圧延制御方法
JP2963240B2 (ja) タンデム圧延機の張力制御方法
JP3521081B2 (ja) 熱間仕上げ圧延機における板幅制御方法
JP2978407B2 (ja) 圧延制御方法
JP2982587B2 (ja) 熱間走間板厚変更制御法
JP2900972B2 (ja) 圧延制御方法
JPH04371309A (ja) 熱間圧延機の制御装置
JP3935116B2 (ja) 圧延機の板厚制御装置
JPH01317612A (ja) タンデム圧延機の板厚制御方法
JP2000000607A (ja) 圧延機のスタンド間張力制御装置およびその制御方法
JP3451919B2 (ja) 熱間連続圧延機におけるスタンド間張力制御方法
JP3490305B2 (ja) 圧延機の板厚制御装置
JPH05237526A (ja) 厚板圧延における先端反り制御方法
JP2812878B2 (ja) ステンレス鋼板の板厚制御方法
JP3467559B2 (ja) 熱間連続圧延における板幅制御方法
JP3040044B2 (ja) 熱延鋼板の板幅制御方法
CA1155529A (en) Temperature control in hot strip mill
JPH0818061B2 (ja) 熱間連続圧延における圧延鋼板の絞り込み防止方法
JP3299162B2 (ja) タンデム圧延機のスリップ防止方法および制御装置
JPH0413414A (ja) 熱間連続圧延機における通板時の板厚制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960213