JP2002273510A - 連続圧延における被圧延材後端部分の絞り防止方法及び装置 - Google Patents
連続圧延における被圧延材後端部分の絞り防止方法及び装置Info
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Abstract
防止する。 【解決手段】 当該被圧延材後端が当該圧延スタンドよ
りも一つ上流圧延スタンドを通過する時、当該被圧延材
後端における圧延実績と1本前に圧延した被圧延材後端
の圧延実績を比較し、両者の圧延実績差と、1本前に圧
延した被圧延材後端通過時の蛇行変化量に基づき、当該
被圧延材後端が当該圧延スタンド通過時の左右ロール間
隙を補正する。
Description
被圧延材後端部分の絞り防止方法及び装置に関するもの
である。
えば熱間圧延の場合、板厚2mm未満)を圧延するよう
な場合、板後端部分の圧延時、蛇行が発生し、絞り現象
が発生することがある。ここで、絞りとは、蛇行によっ
て板後端がサイドガイドにせり寄って座屈を生じ、折れ
込んで圧延されることをいう。絞りは、成品の歩留まり
低下につながるだけでなく、圧延機のワークロール(以
下、単にロールと称する)に疵をつけることにより、ロ
ール原単位の悪化、作業能率の低下(ロール組替増)、
後続の被圧延材にロールの疵が転写してできる表面性状
の悪化をもたらすもので大きな問題となっている。
防止するため、例えば特開平7−323319号公報で
は、板圧延開始後の圧延安定時と後端部分が圧延される
前の圧延荷重をそれぞれ検出し、両荷重の差を求めると
ともに、この荷重差と予め求めておいた圧延機のミル伸
び特性係数を用いてミル伸び量を求め、このミル伸び量
を基に後端部分圧延時の左右のロール開度(レベリング
圧下量)を調整している。
予め実験的に求めた蛇行量、ロールシフト位置、圧延鋼
板寸法、圧延荷重、レベリング圧下量の関係実験式を用
いて、圧延機出側における圧延鋼板の蛇行量検出値か
ら、蛇行量を「0」とするのに必要なレベリング圧下修
正量を演算し、被圧延材後端が前スタンド抜けおよび圧
延スケジュールから決定されるタイミングでレベリング
圧下位置を修正している。
323319号公報記載の方法では、蛇行発生要因には
圧延機左右のミル伸び特性差以外にも存在するところ、
他の要因を考慮していないため、絞りを根絶するには至
っていない。また、特開昭64−2712号公報記載の
方法では、蛇行と操業条件の関係を実験的に求め、蛇行
防止を図っているが、蛇行発生の要因が複雑であるた
め、高い精度の実験式を導出することは難しいという問
題点を有していた。
されたものであり、被圧延材の後端部分における蛇行の
みを抑制して、後端部分に発生する絞りを効果的に抑制
することを課題とする。
指し、その金属板とは金属帯をも含む意味とする。ま
た、その板のことを本発明の詳細な説明中随所で被圧延
材と称している。
る蛇行現象は、幅方向のロール表面の潤滑状態や被圧延
材の温度分布、板厚分布など、多くの操業条件が複雑に
関与しているため、高い精度で予測することは難しい。
行の発生要因を調査した結果、被圧延材後端が当該圧延
スタンドよりも一つ上流圧延スタンドから当該圧延スタ
ンドを通過する間の当該圧延スタンド入側/出側におけ
る蛇行変化量が、当該圧延スタンド起因の蛇行要因を特
定するのに適しており、当該被圧延材の1本前に圧延さ
れた被圧延材の後端部分における蛇行発生状況と当該被
圧延材の後端部分の蛇行発生状況に強い相関があること
を見出した。
延スタンドよりも1つ上流スタンドから当該圧延スタン
ドを通過するわずかな時間内での通過位置の被圧延材幅
方向移動量を指す。これは、光式の幅計など、被圧延材
幅端をとらえることのできるセンサを蛇行計として応用
するなどの方法で測定することができる。しかし、本発
明ではこれに限るものではなく、もちろんその他の方法
によって測定してもよい。
であり、過去に圧延された被圧延材後端部分の蛇行発生
情報に基づき、各被圧延材の圧延条件における蛇行発生
を防止する平均的なレベリング圧下量を算出するととも
に、1本前に圧延された蛇行情報に基づいて当該被圧延
材のレベリング圧下位置を修正することにより、絞りを
防止するものである。
ンドから構成される連続圧延機で被圧延材を圧延するに
際し、被圧延材後端が2段目以降のある圧延スタンドよ
りも一つ上流の圧延スタンドを通過する時、当該被圧延
材後端における圧延実績と1本前に圧延した被圧延材後
端の圧延実績を比較し、両者の圧延実績差と1本前に圧
延した被圧延材後端通過時の蛇行変化量に基づき、当該
被圧延材後端が当該圧延スタンド通過時の左右ロール間
隙を補正することを特徴とする連続圧延における被圧延
材後端部分の絞り防止方法である。
スタンドから構成される連続圧延機において、被圧延材
後端通過時の当該圧延スタンドの圧延実績を計測・記憶
する手段と、被圧延材後端が当該圧延スタンドよりも一
つ上流の圧延スタンドから当該圧延スタンドを通過する
間の当該圧延スタンド入側や出側における蛇行変化量の
少なくとも一つを計測・記憶する手段と、当該被圧延材
後端が当該圧延スタンドよりも一つ上流の圧延スタンド
を通過する時、当該被圧延材後端における圧延実績と1
本前に圧延した被圧延材後端の圧延実績を比較する手段
と、両者の圧延実績差と1本前に圧延した被圧延材後端
通過時の蛇行変化量に基づき、当該被圧延材後端が当該
圧延スタンド通過時の左右ロール間隙を補正する手段を
備えたことを特徴とする連続圧延における被圧延材後端
部分の絞り防止装置である。
延される状態を定常状態といい、その状態で圧延される
被圧延材部位を定常部と称することにすれば、被圧延材
定常部では、当該圧延スタンドにおいて蛇行要因が発生
しても、他圧延スタンドの被圧延材拘束作用のために蛇
行が生じないことがあり、逆に、当該圧延スタンドに蛇
行発生要因がなくても、他圧延スタンドの蛇行に引きず
られて当該圧延スタンド前後において被圧延材が蛇行し
てしまうことがある。従って、被圧延材定常部における
データを採取して蛇行挙動を表現するモデルを作成して
も、高い精度の予測モデルを得ることは難しい。
材後端圧延における被圧延材後端の蛇行に対する影響が
顕著に現われる、被圧延材後端が当該圧延スタンドより
も一つ上流圧延スタンドを通過するタイミングから当該
圧延スタンドを通過する間の当該圧延スタンド入側/出
側における蛇行変化量に着目してデータ採取を行うと共
に、本データを用いて、蛇行変化量が「0」となるレベ
リング圧下量と圧延条件の関係を記述するレベリング圧
下量設定モデルである次の(1)式を作成する。
要因としては、圧延荷重、被圧延材板幅、被圧延材板
厚、左右圧延荷重差、入側蛇行量、ワークロール潤滑剤
量、ロールシフト量、ロールクロス角などがあり、圧延
スタンドの型式や圧延条件によって影響度の強いものか
ら取捨選択する。
ールの開度差、正確には被圧延材幅端の開度差を圧延機
の左右の圧下位置の差に換算したもののことを指す。更
に、ここで左右とは、ロールを円柱に見立てた場合の一
方の端部と他方の端部のことをいう。当業者間でオペレ
ータサイド、ドライブサイドと呼んでいるものもこれに
相当し、どちらが左でどちらが右か適宜決定してよい。
因のレベリング圧下量設定値への影響係数(δL/δx
i)を算出し、当該被圧延材後端における圧延荷重、左
右の圧延荷重差、入側蛇行量など、蛇行発生の要因とな
る圧延実績について、次式に示す如く、1本前に圧延し
た被圧延材後端の圧延実績と比較し、両者の圧延実績の
差による蛇行への影響を打ち消すレベリング圧下量補正
値dL1を算出する。
圧延した被圧延材を指す。
条件における蛇行発生を防止できる。
(1)式の予測誤差について、図1に示すように前材の
蛇行変化量と当該材の蛇行変化量には相関がある。従っ
て、前材の蛇行変化量に基づき、当該材のレベリング圧
下位置を、次式により算出されるdL2だけ補正すれば、
当該材の蛇行量を抑制することができる。
係数 gain:ゲイン(定数)
て設定されたレベリング圧下補正量dL1の設定誤差に伴
う蛇行発生が複数のコイルに亘って継続して発生するこ
とを防止できる。
実施形態を詳細に説明する。
を設置した第1実施形態の装置構成を説明するものであ
り、図3は、当該スタンド出側に蛇行計6を設置した第
2実施形態の装置構成を説明するものである。
場合
および各影響係数の算出に当たっては、まず、被圧延材
1の後端が、(i−1)圧延スタンド2a通過直前のタ
イミングにおいて、当該i圧延スタンド2bの入側蛇行
量および圧延実績を圧延実績記憶装置10に記憶する。
ンド2bの入側に設置された蛇行計4通過直前の蛇行量
を圧延実績記憶装置10に記憶する。
影響係数は、圧延実績記憶装置10において、複数の被
圧延材情報を記憶し、算出する。本作業は必ずしも被圧
延材1本毎に行う必要はなく、被圧延材複数本について
被圧延材情報が蓄積された後、オフライン作業として人
が行っても良い。
ついては、図4に示すように、当該被圧延材後端が(i
−1)スタンド通過直前のタイミングにおいて圧延実績
を採取し、当該材と前材の圧延実績の差により(2)式
を用いてレベリング圧下量補正値dL1を算出する。ま
た、前材の蛇行変化量に基づき(3)式によりレベリン
グ圧下量補正値dL2を算出する。そして、本レベリング
圧下量補正値(dL1、dL2)を合計し、当該圧延スタン
ドのレベリング圧下位置を修正する。
するが、本発明においては、上記レベリング圧下量補正
の結果、蛇行を抑制することが可能である。
示す。
おいて、被圧延材後端が右側へ蛇行していたが、自動的
に上記蛇行を修正する手段がなかった。本発明において
は、レベリング圧下量を補正するため、被圧延材後端に
おける蛇行量を抑制可能である。
場合
た場合について説明したが、図3に示すように出側に蛇
行計を設置して制御してもよい。この場合、以下の説明
のようになる。
スタンド2a通過直前のタイミングにおいて当該i圧延
スタンド2bの出側蛇行量および圧延実績を圧延実績記
憶装置10に記憶する。
ンド2b通過直前の蛇行量を圧延実績記憶装置10に記
憶する。当該i圧延スタンド2b通過直前のタイミング
から実際に当該i圧延スタンド2b通過までの間に、次
に述べるレベリング圧下位置補正制御する時間を確保す
る必要はあるが、当該被圧延材のレベリング圧下位置補
正については、第1実施形態に述べたのと同様に、図4
に示すように、当該被圧延材後端が(i−1)スタンド
通過直前のタイミングにおいて圧延実績を採取し、当該
材と前材の圧延実績の差により(2)式を用いてレベリ
ング圧下量補正値dL1を算出する。また、前材の蛇行変
化量に基づき(3)式によりレベリング圧下量補正値d
L2を算出する。そして、本レベリング圧下量補正値(d
L1、dL2)を合計し、当該圧延スタンドのレベリング圧
下位置を修正する。
圧延条件に対応してレベリング圧下量を補正し、更にレ
ベリング圧下量の設定誤差に伴う蛇行発生を前材の蛇行
実績を用いて修正するため、被圧延材後端部分における
蛇行を防止することができ、絞りを防止することができ
る。従って、製品品質の劣化や生産性の低下を防止する
ことが可能となる。
を示す図
する図
する図
圧下位置の推移を従来と比較して示す図
関係の例を従来と比較して示す図
Claims (2)
- 【請求項1】複数の圧延スタンドから構成される連続圧
延機で被圧延材を圧延するに際し、 被圧延材後端が2段目以降のある圧延スタンドよりも一
つ上流の圧延スタンドを通過する時、当該被圧延材後端
における圧延実績と1本前に圧延した被圧延材後端の圧
延実績を比較し、 両者の圧延実績差と1本前に圧延した被圧延材後端通過
時の蛇行変化量に基づき、当該被圧延材後端が当該圧延
スタンド通過時の左右ロール間隙を補正することを特徴
とする連続圧延における被圧延材後端部分の絞り防止方
法。 - 【請求項2】複数の圧延スタンドから構成される連続圧
延機において、 被圧延材後端通過時の当該圧延スタンドの圧延実績を計
測・記憶する手段と、 被圧延材後端が当該圧延スタンドよりも一つ上流の圧延
スタンドから当該圧延スタンドを通過する間の当該圧延
スタンド入側や出側における蛇行変化量の少なくとも一
つを計測・記憶する手段と、 当該被圧延材後端が当該圧延スタンドよりも一つ上流の
圧延スタンドを通過する時、当該被圧延材後端における
圧延実績と1本前に圧延した被圧延材後端の圧延実績を
比較する手段と、 両者の圧延実績差と1本前に圧延した被圧延材後端通過
時の蛇行変化量に基づき、当該被圧延材後端が当該圧延
スタンド通過時の左右ロール間隙を補正する手段と、を
備えたことを特徴とする連続圧延における被圧延材後端
部分の絞り防止装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001078927A JP4617585B2 (ja) | 2001-03-19 | 2001-03-19 | 連続圧延における被圧延材後端部分の絞り防止方法及び装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7513064B2 (ja) | 2021-09-13 | 2024-07-09 | Jfeスチール株式会社 | 圧延設備の形状制御アクチュエータ設定モデルの生成方法、圧延設備の形状制御アクチュエータの設定方法、鋼板の形状制御方法、鋼板の製造方法、及び圧延設備の形状制御装置 |
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-
2001
- 2001-03-19 JP JP2001078927A patent/JP4617585B2/ja not_active Expired - Fee Related
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