JPH09196752A - 測光装置 - Google Patents

測光装置

Info

Publication number
JPH09196752A
JPH09196752A JP8146220A JP14622096A JPH09196752A JP H09196752 A JPH09196752 A JP H09196752A JP 8146220 A JP8146220 A JP 8146220A JP 14622096 A JP14622096 A JP 14622096A JP H09196752 A JPH09196752 A JP H09196752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectron
distribution
wave height
height distribution
photodetector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8146220A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Osuga
慎二 大須賀
Hisanobu Takamoto
尚宜 高本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO, Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK filed Critical BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Priority to JP8146220A priority Critical patent/JPH09196752A/ja
Priority to US08/748,837 priority patent/US5715049A/en
Priority to DE19647428A priority patent/DE19647428A1/de
Priority to GB9624014A priority patent/GB2307296B/en
Publication of JPH09196752A publication Critical patent/JPH09196752A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J11/00Measuring the characteristics of individual optical pulses or of optical pulse trains
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors
    • H04N25/77Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components
    • H04N25/772Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components comprising A/D, V/T, V/F, I/T or I/F converters
    • H04N25/773Pixel circuitry, e.g. memories, A/D converters, pixel amplifiers, shared circuits or shared components comprising A/D, V/T, V/F, I/T or I/F converters comprising photon counting circuits, e.g. single photon detection [SPD] or single photon avalanche diodes [SPAD]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光検出器の光電変換面から放出される光電子
の個数の平均値を高精度に推定して入射光量を精度よく
測定する。 【解決手段】 入射光束Aが光検出器10に入射すると
光電子Bが放出され増倍されて電流信号が出力される。
この電流信号は、積分器20で所定時間積分されて電圧
信号となり、この電圧信号は、AD変換器50でデジタ
ル値に変換され、このデジタル値は、ヒストメモリ60
に入力して、電圧信号の波高分布が生成される。被測定
光束が光検出器10に入射して生成された波高分布と、
単一光電子事象波高分布生成手段71で獲得された単一
光電子事象の波高分布と、k-光電子事象波高分布生成手
段72で算出されたk-光電子事象の波高分布(k=1,2,3,
…)とに基づいて、光電子数分布推定手段73におい
て、被測定光束が光検出器10に入射して放出された光
電子の個数分布が推定され、さらに被測定光束の光量が
求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光束の光子数を計
数する測光装置に関するものであり、例えば生化学等の
分野においてパルス光源で励起された試料から発生する
蛍光を光子計数してその試料中の蛍光分子数を定量測定
するために利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、試料中の蛍光物質(或いは、蛍光
分子)を定量測定するために、その試料に励起光を照射
し、蛍光物質から発生する蛍光の強度を測定している。
このような測定に用いられる装置として、蛍光光度計が
ある。この蛍光光度計には、光源として例えばキセノン
ランプが用いられ、また、蛍光検出器として光電子増倍
管が用いられる。一般には、キセノンランプは、パルス
点灯ではなく連続点灯され、また、光電子増倍管は、蛍
光物質で発生した蛍光を受光して、その蛍光強度に応じ
た出力電流を連続的に出力する。このようにして、蛍光
強度が測定され、光電子増倍管の出力値に基づいて蛍光
物質が定量される。
【0003】しかし、試料中の蛍光物質の量が微量であ
り蛍光強度が検出限界以下である場合には、蛍光光度計
を用いることができない。そこで、このような場合に
は、励起光源としてレーザ光源が用いられる。この場合
も同様にレーザ光で励起された試料中の蛍光物質から発
生した蛍光の強度が光電子増倍管で測定され、光電子増
倍管の出力値に基づいて蛍光物質が定量される。
【0004】レーザ光源から出力されたパルスレーザ光
で試料中の蛍光物質を励起し、蛍光強度測定結果すなわ
ち光電子増倍管からの出力値から試料中の蛍光物質を定
量する方法として、光電子増倍管からの出力パルスの計
数値を利用するいわゆる光子計数法によるものと、光電
子増倍管からの出力パルスの波高値を利用する方法とが
ある。更に、光子計数法による定量法には、計数値に比
例した蛍光物質があるものと推定する方法と、1パルス
のレーザ光の試料照射につき光電子増倍管の光電変換面
から放出される光電子の個数が0個である確率p(0) か
ら蛍光物質の量を推定する方法とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の光子計
数法による定量方法で計数値に比例した量の蛍光物質が
あると推定すると以下のような問題がある。1パルスの
レーザ光の試料照射につき光電子増倍管の光電変換面か
ら放出される光電子の個数は、入射光量に応じた光電子
数分布に従う。この光電子数分布に従って放出される光
電子の個数が1個である確率をp(1) とし、また、その
個数が2個以上である確率をp(x≧2)とする。また、光
電変換面における光電子数分布がポアソン分布に従うも
のとする。この時、例えば、1パルスのパルスレーザ光
によって励起された蛍光物質から発生した蛍光を光電子
増倍管が受光して光電変換面から放出される光電子の個
数の平均値λが 0.1を越えると、p(x≧2)/p(1) は5
%以上になる。この比が大きい程、光電子増倍管に入射
した蛍光の光量と光電子増倍管からの出力パルスの計数
値とは比例関係から大きく外れるので、光電子増倍管か
らの出力パルスの計数値から蛍光物質を定量すると誤差
が大きくなる。
【0006】また、ゼロ確率を利用する定量方法では以
下のような問題がある。この定量方法では、光電変換面
における光電子数分布がポアソン分布に従うものとし
て、光電子数の平均値λを
【数1】 なる式で推定し、これに比例するものとして蛍光物質を
定量する。ここで、パルスレーザ光による励起回数をN
とし、光電子増倍管からの出力パルスの計数値をnとす
ると、
【数2】 であるので、(1)式は、
【数3】 となる。上式でλ値を推定する場合であっても、λ値が
大きくなると(例えば、λ>1.5 )、すなわち、nがN
に近付くと、λ値の推定誤差は大きくなる。
【0007】また、光電子増倍管からの出力パルスの波
高値を利用する従来方法では以下のような問題点があ
る。この方法では、1回のパルス励起当たり光電変換面
から放出される平均光電子数が、出力パルスの波高値の
平均値<h>に比例するとして、蛍光物質を定量する。
ここで、<h>は、
【数4】 なる式で与えられ、Nは励起回数であり、n(h) は波高
値がhである光電子増倍管の出力パルスの計数値であ
り、hmax は、波高値をデジタル値に変換するAD変換
器のビット数で決まる最大波高値であり、hmin は、平
均波高値の計算に使用する最小の波高値である。hmin
=0であることが望ましいが、光電子増倍管からの出力
パルスに重畳する増幅器系のノイズの為に、hmin =0
とすることはできない。それ故、(4)式で計算した平
均波高値は真の値とは異なるものとなる。また、平均光
電子数が大きくなると、hmax よりも大きな波高値のパ
ルスが出力される頻度が増えてくるが、このような波高
値のパルスは計数されないので、(4)式で平均波高値
を計算して蛍光物質を定量すると過小評価することにな
る。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、光検出器の光電変換面で2個以上の光
電子が放出される確率が高くても、あるいは、光検出器
の光電変換面から放出される光電子の個数の平均値λが
大きくても、λを高精度に推定して、光量を精度よく測
定することができる測光装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の測光装置
は、(1) 入射した光束の光量に応じた光電子数分布に従
った個数の光電子を放出し、光電子を増倍して電流信号
を出力する光検出器と、(2) 電流信号を所定時間積分し
て電圧信号に変換する積分手段と、(3) 電圧信号の波高
分布を生成する波高分布生成手段と、(4) 光検出器で放
出される光電子が1個の場合に波高分布生成手段で生成
される波高分布を単一光電子事象波高分布として獲得す
る単一光電子事象波高分布生成手段と、(5) 光検出器で
放出される光電子の個数kが2以上かつ所定数以下のそ
れぞれの場合におけるk-光電子事象波高分布を、単一光
電子事象波高分布に基づいて漸化的にコンボリューショ
ン計算によって算出するk-光電子事象波高分布生成手段
と、(6) 被測定光束が光検出器に入射して波高分布生成
手段で生成された波高分布と単一光電子事象波高分布と
光電子の個数kそれぞれの場合におけるk-光電子事象波
高分布とに基づいて、被測定光束が光検出器に入射した
場合の光電子数分布を推定することによって被測定光束
の光量を求める光電子数分布推定手段と、を備えること
を特徴とする。
【0010】この測光装置によれば、光束が光検出器に
入射すると、その光量に応じた光電子数分布に従った個
数の光電子が放出され、その光電子が増倍されて電流信
号が出力される。この電流信号は、積分手段により所定
時間積分されて電圧信号となり、この電圧信号は、波高
分布生成手段によりその波高分布が生成される。光検出
器で放出される光電子が1個の場合に波高分布生成手段
で生成される波高分布は、単一光電子事象波高分布とし
て、単一光電子事象波高分布生成手段により獲得され、
また、光検出器で放出される光電子の個数kが2以上か
つ所定数以下のそれぞれの場合におけるk-光電子事象波
高分布は、k-光電子事象波高分布生成手段により、単一
光電子事象波高分布に基づいて漸化的にコンボリューシ
ョン計算によって算出される。そして、光電子数分布推
定手段により、被測定光束が光検出器に入射して波高分
布生成手段で生成された波高分布と単一光電子事象波高
分布と光電子の個数kそれぞれの場合におけるk-光電子
事象波高分布とに基づいて、被測定光束が光検出器に入
射した場合の光電子数分布を推定することによって被測
定光束の光量が求められる。
【0011】請求項2記載の測光装置は、(1) 入射した
光束の光量に応じた光電子数分布に従った個数の光電子
を放出し、光電子を増倍して電流信号を出力する光検出
器と、(2) 電流信号を所定時間積分して電圧信号に変換
する積分手段と、(3) 電圧信号の波高分布を生成する波
高分布生成手段と、(4) 電圧信号を互いに異なる所定の
参照電圧それぞれと比較して、電圧信号が所定の参照電
圧それぞれより大きい場合に論理パルス信号をそれぞれ
出力する所定数の比較手段と、(5) 所定数の比較手段そ
れぞれから出力された論理パルス信号をそれぞれ計数す
る所定数の計数手段と、(6) 光検出器で放出される光電
子が1個の場合に波高分布生成手段で生成される波高分
布を単一光電子事象波高分布として獲得する単一光電子
事象波高分布生成手段と、(7) 光検出器で放出される光
電子の個数kが2以上かつ所定数以下のそれぞれの場合
におけるk-光電子事象波高分布を、単一光電子事象波高
分布に基づいて漸化的にコンボリューション計算によっ
て算出するk-光電子事象波高分布生成手段と、(8) 被測
定光束が光検出器に入射して所定数の計数手段それぞれ
で得られた計数結果と単一光電子事象波高分布と光電子
の個数kそれぞれの場合におけるk-光電子事象波高分布
とに基づいて、被測定光束が光検出器に入射した場合の
光電子数分布を推定することによって被測定光束の光量
を求める光電子数分布推定手段と、を備えることを特徴
とする。
【0012】この測光装置によれば、光束が光検出器に
入射すると、その光量に応じた光電子数分布に従った個
数の光電子が放出され、その光電子が増倍されて電流信
号が出力される。この電流信号は、積分手段により所定
時間積分されて電圧信号となり、この電圧信号は、波高
分布生成手段によりその波高分布が生成される。光検出
器で放出される光電子が1個の場合に波高分布生成手段
で生成される波高分布は、単一光電子事象波高分布とし
て、単一光電子事象波高分布生成手段により獲得され、
また、光検出器で放出される光電子の個数kが2以上か
つ所定数以下のそれぞれの場合におけるk-光電子事象波
高分布は、k-光電子事象波高分布生成手段により、単一
光電子事象波高分布に基づいて漸化的にコンボリューシ
ョン計算によって算出される。また、被測定光束が光検
出器に入射した場合に積分手段から出力された電圧信号
は、所定数の比較手段により、互いに異なる所定の参照
電圧それぞれと比較されて、電圧信号が所定の参照電圧
それぞれより大きい場合に論理パルス信号がそれぞれ出
力され、その論理パルス信号は所定数の計数手段それぞ
れにより計数される。そして、光電子数分布推定手段に
より、その所定数の計数手段それぞれで得られた計数結
果と単一光電子事象波高分布と光電子の個数kそれぞれ
の場合におけるk-光電子事象波高分布とに基づいて、被
測定光束が光検出器に入射した場合の光電子数分布を推
定することによって被測定光束の光量が求められる。
【0013】上記何れの測光装置においても、光検出器
として、(1) 入射した光束の光量に応じた光電子数分布
に従った個数の光電子を放出する光電変換面と、(2) ア
ノードとカソードとの間に逆バイアス電圧が印加され、
且つ、光電変換面に対向する部位が光電変換面の電位よ
りも高電位に設定されて、光電子を入力して生成された
電子・正孔対をアバランシェ増倍し、アバランシェ増倍
された電子・正孔対の数に応じた電流信号を出力するア
バランシェフォトダイオードと、(3) 光束を透過させる
入射窓を備えて光電変換面およびアバランシェフォトダ
イオードを内部に含む真空容器と、を備えるものが好適
に用いられる。この場合、光検出器から出力される電流
信号の波高分布において、光束が入射して放出される光
電子の個数がk個であるk-光電子事象それぞれに対応す
るピークを明瞭に識別することができるので、入射した
光束の光量に応じた光電子数分布およびその光束の光量
を精度よく測定することができる。
【0014】また同様に上記何れの測光装置において
も、光電子数分布推定手段は、最尤法により光電子数分
布を推定してもよい。また、光電子数分布としてポアソ
ン分布を仮定してもよい。何れの場合でも、入射した光
束の光量に応じた光電子数分布およびその光束の光量を
精度よく測定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0016】(第1の実施形態)まず、第1の実施形態
に係る測光装置の構成について説明する。図1は、第1
の実施形態に係る測光装置の構成図である。
【0017】パルス状の入射光束Aを受光する光検出器
10は、その入射光束Aの光量に応じた光電子数分布に
従った個数の光電子を放出し、その光電子を増倍して電
流信号を出力するものであり、例えば、アバランシェフ
ォトダイオード(以下、APD)を利用した光検出器
(参考文献 : Shawn J. Fagen, "Vacuum avalanche ph
otodiodes can count single photons", Laser Focus W
orld, Nov. (1993) pp.125-132)が好適に用いられる。
このAPDを利用した光検出器の断面図を図2に示す。
【0018】この光検出器10は、内部が真空に保たれ
ている真空容器11の一部に入射窓12が設けられてお
り、入射光束Aは、その入射窓12を透過して、光電変
換面13に到達する。光電変換面13には、APD15
のアノード16に対して例えば−10kVないし−15
kVの高電圧が、高圧電源19によって印加されている
ので、入射光束Aが光電変換面13に入射すると、その
入射光束Aの光量に応じた光電子数分布に従った個数の
光電子Bが放出される。そして、その光電子Bは、光電
変換面13とAPD15との間の電界によって加速さ
れ、中央部に開口を有し所定電位に設定された集束電極
14によって集束されて、APD15に入射する。
【0019】このAPD15は、アノード16とカソー
ド17との間に、逆バイアス電源18によって逆バイア
ス電圧(例えば、+145V)が印加され、且つ、光電
変換面13に対向するアノード16の電位は光電変換面
13の電位よりも高電位に設定されている。このAPD
15に光電子Bが衝突すると、電離作用により光電子が
APD15中で失ったエネルギ3.6eV当たり1対の
電子および正孔が生成され、そして、この電子・正孔対
は、APD15内で、逆バイアス電圧と図3に示すよう
な関係にあるアバランシェ増倍率でアバランシェ増倍さ
れ、アノード端子16aおよびカソード端子17aの間
に電流信号として出力される。但し、光電子がAPD1
5内で失うエネルギは一定値ではなく或る分布に従うた
め、また、APD15の増倍率も一定値ではなく或る増
倍率分布に従うため、1個の光電子の入射により出力さ
れる電流信号の大きさも或る分布を有する。
【0020】したがって、光検出器10が一定光量の光
束を多数回測定すると、光電変換面13で放出される光
電子の個数分布(光電子数分布)は、光量に応じた或る
平均値の周りに広がった分布となり、光検出器10から
出力される電流信号は、光電子1個によりAPD15か
ら出力される電子・正孔対の個数の分布に従って更に広
がりのある分布となる。
【0021】このAPDを利用した光検出器10は、光
電子増倍管と同様に単一光子をも計数でき、さらに、光
電子増倍管と比較して増倍雑音が小さいため、一定光量
の光束を多数回測定して得られる電流信号の波高分布に
おいて、k-光電子事象すなわち光電変換面13に光束が
入射して放出される光電子の個数がk個である事象(k=
1,2,3,…)それぞれに対応するピークを識別することが
できるという優れた特徴を有する。このような特徴を有
することから、本発明に係る測光装置に用いるに好適な
ものである。
【0022】この光検出器10から出力された電流信号
を入力する積分器20は、その電流信号を一定時間積分
して電圧信号に変換する。この積分器20には、光検出
器10のアノード端子16aと接地端子との間に、スイ
ッチ21とコンデンサ22とが並列に設けられている。
スイッチ21は、入射光束Aが光検出器10へ入射する
タイミングに同期して開閉され、例えば、パルス状の入
射光束Aの入射時刻を基準として時間t1から時刻t2
までの一定時間だけ開かれる。コンデンサ22は、スイ
ッチ21が開いている間だけ、光検出器10から出力さ
れた電流信号を積分し、その積分結果である電位が一方
の端子(図中の点P)に現れる。スイッチ21が閉じる
と、コンデンサ22に蓄積された電荷は放電され、点P
の電位は接地電位となる。
【0023】積分器20で電流信号が積分された結果で
ある点Pの電位は、増幅器30によって、後段のサンプ
ルホールド回路40やAD変換器50における動作に際
して適当な振幅となるよう増幅される。この増幅器30
から出力された電圧信号は、サンプルホールド回路4
0、AD変換器50およびヒストメモリ60からなる波
高分布生成手段により、その波高値の分布が得られる。
【0024】すなわち、増幅器30から出力された電圧
信号は、サンプルホールド回路40でサンプリングされ
てホールドされ、更に、AD変換器50で、その電圧信
号に応じたデジタル値に変換される。サンプルホールド
回路40およびAD変換器50も、入射光束Aが光検出
器10へ入射するタイミングに同期して動作し、例え
ば、時刻t2の直前の時刻における点Pの電位に応じた
デジタル値が出力される。このデジタル値を入力するヒ
ストメモリ60は、積分器20において一定時間の積分
が行われる度に、そのデジタル値に応じた番地に所定値
(例えば、1)を累積加算する。積分器20における多
数回の積分結果についてヒストメモリ60に累積加算す
ることによって、AD変換器50から出力された電圧信
号の波高値の分布が得られる。
【0025】この波高分布に基づいて、演算部70は、
光検出器10の光電変換面13で放出された光電子の個
数の分布(光電子数分布)を推定し、この推定された光
電子数分布に基づいて入射光束Aの光量を求める。演算
部70として例えばコンピュータが用いられる。
【0026】次に、光検出器10の光電変換面13に入
射光束が入射して放出される光電子数分布の推定方法に
ついて詳細に説明する。この推定は、演算部70におい
て行われるものである。
【0027】被測定光束の光量測定に先立って、先ず、
演算部70内の単一光電子事象波高分布生成手段71
は、単一光電子事象の場合にヒストメモリ60で生成さ
れる単一光電子事象波高分布を獲得する。ここで、単一
光電子事象とは、光検出器10の光電変換面13に光束
が入射して1個の光電子が放出される事象をいい、単一
光電子事象波高分布とは、その事象が発生した場合にヒ
ストメモリ60で生成される波高分布である。すなわ
ち、単一光電子事象波高分布は、光電変換面13で放出
された1個の光電子がAPD15に入射したことにより
APD15から出力される電子・正孔対の個数の分布を
表すものである。
【0028】この単一光電子事象波高分布は以下のよう
にして求める。すなわち、入射光束Aの強度を、単一光
電子事象が発生する確率が圧倒的に支配的となるような
極めて微弱にして光検出器10に入射させ、光検出器1
0から出力された電流信号を積分器20で一定時間積分
して電圧信号を出力し、その電圧信号を増幅器30で増
幅する。増幅器30から出力された電圧信号は、サンプ
リングホールド回路40で所定のタイミングでサンプリ
ングされてホールドされ、さらに、AD変換器50で、
その電圧値に応じたデジタル値に変換される。そして、
積分器20において積分が行われる度に、このデジタル
値に対応したヒストメモリ60の番地に所定値が累積加
算されて波高値分布が得られる。このようにして得られ
た波高値分布が、単一光電子事象波高分布である。
【0029】この単一光電子事象波高分布を、波高値h
の関数としてp1(h)で表す。hは、AD変換器50から
の出力値であり、積分器20から出力される電圧信号の
波高値と1対1に対応している。
【0030】なお、このp1(h)の低波高部には増幅器系
のノイズが重畳しているので、実データを使用すること
ができない。そこで、低波高部では実データを用いるこ
となく、ノイズが重畳していない隣接した波高域のデー
タから外挿して求める。また、p1(h)は、
【数5】 で規格化しておく。hmax は、波高値をデジタル値に変
換するAD変換器50のビット数で決まる最大波高値で
ある。
【0031】続いて、k-光電子事象波高分布生成手段7
2は、k-光電子事象波高分布、すなわち、光検出器10
の光電変換面13に光束が入射してk個の光電子が放出
される場合の波高分布pk(h)を、
【数6】 なるコンボリューション計算によって漸化的に算出する
(k=2,3,…,K)。Kは2以上である。光電子数分布を推
定する際に任意の分布を仮定する場合には、p1(h)のピ
ーク値を与える波高値をhpeak1 として、K=hmax
peak1 とする。hmax =4095、hpeak1 =400
であれば、Kは10程度である。また、光電子数分布と
してポアソン分布を仮定する場合には、Kは、hmax
peak1 の2ないし3倍程度、すなわち、hmax =40
95、hpeak1 =400であれば、Kは30程度にす
る。なお、以上のようにして波高分布pk-1(h)とp1(h)
とのコンボリューション計算から波高分布pk(h)を求め
ることができることの根拠は、光電変換面13で放出さ
れAPD15に入射したk個の光電子が、それぞれ独立
に電子・正孔対をアバランシェ増倍することに基づく。
【0032】なお、光検出器10、積分器20および増
幅器30において発生するノイズに起因する波高分布の
広がりが無視できない場合には、波高分布p1(h)からそ
のノイズの影響をデコンボリューション計算によって取
り除いたものに基づいて、(6)式で波高分布pk(h)そ
れぞれを算出し、その後、波高分布pk(h)それぞれにノ
イズの影響をコンボリューション計算によって重畳して
おく(k=2,3,…,K)。
【0033】以上のようにして、測光装置が固有的に有
しているノイズの影響を考慮した波高分布pk(h)(k=1,
2,3,…,K)を、被測定光束の光量測定に先立って用意し
ておく。図4は、このようにして求められたk-光電子事
象の波高分布pk(h)それぞれを示す図である。なお、こ
の図では、K=8としてある。
【0034】そして、光電子数分布推定手段73は、被
測定光束を光検出器10で受光してヒストメモリ60に
生成された波高分布n(h) を獲得し、この波高分布n
(h) および上述した単一光電子事象およびk-光電子事象
それぞれ場合の波高分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)から、
被測定光束を受光して光電変換面13から放出された光
電子の個数の平均値すなわち被測定光束の光量を、以下
の要領で推定する。
【0035】この波高分布n(h) は、規格化する必要は
なく、ヒストメモリ60に蓄積されたままの値でよい。
すなわち、波高分布n(h) は、波高値hが得られた事象
の分布を表す。入射光束を受光して光検出器10の光電
変換面13で放出される光電子の個数の分布(光電子数
分布)の推定に際しては例えば最尤法を用いる。すなわ
ち、k-光電子事象それぞれが生起する確率をqk (k=1,
2,3,…,K)として、
【数7】 なる式で表される対数尤度が最大になるqk を求め、こ
れを推定光電子数分布とする。ここで、Nは測定回数で
あり、hmin は解析に使用できる最小の波高値hであ
る。波高値hが小さい場合には、光検出器10や増幅器
30などに因るノイズが重畳されているので解析には使
用できないので、波高値hmin 以上についてのみ解析す
る。また、p(h) およびpNDは、
【数8】
【数9】 である。このp(h) は、k-光電子事象(k=1,2,3,…,K)
それぞれの生起確率(光電子数分布)をも考慮した波高
値hの発生確率分布を表す。(7)式の対数尤度を最大
とするqk を求めるには、例えば最適化問題に対して使
われる準ニュートン法等の数値計算法を適用する。
【0036】光電子数分布としてポアソン分布を仮定す
る場合には、k-光電子事象それぞれが生起する確率qk
(k=1,2,3,…,K)は、
【数10】 で表される。ここで、λは、光電変換面13から放出さ
れる光電子の個数の平均値である。この場合、対数尤度
を最大とする光電子数分布を求めることは、対数尤度を
最大とするλ値を求めることであり、例えば黄金分割法
等の数値計算により求めることができる。以下では、光
電子数分布としてポアソン分布を仮定する。図5は、被
測定光束を光検出器10で受光してヒストメモリ60に
生成された波高分布(破線)と、最尤法で推定されたλ
値に基づいて計算された波高分布(実線)との1例を示
す。両者は、波高値hmin (=150)以上の範囲で良
い一致を示している。なお、このとき推定された光電子
数の平均値λは、1.03であった。
【0037】次に、光電子数の平均値λの推定誤差に関
して第1の実施形態に係る測光装置と従来技術(ゼロ確
率を利用する推定法)との理論的比較について述べる。
図6は、本実施形態による推定法とゼロ確率を利用する
推定法との比較の結果を示す図である。
【0038】光検出器の光電変換面から放出される光電
子数の平均値λ0 を 0.1、0.2、0.4、1.0、2.0、3.0 と
し、それぞれにつき500個の波高分布をシミュレーシ
ョン計算で生成し、これを用いてそれぞれの手法で光電
子数の平均値λを推定し、その推定値の分布の標準偏差
を求めた。図6中の◇印は、第1の実施形態に係る測光
装置を用いた場合の推定λ値の分布の標準偏差の理論値
であり、□印は、ゼロ確率を利用する推定法の場合の推
定λ値の分布の標準偏差の理論値である。
【0039】この図より、ゼロ確率を利用する推定法に
よる推定よりも、第1の実施形態に係る測光装置を用い
た方が、光電子数の平均値λを精度よく推定できること
がわかる。特に、光電子数の平均値λが 0.4を越える
と、この平均値λが大きい程、それぞれの推定法による
推定λ値の分布の標準偏差の差が大きくなる。すなわ
ち、第1の実施形態に係る測光装置を用いれば、入射光
束が光検出器10に入射して光電変換面13から放出さ
れる光電子数の平均値λが大きい場合であっても、その
平均値λを精度良く推定することができ、つまりは、そ
の入射光束の光量を精度良く求めることができる。
【0040】次に、光電子数の平均値λの推定誤差に関
して第1の実施形態に係る測光装置と従来技術(平均波
高値を利用する推定法)との理論的比較について述べ
る。図7は、本実施形態による推定法と平均波高値を利
用する推定法との比較の結果を示す図である。
【0041】光検出器の光電変換面から放出される光電
子数の平均値λ0 を 0.1、0.2、0.4、1.0、2.0、3.0、
7.0、10.0、12.5、15.0、17.5、20.0とし、それぞれに
つき500個の波高分布をシミュレーション計算で生成
し、これを用いてそれぞれの手法で光電子数の平均値λ
を推定し、500個の推定λ値の平均値<λ>とシミュ
レーションで波高分布を生成する際に与えたλ0 との比
<λ>/λ0 を求めた。図7中の◇印は、第1の実施形
態に係る測光装置を用いた場合の<λ>/λ0 であり、
□印は、平均波高値を利用する推定法の場合の<λ>/
λ0 である。
【0042】この図より、平均波高値を利用する従来技
術では、平均光電子数λ0 が7より大きくなると、h
max よりも大きな波高値の事象の発生が無視できないほ
どの頻度となり、推定値は真の値よりも小さくなってい
る。すなわち、この推定法に基づいて蛍光物質を定量す
ると過小評価することになる。λ0 =20の場合、光電
子増倍管からの出力パルスのうち僅かに5%のみが、波
高値がhmin からhmaxまでの間に入って検出される。
一方、第1の実施形態に係る測光装置による推定法で
は、λ0 値が20になっても真の値と略等しい推定値が
得られている。
【0043】次に、第1の実施形態に係る測光装置を蛍
光測定に適用した場合について説明する。図8は、第1
の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光測定システムの
構成図である。
【0044】励起光であるパルスレーザ光を出力するパ
ルスレーザ光源80は、そのレーザ光出力のタイミング
信号をも出力する。カウンタ81は、このタイミング信
号に基づいて、出力されたパルスレーザ光のパルス数、
すなわち、蛍光物質の励起回数Nを計数する。また、ト
リガ回路82は、タイミング信号に基づいて、測光装置
100のスイッチ21、サンプルホールド回路40およ
びAD変換器50それぞれの動作タイミングを制御する
信号を生成し出力し、測光装置100の動作を制御す
る。
【0045】パルスレーザ光源80から出力された蛍光
物質励起の為のパルスレーザ光は、反射鏡83で反射さ
れ、レンズ84および85でビーム径を拡大された後、
レンズ86で集光されて試料90に照射され、試料90
中の蛍光物質を励起する。この蛍光物質から発生した蛍
光は、レンズ91および93で集光され、バリアフィル
タ92を透過して、測光装置100の光検出器10の入
射窓12に入射する。バリアフィルタ92は、蛍光を透
過させるが、試料90で散乱されて光検出器10の入射
窓12の方向に向かうパルスレーザ光を遮断する。
【0046】以下では、パルスレーザ光(励起光)発生
タイミング、蛍光光量および各信号の時間変化を示す図
9も参照しながら説明する。この図では、パルスレーザ
光(励起光)発生時刻を基準にしている(図9
(a))。
【0047】蛍光は、試料90中の蛍光物質にパルスレ
ーザ光が照射された直後から発生し、光検出器10の入
射窓12に入射する蛍光光量(図9(b))は、その後
漸減する。この蛍光を受光した光検出器10から出力さ
れる電流信号(図9(c))は、蛍光光量変化に応じて
変化する。すなわち、光電変換面13から放出された光
電子がAPD15内に入射してアバランシェ増倍された
電子・正孔対の数に応じた電流信号が出力されるまで或
程度時間を要するので、光検出器10から出力される電
流信号の大きさは、蛍光を初めて受光した時刻から次第
に増加し、やがて蛍光光量と同様に漸減する。
【0048】測光装置100の積分器20は、この光検
出器10から出力された電流信号を積分する。その積分
時間Twは、パルスレーザ光発生時刻またはその直前に
始まり、蛍光放出が殆ど終了するまで(例えば蛍光寿命
の4ないし5倍程度)とする。トリガ回路82は、この
積分時間Twの間だけスイッチ21が開状態となること
を指示するゲート信号(図9(d))を、レーザ光出力
のタイミング信号に基づいて生成し出力する。コンデン
サ22には、この積分時間Twの間に光検出器10から
出力された電流信号(図9(c))を積分した電荷が蓄
積される。図8中の点Pにおける電位(図9(e))は
次第に増加するが、蛍光光量の漸減に伴ってやがて飽和
状態となり略一定値となる。この一定値となった点Pの
電位は、光検出器10のAPD15で生成された電子・
正孔対の総数に応じたものである。
【0049】点Pの電位は増幅器30で増幅され、増幅
器30から出力された電圧信号は、サンプルホールド回
路40でサンプリングされてホールドされ、AD変換器
50でデジタル値に変換される。そのタイミングは、積
分器20における積分時間Twの終了直前、すなわち、
ゲート信号がオフになる直前である。これらの動作を指
示する信号(図9(f))もトリガ回路82から出力さ
れる。
【0050】そして、このデジタル値はヒストメモリ6
0に入力されて、波高分布n(h) が生成される。演算部
70の光電子数分布推定手段73は、この波高分布n
(h) と、これとは別に(5)式および(6)式から求め
た単一光電子事象およびk-光電子事象それぞれの波高分
布pk(h)(k=1,2,3,…,K)と、カウンタ81でパルスレ
ーザ光の出力パルス数を計数して得られた値Nとから、
(7)式で表される対数尤度が最大になるλ値を求め、
これを光電変換面13で発生した光電子の個数の平均値
と推定する。そして、このようにして推定した光電子数
の平均値に基づいて蛍光光量を求め、試料90に含まれ
る蛍光物質を定量する。
【0051】なお、図9では、蛍光寿命と積分時間Tw
との関係について触れる必要があったため、多数の蛍光
光子が発生するものとして、その蛍光光量や光検出器1
0から出力される電流信号などの時間変化を図示した。
しかし、蛍光物質が微量で蛍光光子数が数個程度である
場合には、蛍光光量の時間変化は、図9(b)に図示し
た漸減曲線ではなく、個々の蛍光光子の発生時刻に対応
したパルス状のものとなる。このような場合でも、第1
の実施形態に係る測光装置は有効に用いられ得る。
【0052】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
に係る測光装置の構成について説明する。図10は、第
2の実施形態に係る測光装置の構成図である。
【0053】本実施形態における光検出器10、逆バイ
アス電源18、高圧電源19、積分器20、増幅器3
0、サンプルホールド回路40、AD変換器50および
ヒストメモリ60それぞれは、第1の実施形態の場合と
同様のものである。しかし、本実施形態では、第1の実
施形態と比べて、所定数対(ここでは6対)の比較器1
1kとカウンタ12kとが増幅器30と演算部70Aと
の間に並列に配されている点(k=1,2,3,…,6)、およ
び、比較器111ないし116それぞれの一方の入力端
子に参照電圧を供給する参照電圧発生器が備えられてい
る点が異なり、また、演算部70Aにおける処理内容
は、第1の実施形態の演算部70の処理内容とは異な
る。
【0054】入射光束Aを受光して光検出器10から出
力された電流信号は、積分器20により一定時間積分さ
れて電圧信号に変換され、この積分器20において電流
信号が積分された結果である点Pの電位は、増幅器30
により増幅される。その増幅された電圧信号は、サンプ
ルホールド回路40でサンプリングされてホールドさ
れ、更に、AD変換器50で、その電圧信号に応じたデ
ジタル値に変換される。このデジタル値は、ヒストメモ
リ60に入力され、積分器20において一定時間の積分
が行われる度に、そのデジタル値に応じた番地に所定値
(例えば、1)が累積加算され、AD変換器50から出
力された電圧信号の波高値の分布が得られる。以上の構
成と作用とは、第1の実施形態の場合と同様である。
【0055】増幅器30から出力された電圧信号は、サ
ンプルホールド回路40に入力されるだけでなく、6個
の比較器111ないし116それぞれの一方の入力端子
に入力される。また、比較器111ないし116それぞ
れの他方の入力端子には、参照電圧発生器110から出
力された一定の参照電圧Vr1ないしVr6それぞれが
入力される。比較器111ないし116それぞれは、増
幅器30から出力された電圧信号と参照電圧発生器11
0から出力された参照電圧Vr1ないしVr6それぞれ
とを大小比較して、増幅器30から出力された電圧信号
の方が大きい場合に論理パルス信号を出力する。カウン
タ121ないし126それぞれは、比較器111ないし
116それぞれから出力された論理パルス信号を計数す
る。なお、参照信号発生器110から出力される参照電
圧Vr1ないしVr6それぞれは、k-光電子事象の波高
分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)に基づいて設定される。
【0056】ヒストメモリ60により生成された波高分
布およびカウンタ121ないし126それぞれによる計
数値に基づいて、演算部70Aは、光検出器10の光電
変換面13で放出された光電子の個数の分布(光電子数
分布)を推定し、この推定された光電子数分布に基づい
て入射光束Aの光量を求める。演算部70Aとして例え
ばコンピュータが用いられる。
【0057】次に、参照電圧Vr1ないしVr6それぞ
れの設定値の決定方法、および、光検出器10の光電変
換面13に入射光束が入射して放出される光電子数分布
の推定方法について詳細に説明する。この推定は、演算
部70Aにおいて行われるものである。
【0058】被測定光束の光量測定に先立って、演算部
70A内の単一光電子事象波高分布生成手段71Aは、
単一光電子事象波高分布p1(h)を獲得し、続いて、k-光
電子事象波高分布生成手段72Aは、k-光電子事象波高
分布pk(h)を求める(k=2,3,…,K)。この単一光電子事
象波高分布p1(h)およびk-光電子事象波高分布pk(h)
(k=2,3,…,K)それぞれの獲得方法、および、光検出器
10、積分器20および増幅器30において発生するノ
イズに起因する波高分布の広がりに対する対処は、第1
の実施形態の場合と同様である。
【0059】以上のようにして、測光装置が固有的に有
しているノイズの影響を考慮した波高分布pk(h)(k=1,
2,3,…,K)を、被測定光束の光量測定に先立って用意し
ておく。図11は、このようにして求められたk-光電子
事象の波高分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)それぞれを示す
図である。なお、この図では、K=10としてある。ま
た、この図には、参照電圧Vr1ないしVr6それぞれ
に対応する波高値を破線で示してある。
【0060】続いて、被測定光束の光量を測定する際に
は、その被測定光束が光検出器10に入射して光検出器
10から出力された電流信号は積分器20で積分されて
電圧信号とされ、その電圧信号は増幅器30で増幅さ
れ、増幅器30から出力された電圧信号は、参照電圧V
r1ないしVr6それぞれと比較器111ないし116
それぞれにより比較される。そして、増幅器30から出
力された電圧信号が参照電圧Vr1ないしVr6それぞ
れより大きい場合に、比較器111ないし116それぞ
れから論理パルス信号が出力され、その論理パルス信号
はカウンタ121ないし126それぞれで計数される。
【0061】このとき、参照電圧発生器110から出力
され比較器111ないし116それぞれの一方の入力端
子に入力される参照電圧Vr1ないしVr6は、k-光電
子事象の波高分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)に基づいて、
例えば以下のようにして決定される。すなわち、比較器
111に入力される参照電圧Vr1は、単一光電子事象
波高分布p1(h)の低波高部に重畳するノイズ成分より大
きく、且つ、単一光電子事象波高分布p1(h)のピークの
低波高側の裾よりも小さい波高値に対応する電圧値に設
定される。比較器112に入力される参照電圧Vr2
は、単一光電子事象波高分布p1(h)の高波高側の裾付近
の波高値に対応する電圧値に設定される。比較器113
に入力される参照電圧Vr3は、2-光電子事象波高分布
2(h)の高波高側の裾付近の波高値に対応する電圧値に
設定される。比較器114に入力される参照電圧Vr4
は、4-光電子事象波高分布p4(h)の高波高側の裾付近の
波高値に対応する電圧値に設定される。比較器115に
入力される参照電圧Vr5は、7-光電子事象波高分布p
7(h)の高波高側の裾付近の波高値に対応する電圧値に設
定される。比較器116に入力される参照電圧Vr6
は、 10-光電子事象波高分布p10(h) の高波高側の裾付
近の波高値に対応する電圧値に設定される。
【0062】波高値hと増幅器30の出力電圧Vout と
の関係をVout=V(h)で表し、参照電圧Vr1ないしV
r6を図11に示すk-光電子事象波高分布pk(h)(k=1,
2,3,…,10 )に基づいて求めると、Vr1=V(h1=15
1)、Vr2=V(h2=438)、Vr3=V(h3=847)、Vr4
=V(h4=1650) 、Vr5=V(h5=2839) 、Vr6=V(h
6=4001) である。このようにして設定された参照電圧V
r1ないしVr6それぞれが、参照信号発生器110か
ら出力され、比較器111ないし116それぞれの一方
の入力端子に入力される。
【0063】そして、光電子数分布推定手段73Aは、
被測定光束を光検出器10で受光したときのカウンタ1
21ないし126それぞれの計数値N1 ないしN6 を獲
得し、これらの計数値Nm (m=1,2,3,…,M、ただし今の
場合 M=6)および上述した単一光電子事象およびk-光電
子事象それぞれ場合の波高分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)
に基づいて、被測定光束を受光して光電変換面13から
放出された光電子の個数の平均値すなわち被測定光束の
光量を、以下の要領で推定する。
【0064】入射光束を受光して光検出器10の光電変
換面13で放出される光電子の個数の分布(光電子数分
布)の推定に際しては例えば最尤法を用いる。すなわ
ち、k-光電子事象それぞれが生起する確率をqk (k=1,
2,3,…,K)、また、光電変換面13から光電子が放出さ
れない確率(ゼロ確率)をq0 として、
【数11】 なる式で表される対数尤度が最大になるqk (k=0,1,2,
…,K)を求め、これを推定光電子数分布とする。ここ
で、Nは測定回数であり、パルス励起による蛍光強度測
定の場合には総励起回数である。また、nm 、pNDおよ
びpm それぞれは、
【数12】
【数13】
【数14】 である。
【0065】ここで、光電子数分布の形として、母数の
数がカウンタの個数(今の場合は6)を超えない任意の
形を仮定することができるが、以下ではポアソン分布を
仮定する。光電子数分布としてポアソン分布を仮定する
場合には、k-光電子事象それぞれが生起する確率qk
(k=1,2,3,…,K)は、(10)式で表される。ここで、
λは、光電変換面13から放出される光電子の個数の平
均値である。この場合、対数尤度を最大とする光電子数
分布を求めることは、対数尤度を最大とするλ値を求め
ることであり、例えば黄金分割法等の数値計算により求
めることができる。
【0066】なお、ここでは、比較器111ないし11
6それぞれにおいて、入力する電圧信号の波高値hと論
理パルス信号が出力される確率との関係としてステップ
関数を仮定した。しかし、電圧信号の波高値hに対して
論理パルス信号が出力される確率が、より一般的にη
m(h)(m=1,2,3,…,M))で与えられる場合には、上記
(13)式および(14)式に替えて、
【数15】
【数16】 が用いられる。
【0067】次に、光電子数の平均値λの推定誤差に関
して第2の実施形態に係る測光装置と従来技術(ゼロ確
率を利用する推定法)との理論的比較について述べる。
図12は、本実施形態による推定法とゼロ確率を利用す
る推定法との比較の結果を示す図である。
【0068】光検出器の光電変換面から放出される光電
子数の平均値λ0 を 0.1、0.2、0.3、0.6、1.0、2.0、
3.0、6.0とし、また、測定回数Nを10000として、
それぞれにつき500個の波高分布をシミュレーション
計算で生成し、これを用いてそれぞれの手法で光電子数
の平均値λを推定し、その推定値の分布の標準偏差を求
めた。図12中の◇印は、第2の実施形態に係る測光装
置を用いた場合の推定λ値の分布の標準偏差の理論値で
あり、□印は、ゼロ確率を利用する推定法の場合の推定
λ値の分布の標準偏差の理論値である。
【0069】この図より、ゼロ確率を利用する推定法に
よる推定よりも、第2の実施形態に係る測光装置を用い
た方が、光電子数の平均値λを精度よく推定できること
がわかる。特に、光電子数の平均値λが 0.6を越える
と、この平均値λが大きい程、それぞれの推定法による
推定λ値の分布の標準偏差の差が大きくなる。すなわ
ち、第2の実施形態に係る測光装置を用いれば、入射光
束が光検出器10に入射して光電変換面13から放出さ
れる光電子数の平均値λが大きい場合であっても、その
平均値λを精度良く推定することができ、つまりは、そ
の入射光束の光量を精度良く求めることができる。
【0070】次に、第2の実施形態に係る測光装置を蛍
光測定に適用した場合について説明する。図13は、第
2の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光測定システム
の構成図である。この図に示す蛍光測定システムは、第
1の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光測定システム
(図8)の測光装置100を、第2の実施形態に係る測
光装置100Aに置き換えたものである。
【0071】励起光であるパルスレーザ光を出力するパ
ルスレーザ光源80は、そのレーザ光出力のタイミング
信号をも出力する。カウンタ81は、このタイミング信
号に基づいて、出力されたパルスレーザ光のパルス数、
すなわち、蛍光物質の励起回数Nを計数する。また、ト
リガ回路82は、タイミング信号に基づいて、測光装置
100Aのスイッチ21、サンプルホールド回路40お
よびAD変換器50それぞれの動作タイミングを制御す
る信号を生成し出力し、測光装置100Aの動作を制御
する。
【0072】パルスレーザ光源80から出力された蛍光
物質励起の為のパルスレーザ光は、レンズ84および8
5でビーム径を拡大された後、反射鏡83で反射され、
レンズ86で集光されて試料90に照射され、試料90
中の蛍光物質を励起する。この蛍光物質から発生した蛍
光は、レンズ91および93で集光され、バリアフィル
タ92を透過して、測光装置100Aの光検出器10の
入射窓12に入射する。バリアフィルタ92は、蛍光を
透過させるが、試料90で散乱されて光検出器10の入
射窓12の方向に向かうパルスレーザ光を遮断する。
【0073】以下では、パルスレーザ光(励起光)発生
タイミング、蛍光光子の光検出器10の入射窓12への
入射タイミングおよび各信号の時間変化を示す図14も
参照しながら説明する。この図では、パルスレーザ光
(励起光)発生時刻を基準にしている(図14
(a))。
【0074】蛍光は、試料90中の蛍光物質にパルスレ
ーザ光が照射された直後から発生し、その蛍光光子が光
検出器10の入射窓12に入射する頻度(図14
(b))は、その後漸減する。この蛍光を受光した光検
出器10から出力される電流信号(図14(c))は、
蛍光光子が光検出器10に入射するタイミングと、蛍光
光子により光電変換面13から放出された光電子がAP
D15内に入射して衝突電離・アバランシェ増倍にして
生成された電子・正孔対の数とに応じたパルス形状とな
る。
【0075】測光装置100Aの積分器20は、この光
検出器10から出力された電流信号を積分する。その積
分時間Twは、パルスレーザ光発生時刻またはその直前
に始まり、蛍光放出が殆ど終了するまで(例えば蛍光寿
命の4ないし5倍程度)とする。トリガ回路82は、こ
の積分時間Twの間だけスイッチ21が開状態となるこ
とを指示するゲート信号(図14(d))を、レーザ光
出力のタイミング信号に基づいて生成し出力する。コン
デンサ22には、この積分時間Twの間に光検出器10
から出力された電流信号(図14(c))を積分した電
荷が蓄積される。図13中の点Pにおける電位(図14
(e))は次第に増加するが、蛍光光子の発生頻度の漸
減に伴ってやがて飽和状態となり略一定値となる。この
一定値となった点Pの電位は、光検出器10のAPD1
5で生成された電子・正孔対の総数に応じたものであ
る。
【0076】点Pの電位は増幅器30で増幅され、増幅
器30から出力された電圧信号(図14(f))は、比
較器111ないし116それぞれの一方の入力端子に入
力する。また、比較器111ないし116それぞれの他
方の入力端子には、参照電圧発生器110から出力され
た参照電圧Vr1ないしVr6それぞれが入力されてい
る。この参照電圧Vr1ないしVr6それぞれの値は、
図11で説明した要領で既に設定された値である。
【0077】そして、比較器111ないし116それぞ
れにおいて、増幅器30から出力された電圧信号と参照
電圧Vr1ないしVr6それぞれとの大小が比較され、
前者が後者より大きい場合に論理パルス信号が出力され
る。例えば、比較器114では、増幅器30から出力さ
れた電圧信号と参照電圧Vr4とが比較され、前者が後
者より大きい場合に、論理パルス信号が出力される(図
14(g))。また、比較器115では、増幅器30か
ら出力された電圧信号と参照電圧Vr5とが比較され、
前者が後者より大きい場合に、論理パルス信号が出力さ
れる(図14(h))。
【0078】これら比較器111ないし116から出力
された論理パルス信号は、カウンタ121ないし126
それぞれにより計数され、カウンタ121ないし126
それぞれの計数値N1 ないしN6 それぞれは、演算部7
0Aの光電子数分布推定手段73Aに入力される。光電
子数分布推定手段73Aは、この計数値Nm (m=1,2,3,
…,6)と、これとは別に(5)式および(6)式から求
めた単一光電子事象およびk-光電子事象それぞれの波高
分布pk(h)(k=1,2,3,…,K)と、カウンタ81でパルス
レーザ光の出力パルス数を計数して得られた値Nとか
ら、(11)式で表される対数尤度が最大になるλ値を
求め、これを光電変換面13で発生した光電子の個数の
平均値と推定する。そして、このようにして推定した光
電子数の平均値に基づいて蛍光光量を求め、試料90に
含まれる蛍光物質を定量する。
【0079】なお、単一光電子事象波高分布p1(h)の獲
得に際しては、極微量の蛍光物質を含んだ試料が用いら
れ、励起光1パルス照射当たりに光検出器10の光電変
換面13から放出される光電子の個数が殆ど0または1
になるような条件の下でヒストメモリ60により生成さ
れた波高分布に基づいて、演算部70Aの単一事象波高
分布生成手段71Aにより、その波高分布が(5)式で
規格化されて求められる。このとき、入力された電圧信
号をサンプルホールド回路40がサンプルしホールドす
るタイミングは、積分器20における積分時間Twの終
了する直前であり、このタイミングを指示するサンプル
信号(図14(i))は、トリガ回路82から出力され
る。
【0080】以上のように、この第2の実施形態に係る
測光装置は、被測定光束の光量測定に際して、高速動作
が不可能なAD変換器50を用いないので、第1の実施
形態に係る測光装置と比較して、パルスレーザ光源80
による試料90の励起の繰り返しを高速にすることがで
きる。この励起の繰り返し率の最大値は、試料90中に
含まれる蛍光物質の蛍光寿命により決まり、例えば、蛍
光寿命が10nsであり、積分器20における積分時間
Twを50nsとすると、10MHz程度まで高速にす
ることができる。
【0081】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、被測定光束
がパルス状のものである場合には、積分器は、コンデン
サとスイッチとからなるものに限られず、放射線検出の
分野で一般的に用いられている電荷有感型の前置増幅器
と波形整形増幅器との組み合わせからなるものでも構わ
ない。
【0082】また、波高分布生成手段は、AD変換器と
ヒストメモリとを備えるものに限られるものではない。
例えば、1個の比較器の一方の入力端子に参照電圧Vr
を入力し、他方の入力端子に、増幅器30から出力され
た電圧信号を入力する。そして、この参照電圧Vrを走
査し、参照電圧の各値Vri に対するカウンタの一定時
間の計数値Ni を求め、この計数値Ni の差分Ni−N
i+1をもって波高分布とする。この場合、波高値hに
は、(Vri+Vri+1)/2が対応する(i=1,2,3,
…)。
【0083】また、本発明に係る測光装置は、上述のパ
ルス状に発生する蛍光の測定だけでなく他の適用の態様
が可能である。例えば、連続的に発生する光束の光量の
測定も可能である。この場合、測光装置の積分器20
は、一定時間の積分を繰り返し行う。そして、第1の実
施形態に係る測光装置では、サンプルホールド回路40
およびAD変換器50が積分器20の動作に同期して動
作して、積分器20における積分動作が所定回数行われ
た時点においてヒストメモリ60に生成された波高分布
に基づいて、上記第1の実施形態における説明と同様の
要領で光検出器10で放出された光電子の個数分布を推
定し、この推定値に基づいて被測定光束の光量を求める
ことができる。また、第2の実施形態に係る測光装置で
は、積分器20における積分動作が所定回数行われた時
点でのカウンタ121ないし126の計数値に基づい
て、上記第2の実施形態における説明と同様の要領で光
検出器10で放出された光電子の個数分布を推定し、こ
の推定値に基づいて被測定光束の光量を求めることがで
きる。
【0084】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、光束が光検出器に入射すると、その光量に応じた
光電子数分布に従った個数の光電子が放出され、その光
電子が増倍されて電流信号が出力される。この電流信号
は、積分手段により所定時間積分されて電圧信号とな
り、この電圧信号は、波高分布生成手段によりその波高
分布が生成される。光検出器で放出される光電子が1個
の場合に波高分布生成手段で生成される波高分布は、単
一光電子事象波高分布として、単一光電子事象波高分布
生成手段により獲得され、また、光検出器で放出される
光電子の個数kが2以上かつ所定数以下のそれぞれの場
合におけるk-光電子事象波高分布は、k-光電子事象波高
分布生成手段により、単一光電子事象波高分布に基づい
て漸化的にコンボリューション計算によって算出され
る。
【0085】そして、請求項1記載の測光装置では、光
電子数分布推定手段により、被測定光束が光検出器に入
射して波高分布生成手段で生成された波高分布と単一光
電子事象波高分布と光電子の個数kそれぞれの場合にお
けるk-光電子事象波高分布とに基づいて、被測定光束が
光検出器に入射した場合の光電子数分布を推定すること
によって被測定光束の光量が求められる。
【0086】また、請求項2記載の測光装置では、被測
定光束が光検出器に入射した場合に積分手段から出力さ
れた電圧信号は、所定数の比較手段により、互いに異な
る所定の参照電圧それぞれと比較されて、電圧信号が所
定の参照電圧それぞれより大きい場合に論理パルス信号
がそれぞれ出力され、その論理パルス信号は所定数の計
数手段それぞれにより計数される。そして、光電子数分
布推定手段により、その所定数の計数手段それぞれで得
られた計数結果と単一光電子事象波高分布と光電子の個
数kそれぞれの場合におけるk-光電子事象波高分布とに
基づいて、被測定光束が光検出器に入射した場合の光電
子数分布を推定することによって被測定光束の光量が求
められる。
【0087】この測光装置に用いられる光検出器とし
て、アバランシェフォトダイオードを利用したものが好
適であり、また、光電子の個数分布を推定するに際して
は、ポアソン分布を仮定して最尤法による。
【0088】このような構成としたので、光検出器の光
電変換面で2個以上の光電子が放出される確率が高くて
も、あるいは、光検出器の光電変換面から放出される光
電子の個数の平均値λが大きくても、λを高精度に推定
して光量を精度よく測定することができる。
【0089】特に、請求項2記載の測光装置は、被測定
光束の光量測定に際して、高速動作が可能な比較器とカ
ウンタとが用いられるので、光量測定を迅速に行うこと
ができる。例えば、試料中の蛍光物質の2次元的な分布
を求めるレーザ走査型蛍光顕微鏡において、この測光装
置を用いれば、試料励起の繰り返し率を高くすることが
できるので、走査範囲全体を走査するのに要する時間を
短縮することができる。
【0090】したがって、例えば生化学等の分野におい
て、パルスレーザ光源で励起された試料から発生する蛍
光を光子計数してその試料中の蛍光分子数を定量測定す
る測光装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る測光装置の構成図であ
る。
【図2】アバランシェフォトダイオード(APD)を利
用した光検出器の断面図である。
【図3】APDにおける逆バイアス電圧とアバランシェ
増倍率との関係を示す図である。
【図4】k-光電子事象の波高分布pk(h)を示す図であ
る。
【図5】測定対象である光束を実際に測定して得られた
波高分布(破線)と、最尤法で推定されたλ値に基づい
て計算された波高分布(実線)とを示す図である。
【図6】光電子数の平均値λの推定誤差に関して第1の
実施形態に係る測光装置と従来技術(ゼロ確率を利用す
る推定法)との理論的比較の結果を示す図である。
【図7】光電子数の平均値λの推定誤差に関して第1の
実施形態に係る測光装置と従来技術(平均波高値を利用
する推定法)との理論的比較の結果を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光測
定システムの構成図である。
【図9】第1の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光測
定システムにおけるパルスレーザ光発生タイミング、蛍
光光量および各信号の時間変化を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る測光装置の構成図であ
る。
【図11】k-光電子事象の波高分布pk(h)および参照電
圧Vr1ないしVr6を示す図である。
【図12】光電子数の平均値λの推定誤差に関して第2
の実施形態に係る測光装置と従来技術(ゼロ確率を利用
する推定法)との理論的比較の結果を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光
測定システムの構成図である。
【図14】第2の実施形態に係る測光装置を用いた蛍光
測定システムにおけるパルスレーザ光発生タイミング、
蛍光光子入射タイミングおよび各信号の時間変化を示す
図である。
【符号の説明】
10…光検出器、11…真空容器、12…入射窓、13
…光電変換面、14…集束電極、15…アバランシェフ
ォトダイオード(APD)、16…アノード、16a…
アノード端子、17…カソード、17a…カソード端
子、18…逆バイアス電源、19…高圧電源、20…積
分器、21…スイッチ、22…コンデンサ、30…増幅
器、40…サンプルホールド回路、50…AD変換器、
60…ヒストメモリ、70,70A…演算部、71,7
1A…単一光電子事象波高分布生成手段、72,72A
…k-光電子事象波高分布生成手段、73,73A…光電
子数分布推定手段、80…パルスレーザ光源、81…カ
ウンタ、82…トリガ回路、83…反射鏡、84,8
5,86…レンズ、90…試料、91…レンズ、92…
バリアフィルタ、93…レンズ、100,100A…測
光装置、110…参照信号発生器、111,112,1
13,114,115,116…比較器、121,12
2,123,124,125,126…カウンタ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した光束の光量に応じた光電子数分
    布に従った個数の光電子を放出し、前記光電子を増倍し
    て電流信号を出力する光検出器と、 前記電流信号を所定時間積分して電圧信号に変換する積
    分手段と、 前記電圧信号の波高分布を生成する波高分布生成手段
    と、 前記光検出器で放出される光電子が1個の場合に前記波
    高分布生成手段で生成される波高分布を単一光電子事象
    波高分布として獲得する単一光電子事象波高分布生成手
    段と、 前記光検出器で放出される光電子の個数kが2以上かつ
    所定数以下のそれぞれの場合におけるk-光電子事象波高
    分布を、前記単一光電子事象波高分布に基づいて漸化的
    にコンボリューション計算によって算出するk-光電子事
    象波高分布生成手段と、 被測定光束が前記光検出器に入射して前記波高分布生成
    手段で生成された波高分布と前記単一光電子事象波高分
    布と前記光電子の個数kそれぞれの場合における前記k-
    光電子事象波高分布とに基づいて、前記被測定光束が前
    記光検出器に入射した場合の前記光電子数分布を推定す
    ることによって前記被測定光束の光量を求める光電子数
    分布推定手段と、 を備えることを特徴とする測光装置。
  2. 【請求項2】 入射した光束の光量に応じた光電子数分
    布に従った個数の光電子を放出し、前記光電子を増倍し
    て電流信号を出力する光検出器と、 前記電流信号を所定時間積分して電圧信号に変換する積
    分手段と、 前記電圧信号の波高分布を生成する波高分布生成手段
    と、 前記電圧信号を互いに異なる所定の参照電圧それぞれと
    比較して、前記電圧信号が前記所定の参照電圧それぞれ
    より大きい場合に論理パルス信号をそれぞれ出力する所
    定数の比較手段と、 前記所定数の比較手段それぞれから出力された論理パル
    ス信号をそれぞれ計数する前記所定数の計数手段と、 前記光検出器で放出される光電子が1個の場合に前記波
    高分布生成手段で生成される波高分布を単一光電子事象
    波高分布として獲得する単一光電子事象波高分布生成手
    段と、 前記光検出器で放出される光電子の個数kが2以上かつ
    所定数以下のそれぞれの場合におけるk-光電子事象波高
    分布を、前記単一光電子事象波高分布に基づいて漸化的
    にコンボリューション計算によって算出するk-光電子事
    象波高分布生成手段と、 被測定光束が前記光検出器に入射して前記所定数の計数
    手段それぞれで得られた計数結果と前記単一光電子事象
    波高分布と前記光電子の個数kそれぞれの場合における
    前記k-光電子事象波高分布とに基づいて、前記被測定光
    束が前記光検出器に入射した場合の前記光電子数分布を
    推定することによって前記被測定光束の光量を求める光
    電子数分布推定手段と、 を備えることを特徴とする測光装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出器は、 入射した光束の光量に応じた光電子数分布に従った個数
    の光電子を放出する光電変換面と、 アノードとカソードとの間に逆バイアス電圧が印加さ
    れ、且つ、前記光電変換面に対向する部位が前記光電変
    換面の電位よりも高電位に設定されて、前記光電子を入
    力して生成された電子・正孔対をアバランシェ増倍し、
    アバランシェ増倍された電子・正孔対の数に応じた前記
    電流信号を出力するアバランシェフォトダイオードと、 前記光束を透過させる入射窓を備えて前記光電変換面お
    よび前記アバランシェフォトダイオードを内部に含む真
    空容器と、 を備えることを特徴とする請求項1または2記載の測光
    装置。
  4. 【請求項4】 前記光電子数分布推定手段は、最尤法に
    より前記光電子数分布を推定する、ことを特徴とする請
    求項1または2記載の測光装置。
  5. 【請求項5】 前記光電子数分布推定手段は、前記光電
    子数分布がポアソン分布であると仮定して前記光電子数
    分布を推定する、ことを特徴とする請求項1または2記
    載の測光装置。
JP8146220A 1995-11-15 1996-06-07 測光装置 Pending JPH09196752A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8146220A JPH09196752A (ja) 1995-11-15 1996-06-07 測光装置
US08/748,837 US5715049A (en) 1995-11-15 1996-11-14 Light measuring apparatus for quantifying photons
DE19647428A DE19647428A1 (de) 1995-11-15 1996-11-15 Lichtmessvorrichtung zur Quantifizierung von Photonen
GB9624014A GB2307296B (en) 1995-11-15 1996-11-15 Light measuring apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29690295 1995-11-15
JP7-296902 1995-11-15
JP8146220A JPH09196752A (ja) 1995-11-15 1996-06-07 測光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09196752A true JPH09196752A (ja) 1997-07-31

Family

ID=26477093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8146220A Pending JPH09196752A (ja) 1995-11-15 1996-06-07 測光装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5715049A (ja)
JP (1) JPH09196752A (ja)
DE (1) DE19647428A1 (ja)
GB (1) GB2307296B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027283A1 (fr) * 1999-03-26 2002-04-04 Hamamatsu Photonics K.K. Appareil et procede de mesure optique
WO2002027284A1 (fr) * 2000-09-25 2002-04-04 Hamamatsu Photonics K.K. Appareil et procede de mesure optique
US6960771B1 (en) 1999-03-26 2005-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
WO2012017762A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 株式会社日立ハイテクノロジーズ 光量検出方法及びその装置
JP2013008878A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Canon Inc 描画装置、物品の製造方法、及び処理装置
KR20170052189A (ko) * 2015-11-04 2017-05-12 삼성전자주식회사 신호 처리 장치 및 신호 처리 방법

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005047271A1 (de) * 2005-08-15 2007-02-22 Berthold Detection Systems Gmbh Verfahren zum Messen der Lichtintensität einer Lichtquelle in der Bioanalytik
EP1826554A1 (en) * 2006-02-23 2007-08-29 STMicroelectronics (Research & Development) Limited Improved fluorescence biosensor
DE102006020839B4 (de) * 2006-05-04 2009-02-19 Austriamicrosystems Ag Schaltungsanordnung und Verfahren zur Steuerung mindestens zweier Lichtquellen
US8222882B2 (en) * 2009-01-30 2012-07-17 Power Integrations, Inc. Power supply controller with input voltage compensation for efficiency and maximum power output
JP5984852B2 (ja) * 2011-02-28 2016-09-06 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 物質決定装置
CN102841084B (zh) * 2012-10-07 2015-03-04 复旦大学 基于脉冲宽度调制的荧光检测与光到数字转换系统
US8859951B2 (en) * 2012-10-19 2014-10-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Method and apparatus for photosensor gain and scintillation crystal optical coupling monitoring in radiation detectors
CN103528695B (zh) * 2013-10-14 2016-03-09 中国人民解放军理工大学 采样单光子探测器及其自适应差分判决方法
DE102019210421B4 (de) * 2019-07-15 2023-03-09 Leica Microsystems Cms Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Messung eines Lichtsignalparameters und nichtflüchtiges Speichermedium

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2359404A1 (fr) * 1976-07-21 1978-02-17 Rank Organisation Ltd Procede pour mesurer les faibles niveaux d'intensite lumineuse et appareil de mise en oeuvre
DE3206407A1 (de) * 1982-02-23 1983-09-01 Gesellschaft für Strahlen- und Umweltforschung mbH, 8000 München Einrichtung zum quantitativen nachweis biochemischer reaktionen
DD205522B5 (de) * 1982-05-26 1994-06-23 Wolfgang Dipl-Ing Dr Becker Anordnung zur Messung von Lumineszenzabklingfunktionen durch zeitkorrelierte Einzelphotonenz{hlung
JPS5972049A (ja) * 1982-10-19 1984-04-23 Horiba Ltd 試料の発光寿命測定装置
SE8302733D0 (sv) * 1983-05-13 1983-05-13 Wallac Oy En metod att kalibrera vetskescintillationsreknare
DE3329516A1 (de) * 1983-08-16 1985-02-28 Karl-Heinz 2000 Hamburg Silke Vorsatzgeraet fuer einen vielkanalanalysator
JPS61250525A (ja) * 1985-04-30 1986-11-07 Tokyo Optical Co Ltd 測光器
JPS62142234A (ja) * 1985-12-16 1987-06-25 Hamamatsu Photonics Kk 高速繰り返しパルス光計測装置
US4855930A (en) * 1987-03-27 1989-08-08 Chimerix Corporation Method and appartatus for improved time-resolved fluorescence spectroscopy
DE4223773C2 (de) * 1992-07-18 1997-07-10 Berthold Lab Prof Dr Verfahren zur Unterscheidung und gleichzeitigen oder getrennten Messung von Einzel- und Mehrelektronenereignissen in einem optoelektronischen Detektor
DE4420572C2 (de) * 1994-06-03 1999-02-04 Hartmut Dr Rer Nat Lucht Vorrichtung zur Bestimmung der Konzentration von fluoreszierenden Stoffen
US5561287A (en) * 1994-09-30 1996-10-01 Board Of Regents Of The University Of Colorado Dual photodetector for determining peak intensity of pixels in an array using a winner take all photodiode intensity circuit and a lateral effect transistor pad position circuit
US5694211A (en) * 1995-12-19 1997-12-02 Laboratory Of Molecular Biophotonics Light measuring apparatus for quantizing photon

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027283A1 (fr) * 1999-03-26 2002-04-04 Hamamatsu Photonics K.K. Appareil et procede de mesure optique
US6960771B1 (en) 1999-03-26 2005-11-01 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
WO2002027284A1 (fr) * 2000-09-25 2002-04-04 Hamamatsu Photonics K.K. Appareil et procede de mesure optique
US6940589B1 (en) 2000-09-25 2005-09-06 Hamamatsu Photonics K.K. Optical measurement apparatus and method for optical measurement
WO2012017762A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 株式会社日立ハイテクノロジーズ 光量検出方法及びその装置
US8797522B2 (en) 2010-08-04 2014-08-05 Hitachi High-Technologies Corporation Light quantity detection method and device therefor
JP2013008878A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Canon Inc 描画装置、物品の製造方法、及び処理装置
KR20170052189A (ko) * 2015-11-04 2017-05-12 삼성전자주식회사 신호 처리 장치 및 신호 처리 방법

Also Published As

Publication number Publication date
GB2307296A (en) 1997-05-21
US5715049A (en) 1998-02-03
DE19647428A1 (de) 1997-06-12
GB2307296B (en) 1999-11-03
GB9624014D0 (en) 1997-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09196752A (ja) 測光装置
JPH11132953A (ja) 蛍光寿命測定方法および装置
AU2013344418B2 (en) Optical detectors and methods of using them
US5032714A (en) Light waveform measuring device including a streak camera
JPS63198251A (ja) 光電子増倍管
US6960771B1 (en) Optical measurement apparatus and method for optical measurement
JP4370127B2 (ja) 光走査型顕微鏡及び顕微鏡用測光装置
US20070267565A1 (en) Time-Resolved Measurement Apparatus
JPH09159527A (ja) 蛍光物質定量装置
JP2908742B2 (ja) 測光装置
JPH09329548A (ja) 蛍光寿命測定装置
US5694211A (en) Light measuring apparatus for quantizing photon
US20110186740A1 (en) System for controlling photomultiplier gain drift and associated method
JPH10227695A (ja) パルス光測光装置
JPH09210907A (ja) 走査型蛍光検出装置
JP2000304697A (ja) 蛍光寿命測定方法および装置
JP2003202292A (ja) 蛍光寿命測定装置および方法
JP3136102B2 (ja) 測光装置
EP1329699A1 (en) Optical measurement apparatus and method for optical measurement
JP2002107300A (ja) 蛍光寿命測定装置及び測定方法
US11361951B2 (en) System and method for photomultiplier tube image correction
Ballini et al. Single-electron multiplication statistics as a combination of Poissonian pulse height distributions using constraint regression methods
JPH0783829A (ja) 微弱発光測定装置
JP2656106B2 (ja) 光波形測定装置
JP2016017766A (ja) 光検出回路及び光量測定装置