JP2000304697A - 蛍光寿命測定方法および装置 - Google Patents

蛍光寿命測定方法および装置

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JP2000304697A
JP2000304697A JP11111157A JP11115799A JP2000304697A JP 2000304697 A JP2000304697 A JP 2000304697A JP 11111157 A JP11111157 A JP 11111157A JP 11115799 A JP11115799 A JP 11115799A JP 2000304697 A JP2000304697 A JP 2000304697A
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pulse
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English (en)
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Shinji Osuga
慎二 大須賀
Akira Osugi
晃 大杉
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BUNSHI BIOPHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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BUNSHI BIOPHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光の複数の成分それぞれの蛍光寿命または
蛍光減衰曲線を効率よく且つ簡易に測定することができ
る蛍光寿命測定方法および装置を提供する。 【解決手段】 励起光源部10から出力されたパルス励
起光Aの照射に伴い試料90で発生した蛍光Bは、分光
器20により複数の成分に分解されて光検出器30に入
射する。光検出器30のアノード電極3501〜3532
うち各成分に対応したアノード電極から電流パルス信号
が出力される。この電流パルス信号に基づいて蛍光光子
検出時間測定部40により測定された蛍光光子検出時
間、ならびに、蛍光光子数測定部50により測定された
蛍光光子の検出個数および複数の成分それぞれの蛍光光
子検出の有無に基づいて、複数の成分それぞれの蛍光寿
命または蛍光減衰曲線が推定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起光が照射され
た蛍光物質から発生する蛍光の蛍光寿命または蛍光減衰
曲線を測定する蛍光寿命測定方法および装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、試料に含まれる蛍光物質から
発生する蛍光の蛍光寿命の測定方法として時間相関単一
光子計数法による方法が知られている。この時間相関単
一光子計数法による測定では、パルス励起光の1パルス
照射当たりに検出される蛍光の平均光子数が1より充分
に小さい値(例えば、0.01)となるような強度の弱
いパルス励起光を試料に照射し、パルス励起光が試料に
照射された時刻から最初に蛍光光子を検出した時刻まで
の蛍光光子検出時間を測定する。そして、試料にパルス
励起光を繰り返し照射して蛍光光子検出時間についての
ヒストグラムを生成し、そのヒストグラムに基づいて蛍
光の蛍光寿命を測定するものである。なお、蛍光光子の
検出には光電子増倍管が通常用いられている。
【0003】また、蛍光物質から発生する蛍光が複数の
成分(例えば複数の波長帯)を有する場合に、従来の時
間相関単一光子計数法により蛍光の複数の成分それぞれ
の蛍光寿命を測定するためには、測定しようとする成分
の数だけ測定を繰り返すか、或いは、成分の数と同数の
蛍光光子検出時間測定部を用意することが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、時間相
関単一光子計数法による測定では、その原理上、パルス
励起光の1パルス照射当たりに検出される蛍光光子の個
数を非常に小さくし、パルス励起光の照射パルス数に対
して蛍光光子検出頻度を数%以下にする必要がある。そ
の結果、蛍光寿命の測定精度は悪く、充分な精度で蛍光
寿命を求めるには長時間の測定を必要とするという問題
点がある。
【0005】また、蛍光の複数の成分(例えば複数の波
長帯)それぞれの蛍光寿命を測定するために成分の数だ
け測定を繰り返すとすれば、測定の手間が煩瑣になり、
測定に長時間を要するという問題点がある。また、成分
の数と同数の蛍光光子検出時間測定部を用意するとすれ
ば、装置が複雑になるという問題点がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、蛍光の複数の成分それぞれの蛍光寿命
または蛍光減衰曲線を効率よく且つ簡易に測定すること
ができる蛍光寿命測定方法および装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蛍光寿命測
定方法は、パルス励起光が試料に照射されて発生した蛍
光の蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する蛍光寿命測
定方法であって、(1)パルス励起光を試料に繰り返し照
射して、パルス励起光の各パルス毎に、蛍光を複数の成
分に分解し、パルス励起光が試料に照射された時刻から
最初の蛍光光子が検出された時刻までの蛍光光子検出時
間を測定するとともに、蛍光光子の検出個数および複数
の成分それぞれの蛍光光子検出の有無を測定し、(2) パ
ルス励起光の各パルス毎に測定された蛍光光子検出時
間、蛍光光子の検出個数および複数の成分それぞれの蛍
光光子検出の有無に基づいて、複数の成分それぞれの蛍
光寿命または蛍光減衰曲線を推定する、ことを特徴とす
る。また、本発明に係る蛍光寿命測定方法では、蛍光を
複数の波長成分に分解して、複数の波長成分それぞれの
蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定することを特徴とす
る。
【0008】本発明に係る蛍光寿命測定装置は、パルス
励起光が試料に照射されて発生した蛍光の蛍光寿命また
は蛍光減衰曲線を推定する蛍光寿命測定装置であって、
(1)パルス励起光を出力し試料に照射する励起光源部
と、(2) 試料で発生した蛍光を複数の成分に分解する分
解光学系と、(3) 分解光学系により分解された蛍光を入
力し蛍光の光量に応じた個数の光電子を放出する光電変
換面と、光電変換面から放出された光電子を増倍して二
次電子を発生させる電子増倍部と、複数の成分それぞれ
について2以上設けられ二次電子の入力に応じて電流パ
ルス信号をそれぞれ出力する所定数のアノード電極と、
蛍光を透過させる入射窓を有し光電変換面、電子増倍部
および所定数のアノード電極を内部に含む真空容器と、
を有する光検出器と、(4) パルス励起光が試料に照射さ
れた時刻から最初の蛍光光子が光検出器により検出され
た時刻までの蛍光光子検出時間をパルス励起光の各パル
ス毎に測定する蛍光光子検出時間測定部と、(5) 所定数
のアノード電極のうち少なくとも1個の蛍光光子に対応
する電流パルス信号を出力したアノード電極の位置およ
び個数に基づいて、光検出器により検出された蛍光光子
の検出個数および複数の成分それぞれの蛍光光子検出の
有無をパルス励起光の各パルス毎に測定する蛍光光子数
測定部と、(6) 試料に繰り返し照射されたパルス励起光
の各パルス毎に蛍光光子検出時間測定部により測定され
た蛍光光子検出時間ならびに蛍光光子数測定部により測
定された蛍光光子の検出個数および複数の成分それぞれ
の蛍光光子検出の有無に基づいて、複数の成分それぞれ
の蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する蛍光寿命推定
部と、を備えることを特徴とする。
【0009】この蛍光寿命測定装置によれば、励起光源
部から出力されたパルス励起光は試料に照射され、その
照射に伴い試料で発生した蛍光は分解光学系により複数
の成分に分解されて光検出器の光電変換面に入射する。
光検出器の所定数のアノード電極のうち各成分に対応し
たアノード電極から電流パルス信号が出力される。蛍光
光子検出時間測定部により、パルス励起光が試料に照射
された時刻から最初の蛍光光子が光検出器により検出さ
れた時刻までの蛍光光子検出時間がパルス励起光の各パ
ルス毎に測定される。また、蛍光光子数測定部により、
光検出器の所定数のアノード電極のうち少なくとも1個
の蛍光光子に対応する電流パルス信号を出力したアノー
ド電極の位置および個数に基づいて、光検出器により検
出された蛍光光子の検出個数、および、複数の成分それ
ぞれの蛍光光子検出の有無が、パルス励起光の各パルス
毎に測定される。そして、蛍光寿命推定部により、試料
に繰り返し照射されたパルス励起光の各パルス毎に得ら
れた蛍光光子検出時間、蛍光光子の検出個数および複数
の成分それぞれの蛍光光子検出の有無に基づいて、複数
の成分それぞれの蛍光寿命または蛍光減衰曲線が推定さ
れる。
【0010】また、本発明に係る蛍光寿命測定装置で
は、分解光学系は、蛍光を複数の波長成分に分解し、蛍
光寿命推定部は、複数の波長成分それぞれの蛍光寿命ま
たは蛍光減衰曲線を推定する、ことを特徴とする。分解
光学系は、蛍光を複数の波長成分に分光してその分光し
た各波長成分を所定数のアノード電極の何れかに対応す
る光電変換面の領域に入射させる分光器を含むのが好適
であり、また、蛍光の複数の波長成分それぞれを互いに
異なる領域で透過させてその透過させた各波長成分を所
定数のアノード電極の何れかに対応する光電変換面の領
域に入射させる光学フィルタを含むのも好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0012】図1は本実施形態に係る蛍光寿命測定装置
の構成図である。この蛍光寿命測定装置1は、パルス励
起光Aを出力して試料90に照射する励起光源部10
と、試料90から発生した蛍光Bを波長別に分光する分
光器(分解光学系)20と、波長別に分光された蛍光C
を検出して複数のアノード電極から電流パルス信号を出
力する光検出器30と、パルス励起光Aが試料90に照
射された時刻から最初の蛍光光子が光検出器30により
検出された時刻までの蛍光光子検出時間をパルス励起光
Aの各パルス毎に測定する蛍光光子検出時間測定部40
と、光検出器30の複数のアノードから出力される電流
パルス信号に基づいて光検出器30により検出された蛍
光光子の検出個数および各波長成分別の蛍光光子の検出
の有無をパルス励起光Aの各パルス毎に測定する蛍光光
子数測定部50と、蛍光光子検出時間測定部40により
測定された蛍光光子検出時間ならびに蛍光光子数測定部
50により測定された蛍光光子の検出個数および各波長
成分別の蛍光光子の検出の有無に基づいて蛍光の各波長
成分それぞれの蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する
蛍光寿命推定部60と、を備えて構成される。
【0013】励起光源部10は、パルスレーザ光源1
1、フォトダイオード14および波高弁別器15等を備
えている。パルスレーザ光源11は、パルス励起光を繰
り返し出力する。反射鏡12は、パルスレーザ光源11
から出力されたパルス励起光を反射する。ビームスプリ
ッタ13は、反射鏡12により反射されたパルス励起光
の一部を反射させ、残部を透過させる。フォトダイオー
ド14は、ビームスプリッタ13により反射されたパル
ス励起光の部分を受光して、その光量に応じた電流信号
を出力する。波高弁別器15は、フォトダイオード14
から出力された電流信号を受けて、パルス励起光が出力
された時刻を示すタイミング信号を出力する。
【0014】この励起光源部10のビームスプリッタ1
3を透過したパルス励起光Aは、バンドパスフィルタ8
4を透過したのちレンズ81により集光され、試料90
に照射される。そして、このパルス励起光Aの照射に伴
い試料90に含まれる蛍光物質から発生した蛍光Bは、
レンズ82により平行光にされ、バンドパスフィルタ8
5を透過して励起光の散乱光等が除去された後、レンズ
83により集光され、光ファイバ23の一端に入射す
る。
【0015】分光器20は、反射集光鏡21および分散
素子22を備えている。反射集光鏡21は、光ファイバ
23の他端から出射し分光器20に入射した蛍光Bを反
射させ、分散素子22の位置に集光させる。分散素子2
2は、反射集光鏡21により反射集光された蛍光Bを分
光し、その分光された蛍光Cを光検出器30の入射窓3
2に入射させる。
【0016】光検出器30は、分光された蛍光Cを透過
させる入射窓32を有する真空容器31内に、入射した
光の光量に応じた個数の光電子を放出する光電変換面3
3、その光電子を順次増倍して多数の二次電子を発生さ
せる複数段(この図では7段)のダイノード34からな
る電子増倍部、および、その二次電子を受けて電流パル
ス信号を出力する複数個(ここでは8行×4列で計32
個)のアノード電極3501〜3532を備えるものであ
る。電子増倍部は、多段の格子状ダイノードであっても
よいし、マイクロチャンネルプレートであってもよい。
【0017】図1では表示を容易にするために、32個
のアノード電極3501〜3532を1列に展開して表示し
ている。アノード電極3501〜3532は、光電変換面3
3と平行な面内に2次元配列されており、各列の8個の
アノード電極は、蛍光の同じ波長範囲の光電子を受ける
ように配置される。別の列のアノード電極は、別の波長
範囲の光電子を受ける。ここでは、列数すなわち蛍光の
波長範囲の数を4としている。
【0018】この光検出器30において、光電変換面3
3がアノード電極3501〜3532に対して低電位とさ
れ、また、ダイノード34の各段にも所定の電圧が印加
されているときに、分光された蛍光Cが入射窓32を透
過して光電変換面33に入射すると、その光量に応じた
個数の光電子が光電変換面33から放出される。この光
電子が電子増倍部のダイノード34の各段により増倍さ
れて、多数の二次電子が発生し、その二次電子は32個
のアノード電極3501〜3532のうちの何れかに到達す
る。
【0019】このとき、電子増倍部における光電子の二
次電子増倍は、光電変換面33上における蛍光光子入射
すなわち光電子放出の位置関係を保持したまま行われ
る。したがって、二次電子が到達して電流パルス信号を
出力するアノード電極は、分光された蛍光Cが光電変換
面33に入射した位置に対応したものである。すなわ
ち、各列の8個のアノード電極が出力する電流パルス
は、同じ波長範囲の蛍光に対応したものである。
【0020】蛍光光子検出時間測定部40は、増幅器4
1、波高弁別器42、時間振幅変換器43および信号遅
延器45を備えている。増幅器41は、光検出器30の
最終段のダイノード34から出力される電流パルス信号
を入力し、この電流パルス信号を電圧パルス信号に変換
し、この電圧パルス信号を増幅して出力する。なお、こ
こで、ダイノード34から出力される電流パルス信号を
1個の増幅器41が増幅するのは、ダイノード34が3
2個のアノード電極3501〜3532に対して共通だから
である。
【0021】波高弁別器42は、増幅器41から出力さ
れる電圧パルス信号を入力して、その電圧パルス信号の
波高値が所定の閾値電圧より高い場合にタイミング信号
を出力する。すなわち、この波高弁別器42から出力さ
れるタイミング信号は、分光された蛍光Cが光検出器3
0により検出されたタイミングを示すものである。信号
遅延器45は、波高弁別器15から出力されたタイミン
グ信号を入力し、このタイミング信号を所定の時間だけ
遅らせて出力する。
【0022】時間振幅変換器43は、波高弁別器42か
ら出力されたタイミング信号および信号遅延器45から
出力されたタイミング信号に基づいて、これら2つのタ
イミング信号の時間差に応じた電圧信号を出力する。こ
の時間振幅変換器43から出力される電圧信号は、パル
ス励起光Aが試料90に入射した時刻から波長別に分光
された蛍光Cの最初の光子が光検出器30により検出さ
れた時刻までの蛍光光子検出時間に応じたものである。
【0023】蛍光光子数測定部50は、光検出器30の
アノード電極3501〜3532と等しい数すなわち32個
の増幅器5101〜5132、同じく32個の波高弁別器5
01〜5232、および、32個の波高弁別器5201〜5
32それぞれから出力される信号を処理する信号保持器
53を備えている。アノード電極35jと増幅器51j
は一対一で対応し、また、増幅器51jと波高弁別器5
jとも一対一で対応している(j=01〜32)。
【0024】増幅器51jは、アノード電極35jから出
力された電流パルス信号を電圧パルス信号に変換し、そ
の電圧パルス信号を増幅して出力する(j=01〜3
2)。波高弁別器52jは、増幅器51jから出力された
電圧パルス信号を受けて、その電圧パルス信号の波高値
が所定の閾値電圧よりも高い場合に論理パルス信号を出
力する(j=01〜32)。すなわち、波高弁別器52
jは、測定しようとする分光された蛍光Cの少なくとも
1個の蛍光光子に対応した波高値を有する電流パルス信
号がアノード電極35jから出力された場合にのみ論理
パルス信号を出力する(j=01〜32)。したがっ
て、32個の波高弁別器5201〜5232のうち論理パル
ス信号を出力したものの数は、光検出器30により検出
された蛍光Cの光子数に応じたものである。また、同じ
波長範囲の蛍光を受けるように置かれた一列のアノード
電極に対応する波高弁別器のうち論理パルス信号を出力
したものの数は、その波長範囲の蛍光光子の検出個数に
応じたものである。
【0025】信号保持器53は、32個の波高弁別器5
01〜5232それぞれから出力された論理パルス信号
を、信号遅延器67からのタイミング信号により指示さ
れるタイミングで読み込み、その論理状態(32ビット
デジタル値)を所定の時間保持して出力し続ける。この
信号保持器53により保持され出力される論理状態は、
光検出器30により検出された蛍光光子の検出個数、お
よび、複数の成分それぞれの蛍光光子検出の有無を表
す。なお、信号遅延器67は、波高弁別器15から出力
されたタイミング信号を入力し、このタイミング信号を
一定時間だけ遅延させて出力するものである。
【0026】蛍光寿命推定部60は、AD変換器61、
インターフェース部62、記憶部63、演算部64およ
び測定制御部65を備えている。AD変換器61は、蛍
光光子検出時間測定部40の時間振幅変換器43から出
力された電圧信号を受けて、その電圧値に応じたデジタ
ル信号にAD変換し、このデジタル信号を出力する。こ
のAD変換器61が出力するデジタル信号は、蛍光光子
検出時間を表わすものである。インターフェース部62
は、蛍光光子数測定部50の信号保持器53から出力さ
れる信号の状態を読み込む。AD変換器61におけるA
D変換およびインターフェース部62における信号の読
み込みは、信号遅延器66から出力されたタイミング信
号により制御される。なお、信号遅延器66は、波高弁
別器15から出力されたタイミング信号を入力し、この
タイミング信号を一定時間だけ遅延させて出力するもの
である。
【0027】測定制御部65は、AD変換器61および
インターフェース部62それぞれに対して所定回数のデ
ータの取り込みを指示し、パルス励起光Aの各パルス毎
に、AD変換器61からのデジタル値(蛍光光子検出時
間に相当しAD変換器の分解能が12ビットであれば2
バイト(16ビット)のデジタル値)と、インターフェ
ース部62からのデジタル値(検出された蛍光光子の検
出個数と波長成分別の蛍光光子の検出の有無に関する情
報とを含む32ビットのデジタル値)とを、組にして記
憶部63に保存する。演算部64は、記憶部63に保存
されたデータに基づいて、各波長成分それぞれの蛍光寿
命または蛍光減衰曲線を推定する。
【0028】次に、本実施形態に係る蛍光寿命測定装置
1の作用とともに蛍光寿命推定部60の演算部64にお
ける処理内容について説明し、併せて、本発明に係る蛍
光寿命測定方法の一実施形態について説明する。
【0029】励起光源部10内のパルスレーザ光源11
から繰り返し出力されたパルス励起光Aは、反射鏡1
2、ビームスプリッタ13、バンドパスフィルタ84お
よびレンズ81を順次に経て試料90に照射される。こ
のパルス励起光Aの照射に伴い試料90内の蛍光物質か
ら発生した蛍光Bは、レンズ82、バンドパスフィルタ
85、レンズ83および光ファイバ23を順次に経て分
光器20に入射する。分光器20に入射した蛍光Bは、
反射集光鏡21および分散素子22により分光され、こ
の分光された蛍光Cが分光器20より出射する。
【0030】光検出器30では、分光された蛍光Cが入
射窓32を透過して光電変換面33に入射すると、その
光量に応じた個数の光電子が光電変換面33から放出さ
れ、複数段のダイノード34からなる電子増倍部により
二次電子が増倍される。そして、その二次電子が複数の
アノード電極3501〜3532のうちの何れかに入射し、
二次電子が入射したアノード電極から電流パルス信号が
出力される。アノード電極35jから出力された電流パ
ルス信号は、当該アノード電極に対応する蛍光光子数測
定部50内の増幅器51jにより、電圧パルス信号に変
換され、その電圧パルス信号が増幅され出力される(j
=01〜32)。
【0031】増幅器51jから出力された電圧パルス信
号は、対応する波高弁別器52jにより弁別され、その
電圧パルス信号の波高値が所定の閾値電圧よりも高い場
合に論理パルス信号が出力される(j=01〜32)。
これらの波高弁別器5201〜5232それぞれが出力した
論理パルス信号は、信号遅延器67からのタイミング信
号により指示されるタイミングで信号保持器53により
読み込まれ、信号保持器53により所定の時間保持され
出力され続ける。このとき、光検出器30内に設けられ
ているアノード電極3501〜3532の個数32と比較し
て、パルス励起光Aの1パルス照射当たりにおける論理
パルス信号を出力する波高弁別器の個数が充分少なけれ
ば、論理パルス信号を出力した波高弁別器の個数は、光
検出器30により検出された蛍光光子の個数に等しいも
のと考えてよい。
【0032】一方、パルスレーザ光源11から出力され
たパルス励起光の一部はビームスプリッタ13により反
射されてフォトダイオード14に入射して、フォトダイ
オード14から電流信号が出力される。そして、フォト
ダイオード14から出力された電流信号を受けた波高弁
別器15から、パルス励起光が出力された時刻を示すタ
イミング信号が出力される。このタイミング信号は、信
号遅延器45により所定時間だけ遅延される。また、光
検出器30の最終段のダイノード34から出力される電
流パルス信号に基づいて、光検出器30により蛍光Cの
蛍光光子が最初に検出されたタイミングを示すタイミン
グ信号が、蛍光光子検出時間測定部40の増幅器41お
よび波高弁別器42により生成される。そして、時間振
幅変換器43により、波高弁別器42から出力されたタ
イミング信号および波高弁別器15から出力され信号遅
延器45で遅延されたタイミング信号に基づいて、パル
ス励起光Aが試料90に入射した時刻から蛍光Cの最初
の光子が光検出器30により検出された時刻までの蛍光
光子検出時間に応じた電圧信号が出力される。
【0033】そして、パルスレーザ光源11から繰り返
し出力されたパルス励起光Aの各パルス毎に、波高弁別
器15から出力され信号遅延器66で遅延されたタイミ
ング信号により指示されるタイミングで、蛍光光子検出
時間測定部40の時間振幅変換器43から出力された電
圧信号はAD変換器61を介して蛍光寿命推定部60に
入力され、蛍光光子数測定部50の信号保持器53の出
力の状態はインターフェース部62を介して蛍光寿命推
定部60に入力される。
【0034】図2は、本実施形態に係る蛍光寿命測定装
置の記憶部および演算部を説明する図である。記憶部6
3には、図2に示すように、時間振幅変換器43から出
力された電圧信号がAD変換器61によりAD変換され
て出力された16ビットデジタル値、および、信号保持
器53の出力の状態を示す32ビットデジタル値が、パ
ルス励起光Aの多数(以下ではNとする)のパルス毎に
組にして記憶される。
【0035】演算部64において、インターフェース部
62により読み込まれ記憶部63に保存された32ビッ
トデジタル値に基づいて、光検出器30により検出され
た蛍光Cの光子の検出個数、および、各波長成分別に蛍
光光子が検出されたか否かを示すベクトル(以下では
「ヒットベクトル」という)が求められる。また、演算
部64において、時間振幅変換器43からの電圧信号が
AD変換器61によりAD変換されて記憶部63に保存
された16ビットデジタル値に基づいて、パルス励起光
Aが試料90に入射した時刻から分光された蛍光Cの最
初の光子が光検出器30により検出された時刻までの蛍
光光子検出時間が求められる。
【0036】演算部64には、図2に示すように、パル
ス励起光AのNパルスそれぞれについて、ヒットベクト
ルWi、蛍光光子検出個数niおよび蛍光光子検出時間T
iが一組として記憶される(i=1〜N)。そして、演
算部64では、N組のヒットベクトルWi、蛍光光子検
出個数niおよび蛍光光子検出時間Ti(i=1〜N)に
基づいて、分光された蛍光Cの各波長成分それぞれの蛍
光寿命または蛍光減衰曲線が以下のようにして推定され
る。なお、以下では、試料90の蛍光物質から発生し分
光された蛍光Cの各波長成分それぞれの蛍光減衰曲線が
単一指数関数で表される場合について説明する。
【0037】各波長成分(ここでは4成分)それぞれの
蛍光寿命を1/Γ1、1/Γ2、1/Γ3および1/Γ4
する。これらパラメータΓ1,Γ2,Γ3およびΓ4それぞ
れは、その値が推定されるべきものである。また、パル
ス励起光Aが試料90に入射した時刻を基準(t=0)
として、時刻tから時刻t+dtまでの微小時間dtの
間に光検出器30により波長成分k(k=1〜4)の蛍
光光子が検出される確率pk(t)dtは、
【0038】
【数1】
【0039】なる式で与えられるものとする。演算部6
4では、パラメータΓ1,Γ2,Γ3およびΓ4それぞれの
値の推定に先立ち、パルス励起光Aの1パルス照射当た
りに光検出器30の光電変換面33から放出される各波
長成分それぞれの平均光電子数が以下の様に推定され
る。
【0040】記憶部63に記憶されている32ビットの
デジタル値から32個のアノード電極3501〜3532
れぞれのヒット総数を求める。すなわち、N回のパルス
励起光照射のうちの第i番目のパルス励起光照射により
得られた32ビットデジタル値を2進数表記で(b32
31…b21)iで表せば、アノード電極3501〜3532
うちの第j番目のアノード電極35jのヒット総数m
jは、
【0041】
【数2】
【0042】で与えられる(i=1〜N、j=1〜3
2)。
【0043】そしてパルス励起光Aの1パルス照射当た
りに検出される各波長成分それぞれの平均光電子数
μ1,μ2,μ3およびμ4それぞれは、
【0044】
【数3】
【0045】なる式で推定される。ただし、アノード電
極3501〜3508は第1の波長成分に対応し、アノード
電極3509〜3516は第2の波長成分に対応し、アノー
ド電極3517〜3524は第3の波長成分に対応し、ま
た、アノード電極3525〜3532は第4の波長成分に対
応している。
【0046】そして、推定された平均光電子数μ1
μ2,μ3およびμ4、ならびに、N組の蛍光光子検出時
間Ti、ヒットベクトルWiおよび蛍光光子検出個数ni
(i=1〜N)に基づいて、パラメータΓ1,Γ2,Γ3
およびΓ4それぞれの値を推定する。ヒットベクトルW
は、アノード電極3501〜3532の列の数(ここでは4
個)すなわち分光された波長成分の数と同数の要素をも
つベクトル(w1,w2,w3,w4)とする。ヒットベク
トルWの各要素wk(k=1〜4)は、第k番目の波長
成分に対応するアノード電極の列において出力が少なく
とも一つあれば値1とし、一つも無ければ値0とする。
【0047】図3は、本実施形態に係る蛍光寿命測定装
置の光検出器のアノード電極における蛍光光子検出の一
例とヒットベクトルWおよび蛍光光子検出個数nとの関
係を示す図である。この図における4×8個のマス目
は、32個のアノード電極35 01〜3532を表してい
る。4つの列(各列は8個のアノード電極を含む)それ
ぞれは、蛍光Cの波長成分λ1〜λ4に対応している。ま
た、黒く塗りつぶされたマス目は、蛍光光子を検出して
電流パルス信号を出力したアノード電極を表している。
この図に示す場合には、ヒットベクトルWは(0,1,
0,1)であり、蛍光光子検出個数nは3である。
【0048】演算部64では、N組の蛍光光子検出時間
i、ヒットベクトルWiおよび蛍光光子検出個数n
i(i=1〜N)に基づいて、
【0049】
【数4】
【0050】なる式で表わされる対数尤度が計算され
る。ここで、p(T|W,n)は、ヒットベクトルWおよ
び蛍光光子検出個数nが与えられたときに蛍光光子検出
時間がTである条件付き確率密度関数であり、
【0051】
【数5】
【0052】で与えられる。
【0053】また、p(T|W)は、ヒットベクトルW
=(w1,w2,w3,w4)が与えられたときに時刻tに
蛍光光子が検出される条件付き確率密度関数であり、
【0054】
【数6】
【0055】なる式で与えられるものとする。T
maxは、蛍光光子が蛍光光子数測定部50により計数さ
れ得る最大の時間であり、パルス励起光Aの各パルス毎
に発生する蛍光の殆どの光子が光検出器30により検出
される時間に設定される。パルス励起光Aが試料90に
照射されてからTmaxまでの間に検出された蛍光光子の
数が蛍光光子検出個数となる。ΔTは、AD変換器61
から出力されるデジタル信号のビン幅に対応する実際の
時間幅である。
【0056】そして、演算部64では、上記(4)式で表
わされる対数尤度を最大化するパラメータΓk(k=1
〜4)の値が計算され、各波長成分それぞれの蛍光寿命
1/Γkの値が推定される。なお、対数尤度の最大化に
よる推定に際しては、準ニュートン法等の一般的な最適
化アルゴリズムが好適に用いられる。
【0057】次に、蛍光寿命の推定に関するシミュレー
ション結果について説明する。以下では、4列のアノー
ド電極それぞれに対応する波長成分をλ1,λ2,λ3
よびλ4とし、2つの蛍光成分を仮定した。図4は、シ
ミュレーションで仮定した蛍光の波長分布を示す図であ
る。第1の蛍光成分は、蛍光の波長範囲をλ1およびλ2
として、各々の波長で、1励起あたりの平均光電子数を
0.15とし、蛍光寿命を1/(2.0×10-3)とし
た。また、第2の蛍光成分は、蛍光の波長範囲をλ2
λ3およびλ4として、各々の波長で、1励起あたりの平
均光電子数を0.10とし、蛍光寿命を1/(4.0×
10-3)とした。
【0058】シミュレーションで使用した時間単位は、
時間振幅変換器43のフルスケールとAD変換器61の
分解能とで決まる値とした。すなわち、AD変換器61
が12ビットデジタル値を出力するものとして、時間単
位は、時間振幅変換器43のフルスケールをAD変換器
61の分解能4096で除算したものとした、ここで仮
定した1励起あたりの平均光電子数の合計は0.6であ
り、この値は従来の時間相関単一光子計数法が適用され
る平均光電子数よりも1桁以上大きい。また、シミュレ
ーションでは、励起回数Nを160万回として1データ
セットを生成し、60個のデータセットを生成した。そ
して、各データセットに基づいてパラメータΓk(k=
1〜4)を推定し、60個のデータセットそれぞれで得
られたパラメータΓk(k=1〜4)の推定値の平均値
を算出した。
【0059】図5は、シミュレーションに使用したパラ
メータと推定結果とを示す図表である。波長λ1,λ3
よびλ4それぞれにおいては、偏差2%未満の精度でシ
ミュレーションに使用したパラメータの値と推定値の平
均値とが一致した。二つの蛍光成分が混じった波長λ2
においても、二つの蛍光成分の蛍光寿命の平均的な値が
得られた。
【0060】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施
形態に係る蛍光寿命測定装置では、蛍光を分光するのに
分光器を使用したが、バンドパスフィルタなどの光学フ
ィルタであってもよい。この場合、光学フィルタは、光
検出器30の入射窓32の前面に配置され、試料から到
達した蛍光の複数の波長成分それぞれを互いに異なる領
域で透過させて、その透過させた各波長成分を、アノー
ド電極3501〜3532の何れかに対応する光電変換面3
3の領域に入射させる。
【0061】また、上記実施形態では蛍光を波長によっ
て4つに分けたが、波長ではなく空間的な位置によって
複数の成分に分解してもよい。また、上記実施形態では
アノード電極の配列を4列で各列8個としたが、8列で
各列4個、すなわち8個の成分に分解してもよいし、8
列で各列8個であってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、パルス励起光を試料に繰り返し照射して、パル
ス励起光の各パルス毎に、蛍光を複数の成分(波長成
分)に分解し、パルス励起光が試料に照射された時刻か
ら最初の蛍光光子が検出された時刻までの蛍光光子検出
時間を測定するとともに、蛍光光子の検出個数および複
数の成分それぞれの蛍光光子検出の有無を測定する。そ
して、パルス励起光の各パルス毎に測定された蛍光光子
検出時間、蛍光光子の検出個数および複数の成分それぞ
れの蛍光光子検出の有無に基づいて、複数の成分それぞ
れの蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する。
【0063】このようにして複数の成分それぞれの蛍光
寿命または蛍光減衰曲線を推定することにより、パルス
励起光の1パルス照射当たりに検出される蛍光光子の個
数が多くても正確に蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定
することができる。また、従来の時間相関単一光子計数
法による測定の場合と比較して蛍光光子検出頻度を1桁
以上大きくすることができるので、蛍光寿命または蛍光
減衰曲線を短時間に効率よく測定することができる。さ
らに、蛍光光子検出時間測定部が1個であるにも拘わら
ず、蛍光を複数の成分に分解して各蛍光成分それぞれの
蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定できるので、装置を
複雑にしないで複数の成分の測定をすることができ、ま
た、1回の測定で複数の成分の測定をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る蛍光寿命測定装置の構成図で
ある。
【図2】本実施形態に係る蛍光寿命測定装置の記憶部お
よび演算部を説明する図である。
【図3】本実施形態に係る蛍光寿命測定装置の光検出器
のアノード電極における蛍光光子検出の一例とヒットベ
クトルWおよび蛍光光子検出個数nとの関係を示す図で
ある。
【図4】本実施形態に係る蛍光寿命測定方法を説明する
ために行なったシミュレーションで仮定した蛍光の波長
分布を示す図である。
【図5】本実施形態に係る蛍光寿命測定方法を説明する
ために行なったシミュレーションに使用したパラメータ
と推定結果とを示す図表である。
【符号の説明】
1…蛍光寿命測定装置、10…励起光源部、11…パル
スレーザ光源、12…反射鏡、13…ビームスプリッ
タ、14…フォトダイオード、15…波高弁別器、20
…分光器、21…反射集光鏡、22…分散素子、23…
光ファイバ、30…光検出器、31…真空容器、32…
入射窓、33…光電変換面、34…ダイノード、3501
〜3532…アノード電極、40…蛍光光子検出時間測定
部、41…増幅器、42…波高弁別器、43…時間振幅
変換器、45…信号遅延器、50…蛍光光子数測定部、
5101〜5132…増幅器、5201〜5232…波高弁別
器、53…信号保持器、60…蛍光寿命推定部、61…
AD変換器、62…インターフェース部、63…記憶
部、64…演算部、65…測定制御部、66,67…信
号遅延器、81,82,83…レンズ、84,85…バ
ンドパスフィルタ、90…試料、A…パルス励起光、B
…蛍光、C…分光された蛍光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA03 CA01 CA03 EA01 FA03 GA04 GB01 GB21 HA01 HA05 JA01 JA03 JA04 KA08 KA09 LA02 LA03 NA01 NA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス励起光が試料に照射されて発生し
    た蛍光の蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する蛍光寿
    命測定方法であって、 前記パルス励起光を前記試料に繰り返し照射して、前記
    パルス励起光の各パルス毎に、前記蛍光を複数の成分に
    分解し、前記パルス励起光が前記試料に照射された時刻
    から最初の蛍光光子が検出された時刻までの蛍光光子検
    出時間を測定するとともに、蛍光光子の検出個数および
    前記複数の成分それぞれの蛍光光子検出の有無を測定
    し、 前記パルス励起光の各パルス毎に測定された前記蛍光光
    子検出時間、前記蛍光光子の検出個数および前記複数の
    成分それぞれの蛍光光子検出の有無に基づいて、前記複
    数の成分それぞれの前記蛍光寿命または前記蛍光減衰曲
    線を推定する、 ことを特徴とする蛍光寿命測定方法。
  2. 【請求項2】 前記蛍光を複数の波長成分に分解して、
    前記複数の波長成分それぞれの前記蛍光寿命または前記
    蛍光減衰曲線を推定する、ことを特徴とする請求項1記
    載の蛍光寿命測定方法。
  3. 【請求項3】 パルス励起光が試料に照射されて発生し
    た蛍光の蛍光寿命または蛍光減衰曲線を推定する蛍光寿
    命測定装置であって、 前記パルス励起光を出力し前記試料に照射する励起光源
    部と、 前記試料で発生した蛍光を複数の成分に分解する分解光
    学系と、 前記分解光学系により分解された蛍光を入力し前記蛍光
    の光量に応じた個数の光電子を放出する光電変換面と、
    前記光電変換面から放出された光電子を増倍して二次電
    子を発生させる電子増倍部と、前記複数の成分それぞれ
    について2以上設けられ前記二次電子の入力に応じて電
    流パルス信号をそれぞれ出力する所定数のアノード電極
    と、前記蛍光を透過させる入射窓を有し前記光電変換
    面、前記電子増倍部および前記所定数のアノード電極を
    内部に含む真空容器と、を有する光検出器と、 前記パルス励起光が前記試料に照射された時刻から最初
    の蛍光光子が前記光検出器により検出された時刻までの
    蛍光光子検出時間を前記パルス励起光の各パルス毎に測
    定する蛍光光子検出時間測定部と、 前記所定数のアノード電極のうち少なくとも1個の蛍光
    光子に対応する電流パルス信号を出力したアノード電極
    の位置および個数に基づいて、前記光検出器により検出
    された蛍光光子の検出個数および前記複数の成分それぞ
    れの蛍光光子検出の有無を前記パルス励起光の各パルス
    毎に測定する蛍光光子数測定部と、 前記試料に繰り返し照射された前記パルス励起光の各パ
    ルス毎に前記蛍光光子検出時間測定部により測定された
    蛍光光子検出時間ならびに前記蛍光光子数測定部により
    測定された蛍光光子の検出個数および前記複数の成分そ
    れぞれの蛍光光子検出の有無に基づいて、前記複数の成
    分それぞれの前記蛍光寿命または前記蛍光減衰曲線を推
    定する蛍光寿命推定部と、 を備えることを特徴とする蛍光寿命測定装置。
  4. 【請求項4】 前記分解光学系は、前記蛍光を複数の波
    長成分に分解し、 前記蛍光寿命推定部は、前記複数の波長成分それぞれの
    前記蛍光寿命または前記蛍光減衰曲線を推定する、こと
    を特徴とする請求項3記載の蛍光寿命測定装置。
  5. 【請求項5】 前記分解光学系は、前記蛍光を複数の波
    長成分に分光してその分光した各波長成分を前記所定数
    のアノード電極の何れかに対応する前記光電変換面の領
    域に入射させる分光器を含む、ことを特徴とする請求項
    4記載の蛍光寿命測定装置。
  6. 【請求項6】 前記分解光学系は、前記蛍光の複数の波
    長成分それぞれを互いに異なる領域で透過させてその透
    過させた各波長成分を前記所定数のアノード電極の何れ
    かに対応する前記光電変換面の領域に入射させる光学フ
    ィルタを含む、ことを特徴とする請求項4記載の蛍光寿
    命測定装置。
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