JPH09194432A - ビスチアゾリン類、その製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

ビスチアゾリン類、その製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造方法

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JPH09194432A
JPH09194432A JP8008075A JP807596A JPH09194432A JP H09194432 A JPH09194432 A JP H09194432A JP 8008075 A JP8008075 A JP 8008075A JP 807596 A JP807596 A JP 807596A JP H09194432 A JPH09194432 A JP H09194432A
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JP8008075A
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Hideyuki Ikehira
秀行 池平
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスニトリル類を原料として1工程で収率よ
く製造し得、安定であり、かつオレフィン類とジアゾ酢
酸エステル類とを銅塩の存在下に反応させて不斉シクエ
ロプロパンカルボン酸類を製造する際の不斉配位子とし
て用いることのできる新たな化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(1) で示されるビスチアゾリン類の光学活性体、ラセミ体ま
たはメソ形異性体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスチアゾリン
類、その製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパ
ンカルボン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉シクロプロパンカルボン酸類は医
薬、農薬などの中間体として有用であり、オレフィン類
とジアゾ酢酸エステル類とを銅塩および不斉配位子の存
在下に反応させて製造されることが知られている。従来
よりかかる不斉配位子として光学活性メチレンビスオキ
サゾリン類が提案されているが(Tetrahedorn Letters,
Vol.32,No.50,pp.7373-7376,1991)、かかる光学活性メ
チレンビスオキサゾリン類は不安定で重合しやすいばか
りか、ビスニトリル類を原料として複数工程を経て低収
率で製造されるため(Helvetica Chimica Acta,Vol.74,
p.2,1991)、不斉配位子としてこのようなメチレンビス
オキサゾリン類を用いる不斉シクロプロパンカルボン酸
類の製造方法は、工業的に有利な方法であるとは言えな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
ビスニトリル類を原料として1工程で収率よく製造し
得、安定であり、かつオレフィン類とジアゾ酢酸エステ
ル類とを銅塩の存在下に反応させて不斉シクエロプロパ
ンカルボン酸類を製造する際の不斉配位子として用いる
ことのできる新たな化合物を開発するべく鋭意検討した
結果、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素原子、
ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有し
ていてもよいアリール基、置換基を有していてもよいオ
キシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキ
シル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基ま
たは置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、*
は不斉炭素原子を示し、nは1以上5以下の整数を示
す。ただし、R1 とR2 とが同一であることはない。)
で示されるビスチアゾリン類の光学活性体、ラセミ体ま
たはメソ形異性体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のビスチアゾリン類におい
て、置換基R1 、R2 、R3 、R4 におけるハロゲン原
子としては塩素原子、臭素原子などが、アルキル基とし
てはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、ネ
オペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n
−オクチル基、n−ノニル基、メンチル基、2,3,4
−トリメチル−3−ペンチル基、2,4−ジメチル−3
−ペンチル基などが、アラルキル基としてはベンジル
基、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル基、ジ
フェニルメチル基などが、アリール基としてはフェニル
基、ナフチル基、ビフェニル基、フリル基、チオフェニ
ル基などが、オキシカルボニル基としてはメトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカ
ルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フェニルオ
キシカルボニル基などが、アルコキシル基としてはメト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ
基などが、アリールオキシ基としてはフェノキシ基など
が、アルケニル基としては2−メチル−1−プロペニル
基、2−ブテニル基、トランス−β−スチリル基、3−
フェニル−1−プロペニル基、1−シクロヘキセニル基
などがそれぞれ例示される。
【0006】これらのアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、オキシカルボニル基、アルコキシル基、アリー
ルオキシ基、アルケニル基はさらに、例えば前記したと
同様のハロゲン原子、前記したと同様のアルコキシル
基、前記したと同様のアリールオキシ基、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基など
の低級アルキル基、n−プロピルチオ基、t−ブチルチ
オ基などの低級アラルキルチオ基、フェニルチオ基など
のアリールチオ基、ニトロ基、水酸基などで置換されて
いてもよい。
【0007】またnは1以上5以下の整数であり、好ま
しくは1または2である。このような一般式(1)で示
されるビスチアゾリン類には*で示される2つの不斉炭
素原子が存在し、これらを不斉中心とする少なくとも2
種類の光学活性体が存在するが、本発明のビスチアゾリ
ン類はいずれの光学活性体であってもよいし、それらの
ラセミ体であってもよく、さらにはメソ形異性体であっ
てもよい。
【0008】このようなビスチアゾリン類の光学活性
体、ラセミ体もしくはメソ形異性体はいずれも文献未記
載の化合物であって、例えばその光学活性体は一般式
(2) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、*はそれぞれ前記と
同じ意味を示す。)で示される2−アミノチオール類の
光学活性体と一般式(3) (式中、nは前記と同じ意味を示す。)で示されるビス
ニトリル類とをルイス酸の存在下に反応させることによ
って製造することができる。
【0009】ここで2−アミノチオール類の光学活性体
としては、例えば(R)−2−アミノ−3,3−ジメチ
ル−1−ブタンジオール、(R)−2−アミノ−2−フ
ェニルエタンチオール、(R)−2−アミノ−3−フェ
ニル−1−プロパンチオール、(R)−システインメチ
ルエステル、(R)−システインエチルエステル、(2
R)−α−(1−アミノエチル)ベンジルチオール、上
記各化合物における(R)が(S)に相当する化合物お
よびこれらの塩酸塩などの塩などが挙げられる。
【0010】ビスニトリル類としては、例えばマロノニ
トリル、スクシノニトリルなどが挙げられ、その使用量
は2−アミノチオール類に対して通常は0.5〜3モル
倍、好ましくは0.5〜2モル倍の範囲である。
【0011】ルイス酸としては、例えば三塩化アンモニ
ウム、ボロントリフルオライド、塩化亜鉛、塩化鉄、臭
化鉄、塩化スズ、アルミニウムトリイソプロポキシド、
酢酸亜鉛などが挙げられる。これらのルイス酸はそれぞ
れ単独または2種以上を混合して用いられ、その使用量
は2−アミノチオール類に対して通常は0.01〜10
モル倍、好ましくは0.1〜3モル倍の範囲である。
【0012】反応に際しては、通常は溶媒が用いられ、
かかる溶媒としては例えばトルエン、キシレン、ヘキサ
ン、オクタン、クロルベンゼンなどのルイス酸を用いる
反応に対して不活性な溶媒が挙げられる。これらはそれ
ぞれ単独または2種以上を混合して用いられ、その使用
量は2−アミノチオール類に対して通常は2〜200重
量倍の範囲であるが、原料として用いるビスニトリル類
の種類によってはかかる溶媒を用いることなく反応させ
ることも可能であり、この場合、ビスニトリル類は前記
した使用量を超えて使用されてもよい。
【0013】反応に際しては、例えば2−アミノチオー
ル類の光学活性体、ビスニトリル類およびルイス酸を溶
媒中または無溶媒で混合すればよく、反応温度は通常5
0〜250℃、好ましくは60〜150℃の範囲であ
る。
【0014】なお、反応に際してモレキュラーシーブを
共存させるとビスチアゾリン類の収率が向上するため好
ましく用いられ、かかるモレキュラーシーブとしては、
例えばビーズ状、ペレット状の3A、4A、5Aなど、
通常の脱水剤として用いられると同様のものが挙げられ
る。かかるモレキュラーシーブの使用量は2−アミノチ
オール類に対して通常は100重量倍以下、好ましくは
0.01〜100重量倍、さらに好ましくは0.5〜1
0重量倍の範囲である。
【0015】反応終了後、例えば得られた反応混合物か
ら必要によりモレキュラーシーブを濾別したのち、炭酸
水素ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を加え、析
出する固体を濾別したのち、通常の方法、例えば得られ
た濾液を濃縮し、これに水を加えた後、トルエン、酢酸
エチル、ジエチルエーテル、ジクロルメタンなどの有機
溶媒を用いて抽出処理し、得られた有機層を濃縮する方
法によって、用いた2−アミノチオール類に対応するビ
スチアゾリン類の光学活性体を得ることができる。かく
して得られるビスチアゾリン類はさらに通常の方法、例
えば蒸留操作、カラムクロマトグラム処理などによって
精製されてもよい。
【0016】かくして得られる一般式(1)で示される
ビスチアゾリン類の光学活性体において、*で示される
不斉炭素原子を中心とする立体配置は用いた一般式
(2)で示される2−アミノチオール類の光学活性体に
おけると同様である。
【0017】かかるビスチアゾリン類の光学活性体とし
ては、例えばメチレンビス〔(4R)−4−フェニルチ
アゾリン〕、メチレンビス〔(4R)−4−t−ブチル
チアゾリン〕、メチレンビス〔(4R)−4−フェニル
メチルチアゾリン〕、メチレンビス〔(4R)−4−
(2,6−ジ−t−ブチル−p−トリル)チアゾリ
ン〕、メチレンビス〔(4R)−4−メトキシカルボニ
ルチアゾリン〕、メチレンビス〔(4R)−4−エトキ
シカルボニルチアゾリン〕、エチレンビス〔(4R)−
4−フェニルチアゾリン〕、エチレンビス〔(4R)−
4−t−ブチルチアゾリン〕、エチレンビス〔(4R)
−4−フェニルメチルチアゾリン〕、エチレンビス
〔(4R)−4−(2,6−ジ−t−ブチル−p−トリ
ル)チアゾリン〕、エチレンビス〔(4R)−4−メト
キシカルボニルチアゾリン〕、エチレンビス〔(4R)
−4−エトキシカルボニルチアゾリン〕、プロピレンビ
ス〔(4R)−4−t−ブチルチアゾリン〕、ブチレン
ビス〔(4R)−4−フェニルメチルチアゾリン〕、ペ
ンタレンビス〔(4R)−4−(2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−トリル)チアゾリン〕および上記各化合物にお
ける(4R)が(4S)に相当する化合物などが挙げら
れる。
【0018】一方、ビスチアゾリン類のラセミ体および
メソ形異性体は、例えば上記と同様にして2−アミノチ
オール類のラセミ体とビスニトリル類とをルイス酸の存
在下に反応させることによって製造することができ、こ
こで2−アミノチオール類のラセミ体としては、2−ア
ミノチオール類の光学活性体として前記した各化合物に
おける(R)が(RS)に相当する化合物などが挙げら
れる。
【0019】かかる反応によって通常はビスチアゾリン
類のラセミ体とメソ形異性体とが同時に得られるが、こ
れらは通常の方法、例えば蒸留操作、カラムクロマトグ
ラム処理などによって容易に分離し、精製することがで
きる。
【0020】かくして得られるビスチアゾリン類のラセ
ミ体としては、例えばビスチアゾリン類の光学活性体と
して前記した各化合物における(4R)が(4RS)に
相当する化合物が挙げられ、これらはいずれも通常の方
法、例えば光学活性カラムクロマトグラム処理などによ
って容易に光学活性体に光学分割することができる。
【0021】また、メソ形異性体としては、例えば
〔(4R)−4−フェニルチアゾリン〕〔(4S)−4
−フェニルチアゾリン〕メタン、〔(4R)−4−t−
ブチルチアゾリン〕〔(4S)−4−t−ブチルチアゾ
リン〕メタン、〔(4R)−4−フェニルメチルチアゾ
リン〕〔(4S)−4−フェニルメチルチアゾリン〕メ
タン、〔(4R)−4−(2,6−ジ−t−ブチル−p
−トリル)チアゾリン〕〔(4S)−4−(2,6−ジ
−t−ブチル−p−トリル)チアゾリン〕メタン、
〔(4R)−4−メトキシカルボニルチアゾリン〕メタ
ン、〔(4R)−4−エトキシカルボニルチアゾリン〕
〔(4S)−4−エトキシカルボニルチアゾリン〕メタ
ン、1−〔(4R)−4−フェニルチアゾリン〕−2−
〔(4S)−4−フェニルチアゾリン〕エタン、1−
〔(4R)−4−t−ブチルチアゾリン〕−2−〔(4
S)−4−t−ブチルチアゾリン〕エタン、1−〔(4
R)−4−フェニルメチルチアゾリン〕−2−〔(4
S)−4−フェニルメチルチアゾリン〕エタン、1−
〔(4R)−4−(2,6−ジ−t−ブチル−p−トリ
ル)チアゾリン〕−2−〔(4S)−4−(2,6−ジ
−t−ブチル−p−トリル)チアゾリン〕エタン、1−
〔(4R)−4−メトキシカルボニルチアゾリン〕−2
−〔(4S)−4−メトキシカルボニルチアゾリン〕エ
タン、1−〔(4R)−4−エトキシカルボニルチアゾ
リン〕−2−〔(4S)−4−エトキシカルボニルチア
ゾリン〕エタン、1−〔(4R)−4−t−ブチルチア
ゾリン〕−3−〔(4S)−4−t−ブチルチアゾリ
ン〕プロパン、1−〔(4R)−4−フェニルメチルチ
アゾリン〕−4−〔(4S)−4−フェニルメチルチア
ゾリン〕ブタン、1−〔(4R)−4−(2,6−ジ−
t−ブチル−p−トリル)チアゾリン〕−5−〔(4
R)−4−(2,6−ジ−t−ブチル−p−トリル)チ
アゾリン〕ペンタンなどが挙げられる。
【0022】これらのビスチアゾリン類はいずれも安定
であって、その光学活性体は不斉配位子として用いるこ
とができ、例えばかかるビスチアゾリン類の光学活性体
と銅塩との存在下に一般式(4) (式中、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ水素原子、
置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
ラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示
し、R5 とR6 とが結合して環を形成していてもよい。
但し、R5 、R6 、R7 、R8 が同時に同一であること
はない。)で示されるオレフィン類と一般式(5) (式中、R9 は置換基を有していてもよいアルキル基、
置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を
有していてもよいアリール基を示す。)で示されるジア
ゾ酢酸エステル類とを反応させることによって一般式
(6) (式中、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、*は前記と同
じ意味を示す。)で示される不斉シクロプロパンカルボ
ン酸類を製造することができる。
【0023】ここで置換基R5 、R6 、R7 、R8 にお
けるアルケニル基としては置換基R 1 、R2 、R3 、R
4 として前記したと同様のものが挙げられ、R5 とR6
とが結合して環を形成している場合の環としては、例え
ばシクロヘキセニル環などが挙げられる。また、置換基
5 、R6 、R7 、R8 、R9 におけるアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基としては置換基R1 、R2 、R
3 、R4 として前記したと同様のものが挙げられる。こ
れらの置換基は置換基R1 、R2 、R3 、R4 における
と同様にさらに置換基で置換されていてもよい。
【0024】このようなジアゾ酢酸エステル類として
は、例えばジアゾ酢酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n
−ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエ
ステル、ベンジルエステル、シクロヘキシルエステル、
l−メンチルエステル、n−ペンチルエステル、ネオペ
ンチルエステル、n−ヘキシルエステル、n−ヘプチル
エステルなどが挙げられる。
【0025】オレフィン類としては、例えば2,5−ジ
メチル−2,4−ヘキサジエン、イソブチレン、2−メ
チル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−
ジメチル−1−ブテン、2−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、1−ヘキセ
ン、2−ヘキセン、2−ヘプテン、イソプレン、1−メ
チル−1−シクロヘキセン、ビニルシクロペンタン、ス
チレン、4−フェニル−1−ブテンなどが挙げられ、そ
の使用量はジアゾ酢酸エステル類に対して通常は0.5
〜30モル倍の範囲である。
【0026】ビスチアゾリン類の使用量はジアゾ酢酸エ
ステル類に対して通常は0.001〜3モル倍、好まし
くは0.01〜1モル倍の範囲である。
【0027】銅塩としては、例えばトリフルオロメタン
スルホン酸銅(I)、酢酸銅(I)、臭化銅(I)、塩
化銅(I)、三フッ化酢酸銅(I)などの1価の銅塩
や、上記各化合物における銅(I)が銅(II)に相当
する2価の銅塩などが挙げられる。これらはそれぞれ単
独または2種以上を混合して用いられ、その使用量はビ
スチアゾリン類に対して通常は0.01〜2モル倍、好
ましくは0.1〜1モル倍の範囲である。
【0028】反応はオレフィン類の種類によっては無溶
媒で行うこともできるが、通常は溶媒中で行われ、かか
る溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジエトキシ
メタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオ
キサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素
系溶媒、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、酢酸エチ
ルなどのエステル系溶媒などの反応に対して不活性な溶
媒が挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ単独または2
種以上を混合して用いられ、その使用量はジアゾ酢酸エ
ステル類に対して通常は2〜200重量倍の範囲であ
る。
【0029】反応に際しては、例えば溶媒中でオレフィ
ン類、ビスチアゾリン類および銅塩を混合したのち、ジ
アゾ酢酸エステル類を加えればよく、反応温度は通常−
50〜200℃、好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0030】なお、銅塩として2価の銅塩を用いる場
合、ジアゾ酢酸エステル類を加える前にヒドラジン化合
物を加えておくことによって、オレフィン類とジアゾ酢
酸エステル類との反応速度を速めることができるため、
好ましい。かかるヒドラジン化合物としては、例えばフ
ェニルヒドラジンなどが挙げられ、その使用量は銅塩に
対して通常は0.8〜1.2モル倍の範囲である。
【0031】反応後、得られた反応混合物に、例えば塩
化アンモニウム水溶液などを加え、次いで通常の方法、
例えばトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジク
ロルメタンなどの水に不溶の有機溶媒を用いて抽出処理
し、得られた有機層を濃縮することによって、目的の不
斉シクロプロパンカルボン酸類を得ることができる。
【0032】かくして得られる不斉シクロプロパンカル
ボン酸類としては、例えば1−(S)−エトキシカルボ
ニル−2−(S)−フェニルシクロプロパン、1−
(R)−エトキシカルボニル−2,2−ジメチルシクロ
プロパン、1−(R)−エトキシカルボニル−2−
(R)−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパ
ン、1−(S)−エトキシカルボニル−2−(S)−t
−ブチルシクロプロパンなどが挙げられる。
【0033】
【発明の効果】本発明のビスチアゾリン類は、ビスニト
リル類を原料として1工程で収率よく製造することがで
き、安定であり、しかもその光学活性体はオレフィン類
とジアゾ酢酸エステル類とを銅塩の存在下に反応させる
不斉シクロプロパンカルボン酸類を製造する際の不斉配
位子として用いることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるも
のではない。
【0035】実施例1 マロノニトリル3.56g(54mmol)、(S)−
システインメチルエステル塩酸塩23.2g(135m
mol)、モレキュラーシーブ3A 50gおよび塩化
亜鉛2.2g(16.1mmol)をクロロベンゼン3
000gと混合し、105℃にて20時間攪拌した。そ
の後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2000gを加
え、30分攪拌し、次いで析出した固体を濾別した。得
られた濾液を1000gの水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、濃縮して、メチレンビス〔(4S)−メ
トキシカルボニルチアゾリン〕14.5g(48.1m
mol)を得た(マロノニトリルからの収率89%)。 H−NMR(CDCl3 ,TMS)δ3.66(d,2
H)、3.65〜3.81(m,4H)、3.82
(s,6H)、5.15(t,2H)
【0036】実施例2 マロノニトリルに代えてスクシノニトリル4.32g
(54mmol)を用いる以外は実施例1と同様に操作
して、エチレンビス〔(4S)−メトキシカルボニルチ
アゾリン〕14.8g(47mmol)を得た(スクシ
ノニトリルからの収率87%)。 H−NMR(CDCl3 ,TMS)δ2.92(s,4
H)、3.50〜3.65(m,4H)、3.82
(s,6H)、5.09(t,2H)
【0037】実施例3 (S)−システインメチルエステル塩酸塩に代えて
(S)−システインエチルエステル25.1g(135
mmol)を用いる以外は実施例1と同様に操作して、
メチレンビス〔(4S)−エトキシカルボニルチアゾリ
ン〕16g(48.6mmol)を得た(マロノニトリ
ルからの収率90%)。 H−NMR(CDCl3 ,TMS)δ1.25〜1.4
0(m,6H)、3.70(d,2H)、3.65〜
3.81(m,4H)、4.18〜4.35(m,4
H)、5.16(t,2H)
【0038】実施例4 トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)18.0mg
(0.05mmol)およびメチレンビス〔(4S)−
メトキシカルボニルチアゾリン〕76.5mg(0.2
5mmol)をクロロホルム3gに溶解し、25℃で1
5分間攪拌した後、同温度下フェニルヒドラジン5μl
(0.05mmol)を加えさらに5分間攪拌した。次
いで同温度下、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエ
ン1.102g(10mmol)を加え、10分間攪拌
したのち、ジアゾ酢酸エチルエステル114mmg(1
mmol)のジクロルメタン溶液(1g)を2時間かけ
て滴下して加え、さらに同温度下でさらに3時間攪拌し
たのち、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフ処理して、トランス−1−(R)−
エトキシカルボニル−2−(R)−(2−メチル−1−
プロペニル)シクロプロパン108.8mg(0.55
5mmol、57.6%ee、収率55.5%)とシス
−1−(R)−エトキシカルボニル−2−(S)−(2
−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン39.8m
g(0.203mmol、35.1%ee、収率20.
3%)とを得た。
【0039】実施例5 メチレンビス〔(4S)−メトキシカルボニルチアゾリ
ン〕に代えてエチレンビス〔(4S)−メトキシカルボ
ニルチアゾリン〕79mg(0.25mmol)を用い
る以外は実施例4と同様に操作して、トランス−1−
(R)−エトキシカルボニル−2−(R)−(2−メチ
ル−1−プロペニル)シクロプロパン112.3mg
(0.573mmol、26.2%ee、収率57.3
%)とシス−1−(R)−エトキシカルボニル−2−
(S)−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパ
ン40.6mg(0.207mmol、30.1%e
e、収率20.7%)とを得た。
【0040】実施例6 メチレンビス〔(4S)−メトキシカルボニルチアゾリ
ン〕に代えてメチレンビス〔(4S)−エトキシカルボ
ニルチアゾリン〕82.5mg(0.25mmol)を
用いる以外は実施例4と同様に操作して、トランス−1
−(R)−エトキシカルボニル−2−(R)−(2−メ
チル−1−プロペニル)シクロプロパン111.5mg
(0.569mmol、59.3%ee、収率56.9
%)とシス−1−(R)−エトキシカルボニル−2−
(S)−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパ
ン61.5mg(0.314mmol、39.4%e
e、収率31.4%)とを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 277/10 C07D 277/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素原子、
    ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有し
    ていてもよいアリール基、置換基を有していてもよいオ
    キシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキ
    シル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基ま
    たは置換基を有していてもよいアルケニル基を示し、*
    は不斉炭素原子を示し、nは1以上5以下の整数を示
    す。ただし、R1 とR2 とが同一であることはない。)
    で示されるビスチアゾリン類の光学活性体、ラセミ体ま
    たはメソ形異性体。
  2. 【請求項2】一般式(2) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、*はそれぞれ前記と
    同じ意味を示す。)で示される2−アミノチオール類の
    光学活性体と一般式(3) (式中、nは前記と同じ意味を示す。)で示されるビス
    ニトリル類とをルイス酸の存在下に反応させることを特
    徴とする請求項1に記載のビスチアゾリン類の光学活性
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(2)で示される2−アミノチオー
    ル類と一般式(3)で示されるビスニトリル類とをルイ
    ス酸の存在下に反応させることを特徴とする請求項1に
    記載のビスチアゾリン類のラセミ体およびメソ形異性体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(4) (式中、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ水素原子、
    置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有し
    ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
    ラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示
    し、R5 とR6 とが結合して環を形成していてもよい。
    ただし、R5 、R6 、R7 、R8 が同時に同一であるこ
    とはない。)で示されるオレフィン類と一般式(5) (式中、R9 は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を
    有していてもよいアリール基を示す。)で示されるジア
    ゾ酢酸エステル類とを、一般式(1)で示されるビスチ
    アゾリン類の光学活性体および銅塩の存在下に反応させ
    ることを特徴とする一般式(6) (式中、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、*は前記と同
    じ意味を示す。)で示される不斉シクロプロパンカルボ
    ン酸類の製造方法。
  5. 【請求項5】銅塩が2価の銅塩であることを特徴とする
    請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】2価の銅塩がトリフルオロメタンスルホン
    酸銅(II)であることを特徴とする請求項5に記載の
    製造方法。
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