JPH09143172A - オキサゾリン類、その製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

オキサゾリン類、その製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造方法

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JPH09143172A
JPH09143172A JP7298133A JP29813395A JPH09143172A JP H09143172 A JPH09143172 A JP H09143172A JP 7298133 A JP7298133 A JP 7298133A JP 29813395 A JP29813395 A JP 29813395A JP H09143172 A JPH09143172 A JP H09143172A
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JP7298133A
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English (en)
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Hideyuki Ikehira
秀行 池平
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定かつ安価なフェロセンカルボン酸から収
率よく導かれる2−フェロセニルオキサゾリン類を原料
として容易に製造し得、安定であり、しかもオレフィン
類とジアゾ酢酸カルンボン酸類とを銅塩の存在下に反応
させて不斉シクロプロパンカルボン酸類を製造する際の
不斉配位子として用いることのできる新たな化合物を提
供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、Xは一般式(2) または一般式(3) で示される置換基を示し;Rはアルキル基、アラルキ
ル基またはアリール基を;R,R,R,Rは水
素原子、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を
示す。)で示されるオキサゾリン類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオキサゾリン類、そ
の製造方法およびそれを用いる不斉シクロプロパンカル
ボン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉シクロプロパンカルボン酸類は、医
薬、農薬などの中間体として有用であり、オレフィン類
とジアゾ酢酸エステル類とを不斉配位子と銅塩との存在
下に反応させて製造されることが知られている。従来よ
りかかる不斉配位子として、光学活性メチレンビスオキ
サゾリン類が知られている(Tetrahedron
Letters,Vol.32,No.50,pp.7
373−7376,1991)。しかしながら、光学活
性メチレンビスオキサゾリン類は不安定で重合しやすい
ばかりか、不安定で高価なマロノニトリルを原料として
低収率で製造されるため(Helvetica Chi
mica Acta,Vol.74,p.2,199
1)、不斉配位子としてかかるメチレンビスオキサゾリ
ン類を用いる不斉シクロプロパンカルボン酸類の製造方
法は、工業的に有利な方法であるとは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、安
定かつ安価なフェロセンカルボン酸から収率よく導かれ
る2−フェロセニルオキサゾリン類を原料として容易に
製造し得、安定であり、しかもオレフィン類とジアゾ酢
酸カルンボン酸類とを銅塩の存在下に反応させて不斉シ
クロプロパンカルボン酸類を製造する際の不斉配位子と
して用いることのできる新たな化合物を開発すべく鋭意
検討した結果、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、Xは一般式(2) または一般式(3) で示される置換基を示し、ここでR1 は置換基を有して
いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラ
ルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を
示す。また、R2 、R3 、R4 、R5 は水素原子、置換
基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
もよいアラルキル基または置換基を有していてもよいア
リール基をそれぞれ示す。ただし、R2 とR3 とが同一
であることはない。)で示されるオキサゾリン類を提供
するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のオキサゾリン類におい
て、置換基R2 、R3 、R4 、R5 および置換基Xの置
換基R1 におけるアルキル基としてはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、ネオペン
チル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オク
チル基、n−ノニル基、メンチル基、ジシクロヘキシル
基、2,3,4−トリメチル−3−ペンチル基、2,4
−ジメチル−3−ペンチル基などが、アラルキル基とし
てはベンジル基、2−フェニルエチル基、2−ナフチル
エチル基、ジフェニルメチル基などが、アリール基とし
てはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フリル
基、チオフェニル基、2,6−ジ−t−ブチル−p−ト
リル基などがそれぞれ例示される。これらの置換基は、
さらに塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブ
チル基、n−アミル基、n−ヘキシル基などの低級アル
キル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、
t−ブトキシ基などの低級アルコキシル基、フェノキシ
基などのアリールオキシ基、n−プロピルチオ基、t−
ブチルチオ基などの低級アルキルチオ基、フェニルチオ
基などのアリールチオ基、ニトロ基、水酸基などの置換
基を有していてもよい。
【0006】かかるオキサゾリン類は、いずれも文献未
記載の化合物であって、一般式(4) (式中、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と同じ意味を示
す。)で示される2−フェロセニルオキサゾリン類と一
般式(5) R1 −S−S−R1 (5) (式中、R1 は前記と同じ意味を示す。ただし、R1
互いに同一であっても異なっていてもよい。)で示され
るジスルフィド類とを強塩基類の存在下に反応させるこ
とによって製造することができる。
【0007】ジスルフィド類としては、ジフェニルジス
ルフィド、ジトリルジスルフィド、ジメタクロルフェニ
ルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジメチルジ
スルフィド、ジエチルジスルフィド、ジ−n−プロピル
ジスルフィド、ジイソプピルジスルフィド、ジ−n−ブ
チルジスルフィド、ジイソブチルジスルフィド、ジ−t
−ブチルジスルフィドなどが例示される。
【0008】2−フェロセニルオキサゾリン類として
は、例えば(4R)−2−フェロセニル−4−フェニル
オキサゾリン、(4R)−2−フェロセニル−4−フェ
ニルメチルオキサゾリン、(4R)−2−フェロセニル
−4−イソプロピルオキサゾリン、(4R)−2−フェ
ロセニル−4−t−ブチルオキサゾリン、および上記各
化合物における(4R)が(4S)に相当する化合物な
どが挙げられ、その使用量はジスルフィド類に対して通
常は0.5〜10モル倍、好ましくは0.9〜3モル倍
の範囲である。これらの2−フェロセニルオキサゾリン
類はいずれも公知であって、例えばフェロセンカルボン
酸と塩化オキザリルとを反応させてフェロセノイルクロ
ライドを得、次いでこれと、(S)−tert−ロイシ
ノール、(R)−tert−ロイシノール、(R)−フ
ェニルグリシノール、(S)−フェニルグリシノール、
D−フェニルアラニノール、L−フェニルアラニノー
ル、D−ノルエフェドリン、L−ノルエフェドリンなど
の光学活性2−アミノエタノール類とを反応させてフェ
ロセニルアミド化合物を得たのち、これを縮環反応させ
る方法(SYNLETT,pp.74−76,199
5)などによって製造することができる。
【0009】強塩基類としては、例えば有機リチウム化
合物などが用いられ、かかる有機リチウム化合物として
は、例えばt−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、n−ブチルリチウム、メチルリチウムなどのアルキ
ルリチウム化合物、フェニルリチウムなどのアリールリ
チウム化合物などが挙げられる。かかる強塩基類の使用
量は、2−フェロセニルオキサゾリン類に対して通常は
0.8〜10モル倍、好ましくは1〜1.5モル倍の範
囲である。
【0010】反応は通常、溶媒中で行われ、かかる溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン
などのエーテル系溶媒、ヘキサン、トルエン、ベンゼン
などの炭化水素系溶媒などの反応に不活性な溶媒が挙げ
られる。これらの溶媒はそれぞれ単独または2種以上を
混合して用いられ、その使用量は2−フェロセニルオキ
サゾリン類に対して通常は2〜200重量倍の範囲であ
る。
【0011】反応に際しては、例えば溶媒中でジスルフ
ィド類、2−フェロセニルオキサゾリン類および強塩基
類を混合すればよく、反応温度は通常−100〜10
℃、好ましくは−90〜0℃の範囲である。
【0012】反応後の反応混合物から通常の方法、例え
ば該反応混合物と塩化アンモニウム水溶液とを混合した
のち、例えばトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテ
ル、ジクロロメタンなどの水に不溶性の有機溶媒を用い
て抽出処理し、得られた有機層を濃縮する方法によっ
て、目的のオキサゾリン類を得ることができる。得られ
たオキサゾリン類は、さらに通常の方法、例えばカラム
クロマトグラフ処理、蒸留操作などによって精製されて
もよい。
【0013】かくして一般式(1)で示されるオキサゾ
リン類が得られるが、かかるオキサゾリン類としては、
例えば(4R)−2−〔(R)−2−フェニルチオフェ
ロセニル〕−4−フェニルオキサゾリン、(4R)−2
−〔(R)−2−フェニルチオフェロセニル〕−4−t
−ブチルオキサゾリン、(4R)−2−〔(R)−2−
メチルチオフェロセニル〕−4−フェニルオキサゾリ
ン、(4R)−2−〔(R)−2−エチルチオフェロセ
ニル〕−4−フェニルオキサゾリン、(4R)−2−
〔(R)−2−フェニルチオフェロセニル〕−4−フェ
ニルメチルオキサゾリン、(4R)−2−〔(R)−2
−t−ブチルチオフェロセニル〕−4−フェニルオキサ
ゾリン、上記各化合物における(4R)が(4S)に相
当する化合物、および上記各化合物における(R)が
(S)に相当する化合物などが挙げられる。
【0014】これらのオキサゾリン類は、いずれも安定
であって不斉配位子として使用でき、例えば、かかるオ
キサゾリン類と銅塩との存在下に、一般式(6) (式中、R6 、R7 、R8 、R9 はそれぞれ水素原子、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよ
いアリール基をそれぞれ示す。ただし、R6 、R7 、R
8 、R9 が同時に同一であることはない。)で示される
オレフィン類と一般式(7) N2 CHCOOR10 (7) (式中、R10は置換基を有していてもよいアルキル基、
置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を
有していてもよいアリール基を示す。)で示されるジア
ゾ酢酸エステル類とを反応させることによって、一般式
(8) (式中、R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ前記
と同じ意味を示す。)で示される不斉シクロプロパンカ
ルボン酸類を製造することができる。
【0015】かかるオレフィン類およびジアゾ酢酸エス
テル類における置換基R6 、R7 、R8 、R9 、R10
おいて、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していて
もよいアリール基としては、置換基R2 、R3 、R4
5 として前記したと同様の置換基がそれぞれ挙げられ
る。
【0016】かかるジアゾ酢酸エステル類としては、例
えばジアゾ酢酸のエチルエステル、イソプロピルエステ
ル、n−プロピルエステル、t−ブチルエステル、イソ
ブチルエステル、n−ブチルエステル、ベンジルエステ
ル、シクロヘキシルエステル、1−メンチルエステル、
n−ペンチルエステル、ネオペンチルエステル、n−ヘ
キシルエステル、n−ヘプチルエステルなどが挙げられ
る。
【0017】オレフィン類としては、例えばイゾブチレ
ン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、
1−ヘキセン、2−ヘキセン、2−ヘプテン、イソプレ
ン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1−メ
チル−1−シクロヘキセン、ビニルシクロペンタン、ス
チレン、4−フェニル−1−ブテンなどが挙げられ、そ
の使用量はジアゾ酢酸エステル類に対して通常は0.5
〜30モル倍の範囲である。
【0018】オキサゾリン類の使用量は、ジアゾ酢酸エ
ステル類に対して通常は0.001〜2モル倍、好まし
くは0.01〜1モル倍の範囲である。
【0019】銅塩としては、例えばトリフルオロメタン
スルホン酸銅(I)、酢酸銅(I)、臭化銅(I)、塩
化銅(I)、三フッ化酢酸銅(I)などの1価の銅塩
や、上記各化合物における銅(I)が銅(II)に相当
する2価の銅塩などが挙げられ、その使用量はオキサゾ
リン類に対して通常は0.01〜2モル倍、好ましくは
0.1〜1モル倍の範囲である。
【0020】反応は、用いるオレフィン類の種類によっ
ては無溶媒で行うこともできるが、通常は溶媒中で行わ
れ、かかる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジ
エトキシメタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサンなどの
炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、
酢酸エチルなどのエステル系溶媒などの反応に対して不
活性な溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、ジア
ゾ酢酸エステル類に対して通常は2〜200重量倍の範
囲である。
【0021】反応に際しては、例えば溶媒中でオレフィ
ン類、オキサゾリン類および銅塩を混合したのち、ジア
ゾ酢酸エステル類を加えればよい。反応温度は通常−5
0〜200℃、好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0022】なお、銅塩として2価の銅塩を用いる場
合、ジアゾ酢酸エステル類を加える前にヒドラジン類を
加えておけば、オレフィン類とジアゾ酢酸エステル類と
の反応速度が速くなるため、好ましい。かかるヒドラジ
ン類としてはフェニルヒドラジンなどが挙げられ、その
使用量は、銅塩に対して通常は0.8〜1.2モル倍の
範囲である。
【0023】反応後の反応混合物から、通常の方法、例
えば該反応混合物と塩化アンモニウム水溶液とを混合し
たのち、例えばトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテ
ル、ジクロロメタンなどの水に不溶性の有機溶媒を用い
て抽出処理し、得られた有機層を濃縮する方法によっ
て、目的の不斉シクロプロパンカルボン酸類を得ること
ができる。
【0024】かくして得られる不斉シクロプロパンカル
ボン酸類としては、例えば1−(S)−エトキシカルボ
ニル−2−(S)−フェニルシクロプロパン、1−
(R)−エトキシカルボニル−2,2−ジメチルシクロ
プロパン、1−(R)−エトキシカルボニル−2−
(R)−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパ
ン、1−(S)−エトキシカルボニル−2−(S)−t
−ブチルシクロプロパンなどが挙げられる。
【0025】
【発明の効果】本発明のオキサゾリン類は、安定かつ安
価なフェロセンカルボン酸から収率よく導かれる2−フ
ェロセニルオキサゾリン類から容易に製造し得、安定で
あり、しかもオレフィン類とジアゾ酢酸カルンボン酸類
とを銅塩の存在下に反応させる不斉シクロプロパンカル
ボン酸類の製造に際して不斉配位子として用いることが
できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものではな
い。
【0027】参考例1 フェロセンカルボン酸3g(13.04mmol)をジ
クロロメタン20mlに混合し、攪拌しながら塩化オキ
ザリル1.99g(15.65mmol)を加えたの
ち、室温でさらに2時間攪拌し、次いで濃縮して残渣を
得た。この残渣をジクロロメタン50mlに溶解し、攪
拌しながら0℃まで冷却し、トリエチルアミン3.29
g(32.56mmol)と(S)−tert−ロイシ
ノール1.83g(15.65mmol)とを加え、室
温で6時間攪拌した。得られた反応混合物を濃縮して残
渣を得、次いでこれを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2
00gに溶解したのち、クロロホルム150gを用いた
抽出処理を3回行い、得られた有機層を合わせ、水10
0gで水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
ム処理(ノルマルヘキサン:クロロホルム=2:1)し
て、N−〔1−(S)−t−ブチル−2−ヒドロキシエ
チル〕−フェロセニルアミド4.05g(12.3mm
ol)を得た(収率94.3%)。1 H−NMR(CDCl3 、TMS)δ1.05(S,
9H)、1.70(bs,1H)、3.64(t,1
H)、3.95(d,2H)、4.24(s,5H)、
4.37(d,2H)、4.67(d,2H)、5.8
5(bd,1H)
【0028】N−〔1−(S)−t−ブチル−2−ヒド
ロキシエチル〕−フェロセニルアミド3.95g(12
mmol)をアセトニトリル50mlに溶解し、室温で
攪拌しながら四塩化炭素24g(156mmol)を加
え、同温度で10分間攪拌した。次いで、トリフェニル
ホスフィン8.2g(31.3mmol)とトリエチル
アミン4.75g(47mmol)とを加え、さらに室
温で12時間攪拌した。その後、得られた反応混合物を
濃縮して残渣を得、次いでこの残渣を水200gと攪拌
しながら混合したのち、クロロホルム150gを用いた
抽出処理を2回行い、得られた有機層を合わせ、水70
gで水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮
して残渣を得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフ処理(ノルマルヘキサン:クロロホルム=2:
1)して、(4S)−2−フェロセニル−4−t−ブチ
ルオキサゾリン3.4g(10.92mmol)を得た
(収率91.0%)。1 H−NMR(CDCl3 、TMS)δ0.95(S,
9H)、3.91(q,1H)、4.15〜4.30
(m,2H)、4.20(s,5H)、4.35(b
s,2H)、4.76(d,2H)
【0029】実施例1 参考例1で得た(4S)−2−フェロセニル−4−t−
ブチルオキサゾリン1g(3.21mmol)をテトラ
ヒドロフラン10mlに攪拌しながら溶解し、攪拌下、
−78℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウム2
46mg(3.86mmol)のヘキサン溶液(2.4
ml)を加え、その後さらに同温度で2時間攪拌した。
次いで、ジフェニルジスルフィド0.7g(3.2mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)を加え、同
温度で2時間攪拌したのち、さらに−10℃で30分攪
拌した。その後、室温で得られた反応混合物に飽和塩化
アンモニウム水溶液10mlを加え、5分間攪拌したの
ち、さらに水150gを加えた。次いでクロロホルム2
00mlを用い抽出処理を2回行い、得られた有機層を
合わせ、水100gで水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥したのち、濃縮して、残渣を得た。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフ処理(クロロホルム:ア
セトン=50:1)して、(4S)−2−〔(S)−2
−フェニルチオフェロセニル〕−4−t−ブチルオキサ
ゾリン0.847g(2.02mmol)を得た(収率
63%)。1 H−NMR(CDCl3 、TMS)δ0.89(S,
9H)、3.87(q,1H)、4.15〜4.35
(m,4H)、4.29(s,5H)、4.85(d,
1H)、7.05〜7.30(m,5H)
【0030】実施例2 トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)18.0mg
(0.05mmol)と(4S)−2−〔(S)−2−
フェニルチオフェロセニル〕−4−t−ブチルオキサゾ
リン104.8mg(0.25mmol)とをジクロロ
メタン3gに溶解し、25℃で15分間攪拌した。その
後、同温度でフェニルヒドラジン5μl(0.05mo
l)を加えて5分間攪拌し、次いで2,5−ジメチル−
2,4−ヘキサジエン1.1g(10mmol)を加
え、さらに10分間攪拌した。その後、ジアゾ酢酸エチ
ルエステル114mg(1mmol)のジクロロメタン
溶液(0.7ml)を同温度で2時間かけて滴下し、滴
下終了後、さらに同温度で3時間攪拌した。その後、得
られた反応混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマト処理(ヘキサン:酢酸エチル=30:
1)して、トランス−1−(S)−エトキシカルボニル
−2−(S)−(2−メチル−1−プロペニル)シクロ
プロパン76mg(0.388mmol)(収率38.
8%、16.9%ee)とシス−1−(S)−エトキシ
カルボニル−2−(R)−(2−メチル−1−プロペニ
ル)シクロプロパン39.4mg(0.201mmo
l)(収率20.1%、21.5%ee)とを得た。
【0031】実施例3 2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン1.1gに代
えてスチレン1.04g(10mmol)を用い、ジア
ゾ酢酸エチルエステル114mg(1mmol)のジク
ロロメタン溶液(0.7ml)の滴下時間を1時間とし
た以外は実施例2と同様に操作して、トランス−1−
(R)−エトキシカルボニル−2−(R)−フェニルシ
クロプロパン87.9mg(0.463mmol)(収
率46.3%、37.6%ee)とシス−1−(R)−
エトキシカルボニル−2−(S)−フェニルシクロプロ
パン43.1mg(0.227mmol)(収率22.
7%、46.7%ee)とを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Xは一般式(2) または一般式(3) で示される置換基を示し、ここでR1 は置換基を有して
    いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラ
    ルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を
    示す。また、R2 、R3 、R4 、R5 は水素原子、置換
    基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
    もよいアラルキル基または置換基を有していてもよいア
    リール基をそれぞれ示す。ただし、R2 とR3 とが同一
    であることはない。)で示されるオキサゾリン類。
  2. 【請求項2】一般式(4) (式中、R2 、R3 、R4 、R5 は前記と同じ意味を示
    す。)で示される2−フェロセニルオキサゾリン類と一
    般式(5) R1 −S−S−R1 (5) (式中、R1 は前記と同じ意味を示す。ただし、R1
    互いに同一であっても異なっていてもよい。)で示され
    るジスルフィド類とを強塩基類の存在下に反応させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオキサゾリン類の製造
    方法。
  3. 【請求項3】強塩基類が有機リチウム化合物であること
    を特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(6) (式中、R6 、R7 、R8 、R9 はそれぞれ水素原子、
    置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
    いてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよ
    いアリール基をそれぞれ示す。ただし、R6 、R7 、R
    8 、R9 が同時に同一であることはない。)で示される
    オレフィン類と一般式(7) N2 CHCOOR10 (7) (式中、R10は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を
    有していてもよいアリール基を示す。)で示されるジア
    ゾ酢酸エステル類とを、一般式(1)で示されるオキサ
    ゾリン類と銅塩との存在下に反応させることを特徴とす
    る一般式(8) (式中、R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ前記
    と同じ意味を示す。)で示される不斉シクロプロパンカ
    ルボン酸類の製造方法。
  5. 【請求項5】銅塩が2価の銅塩であることを特徴とする
    請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】2価の銅塩がトリフルオロメタンスルホン
    酸銅(II)であることを特徴とする請求項5に記載の
    製造方法。
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