JPH09192753A - 流路部材、その製造装置および製造方法 - Google Patents

流路部材、その製造装置および製造方法

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JPH09192753A
JPH09192753A JP8003382A JP338296A JPH09192753A JP H09192753 A JPH09192753 A JP H09192753A JP 8003382 A JP8003382 A JP 8003382A JP 338296 A JP338296 A JP 338296A JP H09192753 A JPH09192753 A JP H09192753A
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JP
Japan
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expansion tube
strip
flow path
metal
release agent
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Withdrawn
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JP8003382A
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English (en)
Inventor
Takeshi Suzuki
竹四 鈴木
Takao Fukatami
崇夫 深民
Ryuichi Arakawa
龍一 荒川
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09192753A publication Critical patent/JPH09192753A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F3/00Plate-like or laminated elements; Assemblies of plate-like or laminated elements
    • F28F3/12Elements constructed in the shape of a hollow panel, e.g. with channels
    • F28F3/14Elements constructed in the shape of a hollow panel, e.g. with channels by separating portions of a pair of joined sheets to form channels, e.g. by inflation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性が良好な長尺の流液部材を、安い製
造コストで安定して製造することができる流路部材の製
造装置および製造方法を提供することを課題としてい
る。 【解決手段】 金属条材T1,T2を剥離層5を介在さ
せて貼り合わせた複合条材T3の一端から剥離層5に沿
って高圧流体を吹き込んで膨管させるための高圧流体吹
き込み機構Pと、複合条材T3の一部を挟んで拘束し、
剥離層5に対応した凹部26C,28C,30Cが形成
されている膨管型26,28,30と、膨管型に挟まれ
た複合条材を加熱する加熱機構32と、膨管型を複合条
材の長手方向に相対的に移動させることにより膨管加工
を複合条材の長手方向に進行させていくための移動機構
40,44とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒等を流すため
の中空流路が形成された長尺の流路部材の製造装置およ
び製造方法、それらに使用される素材の製造装置および
製造方法、並びに素材および流路部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、大電流を流すための通電部材など
として、内部に冷媒路を有し、この冷媒路を通じて冷却
水等を流すことにより、通電に伴う発熱、発熱に伴う電
気抵抗および電力ロスを減少させる試みが各種提案され
ている。
【0003】この種の通電部材としては、従来より、銅
の板条材に銅管を平行にロウ付けしたものが提案されて
いるが、このようなものでは、ロウ付けに手間がかかる
うえ、完全な密着性を得ることが難しく、ロウ付け不十
分な箇所が生じると、冷却が不十分になる欠点があっ
た。また、ロウ付けによる熱歪みが発生しやすく、使用
中の温度変化により変形が生じやすいと言う問題もあっ
た。一方、冷却性の問題を改善するために、銅の板条材
に長手方向に伸びる溝を形成し、この溝に銅管を埋めて
ロウ付けしたものも提案されているが、これでは加工に
手間がかかりすぎて、製造コストが高い。
【0004】一方、2枚の金属板を張り合わせて、これ
ら金属板の間に形成した剥離剤層に沿って高圧の流体を
吹き込むことにより、所定のパターンをなす中空の流液
路を膨管加工する方法が従来より提案されている。より
具体的に説明すると、まず一方の金属板の表面に、グラ
ファイト粉末などを含む剥離剤を所望の流路形状をなす
ように印刷し、その上に他方の金属板をかぶせて高温で
圧延し、両者をクラッド接合する。次に、得られた複合
板を上下から金型で挟んで拘束する。この金型には、あ
らかじめ剥離剤層の形状と一致する溝が形成されてい
る。さらに、複合板の一端から剥離剤層に沿って高圧水
を一気に注入し、剥離剤層の全長に亘って溝の内面に金
属板が密着するまで金属板を膨管加工することにより、
所望のパターンをなす中空の流路を形成する。
【0005】このような伝熱体によれば、金属板そのも
のによって流路を形成するから、金属板に金属管をロウ
付けする構成に比して、加工を短時間で効率よく行うこ
とができ、製造コストが安いうえ、伝熱性能を高めるこ
とができるという利点を有している。したがって、この
ような構造を有する流路部材が得られれば、大電流を流
すための通電部材などとして好都合である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の膨管
加工では、金型の大きさの範囲内でしか流路を形成する
ことができないため、現実的には、例えば数mといった
長尺の流路部材は到底製造できない。また、通常は常温
で膨管加工しているので、大きな水圧が必要であるう
え、金属板には膨管加工による残留応力が生じることが
避けられず、使用中の温度変化が大きいと平坦性が悪化
しやすいという問題があった。したがって、長尺の流路
部材への適用は困難だった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、熱伝導性が良好な長尺の流液部材を安い製造コスト
で安定して製造することができる流路部材の製造装置お
よび製造方法、それらに使用される素材、その製造装置
および製造方法、並びに熱伝導性が良好で変形が生じな
い流路部材を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る流路部材の製造装置は、一対の金属板
をこれらの間に剥離層を介在させて貼り合わせてなる複
合条材の一端から前記剥離層に沿って高圧流体を吹き込
んで前記一対の金属板の少なくとも一方を膨管させるた
めの高圧流体吹き込み機構と、前記複合条材の一部を挟
んで拘束するとともに、前記剥離層に対応した膨管すべ
き部分でのみ膨管を許容するための凹部が形成されてい
る膨管型と、前記膨管型に挟まれた前記複合条材の一部
を局部的に加熱するための加熱機構と、前記膨管型を前
記複合条材の長手方向に相対的に移動させることにより
膨管加工を前記複合条材の長手方向に進行させていくた
めの移動機構とを具備することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る流路部材の製造方法
は、2枚の金属板の少なくとも一方の表面に剥離剤を付
着させることにより前記金属板の長手方向に伸びる剥離
剤層を形成する工程と、前記2枚の金属板同士を前記剥
離剤層を挟んで加圧接合することにより複合条材を形成
する工程と、前記複合条材の一端に、前記剥離剤層の一
端に対応して吹き込み口を形成する工程と、前記吹き込
み口から高圧流体を吹き込みながら、前記複合条材の前
記剥離剤層と対応する部分を局部的に加熱し、この加熱
部位を前記複合条材の他端側へ漸次移動させていくこと
により、前記剥離剤層に沿って膨管加工する工程とを具
備することを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る流路部材用素材の製造
装置は、第1の金属条材を繰り出す第1条材供給機構
と、第2の金属条材を繰り出す第2条材供給機構と、前
記第1の金属条材の表面に剥離剤を流路パターンをなす
ように塗布する剥離剤塗布機構と、前記第1および第2
の金属条材を加熱する加熱機構と、前記第1金属条材の
剥離剤を塗布した面に前記第2の金属条材を重ねてクラ
ッド接合させる接合機構とを具備する。
【0011】また、本発明に係る流路部材用素材の製造
方法は、第1および第2の金属条材をそれぞれ繰り出す
工程と、前記第1の金属条材の表面に剥離剤を流路パタ
ーンをなすように塗布する工程と、前記第1および第2
の金属条材を加熱する工程と、前記第1の金属条材の剥
離剤を塗布した面に前記第2の金属条材を重ねて前記剥
離剤層が介在しない部分を接合させる工程とを具備す
る。
【0012】また、本発明に係る流路部材用素材は、2
枚の金属条材が平行に接合され、これら金属条材の接合
界面には、金属条材の長手方向に伸びる剥離剤層が、前
記各金属条材の幅方向両端面から露出しない状態で、形
成されていることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明に係る流路部材は、2枚の
金属条材が平行に接合され、これら金属条材の間には、
前記金属条材の一方または両方を膨出させることによ
り、前記金属条材の長手方向に伸びる中空流路が形成さ
れており、さらに前記金属条材の残留応力が解消されて
いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
流路部材の製造装置および製造方法の実施形態を詳細に
説明する。 [第1実施形態]図1〜図5は、本発明に係る流路部材
の製造方法の一実施形態を示し、まず図1は、金属条材
から流路部材用素材を製造するための装置の一実施形態
を示している。図中符号1はアンコイラ(第1条材供給
機構)であり、このアンコイラ1から一定幅かつ長尺の
第1条材T1が連続的または間欠的に繰り出される。繰
り出された第1条材T1は剥離剤転写機構(剥離剤塗布
機構)4に対向する位置を通り、この剥離剤転写機構4
により、図2に示すように剥離剤層5が第1条材T1の
長手方向に沿って一定幅の帯状に転写される。なお、こ
のとき、少なくとも第1条材T1の幅方向両側には、そ
れぞれ一定以上の余白を設けることが必要である。
【0015】剥離剤転写機構4の構造は、この実施形態
では転写ロールを用いたロール転写方式としているが、
本発明はこれに限定されず、スクリーン印刷方式であっ
ても、インク吹き付け方式であっても、刷毛等による直
接塗布方式であっても、滴下方式であってもよい。剥離
剤の塗布量は適宜実験で決定すべきであるが、一般的に
は、塗布厚さで5〜100μm程度が好ましい。なお、
図1では示していないが、必要に応じては、剥離剤転写
機構4の下流側に、剥離剤中の媒体を分解または蒸発さ
せて除去するための加熱機構を設けてもよい。
【0016】本発明で使用可能な剥離剤の種類は限定さ
れないが、剥離剤としては、融点が高く、金属条材T
1,T2と高温下で反応せず、しかも化学的安定性に優
れた粒子を、揮発性または分解性の液体媒体と混合した
ものであることが好ましい。具体的には、ポリビニルア
ルコール、アルコール等の有機溶媒、水等の液体と、カ
ーボン粉末、難溶解性かつ高融点の無機化合物の粉末、
セラミック粉末などを混合したものが好適である。これ
らの中でも特に、硫酸バリウムと水の混合物が、以下の
理由により本発明の目的に好適であることを本発明者ら
は発見した。
【0017】すなわち、従来剥離剤として多用されてい
たポリビニルアルコールとカーボン粉末の混合物は、金
属板への塗布性が良好ではあるものの、条材T1,T2
をクラッド接合するときに、加熱分解、酸化して有機性
のガスが発生する。こうして発生した有機性のガスは、
条材T1,T2の界面に進入して接合性を悪化させるた
め、接合強度が低下するおそれがある。これに対し、硫
酸バリウムと水の混合物からなる剥離剤を使用した場合
には、剥離剤の加熱分解や酸化が起きないため接合強度
の低下が生じない利点を有する。硫酸バリウム粉末の中
でも、特に、沈降法により製造された沈降性硫酸バリウ
ムを使用すると、粒子の粒径が小さく揃っているため
に、剥離剤の塗布性が良好になるうえ、塗布部の輪郭が
明瞭になり、膨管が安定して行える利点を有する。
【0018】一方、図1中符号2はアンコイラ(第2条
材供給機構)であり、このアンコイラ2からは、第2条
材T2が連続的に、アンコイラ1に同期して繰り出され
る。この第2条材T2は通常、第1条材T1と同じ幅の
ものが使用されるが、必要に応じては幅を異ならせても
よい。第2条材T2の厚さは、必ずしも第1条材T1と
同じである必要はなく、第2条材T2のみを膨管するの
であれば、この第2条材T2の方をより薄くすることに
より、第1条材T1で強度を確保しながら、膨管加工を
容易化するといったことも可能である。
【0019】第1条材T1および第2条材T2の材質は
本発明では限定されず、銅、銅合金、アルミニウム、ア
ルミニウム合金、鉄,鉄合金,チタン,チタン合金,ニ
ッケル,ニッケル合金などいかなる金属や合金を用いて
もよいし、異なる種類の金属板を組み合わせてもよい。
ただし、一般には、伝熱性能および電気伝導度が良好で
あること、および加熱時の軟化が比較的顕著で本発明の
実施に都合がよいことから、銅または銅合金が好適であ
る。
【0020】剥離剤が塗布・乾燥されて剥離剤層5が形
成された第1条材T1と、第2条材T2は、別々に加熱
炉(加熱機構)8に導入されて十分に加熱された後、積
層用ガイド6に沿って一対のクラッドロール10間に差
し込まれ、熱間圧延により平行にクラッド接合される。
第1条材T1と、第2条材T2の厚さまたは材質に差が
ある場合には、圧延による伸び量に差が生じるから、そ
の場合には図示のようにクラッドロール10に差し込む
直前に両者を重ね合わせるのがよい。クラッド接合の条
件は従来と同様でよい。このような方法によれば、剥離
剤層5を間に挟む部分だけは、剥離剤層5中の粒子が金
属面同士の密着を妨げるため、クラッド接合されないこ
とになる。図示はしていないが、クラッド接合後、接合
強度を一層高めるため、再圧延および/または焼鈍を施
してもよい。こうして得られたクラッド条材(流路部材
用素材)T3は、適宜冷却された後、リコイラ12によ
って巻き取られる。
【0021】以上の構成からなる流路部材用素材の製造
装置および製造方法によれば、本発明に適した流路部材
用素材が効率よく生産でき、後述する膨管加工が効率よ
く行えるという利点を有する。
【0022】リコイラ12に巻き取られたクラッド条材
T3の先端(巻き終わり端部)には、膨管加工を行う前
に、剥離剤層5に沿って高圧流体を吹き込むための金属
管Pを接続しておくことが必要である。そのためにはま
ず、剥離剤層5と対応する位置において、クラッド条材
T3の端部を工具等でこじ開け、ここに金属管Pを差し
込んで溶接する。あるいは、クラッド条材T3の表面ま
たは裏面に剥離剤層5に対向する穴をあけ、この穴に垂
直に金属管Pを溶接等により接続してもよい。
【0023】その後、必要であれば、クラッド条材T3
の先端部を剥離剤層5に沿って一定長に亘ってあらかじ
め膨管する。これは、後述する型26,28,30内に
クラッド条材T3をセットする際に、膨管主型26内に
膨管進行点B1が位置決めできるようにするためであ
る。このときの膨管加工は、内面に剥離剤層5と対応し
た溝が形成されている膨管型にクラッド条材T3の端部
を挟んで、金属管Pから高圧の気体または液体、好まし
くは不活性ガスを剥離剤層5に沿って吹き込み、冷間ま
たは熱間で行う。こうして金属管Pが接続されたクラッ
ド条材T3は、図3および図4に示す装置へ移送され
る。
【0024】図3および図4は、クラッド条材T3を連
続的に膨管加工して、長尺の流路部材T4を製造するた
めの装置の第1実施形態を示している。コイル状に巻回
されたクラッド条材T3は、アンコイラ20にセットさ
れ、シャフト22の回転により連続的に繰り出される。
繰り出されたクラッド条材T3は一対の押さえロール2
4を通過したうえ、膨管主型26、断熱用型28、およ
び冷却用型30を順に通される。
【0025】膨管主型26、断熱用型28、および冷却
用型30は、この順序でクラッド条材T3の走行方向上
流側から下流側へ向けて一列に配列されている。図4に
示すように、膨管主型26は上型26Aと下型26B、
断熱用型28は上型28Aと下型28B、冷却用型30
は上型30Aと下型30Bとからそれぞれ構成されてお
り、上型同士(26A,28A,30A)、および下型
同士(26B,28B,30B)は相互に固定されてい
る。そして、上型(26A,28A,30A)は共通の
上取付体36Aへ、下型(26B,28B,30B)は
共通の下取付体36Bへそれぞれ取り付けられている。
上取付体36Aおよび下取付体36Bは、図示しないプ
レス装置により相互に接近離間されるもので、接近させ
ると上型(26A,28A,30A)と下型(26B,
28B,30B)が閉じてクラッド条材T3をはさみ、
離間させると上型(26A,28A,30A)と下型
(26B,28B,30B)が上下に離れて、クラッド
条材T3が解放されるようになっている。
【0026】この実施形態では、各上型26A,28
A,30Aの下面にそれぞれ、クラッド条材T3の長手
方向に伸びる一本のガイド溝26C,28C,30Cが
一直線上に並んで形成されている。これらガイド溝26
C,28C,30Cは、クラッド条材T3中の剥離剤層
5に対応する位置に、剥離剤層5とほぼ等しい幅で形成
されており、その断面は図5(膨管後の状態)に示すよ
うに、好ましくは半円状をなしている。ただし、本発明
では半円状に限らず、台形状、三角形状等にすることも
可能である。また、この実施形態では、上型26A,2
8A,30Aの下面にのみガイド溝26C,28C,3
0Cを形成しているが、図7に示すように、下型26
B,28B,30Bの上面にも、あるいはこれらの上面
にのみガイド溝26C,28C,30Cを形成してもよ
い。さらに、2本以上のガイド溝を形成することも可能
であるが、それについては第2実施形態で詳述する。
【0027】膨管主型26のガイド溝26Cは、図示の
実施形態では膨管主型26の上流側端部まで貫通してい
るが、膨管主型26の上流側端部まで貫通せず、所望の
膨管進行点B1から始まって下流側に伸びるように形成
してもよい。
【0028】クラッド条材T3は、膨管主型26、断熱
用型28、および冷却用型30によって、図5に示すよ
うに幅方向両端部がはみ出した状態で挟まれていてもよ
いし、図6に示すように全幅を完全に覆われた状態で挟
まれていてもよい。また、膨管主型26、断熱用型2
8、および冷却用型30のそれぞれにおいて、クラッド
条材T3の拘束状態が異なっていてもよい。
【0029】膨管主型26の外周には、図3および図4
に示すように、誘導加熱器32および遮熱体34が配置
されている。誘導加熱器32は、誘導加熱コイル(図示
略)等を具備し、膨管主型26内に挟まれたクラッド条
材T3の一部を加熱するようになっている。一方、遮熱
体34は誘導加熱器32の熱および電磁波が外部に漏れ
ることを防止するためのものである。誘導加熱器32は
クラッド条材T3、特に剥離剤層5の周囲を重点的に加
熱することが好ましく、膨管主型26そのものはできる
だけ昇温しない方が好ましい。膨管主型26の温度が低
いほど、膨管中のクラッド条材T3が膨管主型26に張
り付きにくく、クラッド条材T3の通板が容易に行える
からである。したがって、膨管主型26は、耐熱性に優
れていることはもちろん、電磁波を透過させ易く、誘導
加熱器32によって加熱されにくい構造、材質で形成さ
れていることが望ましい。
【0030】膨管主型26の具体的な材質としては、ス
テンレス綱、セラミック、各種複合材料、金属材料、そ
の他の無機材料などが例示できるが、これらに限定され
ることはない。膨管主型26の材質として電気伝導性を
有する材質を使用するのであれば、図5に示すように、
膨管主型26の一部に条材長手方向に伸びるスリット7
を形成しておくことにより、膨管部Bを中心として膨管
主型26内を周回する渦電流の発生を押さえることがで
き、膨管主型26の発熱量を低減することが可能であ
る。なお、スリット7は膨管圧力がかからない位置に形
成すべきである。
【0031】断熱用型28は、膨管主型26と冷却用型
30との間の断熱を図るためのものであり、不要であれ
ば省くことも可能である。材質としては、断熱性、電気
絶縁性、機械強度および耐熱性に優れたもの、例えばセ
ラミック、石綿、マイカ(石英)、碍子(ガイシ)など
いずれも使用可能である。
【0032】冷却用型30は、膨管主型26を通り抜け
た流路部材T4を速やかに冷却するためのものであり、
内部に冷媒路38が形成されており、ここに冷媒を通す
ことにより常に冷却される。冷却用型30によって流路
部材T4を冷却する理由は、膨管主型26を通り抜けた
流路部材T4の温度が高すぎると、膨管主型26の外で
膨管部Bがさらに膨らんでしまうおそれがあるためであ
る。ただし、そのようなおそれのない条件を選択できさ
えすれば、断熱用型28や冷却用型30は不要である。
例えば、膨管主型26を通り抜けた流路部材T4に水や
空気、不活性ガス等の冷媒を吹き付けて強制冷却するな
どの構造を採用してもよい。
【0033】冷却用型30を通って冷却された流路部材
T4は、次に、図示しない駆動装置により回転される複
数対の送りロール40,44に挟まれて下流側へ向けて
引っ張られるようになっている。膨管部Bが形成された
側に接する送りロール40には、膨管部Bに対応して溝
42が形成されており、送りロール40が膨管部Bに接
触しないように考慮されている。膨管部Bは凹みやすい
からである。送りロール40,44により、流路部材T
4は強く下流側へ引っ張られて、膨管主型26、断熱用
型28、冷却用型30内を通して連続的または間欠的に
引き抜かれる。アンコイラ20はその速度に同期するよ
うに回転速度を制御されている。
【0034】本発明においては、クラッド条材T3の走
行速度の制御が重要である。すなわち、金属管Pおよび
形成された膨管部Bを通して、クラッド条材T3内に連
続的に吹き込まれる高圧流体により、膨管主型26内で
膨管進行点B1が上流側へ進行する速度と同期して、ク
ラッド条材T3を走行させ、膨管進行点B1が膨管主型
26内のほぼ同一点に保たれるようにする。膨管進行点
B1の位置が不安定であっては、膨管条件にばらつきが
生じて、均一な膨管が難しいからである。
【0035】膨管進行点B1の位置を安定化する補助的
な手段としては、膨管主型26内において、上流側から
下流側へ向けてクラッド条材T3の熱勾配を適度に設定
(上流側へ向かうにつれ低温になるようにする)する方
法や、前述のようにガイド溝26Cを上流側で行き止ま
りにして、膨管進行点B1の位置を機械的に規制する方
法などが有効である。
【0036】上記装置によりクラッド条材T3を膨管す
る工程は以下のような手順で行う。まず、プレス装置に
より上型(26A,28A,30A)と下型(26B,
28B,30B)を開き、金属管Pがあらかじめ接続さ
れているクラッド条材T3の端部を下型(26B,28
B,30B)に載せ、上型(26A,28A,30A)
を閉めてクラッド条材T3を拘束する。そして、金属管
Pを圧力調整弁を介して、高圧ガス源に接続する。膨管
用の高圧ガスとしては、膨管部B内の酸化を防ぐ観点か
ら窒素等の不活性ガスが好ましい。高圧ガスとは言って
も、本発明では、熱間で膨管を行うため、それほど高い
ガス圧が必要ではない。例えば、冷間で膨管加工をする
場合には、厚さや膨管幅によるが、150〜250気圧
程度の高圧が必要であったが、本発明ではそれよりも遥
かに低い圧力、例えば1/5程度以下の圧力で膨管が行
える。
【0037】次に、誘導加熱器32を作動させて、膨管
主型26内のクラッド条材T3の端部を所定の温度まで
加熱するとともに、冷媒路38に冷却水を流して、冷却
用型30を冷却する。このときの加熱温度は、膨管すべ
き金属の種類、軟化曲線、高温引張強度、膨管条件に応
じて実験的に決定されるべきであり、本発明では限定さ
れない。一般的な条件を例示すれば、銅または銅合金の
場合は300〜750℃、より好ましくは500〜60
0℃とされる。また、アルミニウムまたはアルミニウム
合金の場合は100〜500℃、より好ましくは200
〜400℃とされる。その他の金属については、概ね融
点(K)の40〜80%程度の温度範囲が好ましい。
【0038】上記のような温度範囲であれば、膨管を比
較的低圧で行うことができ、型26,28,30による
拘束力も小さくてよく、ひいてはクラッド条材T3の型
を通しての連続引き抜きも容易に行える。例えば、リン
脱酸銅を使用した場合には、600℃程度に加熱すると
強度が常温時の1/5程度にまで低下するため、膨管主
型26内にある部分のみを比較的低圧で簡単に膨管加工
できる。しかし、あまり加熱温度が高くては、膨管主型
26内でクラッド条材T3が軟化しすぎ、引き抜きによ
る膨管主型26との摩擦によって膨管部Bが再変形する
おそれが生じる。
【0039】膨管主型26内の温度と、金属管Pに供給
するガス圧力を適切に維持することにより、膨管主型2
6内のガイド溝26Cに沿って、膨管部Bの最先端、す
なわち膨管進行点B1が上流側へ進行していく。こうし
て膨管進行点B1が移動し始めたら、その進行速度と同
じ速度で、送りロール40,44により流路部材T4を
下流側へ引っ張っていく。これにより、膨管進行点B1
を常に膨管主型26内に留めることができ、膨管進行点
B1を一定の温度に保ったまま、熱間での膨管加工を連
続して行うことが可能である。
【0040】一方、膨管主型26から引き出され、膨管
部Bが形成された流路部材T4は、断熱用型28を経
て、冷却用型30へ導入される。そして、水冷されてい
る冷却用型30に接触して急速に冷却され、冷却用型3
0から出る頃には、もはや金属管Pから供給される圧力
では膨管されない程度に硬質化される。さらに、流路部
材T4は送りロール40,44で送られて直線状に伸び
ていくので、一定の長さに達したら切断すればよい。流
路部材T4を切断した場合には、上流側の切断端面に新
たな金属管Pを差し込んで溶接し、上述した手順を繰り
返せばよい。2回目以降の金属管Pの接続は、クラッド
条材T3の端面に既に膨管部Bが形成されているので速
やかに行える。
【0041】上記構成からなる流路部材の製造方法およ
び製造装置によれば、従来の膨管加工では到底製造でき
なかった長い膨管部Bを有する流路部材T4を効率よく
製造することが可能であり、しかも製造された流路部材
T4と膨管部Bは一体構造をなしているから伝熱効率が
高く、膨管部Bを流される冷媒と流路部材T4との熱交
換が良好である。
【0042】また、膨管主型26でクラッド条材T3を
加熱しながら膨管を行うので、形成された膨管部Bに残
留応力が発生しにくく、流路部材T4の使用時に温度変
化を受けても残留応力による変形が生じにくく、経時的
な変形も少ない。このため、厚物の製造も可能である。
また、膨管主型26でクラッド条材T3を加熱しながら
膨管を行うので、冷間で膨管する方法よりも遥かに低圧
で膨管加工を行うことが可能であるうえ、膨管主型26
の外ではクラッド条材T3の温度が相対的に低いから、
膨管主型26の外の部分で膨管が過剰に進行するなどの
問題が生じない。
【0043】また、加熱部位を膨管主型26内に限定す
ることが可能であるから、加熱用の電力が小さくて済
み、運転コストが安い。また、冷却用型30によって、
膨管が済んだ流路部材T4を拘束しながら速やかに冷却
するから、膨管主型26の外の部分で膨管が過剰に進行
するなどの問題が生じない。膨管主型26に形成したガ
イド溝26Cに沿って膨管部Bが伸びていくので、自律
性があり、寸法精度の管理が容易である。さらに、幅広
の伝熱体も可能であるという利点も有する。
【0044】なお、このようにして得られた長尺の流路
部材T4は、適当な長さ毎に切断され、図13および図
14に例示するような態様で使用に供される。図13
は、大型の高周波炉内などに設置されるブスバー(大電
流通電部材)を構成した例であり、長尺の流路部材T4
を適宜折り曲げて必要な形状を得ている。このような構
造の用途としては、高周波炉用の高周波電源とヒーター
との接続、溶解炉の電源と炉の接続、高周波電源の電源
板などが例示できるがこれらに限定されることはない。
そして、流路部材T4の必要な部分に大電流を流すとと
もに、金属管Pを冷媒循環装置に接続することにより、
流路部材T4内に冷媒を流し、大電流による昇温を防止
する。昇温が防止されれば、電気抵抗の増大も防ぐこと
ができ、電力ロスを低減できる。ちなみに、ブスバー用
の流路部材T4としては、例えば、150mm幅×厚さ
3mm×長さ3〜4m程度のものなどが例示できる。
【0045】図14は、熱交換器の伝熱体として使用し
た例を示し、複数の流路部材T4を互いに平行に間隔を
あけて配置したうえ、各流路部材T4の膨管部Bの端部
同士をU字状の金属管Pで接続したものである。金属管
Pで接続する代わりに各流路部材T4を折り曲げてもよ
い。この場合にも、流路部材T4内に冷媒(または熱
媒)を流すことにより、流路部材T4に触れる流体と冷
媒とを熱交換させることが可能である。図13および図
14に示すように、この実施形態の流路部材T4は、そ
れのみまたは金属管Pとの併用により自由な流路形状が
形成でき、ユニット化も容易である。
【0046】[第2実施形態]上述した第1実施形態で
は、流路部材T4に一本の膨管部Bを形成するものであ
ったが、本発明はこれに限定されず、2本以上の膨管部
Bを同時に形成することも可能である。例えば、2本の
膨管部Bを形成する場合には、図9に示すように、図1
と同様の装置・方法で、第1条材T1に2本の剥離剤層
5を平行に印刷し、その上に第2条材T2をクラッド接
合し、クラッド条材T3とする。こうして得られたクラ
ッド条材T3を、図8に示す装置で膨管加工する。
【0047】この装置は第1実施形態の膨管装置とほぼ
同じ構造を有しているが、膨管主型26,断熱用型2
8,冷却用型30に、各剥離剤層5に対応して、それぞ
れ2本のガイド溝26C,ガイド溝28C,ガイド溝3
0Cがクラッド条材T3の長手方向に対して平行に形成
されている点が異なる。また、送りロール40にも2本
の溝42が形成されている点も異なる。他の構成は、図
3および図4に示す構造と実質的に同様でよいから、同
じ符号を付して説明を省略する。
【0048】このような装置を使用すれば、第1実施形
態の装置と同様の方法で、図10に例示するような形状
で2本の膨管部Bを効率よく製造することが可能であ
り、第1実施形態と同様に優れた効果が得られる。
【0049】[第3実施形態]第1実施形態、第2実施
形態はいずれも、膨管加工を終えた流路部材T4を直線
状に延ばしていき、適当な長さで切断して、再び金属管
Pを接続して膨管加工をやり直す構造であったが、図1
1および図12に示す第3実施形態によれば、流路部材
T4をコイル状に巻き取ることにより、遥かに長尺の製
品が得られる。
【0050】この実施形態では、送りロール40,44
により送り出された流路部材T4の端部が、図11に示
すように巻き取りロール50の外周に固定される。巻き
取りロール50は図示しない駆動装置により流路部材T
4を巻き取る方向へ回転される。流路部材T4の端部に
接続された金属管Pは90゜曲げられてコネクタ52に
接続され、コネクタ52は巻き取りロール50に固定さ
れている。このコネクタ52は、軸線回りに回転自在な
回転管54を有し、この回転管54を介して図示しない
フレキシブル高圧チューブが接続され、このチューブが
圧力調整弁(図示略)を介して高圧ガス源(図示略)に
接続されている。
【0051】上記構成からなる装置によれば、巻き取り
ロール50の回転に伴い回転管54が回転してフレキシ
ブルチューブのねじれを防ぐから、流路部材T4がいか
に長く巻き取られたとしても、膨管主型26内の膨管進
行点B1まで十分な圧力を供給することが可能である。
したがって、長尺の流路部材T4を効率よく製造するこ
とが可能である。膨管部Bが1本だけで巻回時に流路部
材T4が幅方向に傾動してしまう場合には、柔軟な板状
のスペーサを膨管部Bの両側または片側に配置して、流
路部材T4と交互に積層して巻き取ってもよい。
【0052】[第4実施形態]上記実施形態はいずれ
も、膨管部Bを流路部材T4の長手方向に平行な直線状
に形成するものであったが、本発明は膨管部Bを直線状
に形成する用途に限定されず、図15に示す第4実施形
態のように、緩やかな曲線状の膨管部Bを形成すること
も可能である。
【0053】この実施形態では、膨管主型60が、流路
部材T4の幅方向への移動機構および旋回機構を介して
プレス装置の上取付体36Aに取り付けられており、前
記移動機構により、膨管主型60が流路部材T4の長手
方向に対して直行する方向へ移動可能とされるととも
に、旋回機構により膨管主型60が水平面内で回動され
るようになっている。膨管主型60には、直線状にガイ
ド溝60Cが形成されており、膨管主型60の旋回を容
易にするために断熱用型28および冷却用型30は設け
られていない。他の構成は、図3および図4に示す構造
と実質的に同様でよい。
【0054】この膨管装置を使用するには、まず図1と
同様の装置・方法で、第1条材T1の表面に剥離剤層5
を曲線状に印刷し、その上に第2条材T2をクラッド接
合してクラッド条材T3とする。次に、クラッド条材T
3の端部に金属管Pを接続して圧力源に接続した後、膨
管主型60の上型・下型でクラッド条材T3の端部を挟
み、誘導加熱器により膨管主型60内のクラッド条材T
3を加熱し、金属管Pから高圧ガスを供給して膨管を開
始する。膨管による膨管進行点B1の前進に伴って、膨
管主型60をY方向へ移動しながら適宜旋回させ、常に
溝60Cが剥離剤層5を平行にトレースするように膨管
主型60を姿勢制御しながら、流路部材T4を下流側へ
引き抜く。このような操作により、例えばsin波形状
等をなす膨管部Bを容易に製造することが可能である。
【0055】以上、4種の実施形態を例示したが、本発
明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、これ
ら実施形態の構成を適宜組み合わせたり、あるいは他の
構成を組み合わせたりしてもよい。
【0056】
【実施例】いずれもリン脱酸銅からなる幅110mm×
厚さ4mmの第1条材T1と、幅110mm×厚さ2m
mの第2条材T2を用意し、これらの表面を研磨および
脱脂したうえ、図1に示すような装置によって、第1条
材T1の表面に、硫酸バリウム粒子と水を混合してなる
剥離剤を幅15mmの直線状をなすように、第1条材T
1の全長に亘って平行に2本塗布し、さらに、条材T
1,T2を水素ガス雰囲気下で650℃に加熱したう
え、ロール圧延により熱間クラッド接合を行った。こう
して得られたクラッド条材T3に対し、さらに冷間圧延
および再結晶焼鈍を行った。
【0057】次に、直線状の流路パターンをなす溝が内
面に形成された膨管用金型で、クラッド条材の端部を挟
み込み、剥離層5に沿って窒素ガスを吹き入れることに
より、図10に示すように断面半円状の膨管部Bを端部
から一定の長さだけ形成した。この場合、元の厚さが2
mmである第2条材側T2を膨管した。
【0058】次に、端部にのみ膨管部Bが形成されたク
ラッド条材T3を、図3および図4に示すような膨管装
置にセットし、高周波誘導加熱により、クラッド条材T
3を膨管主型26内で局所的に約600℃に加熱すると
ともに、金属管および膨管部Bを通じて高圧不活性ガス
(窒素ガス)を送り込み、膨管主型26内で膨管加工を
行いながら、流路部材T4を順次引き抜いていき、約4
mという長尺の流路部材T4を効率よく形成することが
できた。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る流路
部材の製造方法および製造装置によれば、従来の膨管加
工では到底製造できなかった長い膨管部を有する流路部
材を効率よく製造することが可能であり、しかも製造さ
れた流路部材と膨管部は一体構造をなしているから伝熱
効率が高く、膨管部を流される冷媒と流路部材との熱交
換が良好である。
【0060】また、膨管型で複合条材を加熱しながら膨
管を行うので、形成された膨管部に残留応力が発生しに
くく、流路部材の使用時に温度変化を受けても残留応力
による変形が生じにくく、経時的な変形も少ない。この
ため、厚物の製造も可能である。
【0061】また、膨管型で複合条材を加熱しながら膨
管を行うので、冷間で膨管する方法よりも遥かに低圧で
膨管加工を行うことが可能であるうえ、膨管型の外では
複合条材の温度が相対的に低いから、膨管型の外の部分
で膨管が過剰に進行するなどの問題が生じない。また、
膨管型に形成した凹部に沿って膨管部が伸びていくの
で、自律性があり、寸法精度の管理が容易である。さら
に、幅広の伝熱体も可能であるという利点も有する。
【0062】また、加熱部位を膨管型内に限定すること
が可能であるから、加熱用の電力が小さくて済み、運転
コストが安い。また、冷却機構によって膨管が済んだ流
路部材を拘束しながら速やかに冷却する場合には、膨管
型の外の部分で膨管が過剰に進行するなどの問題が生じ
ない。
【0063】一方、本発明に係る流路部材用素材の製造
装置および製造方法によれば、長尺の流路部材の製造に
適した流路部材用素材が効率よく生産でき、後続する膨
管加工が効率よく行えるという利点を有する。また、本
発明に係る流路部材によれば、膨管部の近傍における残
留応力が小さいため、流路部材の使用時に温度変化を受
けても残留応力による変形が生じにくく、経時的な変形
も少ない。このため、長尺であっても歪みの発生が少な
いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流路部材用素材の製造装置の第1
実施形態を示す側面図である。
【図2】同装置により、第1条材に剥離剤層を形成した
状態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る流路部材の製造装置の第1実施形
態を示す平面図である。
【図4】同流路部材の製造装置の第1実施形態を示す側
面図である。
【図5】膨管主型での膨管状態を示す断面図である。
【図6】膨管主型での膨管状態の他の例を示す断面図で
ある。
【図7】膨管主型での膨管状態のさらに他の例を示す断
面図である。
【図8】本発明に係る流路部材の製造装置の第2実施形
態を示す平面図である。
【図9】第1条材に2本の剥離剤層を形成した状態を示
す平面図である。
【図10】第2実施形態の膨管主型による膨管状態を示
す断面図である。
【図11】流路部材の製造装置の第3実施形態の巻き取
り機構を示す平面図である。
【図12】同巻き取り機構の側面図である。
【図13】流路部材の使用態様の一例を示す斜視図であ
る。
【図14】流路部材の他の使用態様を示す正面図であ
る。
【図15】本発明に係る流路部材の製造装置の第4実施
形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1,2 アンコイラ(第1条材供給機構、第2条材供給
機構) T1 第1条材 T2 第2条材 4 剥離剤転写機構(剥離剤塗布機構) 5 剥離剤層 8 加熱炉 10 クラッドロール(接合機構の要部) T3 クラッド条材(複合条材) 12 リコイラ 20 アンコイラ 26 膨管主型(膨管型の要部) 26A,28A,30A 上型 26B,28B,30B 下型 26C,28C,30C ガイド溝(凹部) 28 断熱用型 30 冷却用型(冷却機構) 32 誘導加熱器(加熱機構) 40,44 送りロール T4 流路部材 B 膨管部 B1 膨管進行点 P 金属管 50 巻き取りロール 60 膨管主型(膨管型の要部)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金属板をこれらの間に剥離層を介
    在させて貼り合わせてなる複合条材の一端から前記剥離
    層に沿って高圧流体を吹き込んで前記一対の金属板の少
    なくとも一方を膨管させるための高圧流体吹き込み機構
    と、前記複合条材の一部を挟んで拘束するとともに、前
    記剥離層に対応した膨管すべき部分でのみ膨管を許容す
    るための凹部が形成されている膨管型と、前記膨管型に
    挟まれた前記複合条材の一部を局部的に加熱するための
    加熱機構と、前記膨管型を前記複合条材の長手方向に相
    対的に移動させることにより膨管加工を前記複合条材の
    長手方向に進行させていくための移動機構とを具備する
    ことを特徴とする流路部材の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記膨管型は、前記加熱機構が付設され
    た膨管主型と、この膨管主型の前記移動機構による移動
    方向の下流側に配置された冷却機構とを具備し、前記膨
    管主型は、その内部に位置する前記複合条材を前記加熱
    機構により加熱して膨管を可能とする一方、前記冷却機
    構は、前記移動機構による移動につれて膨管の済んだ部
    分を冷却することを特徴とする請求項1記載の流路部材
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 一対の金属板をこれらの間に剥離層を介
    在させて貼り合わせてなる複合条材を連続的に繰り出す
    複合条材繰り出し機構と、繰り出される複合条材の先端
    から前記剥離層に沿って高圧流体を吹き込んで前記一対
    の金属板の少なくとも一方を膨管させるための高圧流体
    吹き込み機構と、前記複合条材の一部を挟んで拘束する
    とともに、前記剥離層に対応した膨管すべき部分でのみ
    膨管を許容するための凹部が形成されている膨管型と、
    前記膨管型に挟まれた前記複合条材の一部を局部的に加
    熱するための加熱機構と、前記複合条材を前記膨管型を
    通して連続的に引き抜くことにより、膨管加工を前記複
    合条材の長手方向に進行させていくための移動機構とを
    具備することを特徴とする流路部材の製造装置。
  4. 【請求項4】 2枚の金属板の少なくとも一方の表面に
    剥離剤を付着させることにより前記金属板の長手方向に
    伸びる剥離剤層を形成する工程と、前記2枚の金属板同
    士を前記剥離剤層を挟んで加圧接合することにより複合
    条材を形成する工程と、前記複合条材の一端に、前記剥
    離剤層の一端に対応して吹き込み口を形成する工程と、
    前記吹き込み口から高圧流体を吹き込みながら、前記複
    合条材の前記剥離剤層と対応する部分を局部的に加熱
    し、この加熱部位を前記複合条材の他端側へ漸次移動さ
    せていくことにより、前記剥離剤層に沿って膨管加工す
    る工程とを具備することを特徴とする流路部材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第1の金属条材を繰り出す第1条材供給
    機構と、第2の金属条材を繰り出す第2条材供給機構
    と、前記第1の金属条材の表面に剥離剤を流路パターン
    をなすように塗布する剥離剤塗布機構と、前記第1およ
    び第2の金属条材を加熱する加熱機構と、前記第1金属
    条材の剥離剤を塗布した面に前記第2の金属条材を重ね
    てクラッド接合させる接合機構とを具備する流路部材用
    素材の製造装置。
  6. 【請求項6】 第1および第2の金属条材をそれぞれ繰
    り出す工程と、前記第1の金属条材の表面に剥離剤を流
    路パターンをなすように塗布する工程と、前記第1およ
    び第2の金属条材を加熱する工程と、前記第1の金属条
    材の剥離剤を塗布した面に前記第2の金属条材を重ねて
    前記剥離剤層が介在しない部分を接合させる工程とを具
    備する流路部材用素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記剥離剤として、硫酸バリウム粉末を
    含有するものを使用することを特徴とする請求項6記載
    の流路部材用素材の製造方法。
  8. 【請求項8】 2枚の金属条材が平行に接合され、これ
    ら金属条材の接合界面には、金属条材の長手方向に伸び
    る剥離剤層が、前記各金属条材の幅方向両端面から露出
    しない状態で、形成されていることを特徴とする流路部
    材用素材。
  9. 【請求項9】 2枚の金属条材が平行に接合され、これ
    ら金属条材の間には、前記金属条材の一方または両方を
    膨出させることにより、前記金属条材の長手方向に伸び
    る中空流路が形成されており、さらに前記金属条材の残
    留応力が解消されていることを特徴とする流路部材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11254052A (ja) * 1997-12-23 1999-09-21 Gkn Sankey Ltd 流体成形方法
KR100344000B1 (ko) * 2000-03-30 2002-07-20 이상영 냉동, 냉장기의 냉매 순환 냉각용 방열관 및 그 제조방법
JP2012139724A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Univ Of Yamanashi 順送プレス加工装置
KR102669076B1 (ko) * 2023-01-11 2024-05-24 (주) 시에스텍 이종접합금속 부스바 제조방법

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