JP2000005814A - 多重巻ステンレス鋼管 - Google Patents

多重巻ステンレス鋼管

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JP2000005814A
JP2000005814A JP19105498A JP19105498A JP2000005814A JP 2000005814 A JP2000005814 A JP 2000005814A JP 19105498 A JP19105498 A JP 19105498A JP 19105498 A JP19105498 A JP 19105498A JP 2000005814 A JP2000005814 A JP 2000005814A
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stainless steel
pipe
steel pipe
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Keizo Sugao
敬三 菅尾
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう材としての銅層や加熱工程時の高温に伴
う母材の脆化を防止でき、またリサイクル性のよい多重
巻金属管を提供する。 【解決手段】 表面にろう材が施されたステンレス鋼板
からなるフープ材を管体に塑性変形し、その多重巻管体
の壁間にあるろう材を溶融した後、その溶融したろう材
を冷却して製造する多重巻ステンレス鋼管であって、表
面に膜厚1μm〜母材厚の3%のNiーP系合金めっき
を施したステンレス鋼板をフープ材として用いることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼板か
らなるフープ材を巻込んでろう付けにて製造する多重巻
ステンレス鋼管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に多重巻金属管は、表面にろう材が
施されたフープ材(金属帯材)を成形装置にて管体に塑
性変形し、その多重巻管体を壁間にあるろう材を加熱装
置にて溶融した後、その溶融したろう材を冷却装置にて
凝固して製品化される。多重巻ステンレス鋼管の場合
も、表面に直接銅めっきを施したステンレス鋼板をフー
プ材として用いて製造されるのが一般的であるが、ステ
ンレス鋼板表面と銅めっきとの層間にNiめっき層を介
在させたステンレス鋼板を用いた多重巻ステンレス鋼管
も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多重巻ステンレス鋼管には、以下に示す問題点があっ
た。すなわち、成形工程で生じる多重巻壁間の隙間を考
慮すると、多量のろう材を必要とし一般的な銅などのろ
う材コストが高くつく上、ろう材としての銅層も厚くな
り、銅層の増大に伴う脆化の問題も発生する可能性があ
り、あまり好ましいものではなかった。また、ろう付け
のための加熱工程における温度が高いため母材に対する
熱影響が多く、前記したろう材の使用量の増大とも相俟
って母材の脆化の問題も発生する可能性が多かった。さ
らに、一般的な多重巻金属管ではその両面または一面に
ろう材としての銅をめっきした鉄製のフープ材を使用し
ているが、このような多重巻金属管を使用後にスクラッ
プ化する際の溶解時に、銅の分離が困難であるためにこ
の分離作業に手間がかかり、したがってリサイクル性が
悪く、ろう材としての銅がない多重巻金属管の出現が望
まれていた。
【0004】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みなされたもので、ろう材としての銅層や加熱工程時の
高温に伴う母材の脆化を防止でき、またリサイクル性の
よい多重巻金属管を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多重巻金属
管は、表面にろう材が施されたステンレス鋼板からなる
フープ材を管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間に
あるろう材を溶融した後、その溶融したろう材を冷却し
て製造する多重巻ステンレス鋼管であって、フープ材と
して表面に膜厚1μm〜母材厚の3%のNiーP系合金
めっきを施したステンレス鋼板を用いたことを特徴とす
るものである。
【0006】本発明において、ステンレス母材の表面に
施すろう材としてNiーP系合金めっきを使用したの
は、ろう材としての銅層や加熱工程時の高温に伴う母材
の脆化がなく、かつリサイクル性をよくするためであ
る。また、そのNiーP系合金めっきの膜厚を1μm〜
母材厚の3%に限定したのは、1μm未満では母材の合
せ面に未用溶着部が生じやすく、他方、母材厚の3%を
超えるとリサイクル(再溶解)時における溶鋼のNi成
分比率が規定値を大きく超過してリサイクルステンレス
材の材質にばらつきが生じやすいためである。
【0007】なお、本発明に係る多重巻ステンレス鋼管
を製造する方法としては、フープ材を成形装置にて管体
に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にあるろう材が加
熱装置にて溶融状態にある時、当該管体に対し径方向の
内方あるいは外方より均一に押圧するか、または前記管
体を軸方向に引張ることにより多重巻壁を相互に圧接さ
せ、ついで冷却装置にて凝固して製品化する方法を採用
することができる。前記成形装置はフープ材の案内ロー
ル、多重巻に成形する成形ロールおよび仕上整型ロール
が順次配置され、さらにフープ材の案内ロール側からス
イマ付きロッドが配置されて構成されたものが一般的で
ある。ここで、多重巻管体に対し径方向の内方あるいは
外方より均一に押圧力を付与するか、または前記管体を
軸方向に引張って軸方向の引張力を付与するのは、壁間
におけるろう付け層が存在しない空隙部を可及的になく
すためと、フープ材に寸法上のバラツキがあっても外シ
ーム部の密着性を向上させるためである。この手段とし
ては、例えば管体に内装されたプラグまたはメカニカル
拡管ヘッドによる方法や押圧ロールを用いる方法、ある
いは管体の移送速度を変えて該管体に管軸方向の引張力
を付与することにより多重壁を相互に径方向に圧接させ
る方法などがある。
【0008】本発明に係る多重巻ステンレス鋼管は、銅
ろう材に替えてNiーP系合金めっきを用いたことによ
り、ろう材としての銅層や加熱工程時の高温に伴う母材
の脆化がなく、かつリサイクル性のよいものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る多重巻ステン
レス鋼管のフープ材の断面構造の一部を拡大して示す縦
断側面図、図2は同上の多重巻ステンレス鋼管製造装置
の全体構成例を示す概略図である。なおここでは二重巻
ステンレス鋼管を例にとり説明する。
【0010】本発明に係る二重巻ステンレス鋼管のフー
プ材は図1にその断面構造を示すごとく、ステンレス母
材1−1の両表面のそれぞれの全面にNiーP系合金め
っきを施して膜厚1μm〜母材厚の3%のNiーP系合
金めっき被膜1−2を形成する。
【0011】次に上記フープ材1を用いて二重巻ステン
レス鋼管を製造する装置について説明する。図2に示す
二重巻成形装置11は、二重巻管に形成されるフープ材
1を成形工程に案内する案内ロール11−1、フープ材
1を板状から二重巻管に成形する多数の対の造管または
成形ロール11−2および仕上整型ロール11−3が順
次配置され、かつ前記案内ロール11−1側からスイマ
付きロッド11−4が配置された構成となしている。
【0012】加熱装置12は、例えばライン方向に適当
な間隔を隔てて配置した複数の通電ロール(回転電極)
12−1による抵抗発熱方式を採用する。この加熱装置
の内部は非酸化性雰囲気または還元性ガス雰囲気となっ
ている。
【0013】また、二重巻壁を相互に径方向に圧接する
手段としての押圧ロール13は、前記成形装置11にて
成形された二重巻管体15の外周面を径方向の外方より
均一に押圧する構造となっており、その設置位置は二重
巻管体15の壁間のろう材が溶融状態にある間に加圧し
なければならないため、加熱装置12内から冷却装置1
4の入口側とする。
【0014】冷却装置14は、加熱装置の直後に設置さ
れ、二重巻管体15の外周を均一かつ速やかに冷却でき
るように多数の冷媒噴射ノズル(図示せず)が配置され
た構造となっている。具体的には、例えば内周に多数の
ノズル孔を設けた冷却ジャケット型となし、その中を通
る二重巻管体に対し前記ノズル孔より冷媒が吹きつけら
れる構造のものを用いる。冷媒としては、主としてガス
などの気体を用いるが水などの液体も用いることができ
る。
【0015】また、二重巻管体15を可及的に速やかに
冷却する一次冷却手段としては、前記圧接用押圧ロール
13の直後にノズル16を設け、このノズルにより冷媒
を噴射してろう材を凝固点付近まで急冷することもでき
る。
【0016】このように冷却装置としては、ノズル16
からなる一次冷却手段と、該ノズルの下流側に設置され
た冷却装置14からなる二次冷却手段とで構成すること
が好ましいが、冷却装置14においてろう材の凝固点付
近までの急冷却と二重巻管体の冷却を行うようにするこ
ともできる。
【0017】上記構成の多重巻管製造装置において、ス
テンレス母材1−1の両表面のそれぞれの全面にNiー
P系合金めっきを施して膜厚1μm〜母材厚の3%のN
iーP系合金めっき被膜1−2を形成したフープ材1
は、アンコイラ(図面省略)から巻き戻されて多重巻成
形装置11にて二重壁を有する管体15に成形され、加
熱装置12に導入される。加熱装置12では、直流電源
より複数の通電ロール12−1を介して管体に通電し、
この管体の抵抗発熱により壁間にあるNiーP系合金め
っき被膜からなるろう材(ニッケルろう)が溶融する。
【0018】続いて、このろう材が溶融している状態で
押圧ロール13により多重巻管が径方向の外方より均一
に押圧され、この押圧により多重巻管の壁が相互に径方
向に圧接される。この時、各壁間のろう材は未だ溶融状
態にあるため押圧ロール13による押圧作用により壁間
に広がり、ろう材が存在しない空隙が減少ないし皆無と
なる。
【0019】加熱装置12を出た二重巻管体15は、冷
却装置14により冷却されることにより各壁間のろう材
が完全に凝固しろう付けが完了する。なお、多重巻管体
の加熱手段としては、前記の抵抗発熱方式に替えて高周
波加熱コイルを採用してもよく、また一般的な加熱炉を
ろう付け炉として使用してもよい。
【0020】また、図示していないが、加熱装置の直後
に押えロールを設けた場合には、二重巻管体の最外部の
壁の一端側(シーム部側)は、この押えロールにより外
部より強制的に押圧されるので、内側の壁と馴染んで密
着し、外シーム部の剥離が防止されるので好ましい。
【0021】上記装置により製造された本発明の二重巻
ステンレス鋼管は、ろう材として銅を使用していないの
で、ろう材としての銅層や加熱工程時の高温に伴う母材
の脆化がなく、かつリサイクル性がよく、再溶解しても
Ni含有量が規定値を大きく上回らない材質の良好なも
のが得られる。これは二重巻ステンレス鋼管以外の多重
巻ステンレス鋼管においても同様であることはいうまで
もない。
【0022】
【実施例】フープ材として、厚さ0.35mmのSUS
304Lの板材の両面に、膜厚3μmのNiーP系合金
めっきを施したステンレス鋼板を用い、図2に示す多重
巻ステンレス鋼管製造装置により直径4.76mm、厚
さ0.7mmの二重巻成形した後、該管体に直接通電に
より4秒間1050℃の加熱処理を施し、しかる後冷却
装置により1分間冷却して製品としての二重巻ステンレ
ス鋼管を得た。得られた二重巻ステンレス鋼管は、母材
の劣化もなく、各壁間が密着しかつろう材としての銅層
がないため容易にリサイクル可能であった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る多重
巻ステンレス鋼管は、ろう材としての銅層や加熱工程時
の高温に伴う母材の脆化がなく、かつろう材としての銅
層がないため、スクラップ化の際溶解作業が容易で成分
調整が不要もしくは僅かであり、直ちにリサイクルでき
るとともに材質的にも問題のない多重巻ステンレス鋼管
が得られるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多重巻ステンレス鋼管のフープ材
の断面構造の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図2】同上の多重巻ステンレス鋼管製造装置の全体構
成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 フープ材 1−1 ステンレス鋼板 1−2 NiーP系合金めっき層 11 多重巻成形装置 11−1 案内ロール 11−2 成形ロール 11−3 仕上整型ロール 11−4 スイマ付きロッド 12 加熱装置 13 押圧ロール 14 冷却装置 15 二重巻管体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にろう材が施されたステンレス鋼板
    からなるフープ材を管体に塑性変形し、その多重巻管体
    の壁間にあるろう材を溶融した後、その溶融したろう材
    を冷却して製造する多重巻ステンレス鋼管であって、フ
    ープ材として表面に膜厚1μm〜母材厚の3%のNiー
    P系合金めっきを施したステンレス鋼板を用いたことを
    特徴とする多重巻ステンレス鋼管。
JP19105498A 1998-06-22 1998-06-22 多重巻ステンレス鋼管 Withdrawn JP2000005814A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004037454A2 (en) * 2002-10-23 2004-05-06 Cooper Technology Services, Llc. Double wall nickel or nickel alloy coated stainless steel tubing

Cited By (2)

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WO2004037454A3 (en) * 2002-10-23 2004-06-10 Cooper Technology Services Llc Double wall nickel or nickel alloy coated stainless steel tubing

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