JPH08215744A - 多重巻金属管の製造方法およびその装置 - Google Patents

多重巻金属管の製造方法およびその装置

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JPH08215744A
JPH08215744A JP5050895A JP5050895A JPH08215744A JP H08215744 A JPH08215744 A JP H08215744A JP 5050895 A JP5050895 A JP 5050895A JP 5050895 A JP5050895 A JP 5050895A JP H08215744 A JPH08215744 A JP H08215744A
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JP
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winding
walls
cooling
winding tube
tubular body
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JP5050895A
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English (en)
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Kazuyoshi Takigawa
一儀 滝川
Teruhisa Takahashi
輝久 高橋
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多重巻壁間およびシーム部の密着性が良好な
高品質の多重巻金属管を低コストで製造できる手段を提
供する。 【構成】 多重巻に成形された管体の壁間にあるろう材
の少なくとも外周側が加熱により流動可能な温度にある
時、該管体の内周面を径方向の内方よりほぼ均一に押圧
して壁を相互に圧接させ、次いで冷却する。圧接手段と
しては、プラグまたはメカニカル拡管ヘッド等を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フープ材(金属帯材)
を巻込んでろう付けにて多重巻金属管を製造する方法と
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多重巻管の製造方法として、一表面の全
面に銅ろう材が施されたフープ材(金属帯材)を成形装
置にて管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にある
ろう材を加熱装置にて溶融した後、その溶融したろう材
を冷却装置にて凝固して製品化する方法がある。この方
法における多重巻金属管のろう材を溶融させる手段とし
ては、電気炉を使用する方法と通電による抵抗発熱方式
による方法がある。電気炉による方法は、成形装置にて
多重巻に成形された金属管をある定寸の長さに切断し、
その所定長さの多重巻金属管を順次電気炉に送りろう材
を溶融する方法であり、通電による抵抗発熱方式は、成
形装置から連続して出てくる管体の長さ方向に互いに間
隔をおいて設けられた2つの電極を介して管体に通電
し、この管体の抵抗発熱によりろう材を溶融し連続的に
ろう付けを行う方法である(米国特許第2746141
号明細書、西ドイツ国特許第813839号明細書等参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多重巻金属管の製造方法には、以下に示す問題点があっ
た。すなわち、多重巻成形工程において、成形装置に組
込まれた成形工具の摩耗、コイル上に巻回された長尺
(通常1000m以上)のフープ材の機械的性質や寸法
変化等により、多重巻壁間に隙間が生じたり、内外のシ
ーム部が剥離したりする場合がある。このような状態の
多重巻金属管の場合は、ろう付けしても巻壁間にろう材
層が密着しない空隙部が所々にできる場合があり密着性
が劣るとともに、シーム部の密着性も悪く、配管として
の機能が得られず、不良品として処理せざるを得なかっ
た。また、従来法により製造された多重巻金属管は巻壁
間にろう付層が存在しない空隙部ができる場合があり密
着性が劣るとともに、外シーム部には段差が生じるため
ゴムホースやOリングなどの挿入使用時の管外周表面と
のシール性が要求される場合に品質的に問題となる可能
性があった。
【0004】さらに、従来の方法は、成形工程で生じる
多重巻壁間の隙間を解消する手段がないため、フープ材
の機械的性質、例えばスプリングバック等を考慮して材
料を選択しなければならず、材料の選択幅が狭く、通常
1000m以上の長さを有するフープ材の各寸法のバラ
ツキは補正されることなくそのまま成形されていた。さ
らに、成形工程で生じる多重巻壁間の隙間を考慮する
と、多量のろう材を必要とし銅等のろう材コストが高く
つく上、ろう材としての銅層も厚くなり、銅層の増大に
伴う脆化の問題も発生する可能性がありあまり好ましい
ものではなかった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、例えば長尺のフープ材の各寸法に
バラツキがあっても加熱によってそれを補正して成形す
るため多重巻壁間およびシーム部の密着性が極めて良好
な高品質の多重巻金属管の製造が可能であり、また材料
の選択幅を向上できる上、銅層に伴う脆化を減少しかつ
ろう材の使用量を低減できる多重巻金属管の製造方法お
よびそれを実施するための装置を提案しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多重巻金属
管の製造方法は、多重巻に成形された管体の壁間にある
ろう材の少なくとも外周側が加熱により流動可能な温度
にある時、前記管体の内周面を径方向の内方よりほぼ均
一に押圧して前記壁を相互に径方向に圧接させ、次いで
冷却することを特徴とする。この場合のろう材の流動可
能温度は、使用するろう材とフープ材の材質に応じて設
定する。また、冷却に際しては、径方向の圧接と同時ま
たは可及的速やかに一次冷却し、続いて二次冷却するこ
とを特徴とする。また、一次冷却において流動可能な状
態にあるろう材を該ろう材の凝固点付近まで急冷却す
る。また、径方向の圧接は、管体に内装されたプラグま
たはメカニカル拡管ヘッドによる拡管で行うことを特徴
とする。また、管体の加熱手段としては、ろう付け炉、
抵抗加熱装置、または高周波加熱装置で行うことを特徴
とし、かつ抵抗加熱装置の場合は、直流電源を用いるこ
とを特徴とする。さらに、前記内方よりの径方向の圧接
の直前または直後の少なくとも一方でさらに前記管体の
外周面を外方より均一に押圧せしめることを特徴とす
る。
【0007】また、本発明方法を実施するための装置と
しては、フープ材を多重巻管体に成形する成形装置と、
多重巻管体の壁間にあるろう材を溶融する加熱装置と、
溶融したろう材を凝固する冷却装置とからなる多重巻金
属管製造装置において、前記ろう材が流動するよう多重
巻管体の内周面を径方向の内方より均一に押圧して前記
壁を相互に径方向に圧接する手段を、前記加熱装置内か
ら冷却装置の入口側の間に少なくとも1つ設けたことを
特徴とする。また、この装置における圧接手段は、前記
多重巻管体を拡管するために内装されたプラグまたはメ
カニカル拡管ヘッドからなることを特徴とし、また、冷
却装置は、前記ろう材をその凝固点付近まで急冷却する
一次冷却手段と、前記管体を室温付近まで冷却する二次
冷却手段とから構成され、前記一次冷却手段は水冷式プ
ラグ、あるいは、このプラグまたはメカニカル拡管ヘッ
ドの直後に、多重巻管体の外周面を冷却するよう配置さ
れた冷媒噴射ノズルであることを特徴とする。また、前
記圧接手段の直前または直後の少なくとも一方に、前記
管体の外周面を外方より均一に押圧せしめる手段をさら
に設けることを特徴とし、かつこの押圧手段は、1組以
上の押えロールまたはダイスからなることを特徴とし、
さらに前記押えロールは、3個構成のものを用いるとと
もに、該押えロールの溝の曲率は、多重巻管体の外径の
曲率と同等または僅かに小さいことを特徴とするもので
ある。さらにこの押圧手段を前記した一次冷却手段とし
て使用することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明では、多重巻に成形された管体の壁間に
あるろう材の少なくとも外周側が加熱により流動可能な
温度にある時、前記管体の内周面をプラグまたはメカニ
カル拡管ヘッドによる圧接手段により径方向の内方より
ほぼ均一に押圧して前記壁を相互に径方向に圧接するこ
とにより、ろう材が溶融している状態で壁間が圧接され
るので、各壁の間におけるろう付け層が存在しない空隙
が減少するとともに、ろう材が圧接により押出され外シ
ーム部が充填されて段差が減少ないし埋められ全外周面
がほぼ平滑に形成される。
【0009】また、前記プラグを水冷式として構成して
一次冷却手段とし、またはこのプラグまたはメカニカル
拡管ヘッドの直後に、多重巻管体の外周面を冷却する冷
媒噴射ノズルを配置して一次冷却手段とすると、流動可
能な温度にあるろう材は該ろう材の凝固点付近まで急冷
却されるため溶融したろう材のタレ(ろうダレ)が防止
され、かつ壁間の圧接状態が維持されるとともに母材の
結晶粒の成長も抑制することができる。
【0010】本発明において、ろう材の流動可能な温度
としては、例えば銅および銅合金をベースにした銅ろう
は800〜1200℃、ニッケルろう(NiーP系)は
875〜890℃、アルミニウムろう(標準型)は50
0〜600℃等である。
【0011】また、フープ材としては、鉄(SPCC
等)、ステンレス(SUS304、SUS316等)、
銅(C1220R、C2600R、NCuR等)、アル
ミニウム(A3003、A5052等)等がある。
【0012】なお、管体の加熱温度は、使用するろう材
およびフープ材に応じて、ろう材の流動性が得られ、か
つ母材(フープ材)の急激な劣化を招かないように設定
する。
【0013】本発明では、ろう材が加熱されて流動性が
得られた状態でプラグまたはメカニカル拡管ヘッドから
なる圧接手段により多重巻管体が内部より強制的に押圧
される結果、例え長尺フープ材の各寸法にバラツキがあ
っても内側の壁と馴染んで外シーム部の剥離が防止され
当該部分の密着性が向上する。
【0014】また、多重巻管体は水冷構造のプラグによ
り圧接されるので、多重巻管体を可及的速やかに急冷却
(一次冷却)することができる。なお、水冷式のプラグ
に代え、あるいはこれに加えて一次冷却手段として、プ
ラグまたはメカニカル拡管ヘッドの直後に配置した冷媒
噴射ノズルにて多重巻管体の外周面を急冷却することも
でき、この場合もろうダレを防止でき、壁間の圧接状態
が維持されるとともに結晶粒の成長を抑制できる。
【0015】また、本発明では、加熱により母材の応力
を解除した後、または解除しつつ再度壁間を圧接するた
め、スプリングバック等の機械的性質を考慮して材料を
選択する必要がなくなるとともに、例え長尺のフープ材
の各寸法にバラツキがあっても多重巻管の壁間およびシ
ーム部の密着状態が良好で高品質の多重巻管が製造可能
である。
【0016】さらに、多重巻金属管の各壁間が径方向に
圧接した状態でろう付けされるため、ろう材層を薄くで
きる。
【0017】本発明では、多重巻管体の外周面よりの押
圧をさらに加えることにより、該多重巻金属管の最外部
の壁の一端側が押圧されるため、好ましくは外部より強
制的に押圧されるため、この場合も例え長尺フープ材の
各寸法にバラツキがあっても内側の壁と馴染んで外シー
ム部の剥離が防止され当該部分の密着性が向上するとと
もに、この押圧手段を水冷構造とすることにより、前記
した一次冷却手段として構成することもできる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例装置の全体構成を示
す概略図、図2は同上装置における多重巻管体の圧接手
段を拡大して示す図で、(A)はプラグ、(B)はメカ
ニカル拡管ヘッドをそれぞれ示す。図3は同上装置にお
いて多重巻管体の加熱手段を抵抗発熱方式に替えて高周
波加熱コイルによる方式を採用した装置を示す概略図、
図4は同上装置において多重巻金属管の圧接手段の直前
に押えロールを設けた装置を示す概略図、図5は同じく
多重巻金属管の圧接手段の直後に押えロールを設けた装
置を示す概略図、図6は前記押えロールを拡大して示す
概略正面図、図7は前記押えロールに替えて用いるダイ
スを拡大して示す概略縦断側面図であり、1は多重巻成
形装置、2は加熱装置、3Aはプラグ、3Bはメカニカ
ル拡管ヘッド、4は冷却装置、5は高周波加熱コイル、
6は押えロール、7はダイス、11はフープ材(金属帯
鋼)、12は多重巻管体、13は冷媒噴射ノズルであ
る。
【0019】ここで、多重巻成形装置1は、多重巻管に
形成されるフープ材11を成形工程に案内する案内ロー
ル1−1、フープ材11を板状から多重巻管に成形する
多数の対の造管または成形ロール1−2および仕上整形
ロール1−3が順次配置されてなるものである。
【0020】加熱装置2は、例えばライン方向に適当な
間隔を隔てて配置した複数対の通電ロール(回転電極)
2−1による抵抗発熱方式を採用する。この加熱装置の
内部は非酸化性雰囲気または還元性ガス雰囲気となって
いる。
【0021】プラグ3Aは、前記案内ロール1−1の上
方においてフープ材11のまだ解放している両縁部より
多重巻管体内に挿入された支持ロッド3A−1に装着さ
れており、前記成形装置1にて成形された多重巻管体1
2の内周面を径方向の内方より均一に押圧する構造とな
っている。また、このプラグ3Aは、多重巻管体を可及
的に速やかに冷却する一次冷却手段とするために水冷構
造とすることができ、水冷構造のプラグ3Aにより溶融
状態にあるろう材を該ろう材の凝固点付近、好ましくは
凝固点以下まで急冷却する。
【0022】メカニカル拡管ヘッド3Bは、プラグ3A
と同様、前記案内ロール1−1の上方においてフープ材
11のまだ解放している両縁部より多重巻管体内に挿入
されたホーン3B−1の先端に取付けられ、その構造は
周知の通り、ホーン内のドローバによって主シリンダと
連結されたコーンが、油圧によって軸方向に引かれるこ
とによりコーンとジョーの楔作用によってジョーが広が
り、ジョーの外側に取付けられたダイが管体を押し広げ
る機構となっている。
【0023】上記プラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッ
ド3Bの設置位置は、多重巻管体の壁間のろう材が溶融
状態にある間に加圧し始めなければならないため、加熱
装置2内から冷却装置4の入口側の間とする。
【0024】冷却装置4は、前記圧接用プラグ3Aまた
はメカニカル拡管ヘッド3Bの下流側に設置され、多重
巻管体の外周を均一かつ速やかに冷却できるように多数
の冷媒噴射ノズル(図示せず)が配置された構造となっ
ている。具体的には、例えば内周に多数のノズル孔を設
けた冷却ジャケット型となし、その中を通る多重巻管体
に対し前記ノズル孔より冷媒が吹きつけられる構造のも
のを用いる。冷媒としては、主として不活性ガスや還元
性ガス等の気体を用いるが熱媒体油や水等の液体も用い
ることができる。
【0025】また、多重巻管体を可及的に速やかに冷却
する一次冷却手段としては、前記水冷式のプラグ3Aの
他に、該プラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bの
直後にノズル13を設け、このノズル13により冷媒を
噴射してろう材を凝固点付近まで急冷却することもでき
る。
【0026】このように冷却装置としては、水冷式プラ
グ3Aまたはノズル13からなる一次冷却手段と、該プ
ラグまたはノズルの下流側に設置された冷却装置4から
なる二次冷却手段とで構成することが好ましいが、冷却
装置4においてろう材の凝固点付近までの急冷却と多重
巻管体の冷却とを行うようにすることもできる。
【0027】上記構成の多重巻管製造装置において、少
なくとも一表面の巻回時に重合面となる部分、好ましく
は全面に例えば銅ろう材が施されたフープ材(SPC
C)11は、アンコイラ(図面省略)から巻き戻されて
多重巻成形装置1にて例えば二重壁を有する管体に成形
され、加熱装置2に導入される。
【0028】加熱装置2では、直流電源より複数対の通
電ロール2−1を介して管体に通電し、この管体の抵抗
発熱により壁間にあるろう材が溶融する。この時の温度
はろう材が銅であるため1080〜1200℃である。
【0029】続いて、このろう材が溶融している状態で
プラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bにより多重
巻管が径方向の内方より均一に押圧され、この押圧によ
り多重巻管の各壁が相互に径方向に圧接される。この
時、各壁間のろう材は未だ溶融状態にあるためプラグ3
Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bによる押圧作用によ
り壁間に広がり、ろう材が存在しない空隙が減少すると
ともに、外シーム部にろう材が押出されて当該部分がろ
う材で埋まることにより段差が減少ないし無くなる。
【0030】また、水冷構造のプラグ3A、あるいはノ
ズル13を用いると、溶融状態のろう材は、ろう材の凝
固点付近、好ましくは凝固点以下まで急冷却される。こ
のような一次冷却効果によりろうダレが防止され、壁間
の圧接状態が維持されるとともに結晶粒の成長が抑制さ
れる。
【0031】加熱装置2を出た多重巻管体12は、プラ
グ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bの下流側に配置
されている冷却装置4により二次冷却されることにより
各壁間のろう材が完全に凝固しろう付けが完了する。
【0032】上記装置の多重巻管体の加熱手段として、
前記の抵抗発熱方式に替えて、図3に示すごとく、高周
波加熱コイル5を採用した場合は、通電ロールは必要な
いため、加熱装置の入側及び出側にガイドロール2−2
を設けるのみでよい。さらに、多重巻管体の加熱手段と
しては、特公昭29−4613号等で知られている一般
的な加熱炉をろう付け炉として使用してもよい。
【0033】また、図4、図5に示すごとく、多重巻管
体の圧接用プラグ3の直前または直後に押えロール6を
設けた場合には、多重巻管体の最外部の壁の一端側(シ
ーム部側)は、この押えロール6により外部より強制的
に押圧されるので、内側の壁と馴染んで密着し、外シー
ム部の剥離が防止される。
【0034】上記押えロール6は、例えば図6に示すご
とく、1組3個のロール6−1からなる3ロール型で、
この成形ロール6の溝の曲率は、多重巻管体の外周の曲
率すなわち多重巻成形装置1の最終ロールと同等もしく
は僅かに小さく設定する。これは多重巻管体に対し均一
に押圧力を作用せしめるためである。また、この押えロ
ール6は、多重巻管体を可及的に速やかに急冷却するた
めに水冷構造とし、一次冷却手段としてもよい。
【0035】また、押えロール6に替えて用いるダイス
7は、図7に示すごとく、前記押えロール6と同様、成
形装置1にて成形された多重巻管体12の外周面を径方
向の外方より均一に押圧する構造となっている。このダ
イスの場合も多重巻管体を可及的に速やかに急冷却する
ために水冷構造とし一次冷却手段としてもよい。
【0036】本発明装置により製造された本発明の多重
巻金属管は、各壁の間におけるろう付層が存在しない空
隙のない密着性良好な薄い銅層が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によれば、
以下に記載する効果を奏する。 (1)外シーム部がろう材で充填されて段差が埋められ
全外周面がほぼ平滑に形成された多重巻管体が得られる
ので、この多重巻管体に例えば樹脂チューブやOリング
等を外嵌した場合にそれらの内周面との間に隙間を生ぜ
ずシール性の高い多重巻金属管が得られる。 (2)ろう材が溶融している状態で壁間が圧接されるの
で、各壁の間におけるろう付層が存在しない空隙の少な
い密着性良好な多重巻金属管が得られる。 (3)多重巻成形工程において成形工具の摩耗、フープ
材の機械的性質や寸法変化等により多重巻壁間に隙間が
生じても、内外のシーム部の剥離が防止される。 (4)多重巻管体の一次冷却を、径方向の圧接と同時ま
たは可及的速やかに行うため、ろうダレが防止されて平
滑な外表面が得られ、後のめっき処理等が容易となり、
かつ壁間の圧接状態が維持され結晶粒の成長が抑制され
る。 (5)加熱により、成形による母材の残留応力を解除し
た後、または解除しつつ再度壁間を圧接するため、スプ
リングバック等の機械的性質やフープ材の各寸法のバラ
ツキ等を考慮して材料を選択する必要がなくなり、材料
の選択幅を向上できる。 (6)多重巻金属管の各壁間が径方向に圧接した状態で
ろう付けされるため、ろう材としての銅層を薄くでき、
したがってろう材層の増大に伴う脆化を減少しかつろう
材の使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例装置の全体構成を示す概略
図である。
【図2】図2は同上装置における多重巻管体の圧接手段
を拡大して示す図で、(A)はプラグ、(B)はメカニ
カル拡管ヘッドをそれぞれ示す。
【図3】同上装置において多重巻管体の加熱手段を抵抗
発熱方式に替えて高周波加熱コイルによる方式を採用し
た装置を示す概略図である。
【図4】同上装置において多重巻金属管の圧接手段の直
前に押えロールを設けた装置を示す概略図である。
【図5】同じく多重巻金属管の圧接手段の直後に押えロ
ールを設けた装置を示す概略図である。
【図6】前記押えロールを拡大して示す概略正面図であ
る。
【図7】前記押えロールに替えて用いるダイスを拡大し
て示す概略縦断側面図である。
【符号の説明】
1 多重巻成形装置 2 加熱装置 3A プラグ 3B メカニカル拡管ヘッド 4 冷却装置 5 高周波加熱コイル 6 押えロール 7 ダイス 11 フープ材 12 多重巻管体 13 ノズル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重巻に成形された管体の壁間にあるろ
    う材の少なくとも外周側が加熱により流動可能な温度に
    ある時、前記管体の内周面を径方向の内方よりほぼ均一
    に押圧して前記壁を相互に径方向に圧接させ、次いで冷
    却することを特徴とする多重巻金属管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記径方向の圧接と同時または可及的速
    やかに一次冷却し、続いて二次冷却することを特徴とす
    る請求項1記載の多重巻金属管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記径方向の圧接と同時または可及的速
    やかに行う一次冷却により、前記した流動可能な状態に
    あるろう材を該ろう材の凝固点付近まで急冷却すること
    を特徴とする請求項2記載の多重巻金属管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記径方向の圧接は、管体に内装された
    プラグまたはメカニカル拡管ヘッドによる拡管にて行う
    ことを特徴とする請求項1記載の多重巻金属管の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記加熱は、ろう付け炉、抵抗加熱装
    置、または高周波加熱装置で行うことを特徴とする請求
    項1記載の多重巻金属管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記抵抗加熱装置では、直流電源を用い
    ることを特徴とする請求項1記載の多重巻金属管の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記内方よりの径方向の圧接の直前また
    は直後の少なくとも一方でさらに前記管体の外周面を外
    方より均一に押圧せしめることを特徴とする請求項1記
    載の多重巻金属管の製造方法。
  8. 【請求項8】 フープ材を多重巻管体に成形する成形装
    置と、多重巻管体の壁間にあるろう材を溶融する加熱装
    置と、溶融したろう材を凝固して前記管体を冷却する冷
    却装置とからなる多重巻金属管製造装置において、前記
    ろう材が流動するよう多重巻管体の内周面を径方向の内
    方より均一に押圧して前記壁を相互に径方向に圧接する
    手段を、前記加熱装置内から冷却装置の入口側の間に少
    なくとも1つ設けたことを特徴とする多重巻管の製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記圧接手段は、前記多重巻管体を拡管
    するため内装されたプラグまたはメカニカル拡管ヘッド
    からなることを特徴とする請求項8記載の多重巻管の製
    造装置。
  10. 【請求項10】 前記冷却装置は、前記ろう材をその凝
    固点付近まで急冷却する一次冷却手段と、前記管体を室
    温付近まで冷却する二次冷却手段とからなり、前記一次
    冷却手段は水冷式プラグであることを特徴とする請求項
    8または9記載の多重巻管の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却装置は、前記ろう材をその凝
    固点付近まで急冷却する一次冷却手段と、前記管体を室
    温付近まで冷却する二次冷却手段とからなり、前記一次
    冷却手段は前記プラグまたはメカニカル拡管ヘッドの直
    後に、多重巻管体の外周面を冷却するよう配置された冷
    媒噴射ノズルであることを特徴とする請求項8または9
    記載の多重巻管の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記圧接手段の直前または直後の少な
    くとも一方に、前記管体の外周面を外方より均一に押圧
    せしめる押圧手段をさらに設けたことを特徴とする請求
    項8または9記載の多重巻管の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記押圧手段は、1組以上の押えロー
    ルまたは1以上のダイスからなることを特徴とする請求
    項12記載の多重巻管の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記1組の押えロールは、3個構成と
    なしていることを特徴とする請求項13記載の多重巻管
    の製造装置。
  15. 【請求項15】 前記押えロールの溝の曲率は、多重巻
    管体の外径の曲率と同等または僅かに小さいことを特徴
    とする請求項14記載の多重巻管の製造装置。
  16. 【請求項16】 前記押圧手段を一次冷却手段として用
    いたことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか
    1項記載の多重巻管の製造装置。
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