JP3683017B2 - 多重巻金属管の製造方法およびその装置 - Google Patents

多重巻金属管の製造方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フープ材(金属帯材)を巻込んで拡散金属による拡散接合にて多重巻金属管を製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多重巻金属管の製造方法として、一表面の全面に銅ろう材が施されたフープ材(金属帯材)を成形装置にて管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間にあるろう材を加熱装置にて溶融した後、その溶融したろう材を冷却装置にて凝固して製品化する方法がある。この方法における多重巻金属管のろう材を溶融させる手段としては、電気炉を使用する方法と通電による抵抗発熱方式による方法がある。電気炉による方法は、成形装置にて多重巻に成形された金属管をある定寸の長さに切断し、その所定長さの多重巻金属管を順次電気炉に送りろう材を溶融する方法であり、通電による抵抗発熱方式は、成形装置から連続して出てくる管体の長さ方向に互いに間隔をおいて設けられた2つの電極を介して管体に通電し、この管体の抵抗発熱によりろう材を溶融し連続的にろう付けを行う方法である(米国特許第2746141号明細書、西ドイツ国特許第813839号明細書等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の多重巻金属管の製造方法には、以下に示す問題点があった。
すなわち、多重巻成形工程において、成形装置に組込まれた成形工具の摩耗、コイル上に巻回された長尺(通常1000m以上)のフープ材の機械的性質や寸法変化等により、多重巻壁間に隙間が生じたり、内外のシーム部が剥離したりする場合がある。このような状態の多重巻金属管の場合は、ろう付けしても巻壁間にろう材層が密着しない空隙部が所々にできる場合があり密着性が劣るとともに、シーム部の密着性も悪く、配管としての機能が得られず、不良品として処理せざるを得なかった。
【0004】
さらに、従来の方法は、成形工程で生じる多重巻壁間の隙間を解消する手段がないため、フープ材の機械的性質、例えばスプリングバック等を考慮して材料を選択しなければならず、材料の選択幅が狭く、通常1000m以上の長さを有するフープ材の各寸法のバラツキは補正されることなくそのまま成形されていた。
また、成形工程で生じる多重巻壁間の隙間の存在を前提とすると、多量のろう材を必要とし銅などのろう材コストが高くつく上、ろう材層も厚くせざるを得ず、多量のろう材の使用によってろう材が管体素地へ多量に拡散する結果となり母材の脆化の問題も発生する可能性がありあまり好ましいものではなかった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされたもので、例え長尺のフープ材の各寸法のバラツキがあっても加熱によってそれを補正して成形するため、多重巻壁間およびシーム部の密着性が極めて良好な高品質の多重巻金属管の製造が可能であり、また材料の選択幅を向上できる上、加熱工程における温度が低いため、母材に対する熱影響が少なく、かつ多重巻壁間の隙間がないため拡散金属の使用量を必要最少限度にとどめることができるので管体素地への拡散量が減少して母材の脆化を防止し得る多重巻金属管の製造方法およびそれを実施するための装置を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る多重巻金属管の製造方法は、多重巻に成形され移送されている管体の壁の間にある拡散金属の少なくとも外周側が加熱により管体素地に拡散可能で融点未満の温度にある時、前記管体の移送速度を変えて該管体に管軸方向の引張力を付与することにより前記壁を相互に径方向に圧接するとともに前記管体素地に拡散金属を拡散させ、次いで冷却することを特徴とする。この場合の拡散金属または拡散材の融点未満の温度は、使用する拡散金属または拡散材とフープ材の材質に応じて設定する。また、冷却に際しては、径方向に圧接して拡散すると同時または圧接後に行う冷却により、前記加熱により管体素地に拡散可能な状態にある拡散金属を該拡散金属と管体の材質により設定される温度まで冷却することを特徴とする。また、前記管軸方向の引張の直前または直後の少なくとも一方でさらに前記管体の外周面を径方向の外方より均一に押圧せしめることを特徴とする。
【0007】
また、この発明方法を実施するための装置としては、拡散金属が少なくとも片面に施されたフープ材を多重巻管体に成形する成形装置と、多重巻管体の壁間にある拡散金属を前記管体素地に拡散する加熱装置と、加熱した拡散金属を冷却する冷却装置と、前記加熱装置と冷却装置まで前記管体を移送する手段を備えた多重巻金属管製造装置において、前記拡散金属が前記管体素地に拡散可能であってかつ該拡散金属とフープ材の材質により設定される融点未満の温度にある時前記管体を管軸方向に引張り前記壁が相互に径方向に圧接するよう前記移送装置の移送速度可変手段を前記加熱装置内に設けたことを特徴とする。また、この装置における移送速度可変手段は、1組以上の管体押えロールと、該押えロールの下流側に配置した1組のピンチロールとからなり、該ピンチロールの径を前記押えロールの径より大とするかあるいは回転速度を高くする手段を用いることを特徴とし、さらに前記1組の管体押えロールには、管体の外周面を径方向の外方より均一に押圧するごとく配置した3ロール型となしたものを用い、かつ該管体押えロールの溝の曲率は、多重巻管体の外径の曲率と同等または該多重巻管体の外径の曲率より小さく設定されていることを特徴とする。また、前記移送速度可変手段の直前または直後の少なくとも一方に前記管体の外周面を外方より均一に押圧せしめる手段をさらに設けたことを特徴とし、その押圧手段は1組以上の押えロールまたはダイスで構成することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、多重巻に成形された管体の壁間にある拡散金属の少なくとも外周側が管体素地に拡散可能であってかつ該拡散金属とフープ材の材質により設定される融点未満の温度にある時、1組以上の管体押えロールと該押えロールの下流側に配置した1組のピンチロールとからなる移送速度可変手段により、前記管体の移送速度を変えて管体に管軸方向の引張力を付与することにより、管体に縮径力が発生し、拡散金属が管体素地に拡散し始めている状態で壁間が圧接されるので、各壁の間における拡散金属と管体素地との相互の拡散接合層が存在しない空隙が減少する。また、多重巻金属管の最外部の壁の一端側が押圧されるため、好ましくは外部より強制的に押圧される結果、例え長尺のフープ材の各寸法にバラツキがあっても内側の壁と馴染んで外シーム部の剥離が防止され当該部分の密着性が向上する。
なお、拡散金属は管体が少なくともピンチロールと当接する位置において前記管体素地に拡散可能で融点未満の状態となっていれば充分であって、管体押えロール通過時においては必ずしも拡散可能で融点未満の状態にある必要はない。換言すると、管体押えロールは、加熱前の位置に配設することもできる。
【0009】
前記移送速度可変手段の直後に、多重巻管体の外周面を冷却するように冷媒噴射ノズルを配置して冷却手段とすることもでき、このようにすると拡散可能で融点未満の温度にある拡散金属は該拡散金属の拡散可能温度未満まで冷却されるため、壁間の圧接状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、かつ母材の結晶粒の成長も抑制することができる。
【0010】
本発明における片面または両面に施された拡散金属としては、例えば銅または銅合金系、ニッケル系、アルミニウム系等があり、これらの融点は、銅であれば1083℃以下、ニッケル系であれば890℃以下、アルミニウム系であれば590℃以下である。
【0011】
また、フープ材としては、鉄(SPCC等)、ステンレス(SUS304、SUS316等)、銅(C1220R、C2600R、NCuR等)、アルミニウム(A3003、A5052等)等がある。
【0012】
本発明において、管体に軸方向の引張力を付与する時の拡散金属の温度条件を拡散可能であってかつ該拡散金属とフープ材の材質により設定される融点未満の温度に限定したのは、例えばフープ材に拡散金属めっき被膜または拡散材めっき被膜が施されている場合、前記融点以上の温度ではフープ材に施されているめっき被膜が溶け落ち、管体の表面性状が悪化して商品価値が低下するためである。すなわち、融点未満の温度であればフープ材に施されているめっき被膜の溶け落ちがほとんど発生することがないため、均一な膜厚の被膜を有する耐食性良好な管体が得られる。例えば、拡散金属として銅を使用した場合、800℃未満では銅の拡散結合が遅くかつ弱く、多重巻金属管としての機械的強度が得られないとともに、管体の送り速度をきわめて低速にせざるを得ず、他方、1083℃を超えると銅が流動し、多重巻金属管の内面および外表面に銅の溶け溜りが生じ表面性状が悪くなる可能性があるからである。したがって、銅の場合は拡散可能な温度として800℃以上1083℃未満に設定する必要がある。
【0013】
本発明において、フープ材の片面または両面に拡散金属を設けて管体素地に拡散金属を接触させて拡散させる方法をとったのは、加熱工程における加熱温度が比較的低く母材に対する熱影響が特に少ないとともに、前記管体の移送速度を変えて該管体に管軸方向の引張力を付与することに壁を相互に径方向に圧接する手段によって多重巻壁間が密着するため拡散金属の使用量を最少限度にとどめることができ、したがって該拡散金属を管体素地に拡散させる際に拡散金属の母材への拡散量を減少し母材の脆化を防止するためである。なお、フープ材の片面のみに拡散金属を施した場合、拡散金属の使用量がさらに減り拡散金属の母材への拡散量を一層減少でき、またフープ材の両面に拡散金属を施した場合は、圧接により拡散金属が母材へ拡散するとともに、拡散金属同士も相互に拡散接合するので一層接合力が向上する。一方フープ材の片面または両面に拡散金属を設ける手段としては、通常のめっき、溶射あるいはクラッド材による方法など種々の方法がある。
【0014】
本発明では、多重巻金属管は径方向に圧接して拡散すると同時または圧接後に冷却することもでき、このように構成すると、壁間の圧接状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、かつ結晶粒の成長を抑制できる。
【0015】
また、本発明では、加熱により母材の応力を解除した後、または解除しつつ再度壁間を圧接するため、スプリングバック等の機械的性質を考慮して材料を選択する必要がなくなるとともに、例え長尺のフープ材の各寸法にバラツキがあっても多重巻管の壁間の密着状況が良好で高品質の多重巻管が製造可能である。
【0016】
【実施例】
図1は本発明の一実施例装置を示す概略図、図2は同上装置における3個構成の管体押えロールを拡大して示す概略図であり、1は多重巻成形装置、2は管体移送用ローラ、3は加熱装置、4は冷却装置、5は通電ロール(回転電極)、6は直流電源、7は管体押えロール、8はピンチロール、9は冷媒噴射ノズル、10は片面または両面に拡散金属がめっきされたフープ材(金属帯鋼)、11は多重巻管体である。
【0017】
ここで、多重巻成形装置1は例えば多数段の成形用ロール1−1で構成されており、アンコイラ(図示せず)より巻き戻されるフープ材10を連続的に円筒状に成形する構造となっている。また、加熱装置3は例えばライン方向に適当な間隔を隔てて配置した複数対の通電ロール(回転電極)5による抵抗発熱方式を採用する。この加熱装置の内部は非酸化性雰囲気または還元性ガス雰囲気となっている。
【0018】
管体押えロール7およびピンチロール8は、管体の移送速度を変える手段であり、このうち管体押えロール7は図2に示すごとく例えば、1組3個のロール7−1からなる3ロール型で、成形装置1にて成形された多重巻管体11の外周面を径方向の外方よりほぼ均一に押圧する構造となっている。この管体押えロール7の溝の曲率は、多重巻管体の外周の曲率すなわち多重巻成形装置1の最終ロールと同等もしくは僅かに小さく設定する。これは多重巻管体に対し均一に押圧力を作用せしめるためである。一方、ピンチロール8は前記管体押えロール7の下流側に適当な間隔を隔てて設置され、このロール径を管体押えロール7より大径とするか、または回転速度を変えることにより管体押えロール7との間で当該管体に管軸方向の引張力が作用するようになっている。なお、ピンチロール8も管体押えロール7同様に3ロール型とすることが好ましい。このように拡散金属が加熱されるとともに管体に管軸方向の引張力が作用することにより、管体に縮径力が発生する。この時、各壁間の拡散金属が前記多重巻管体12の素地に拡散し初めている状態にあるため管軸方向に圧接の引張力による押圧作用により壁間が密着し前記拡散金属と管体12の素地との相互の拡散接合層が存在しない空隙が減少する。また、この多重巻金管体の最外部の壁の一端側(シーム側)は、径方向の圧接により内側の壁と馴染んで密着し、外シーム部の剥離が防止される。
【0019】
上記管体押えロール7およびピンチロール8の設置位置は、多重巻管体の壁間の拡散金属が加熱状態にある間に多重巻管体の壁を径方向に圧接させなければならないため、加熱装置3内とするが、図1のように必ずしも最終通電ロール5の直後である必要はなく、例えば最終通電ロール5とその前段の通電ロール5との間に設置しても同様の作用効果が得られる。
【0020】
なお、多重巻管体を径方向の圧接後に冷却する冷却手段として、ピンチロール8の直後に冷媒噴射ノズル9を設けてこのノズルより冷媒を噴射して多重巻管の外周面を冷却することができ、このノズルにより拡散可能で融点未満の温度にある拡散金属を該拡散金属の拡散可能温度未満まで冷却されて、壁間の圧接状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、かつ結晶粒の成長を抑制できる。
【0021】
冷却装置3は管体押えロール7またはピンチロール8の下流側に設置され、加熱状態にある拡散金属を冷却するとともに、多重巻管体の外周を均一に冷却できるように多数の冷媒噴射ノズル(図示せず)が配置された構造となっている。具体的には、例えば内周に多数のノズル孔を設けた冷却ジャケット型となし、その中を通る多重巻管体に対し前記ノズル孔より冷媒が吹きつけられる構造のものを用いる。冷媒としては、主として不活性ガスや還元性ガス等の気体を用いるが熱媒体油や水等の液体も用いることができる。
【0022】
上記構成の多重巻管製造装置において、片面または両面に拡散金属として例えば銅がめっきされたフープ材(SPCC)10はアンコイラ(図面省略)から巻き戻されて多重巻成形装置1にて例えば二重壁を有する管体に成形され、管体移送用ローラ2にて所定の速度で移送されながら加熱装置3に導入される。加熱装置3では、直流電源6より複数対の通電ロール5を介して管体に通電し、この管体の抵抗発熱により各壁の間にある拡散金属が前記管体12の素地に拡散し初めている状態となるまで加熱する。この時の温度は拡散金属が銅であるため800℃以上〜1083℃未満である。
【0023】
続いて、この拡散金属が各壁間の銅が管体素地に拡散し初めている状態で管体押えロール7とピンチロール8との間で当該管体に管軸方向の引張力を付与する。これにより多重巻管体の各壁が相互に径方向に圧接される。この時、各壁間の拡散金属が管体素地に拡散し初めている状態にあるため、拡散金属と管体素地との相互の拡散結合層が存在しない空隙が減少するとともに、多重巻管体の最外部の壁の一端側(シーム部側)は、径方向の圧接により内側の壁と馴染んで密着し、外シーム部の剥離が防止される。
【0024】
また多重巻管体11は、ピンチロール8の直後に配置されている冷媒噴射ノズル9により冷却することもでき、この場合は加熱状態の拡散金属は拡散金属の拡散可能温度未満まで冷却される。このような冷却により壁間の圧接状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、かつ結晶粒の成長が抑制される。
一方加熱装置を出た加熱管体11はピンチロール8の下流側に配置されている冷却装置4により冷却されることにより、多重巻管体の外周面が冷却され各壁間の拡散金属の拡散接合が完了する。
【0025】
上記の多重巻管製造装置により製造された本発明の多重巻管は、各壁の間における拡散金属と管体素地との相互の拡散接合層が存在しない空隙のない密着性良好な拡散接合層が得られる。
【0026】
また、他の実施例として、本発明では図3に示すごとく、前記管体押えロール7およびピンチロール8とからなる管体移送速度可変手段の直前または直後、すなわち管体押えロール7の直前またはピンチロール8の直後に、例えば前記管体押えロール7と同じ3ロール型の押えロール12、または図4に示すダイス15等の押圧手段を配設する。そうすることにより、各壁の間における拡散金属と管体素地との相互の拡散接合層が存在しない空隙をより少なくすることができる上、外シーム部の段差をより解消することができる。
さらに、押えロール12またはダイス15を水冷構造とすることにより、この押圧手段を冷却手段に供することもできる。
【0027】
なお、多重巻管体の加熱手段としては、前記の抵抗発熱方式に替えて、図5に示すごとく、高周波加熱コイル13を採用してもよい。この場合、通電ロールは必要ないため、加熱装置の入口にはガイドロール14を設けるのみでよい。さらに、多重巻管体の加熱手段としては、特公昭29−4613号等で知られている一般的な加熱炉を使用してもよい。
【0028】
さらに、上記実施例は、フープ材10から多重巻金属管を製造するまで、多重巻管体の成形、拡散金属の加熱、および拡散金属の冷却が連続的に行われる装置を示したが、図6に示すように、多重巻管体11を成形した後、定尺切断し、該定尺切断された管体を送込みロール16により加熱装置3に送込んで拡散金属を加熱し、次いで冷却装置4で加熱された拡散金属を冷却、凝固するよう構成することもできる。図6による実施例では、従来の多重巻管体成形装置を用いて高速で効率的に成形され定尺切断された管体を、複数個併設した本発明に係る多重巻金属管製造装置により大量生産することができるため、生産性を大幅に向上させることが可能となる。
【0029】
また、上記各実施例では管体12の素地に拡散金属が拡散可能で融点未満の状態となってから管体押えロール7およびピンチロール8により当該管体に管軸方向の引張力を付与して多重巻管体の壁を径方向に圧接する例を示したが、図7のように管体11を加熱する前の位置に管体押えロール7を配置し、かつこの加熱によって拡散金属が前記管体素地に拡散可能で融点未満の状態になる位置にピンチロール8を設け、これを管体と当接せしめるよう構成することもできる。すなわち、図7のように高周波加熱コイル13の上流側に管体押えロール7を設け、一方該コイルの下流側にピンチロール8を配置する。したがって、拡散金属は、管体押えロールを通過するときにはほぼ固体状態であるが、高周波加熱コイル13を通過して管体12の素地に拡散可能で融点未満の状態となりピンチロール8により引張力を付与されることとなる。このように管体素地に拡散金属が拡散可能で融点未満の状態となった時、少なくともピンチロール8と当接させることが肝要である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)フープ材の少なくとも片面に施した拡散金属の管体素地への拡散が進行している状態で壁間が圧接されるので、各壁の間における拡散金属と管体素地との相互の拡散接合層が存在しないために生じる空隙を大幅に少なくできる。
(2)多重巻成形工程において成形装置における成形工具の摩耗、フープ材の機械的性質や寸法のバラツキ等により多重巻壁間に隙間が生じても、内外のシーム部の剥離が防止される。
(3)多重巻金属管体の冷却は、径方向の圧接と同時または圧接後に行うため、壁間の圧接状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、かつ結晶粒の成長が抑制される。
(4)加熱により、成形による母材の残留応力を解除した後、または解除しつつ再度壁間を圧接するため、スプリングバック等の機械的性質やフープ材の各寸法のバラツキ等を考慮して材料を選択する必要がなくなり、材料の選択幅を向上できる。
(5)加熱工程における加熱温度が低いため、母材に対する熱影響を少なくでき、かつ多重巻壁間が圧接された状態で拡散されるので拡散金属の使用量を必要最少限度にとどめることができることとも相俟って該拡散金属の管体素地への拡散が減少するため母材の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】同上装置における3個構成の管体押えロールを拡大して示す概略図である。
【図3】同上装置における管体圧接部の他の実施例を示す概略図である。
【図4】同上装置における管体押圧手段としてのダイスを示す縦断側面図である。
【図5】同上装置における多重巻管体の他の加熱手段を示す概略図である。
【図6】本発明装置の他の実施例の要部を示す概略図である。
【図7】本発明装置のさらに他の実施例の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
1 多重巻成形装置
2 管体移送用ロール
3 加熱装置
4 冷却装置
5 通電ロール(回転電極)
6 直流電源
7 管体押えロール
8 ピンチロール
9 冷媒噴射ノズル
10 フープ材
11 多重巻管体
12 押えロール
13 高周波加熱コイル
14 ガイドロール
15 ダイス
16 送込みロール

Claims (9)

  1. 多重巻に成形され移送されている管体の壁の間にある拡散金属の少なくとも外周側が、加熱により管体素地に拡散可能であってかつ該拡散金属とフープ材の材質により設定される融点未満の温度にある時、管体の移送速度を変えて該管体に管軸方向の引張力を付与することにより前記壁を相互に径方向に圧接するとともに前記管体素地に拡散金属を拡散させ、次いで冷却することを特徴とする多重巻金属管の製造方法。
  2. 前記径方向に圧接して拡散すると同時または圧接後に行う冷却により、前記加熱により管体素地に拡散可能な状態にある拡散金属を該拡散金属とフープ材の材質により設定される温度まで冷却することを特徴とする請求項1記載の多重巻金属管の製造方法。
  3. 前記管軸方向の引張の直前または直後の少なくとも一方でさらに前記管体の外周面を径方向の外方より均一に押圧せしめることを特徴とする請求項1記載の多重巻金属管の製造方法。
  4. 拡散金属が少なくとも片面に施されたフープ材を多重巻管体に成形する成形装置と、多重巻管体の壁間にある拡散金属を前記管体素地に拡散する加熱装置と、加熱した拡散金属を冷却する冷却装置と、前記加熱装置と冷却装置まで前記管体を移送する手段を備えた多重巻金属管製造装置において、前記拡散金属が前記管体素地に拡散可能であってかつ該拡散金属とフープ材の材質により設定される融点未満の温度にある時前記管体を管軸方向に引張り前記壁が相互に径方向に圧接するよう前記移送装置の移送速度可変手段を前記加熱装置内に設けたことを特徴とする多重巻金属管の製造装置。
  5. 前記移送速度可変手段は、1組以上の管体押えロールと、該押えロールの下流側に配置した1組のピンチロールとからなり、該ピンチロールの径を前記押えロールの径より大とするかあるいは回転速度を高くする手段を用いることを特徴とする請求項4記載の多重巻金属管の製造装置。
  6. 前記1組の管体押えロールまたはピンチロールは、管体の外周面を径方向の外方より均一に押圧するごとく配置した3ロール型となしていることを特徴とする請求項5記載の多重巻金属管の製造装置。
  7. 前記管体押えロールの溝の曲率は、多重巻管体の外径の曲率と同等または該多重巻管体の外径の曲率より小さく設定されていることを特徴とする請求項5記載の多重巻金属管の製造装置。
  8. 前記移送速度可変手段の直前または直後の少なくとも一方に多重巻管体の外方より均一に押圧せしめる押圧手段をさらに設けたことを特徴とする請求項5記載の多重巻金属管の製造装置。
  9. 前記押圧手段は、1組以上の押えロールまたはダイスからなることを特徴とする請求項8記載の多重巻金属管の製造装置。
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