JPH09174154A - 多重巻金属管の製造方法およびその装置 - Google Patents

多重巻金属管の製造方法およびその装置

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JPH09174154A
JPH09174154A JP35061695A JP35061695A JPH09174154A JP H09174154 A JPH09174154 A JP H09174154A JP 35061695 A JP35061695 A JP 35061695A JP 35061695 A JP35061695 A JP 35061695A JP H09174154 A JPH09174154 A JP H09174154A
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metal
winding
walls
diffusion
pressing
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JP35061695A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Takigawa
一儀 滝川
Teruhisa Takahashi
輝久 高橋
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重巻壁間およびシーム部の密着性が良好な
高品質の多重巻金属管を低コストで製造できる手段を提
供する。 【解決手段】 多重巻に成形された管体の壁間にある拡
散金属の少なくとも外周側が加熱により前記管体素地に
拡散可能で融点未満の温度にある時、該管体の内周面を
径方向の内方よりほぼ均一に押圧して壁を相互に圧接す
るとともに前記管体素地に拡散金属を拡散させ、次いで
冷却する。圧接手段としては、プラグまたはメカニカル
拡管ヘッド等を用いる。 【効果】 拡散金属の加熱温度が低くかつ拡散金属の使
用量を減らせるので母材への拡散を減少し母材の脆化を
防止できる。スプリングバック等の機械的性質やフープ
材の各寸法のバラツキ等を考慮して材料を選択する必要
がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フープ材(金属帯
材)を巻込んで拡散金属による拡散接合にて多重巻金属
管を製造する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多重巻金属管の製造方法として、一表面
の全面に銅ろう材が施されたフープ材(金属帯材)を成
形装置にて管体に塑性変形し、その多重巻管体の壁間に
あるろう材を加熱装置にて溶融した後、その溶融したろ
う材を冷却装置にて凝固して製品化する方法がある。こ
の方法における多重巻金属管のろう材を溶融させる手段
としては、電気炉を使用する方法と通電による抵抗発熱
方式による方法がある。電気炉による方法は、成形装置
にて多重巻に成形された金属管をある定寸の長さに切断
し、その所定長さの多重巻金属管を順次電気炉に送りろ
う材を溶融する方法であり、通電による抵抗発熱方式
は、成形装置から連続して出てくる管体の長さ方向に互
いに間隔をおいて設けられた2つの電極を介して管体に
通電し、この管体の抵抗発熱によりろう材を溶融し連続
的にろう付けを行う方法である(米国特許第27461
41号明細書、西ドイツ国特許第813839号明細書
等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多重巻金属管の製造方法には、以下に示す問題点があっ
た。すなわち、多重巻成形工程において、成形装置に組
込まれた成形工具の摩耗、コイル上に巻回された長尺
(通常1000m以上)のフープ材の機械的性質や寸法
変化等により、多重巻壁間に隙間が生じたり、内外のシ
ーム部が剥離したりする場合がある。このような状態の
多重巻金属管の場合は、ろう付けしても巻壁間にろう材
層が密着しない空隙部が所々にできる場合があり密着性
が劣るとともに、シーム部の密着性も悪く、配管として
の機能が得られず、不良品として処理せざるを得なかっ
た。
【0004】さらに、従来の方法は、成形工程で生じる
多重巻壁間の隙間を解消する手段がないため、フープ材
の機械的性質、例えばスプリングバック等を考慮して材
料を選択しなければならず、材料の選択幅が狭く、通常
1000m以上の長さを有するフープ材の各寸法のバラ
ツキは補正されることなくそのまま成形されていた。ま
た、成形工程で生じる多重巻壁間の隙間の存在を前提と
すると、多量のろう材を必要とし銅などのろう材コスト
が高くつく上、ろう材層も厚くせざるを得ず、多量のろ
う材の使用によってろう材が管体素地へ多量に拡散する
結果となり母材の脆化の問題も発生する可能性がありあ
まり好ましいものではなかった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、例えば長尺のフープ材の各寸法に
バラツキがあっても加熱によってそれを補正して成形す
るため多重巻壁間およびシーム部の密着性が極めて良好
な高品質の多重巻金属管の製造が可能であり、またフー
プ材の材料の選択幅を向上できる上、加熱工程における
温度が低いため母材に対する熱影響が少なく、かつ多重
巻壁間の隙間がないため拡散金属の使用量を必要最少限
度にとどめることができるため管体素地への拡散量が減
少して母材の脆化を防止し得る多重巻金属管の製造方法
およびそれを実施するための装置を提案しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多重巻金属
管の製造方法は、多重巻に成形された管体の壁の間にあ
る拡散金属の少なくとも外周側が加熱により管体素地に
拡散可能で融点未満の温度にある時、前記管体の内周面
を径方向の内方よりほぼ均一に押圧して前記壁を相互に
径方向に圧接するとともに前記管体素地に拡散金属を拡
散させ、次いで冷却することを特徴とする。この場合の
拡散金属が管体素地に拡散可能で融点未満の温度は、使
用する拡散金属とフープ材の材質に応じて設定する。ま
た、冷却に際しては、径方向に圧接して拡散すると同時
または可及的速やかに冷却し、拡散可能で融点未満の状
態にある拡散金属を該拡散金属の拡散可能温度未満まで
冷却する。さらに、前記内方よりの径方向の圧接の直前
または直後の少なくとも一方でさらに前記管体の外周面
を外方よりほぼ均一に押圧せしめることを特徴とする。
【0007】また、本発明方法を実施するための装置と
しては、拡散金属が片面または両面に施されたフープ材
を多重巻管体に成形する成形装置と、多重巻管体の壁間
にある拡散金属を前記管体素地に拡散させる加熱装置
と、加熱した拡散金属を冷却する冷却装置とからなる多
重巻金属管製造装置において、前記加熱装置は拡散金属
が前記管体素地に拡散可能であってかつ融点未満となる
ように加熱する機能を有し、前記多重巻管体の内周面を
径方向の内方よりほぼ均一に押圧して前記壁を相互に径
方向に圧接する手段を、前記加熱装置内に少なくとも1
つ具備したことを特徴とする。また、この装置における
圧接手段は、前記多重巻管体を拡管するために内装され
たプラグまたはメカニカル拡管ヘッドからなることを特
徴とし、また、前記圧接手段の直前または直後の少なく
とも一方に、前記管体の外周面を外方よりほぼ均一に押
圧せしめる手段をさらに設けることを特徴とし、かつこ
の押圧手段は、1組以上の押えロールまたはダイスから
なることを特徴とし、さらに前記押えロールは、3個構
成のものを用いるとともに、該押えロールの溝の曲率
は、多重巻管体の外径の曲率と同等または僅かに小さい
ことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、多重巻に成形された
管体の壁の間にある拡散金属の少なくとも外周側が加熱
により前記管体素地へ拡散可能で融点未満の温度にある
時、前記管体の内周面をプラグまたはメカニカル拡管ヘ
ッドによる圧接手段により径方向の内方よりほぼ均一に
押圧して前記壁を相互に径方向に圧接することにより、
拡散金属が管体素地に拡散し初めている状態で壁間が圧
接されるので、各壁の間における拡散金属と管体素地と
の相互の拡散接合層が存在しない空隙が減少ないし皆無
となる。また、本発明において、フープ材の片面または
両面に拡散金属を設けて管体の壁の間で管体素地に該拡
散金属を拡散させて拡散接合させる方法をとったのは、
前記圧接手段によって多重巻壁間が密着するため拡散金
属の使用量を最少限度にとどめることができ、したがっ
て該拡散金属を管体素地に拡散させる際に拡散金属の母
材への拡散量を減少し母材の脆化を防止するためであ
る。なお、フープ材の片面のみに拡散金属を施した場
合、拡散金属の使用量がさらに減り拡散金属の母材への
拡散量を一層減少でき、またフープ材の両面に拡散金属
を施した場合は、圧接により拡散金属が母材へ拡散する
とともに、拡散金属同士も相互に拡散接合するので一層
接合力が向上する。一方フープ材の片面または両面に拡
散金属を設ける手段としては、通常のめっき、溶射ある
いはクラッド材による方法など種々の方法がある。
【0009】また、前記プラグを水冷式として構成して
冷却手段とし、またはこのプラグまたはメカニカル拡管
ヘッドの直後に、多重巻管体の外周面を冷却する冷媒噴
射ノズルを配置して冷却手段とすると、拡散可能で融点
未満の温度にある拡散金属は該拡散金属の拡散可能温度
未満まで冷却され、壁間の圧接状態が維持されるととも
に、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、か
つ母材の結晶粒の成長も抑制することができる。
【0010】本発明において、拡散金属としては、銅合
金系またはニッケル系、アルミニウム系等があり、これ
らの融点は銅であれば1083℃以下、ニッケル系であ
れば890℃以下、アルミニウム系であれば590℃以
下である。
【0011】また、フープ材としては、鉄(SPCC
等)、ステンレス(SUS304、SUS316等)、
銅(C1220R、C2600R、NCuR等)、アル
ミニウム(A3003、A5052等)等がある。
【0012】本発明において、管体の内周面を内方より
押圧する時の拡散金属の温度条件を拡散可能な温度以上
で融点未満の温度に限定したのは、例えばフープ材に拡
散金属めっき被膜または拡散材めっき被膜が施されてい
る場合、融点以上の温度ではフープ材に施されているめ
っき被膜が溶け落ち、管体の表面性状が悪化して商品価
値が低下するためである。すなわち、融点未満の温度で
あればフープ材に施されているめっき被膜の溶け落ちが
ほとんど発生することがないため、均一な膜厚の被膜を
有する耐食性良好な管体が得られる。例えば、拡散金属
として銅を使用した場合、800℃未満では銅の拡散結
合が遅くかつ弱く、金属管としての機械的強度が得られ
ないとともに、管体の送り速度をきわめて低速とせざる
を得ず、他方、1083℃を超えると銅が流動し、金属
管の内面および外表面に銅の溶け溜りが生じ表面性状が
悪くなる可能性があるからである。したがって、銅の場
合は拡散可能な温度として800℃以上1083℃未満
に設定する必要がある。なお、本発明でいう「拡散可能
温度」とは単に拡散金属を構成する金属原子が管体素地
を介して拡散を開始する温度をいうのでなく、生産性を
考慮して実用上(経済効率上)有効な送り速度で送られ
る管体素地を介して拡散を開始する最低温度のことを意
味する。
【0013】本発明において管体の加熱温度は、使用す
る拡散金属とフープ材の材質に応じて適宜設定すること
になるが、加熱工程における加熱温度は比較的低いた
め、母材に対する熱影響は特に少い。
【0014】本発明では、多重巻に成形された管体の壁
の間にある拡散金属の少なくとも外周側が加熱により管
体素地に拡散可能で融点未満の温度にある時、前記管体
の内周面をプラグまたはメカニカル拡管ヘッドからなる
圧接手段により内方よりほぼ均一に押圧して前記壁を相
互に径方向に圧接する結果、例え長尺フープ材の各寸法
にバラツキがあっても内側の壁と馴染んで外シーム部の
剥離が防止され当該部分の密着性が向上する。
【0015】また、本発明では、加熱により母材の応力
を解除した後、または解除しつつ再度壁間を圧接するた
め、スプリングバック等の機械的性質を考慮して材料を
選択する必要がなくなるとともに、例え長尺のフープ材
の各寸法にバラツキがあっても多重巻管の壁間およびシ
ーム部の密着状態が良好で高品質の多重巻管が製造可能
である。
【0016】また、本発明では管体の内周面を径方向内
方よりほぼ均一に押圧した後、可及的速やかに冷媒噴射
ノズルによって多重巻金属管体の外周面を冷却すること
もでき、この場合壁間の圧接状態が維持されるととも
に、拡散金属の管体素地への過度な拡散が防止でき、か
つ結晶粒の成長を抑制できる。
【0017】本発明では、多重巻管体の外周面よりの押
圧をさらに加えることにより、該多重巻金属管の最外部
の壁の一端側が押圧されるため、好ましくは外部より強
制的に押圧されるため、この場合も例え長尺フープ材の
各寸法にバラツキがあっても内側の壁と馴染んで外シー
ム部の剥離が防止され当該部分の密着性が向上する。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例装置の全体構成を示
す概略図、図2は同上装置における多重巻管体の圧接手
段を拡大して示す図で、(A)はプラグ、(B)はメカ
ニカル拡管ヘッドをそれぞれ示す。図3は同上装置にお
いて多重巻管体の加熱手段を抵抗発熱方式に替えて高周
波加熱コイルによる方式を採用した装置を示す概略図、
図4は同上装置において多重巻金属管の圧接手段の直前
に押えロールを設けた装置を示す概略図、図5は同じく
多重巻金属管の圧接手段の直後に押えロールを設けた装
置を示す概略図、図6は前記押えロールを拡大して示す
概略正面図、図7は前記押えロールに替えて用いるダイ
スを拡大して示す概略縦断側面図であり、1は多重巻成
形装置、2は加熱装置、3Aはプラグ、3Bはメカニカ
ル拡管ヘッド、4は冷却装置、5は高周波加熱コイル、
6は押えロール、7はダイス、11は片面または両面に
拡散金属がめっきされたフープ材(金属帯鋼)、12は
多重巻管体、13は冷媒噴射ノズルである。
【0019】ここで、多重巻成形装置1は、多重巻管に
形成されるフープ材11を成形工程に案内する案内ロー
ル1−1、フープ材11を帯状から多重巻管に成形する
多数の対の造管または成形ロール1−2および仕上整形
ロール1−3が順次配置されてなるものである。
【0020】加熱装置2は、例えばライン方向に適当な
間隔を隔てて配置した複数対の通電ロール(回転電極)
2−1による抵抗発熱方式を採用する。この加熱装置の
内部は非酸化性雰囲気または還元性ガス雰囲気となって
いる。
【0021】プラグ3Aは、前記案内ロール1−1の上
方においてフープ材11のまだ解放している両縁部より
多重巻管体内に挿入された支持ロッド3A−1に装着さ
れており、前記成形装置1にて成形された多重巻管体1
2の内周面を径方向の内方よりほぼ均一に押圧する構造
となっている。また、このプラグ3Aは、多重巻管体を
冷却する冷却手段とするために水冷構造とすることもで
きるが、このプラグ3Aにより多重巻管体12の素地に
拡散可能で融点未満の温度にある拡散金属を径方向の内
方より均一に押圧することにより管体素地と該拡散金属
相互の間を確実かつ速やかに拡散させることができる。
【0022】メカニカル拡管ヘッド3Bは、プラグ3A
と同様、前記案内ロール1−1の上方においてフープ材
11のまだ解放している両縁部より多重巻管体内に挿入
されたホーン3B−1の先端に取付けられ、その構造は
周知の通り、ホーン内のドローバによって主シリンダと
連結されたコーンが、油圧によって軸方向に引かれるこ
とによりコーンとジョーの楔作用によってジョーが広が
り、ジョーの外側に取付けられたダイが管体を押し広げ
る機構となっている。
【0023】上記プラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッ
ド3Bの設置位置は、多重巻管体の壁間の拡散金属が多
重巻管体12の素地に拡散可能で融点未満にある間に加
圧し始めなければならないため、加熱装置2内に設け
る。
【0024】冷却装置4は、前記圧接用プラグ3Aまた
はメカニカル拡管ヘッド3Bの下流側に設置され、多重
巻管体12の外周を均一かつ速やかに冷却できるように
多数の冷媒噴射ノズル(図示さず)が配置され管体素地
に拡散可能で融点未満にある拡散金属を該拡散金属の拡
散可能温度未満まで冷却する構造となっている。具体的
には、例えば内周に多数のノズル孔を設けた冷却ジャケ
ット型となし、その中を通る多重巻管体に対し前記ノズ
ル孔より冷媒が吹きつけられる構造のものを用いる。冷
媒としては、主として不活性ガスや還元性ガス等の気体
を用いるが熱媒体油や水等の液体も用いることができ
る。
【0025】また、多重巻管体を可及的に速やかに冷却
する冷却手段としては、前記水冷式のプラグ3Aの他
に、該プラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bの直
後にノズル13を設け、このノズル13により冷媒を噴
射して拡散金属を拡散可能温度未満まで冷却して、壁間
の圧接状態を維持するとともに、拡散金属の管体素地へ
の過度な拡散を防止し、かつ母材の結晶粒の成長も抑制
することができる。
【0026】上記構成の多重巻管製造装置において、少
なくとも一表面の巻回時に重合面となる部分、好ましく
は全面に例えば銅拡散金属が片面または両面にめっきさ
れたフープ材(SPCC)11は、アンコイラ(図面省
略)から巻き戻されて多重巻成形装置1にて例えば二重
壁を有する管体に成形され、加熱装置2に導入される。
【0027】加熱装置2では、直流電源より複数対の通
電ロール2−1を介して管体に通電し、この管体の抵抗
発熱により壁間にある拡散金属が管体12の素地に拡散
し初めている状態となるまで加熱される。この時の温度
は拡散金属が銅であるため800℃以上1083℃未満
と低いため、母材に対する熱影響が少ないとともに、後
述するようにプラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3
Bによる押圧作用により壁間が密着しているので使用す
る拡散金属の量は必要最少限度よく、したがって拡散金
属の使用量が減ることとも相俟って管体素地への拡散量
が減少して母材の脆化を防止できる。
【0028】続いて、この拡散金属が管体素地に拡散可
能で融点未満の温度に加熱されている状態でプラグ3A
またはメカニカル拡管ヘッド3Bにより多重巻管が径方
向の内方よりほぼ均一に押圧され、この押圧により多重
巻管の各壁が相互に径方向に圧接される。この時、各壁
間の拡散金属は管体素地に拡散し始めている状態にある
ためプラグ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bによる
押圧作用により壁間が密着して拡散金属と管体素地との
相互の拡散接合層が存在しない空隙が減少ないし皆無と
なる。
【0029】加熱装置2を出た多重巻管体12は、プラ
グ3Aまたはメカニカル拡管ヘッド3Bの下流側に配置
されている冷却装置4により冷却されることにより多重
巻管体の外周面が冷却され各壁間の拡散金属の拡散接合
が完了する。
【0030】上記装置の多重巻管体の加熱手段として、
前記の抵抗発熱方式に替えて、図3に示すごとく、高周
波加熱コイル5を採用した場合は、通電ロールは必要な
いため、加熱装置の入側及び出側にガイドロール2−2
を設けるのみでよい。さらに、多重巻管体の加熱手段と
しては、特公昭29−4613号等で知られている一般
的な加熱炉として使用してもよい。
【0031】また、図4、図5に示すごとく、多重巻管
体の圧接用プラグ3の直前または直後に押えロール6を
設けた場合には、多重巻管体の最外部の壁の一端側(シ
ーム部側)は、この押えロール6により外部より強制的
に押圧されるので、内側の壁と馴染んで密着し、外シー
ム部の剥離が防止される。
【0032】上記押えロール6は、例えば図6に示すご
とく、1組3個のロール6−1からなる3ロール型で、
この成形ロール6の溝の曲率は、多重巻管体の外周の曲
率すなわち多重巻成形装置1の最終ロールと同等もしく
は僅かに小さく設定する。これは多重巻管体に対しほぼ
均一に押圧力を作用せしめるためである。
【0033】また、押えロール6に替えて用いるダイス
7は、図7に示すごとく、前記押えロール6と同様、成
形装置1にて成形された多重巻管体12の外周面を径方
向の外方より均一に押圧する構造となっている。
【0034】本発明装置により製造された本発明の多重
巻金属管は、各壁の間における拡散金属と管体素地との
相互の拡散接合層が存在しない空隙のない密着性良好な
薄い銅層が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によれば、
以下に記載する効果を奏する。 (1)フープ材の少なくとも片面に拡散金属を施して管
体の壁の間に拡散金属層を設けたことにより、拡散金属
の管体素地への拡散が進行している状態で壁間が圧接さ
れるので、各壁の間における拡散金属と管体素地との相
互の拡散接合層が存在しないために生じる空隙を大幅に
少なくできる。 (2)多重巻成形工程において成形工具の摩耗、フープ
材の機械的性質や寸法のバラツキ等により多重巻壁間に
隙間が生じても、内外のシーム部の剥離が防止される。 (3)多重巻金属管体の冷却を、径方向に圧接して拡散
すると同時または可及的速やかに行うため、壁間の圧接
状態が維持されるとともに、拡散金属の管体素地への過
度な拡散が防止でき、かつ結晶粒の成長が抑制される。 (4)加熱により母材の残留応力を解除した後、または
解除しつつ再度壁間を圧接するため、成形装置に組み込
まれた成形工具の摩耗、スプリングバック等の機械的性
質やフープ材の各寸法のバラツキ等を考慮して材料を選
択する必要がなくなり、材料の選択幅を向上できる。 (5)加熱工程における加熱温度が低いため、母材に対
する熱影響を少なくでき、かつ多重巻壁間が圧接された
状態で拡散されるので拡散金属の使用量を必要最少限度
にとどめることができることとも相俟って該拡散金属の
管体素地への拡散が減少するため母材の劣化を防止でき
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例装置の全体構成を示す概略
図である。
【図2】図2は同上装置における多重巻管体の圧接手段
を拡大して示す図で、(A)はプラグ、(B)はメカニ
カル拡管ヘッドをそれぞれ示す。
【図3】同上装置において多重巻管体の加熱手段を抵抗
発熱方式に替えて高周波加熱コイルによる方式を採用し
た装置を示す概略図である。
【図4】同上装置において多重巻金属管の圧接手段の直
前に押えロールを設けた装置を示す概略図である。
【図5】同じく多重巻金属管の圧接手段の直後に押えロ
ールを設けた装置を示す概略図である。
【図6】前記押えロールを拡大して示す概略正面図であ
る。
【図7】前記押えロールに替えて用いるダイスを拡大し
て示す概略縦断側面図である。
【符号の説明】
1 多重巻成形装置 2 加熱装置 3A プラグ 3B メカニカル拡管ヘッド 4 冷却装置 5 高周波加熱コイル 6 押えロール 7 ダイス 11 フープ材 12 多重巻管体 13 ノズル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重巻に成形された管体の壁間にある拡
    散金属の少なくとも外周側が加熱により管体素地に拡散
    可能で融点未満の温度にある時、前記管体の内周面を径
    方向の内方よりほぼ均一に押圧して前記壁を相互に径方
    向に圧接するとともに前記管体素地に拡散金属を拡散さ
    せ、次いで冷却することを特徴とする多重巻金属管の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記径方向に圧接して拡散すると同時ま
    たは可及的速やかに行う冷却により、前記した拡散可能
    で融点未満の状態にある拡散金属を該拡散金属の拡散可
    能温度未満まで冷却することを特徴とする請求項1記載
    の多重巻金属管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記内方よりの径方向の圧接の直前また
    は直後の少なくとも一方でさらに前記管体の外周面を外
    方よりほぼ均一に押圧せしめることを特徴とする請求項
    1記載の多重巻金属管の製造方法。
  4. 【請求項4】 拡散金属が少なくとも片面に施されたフ
    ープ材を多重巻管体に成形する成形装置と、多重巻管体
    の壁間にある拡散金属を前記管体素地に拡散させる加熱
    装置と、加熱した拡散金属を冷却する冷却装置とからな
    る多重巻金属管製造装置において、前記加熱装置は拡散
    金属が前記管体素地に拡散可能であってかつ融点未満と
    なるように加熱する機能を有し、前記多重巻管体の内周
    面を径方向の内方よりほぼ均一に押圧して前記壁を相互
    に径方向に圧接する手段を、前記加熱装置内に少なくと
    も1つ具備したことを特徴とする多重巻管の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記圧接手段は、前記多重巻管体を拡管
    するため内装されたプラグまたはメカニカル拡管ヘッド
    からなることを特徴とする請求項4記載の多重巻管の製
    造装置。
  6. 【請求項6】 前記圧接手段の直前または直後の少なく
    とも一方に、前記管体の外周面を外方よりほぼ均一に押
    圧せしめる押圧手段をさらに設けたことを特徴とする請
    求項4または5記載の多重巻管の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記押圧手段は、1組以上の押えロール
    または1以上のダイスからなることを特徴とする請求項
    6記載の多重巻管の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記1組の押えロールは、3個構成とな
    していることを特徴とする請求項7記載の多重巻管の製
    造装置。
  9. 【請求項9】 前記押えロールの溝の曲率は、多重巻管
    体の外径の曲率と同等または僅かに小さいことを特徴と
    する請求項7記載の多重巻管の製造装置。
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