JPH09188723A - 不飽和性プロピレン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

不飽和性プロピレン系共重合体およびその製造方法

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JPH09188723A
JPH09188723A JP35329195A JP35329195A JPH09188723A JP H09188723 A JPH09188723 A JP H09188723A JP 35329195 A JP35329195 A JP 35329195A JP 35329195 A JP35329195 A JP 35329195A JP H09188723 A JPH09188723 A JP H09188723A
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iii
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Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 [A](i) プロピレンと、(ii)エチレン
または炭素数4〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分
子中に1個のビニル基を有する、少なくとも1種の直鎖
状または分岐鎖状非共役トリエンまたはテトラエンとの
ランダム共重合体であり、[B](i) プロピレンから誘
導される構成単位が70モル%を越えて99.9モル%
以下であり、(ii)エチレンまたは炭素数4〜20のα−
オレフィンから誘導される構成単位が0モル%以上で3
0モル%未満であり、かつ(iii)上記非共役トリエンま
たはテトラエンから誘導される構成単位が0.1モル%
以上で30モル%未満であり、[C]135℃、デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g
であることを特徴とする不飽和性プロピレン系共重合
体。 【効果】 化学反応性に富み、グラフト変性が容易で、
しかも接着性、塗装性、印刷性に優れた不飽和性プロピ
レン系共重合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、不飽和性プロピレン系共
重合体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは化学
反応性に富み、したがってグラフト変性などが容易でし
かも接着性、塗装性、印刷性などに優れた新規な不飽和
性プロピレン系共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性ポリプロピレンは、硬度、
剛性、耐熱性、表面光沢性などに優れており、従来より
種々の用途に利用されているが、特に高剛性が要求され
る自動車用バンパーなどの用途に利用されている。しか
しながら結晶性ポリプロピレンは、飽和炭化水素重合体
であるため化学反応性に劣り、グラフト変性が容易では
なく、また接着性、塗装性、印刷性、帯電防止性などに
劣るという問題点があり、このためこれらの特性に優れ
たポリプロピレンが用途によっては求められている。化
学反応性に富んだポリプロピレンとして、プロピレンと
非共役ジエンとを共重合させて得られるポリプロピレン
が知られている。より具体的には、プロピレンとエチリ
デンノルボルネンとの共重合体、プロピレンとブタジエ
ンとの共重合体、プロピレンと4-メチル-1,4-ヘキサジ
エンとの共重合体などが提案されている。ところがこれ
らの不飽和性プロピレン系共重合体では、分子量制御が
困難であったり、化学反応性が必ずしも充分ではなかっ
たりするという問題点があった。本発明者は、上記のよ
うな従来技術に鑑みて不飽和性プロピレン系共重合体に
ついて鋭意研究した結果、プロピレン、エチレンまたは
炭素数4〜20のα−オレフィンおよび特定の(分岐)
鎖状ポリエンから導かれる構成単位を有し、かつ不飽和
性結合を有する不飽和性プロピレン系共重合体は、化学
反応性に富み、グラフト変性が容易で、しかも接着性、
塗装性、印刷性、帯電防止性などに優れていることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、化学反応性に
富み、グラフト変性が容易で、しかも接着性、塗装性、
印刷性などに優れた不飽和性プロピレン系共重合体およ
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【発明の概要】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重
合体は、 [A](i) プロピレンと、(ii)エチレンまたは炭素数4
〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビ
ニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖
状非共役トリエンまたはテトラエンとのランダム共重合
体であり、 [B](i) プロピレンから誘導される構成単位が70モ
ル%を越えて99.9モル%以下であり、(ii)エチレン
または炭素数4〜20のα−オレフィンから誘導される
構成単位が0モル%以上で30モル%未満であり、かつ
(iii)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
れる構成単位が0.1モル%以上で30モル%未満であ
り、 [C]135℃、デカリン(デカヒドロナフタレン/デ
ュポン社)中で測定した極限粘度[η]が0.05〜1
0dl/gであることを特徴としている。
【0005】本発明の好ましい態様においては、上記
[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンは、ビニ
ル基に隣接した炭素原子に、1個の直鎖状または分岐鎖
状炭化水素基と、2個の水素原子と、が結合したもので
あることが望ましい。
【0006】本発明の特に好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[H−1]で表され、上記[B](iii)非共役トリエ
ンまたはテトラエンから誘導される構成単位が下記式
[H−2]で表されることが望ましい。
【0007】
【化11】
【0008】・・・・[H−1] [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
(但しpとqが1の場合fは0ではない)、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
=CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である(但し、pとqが1の場合、R9は水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基である)。]
【0009】
【化12】
【0010】・・・・[H−2] [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
式[H−1]の場合と同じ意味である。] また、本発明の別の好ましい態様の1つにおいては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[Ia]で表され、上記[B](iii)非共役トリエン
またはテトラエンから誘導される構成単位が下記式[I
Ia]で表されることが望ましい。
【0011】
【化13】
【0012】・・・・[Ia] [式[Ia]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
=CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である。]
【0013】
【化14】
【0014】・・・・[IIa] [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
a]の場合と同じ意味である。] この内でも、上記式[Ia]および式[IIa]におい
て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望
ましい。
【0015】本発明の別の好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記
式[Ib]で表され、上記[B](iii)非共役トリエン
またはテトラエンから誘導される構成単位が下記式[I
Ib]で表されることが望ましい。
【0016】
【化15】
【0017】・・・・[Ib] [式[Ib]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7は水素原子または
炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1〜5
のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素数1〜5の
アルキル基または−(CH2n−CR10=CR1112
表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10,
11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R12は炭素数1〜5のアルキル基である)であ
る。]
【0018】
【化16】
【0019】・・・・[IIb] [式[IIb]中、f、g、R1〜R9は式[Ib]の場
合と同じ意味である。] より好ましくは、上記[A](iii)非共役テトラエンが
下記式[Ib']で表され、上記[B](iii)非共役テト
ラエンから誘導される構成単位が下記式[IIb']で
表されることが望ましい。
【0020】
【化17】
【0021】・・・・[Ib'] [式[Ib']中、fは0〜5の整数であり、gは1〜
6の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数
1〜5のアルキル基であり、nは1〜5の整数であり、
10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基である。]
【0022】
【化18】
【0023】・・・・[IIb'] [式[IIb']中、f、g、R1、R2、R5〜R8
n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じである。] 本発明のさらに好ましい態様においては、上記式[I
b]、式[IIb]、式[Ib']および式[IIb']
において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であること
が望ましい。
【0024】その内でも、上記[A](iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンが下記式[Ic]で表され、上記
[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導
される構成単位が下記式[IIc]で表されることが望
ましい。
【0025】
【化19】
【0026】・・・・[Ic] [式[Ic]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子ま
たは炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1
〜5のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基である。]
【0027】
【化20】
【0028】・・・・[IIc] [式[IIc]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、式
[Ic]の場合と同じ意味である。] 本発明おいては、上記式[Ic]および式[IIc]中
のR1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望まし
い。
【0029】本発明の特に好ましい態様においては、上
記[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエン中の全
ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子に直接結合
した水素原子の総数が、9〜33個、さらには12〜3
3個、特に14〜33個であることが望ましい。
【0030】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体の製造方法は、(i) プロピレンと、(ii)エチレンまた
は炭素数4〜20のα−オレフィンと、(iii)1分子中
に1個のビニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状ま
たは分岐鎖状非共役トリエンまたはテトラエンとを、遷
移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および/また
はイオン化イオン性化合物とから形成される触媒の存在
下に共重合させて、 [A](i) プロピレンと、(ii)エチレンまたは炭素数4
〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビ
ニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖
状非共役トリエンまたはテトラエンとのランダム共重合
体であり、 [B](i) プロピレンから誘導される構成単位が70モ
ル%を越えて99.9モル%以下であり、(ii)エチレン
または炭素数4〜20のα−オレフィンから誘導される
構成単位が0モル%以上で30モル%未満であり、かつ
(iii)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
れる構成単位が0.1モル%以上で30モル%未満であ
り、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.05〜10dl/gである不飽和性プロピレン系共
重合体を製造することを特徴としている。
【0031】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非
共役トリエンまたはテトラエンが、ビニル基に隣接した
炭素原子に1個のビニル基以外の直鎖状または分岐鎖状
炭化水素基と、2個の水素原子が結合したものであり、
上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
誘導される構成単位が、ポリマー主鎖中の炭素原子に隣
接した炭素原子に、1個の直鎖状または分岐鎖状炭化水
素基と、2個の水素原子とが結合したものであることが
望ましい。
【0032】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体のさらに好ましい製造方法においては、上記[A](i
ii)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式[H−
1]で表され、上記[B](iii)非共役トリエンまたは
テトラエンから誘導される構成単位が上記式[H−2]
で表されることが望ましい。
【0033】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体のより好ましい製造方法の1つにおいては、上記
[A](iii)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式
[Ia]で表され、上記[B](iii)非共役トリエンま
たはテトラエンから誘導される構成単位が上記式[II
a]で表されることが望ましく、さらには、上記式[I
a]および式[IIa]において、R1,R2,R5,R6
が全て水素原子であることが望ましい。
【0034】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体の別のより好ましい製造方法においては、上記[A]
(iii)非共役トリエンまたはテトラエンが上記式[I
b]で表され、上記[B](iii)非共役トリエンまたは
テトラエンから誘導される構成単位が上記式[IIb]
で表されることが望ましく、さらには、上記[A](ii
i)非共役テトラエンが上記式[Ib']で表され、上記
[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成単
位が上記式[IIb']で表されることが望ましく、特
に、上記式[Ib]、式[IIb]、式[Ib']およ
び式[IIb']において、R1,R2,R5,R6が全て水素
原子であることが望ましい。
【0035】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非
共役トリエンまたはテトラエンが上記式[Ic]で表さ
れ、上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエン
から誘導される構成単位が上記式[IIc]で表される
ことが望ましく、さらには、上記式[Ic]および式
[IIc]において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子
であることが望ましい。
【0036】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体の好ましい製造方法においては、上記[A](iii)非
共役トリエンまたはテトラエン中の全ての炭素−炭素二
重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の総
数が、9〜33個、さらには12〜33個、特に14〜
33個であることが望ましい。
【0037】上記のような本発明に係る不飽和性プロピ
レン系共重合体は、化学反応性に富み、グラフト変性が
容易で、しかも接着性、塗装性および印刷性などに優れ
ている。
【0038】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る不飽和性プロ
ピレン系共重合体およびその製造方法について具体的に
説明する。[不飽和性プロピレン系共重合体] 本発明に係る不飽和
性プロピレン系共重合体は、 [A](i) プロピレンと、(ii)エチレンまたは炭素数4
〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビ
ニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖
状非共役トリエンまたはテトラエン(トリエンとテトラ
エンとを併せて「ポリエン」とも言う)と、のランダム
共重合体である。
【0039】このような(ii)炭素数4〜20のα−オレ
フィンとしては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、
1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテ
ン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メ
チル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-
ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどが挙げられる。(ii)のα-オレフィンとして
は、好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテンが用いられる。これらのα-オレフィン
は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0040】本発明においては、上記[A](iii) 非共
役トリエンまたはテトラエンは、炭化水素化合物であ
る。この炭化水素化合物1個当たりの総炭素数(2種以
上の炭化水素化合物の場合にはその平均炭素数で示す)
は、通常特に限定されないが、好ましくは9〜30個、
さらに好ましくは10〜25個、特に好ましくは10〜
22個であることが望ましい。炭素数がこれらの範囲に
ある化合物は、精製などの取扱いが容易であるので有利
である。なお、「トリエン」とは、1分子中に3個の炭
素−炭素二重結合(C=C)を有する化合物を意味し、
また「テトラエン」とは1分子中に4個の炭素−炭素二
重結合を有する化合物(炭化水素化合物)を意味する。
この炭素−炭素二重結合には、当然、ビニル基(CH2
=CH−)の炭素−炭素二重結合も含まれる。
【0041】この[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンは、1個の分子中にただ1個のビニル基(CH
2=CH−)を有している。本発明におけるこの[A]
(iii)非共役トリエンまたはテトラエンには、ビニル基
を含めて3個(トリエンの場合)あるいは4個(テトラ
エンの場合)の炭素−炭素二重結合(C=C)が含まれ
ているが、この非共役トリエンまたはテトラエン1分子
中に含まれる全ての炭素−炭素二重結合に隣接した炭素
原子に直接結合している水素原子の総数は、通常特に限
定されないが、好ましくは9〜33個、好ましくは12
〜33個、さらに好ましくは14〜33個であることが
望ましい。水素原子の総数がこのような範囲にあると、
グラフト変性が容易で、しかも接着性、塗装性および印
刷性などに優れた共重合体が得られるので好ましい。
【0042】本発明においては、このような非共役トリ
エンまたはテトラエンの内でも、該非共役トリエンまた
はテトラエン中のビニル基にはメチレン基(−CH
2−)が隣接しているものであることが好ましい。な
お、この水素原子数は、用いられる非共役トリエンまた
はテトラエンが2種以上の場合にはこれらの水素原子数
の平均で示す。
【0043】ここで、この「水素原子数の数え方」につ
いて、さらに具体的に詳説すると、下記化合物では、炭
素−炭素二重結合は、1−2炭素(:ビニル基のも
の)、4−5炭素、12−14炭素、16−17炭素に
存在し、炭素−炭素二重結合に隣接する炭素は、付番
3、6、7、11、13、15、18となる(付番8、
9、10、19の炭素はこれに含まれない)。従って炭
素−炭素二重結合に隣接する炭素に結合している水素原
子数の合計は、付番:3番に2個、6番に3個、7番に
2個、11番に2個、13番に3個、15番に2個、1
8番に2個であるから、16個となる。
【0044】
【化21】
【0045】また、下記の化合物(5-エチリデン−2
−ノルボルネン)を例に採って説明すると、この化合物
では、下記式に示すように炭素−炭素二重結合は、2−
3炭素と、5−8炭素に存在し、炭素−炭素二重結合に
隣接する炭素は、付番1、4、6、9となる(付番7の
炭素はこれに含まれない)。従って炭素−炭素二重結合
に隣接する炭素に結合している水素原子数の合計は、付
番:1番に1個、4番に1個、6番に2個、9番に3個
であるから、7個となる。
【0046】
【化22】
【0047】本発明では、このような直鎖状または分岐
鎖状の非共役トリエンまたはテトラエンは、少なくとも
1種以上用いられる。このような(iii)非共役トリエン
またはテトラエンは、好ましくは下記式[H−1]で表
される。
【0048】
【化23】
【0049】・・・・[H−1] [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
(但しpとqが1の場合fは0でない)、gは1〜6の
整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭
素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素
数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数で
あり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアル
キル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である。ただし、pとqとが共に1の場合、R9
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。] このような式[H−1]で表される非共役トリエンまた
はテトラエンの内で、好ましくは下記式[Ia]および
式[Ib]で表される非共役トリエンまたはテトラエン
(非共役ポリエンともいう)などが挙げられる。また、
非共役ポリエン[Ib]の内では、式[Ib']の非共
役テトラエンおよび式[Ic]の非共役トリエンがより
好ましい。
【0050】以下、これらの好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンについて順次詳細に説明する。非共役トリエンまたはテトラエン[Ia] 上記の化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役ト
リエンまたはテトラエンは、下記式[Ia]で表される
直鎖状トリエンまたはテトラエン(直鎖状ポリエンとも
いう)である。
【0051】
【化24】
【0052】・・・・[Ia] すなわちこの非共役トリエンまたはテトラエン[Ia]
は、前記式[H−1]において、pが0であり、qが1
であり、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、その他は上記[H−1]と同様である。
【0053】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ia]の内で、上記R1,R2,R3,R4,R5,R6は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水
素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好
ましくはR1,R2,R5,R6は水素原子であることが望ま
しい。
【0054】しかもR7は水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基であることが望ましい。しかもR8は炭素
数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基であることが望
ましい。
【0055】さらにR9は水素原子、炭素数1〜5のア
ルキル基(好ましくは1〜3のアルキル基)または −
(CH2n−CR10=CR1112で表される基[ここ
で、nは1〜5好ましくは1〜3の整数であり、R10
11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ま
しくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であ
り、R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基
である]であることが望ましい。
【0056】上記式[Ia]において、炭素数1〜5の
アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基などが挙げ
られる。
【0057】このような(iii) 直鎖状トリエンまたはテ
トラエンとしては、具体的に下記のような化合物が挙げ
られ、好ましくは、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリ
エン(DMUT)、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMD
T)、および化合物番号(9)、(13)、(30)、
(50)が用いられる。
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。上記(iii)直鎖状トリエンまたはテ
トラエンは、例えば、従来公知の方法によって調製する
ことができる。
【0070】例えば、ビニル基含有ハロゲン化物(例:
ハロゲン化アリル、ハロゲン化ビニル)と金属Mgとを
反応させてグリニヤール試薬(アリル−MgXまたはビ
ニル−MgX)を調製する。次いで、このグリニヤール
試薬と、非共役二重結合含有直鎖状炭化水素のハロゲン
化物(例:ハロゲン化ゲラニル)とを反応させると遊離
基反応により、上記のような(iii)直鎖状ポリエンを製
造することができる。非共役トリエンまたはテトラエン[Ib] 上記化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンは、下記式[Ib]で表される分
岐鎖状トリエンまたはテトラエン(分岐鎖状ポリエンと
もいう)である。
【0071】
【化36】
【0072】・・・・[Ib] すなわちこの非共役トリエンまたはテトラエン[Ib]
は、前記式[H−1]において、pが1であり、qが0
であり、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、その他は上記式[H−1]と同様である。
【0073】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内で、上記R1,R2,R5,R6,R7は水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原
子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好まし
くはR1,R2,R5,R6は全て水素原子であることが望ま
しい。
【0074】しかもR8は炭素数1〜5好ましくは1〜
3のアルキル基であることが望ましい。しかもR9は水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基(好ましくは1〜3
のアルキル基)、または−(CH2n−CR10=CR11
12で表される基[ここで、nは1〜5好ましくは1〜
3の整数であり、R10は水素原子または炭素数1〜5好
ましくは1〜3のアルキル基であり、R11は水素原子ま
たは炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基である
ことが望ましい。
【0075】R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のア
ルキル基である]であることが望ましい。これらのうち
でR9としては、最も好ましくは上記炭素数のアルキル
基であることが望ましい。
【0076】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内でも、式[Ic]で表される非共役トリ
エンまたは式[Ib']で表される非共役テトラエンが
好ましく用いられ、特にそのうち、R1,R2,R5,R6
が共に水素原子である式[Ib]のもの、すなわち下記
式[Ib−1]で表される非共役トリエン(分岐鎖状ト
リエン)または非共役テトラエン[Ib’](分岐鎖状
テトラエン)が好ましく用いられ、さらに好ましくは、
下記式[Ib−1]で示される非共役トリエンが望まし
く用いられる。
【0077】
【化37】
【0078】・・・・[Ib−1] [式[Ib−1]中、f、g、R7、R8はいずれも上記
式[Ib]の場合と同じであり、R9が水素原子または
炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基のもので
ある。これらのf、g、R7、R8の内で好ましいものも
上記[Ib]と同じである。] このような(iii)分岐鎖状ポリエン[Ib−1]として
は、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化
合物が挙げられ、好ましくは、(5)、(6)、
(9)、(11)、(14)、(19)、(20)が用
いられる。 (1):4-エチリデン-1,6-オクタジエン、 (2):7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、 (3):7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、 (4):7-エチル--4-エチリデン-1,6-ノナジエン、 (5):6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエ
ン、 (6):6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、 (7):4-エチリデン-1,6-デカジエン、 (8):7-メチル-4-エチリデン-1,6-デカジエン、 (9):7-メチル-6-プロピル-4-エチリデン-1,6-オク
タジエン、 (10):4-エチリデン-1,7-ノナジエン、 (11):8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン(E
MN)、 (12):4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、 (13):8-メチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエ
ン、 (14):7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエ
ン、 (15):7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-デカジエ
ン、 (16):7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジ
エン、 (17):8-メチル-7-エチル-4-エチリデン-1,7-ウン
デカジエン、 (18):7,8-ジエチル-4-エチリデン-1,7-デカジエ
ン、 (19):9-メチル-4-エチリデン-1,8-デカジエン、 (20):8,9-ジメチル-4-エチリデン-1,8-デカジエ
ン、 (21):10-メチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカジエ
ン、 (22):9,10-ジメチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカ
ジエン、 (23):11-メチル-4-エチリデン-1,10-ドデカジエ
ン、 (24):10,11-ジメチル-4-エチリデン-1,10-ドデカ
ジエン。
【0079】上記化合物(1)〜(24)の化学式をま
とめて以下に示す。
【0080】
【化38】
【0081】
【化39】
【0082】
【化40】
【0083】
【化41】
【0084】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。本発明で用いられる上記した分岐鎖
状トリエンまたはテトラエン[Ib−1]は、トランス
体およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単
独またはシス体単独であってもよい。
【0085】上記(iii)分岐鎖状トリエン[Ib]は、
本願出願人の出願に係る特願平6-154952号明細
書に記載の方法によって調製することができる。すなわ
ち、例えば下記[I-a]で示される共役ジエンを有する
化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アル
ミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させること
により製造することができる。
【0086】
【化42】
【0087】・・・・[I-a] (式[I-a]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
の整数であり、R9は炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R7およびR8はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数1〜5のアルキル基である。)。
【0088】このような式[Ib−1]で示される分岐
鎖状ポリエンの詳細な調製法については後述する。(ii
i)非共役ポリエン[Ib]の内で、さらに好ましいもの
は、下記式[Ib’]で表される。
【0089】
【化43】
【0090】・・・・[Ib’] [式[Ib’]中において、f、g、n、R1、R2、R
5〜R8およびR10〜R12は前記[Ib]の場合と同様で
あり、好ましいものも前記[Ib]と同様である。] すなわち、この非共役テトラエン(分岐鎖状テトラエ
ン)は、前記式[Ib]において、特に、R9が前記
「−(CH2n−CR10=CR1112」で表される化合
物(ここで、n、R10、R11、R12は前記[Ib]の場
合と同様である)である。
【0091】このような式[Ib’]で表される非共役
テトラエン[Ib’]としては、具体的には、例えば下
記付番(1)〜(73)に示すようなものが挙げられ、
好ましくは、4-エチリデン-8,12-ジメチル-1,
7,11-トリデカトリエン(EDT、化合物番号3
0)が用いられる。
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
【化47】
【0096】
【化48】
【0097】
【化49】
【0098】
【化50】
【0099】
【化51】
【0100】
【化52】
【0101】
【化53】
【0102】
【化54】
【0103】
【化55】
【0104】
【化56】
【0105】
【化57】
【0106】
【化58】
【0107】
【化59】
【0108】
【化60】
【0109】本発明においては、このような非共役ポリ
エンを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
き、例えば、分岐鎖状の非共役トリエン[Ic]、好ま
しくは[Ib−1]と、分岐鎖状の非共役テトラエン
[Ib’]とを組み合わせて用いてもよく、前記直鎖状
の非共役トリエンまたはテトラエン[Ia]と、分岐鎖
状ポリエン[Ib]とを組み合わせて用いてもよい。
【0110】このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
の構造は、質量分析、赤外線吸収スペクトル、プロトン
NMRスペクトル等を測定することにより決定すること
ができる。このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
は、通常、立体異性構造(トランス体とシス体)を有す
る。本発明においては、上記立体異性体の混合物であっ
てもよく、また、いずれかの幾何異性体単独であっても
よい。
【0111】このような分岐鎖状テトラエン[Ib’]
の合成法については、前記[Ib−1]の場合と同様で
あり、後述する。本発明に係る不飽和性プロピレン系共
重合体は、上記のような(i) プロピレン、(ii)他のα−
オレフィンおよび(iii) 非共役トリエンまたはテトラエ
ン(ポリエンともいう)の単量体から誘導される構成単
位が、それぞれランダムに配列して結合し、(iii)非共
役トリエンまたはテトラエン(ポリエン)に起因する分
岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造と
なっている。この共重合体が実質的に線状構造を有して
おり実質的にゲル状架橋重合体を含有しないことは、該
共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まな
いことにより確認することができる。たとえば極限粘度
[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デカリ
ンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0112】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体は、上記(i) プロピレンから誘導される構成単位を、
70モル%を越えて99.9モル%以下、好ましくは7
2〜99.0モル%、さらに好ましくは75〜98.0モ
ル%の量で、(ii)エチレンまたは炭素数4〜20のα−
オレフィンから誘導される構成単位を、0モル%以上で
30モル%未満、好ましくは0〜28モル%、さらに好
ましくは0〜25モル%の量で、また(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエン(非共役ポリエン)から誘導され
る構成単位を0.1モル%以上で30モル%未満、好ま
しくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.2〜1
0モル%の量で含有している。(iii)非共役ポリエン
成分がこのような範囲にあると、化学反応性に富み、グ
ラフト変性が容易で、しかも接着性、塗装性、印刷性、
帯電防止性に優れた不飽和性プロピレン系共重合体樹脂
が得られるので好ましい。
【0113】このような本発明に係る不飽和性プロピレ
ン系共重合体において[A](iii)非共役トリエンまた
はテトラエンが前記式[H−1]で表される場合には、
不飽和性プロピレン系共重合体中においては[B](ii
i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
単位は、実質的に下記式[H−2]で表される構造を有
している。
【0114】
【化61】
【0115】・・・・[H−2] [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
式[H−1]の場合と同じ意味である。] 特に、このような[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンが前記式[Ia]で表される場合には、不飽和
性プロピレン系共重合体中においては[B](iii)非共
役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位
は、実質的に下記式[IIa]で表される構造を有して
いる。
【0116】
【化62】
【0117】・・・・[IIa] [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
a]の場合と同じ意味である。] また、このような[A](iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンが前記式[Ib]で表される場合には、不飽和
性プロピレン系共重合体中においては[B](iii)非共
役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位
は、実質的に下記式[IIb]で表される構造を有して
いる。
【0118】
【化63】
【0119】・・・・[IIb] [式[IIb]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、上
記式[Ib]の場合と同じ意味である。] なお非共役トリエンまたはテトラエン(非共役ポリエ
ン)から誘導される構成単位が上記各構造を有している
ことは、その共重合体の13C−NMRスペクトルを測定
することによって確認することができる。
【0120】本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.05〜10dl/g、好ましくは0.1〜7dl/
g、さらに好ましくは0.2〜5dl/gである。
【0121】上記のような本発明に係る不飽和性プロピ
レン系共重合体は、化学反応性に富んで、グラフト変性
が容易となり、接着性、塗装性、印刷性に優れる。この
ような不飽和性プロピレン系共重合体は、樹脂改質剤と
して用いることができる。具体的には、本発明に係る不
飽和性プロピレン系共重合体を樹脂改質剤として、たと
えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリ
スチレンなどに添加すると、グラフト変性が容易とな
り、接着性、塗装性、印刷性などが飛躍的に向上する。
【0122】[不飽和性プロピレン系共重合体の製造
上記のような本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合
体は、(i) プロピレンと、(ii)エチレンまたは炭素数4
〜20のα−オレフィンと、(iii) 上記非共役トリエン
またはテトラエン{好ましくは上記式[H−1]さらに
好ましくは[Ia]、[Ib]、より好ましくは[I
a]、[Ib−1]、または[Ib’]で表される、非
共役トリエンまたはテトラエン}とを、触媒の存在下に
共重合させて得られる。
【0123】このような触媒としては、[a]ジルコニ
ウム(Zr)、チタニウム(Ti)などの遷移金属化合
物と、[b]有機アルミニウム化合物(有機アルミニウ
ムオキシ化合物)および/またはイオン化イオン性化合
物とからなる触媒などが使用できる。具体的には、[a-
1]固体状チタン触媒成分と、[b-1]有機アルミニウム
化合物とからなるチタン系触媒、[a-2]周期律表第IV
B族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、[b-
2]有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物とからなるメタロセン系触媒、が特
に好ましく用いられる。
【0124】本発明で用いられる固体チタン触媒成分
[a-1]は、下記のようなマグネシウム化合物、チタン
化合物、および電子供与体を接触させることにより調製
される。本発明において、固体チタン触媒成分[a-1]
の調製に用いられるチタン化合物としては、たとえばT
i(OR)g4-g(Rは炭化水素基、Xはハロゲン原
子、0≦g≦4)で示される4価のチタン化合物を挙げ
ることができる。これらの中で、ハロゲン含有チタン化
合物、特にテトラハロゲン化チタンが好ましい。中で
も、四塩化チタンが特に好ましく用いられる。
【0125】また、本発明では、3価のチタン化合物、
4価のチタン化合物が用いられるが、特に4価のチタン
化合物が好ましい。本発明において、固体チタン触媒成
分[a-1]の調製に用いられるマグネシウム化合物とし
ては、還元性を有するマグネシウム化合物および還元性
を有しないマグネシウム化合物を挙げることができる。
【0126】ここで還元性を有するマグネシウム化合物
としては、たとえばマグネシウム・炭素結合あるいはマ
グネシウム・水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。これら還元性を有しないマグネシウ
ム化合物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合
物から誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導
した化合物であってもよい。
【0127】なお本発明において、マグネシウム化合物
は上記の還元性を有するマグネシウム化合物および還元
性を有しないマグネシウム化合物の他に、上記のマグネ
シウム化合物と他の金属との錯化合物、複化合物あるい
は他の金属化合物との混合物であってもよい。さらに上
記の化合物を2種以上組み合わせた混合物であってもよ
い。
【0128】本発明においては、これらの中でも、還元
性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、特に好ま
しくはハロゲン含有マグネシウム化合物であり、さら
に、これらの中でも塩化マグネシウム、アルコキシ塩化
マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムが好ましく
用いられる。
【0129】本発明において、固体チタン触媒成分[a-
1]の調製に用いられる電子供与体としては、有機カル
ボン酸エステル、多価カルボン酸エステルなどが挙げら
れる。固体チタン触媒成分[a-1]は、上記したような
マグネシウム化合物(もしくは金属マグネシウム)、電
子供与体およびチタン化合物を接触させることにより製
造することができる。固体チタン触媒成分[a-1]を製
造するには、マグネシウム化合物、チタン化合物、電子
供与体から高活性チタン触媒成分を調製する公知の方法
を採用することができる。なお、上記の成分は、たとえ
ばケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存
在下に接触させてもよい。
【0130】本発明で用いられる有機アルミニウム化合
物触媒成分[b-1]としては、少なくとも分子内に1個
のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。このよ
うな化合物としては、たとえば、 (i)一般式(R1mAl(O(R2))npq (式中、R1およびR2は炭素原子を通常1〜15個、好
ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互い
に同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表わ
し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<
3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかも、m+
n+p+q=3である)で表わされる有機アルミニウム
化合物、 (ii)一般式(M1)Al(R14 (式中、M1はLi、Na、Kであり、R1は前記(i)
におけるR1と同じ)で表わされる第I属金属とアルミ
ニウムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
【0131】また電子供与体として、下記のような一般
式[II]で示される有機ケイ素化合物を用いることも
できる。 Rn Si(OR’)4-n ・・・[1] (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、nは0<n
<4を満たす数である。)
【0132】さらに電子供与体触媒成分として、下記の
ような一般式[2]で示される有機ケイ素化合物を用い
ることもできる。 SiR1 2 m (OR3 3-m ・・・[2] (式中、R1 はシクロペンチル基もしくはアルキル基を
有するシクロペンチル基であり、R2 はアルキル基、シ
クロペンチル基およびアルキル基を有するシクロペンチ
ル基からなる群より選ばれる基であり、R3 は炭化水素
基であり、mは0≦m≦2を満たす数である。) 上記式[2]において、R1 はシクロペンチル基もしく
はアルキル基を有するシクロペンチル基であり、シクロ
ペンチル基以外には、たとえば、2- メチルシクロペン
チル基、3- メチルシクロペンチル基、2- エチルシク
ロペンチル基、2,3- ジメチルシクロペンチル基など
のアルキル基を有するシクロペンチル基を挙げることが
できる。
【0133】本発明で用いられるチタン系触媒は、固体
チタン触媒成分[a-1]と、有機アルミニウム化合物触
媒成分[b-1]と、必要に応じて電子供与体触媒成分と
から形成されるが、これら触媒成分にはα-オレフィン
が予備重合されていてもよい。予備重合の際、オレフィ
ン重合用触媒1g当り、0.1〜500g、好ましくは
0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの量で
α- オレフィンあるいは高級α- オレフィンを予備重合
させる。
【0134】予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフ
ィンあるいは高級α- オレフィンおよび上記の触媒成分
を加え、温和な条件下に行うことが好ましい。予備重合
で使用される高級α- オレフィンは、後述する本重合で
使用される高級α- オレフィンと同一であっても、異な
ってもよい。
【0135】次に本発明で用いられるメタロセン系触媒
を形成する[a-2]メタロセン化合物と[b-2]有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
からなる触媒について説明する。メタロセン系触媒を形
成する[a-2]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属
のメタロセン化合物は、具体的には、次式[V]で表さ
れる。
【0136】MLx …[V] 式[V]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニ
ウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0137】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0138】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペン
タジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、
メチルベンジルシクロペンタジエニル基などのアルキル
またはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基、さ
らにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル
基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、
ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されて
いてもよい。
【0139】式[V]で示される化合物が配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0140】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
3a )、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra
はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換
されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0141】炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリー
ル基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が
挙げられる。
【0142】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基などが挙げられる。ア
リーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、
スルホン酸含有基(−SO3a )としては、メタンス
ルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメ
タンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基など
が挙げられる。
【0143】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表されるメタロセン
化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、
より具体的には下記式[VI]で表される。
【0144】R2 k3 l4 m5 nM …[VI] 式[VI]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基または上記一般式[V]中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様であ
る。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。
【0145】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2
個含むメタロセン化合物を例示する。ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドなど。
【0146】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式
[VI]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少な
くとも2個、例えばR2およびR3 がシクロペンタジエ
ニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも
2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン
基または置換シリレン基などを介して結合されているブ
リッジタイプのメタロセン化合物を例示することもでき
る。このときR4 およびR5 はそれぞれ独立に式[V]
中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLと同様である。
【0147】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
シリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなどが挙げられる。
【0148】さらに、下記式[A]で示される特開平4
-268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げ
られる。
【0149】
【化64】
【0150】・・・・[A] [式[A]中、M1は周期律表の第IVB族の金属であ
り、具体的には、例えば、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムを挙げることができる。
【0151】R1およびR2は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10好ましくは
1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10好ましくは1
〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10好ましくは6
〜8のアリール基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜
8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10好ましくは
2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40好ましくは
7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40好
ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8
〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たはハロゲン原子好ましくは塩素原子である。
【0152】R3およびR4は、互いに同じでも異なって
いても良く、水素原子、ハロゲン原子好ましくは弗素原
子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルキル
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、−NR10 2、−SR10、−OSiR10 3、−SiR10
3または−PR10 2基であり、その際R10はハロゲン原子
好ましくは塩素原子、または、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10
好ましくは6〜8のアリール基である。
【0153】R3およびR4は特に水素原子であることが
好ましい。R5およびR6は互いに同じでも異なっていて
もよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は水素原
子でないという条件のもとでR3およびR4について記載
した意味を有する。R5およびR6は、好ましくはハロゲ
ン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはト
リフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好まし
い。R7は、下記:
【0154】
【化65】
【0155】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR11、=
CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際R
11、R12およびR13は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10好ましく
は1〜4のアルキル基さらに好ましくはメチル基、炭素
原子数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基好ましく
はペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜4のアルコキシ基特に好ましくはメトキシ
基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル
基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリール
アルキル基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12の
アリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基であり、また「R
11とR12」または「R11とR13」とは、それぞれそれら
が結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0156】M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムである。R7は、=CR
1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−
S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であるこ
とが好ましい。
【0157】R8およびR9は互いに同じであっても異な
っていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有
する。mおよびnは互いに同じであっても異なっていて
もよく、0、1または2、好ましくは0または1であ
り、m+nは0、1または2、好ましくは0または1で
ある。このような化合物の内でも、下記の化合物があ
る。
【0158】rac-エチレン(2-メチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシ
リレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジ
クロライド。このようなメタロセンの製造方法について
は、従来より公知の方法にて製造することができる
(例:特開平4-268307号公報参照)。
【0159】本発明では、下記式[B]で示される遷移
金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもでき
る。
【0160】
【化66】
【0161】・・・・[B]
【0162】式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移
金属原子を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウムである。R1 およびR2 は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化
水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ
素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基また
はリン含有基を示し、具体的には、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、
ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマ
ンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロ
ヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエ
チル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フ
ェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、
ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナン
トリルなどのアリール基などの炭素数1から20の炭化
水素基;前記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロ
ゲン化炭化水素基;メチルシリル、フェニルシリルなど
のモノ炭化水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェニ
ルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシク
ロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェ
ニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリ
ル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリ
ル、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリ
ルのシリルエーテル、トリメチルシリルメチルなどのケ
イ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどの
ケイ素置換アリール基、などのケイ素含有基;ヒドロオ
キシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
どのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロ−キシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールア
ルコキシ基などの酸素含有基;前記酸素含有基の酸素が
イオウに置換した置換基などのイオウ含有基;アミノ
基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などの窒素含有基;ジメチルフォ
スフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ
基などのリン含有基である。
【0163】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチ
ル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であ
ることが好ましい。
【0164】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示
し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5
5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合して
いる炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成し
ていてもよい。
【0165】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0166】ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具
体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なく
とも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含
む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなもの
が挙げられる。
【0167】
【化67】
【0168】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0169】
【化68】
【0170】・・・・[C]
【0171】式[C]中、M、R1、R2、 R3
4 、R5 およびR6としては、前記式[B]の場合と
同様なものが挙げられる。R3 、R4 、R5 およびR6
のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であること
が好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル
基であることが好ましい。このアルキル基は、2級また
は3級アルキル基であることが好ましい。また、このア
ルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されて
いてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R
1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0172】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブ
チル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
の鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル、フ
ェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどの
アリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結
合を含んでいてもよい。
【0173】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。X1 、X2、YおよびR7としては、前記式[B]の
場合と同様のものが挙げられる。
【0174】以下に上記式[C]で示されるメタロセン
化合物(遷移金属化合物)の具体的な例を示す。rac-ジ
メチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,
4,7-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0175】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0176】本発明では、また式[C]で示される遷移
金属化合物(メタロセン化合物)として、他の態様には
下記のものがある。R1としては、炭化水素基であるこ
とが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル
の炭素数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。ま
た、X1、X2としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20
の炭化水素基であることが好ましい。
【0177】R3は、炭素数6〜16のアリール基を示
し、具体的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチ
ル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセ
ナフチル、フェナレニル(ペリナフテニル)、アセアン
トリレニルなどである。これらのうちフェニル、ナフチ
ルであることが好ましい。これらのアリール基は、前記
1 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換され
ていてもよい。
【0178】このような遷移金属化合物(メタロセン化
合物)の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリレン-ビ
ス(4-フェニル-1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4−フェニ
ル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリドなど。
【0179】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。ま
た本発明では、下記式[E−1]で示されるメタロセン
化合物を用いることもできる。
【0180】LaMX2 ・・・・[E−1] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケ
イ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル
基またはゲルミル基である。) このような式[E−1]で示される化合物のうちでも、
具体的に、下記式[E−2]で示される化合物が好まし
い。
【0181】
【化69】
【0182】・・・・[E−2] 式中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであ
り、Xは、上記と同様である。CpはMにπ結合してお
り、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基
である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表第IV
A族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)
であり、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位
子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0183】このような式[E−2]で示される化合物
としては、具体的に、(ジメチル(t−ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメ
チル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2−エタンジイ
ル)チタンジクロリドなどが挙げられる。
【0184】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物は、2種以上組合わせて用いることもできる。上記説
明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物に
ついて例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフ
ニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0185】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、上
記メタロセン化合物[E−1]および[E−2]として
は、中心の金属原子がチタンであるチタン化合物が好ま
しく用いられる。
【0186】これらメタロセン化合物は、炭化水素ある
いはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。また
上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体化合物と
接触させて用いることもできる。
【0187】担体化合物としては、Si O2 、Al2
3 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、TiO2 、Zn
O、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化合物、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-
メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合
体などの樹脂を用いることができる。これらの担体化合
物は、二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0188】次に本発明でメタロセン系触媒を形成する
際に用いられる[b-2]有機アルミニウムオキシ化合物お
よびイオン化イオン性化合物について説明する。本発明
で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公
知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
このような従来公知のアルミノオキサンは、具体的に
は、下記一般式で表される。
【0189】
【化70】
【0190】(上記一般式において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整
数である。) ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で
表わされるアルキルオキシアルミニウム単位および式
(OAl(R2))で表わされるアルキルオキシアルミニ
ウム単位[ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭化水
素基を例示することができ、R1 およびR2 は相異なる
基を表わす]からなる混合アルキルオキシアルミニウム
単位から形成されていてもよい。
【0191】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機
化合物成分を含有していてもよい。イオン化イオン性化
合物としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合
物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0192】ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ
素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有
していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示
される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロ
ン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0193】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。
【0194】具体的に、トリアルキル置換アンモニウム
塩としては、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0195】ジアルキルアンモニウム塩としては、たと
えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0196】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げること
もできる。
【0197】さらに、ボラン化合物としては、下記のよ
うな化合物を挙げることもできる。即ち、具体的には、
ボラン化合物としては、デカボラン(14);ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライ
ドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボラ
ンアニオンの塩などが挙げられる。
【0198】また、カルボラン化合物としては、4-カル
バノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(1
3)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッ
ケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩など
が挙げられる。
【0199】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
2種以上組合わせて用いてもよい。本発明においては、
有機アルミニウムオキシ化合物または上記イオン化イオ
ン性化合物は、上述した担体化合物に担持させて用いる
こともできる。
【0200】また触媒[b]を形成するに際しては、有
機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化
合物とともに前述した有機アルミニウム化合物を用いて
もよい。
【0201】本発明では、上記のような触媒の存在下に
(i) プロピレン、(ii)エチレンまたは炭素数4〜20の
α−オレフィンおよび(iii)上記非共役トリエンまたは
テトラエン(非共役ポリエン)を、通常液相で共重合さ
せる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プ
ロピレン等のα-オレフィンを溶媒として用いてもよ
い。
【0202】(i) プロピレンと(ii)エチレンまたは炭素
数4〜20のα−オレフィンと(iii)上記非共役ポリエ
ンとは、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で共重
合されてもよい。共重合を連続法で実施するに際して
は、上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
【0203】本発明において、[a-1]固体状チタン触媒
成分と、[b-1]有機アルミニウム化合物とからなる触媒
が用いられる場合には、固体状チタン触媒成分は、重合
容積1リットル当たり、チタン原子に換算して、通常は
約0.001〜約1.0ミリモル、好ましくは約0.00
5〜0.5ミリモルの量で用いられる。また、有機アル
ミニウム触媒成分は、固体状チタン触媒成分中のチタン
原子1モルに対し、有機アルミニウム化合物触媒成分中
の金属原子は、通常約10〜500モル、好ましくは約
20〜200モルとなるような量で用いられる。さら
に、電子供与体触媒成分は、必要により有機アルミニウ
ム化合物触媒成分中の金属原子1モル当たり、通常は約
0.001〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、特
に好ましくは0.05〜1モルとなるような量で用いら
れる。
【0204】また[a-2]メタロセン化合物と[b-2]有機
アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合
物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物ともい
う。)とからなる触媒[b]が用いられる場合には、重
合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.000
05〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好まし
くは0.0001〜0.05ミリモル/リットルであ
る。また有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内の
遷移金属であるメタロセン化合物に対するアルミニウム
原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、
好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0205】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。また有機アルミニウム化合物が用いられる場合
には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度
積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるよ
うな量で用いられる。
【0206】本発明において、(i) プロピレンと(ii)エ
チレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと(ii
i)上記非共役ポリエンとを固体状チタン触媒と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在下に共重
合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−20
℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好ま
しくは0℃〜100℃で、圧力が0を越えて〜50kg/
cm2、好ましくは0を越えて〜30kg/cm2の条件下に行
われる。
【0207】本発明において、(i) プロピレンと(ii)エ
チレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィンと(iii)
上記非共役ポリエンとをメタロセン系触媒の存在下に共
重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−2
0℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好
ましくは0℃〜100℃で、圧力が0を超えて〜50Kg
/cm2 、好ましくは0を超えて〜30Kg/cm2 の条件下
に行われる。
【0208】[不飽和性プロピレン系共重合体のグラフ
ト変性物]本発明に係る不飽和性プロピレン系共重合体
は、該不飽和性プロピレン系共重合体に極性モノマーを
グラフト重合させることにより、変性して用いることが
できる。
【0209】本発明のグラフト変性された不飽和性プロ
ピレン系共重合体(グラフト変性不飽和性プロピレン系
共重合体ともいう)は、ラジカル開始剤の存在下あるい
は不存在下に、上記のような不飽和性プロピレン系共重
合体と、後述するような極性モノマーとを反応させるこ
とにより得ることができる。
【0210】極性モノマーとしては、水酸基含有エチレ
ン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合
物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビ
ニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビ
ニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0211】具体的には、水酸基含有エチレン性不飽和
化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタン
モノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキ
シ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オー
ル、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メ
タ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、
グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、ア
リロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセ
リンモノアルコールなどが挙げられる。
【0212】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物は、
エチレン性二重結合とアミノ基を有する化合物であり、
このような化合物としては、次式で表わされるアミノ基
または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系
単量体を挙げることができる。
【0213】
【化71】
【0214】式中、R1は水素原子、メチル基またはエ
チル基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜12、好
ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、
好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記
のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有
してもよい。
【0215】このようなアミノ基含有エチレン性不飽和
化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル
およびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどの
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘
導体類;N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニ
ルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリルアミ
ン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-
ジメチルアクリルアミン、およびN,N-ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミンなどのアリルアミン系誘導体;ア
クリルアミドおよびN-メチルアクリルアミドなどのアク
リルアミド系誘導体;p-アミノスチレンなどのアミノス
チレン類;6-アミノヘキシルコハク酸イミド、2-アミノ
エチルコハク酸イミドなどが用いられる。
【0216】エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物
は、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基
を少なくとも1個以上有するモノマーであり、このよう
なエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具
体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、
クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イ
タコン酸のモノおよびグリシジルエステル、ブテントリ
カルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラ
コン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、
エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メチ
ル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノお
よびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよ
びジグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよび
ジアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステ
ルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p-スチレン
カルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリ
シジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、
スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテ
ン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1
-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-
エポキシ-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキ
シドなどを例示することができる。
【0217】芳香族ビニル化合物としては、下記式で表
わされる化合物が挙げられる。
【0218】
【化72】
【0219】上記式において、R1およびR2は、それぞ
れ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基およびイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、R3は炭素原子数1〜3の炭化水素基またはハロゲ
ン原子を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基およびイソプロピル基並びに塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などを挙げることができる。また、
nは通常は0〜5、好ましくは1〜5の整数を表す。
【0220】このような芳香族ビニル化合物の具体的な
例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-ク
ロロスチレン、m-クロロスチレンおよびp-クロロメチル
スチレンが挙げられる。複素環芳香族ビニル化合物も使
用することができ、たとえば4-ビニルピリジン、2-ビニ
ルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジン、2-メチル-5-
ビニルピリジン、2-イソプロペニルピリジン、2-ビニル
キノリン、3-ビニルイソキノリン、N-ビニルカルバゾー
ル、N-ビニルピロリドンなどを挙げることができる。
【0221】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフ
タル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘
導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルな
ど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化
マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン
酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン
酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-
ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノ
エチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げる
ことができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、
無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。
【0222】ビニルエステル化合物の例としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、サ
リチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなど
を挙げることができる。
【0223】上記極性モノマーは、上記不飽和性プロピ
レン系共重合体100重量部に対して、通常は、0.1
〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部の量で
使用される。
【0224】ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あ
るいはアゾ化合物などを挙げることができる。有機過酸
化物の具体的な例としては、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t
-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス
(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチル
パーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t
-ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイドおよび2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
m-トルイルパーオキサイドなどを挙げることができる。
また、アゾ化合物としてはアゾイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイソブチロニトリルなどを挙げることができ
る。
【0225】このようなラジカル開始剤は、上記不飽和
性プロピレン系共重合体100重量部に対して、一般に
は、0.001〜10重量部の量で使用されることが望
ましい。
【0226】ラジカル開始剤は、そのまま不飽和性プロ
ピレン系共重合体および極性モノマーと混合して使用す
ることもできるが、このラジカル開始剤を少量の有機溶
媒に溶解して使用することもできる。ここで使用される
有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶
媒であれば特に限定することなく使用することができ
る。このような有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン
およびキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンな
どの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのようなの脂
環族炭化水素系溶媒;クロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、トリクロルベンゼン、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素およびテトラクロルエチレンなどの塩素
化炭化水素;メタノール、エタノール、n-プロパノー
ル、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール
およびtert-ブタノールなどのアルコール系溶媒;アセ
トン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケト
ンなどのケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタ
レートなどのエステル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフ
ランおよびジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒
を挙げることができる。
【0227】また本発明において、不飽和性プロピレン
系共重合体をグラフト変性するに際して、還元性物質を
用いてもよい。還元性物質は、得られるグラフト変性不
飽和性プロピレン系共重合体におけるグラフト量を向上
させる作用を有する。
【0228】還元性物質としては、鉄(II)イオン、ク
ロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジ
ウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ンなどのほか、−SH、SO3H、−NHNH2、−CO
CH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
【0229】このような還元性物質としては、具体的に
は、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、
ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、ヒド
ラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0230】上記の還元性物質は、上記の不飽和性プロ
ピレン系共重合体100重量部に対して、通常は、0.
001〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で
使用される。
【0231】不飽和性プロピレン系共重合体のグラフト
変性は、従来公知の方法で行うことができ、例えば不飽
和性プロピレン系共重合体を有機溶媒に溶解し、次いで
極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、
70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、
0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる
ことにより行われる。
【0232】不飽和性プロピレン系共重合体をグラフト
変性する際に用いられる有機溶媒は、不飽和性プロピレ
ン系共重合体を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定す
ることなく使用することができる。
【0233】このような有機溶媒としては、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒
などが挙げられる。
【0234】また、押出機などを使用して、無溶媒で、
不飽和性プロピレン系共重合体と極性モノマーとを反応
させて、グラフト変性不飽和性プロピレン系共重合体を
製造することができる。反応温度は、通常不飽和性プロ
ピレン系共重合体の融点以上、具体的には120〜25
0℃の範囲である。このような温度条件下における反応
時間は、通常0.5〜10分間である。
【0235】このようにして調製されたグラフト変性不
飽和性プロピレン系共重合体中における極性モノマーか
ら誘導されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1
〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%の範囲内
にある。
【0236】このようにして得られた変性不飽和性プロ
ピレン系共重合体は、金属および極性樹脂との接着性に
優れる。また、該変性不飽和性プロピレン系共重合体を
極性樹脂とブレンドすることにより、その耐衝撃性、低
温耐衝撃性を改良することができる。
【0237】また変性不飽和性プロピレン系共重合体を
(変性プロピレン系ランダム共重合体)成型して得られ
た成形体では、その成形体表面への印刷性、塗装性に優
れている。また、ポリオレフィンにガラス繊維、無機化
合物などの充填剤と共に該変性不飽和性プロピレン系共
重合体(変性プロピレン系ランダム共重合体)をブレン
ドすることにより、充填剤の分散性が改良された樹脂組
成物を得ることができる。このようにすれば、充填剤を
配合する場合の利点が保持され、しかも機械強度が向上
した樹脂組成物を得ることができる。
【0238】[不飽和性プロピレン系共重合体を含む組
成物]上記のような不飽和性プロピレン系共重合体を含
有する本発明に係る組成物は、必要に応じて種々の添加
剤たとえば酸化防止剤、充填剤などを含有することがで
きる。以下に前記の分岐鎖状ポリエン[Ib](分岐鎖
状トリエンまたはテトラエン[Ib])の製造方法につ
いて詳説する。
【0239】分岐鎖状ポリエン[Ib]の製造方法 本発明で用いられる上記式[H−1]で表されるポリエ
ンの内で、p=1、q=0である分岐鎖状トリエンまた
はテトラエン[Ib]は、通常、エチレンと下記式[H
−1a]で示される共役ジエン化合物[H−1a]とを反
応させることにより合成される。
【0240】
【化73】
【0241】・・・・[H−1a] (式[H−1a]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、
前記式[H−1]の場合に同じ。) なおエチレンと上記式[H−1a]で示される共役ジエ
ン化合物との反応の際に副生することのある下記式[H
−1b]で示される鎖状ポリエンは、通常、蒸留によっ
て分離することができる。ただし、両者を分離すること
なく、重合に供することもできる。
【0242】
【化74】
【0243】・・・・[H−1b] (式[H−1b]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、
前記式[H−1a]の場合に同じ。) さらに具体的に説明すると、本発明で用いられる分岐鎖
状ポリエン[Ib]は、例えば、下記式[I-a]で示さ
れる共役ジエンを有する化合物(以下共役ジエン化合物
[I-a]ともいう)とエチレンとを反応させることによ
り製造することができる。
【0244】
【化75】
【0245】・・・・[I-a] (式中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6の整数で
あり、R7は炭素数1〜5のアルキル基であり、R8およ
びR9はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基である。) 上記のような炭素数1〜5のアルキル基としては、メチ
ル基など前記式[Ib]の場合と同様な基が挙げられ
る。
【0246】このような式[I-a]で示される共役ジエ
ン化合物としては、具体的にたとえば、下記(1)〜
(24)に例示するような化合物が挙げられる。 (1):3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、 (2):6-メチル-3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、 (3):6-メチル-3-メチレン-1,5-オクタジエン、 (4):6-エチル-3-メチレン-1,5-オクタジエン、 (5):5,6-ジメチル-3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、 (6):5,6-ジメチル-3-メチレン-1,5-オクタジエン、 (7):3-メチレン-1,5-ノナジエン、 (8):6-メチル-3-メチレン-1,5-ノナジエン、 (9):6-メチル-5-プロピル-3-メチレン-1,5-ヘプタ
ジエン、 (10):3-メチレン-1,6-オクタジエン、 (11):7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエン、 (12):3-メチレン-1,6-デカジエン、 (13):7-メチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、 (14):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-オクタジエ
ン、 (15):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-ノナジエン、 (16):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、 (17):7-メチル-6-エチル-3-メチレン-1,6-デカジ
エン、 (18):6,7-ジエチル-3-メチレン-1,6-ノナジエン、 (19):8-メチル-3-メチレン-1,7-ノナジエン、 (20):7,8-ジメチル-3-メチレン-1,7-ノナジエン、 (21):9-メチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、 (22):8,9-ジメチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、 (23):10-メチル-3-メチレン-1,9-ウンデカジエ
ン、 (24):9,10-ジメチル-3-メチレン-1,9-ウンデカジ
エン。
【0247】上記反応によると、分岐鎖状ポリエン[I
b]は、通常、トランス体とシス体との混合物として得
られるが、一方の立体異性体が単一物として得られるこ
ともある。分岐鎖状ポリエン[Ib]の構造によって
は、蒸留によってトランス体とシス体とを分離すること
ができる。ただし、両者を分離することなく重合に供す
ることもできる。
【0248】また上記反応によれば、分岐鎖状ポリエン
とともに一般式[I-b]で示される下記のような鎖状ポ
リエン化合物も副生することがある。
【0249】
【化76】
【0250】・・・・[I-b] (式[I-b]中、f、g、R7、R8およびR9は式[I-
a]の場合に同じ。) この副生物は、通常、蒸留によって分離することができ
る。ただし、副生物を分離することなく、重合に供する
こともできる。
【0251】上記のような共役ジエン化合物[I-a]と
エチレンとの反応は、共役ジエンを有する化合物[I-
a]によっても異なるが、通常50〜200℃好ましく
70〜150℃の温度で、エチレン圧0.5〜100kg
/cm2、好ましくは1〜100kg/cm2さらに好ましくは
5〜70kg/cm2 の圧力下に、0.5〜30時間行われ
る。エチレンは、反応容器に連続して加えてもよく、ま
た、間欠的に加えてもよい。
【0252】この反応は、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気下で行ってもよい。また溶媒を使用しないで
この反応を行なうことができるが、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、トルエン、キシレンなどの不活性な炭
化水素系溶媒の共存下にこの反応を行なうこともでき
る。
【0253】この反応は、通常触媒の存在下に行なわれ
る。特にこの反応を、遷移金属化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒の存在下に行なうと、分岐鎖状
ポリエン[Ib]が効率よく得られる。
【0254】このような遷移金属化合物としては、具体
的に、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウムなどの周期律表第VIII族から
選ばれる遷移金属の塩化物、臭化物、アセチルアセトナ
ート塩、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトナ
ート塩、ジピバロイルメタン塩などが挙げられる。これ
らのうち、コバルト、鉄、ニッケル、ロジウム、パラジ
ウムの化合物(塩化物)が好ましく、特にコバルト化合
物(塩化物)が好ましく、最も好ましくは塩化コバルト
を挙げることができる。
【0255】このような遷移金属化合物(たとえば遷移
金属塩化物)は、そのままでも触媒の調製のための反応
に用いることができるが、触媒の調製に際しては、この
遷移金属化合物に有機配位子が配位した遷移金属錯体と
して用いることが好ましい。すなわちこの遷移金属化合
物とともに遷移金属の配位子となりうる有機化合物(配
位化合物)を反応系に共存させるか、あるいは予め遷移
金属化合物と上記のような配位化合物とから遷移金属錯
体を形成して、触媒調製反応に使用するのが好ましい。
【0256】このような配位子となりうる化合物として
は、たとえば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスフィン、トリ
ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、シクロオ
クタジエン、シクロオクタテトラエンなどが挙げられ
る。
【0257】また予め遷移金属化合物に有機配位子が配
位された錯体としては、[1,2-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]コバルト(II)クロリド、[1,2-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)クロリド、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド
などが好ましく用いられる。
【0258】また有機アルミニウム化合物としては、前
述したようなものを用いることができ、トリエチルアル
ミニウムが好ましく用いられる。有機アルミニウム化合
物は、そのまま用いてもよく、またトルエン溶液あるい
はヘキサン溶液にして用いることもできる。
【0259】上記の共役ジエンを有する化合物[I-a]
とエチレンとの反応においては、遷移金属化合物は、共
役ジエンを有する化合物[I-a]に対して、好ましくは
0.001〜10モル%の量で、特に好ましくは0.01
〜1モル%の量で用いられる。 また配位化合物は、遷
移金属化合物に対して、0〜20モル倍の量で用いられ
ることが好ましく、特に0.1〜5モル倍の量で用いら
れることが好ましい。
【0260】有機アルミニウム化合物は、遷移金属化合
物に対して、1〜200モル倍の量で用いられることが
好ましく、特に3〜100モル倍の量で用いられること
が好ましい。
【0261】本発明では、上記の共役ジエンを有する化
合物[I-a]とエチレンとを含む反応系において、上記
のような遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と有機
アルミニウム化合物とをその場で反応させて調製しても
よいが、予め遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と
有機アルミニウム化合物とを接触させて得られた反応生
成物を、触媒として用いることが好ましい。
【0262】すなわち、触媒は、例えば、不活性雰囲気
下、前記反応溶剤と同じ溶剤中、例えばデカン中で遷移
金属化合物と配位化合物とを室温で混合した後、これに
有機アルミニウム化合物を加え、室温で攪拌することに
よって調製することができる。
【0263】特に、上記式[H−1]において炭素炭素
二重結合が4個[換言すれば、式[H−1]においてR
9が−(CH2n-CR10=R1112のもの]である、本
発明で用いられる分岐鎖状テトラエン[Ib’](分岐
鎖状ポリエン[Ib’])は、例えば、上記エチレンと
式[I-a]で示される共役ジエン化合物との反応で、こ
の式[I-a]で示される共役ジエン化合物に代えて、例
えば、下記式[I-aa]で示される共役ジエン化合物を用
いればよい。
【0264】
【化77】
【0265】・・・・[I-aa] (式[I-aa]中、fは0〜5、gは1〜6好ましくは1
〜3の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、R7〜R
11は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5、
好ましくは1〜3のアルキル基を示し、R12は、炭素数
1〜5のアルキル基を示す。) なお、この反応の際には、特にエチレンを通常0.5〜
100kg/cm2、好ましくは1〜50kg/cm2
圧力下に反応容器に加えることが望ましい。その他の条
件はエチレンと上記式[I-a]で示される共役ジエン化
合物との反応の場合と同様である。
【0266】なお、エチレンとこの共役ジエン化合物
[I-aa]との反応で、分岐鎖状ポリエン[Ib’]と共
に、下記式[I-bb]で示される鎖状ポリエン化合物が副
生することがある。この場合には、該副生物は前記と同
様にして分離除去すればよい。ただし、副生物を分離せ
ずに、重合に供することもできる。
【0267】
【化78】
【0268】・・・・[I-bb] (式[I-bb]中、f、g、n、R7〜R12は上記式[I-a
a]の場合に同じ。)
【0269】
【発明の効果】本発明によれば、化学反応性に富み、グ
ラフト変性しやすく、接着性、塗装性、印刷性などに優
れた不飽和性プロピレン系共重合体が得られる。
【0270】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限
定されるものではない。
【0271】
【参考例1】6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン
(DMUT)の合成 [p=0,q=1,f=1,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:17個]
【0272】
【化79】
【0273】スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロー
ト及び温度計を備えた容量1リットルの三口フラスコの
中に、窒素雰囲気下で攪拌しながら、削り状マグネシウ
ム金属25.5g(1.05グラム原子)、無水ジエチ
ルエーテル200mlおよび200mgの1,2−ジブ
ロモエタンを入れ、その中に臭化アリル127g(1.
05モル)の無水ジエチルエーテル(200ml)溶液
を少量滴下した。
【0274】フラスコ内容物の発熱が始まり臭化アリル
マグネシウム(グリニアール試薬)が生成し始めた後
に、無水ジエチルエーテル400mlをフラスコ内に追
加し、さらに残りの臭化アリルの無水ジエチルエーテル
溶液を氷浴下、5時間かけてフラスコ内に滴下し(フラ
スコ内部温度5℃以下)した。この臭化アリルの無水ジ
エチルエーテル溶液の滴下終了後、さらに0.5時間攪
拌を続けて、臭化アリルマグネシウム溶液を得た。
【0275】得られた臭化アリルマグネシウム溶液中に
残存する不溶物をデカンテーションして除去し、窒素雰
囲気下の2リットル容量三口フラスコに移液した。この
ように臭化アリルマグネシウム溶液が入れられた三口フ
ラスコを氷浴で冷却しながら、このフラスコ内に、臭化
ゲラニル150g(0.69モル)の無水ジエチルエー
テル200ml溶液をフラスコ内部温度5℃以下に保持
しつつ2時間かけて滴下した。
【0276】臭化ゲラニルの無水ジエチルエーテル溶液
の滴下終了後、さらに室温で8時間攪拌した。得られた
反応混合物を氷浴で冷やしながら、この反応混合物内に
飽和塩化アンモニウム水溶液を徐々に滴下し、さらにジ
エチルエーテルおよび水を加えて有機層と水層とに分液
した。
【0277】有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた乾燥物
から溶媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目的物であ
る6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン
(DMUT)が104g得られた(収率85%、臭化ゲ
ラニル基準)。
【0278】得られた6,10−ジメチル−1,5,9
−ウンデカトリエン(DMUT)の性状、および物性を
以下に示す。 (i) 性状:無色油状。 (ii) 沸 点:58−60℃/2mmHg。 (iii) MSスペクトル: 178(M+:分子イオンピー
ク)。 (v) IRスペクトル(neat, cm-1):3075, 2970,
2920, 2850, 1640, 1440, 1380, 1105, 995, 905。
【0279】
【参考例2】[4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMN)の
合成] [p=1,q=0,f=1,g=1、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:15個]
【0280】
【化80】
【0281】[触媒の調製]アルゴン雰囲気下、スター
ラー攪拌子を入れた50mlフラスコ中に、無水塩化コ
バルト(II)43mg(0.33ミリモル)、1,2-ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン263mg(0.66
ミリモル)および無水デカン23mlを入れ、25℃で
2時間攪拌した。次いで25℃で、濃度1モル/リット
ルのトリエチルアルミニウム/トルエン溶液 17ml
(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加えて2時
間攪拌することにより触媒を調製した。
【0282】300mlステンレス(SUS316)製
オートクレーブ中に、アルゴン雰囲気下、7-メチル-3-
メチレン-1,6- オクタジエン(β−ミルセン)100g
(734ミリモル)と上記のように調製された触媒を全
量加えて密閉した。次いでオートクレーブにエチレンボ
ンベを直結して、エチレンを導入して、オートクレーブ
内を35kg/cm2 まで加圧した。次いで95℃に加熱し
て、消費されたエチレンを間欠的に5回追加して、合計
で15時間反応を行った。
【0283】反応終了後にオートクレーブを冷却してか
ら開放し、得られた反応混合物を100mlの水中に注
いで有機層と水層とに分離した。分離された有機層を、
エバポレータで低沸点物を除去した後、20段の精密減
圧蒸留を行った。
【0284】目的物であるEMNが83g得られた(収
率69%)。また反応副生物として、5,9-ジメチル-1,
4,8- デカトリエンが16g生成した(収率13%)。
上記で得られた4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン
(EMN)の分析結果を以下に示す。
【0285】(i) 沸 点:103〜105℃/30mm
Hg (ii) GC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分
析): m/z 164(M+分子イオンピーク)、149、1
23、95、69、41、27 (iii) 赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1) 吸収ピーク:3080、2975、2925、285
0、1670、1640、1440、1380、123
5、1110、995、910、830 (iv) 1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3 ) 吸収ピークを下記に示す。
【0286】
【表1】
【0287】
【参考例3】5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMD
T)の合成 [p=0,q=1,f=0,g=2、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:15個]
【0288】
【化81】
【0289】スターラー、ジムロート冷却管、滴下ロー
ト及び温度計を備えた容量1リットルの三口フラスコの
中に、窒素雰囲気下、0.87モル/リットルのビニル
マグネシウムブロミドの無水テトラヒドロフラン溶液5
00ml(0.435モル)を入れ、フラスコ内容物を
氷浴で冷却した。
【0290】次に、フラスコ内容物を攪拌しながら、こ
のフラスコ内に臭化ゲラニル75g(0.346モル)
の無水テトラヒドロフラン溶液100mlを30分間か
けて滴下し、さらに8時間室温で攪拌した。
【0291】得られた反応混合物を氷浴で冷やしなが
ら、このフラスコ内に飽和塩化アンモニウム水溶液を徐
々に滴下し、さらにジエチルエーテルおよび水を加えて
有機層と水層とに分液した。
【0292】分取された有機層を飽和重曹水、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られ
た乾燥物中の溶媒を留去し、残査を減圧蒸留すると、目
的物である5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエ
ン(DMDT)が21.9g得られた(収率39%、臭
化ゲラニル基準)。
【0293】得られた5,9−ジメチル−1,4,8−
デカトリエン(DMDT)の性状、および物性を以下に
示す。 (i) 性状:無色油状。 (ii) 沸 点:56−58℃/2mmHg。 (iii) MSスペクトル: 164(M+)。 (v) IRスペクトル(neat):3075, 2970, 2920,
2850, 1640, 1440, 1380, 1105, 995, 905。
【0294】
【実施例1】 [触媒の調製]充分に窒素置換したガラス製フラスコ
に、rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを4.8m
g加え、そこへメチルアルミノキサンのトルエン溶液
(Witco社製メチルアルミノキサンを乾固し、トルエン
に再溶解したもの)Al;1.1モル/リットル)2.
8mlおよびトルエン4.8mlを添加することにより
触媒溶液を得た。
【0295】[重合]充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブに、ヘキサン900
ml、トリイソブチルアルミニウム1ミリモル、1‐ブ
テン70gおよび参考例1で得られた4-エチリデン-8-
メチル-1,7-ノナジエンを主として含むEMN混合物
(以下EMNという)15mlを装入し、系内の温度を
70℃に昇温した。引き続き上記で調製した触媒溶液2
ml(Zrとして0.002ミリモル)をプロピレンで
圧入することにより重合を開始した。その後プロピレン
のみを連続的に供給することにより全圧を14kg/cm2-
Gに保ち、70℃で30分間重合を行った。少量のエタ
ノールを系内に添加することにより重合を停止した後、
未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液
を大過剰のメタノールに投入することによりポリマーを
析出させた。このポリマーを濾過により回収し、安定剤
〔Irganox 1010(チバガイギー社製)25mgおよび
Mark 329k(旭電化(株)製)25mg〕を添加した
後、80℃で減圧下に一晩乾燥した。
【0296】上記のようにして、極限粘度[η]が2.
2dl/gであり、プロピレン単位が87.4モル%であ
り、1-ブテン単位が10.8モル%であり、EMN単位
が1.8モル%であるプロピレン・1-ブテン・EMN共
重合体が25.3g得られた。
【0297】
【実施例2】 [重合]充分に窒素置換した内容積2リットルのステン
レス製オートクレーブに、ヘキサン900ml、5,9-ジ
メチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)10mlおよ
びトリイソブチルアルミニウム1ミリモルを装入し、系
内の温度を60℃に昇温した。引き続きエチレンを装入
して2.5kg/cm2-Gまで加圧して、さらに実施例1で調
製した触媒溶液1.5ml(Zrとして0.0015ミリ
モル)をプロピレンで圧入することにより重合を開始し
た。その後プロピレンのみを連続的に供給することによ
り全圧を8kg/cm2-Gに保ち、60℃で15分間重合を
行った後は、実施例1と同様に行った。
【0298】上記のようにして、極限粘度[η]が2.
1dl/gであり、プロピレン単位が91.1モル%であ
り、エチレン単位が7.9モル%であり、DMDT単位
が1.0モル%であるプロピレン・エチレン・DMDT
共重合体が27.0g得られた。
【0299】
【実施例3】 [重合]充分に窒素置換した内容積2リットルのステン
レス製オートクレーブに、ヘキサン900ml、トリイ
ソブチルアルミニウム1ミリモルおよび参考例1で得ら
れた4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMN)
を主に含むEMN混合物(以下EMNという)15ml
を装入し、系内をプロピレンで置換した。その後、系内
の温度を60℃に昇温した。引き続き実施例1で調製し
た触媒溶液2ml(Zrとして0.002ミリモル)を
プロピレンで圧入することにより重合を開始した。その
後プロピレンのみを連続的に供給することにより全圧を
7kg/cm2-Gに保ち、60℃で30分間重合を行った後
は、実施例1と同様に行った。
【0300】上記のようにして、極限粘度[η]が3.
3dl/gであり、プロピレン単位が98.5モル%であ
り、EMN単位が1.5モル%であるプロピレン・EM
N共重合体が34.4g得られた。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A](i) プロピレンと、(ii)エチレンま
    たは炭素数4〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分子
    中に1個のビニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状
    または分岐鎖状非共役トリエンまたはテトラエンとのラ
    ンダム共重合体であり、 [B](i) プロピレンから誘導される構成単位が70モ
    ル%を越えて99.9モル%以下であり、(ii)エチレン
    または炭素数4〜20のα−オレフィンから誘導される
    構成単位が0モル%以上で30モル%未満であり、かつ
    (iii)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が0.1モル%以上で30モル%未満であ
    り、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.05〜10dl/gであることを特徴とする不飽和
    性プロピレン系共重合体。
  2. 【請求項2】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個の直
    鎖状または分岐鎖状炭化水素基と2個の水素原子とが結
    合したものであることを特徴とする請求項1に記載の不
    飽和性プロピレン系共重合体。
  3. 【請求項3】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[H−1]で表され、上記[B](ii
    i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
    単位が下記式[H−2]で表されることを特徴とする請
    求項2に記載の不飽和性プロピレン系共重合体: 【化1】 ・・・・[H−1] [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
    pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
    (但しpとqが1の場合fは0ではない)、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である(但し、pとqが1の場合、R9は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基である)。] 【化2】 ・・・・[H−2] [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
    式[H−1]の場合と同じ意味である。]
  4. 【請求項4】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[Ia]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が下記式[IIa]で表されること
    を特徴とする請求項3に記載の不飽和性プロピレン系共
    重合体: 【化3】 ・・・・[Ia] [式[Ia]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である。] 【化4】 ・・・・[IIa] [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
    a]の場合と同じ意味である。]
  5. 【請求項5】上記式[Ia]および式[IIa]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項4に記載の不飽和性プロピレン系共重合
    体。
  6. 【請求項6】上記[A](iii)非共役トリエンまたはテ
    トラエンが下記式[Ib]で表され、上記[B](iii)
    非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単
    位が下記式[IIb]で表されることを特徴とする請求
    項3に記載の不飽和性プロピレン系共重合体: 【化5】 ・・・・[Ib] [式[Ib]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7は水素原子または
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1〜5
    のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基または−(CH2n−CR10=CR1112
    表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10,
    11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
    り、R12は炭素数1〜5のアルキル基である)であ
    る。] 【化6】 ・・・・[IIb] [式[IIb]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は式
    [Ib]の場合と同じ意味である。]
  7. 【請求項7】上記式[Ib]および式[IIb]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特徴
    とする請求項6に記載の不飽和性プロピレン系共重合
    体。
  8. 【請求項8】上記[A](iii)非共役テトラエンが下記
    式[Ib']で表され、 上記[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成
    単位が下記式[IIb']で表されることを特徴とする
    請求項6に記載の不飽和性プロピレン系共重合体。 【化7】 ・・・・[Ib'] [式[Ib']中、fは0〜5の整数であり、gは1〜
    6の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数
    1〜5のアルキル基であり、nは1〜5の整数であり、
    10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
    であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基である。] 【化8】 ・・・・[IIb'] [式[IIb']中、f、g、R1、R2、R5〜R8
    n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じである。]
  9. 【請求項9】上記式[Ib']および式[IIb']にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項8に記載の不飽和性プロピレン系共重合
    体。
  10. 【請求項10】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが下記式[Ic]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が下記式[IIc]で表されること
    を特徴とする請求項6に記載の不飽和性プロピレン系共
    重合体: 【化9】 ・・・・[Ic] [式[Ic]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子ま
    たは炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1
    〜5のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数
    1〜5のアルキル基である。] 【化10】 ・・・・[IIc] [式[IIc]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、式
    [Ic]の場合と同じ意味である。]
  11. 【請求項11】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項10に記載の不飽和性プロピレン系共重
    合体。
  12. 【請求項12】(i) プロピレンと、 (ii)エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィン
    と、 (iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも
    1種の直鎖状または分岐鎖状非共役トリエンまたはテト
    ラエンとを、遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合
    物および/またはイオン化イオン性化合物とから形成さ
    れる触媒の存在下に共重合させて、 [A](i) プロピレンと、(ii)エチレンまたは炭素数4
    〜20のα−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビ
    ニル基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐鎖
    状非共役トリエンまたはテトラエンとの、ランダム共重
    合体であり、 [B](i) プロピレンから誘導される構成単位が70モ
    ル%を越えて99.9モル%以下であり、(ii)エチレン
    または炭素数4〜20のα−オレフィンから誘導される
    構成単位が0モル%以上で30モル%未満であり、かつ
    (iii)上記非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が0.1モル%以上で30モル%未満であ
    り、 [C]135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.05〜10dl/gである不飽和性プロピレン系共
    重合体を得ることを特徴とする不飽和性プロピレン系共
    重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個の
    ビニル基以外の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基と2個
    の水素原子とが結合したものであり、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が、ポリマー主鎖に隣接した炭素原
    子に、1個の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基と、2個
    の水素原子とが結合したものであることを特徴とする請
    求項12に記載の不飽和性プロピレン系共重合体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[H−1]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[H−2]で表されること
    を特徴とする請求項13に記載の不飽和性プロピレン系
    共重合体の製造方法。
  15. 【請求項15】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ia]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[IIa]で表されること
    を特徴とする請求項13に記載の不飽和性プロピレン系
    共重合体の製造方法。
  16. 【請求項16】上記式[Ia]および式[IIa]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項15に記載の不飽和性プロピレン系共
    重合体の製造方法。
  17. 【請求項17】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ib]で表され、上記[B](ii
    i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
    単位が上記式[IIb]で表されることを特徴とする請
    求項13に記載の不飽和性プロピレン系共重合体の製造
    方法。
  18. 【請求項18】上記式[Ib]および式[IIb]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項17に記載の不飽和性プロピレン系共重
    合体の製造方法。
  19. 【請求項19】上記[A](iii)非共役テトラエンが上
    記式[Ib']で表され、 上記[B](iii)非共役テトラエンから誘導される構成
    単位が上記式[IIb']で表されることを特徴とする
    請求項13に記載の不飽和性プロピレン系共重合体の製
    造方法。
  20. 【請求項20】上記式[Ib']および式[IIb']に
    おいて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項19に記載の不飽和性プロピレン系共
    重合体の製造方法。
  21. 【請求項21】上記[A](iii)非共役トリエンまたは
    テトラエンが上記式[Ic]で表され、 上記[B](iii)非共役トリエンまたはテトラエンから
    誘導される構成単位が上記式[IIc]で表されること
    を特徴とする請求項13に記載の不飽和性プロピレン系
    共重合体の製造方法。
  22. 【請求項22】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項21に記載の不飽和性プロピレン系共重
    合体の製造方法。
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WO2001038410A1 (fr) * 1999-11-22 2001-05-31 Mitsui Chemicals, Inc. Caoutchouc de polymere d'ethylene, procede de production correspondant et utilisation

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