JP2003327627A - (メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造方法

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JP2003327627A
JP2003327627A JP2002134007A JP2002134007A JP2003327627A JP 2003327627 A JP2003327627 A JP 2003327627A JP 2002134007 A JP2002134007 A JP 2002134007A JP 2002134007 A JP2002134007 A JP 2002134007A JP 2003327627 A JP2003327627 A JP 2003327627A
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meth
acrylic acid
carbon atoms
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Application number
JP2002134007A
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English (en)
Inventor
Nobuhisa Takayama
暢久 高山
Toru Tokimitsu
亨 時光
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共重合組成の制御の自由度が高く、耐熱性お
よび耐水性に優れた共重合体を製造可能な、(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステルと有機金属
化合物(A)を混合した後、遷移金属化合物(B)と、
有機金属化合物(C-1)、有機アルミニウムオキシ化合
物(C-2)、及び遷移金属化合物(A)と反応してイオ
ン対を形成する化合物(C-3)の群から選ばれる少なく
とも1種の化合物(C)とを含む重合触媒の存在下、
(メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシクロ
アルケンの少なくとも1種とを、重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルメタクリレートなどのポリ
(メタ)アクリル酸エステルは、機械的性質、透明性、
耐候性、塗装性、染色性、印刷性などに優れる熱可塑性
樹脂材料として、各種用途で使用されているが、耐吸水
性、耐熱性が低いという問題を有する。一方、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやエチレン
−ノルボルネン共重合体などのオレフィン−シクロアル
ケン共重合体は、機械的性質、環境適合性、耐吸水性、
耐熱性などに優れる熱可塑性樹脂材料として各種用途で
使用されているが、塗装性、染色性、印刷性が低いとい
う問題を有する。
【0003】そこで、ポリ(メタ)アクリル酸エステル
の優れた性質と、ポリオレフィンやオレフィン−シクロ
アルケン共重合体の優れた性質を、併せ持つ熱可塑性樹
脂材料として、(メタ)アクリル酸エステルとオレフィ
ンやシクロアルケンとの共重合体の開発が試みられてい
る。例えば、メタクリル酸エステル−シクロアルケン共
重合体は、透明性、耐候性、耐熱性に優れる熱可塑性樹
脂材料として期待されている。
【0004】このような(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体を製造するために、(メタ)アクリル酸エステ
ルとオレフィンやシクロアルケンからなるモノマー混合
物から共重合体を製造する試みがなされている。
【0005】特公昭44−1544号公報には、高温、
高圧下におけるラジカル重合により、エチレン、および
アクリル酸またはメタクリル酸あるいはそれらの塩から
なるモノマー混合物を共重合する方法が記載されてい
る。しかしこの方法では、エチレン以外のオレフィンま
たはシクロアルケンを用いた場合には共重合体は得られ
ない。またこの方法では、(メタ)アクリル酸エステル
単位の含有量が低い共重合体しか得られなかった。さら
に、ラジカルの副反応により、重合体鎖に分岐および架
橋が生じたり、重合体鎖が切断されるため、重合体の性
能が損なわれていた。
【0006】また、特公昭44−30737号公報に
は、有機金属化合物の存在下、オレフィンおよびアクリ
ル酸塩からなるモノマー混合物を共重合する方法が記載
されている。また、特公昭48−29393号公報に
は、アルミニウム又はホウ素の有機金属化合物および三
塩化バナジル等の遷移金属化合物の存在下、イソブチレ
ン等のオレフィンと(メタ)アクリル酸エステルを混合
して共重合する方法が記載されている。さらに、特開平
7−242711号公報には、熱的特性および耐水性に
優れたメタクリル酸メチル共重合体を提供することを目
的とした技術が記載され、その共重合体の製造方法とし
て、エチルアルミニウムジクロライド等のルイス酸の存
在下で、さらに合成効率を上げるため必要に応じてラジ
カル重合開始剤や遷移金属化合物の存在下で、メタクリ
ル酸メチルとノルボルネン等のシクロアルケンとを混合
して共重合することが記載されている。しかし、これら
の方法では、シクロアルケン単位の含有量が高い共重合
体を得ることは困難であり、特にシクロアルケン単位の
含有量が40モル%以上である共重合体を高収率で得る
ことはできなかった。
【0007】一方、近年の配位アニオン重合技術の進展
は目覚しい。配位アニオン重合では、ラジカル重合の場
合と異なり、重合体鎖の分岐、架橋、切断などを伴わ
ず、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、エチレン−シクロアルケン共重合体
などを製造することができることが一般によく知られて
いる。特にメタロセン錯体などのシングルサイト重合触
媒を用いたポリオレフィンの製造プロセスでは、重合活
性が高く、製造コストが低く、得られる重合体の分子量
分布が狭く、2種類以上のオレフィンの共重合性が高い
といった利点のため、ポリオレフィンまたはオレフィン
−シクロアルケン共重合体の工業的製造方法の主流にな
りつつある。
【0008】しかしながら、一般的なメタロセン錯体な
どを用いた配位アニオン重合において、(メタ)アクリ
ル酸エステルなどの極性基を含有する化合物を加えた場
合、重合が阻害され、重合活性が著しく低下することが
知られている(例えば、Chem.Rev.100(2
000)1479に記載)。
【0009】J.Am.Chem.Soc.,118
1996,267およびWO96/23010号パンフ
レットには、遷移金属イミン化合物の存在下、エチレン
およびアクリル酸エステルからなるモノマー混合物を共
重合できることが記載されているが、得られる重合体鎖
には分岐が多く、メタクリル酸エステル単位は重合体の
主鎖ではなく、分岐した枝の末端にしか導入されなかっ
た。
【0010】Macromol.Chem.Phy
s.,196(1995)1971には、(メタ)アク
リル酸エステルおよび有機金属化合物を混合した後、メ
タロセン錯体からなる触媒の存在下、(メタ)アクリル
酸エステルを重合する方法により、ポリ(メタ)アクリ
ル酸エステルが得られることが記載される。しかし(メ
タ)アクリル酸エステルとオレフィン及びシクロアルケ
ンの少なくとも一種との共重合に関する記載はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
製造方法では、(メタ)アクリル酸エステルとオレフィ
ンやシクロアルケンとの共重合において、共重合体組成
の制御に限界があり、またラジカルの作用による重合体
鎖の分岐、架橋、切断を生じ易いという問題があった。
【0012】例えば、(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体を、光学レンズなどの光学材料用途に用いる場
合、耐熱性や耐吸水性に優れる成分であるシクロアルケ
ン単位の含有量をより高くする必要がある。特に、より
高い耐熱性が要求される精密光学材料を製造するために
は、例えばシクロアルケン単位の含有量を40モル%以
上にすることが望ましく、さらに適用範囲を拡げるため
には45モル%以上にすることが望ましい。しかしなが
ら、このような共重合体組成を有する(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体の製造は容易でなく、また、ラジ
カルが発生する製造方法では、重合体鎖の分岐、架橋、
切断等を伴い、分子量分布も比較的広くなるため、所望
の特性を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
を得ることは困難であった。
【0013】そこで本発明の目的は、配位アニオン重合
法による、共重合組成の制御の自由度が高く、耐熱性お
よび耐水性に優れた(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この現状に鑑み、本発明
者らが鋭意検討した結果、予め(メタ)アクリル酸エス
テルと有機金属化合物を混合することで、配位アニオン
重合による(メタ)アクリル酸エステルとオレフィンや
シクロアルケンとの共重合が可能となり、共重合体組成
の制御の自由度が大きくなることを見出し、本発明に到
達した。
【0015】すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸エ
ステルと有機金属化合物(A)を混合した後、遷移金属
化合物(B)と、有機金属化合物(C-1)、有機アルミ
ニウムオキシ化合物(C-2)、及び遷移金属化合物
(B)と反応してイオン対を形成する化合物(C-3)の
群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを含む
重合触媒の存在下、(メタ)アクリル酸エステルと、オ
レフィン及びシクロアルケンの少なくとも1種とを、重
合することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体の製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。
【0017】本発明における(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−メチルブチルアク
リレート、3−メチルブチルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヘプチルア
クリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、トリデシルアクリレート、セチルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、エイコシルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレー
ト、3−メチルブチルメタクリレート、ヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ヘプチルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリル
メタクリレート、トリデシルメタクリレート、セチルメ
タクリレート、ステアリルメタクリレート、エイコシル
メタクリレートなどの炭素数が30以下のアルキル基を
含有するアルキル(メタ)アクリレートを挙げることが
できる。
【0018】また、その他の(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、グリシジルメタクリレートなどのグリシジ
ル基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどのヒドロキル基含有(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有
(メタ)アクリレート、2−クロロエチルメタクリレー
トなどのハロゲン基含有(メタ)アクリレートなどの官
能基を有する(メタ)アクリレートを用いることができ
る。
【0019】これらのうち、例えば、重合活性、得られ
る共重合体のコスト、透明性、耐候性、耐熱性などを考
慮した場合、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが好
ましい。
【0020】これらの(メタ)アクリル酸エステルは、
一種または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0021】本発明におけるオレフィンとしては、炭素
原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィ
ンなどを用いることができる。
【0022】α−オレフィンの例としては、エチレン、
プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチ
ル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メ
チル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセンなどを挙げることができる。
【0023】これらのオレフィンは、一種または二種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0024】本発明におけるシクロアルケンとしては、
ノルボルネン環を有する多環のシクロアルケン類、およ
び単環のシクロアルケン類などを用いることができ、例
えば、次の(1)〜(6)に示す化合物を用いることが
できる。
【0025】(1)ノルボルネン環を一つ有する2環体 具体例として、ノルボルネン、5−メチルノルボルネ
ン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネ
ン、5−ヘキシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノ
ルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネンなどのノ
ルボルネン類;5−エチリデンノルボルネン、5−ビニ
ルノルボルネン、5−プロペニルノルボルネンなどを挙
げることができる。
【0026】(2)ノルボルネン環と6員環とを一つず
つ有する化合物 具体例として、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチ
ルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヘキシルヘキサシ
クロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロ
ヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプ
タデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセ
ン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シ
クロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シク
ロペンテニルヘキサシクロヘプタデセンなどのヘキサシ
クロヘプタデセン類などを挙げることができる。
【0027】(3)ノルボルネン環と芳香環とを有する
化合物 具体例として、5−フェニルノルボルネン、5−フェニ
ルオキサノルボルネン、1,4−メタノ−1,4,4
a,9a−テトラヒドロフルオレンなどを挙げることが
できる。
【0028】(4)ジシクロペンタジエン類、すなわ
ち、ノルボルネン環を有する3環体のシクロアルケン類 具体例として、ジシクロペンタジエンなどを挙げること
ができる。
【0029】(5)テトラシクロドデセン類 具体例として、テトラシクロドデセン、8−メチルテト
ラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロド
デセンなどのテトラシクロドデセン、8−メチリデンテ
トラシクロドデセンなどを挙げることができる。
【0030】(6)単環のシクロアルケン類またはジオ
レフィン類 具体例として、シクロブテン、シクロペンテン、メチル
シクロペンテン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサ
ン、シクロオクテン、シクロヘキサジエン、メチルシク
ロヘキサジエン、シクロオクタジエン、フェニルシクロ
オクタジエンなどを挙げることができる。
【0031】また、シクロアルケンには置換基が導入さ
れていてもよい。置換基が導入されたノルボルネンの例
として、5−メトキシカルボニルノルボルネン、ノルボ
ルネニル−2−メチルプロピオネイト、ノルボルネン−
5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルノ
ルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−
メトキシカルボニルオキサノルボルネン、オキサノルボ
ルネニル−2−メチルプロピオネイト、オキサノルボル
ネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−シアノノルボ
ルネン、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミドな
どを挙げることができる。
【0032】これらのうち、例えば、得られる共重合体
のコスト、透明性、耐候性、耐熱性などを考慮した場
合、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、
5-メチル-2-ノルボルネンなどの炭素原子数が3〜30
のシクロアルケンが好ましい。
【0033】これらのシクロアルケンは、一種または二
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】さらに、(メタ)アクリル酸エステルと、
オレフィン及びシクロアルケンの少なくとも1種との共
重合成分として、芳香族ビニル化合物などを用いること
ができる。芳香族ビニル化合物の例としては、スチレ
ン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルス
チレン、o, p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m
-エチルスチレン、p-エチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α
-メチルスチレンなどを挙げることができる。芳香族ビ
ニル化合物等の共重合成分は、(メタ)アクリル酸エス
テルと、オレフィン及びシクロアルケンの少なくとも1
種と、その他の共重合成分とからなる重合成分全体のう
ち、50モル%未満となるように用いることが好まし
い。
【0035】本発明に係る有機金属化合物(A)として
は、周期表第1族、第2族、第12族、第13族の元素
を含有する化合物を用いることができるが、例えば、次
の一般式(A-1)、(A-2)及び(A-3)で示される化合物を
用いることができる。
【0036】Rab3 (A-1) (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、
3 はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期
表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
【0037】Ra mAl(ORb)npq (A-2) (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、
Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n
<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の整数であり、
かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アル
ミニウム化合物。
【0038】BRc 3 (A-3) (式中、Rcは、フッ素、フェニル基またはフッ素、メ
チル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有するフ
ェニル基である。)で表される有機ホウ素化合物。
【0039】一般式(A-1)で示される化合物の例として
は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、ブチ
ルエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジイソブチル亜
鉛、ジsec-ブチル亜鉛、ジtert-ブチル亜鉛、ジ2-メチ
ルブチル亜鉛、ジ3-メチルブチル亜鉛、ジ2-メチルペン
チル亜鉛、ジ3-メチルペンチル亜鉛、ジ4-メチルペンチ
ル亜鉛、ジ2-メチルヘキシル亜鉛、ジ3-メチルヘキシル
亜鉛、ジ2-エチルヘキシル亜鉛、ジシクロヘキシル亜
鉛、ジシクロオクチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;ジメ
チルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマ
グネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどの有機マク
ネシウム化合物;ジメチルカドミウム、ジエチルカドミ
ウム、ジブチルカドミウム、ブチルエチルカドミウムな
どの有機カドミウム化合物を挙げることができる。
【0040】一般式(A-2)で示される化合物の例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルア
ルミニウム、トリtert-ブチルアルミニウムなどのアル
キルアルミニウム;トリフェニルアルミニウムなどのア
リールアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの水素
化アルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムメトキ
シドなどのアルコキシ化アルキルアルミニウム;ジメチ
ルアルミニウムクロリドなどのハロゲン化アルキルアル
ミニウムなどを挙げることができる。
【0041】一般式(A-3)で示される化合物の例として
は、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス
(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオ
ロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニ
ル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボ
ロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどの有
機ホウ素化合物を挙げることができる。
【0042】これらの化合物のうち、コスト、アクリル
酸エステルとオレフィンやシクロアルケンとの共重合性
などを考慮すると、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブ
チル亜鉛、ブチルエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ
イソブチル亜鉛、ジsec-ブチル亜鉛、ジtert-ブチル亜
鉛、トリフルオロボロン、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルア
ルミニウムが好ましく、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、
ジブチル亜鉛、ブチルエチル亜鉛、ジイソプロピル亜
鉛、ジイソブチル亜鉛、ジsec-ブチル亜鉛、ジ tert-ブ
チル亜鉛がより好ましい。
【0043】これらの有機金属化合物は、一種または二
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】本発明に用いられる遷移金属化合物(B)
としては、オレフィンやシクロアルケンの重合に通常用
いられる公知の遷移金属化合物を用いることができ、例
えば、次に示す化合物(B-1)〜(B-12)を用いることがで
きる。
【0045】(B-1)シクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物 例えば下記一般式(I-1)で表される化合物を用いるこ
とができる。
【0046】M1x (I-1) 式中、M1 は周期表第4族から選ばれる遷移金属原子を
示し、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニ
ウムであり、好ましくはジルコニウムである。
【0047】xは遷移金属原子M1 の原子価を満たす数
であり、遷移金属原子M1 に配位する配位子Lの個数を
示す。
【0048】Lは遷移金属原子に配位する配位子を示
し、Lが複数ある場合はそれぞれ独立の配位子を示し、
少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子以外のLは、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子または
水素原子である。
【0049】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシク
ロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル
基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチ
ルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエ
ニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチ
ルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタ
ジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、4,
5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基など
を例示することができる。これらの基は、炭素原子数が
1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0050】配位子Lとして用いられる炭素原子数が1
〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール
基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデ
シル、エイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、
シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシ
クロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニ
ルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フ
ェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、
トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチ
ルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニリル、ナフチ
ル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなど
のアリール基が挙げられる。
【0051】配位子Lとして用いられる炭素原子数が1
〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子
数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙
げられる。
【0052】酸素含有基としては、例えば、ヒドロキシ
ル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど
のアルコキシル基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基
(アリールオキシ基);フェニルメトキシ、フェニルエ
トキシなどのアリールアルコキシル基などが挙げられ
る。
【0053】配位子Lとして用いられるイオウ含有基と
しては、前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換
基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタ
ンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジル
スルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチ
ルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンス
ルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペン
タフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネー
ト基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙
げられる。
【0054】配位子Lとして用いられるケイ素含有基と
しては、メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化
水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニルシリルな
どのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリル、トリエ
チルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシル
シリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリ
ナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル;トリメ
チルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリル
エーテル;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換ア
ルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換
アリール基などが挙げられる。
【0055】配位子Lとして用いられるハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
などが挙げられる。
【0056】上記一般式(I-1)で表される遷移金属化
合物において、遷移金属の原子価が4である場合、遷移
金属化合物は下記一般式(I-2)で示される。
【0057】R12341 (I-2) 式中、M1 は、周期表第4族から選ばれる遷移金属原子
を示し、好ましくはジルコニウム原子、チタン原子また
はハフニウム原子であり、より好ましくはジルコニウム
原子である。
【0058】R1 は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る基(配位子)を示し、R2 、R3およびR4 は、互い
に同一でも異なっていてもよく、シクロペンタジエニル
骨格を有する基(配位子)、炭素原子数が1〜20の炭
化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲ
ン原子または水素原子を示し、これらの基は前記のLと
同様なものを例示できる。
【0059】本発明では上記一般式(I-2)で示される
遷移金属化合物において、R2、R3およびR4 のうち少
なくとも1個がシクロペンタジエニル骨格を有する基
(配位子)である化合物、例えばR1 およびR2 がシク
ロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)である化合
物が好ましく用いられる。また、R1 およびR2 がシク
ロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)である場
合、R3 およびR4 はシクロペンタジエニル骨格を有す
る基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリールアルキル基、アリール基、アルコキシル基、ア
リーロキシ基(アリールオキシ基)、トリアルキルシリ
ル基、スルフォネート基、ハロゲン原子または水素原子
であることが好ましい。
【0060】上記一般式(I-1)又は(I-2)で表され
る遷移金属化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、置換又は非
置換のアルキレン基、置換又は非置換のシリレン基など
の2価の結合基を介して結合されていてもよい。このよ
うな2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子が
2価の結合基を介して結合されている遷移金属化合物と
しては、下記一般式(I-3)で表される遷移金属化合物
を用いることができる。
【0061】
【化1】 式中、M1 は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具
体的には、ジルコニウム、チタニウムまたはハフニウム
であり、好ましくはジルコニウムである。R5、R6、R
7 およびR8 は、互いに同一でも異なっていてもよく、
炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有
基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基、ハロゲン
原子または水素原子を示す。R5、R6、R7 およびR8
で示される基のうち、互いに隣接する基の一部が結合し
てそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成して
いてもよい。なお、R5、R6、R7 およびR8 が各々2
ヶ所に表示されているが、それぞれ異なる位置のR5
士、R6同士、R7同士、R8同士は、互いに同一の基で
もよくまた相異なる基でもよい。Rで示される基のうち
同一の符号(上付数字)を付したものは、それらをつな
いで環を形成する場合の好ましい組み合せを示してい
る。
【0062】炭素原子数が1〜20の炭化水素基として
は、前記Lと同様のアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙
げられる。
【0063】これらの炭化水素基が結合して形成する環
としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アセナフテン
環、インデン環などの縮合環、および前記縮合環上の水
素原子がメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアル
キル基で置換された環が挙げられる。
【0064】炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基
にハロゲンが置換した基が挙げられる。
【0065】酸素含有基としては、ヒドロキシル基およ
び前記Lと同様のアルコキシル基、アリーロキシ基、ア
リールアルコキシル基などが挙げられる。
【0066】イオウ含有基としては、前記酸素含有基の
酸素がイオウに置換した置換基、前記Lと同様のスルフ
ォネート基、スルフィネート基などが挙げられる。
【0067】ケイ素含有基としては、前記Lと同様のモ
ノ炭化水素置換シリル、ジ炭化水素置換シリル、トリ炭
化水素置換シリル、炭化水素置換シリルのシリルエーテ
ル、ケイ素置換アルキル基、ケイ素置換アリール基など
が挙げられる。
【0068】窒素含有基としては、アミノ基;メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどの
アルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニ
ルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリー
ルアミノ基などが挙げられる。
【0069】リン含有基としては、ジメチルフォスフィ
ノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基など
が挙げられる。
【0070】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0071】X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素
原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、
イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン
原子を示す。炭素原子数1〜20の炭化水素基として
は、前記Lと同様のアルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙
げられる。炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基
としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基にハ
ロゲンが置換した基が挙げられる。酸素含有基としては
ヒドロキシル基および前記Lと同様のアルコキシル基、
アリーロキシ基、アリールアルコキシル基などが挙げら
れる。イオウ含有基としては、前記酸素含有基の酸素が
イオウに置換した置換基、および前記Lと同様のスルフ
ォネート基、スルフィネート基などが挙げられる。ケイ
素含有基としては、前記Lと同様のケイ素置換アルキル
基、ケイ素置換アリール基が挙げられる。ハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子などを挙げることができる。
【0072】Y1 は、炭素原子数が1〜20の2価の炭
化水素基、炭素原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭
化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含
有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、
−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR
9−、−P(R9)−、−P(O)(R9)−、−BR9−または
−AlR9−(ただし、R9は、炭素原子数が1〜20の
炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
素基、水素原子またはハロゲン原子である。)を示す。
炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基としては、例
えば、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジ
メチル-1,2-エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラ
メチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレ
ンなどのアルキレン基;ジフェニルメチレン、ジフェニ
ル-1,2-エチレンなどのアリールアルキレン基などが挙
げられる。炭素原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭
化水素基としては、例えば、クロロメチレンなどの上記
炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化
した基などが挙げられる。2価のケイ素含有基として
は、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジ
エチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プ
ロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メ
チルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-ト
リル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなど
のアルキルシリレン基;アルキルアリールシリレン基;
アリールシリレン基;テトラメチル-1,2-ジシリレン、
テトラフェニル-1,2-ジシリレンなどのアルキルジシリ
レン基;アルキルアリールジシリレン基;アリールジシ
リレン基などが挙げられる。2価のゲルマニウム含有基
としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニ
ウムに置換した基などが挙げられる。2価のスズ含有基
としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置
換した基などが挙げられる。また、R9 は、前記Lと同
様の炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が
1〜20のハロゲン化炭化水素基またはハロゲン原子で
ある。
【0073】前記式(I-3)で表される遷移金属化合物
の中には、下記一般式(I-4)で表される遷移金属化合
物が含まれる。
【0074】
【化2】 式中、M1 は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体
的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムで
あり、好ましくはジルコニウムである。
【0075】R11は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、炭素原子数が1〜6の炭化水素基を示し、具体的に
は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペン
チル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシルなど
のアルキル基;ビニル、プロペニルなどのアルケニル基
などが挙げられる。これらのうちインデニル基に結合し
た炭素原子が1級のアルキル基を構成するものであるこ
とが好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより
好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0076】R12、R14、R15およびR16は、互いに同
一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子ま
たはR11と同様の炭素原子数が1〜6の炭化水素基を示
す。
【0077】R13は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子または炭素原子数が6〜16のアリール基
を示し、具体的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフ
チル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、アセナ
フチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒ
ドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどが挙げら
れる。これらのアリール基は、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニ
ル、ドデシル、エイコシル、ノルボルニル、アダマンチ
ルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキ
セニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチ
ル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェ
ニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、
α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントリ
ル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、ア
セナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テト
ラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのア
リール基などの炭素原子数が1〜20の炭化水素基;ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリ
ルなどの有機シリル基で置換されていてもよい。
【0078】X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、前記一般式(I-3)中のX1 およびX2
と同様である。
【0079】Y1 は、前記一般式(I-3)中のY1 と同
様である。
【0080】(B-2)遷移金属イミド化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0081】
【化3】 式中、M2 は、周期表第8族〜第10族の遷移金属原子
を示し、好ましくはニッケル、パラジウム、白金であ
る。R21、R22、R23及びR24 は、互いに同一でも異
なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、
炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有機シリ
ル基、または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換さ
れた炭素原子数1〜50の炭化水素基を示す。炭化水素
基、ハロゲン化炭化水素基、有機シリル基としては、前
記の配位子Lと同様なものを挙げることができる。ま
た、R 21、R22、R23及びR24 で表される基は、これ
らのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連
結して環を形成していてもよい。
【0082】qは0〜4の整数を示す。Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示
し、qが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互
いに同一であっても、異なっていてもよい。ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有
基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様なもの
を挙げることができ、窒素含有基としては、アミノ基;
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプ
ロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミ
ノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニ
ルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチル
フェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキル
アリールアミノ基などが挙げられる。
【0083】(B-3)遷移金属イミン化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0084】
【化4】 式中、M3 は周期表第8族〜第11族の遷移金属原子を
示し、ニッケル、パラジウムなどが好ましい。R31〜R
36は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数
1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン
化炭化水素基、有機シリル基、または窒素、酸素、リ
ン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の
元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。炭化
水素基、ハロゲン化炭化水素基、有機シリル基として
は、前記の配位子Lと同様なものを挙げることができ
る。また、R31 〜R36で表される基は、それぞれが互
いに連結して環を形成していてもよい。
【0085】nはM3の価数を満たす数を示し、Xは水
素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素
含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基
を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基
は互いに同一であっても、異なっていてもよい。ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ
含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様な
ものを挙げることができ、窒素含有基としては、アミノ
基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0086】Y1は周期表第15族または第16族の原
子を示し、窒素、酸素などが好ましい。
【0087】(B-4)遷移金属アミド化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0088】
【化5】 式中、M4は、周期表第3族〜第6族の遷移金属原子を
示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであるこ
とが好ましい。R’およびR”は、互いに同一でも異な
っていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜50の炭化
水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、
有機シリル基、または窒素、酸素、リン、イオウおよび
ケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換
基を示す。炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、有機シ
リル基としては、前記の配位子Lと同様なものを挙げる
ことができる。
【0089】mは、0〜2の整数である。nは、1〜5
の整数である。Aは、周期表第13族〜第16族の原子
を示し、具体的には、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ
素、リン、イオウ、ゲルマニウム、セレン、スズなどが
挙げられる。nが2以上の場合には、複数のAは、互い
に同一でも異なっていてもよい。Eは、炭素、水素、酸
素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素
から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基であ
る。Eで示される基が複数存在する場合は、Eで示され
る複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、ま
たEで示される2個以上の基が互いに連結して環を形成
していてもよい。
【0090】pは、0〜4の整数である。Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素
基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示す。なおpが2以上の場合には、Xで示される複
数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ
含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様な
ものを挙げることができ、窒素含有基としては、アミノ
基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0091】(B-5)遷移金属ピリジンアミド化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0092】
【化6】 式中、M5は、周期表第4族または5族の遷移金属原子
を示し、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はタンタ
ルであることが好ましい。R40〜R49は、互いに同一で
も異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素
基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有機
シリル基、または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ
素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置
換された炭化水素基を示す。炭化水素基、ハロゲン化炭
化水素基、有機シリル基としては、前記の配位子Lと同
様なものを挙げることができる。また、R40〜R49で表
される基は、それぞれが互いに連結して環を形成してい
てもよい。
【0093】nはM5の価数を満たす数を示し、Xは水
素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素
含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基
を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基
は互いに同一であっても、異なっていてもよい。ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ
含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様な
ものを挙げることができ、窒素含有基としては、アミノ
基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0094】Y2およびY3は周期表第15族または16
族の原子を示し、窒素、酸素などが好ましい。
【0095】(B-6)遷移金属ジフェノキシ化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0096】
【化7】 式中、M6は周期表第3族〜第11族の遷移金属原子を
示し、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タンタルな
どが好ましい。l、mはそれぞれ0または1の整数であ
る。A1およびA2はそれぞれ炭素原子数1〜50の炭化
水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素、酸
素原子含有置換基を有する炭化水素基、硫黄原子含有置
換基を有する炭化水素基またはケイ素原子含有置換基を
有する炭化水素基であり、A1 とA2 は同一でも異なっ
ていてもよい。Dは、炭素原子数1〜50の炭化水素
基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素、酸素、
イオウ、またはR2526Zで表される基を示し、R25
26は炭素原子数1〜20の炭化水素基、少なくとも1
個以上のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭化水
素基を示し、Zは炭素、窒素、硫黄、リン又はケイ素を
示す。
【0097】pは、M6の価数を満たす数であり、X
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒
素含有基を示し、pが2以上の場合は、Xで示される複
数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで
示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子
Lと同様なものを挙げることができ、窒素含有基として
は、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシク
ロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチル
アミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基
またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0098】(B-7)少なくとも1個のヘテロ原子を含むシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属
化合物 例えば下記一般式で表される化合物を用いることができ
る。
【0099】
【化8】 式中、M6は周期表第3族〜第11族の遷移金属原子を
示し、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タンタルな
どが好ましい。X3は周期表第13族、第14族または
第15族の原子を示し、炭素、珪素、ホウ素、窒素など
が好ましく、うち少なくとも1つは炭素以外の元素を含
む。
【0100】Rは、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化
炭化水素基、有機シリル基、または窒素、酸素、リン、
イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素
を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、これらの
うち2個以上が互いに連結して環をまいてもよい。
【0101】bは1以上の整数であり、bが2以上であ
る場合、複数の[((R)a53 5]基(ヘテロ原子を含
むシクロペンタジエニル骨格を有する配位子)は同一で
も異なっていてもよく、またR同士が架橋していてもよ
い。Y4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭
化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基ま
たは窒素含有基を示し、uはY4で示される基の数を示
し、0又は1以上の整数である。Y4基が複数ある場
合、Y4で示される複数の基は互いに同一でも異なって
いてもよく、またY4で示される複数の基は互いに結合
して環を形成してもよい。bとuとの合計はM 6の価数
を満たす。ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基としては前記の
配位子Lと同様なものを挙げることができ、窒素含有基
としては、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、
ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェ
ニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナ
フチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールア
ミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられ
る。
【0102】(B-8)下記一般式で表される遷移金属化合
物 [R37B(Pz)3 ]-6 +n 式中、M6 は周期表第3族〜第11族遷移金属原子を示
し、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、タンタルなど
が好ましい。R37は水素原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水
素基を示す。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては
前記の配位子Lと同様なものを挙げることができる。B
はホウ素を示す。Pzは、ピラゾイル基または置換ピラ
ゾイル基を示す。nはM6の価数を満たす数であり、X
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒
素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複
数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで
示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子
Lと同様なものを挙げることができ、窒素含有基として
は、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシク
ロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチル
アミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基
またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0103】(B-9)下記一般式で示される遷移金属化合
【0104】
【化9】 式中、Y4およびY5 は、周期表第15族の原子を示
し、窒素、リンなどが好ましい。Y6 は周期表第16族
の原子を示し、酸素、硫黄などが好ましい。R51〜R58
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原
子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イ
オウ含有基またはケイ素含有基を示し、これらのうち2
個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。ハロ
ゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオ
ウ含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様
なものを挙げることができ、窒素含有基としては、アミ
ノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキ
シルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、
ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミ
ノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基また
はアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0105】(B-10)下記一般式で表される化合物と周期
表第8族〜第10族から選ばれる遷移金属原子との化合
【0106】
【化10】 式中、R61〜R64は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水
素基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環
を形成していてもよい。炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基として
は前記の配位子Lと同様なものを挙げることができる。
周期表第8族〜第10族から選ばれる遷移金属原子とし
ては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウムなどが好ましい。
【0107】(B-11)下記一般式で示される遷移金属化合
【0108】
【化11】 式中、M6は周期表第3族〜第11族の遷移金属原子を
示し、ジルコニウム、コバルト、ルテニウム、ロジウム
などが好ましい。mは0〜3の整数である。nは0又は
1の整数である。pは1〜3の整数である。qはMの価
数を満たす数であり、mが0のときnは0である。R71
〜R78は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示
し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成し
ていてもよい。ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基としては
前記の配位子Lと同様なものを挙げることができ、窒素
含有基としては、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルア
ミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ
基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミ
ノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのア
リールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが
挙げられる。
【0109】Y8はA3とボラータベンゼン環を架橋する
基であり、炭素、ケイ素またはゲルマニウムを表す。A
3は、周期表第14族、第15族または第16族の原子
を示し、炭素、窒素、酸素などが好ましい。
【0110】(B-12)下記一般式で表される遷移金属化合
【0111】
【化12】 式中、M4は周期表第3族〜第6族の遷移金属原子を示
し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであること
が好ましい。R65およびR66は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜50の炭化水
素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有
機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケ
イ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基
を示す。
【0112】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示し、Xで示される複数の基は
互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される
複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ
含有基、ケイ素含有基としては前記の配位子Lと同様な
ものを挙げることができ、窒素含有基としては、アミノ
基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0113】これら遷移金属化合物(B-1)〜(B-12)のう
ち、(メタ)アクリル酸エステルとオレフィンやシクロ
アルケンとの共重合性、コストなどを考慮すると、遷移
金属化合物(B-1)が好ましく、そのうち、一般式(I-
2)で示される化合物が好ましく、例えば、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シ
クロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモ
ノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキ
シクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(メタンスルフォネート)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルフォネー
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルフォネート)、ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)
ジメチルジルコニウム、ビス(プロピルシクロペンタジ
エニル)ジメチルジルコニウム、ビス(n-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(tert-
ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジメチルジルコニウム、ビス(テトラメチルシクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジ
メチルジルコニウム、ビス(インデニル)ジメチルジル
コニウム、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジ
メチルジルコニウム、ビス(フルオレニル)ジメチルジ
ルコニウムなどを挙げることができる。
【0114】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は、1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は、1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロ
ピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert
-などの異性体を含む。また上記のようなジルコニウム
化合物において、ジルコニウムを、チタンまたはハフニ
ウムに置換えた化合物を挙げることもできる。
【0115】これらの遷移金属化合物うち、(メタ)ア
クリル酸エステルおよびオレフィンからなるモノマー混
合物の共重合性、コストなどを考慮すると、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)
ジメチルジルコニウム、ビス(メチルエチルシクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(プロピルシ
クロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(n-
ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ビス(tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム、ビス(トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム、ビス(4,5,6,7-テトラヒド
ロインデニル)ジメチルジルコニウム、ビス(フルオレ
ニル)ジメチルジルコニウムなどが好ましく、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、(プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム、ビス(tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジメチルジルコニウム、ビス(トリメチルシリル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(インデニル)ジメチルジルコニウム、ビス(4,5,6,7-
テトラヒドロインデニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(フルオレニル)ジメチルジルコニウムなどがより好ま
しく、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニ
ウム、ビス(tert-ブチルシクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ジメチルジルコニウム、ビス(インデニル)ジ
メチルジルコニウムがさらに好ましい。
【0116】これら遷移金属化合物(B)は、一種また
は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0117】本発明に用いる化合物(C)は助触媒とし
て用いられ、次に示す有機金属化合物(C-1)、有機ア
ルミニウムオキシ化合物(C-2)、及び遷移金属化合物
(B)と反応してイオン対を形成する化合物(C-3)
(適宜「イオン化イオン性化合物」という)の群から選
ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
【0118】(C-1)有機金属化合物 本発明に用いられる有機金属化合物(C-1)としては、
周期表第1族、第2族、第12族および第13族の元素
を含有する化合物を用いることができる。例えば、下記
一般式で示される化合物(C-1a)及び化合物(C-1b)を用
いることができる。
【0119】(C-1a)有機アルミニウム化合物 Ra mAl(ORb)npq (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、
Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n
<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の整数であり、
かつm+n+p+q=3である。) (C-1b)周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキ
ル化物 M2 AlRa 4 (式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素
原子数が1〜15の炭化水素基を示す。)。
【0120】化合物(C-1a)の例としては、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルア
ルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリte
rt-ブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウムなどのアリールアルミニウ
ム;ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチル
アルミニウムハイドライドなどの水素化アルキルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムメトキシドなどのアルコ
キシ化アルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムク
ロリドなどのハロゲン化アルキルアルミニウムなどを挙
げることができる。
【0121】化合物(C-1b)の例としては、LiAl
(C25)4、LiAl(C715)4 などを挙げることがで
きる。
【0122】これらの他、有機金属化合物(C-1)とし
て、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウ
ム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メ
チルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミ
ド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウ
ムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマ
グネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジ
メチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチル
マグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを挙げる
ことができる。
【0123】(C-2)有機アルミニウムオキシ化合物 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(C-
2)としては、通常使用されている公知のアルミノキサ
ンを用いることができ、例えば次に示す(1)〜(3)
の方法によって製造したものを用いることができる。
【0124】(1)吸着水を含有する化合物または結晶
水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫
酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水
和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁
液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミ
ニウム化合物とを反応させる方法。
【0125】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、
氷または水蒸気を作用させる方法。
【0126】(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの
溶媒中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニ
ウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオ
キシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0127】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、前記化合物(C-1a)
に属する有機アルミニウム化合物と同様のものを用いる
ことができる。
【0128】アルミノキサンを調製する際、溶媒とし
て、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンな
どの脂環族炭化水素;または上記芳香族炭化水素、脂肪
族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物;テトラヒ
ドロフランなどのエーテル類などを用いることができ
る。
【0129】アルミノキサンの好ましい構造としては、
例えば、下記一般式で表わされるものが挙げられる。
【0130】
【化13】 また有機アルミニウムオキシ化合物(C-2)としては、
下記一般式(II)で表されるボロン(B)を含んだ有機
アルミニウムオキシ化合物を用いることもできる。
【0131】
【化14】 式中、R81は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示
す。R82は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素
基を示す。
【0132】(C-3)遷移金属化合物(B)と反応してイ
オン対を形成する化合物 化合物(C-3)とは、本発明で用いられる遷移金属化合物
(B)と反応してイオン対を形成する化合物(イオン化
イオン性化合物)のことであり、ルイス酸、イオン性化
合物、ボラン化合物などを用いることができる。
【0133】化合物(C-3)であるルイス酸としては、
下記一般式で示される三置換ホウ素化合物を用いること
ができる。
【0134】BR80 3 式中、R80は、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル
基などの置換基を有するフェニル基、非置換のフェニル
基またはフッ素である。
【0135】上記ホウ素化合物としては、例えばトリフ
ルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオ
ロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロ
ン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス
(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリ
ス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどを挙げることが
できる。
【0136】化合物(C-3)であるイオン性化合物とし
ては、例えば下記一般式(IV)で表される化合物を用い
ることができる。
【0137】
【化15】 式中、R83としては、H+ 、カルボニウムカチオン、オ
キソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニ
ウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷
移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられ
る。R84〜R87は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、有機基、好ましくはフェニル基等のアリール基また
は置換アリール基である。
【0138】このR83であるカルボニウムカチオンの例
としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ
(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメ
チルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カル
ボニウムカチオンなどを挙げることができる。
【0139】このR83であるアンモニウムカチオンの例
としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチ
ルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカ
チオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモ
ニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、
N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタ
メチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニ
リニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカ
チオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどの
ジアルキルアンモニウムカチオンなどを挙げることがで
きる。
【0140】このR83であるホスホニウムカチオンの例
としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメ
チルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリー
ルホスホニウムカチオンなどを挙げることができる。
【0141】これらのうち、重合活性およびコストなど
を考慮すると、R83としては、カルボニウムカチオン、
アンモニウムカチオンが好ましく、トリフェニルカルボ
ニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、
N,N-ジエチルアニリニウムカチオンがより好ましい。
【0142】さらに化合物(C-3)であるイオン性化合
物の例としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニ
ルシクロペンタジエニル錯体、N,N-ジエチルアニリニウ
ムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式
(V)または(VI)で表されるホウ素化合物などを挙げ
ることができる。
【0143】
【化16】 (式中、Etはエチル基を示す。)
【0144】
【化17】 化合物(C-3)であるボラン化合物の例としては、デカ
ボラン(14);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなど
のアニオンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩
(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩
(III)などの金属ボランアニオンの塩などを挙げるこ
とができる。
【0145】これら化合物(C-1)〜(C-3)のうち、(メ
タ)アクリル酸エステルとオレフィンやシクロアルケン
との共重合性などを考慮すると、助触媒である化合物
(C)としては、遷移金属化合物(A)と反応してイオ
ン対を形成する化合物(C-3)が好ましい。例えば、B
80 3 で示されるルイス酸としては、トリフルオロボロ
ン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロンなどを好ましく用いることが
できる。
【0146】化合物(C)として化合物(C-3)を用い
る場合、有機金属化合物(A)としては、前述の(A−
1)の化合物を用いることが好ましく、それらのなかで
もジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、ブチル
エチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、
ジsec-ブチル亜鉛、ジ tert-ブチル亜鉛がより好まし
い。これら有機金属化合物(A)は、一種または二種以上
を組み合せて用いることができる。
【0147】本発明において、(メタ)アクリル酸エス
テルと、オレフィン及びシクロアルケンの少なくとも一
種との共重合は、(メタ)アクリル酸エステルと有機金
属化合物(A)を混合した後、遷移金属化合物(B)お
よび助触媒(C)からなる重合触媒の存在下において、
(メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシクロ
アルケンの少なくとも一種とを、重合することにより行
うことができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステル
と有機金属化合物(A)とを混合し、この混合物あるい
は反応系にオレフィン及びシクロアルケンの少なくとも
一種を添加し、その後、遷移金属化合物(B)および助
触媒(C)を添加して重合を行うことができる。また
は、(メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシ
クロアルケンの少なくとも一種とを含むモノマー混合物
あるいは反応系に有機金属化合物(A)を添加して(メ
タ)アクリル酸エステルと有機金属化合物(A)とを混
合した後、遷移金属化合物(B)および助触媒(C)を
添加して重合を行うことができる。
【0148】本発明における共重合は、溶液系、懸濁系
などにおいて実施できる。共重合は、窒素、アルゴンな
どの不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、重合条件下
で気体であるオレフィンやシクロアルケンを用いる場
合、オレフィンガスまたはシクロアルケンガス雰囲気下
で行ってもよい。また、得られる重合体の分子量を調節
するために、水素を存在させてもよい。重合触媒成分を
アルミナ、塩化マグネシウム、シリカのような担体に担
時させてもよい。
【0149】本発明における共重合方法では、不活性炭
化水素化合物を溶媒として用いることができる。不活性
炭化水素化合物としては、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素などを挙げることができ、
一種または二種以上の混合物として用いることができ
る。
【0150】本発明における共重合方法において、(メ
タ)アクリル酸エステルと有機金属化合物(A)とを混
合する際、用いる有機金属化合物(A)の量としては、
特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エ
ステルとオレフィンやシクロアルケンとの共重合性など
を考慮すると、有機金属化合物(A)と(メタ)アクリ
ル酸エステル(a)のモル比〔A/a〕は、0.001
〜1000が好ましく、0.01〜10がより好まし
く、0.1〜1がさらに好ましい。(メタ)アクリル酸
エステルと有機金属化合物(A)との混合は、共重合さ
せるオレフィンやシクロアルケンの存在下に行ってもよ
い。
【0151】(メタ)アクリル酸エステルと共重合させ
るオレフィン及びシクロアルケンの少なくとも一種が液
体または固体である場合、(メタ)アクリル酸エステル
と、オレフィン及びシクロアルケンの少なくとも一種と
の混合割合としては、特に限定されるものではないが、
例えば、(メタ)アクリル酸エステルとオレフィンやシ
クロアルケンとの共重合性や所望の共重合体特性などを
考慮すると、(メタ)アクリル酸エステル0.1〜9
9.9モル%、オレフィン及びシクロアルケンの少なく
とも一種の化合物0.1〜99.9モル%の範囲で適宜
設定することができ、例えば(メタ)アクリル酸エステ
ル40〜99モル%、オレフィン及びシクロアルケンの
少なくとも一種の化合物1〜60モル%の範囲、あるい
は(メタ)アクリル酸エステル70〜99モル%、オレ
フィン及びシクロアルケンの少なくとも一種の化合物1
〜30モル%の範囲に設定することができる。
【0152】(メタ)アクリル酸エステルと共重合させ
るオレフィン及びシクロアルケンの少なくとも一種の化
合物が大気圧下で気体である場合、重合容器への導入方
法としては、重合容器内の気相をオレフィンガスやシク
ロアルケンガス、またはオレフィンガスやシクロアルケ
ンガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス
で置換して行うことができる。重合容器内の圧力として
は、0.1〜50MPaが好ましい。
【0153】これらアクリル酸エステルと有機金属化合
物(A)、あるいはさらにオレフィン及びシクロアルケ
ンの少なくとも一種の化合物を混合する際の温度として
は、−150〜200℃が好ましく、より好ましくは−
100〜50℃である。混合中に温度を変えることもで
きる。混合する時間としては、好ましくは0.01〜1
20時間であり、より好ましくは0.1〜5時間であ
る。混合の際、通常行われている公知の方法により攪拌
を行うことができる。
【0154】本発明における共重合方法における重合の
開始は、(メタ)アクリル酸エステルと有機金属化合物
(A)との混合物に、オレフィン及びシクロアルケンの
少なくとも一種の化合物の存在下で、遷移金属化合物
(B)および助触媒(C)を添加し、混合して行うこと
ができる。各成分を混合する順序としては、例えば、予
め(メタ)アクリル酸エステル、有機金属化合物
(A)、オレフィン及びシクロアルケンの少なくとも一
種の化合物を混合したところに、助触媒(C)及び遷移
金属化合物(B)を添加することができる。
【0155】用いる遷移金属化合物(B)の量として
は、特に限定されるものではないが、遷移金属化合物
(B)と、(メタ)アクリル酸エステル(a)とのモル
比〔B/a〕は、1×10-10〜1×10-2が好まし
く、1×10-5〜1×10-2がより好ましい。
【0156】助触媒(C)の量としては、助触媒(C)
として有機金属化合物(C-1)を用いる場合、有機金属
化合物(C-1)と遷移金属化合物(B)中の遷移金属原
子(M)とのモル比〔(C-1)/M〕は、0.1〜100
000が好ましく、より好ましくは0.5〜50000
である。助触媒(C)として有機アルミニウムオキシ化
合物(C-2)を用いる場合、有機アルミニウムオキシ化合
物(C-2)中のアルミニウム原子と遷移金属化合物(B)
中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(C-2)/M〕は、
10〜50000が好ましく、より好ましくは20〜1
0000である。助触媒(C)としてイオン化イオン性
化合物(C-3)を用いる場合、イオン化イオン性化合物
(C-3)と遷移金属化合物(B)中の遷移金属原子
(M)とのモル比〔(C-3)/M〕は、0.5〜20が好
ましく、より好ましくは0.5〜10である。
【0157】重合の温度としては−150〜200℃が
好ましく、より好ましくは−100〜50℃である。ま
た、重合中に温度を変えることもできる。重合の時間と
しては、好ましくは0.01〜120時間であり、より
好ましくは5〜50時間である。重合の際、通常行われ
ている公知の方法により攪拌を行うことができる。
【0158】本発明の共重合方法における重合の停止
は、例えば、重合反応物へ塩酸など酸性化合物、メタノ
ールなどのアルコール、又は塩基性化合物を加えて行う
ことができる。
【0159】本発明の共重合方法における共重合体の回
収方法としては、例えば、共重合物へ重合溶媒と相溶し
共重合体を溶解しない液体を加えて共重合体を分離する
方法、共重合物を熱湯中に投入した後に水蒸気蒸留によ
り溶媒を留去する方法、重合反応物を加熱して溶媒など
を留去する方法などを挙げることができる。
【0160】本発明に係る(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体としては、上記の共重合方法により製造する
ことができ、(メタ)アクリル酸エステル単位と、オレ
フィン単位及びシクロアルケン単位の少なくとも一種の
単位から構成される。
【0161】この(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体の構成成分である(メタ)アクリル酸エステルと、オ
レフィン及びシクロアルケンの少なくとも一種として
は、前記の化合物を挙げることができる。
【0162】この(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体を構成する(メタ)アクリル酸エステル単位と、オレ
フィン単位及びシクロアルケン単位の少なくとも一種の
単位との割合としては、特に限定されるものではない
が、例えば得られる共重合体の透明性、耐候性、耐熱性
などを考慮した場合、(メタ)アクリル酸エステル単位
0.1〜70モル%、オレフィン単位及びシクロオレフ
ィン単位の少なくとも一種の単位30〜99.9モル%
が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル単位0.1〜
50モル%、オレフィン単位及びシクロオレフィン単位
の少なくとも一種の単位50〜99.9モル%がより好
ましく、(メタ)アクリル酸エステル単位20〜50モ
ル%、オレフィン単位及びシクロオレフィン単位の少な
くとも一種の単位50〜80モル%がさらに好ましい。
【0163】この(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体の分子量としては、特に限定されるものではないが、
得られる共重合体の機械的性質、耐熱性、成形性などを
考慮すると、重量平均分子量1000〜1000万が好
ましく、3000〜100万がより好ましく、3000
〜20万がより好ましい。
【0164】本発明に係る(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体には、通常用いられる公知の各種添加剤、安
定剤、強化剤を配合することができる。また、この(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体は、他の熱可塑性樹
脂と混合して用いることができる。この(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体は、押出成形、射出成形、中空
成形、圧縮成形、カレンダー成形など公知の成形方法に
より各種成形品を製造することができる。
【0165】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0166】共重合体の組成は、日本電子(株)製JN
M−EX270(270MHz)を用いて、1H−NM
Rおよび13C−NMRのスペクトルを測定して求めた。
メチルメタクリレート−ノルボルネン共重合体の場合、
1H−NMRスペクトルには、メチルメタクリレート由
来のピークがδ(−CH3)=0.7−1.3ppm付
近、δ(−CH2−)=1.3−2.1ppm付近、δ
(−OCH3)=3.6ppm付近に、ノルボルネン単
位由来のピークがδ=0.9−2.3ppm付近にみら
れた。13C−NMRスペクトルには、メチルメタクリレ
ート由来のピークがδ(Cα)=44−45ppm付
近、δ(CβH2)=50−54ppm付近、δ(−C
3)=17−22ppm付近、δ(−OCH3)=51
ppm付近、δ(C=O)=175−177ppm付近
にみられ、ノルボルネン単位由来のピークがδ=27−
28ppm付近にみられた。共重合体中のメチルメタク
リレート単位およびノルボルネン単位の含有比は1H−
NMRスペクトル(270MHz)の積分値から求め
た。
【0167】エチレン単位を含む共重合体の場合は、1
H−NMRスペクトルに、エチレン単位由来のピークが
1.2ppm付近にみられ、共重合体中のエチレン単位
含有量も、その積分値から求めた。
【0168】共重合体の分子量は、Warters社製
GPC150−Cを用いて、ゲルパーミションクロマト
グラフ(GPC)を測定して、メタクリル酸メチル単独
重合体(PMMA)換算で求めた。
【0169】(実施例1)内容量100mlの反応容器
に、アルゴン雰囲気下、トルエン12ml、メチルメタ
クリレート1.4ml(13mmol)、ノルボルネン
0.56g(6.0mmol)を仕込んだ。
【0170】ジエチル亜鉛4.7mmolを加えて0℃
で1時間攪拌した。
【0171】その後、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラン50μmolを溶解したトルエン1mlを加
え、さらにビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム50μmolを溶解したトルエン1ml加えて
重合を開始した。0℃で24時間攪拌した後、1mol/l
(1N)塩酸0.5mlおよびメタノール0.5mlを
加えて重合を停止した。ジクロロメタン50mlを加え
てろ過し、ろ液を濃縮して共重合体を得た。得られた共
重合体の組成、分子量を表1に示す。
【0172】(実施例2)内容量100mlの反応容器
に、アルゴン雰囲気下、トルエン27ml、メチルメタ
クリレート3.6ml(34mmol)、ノルボルネン
0.36g(3.8mmol)を仕込んだ。
【0173】ジエチル亜鉛9.3mmolを加えて0℃
で1時間攪拌した。
【0174】その後、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラン10μmolを溶解したトルエン0.2ml
を加え、さらにビス(シクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム10μmolを溶解したトルエン0.2m
lを加えて重合を開始した。0℃で24時間攪拌した
後、1mol/l(1N)塩酸0.5mlおよびメタノール
0.5mlを加えて重合を停止した。ジクロロメタン5
0mlを加えてろ過し、ろ液を濃縮して共重合体を得
た。得られた共重合体の組成、分子量を表1に示す。
【0175】(実施例3)内容量100mlの反応容器
に、アルゴン雰囲気下、トルエン12ml、メチルメタ
クリレート2.0ml(19mmol)を仕込んだ。
【0176】ジエチル亜鉛4.7mmolを加えて−7
8℃で1時間攪拌した。
【0177】その後、反応容器の雰囲気をエチレンガス
1×105Pa(1atm)へ置換した後、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラン50μmolを溶解したトル
エン1mlを加え、さらにビス(シクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム50μmolを溶解したトル
エン1mlを加えて重合を開始した。−78℃で24時
間攪拌した後、1mol/l(1N)塩酸0.5mlおよび
メタノール0.5mlを加えて重合を停止した。ジクロ
ロメタン50mlを加えて攪拌した後、ろ過し、ろ液を
濃縮して共重合体を得た。得られた共重合体の組成、分
子量を表1に示す。
【0178】(実施例4)実施例1において、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラン10μmolを溶解
したトルエン0.2mlにかえて、メチルアルミノキサ
ントルエン溶液(東ソー・アクゾ製MMAO−3A、ア
ルミニウム含有量1.5mol/L)6.7mlを用い
たこと以外は、同様の操作を行って共重合体を得た。得
られた共重合体の組成、分子量を表1に示す。
【0179】(実施例5)実施例1において、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラン10μmolにかえ
て、ジエチルアルミニウムモノクロリドを100μmo
lを用いたこと以外は、同様の操作を行って共重合体を
得た。得られた共重合体の組成、分子量を表1に示す。
【0180】(比較例1)実施例1において、ジエチル
亜鉛を添加しないこと以外は、同様の操作を行ったとこ
ろ、共重合体は得られなかった。
【0181】(比較例2)実施例1において、ジエチル
亜鉛の添加時期を、ビス(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウムを添加した後に変えたこと以外は、同
様の操作を行ったところ、共重合体は得られなかった。
【0182】
【表1】 実施例および比較例より次のことが明らかになった。
【0183】1)実施例1〜5に示す通り、予め(メ
タ)アクリル酸エステルと有機金属化合物を混合した
後、(メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシ
クロアルケンの少なくとも一種とを配位アニオン重合す
ることにより、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
を製造することができる。
【0184】2)実施例2および3に示す通り、本発明
の共重合方法により、オレフィン単位またはシクロアル
ケン単位の含有量が45モル%以上である(メタ)アク
リル酸エステル−オレフィン共重合体を得ることができ
る。このことから、本発明は精密光学材料の設計および
製造において有用であることがわかる。
【0185】3)比較例1に示すように、有機金属化合
物を用いずに、(メタ)アクリル酸エステルとシクロア
ルケンとを配位アニオン重合した場合、重合活性は著し
く低い。
【0186】
【発明の効果】本発明によれば、配位アニオン重合によ
り、(メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシ
クロアルケンの少なくとも1種との共重合が可能であ
り、共重合体組成の制御の自由度も大きい。本発明の共
重合方法によれば、各種(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体を製造することができ、ポリオレフィン及びシ
クロアルケン共重合体の少なくともいずれかの優れた性
質と、ポリ(メタ)アクリル酸エステルの優れた性質と
を併せ持つ工業的価値の高い熱可塑性樹脂材料を提供す
ることが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA07Q AA09Q AA15Q AA19Q AA21Q AL03P AL04P AL05P AL08P AR03R AR09R AR11R AR16R AR22R AS25R BA03P BA03Q BA05R BA12R BA29P BA40R BB01P BC04P BC54P BC55R BC66R CA04 CA05 FA10 FA19 FA21 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC07 AC10 AC25 AC28 AC31 AD01 AD05 AD11 AD13 AE00 AE06 BA00A BA02B BA03B BB01B BB02B BC01B BC04B BC05B BC06B BC08B BC09B BC12B BC13B BC15B BC16B BC24B BC25B BC27B BC29B CA17C EB02 EB18 EB25 EC02 EC04 FA02 FA03 GA01 GB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステルと有機金属
    化合物(A)を混合した後、遷移金属化合物(B)と、
    有機金属化合物(C-1)、有機アルミニウムオキシ化合
    物(C-2)、及び遷移金属化合物(B)と反応してイオ
    ン対を形成する化合物(C-3)の群から選ばれる少なく
    とも1種の化合物(C)とを含む重合触媒の存在下、
    (メタ)アクリル酸エステルと、オレフィン及びシクロ
    アルケンの少なくとも1種とを、重合することを特徴と
    する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 有機金属化合物(A)として有機亜鉛化
    合物を用いる請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステ
    ル系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 化合物(C)として、三置換ホウ素化合
    物からなるルイス酸を用いる請求項2記載の(メタ)ア
    クリル酸エステル系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の製造方法であ
    って、(メタ)アクリル酸エステル単位0.1〜70モ
    ル%、オレフィン単位及びシクロアルケン単位の少なく
    とも一種の単位30〜99.9モル%からなる(メタ)
    アクリル酸エステル系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル酸エステルが、メチル
    アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
    ト、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
    アクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
    レート、シクロヘキシルメタクリレート及び2−エチル
    ヘキシルメタクリレートの群から選ばれる一種または二
    種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の(メ
    タ)アクリル酸エステル系共重合体の製造方法。
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