JPH09186343A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

Info

Publication number
JPH09186343A
JPH09186343A JP8328111A JP32811196A JPH09186343A JP H09186343 A JPH09186343 A JP H09186343A JP 8328111 A JP8328111 A JP 8328111A JP 32811196 A JP32811196 A JP 32811196A JP H09186343 A JPH09186343 A JP H09186343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
channel
polycrystalline silicon
silicon thin
film transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8328111A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2899960B2 (ja
Inventor
Satoshi Takenaka
敏 竹中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP8328111A priority Critical patent/JP2899960B2/ja
Publication of JPH09186343A publication Critical patent/JPH09186343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2899960B2 publication Critical patent/JP2899960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】OFF電流が小さく高コントラストなアクティ
ブマトリクス基板を実現する。 【解決手段】多結晶シリコン薄膜のチャネルとなる領域
に第1不純物を1012〜1013cm-2にドーピングする
工程を有し、このドーピング工程はゲート絶縁膜形成後
であって、且つゲート電極形成前とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性透明基板上
に形成されるアクティブマトリクスあるいはイメージセ
ンサーの画素のスイッチング素子あるいは駆動用回路に
用いられるCMOS(Comp1ementary−M
eta1−OxideーSemiconductor)
型多結晶シリコン薄膜トランジスタにおいて、低駆動電
圧で大電流が得られ、さらに両チャネルトランジスタの
スレッシュホルド電圧(以下Vthと記す)の絶対値が
一致するCMOS型多結晶シリコン薄膜トランジスタ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコンにおいては、結晶粒界に
存在するダングリングボンドなどの欠陥が、キャリアに
対するトラップ準位あるいは障壁として働くと一般的に
考えられており(John Y.W.Seto,J,A
ppl.Phys.,46,5247(1975)参
照)、従って多結晶シリコン薄膜トランジスタの性能を
向上させる為には、前記欠陥を低減させる必要がある。
(J.Appl.Phys.,53(2),1193
(1982)参照)その目的で、水素による前記欠陥の
終端化が行なわれており、その中でも代表的な方法が、
水素プラズマ処理(応用物理学会,1986年秋季大会
予稿集,講演番号27pーQー5 あるいは、Mate
r1sーReseahーSociety Symp.P
roc.Vol.53,419(1986)参照)ある
いは水素イオン打込み法(IEEE EIctronー
Device-Letters,Vol.EDLー7,N
o.11,NoVember(1986),597べー
ジ参照)あるいはプラズマ窒化膜の形成(電子通信学会
技術研究報告SSD83ー75,23ぺージ参照)など
である。これらの方法を用いると、トランジスタ特性の
大幅な特性改善がなされる。しかしながら、特性が向上
する反面、Nチャネルトランジスタがデプレッション方
向に大きくシフトし、Pチャネルトランジスタがエンハ
ンスメント方向にわずかながらシフトするというVth
の異常シフトの問題が生じる。この原因は、トランジス
タがプラズマ中にさらされる事により、ゲート酸化膜中
に正の固定電荷が形成されチャネル部が常に負に誘起さ
れている為だと考えられている。(電子通信学会技術研
究報告SSD83ー75,23べージ参照)一方、水素
プラズマ処理によるVthのシフト量がNチャネルトラ
ンジスタについてはマイナス1Vからマイナス2Vであ
るのに対し、Pチャネルトランジスタについては、マイ
ナス0.1V程度であり(発明者による実験結果)この
現象についての原因は、まだわかっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、ゲート
電極形成前に、ウエハ全面にわたってイオン打込み法に
より、ボロンをチャネルドーピングする方法と、多結晶
シリコン薄膜として、ボロンドープされた多結晶シリコ
ン薄膜を推積させて用いるという2つの方法がある。し
かしながら、前述のように水素プラズマあるいは水素イ
オン打込み法、あるいは、プラズマ窒化膜形成工程によ
るVthのシフト量がNチャネルとPチャネルとで異な
る為に、従来技術では、Pチャネルトランジスタが、エ
ンハンスメント方向にシフトしすぎてしまい、両チャネ
ルのVthの絶対値の値を等しくできなくなってしま
う。
【0004】本発明は、このような水素プラズマ処理あ
るいは水素イオン打込み法あるいはプラズマ窒化膜形成
工程によるCMOS型多結晶シリコン薄膜トランジスタ
のVthの制御に関して、従来方法により生じたPチャ
ネル多結晶シリコン薄膜トランジスタが、エンハンスメ
ント方向へ大きくシフトするという問題点を解決し、V
thの絶対値が小さくてサブスレッシュホルド領域の立
ち上がりが急しゅんで、さらにPチャネル及びNチャネ
ル共にそのVthの絶対値がほぼ等しいCMOS型多結
晶シリコン薄膜トランジスタを実現することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のCM0S型多結
晶シリコン薄膜トランジスタ及びその製造方法は、絶縁
性透明基板上に多結晶シリコン薄膜と該多結晶シリコン
薄膜を熱酸化させて形成されたゲート酸化膜とゲート電
極と不純物拡散領域とで構成されたNチャネル多結晶シ
リコン薄膜トランジスタとPチャネル多結晶シリコン薄
膜トランジスタとを有するCMOS型多結晶シリコン薄
膜トランジスタにおいて、前記ゲート電極形成前に、前
記Nチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタのみに選
択的にボロンをチャネルドーピングする工程と、前記不
純物拡散領域の活性化熱処理後に水素プラズマ処理工程
あるいは水素イオン打込み工程あるいはプラズマ窒化膜
形成工程とを有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】実施例1を、図1により、工程図
に従って説明する。同図(a)において、絶縁性透明基
板1一1上に無添加多結晶シリコン薄膜の島1ー2と1
ー3を形成する。前記無添加多結晶シリコン薄膜の島
は、減圧CVDなどで堆積させられ、続いてフォトエッ
チングで形成される。次に同図(b)に示すように、レ
ジストマスク1ー4を形成し、島1ー3のみにボロンを
チャネルドーピングする。このようにしてNチャネル薄
膜トランジスタにするべき島1ー3のみを低濃度のボロ
ンドープされたP型多結晶シリコンにする。1ー5はボ
ロンビームを示す。ただしVthのシフト量が1ボルト
程度で、抵抗率が低下しないくらいのチャネルドープ打
込み量に設定する必要があり、およそ1012cmー2から
1013cmー2程度が適当である。その後レジストマスタ
1ー4は剥離される。続いて同図(c)で示すように熱
酸によりゲート酸化膜1一6を形成する。同図(d)と
(e)は一般的なCMOS工程である。1ー7はゲート
電極であり、n型多結晶シリコンが使われる。該ゲート
電極1ー7をマスクとしてボロンあるいはリンを必要な
ところにイオン打込みして、ボロンドープ領域1一8及
び、リンドープ領域1ー9を形成する。このようにし
て、Pチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー1
0及び、低濃度にボロンをチャネルドーピングされたN
チャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー11が作
製される。次に層間絶縁膜1ー12を形成する。該層間
絶縁膜はCVD法(減圧CVDあるいは常圧CVD)に
よるSiO2 を用いて形成される。続いて前記ボロンド
ープ領域1ー8及びリンドープ領域1ー9の活性化熱処
理を約1000℃で行なう。この段階でのTFT特性
は、Pチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー1
0は通常の特性であるが、低濃度にボロンをチャネルド
ーピングされたNチャネル多結晶シリコン薄膜トランジ
スタ1ー11は、エンハンスメント方向にシフトしてい
る。ここで水素プラズマ処埋あるいは水素イオン打込み
処理が行なわれる。同図1ー13は、水素プラズマによ
り発生した反応性の高い水素ラジカル、あるいは水素イ
オンピームを示している。水素プラズマは平行平板型の
一般的なプラズマ装置と水素ガスを用いることにより簡
単に得ることができる。その後、コンタクトホール形成
工程、続いて電極形成工程などそれれのデバイスに必要
な工程へと続いてゆく。前記電極材料として、金属(ア
ルミニウムあるいはクロムなど)を用いる場合には、電
極形成後に水素プラズマ処理あるいは水素イオン打込み
処理を行なっても何ら問題はない。ただし、ITO(I
ndium Tin Oxide)あるいはSnO2
どの透明導電膜を前記電極材料に用いる場合は、該透明
導電膜が還元作用を受けるため、水素プラズマ処理ある
いは水素イオン打込み処理は電極形成前に行なわなけれ
ばならない。
【0007】実施例1では、ゲート酸化膜形成前に選択
チャネルドーピングする方法について説明したが、実施
例2では、ゲート酸化膜形成後に選択チャネルドーピン
グする方法について説明する。同図(a)に示すように
実施例1と同様な方法で絶縁性透明基板2ー1上に無添
加多結晶シリコン薄膜の島2ー2と2ー3を形成する。
次に同図(b)で示すように熱酸化によりゲート酸化膜
2ー4を形成する。続いて同図(c)レジストマスタ2
ー5を形成し、無添加多結晶シリコン薄膜の島2ー3の
みに、ボロンをチャネルドーピングする。このようにゲ
ート酸化膜2ー4を通して、Nチャネル多結晶シリコン
薄膜トランジスタにするべき島2一3のみを低濃度にボ
ロンドープされたP型多結晶シリコンにする。2一6は
ボロンビームを示す。チャネルドーピング打込み量につ
いては実施例1のところで述べたのでここでは省略す
る。その後、レジストマスク2ー5は剥離される。以後
同図(d),(e),(f)で示す工程は、実施例1の
ところで図1(d),(e),(f)に従って説明した
事と同様なので、ここでは省略する。
【0008】以上述べたように本発明によれば、従来の
水素プラズマ処理で生じた、Nチャネル多結晶シリコン
薄膜トランジスタがデプレッション方向へ1Vから2V
程度シフトするという異常シフトの問題を、Nチャネル
多結晶シリコン薄膜トランジズタのみのチャネル部にボ
ロンを低濃度(1012cmー2から10ー13 cー2程度)
に選択チャネルドーピングしたので、エンハンスメント
方向へ制御して解決することができる。従って、水素プ
ラズマ処理あるいは水素イオン打込み処理あるいはプラ
ズマ窒化膜形成による多結晶シリコンの欠陥の低減とい
う長所を最大限に利用することが可能となった。つま
り、サブスレッシュホルド領域の立ち上がりが急しゅん
となり、Vthの絶対値が低減され、しかもNチャネ
ル,Pチャネル共にそのVthの絶対値の大きさが一致
するという優れた特性を有する。CMOS型多結晶シリ
コン薄膜トランジスタの実現が可能となる。図3にCM
OS型多結晶シリコン薄膜トランジスタに対する本発明
の効果な示す。図3(a)にNチャネル多結晶シリコン
薄膜トランジスタに対する本発明の効果を示す。同図は
発明者が実験して得たデータである。横柚はゲートとソ
ース間電圧VGSであり、縦軸はドレイン電IDSの対数で
ある。測定はドレインとソース間の電圧VDSを5V一定
にして行なった。同図において破線3ー1の曲線が従来
方法による結果であり、実線3ー2の曲線が、ボロンを
選択チャネルドーピングされた薄膜トランジスタのトラ
ンジスタ特性である。図3(b)には同様にPチャネル
多結晶シリコン薄膜トランジスタのトランジスタ特性を
示す。VDSはー5Vである。Pチャネル多結晶シリコン
薄膜トランジスタは、チャネルドーピングはされていな
いので、Vthのシフト量は、問題とならない。これら
の結果からわかるように、従来方法では、水素プラズマ
処理あるいは水素イオン打込み処理あるいはプラズマ窒
化膜形成など(以下まとめて水素処理と呼ぶ)によるN
チャネルのデプレッション方向への異常シフトを全面に
ボロンなチャネルドーピングという方向で行なっていた
ので、前記水素処理による異常シフトの小さいPチャネ
ル多結晶シリコン薄膜トランジスタはエンハンスメント
方向へ異常シフトしてしまった。本発明ではNチャネル
多結晶シリコン薄膜トランジスタのみにボロンを選択チ
ャネルドーピングするので、NチャネルのみVthがエ
ンハンスメント方向に制御されることとなり、前記水素
処理後には両チャネルのVthの絶対値のほとんど一致
した、優れたCMOS型多結晶シリコン薄膜トランジス
タを実現することが可能となった。
【0009】
【発明の効果】アクティブマトリクス基板に本発明を用
いるとOFF電流が小さいので高コントラストなアクテ
ィブマトリクス基板が実現できる。また、CM0S構造
である為シフトレジスタ回路と光電変換素子を同一基板
に作り込んだイメージセンサーにも応用することがで
き、前記イメージセンサーの高速読み取りや大型化、あ
るいはカラー化などに対して大きな効果が期待できる。
OFF電流も低下するので、低消費電力化にも役立つ。
またトランジスタ特性の立ち上がりが急しゅんになるの
で、素子の駆動電圧の低減もできるので素子の信頼性向
上にもつながる。
【0010】このように、アクティブマトリクス基板あ
るいはイメージセンサーなどのデバイスの高速動作、低
消費電力、低駆動電圧化、及び高信頼化などの要求項目
に対し。本発明の効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(f)は、本発明におけるCMOS
型多結晶シリコン薄膜トランジスタの工程図であり、実
施例1である。
【図2】(a)から(f)は、同じく本発明の実施例2
を示す工程図である。
【図3】(a),(b)は、CMOS型多結晶シリコン
薄膜トランジスタに対する本発明の効果を示すトランジ
スタ特性図である。
【符号の説明】
1ー4と2ー5;選択チャネルドーピングのためのレジ
ストマスク 1ー5と2ー6;ボロンビーム 1ー13と2ー11;水素ラジカル 3ー1;従来例によるNチャネルのトランジスタカーブ 3ー2;本発明によるNチャネルのトランジスタカーブ 3ー3;本発明によるPチャネルのトランジスタカーブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性透明基板上
に形成されるアクティブマトリクスあるいはイメージセ
ンサーの画素のスイッチング素子あるいは駆動用回路に
用いられる多結晶シリコン薄膜トランジスタの製造方法
に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、ゲート
電極形成前に、ウエハ全面にわたってイオン打込み法に
より、ボロンをチャネルドーピングする方法と、多結晶
シリコン薄膜として、ボロンドープされた多結晶シリコ
ン薄膜を推積させて用いるという2つの方法がある。し
かしながら、前述のように水素プラズマあるいは水素イ
オン打込み法、あるいは、プラズマ窒化膜形成工程によ
るVthのシフト量がNチャネルとPチャネルとで異な
る為に、チャネルのVthの調整が難しいという問題を
有していた。 本発明は、このような水素プラズマ処理
あるいは水素イオン打込み法あるいはプラズマ窒化膜形
成工程による多結晶シリコン薄膜トランジスタのVth
の制御に関して、従来方法により生じた問題点を解決
し、Vthの絶対値が小さくてサブスレッシュホルド領
域の立ち上がりが急しゅんな多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタを実現することを目的としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜トランジス
タの製造方法は、絶縁性基板上に多結晶シリコン薄膜を
形成する工程と、前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶
縁膜を形成する工程と、前記多結晶シリコン薄膜のチャ
ネルとなる領域に第1不純物を低濃度にドーピングする
工程と、前記多結晶シリコン薄膜の上に前記ゲート絶縁
膜を介してゲート電極を形成する工程と、前記多結晶シ
リコン薄膜に選択的に第2不純物を高濃度にドーピング
してソース・ドレイン領域を形成する工程と、前記ソー
ス・ドレイン領域を形成した後に、水素処理を施す工程
とを有し、前記第1不純物を低濃度にドーピングする工
程は、前記ゲート絶縁膜の形成後であって、且つ前記ゲ
ート電極の形成前であり、前記第1不純物を低濃度にド
ーピングするドーピング量は、1012cm-2から1013
cm-2であることを特徴とする
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【発明の実施の形態】参考例を、図1により、工程図に
従って説明する。同図(a)において、絶縁性透明基板
1一1上に無添加多結晶シリコン薄膜の島1ー2と1ー
3を形成する。前記無添加多結晶シリコン薄膜の島は、
減圧CVDなどで堆積させられ、続いてフォトエッチン
グで形成される。次に同図(b)に示すように、レジス
トマスク1ー4を形成し、島1ー3のみにボロンをチャ
ネルドーピングする。このようにしてNチャネル薄膜ト
ランジスタにするべき島1ー3のみを低濃度のボロンド
ープされたP型多結晶シリコンにする。1ー5はボロン
ビームを示す。ただしVthのシフト量が1ボルト程度
で、抵抗率が低下しないくらいのチャネルドープ打込み
量に設定する必要があり、およそ1012cmー2から10
13cmー2程度が適当である。その後レジストマスタ1ー
4は剥離される。続いて同図(c)で示すように熱酸に
よりゲート酸化膜1一6を形成する。同図(d)と
(e)は一般的なCMOS工程である。1ー7はゲート
電極であり、n型多結晶シリコンが使われる。該ゲート
電極1ー7をマスクとしてボロンあるいはリンを必要な
ところにイオン打込みして、ボロンドープ領域1一8及
び、リンドープ領域1ー9を形成する。このようにし
て、Pチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー1
0及び、低濃度にボロンをチャネルドーピングされたN
チャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー11が作
製される。次に層間絶縁膜1ー12を形成する。該層間
絶縁膜はCVD法(減圧CVDあるいは常圧CVD)に
よるSiO2 を用いて形成される。続いて前記ボロンド
ープ領域1ー8及びリンドープ領域1ー9の活性化熱処
理を約1000℃で行なう。この段階でのTFT特性
は、Pチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタ1ー1
0は通常の特性であるが、低濃度にボロンをチャネルド
ーピングされたNチャネル多結晶シリコン薄膜トランジ
スタ1ー11は、エンハンスメント方向にシフトしてい
る。ここで水素プラズマ処埋あるいは水素イオン打込み
処理が行なわれる。同図1ー13は、水素プラズマによ
り発生した反応性の高い水素ラジカル、あるいは水素イ
オンピームを示している。水素プラズマは平行平板型の
一般的なプラズマ装置と水素ガスを用いることにより簡
単に得ることができる。その後、コンタクトホール形成
工程、続いて電極形成工程などそれれのデバイスに必要
な工程へと続いてゆく。前記電極材料として、金属(ア
ルミニウムあるいはクロムなど)を用いる場合には、電
極形成後に水素プラズマ処理あるいは水素イオン打込み
処理を行なっても何ら問題はない。ただし、ITO(I
ndium Tin Oxide)あるいはSnO2
どの透明導電膜を前記電極材料に用いる場合は、該透明
導電膜が還元作用を受けるため、水素プラズマ処理ある
いは水素イオン打込み処理は電極形成前に行なわなけれ
ばならない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】参考例では、ゲート酸化膜形成前に選択チ
ャネルドーピングする方法について説明したが、次に本
発明の実施例について説明する。本実施例では、ゲート
酸化膜形成後に選択チャネルドーピングする方法につい
て説明する。同図(a)に示すように参考例と同様な方
法で絶縁性透明基板2ー1上に無添加多結晶シリコン薄
膜の島2ー2と2ー3を形成する。次に同図(b)で示
すように熱酸化によりゲート酸化膜2ー4を形成する。
続いて同図(c)レジストマスタ2ー5を形成し、無添
加多結晶シリコン薄膜の島2ー3のみに、ボロンをチャ
ネルドーピングする。このようにゲート酸化膜2ー4を
通して、Nチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタに
するべき島2一3のみを低濃度にボロンドープされたP
型多結晶シリコンにする。2一6はボロンビームを示
す。チャネルドーピング打込み量については参考例のと
ころで述べたのでここでは省略する。その後、レジスト
マスク2ー5は剥離される。以後同図(d)、(e)、
(f)で示す工程は、参考例のところで図1(d)、
(e)、(f)に従って説明した事と同様なので、ここ
では省略する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】以上述べたように本発明によれば、従来の
水素プラズマ処理で生じた、Nチャネル多結晶シリコン
薄膜トランジスタがデプレッション方向へ1Vから2V
程度シフトするという異常シフトの問題を、Nチャネル
多結晶シリコン薄膜トランジズタのみのチャネル部にボ
ロンを低濃度(1012cmー2から10ー13 cー2程度)
に選択チャネルドーピングしたので、エンハンスメント
方向へ制御して解決することができる。従って、水素プ
ラズマ処理あるいは水素イオン打込み処理あるいはプラ
ズマ窒化膜形成による多結晶シリコンの欠陥の低減とい
う長所を最大限に利用することが可能となった。つま
り、サブスレッシュホルド領域の立ち上がりが急しゅん
となり、Vthの絶対値が低減され、しかもNチャネ
ル,Pチャネル共にそのVthの絶対値の大きさが一致
するという優れた特性を有する。CMOS型多結晶シリ
コン薄膜トランジスタの実現が可能となる。図3にCM
OS型多結晶シリコン薄膜トランジスタに対する本実施
例の効果な示す。図3(a)にNチャネル多結晶シリコ
ン薄膜トランジスタに対する本発明の効果を示す。同図
は発明者が実験して得たデータである。横柚はゲートと
ソース間電圧VGSであり、縦軸はドレイン電IDSの対数
である。測定はドレインとソース間の電圧VDSを5V一
定にして行なった。同図において破線3ー1の曲線が従
来方法による結果であり、実線3ー2の曲線が、ボロン
を選択チャネルドーピングされた薄膜トランジスタのト
ランジスタ特性である。図3(b)には同様にPチャネ
ル多結晶シリコン薄膜トランジスタのトランジスタ特性
を示す。VDSはー5Vである。Pチャネル多結晶シリコ
ン薄膜トランジスタは、チャネルドーピングはされてい
ないので、Vthのシフト量は、問題とならない。これ
らの結果からわかるように、従来方法では、水素プラズ
マ処理あるいは水素イオン打込み処理あるいはプラズマ
窒化膜形成など(以下まとめて水素処理と呼ぶ)による
Nチャネルのデプレッション方向への異常シフトを全面
にボロンなチャネルドーピングという方向で行なってい
たので、前記水素処理による異常シフトの小さいPチャ
ネル多結晶シリコン薄膜トランジスタはエンハンスメン
ト方向へ異常シフトしてしまった。本発明ではNチャネ
ル多結晶シリコン薄膜トランジスタのみにボロンを選択
チャネルドーピングするので、NチャネルのみVthが
エンハンスメント方向に制御されることとなり、前記水
素処理後には両チャネルのVthの絶対値のほとんど一
致した、優れたCMOS型多結晶シリコン薄膜トランジ
スタを実現することが可能となった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の効果】アクティブマトリクス基板に本発明を用
いるとOFF電流が小さいので高コントラストなアクテ
ィブマトリクス基板が実現できる。また、CM0S構造
である為シフトレジスタ回路と光電変換素子を同一基板
に作り込んだイメージセンサーにも応用することがで
き、前記イメージセンサーの高速読み取りや大型化、あ
るいはカラー化などに対して大きな効果が期待できる。
OFF電流も低下するので、低消費電力化にも役立つ。
またトランジスタ特性の立ち上がりが急しゅんになるの
で、素子の駆動電圧の低減もできるので素子の信頼性向
上にもつながる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(f)は、本発明の参考例における
CMOS型多結晶シリコン薄膜トランジスタの工程図で
ある。
【図2】(a)から(f)は、同じく本発明の実施例を
示す工程図である。
【図3】(a),(b)は、CMOS型多結晶シリコン
薄膜トランジスタに対する本発明の効果を示すトランジ
スタ特性図である。
【符号の説明】 1ー4と2ー5;選択チャネルドーピングのためのレジ
ストマスク 1ー5と2ー6;ボロンビーム 1ー13と2ー11;水素ラジカル 3ー1;従来例によるNチャネルのトランジスタカーブ 3ー2;本発明によるNチャネルのトランジスタカーブ 3ー3;本発明によるPチャネルのトランジスタカーブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性透明基板上に、多結晶シリコン薄
    膜と該多結晶シリコン薄膜を熱酸化させて形成されたゲ
    ート酸化膜とゲート電極と不純物拡散領域とで構成され
    たNチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタとPチャ
    ネル多結晶シリコン薄膜トランジスタを形成する薄膜ト
    ランジスタの製造方法において、前記ゲート電極形成前
    に、前記Nチャネル多結晶シリコン薄膜トランジスタの
    みに選択的にボロンをチャネルドーピングする工程と、
    前記不純物拡散領域の活性化熱処理後に水素プラズマ処
    理工程あるいは水素イオン打込み工程あるいはプラズマ
    窒化膜形成工程とを有することを特徴とする薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
JP8328111A 1996-12-09 1996-12-09 薄膜トランジスタの製造方法 Expired - Lifetime JP2899960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8328111A JP2899960B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 薄膜トランジスタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8328111A JP2899960B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 薄膜トランジスタの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62096756A Division JP2764395B2 (ja) 1987-04-20 1987-04-20 薄膜トランジスタの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10126440A Division JP3120372B2 (ja) 1998-05-08 1998-05-08 薄膜トランジスタの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09186343A true JPH09186343A (ja) 1997-07-15
JP2899960B2 JP2899960B2 (ja) 1999-06-02

Family

ID=18206623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8328111A Expired - Lifetime JP2899960B2 (ja) 1996-12-09 1996-12-09 薄膜トランジスタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2899960B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6872978B2 (en) * 1998-12-28 2005-03-29 Fujitsu Display Technologies Corporation CMOS-type thin film semiconductor device and method of fabricating the same

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55160457A (en) * 1979-03-30 1980-12-13 Toshiba Corp Semiconductor device
JPS5727066A (en) * 1980-07-25 1982-02-13 Fujitsu Ltd Manufacture of mis field-effect semiconductor device
JPS6058675A (ja) * 1983-09-12 1985-04-04 Seiko Epson Corp 薄膜半導体装置の製造方法
JPS60136259A (ja) * 1983-12-24 1985-07-19 Sony Corp 電界効果型トランジスタの製造方法
JPS60164363A (ja) * 1984-02-07 1985-08-27 Seiko Epson Corp 薄膜トランジスタの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55160457A (en) * 1979-03-30 1980-12-13 Toshiba Corp Semiconductor device
JPS5727066A (en) * 1980-07-25 1982-02-13 Fujitsu Ltd Manufacture of mis field-effect semiconductor device
JPS6058675A (ja) * 1983-09-12 1985-04-04 Seiko Epson Corp 薄膜半導体装置の製造方法
JPS60136259A (ja) * 1983-12-24 1985-07-19 Sony Corp 電界効果型トランジスタの製造方法
JPS60164363A (ja) * 1984-02-07 1985-08-27 Seiko Epson Corp 薄膜トランジスタの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6872978B2 (en) * 1998-12-28 2005-03-29 Fujitsu Display Technologies Corporation CMOS-type thin film semiconductor device and method of fabricating the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2899960B2 (ja) 1999-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0495650B1 (en) Method of fabricating field-effect transistor
US6784035B2 (en) Field effect transistor having source and/or drain forming Schottky or Schottky-like contact with strained semiconductor substrate
JP2731056B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH10116994A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100691293B1 (ko) 박막 반도체 디바이스 및 그 제조 방법
JP3025385B2 (ja) 半導体装置
JPH06349853A (ja) Mosトランジスタおよびその製造方法
JPS6344770A (ja) 電界効果型トランジスタの製造方法
JP2764395B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2802618B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH10284722A (ja) Mosfet及びその製造方法
JP2899959B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2899960B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP3183256B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP3120372B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2623902B2 (ja) 半導体装置とその製造方法
JPH0350771A (ja) 半導体装置
JPH0575041A (ja) Cmos半導体装置
JP4243121B2 (ja) 相補型半導体装置およびその製造方法
KR940004415B1 (ko) Mos fet 제조방법 및 그 구조
JP3008929B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2705550B2 (ja) Cmos薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP3274653B2 (ja) Mos型電界効果トランジスタおよびその製造方法
JP2924069B2 (ja) Mis型半導体装置の製造方法
KR100255136B1 (ko) 수평 결정립 구조의 게이트 전극을 가지는 반도체 장치 및그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19980310

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080319

Year of fee payment: 9