JPH09177578A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH09177578A
JPH09177578A JP7335055A JP33505595A JPH09177578A JP H09177578 A JPH09177578 A JP H09177578A JP 7335055 A JP7335055 A JP 7335055A JP 33505595 A JP33505595 A JP 33505595A JP H09177578 A JPH09177578 A JP H09177578A
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JP
Japan
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temperature
cooling water
intake valve
adhesion
water temperature
Prior art date
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Application number
JP7335055A
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English (en)
Inventor
Satoru Takeyama
哲 武山
Yuki Nakajima
祐樹 中島
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットリスタート時においても空燃比を一定
に保つ。 【解決手段】 冷却水温を検出手段22が、またこの冷
却水温と上昇や下降の特性が異なる物性温度を検出手段
23がそれぞれ検出し、この物性温度と前記冷却水温か
ら吸気弁温度を予測手段24が予測する。この吸気弁予
測温度に基づいて平衡付着量Mfhを演算手段25が、
またこの吸気弁温度に基づいて分量割合Kmfを演算手
段26がそれぞれ演算する。演算された平衡付着量Mf
hとその時点での付着量Mfとの差(Mfh−Mf)と
演算された分量割合Kmfとに基づいて付着速度Vmf
を演算手段28が演算し、この付着速度Vmfと前記付
着量Mfとを燃料噴射に同期して加算することにより付
着量Mfを更新手段29が更新する。付着速度Vmfで
基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量Tiを演算手段3
0が演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの空燃比制御
装置、特に燃料を吸気弁に向けて噴射供給する場合にそ
の吸気弁温度を予測し、その吸気弁予測温度を用いて過
渡補正量を求めるものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの加減速時における空
燃比の目標値からのずれは、吸気マニホールドや吸気ポ
ートに付着し、液状のまま壁面を伝ってシリンダーへと
流れ込む、いわゆる壁流燃料の量的変化に起因するもの
であり、この壁流燃料による過不足分を過渡補正量とし
て燃料補正を行うものが各種提案されている。
【0003】このものでは、平衡付着量Mfhと分量割
合Kmfと2つの値を、エンジン負荷、エンジン回転数
Neおよび冷却水温Twに基づいて予め定めておき、一
定の演算式を用いて単位周期当たり(一噴射当たり)の
付着量(これを付着速度という)Vmfを求め、この付
着速度Vmfで基本噴射量Tpを補正している。なお、
上記の分量割合KmfはMfhとその時点での付着量
(予測変数である)Mfの差(Mfh−Mf)の燃料を
燃料噴射量の補正にどの程度反映させるのかを示す係数
のことである。
【0004】しかしながら、吸気ポートに向けてでな
く、吸気弁に向けて燃料を噴射する場合にも、冷却水温
Twから演算される上記の平衡付着量Mfhと分量割合
Kmfとを用いたのでは、特に冷間始動直後に空燃比誤
差が生じる。このときの壁流燃料量は、壁流燃料の流れ
る吸気弁の温度に左右されるので、吸気弁温度と冷却水
温Twとの温度差の分が壁流燃料の見積もり誤差とな
り、空燃比誤差として生じてくるのである。
【0005】そこで、特開平1−305142号公報の
装置では吸気弁温度を予測し、その吸気弁予測温度を上
記冷却水温Twに代えて用いることによってMfhとK
mfとを求めるようにしている。吸気弁温度は、始動の
前に十分な時間が経過しているのであれば、始動直後に
冷却水温Twとほぼ等しく、暖機後は冷却水温Twより
所定値(たとえば約80℃)だけ高い温度に落ち着き、
その変化は吸入空気量で定まる時定数に応じた一次遅れ
となるので(図10(A)の破線参照)、平衡吸気弁温
度Thと遅れ時定数SPTFとを負荷と回転数とをパラ
メーターとして予め定めておき、これらから、 Tf=Th×SPTF+Tf-1×(1−SPTF) …(1) ただし、Tf-1:Tfの前回値 の式(つまり一次遅れの式)を用いて吸気弁予測温度T
fを求めるのである。
【0006】こうすることで、実際に燃料が付着する部
位の代表である吸気弁温度を始動から暖機完了まで、正
確に予測することができる。
【0007】ただし、実際の演算ロジック上では、特開
平3−134237号公報にもあるように、始動時に冷
却水温Twよりも所定値だけ低い温度から冷却水温Tw
に向かって一次遅れで収束する値(これを壁流補正用温
度という)Twfを始動時に与えている(図10(A)
の一点鎖線参照)。これは、TwfとTfとで変化のし
かたが同じであれば、演算ロジック上では全く同じに扱
えるからである。
【0008】なお、Twf(初期値Inwftは)の算
出式を示すと、 Twf=Twf-1sec+(Tw−Twf)×Fltsp …(2) ただし、Tw:冷却水温 Twf-1sec:1sec前のTwf Fltsp:ファイリング時の温度変化割合 である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の吸気
弁温度予測方法では、始動時に実際の吸気弁温度と冷却
水温Twとが等しいことを前提としているので、ホット
リスタート時のように、エンジンの停止条件(たとえば
停止直前のエンジンの温度状態、停止から再始動までの
経過時間、そのときの気温等)により再始動時に冷却水
温と吸気弁温度が等しくない場合に、再始動時の吸気弁
温度の予測を正確に行うことができず、MfhやKmf
の算出に誤差が生じ、結果として空燃比を一定に保つこ
とができない(排気エミッションや燃費の悪化を生じ
る)。
【0010】たとえば、図10(B)に示すように暖機
後の冷却水温が80℃の状態からエンジンを停止したと
きには、冷却水温、吸気弁温度とも温度低下してゆき、
十分な時間の後には両者とも20℃で落ち着くとする
と、その後の再始動時(コールドスタート時)に20℃
を初期値としてTfが計算されるときには、Tfが実際
の吸気弁温度とよく一致する。これに対して、エンジン
停止よりそれほど時間がたっていない状態、たとえば冷
却水温が30℃(吸気弁温度はこれよりも高い)の状態
で再始動(ホットリスタート)を行うときには、30℃
を初期値としてTfが計算されるため、Tfが実際の吸
気弁温度より高めに見積もられることが多く、この高め
に見積もられるTfによれば過渡補正量Kathosが
不足して空燃比がリーンになるのである。
【0011】そこでこの発明は、冷却水温と上昇や下降
の特性が異なる物性温度を検出し、この検出した物性温
度と冷却水温から吸気弁温度を予測することにより、ホ
ットリスタート時においても空燃比を一定に保つことを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、図11
に示すように、運転条件に応じた基本噴射量Tpを演算
する手段21と、冷却水温を検出する手段22と、この
冷却水温と上昇や下降の特性が異なる物性温度を検出す
る手段23と、この物性温度と前記冷却水温から吸気弁
温度を予測する手段24と、この吸気弁予測温度、エン
ジン負荷およびエンジン回転数に基づいて平衡付着量M
fhを演算する手段25と、前記吸気弁温度、エンジン
負荷およびエンジン回転数に基づいて分量割合Kmfを
演算する手段26と、前記演算された平衡付着量Mfh
とその時点での付着量Mfとの差(Mfh−Mf)を演
算する手段27と、この差(Mfh−Mf)の付着量と
前記演算された分量割合Kmfとに基づいて付着速度V
mfを演算する手段28と、この付着速度Vmfと前記
付着量Mfとを燃料噴射に同期して加算することにより
付着量Mfを更新する手段29と、前記付着速度Vmf
で前記基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量Tiを演算
する手段30と、この噴射量の燃料を吸気管に供給する
手段31とを設けた。
【0013】第2の発明では、第1の発明において、前
記物性温度が触媒温度であり、この触媒温度と冷却水温
から内挿により吸気弁温度を予測する。
【0014】第3の発明では、第2の発明において、前
記内挿の係数を前記触媒温度と冷却水温の差に応じた値
とする。
【0015】第4の発明では、第1の発明において、前
記物性温度が油温であり、この油温と冷却水温から外挿
により吸気弁温度を予測する。
【0016】第5の発明では、第4の発明において、前
記外挿の係数を前記油温と冷却水温の差に応じた値とす
る。
【0017】
【作用】冷却水温だけでホットリスタート時の吸気弁温
度を予測することは困難であるが、冷却水温とは上昇、
下降の特性が異なる物性温度を検出すると、この検出し
た物性温度、冷却水温と吸気弁温度との相関より始動か
らの吸気弁温度の正確な予測が可能となるので、ホット
リスタート時にも空燃比が一定に保たれる。
【0018】
【実施例】図1において、吸入空気はエアクリーナーか
ら吸気管8を通り、燃料はコントロールユニット(図で
はC/Uで略記)2よりの噴射信号に基づき燃料噴射弁
7からエンジン1の吸気弁に向けて噴射される。シリン
ダー内で燃焼したガスは排気管9を通して触媒コンバー
ター10に導入され、ここで燃焼ガス中の有害成分(C
O,HC,NOx)が三元触媒により清浄化されて排出
される。
【0019】吸入空気の流量Qaはホットワイヤー式の
エアフローメーター6により検出され、アクセルペダル
と連動する吸気絞り弁5によってその流量が制御され
る。
【0020】エアフローメーター6からの空気量信号
は、排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサー3、ク
ランク角の基準位置信号(Ref信号)と角度信号とを
出力するクランク角センサー4、ウォータージャケット
の冷却水温Twを検出する水温センサー11、スタータ
ーの作動を検出するスタータースイッチ12からの信号
とともに、コントロールユニット2に入力される。
【0021】コントロールユニット2では、エアフロー
メーター6により検出される吸入空気量とエンジン回転
数Neとから基本噴射パルス幅Tpを演算するととも
に、加減速時にはこのTpに過渡補正量Kathosを
加算することによって燃料補正を行っている。この過渡
補正量Kathosは、具体的には燃料壁流に対する補
正分であるため、加減速時に限らず、燃料壁流が大きく
変化する始動時にも働く。
【0022】この場合に、壁流燃料量は壁流燃料が流れ
る部位の温度に大きく依存するので、噴射弁より吸気弁
の傘裏部に向けて燃料のすべてを噴射する場合には、吸
気弁温度を予測し、この吸気弁予測温度を用いて過渡補
正量Kathosを演算しなければならない。
【0023】しかしながら、従来の吸気弁温度予測方法
では、始動時に実際の吸気弁温度と冷却水温Twとが等
しいことを前提としているので、ホットリスタート時の
ように、エンジンの停止条件により始動時に吸気弁温度
と冷却水温が等しくない場合に、再始動時の吸気弁温度
の予測を正確に行うことができず、MfhやKmfの算
出に誤差が生じ、結果として空燃比を一定に保つことが
できない(排気エミッションや燃費の悪化を生じる)。
【0024】これに対処するため、本発明では、伝熱量
およびエンジンの運転状態によって上昇や下降の特性が
冷却水温と異なる物性温度(たとえば触媒温度や油温)
を検出し、この検出した物性温度と冷却水温から吸気弁
温度を予測する。
【0025】たとえば、冷却水温が20℃の状態からエ
ンジンを始動した場合(ただし、前回のエンジン停止か
ら十分な時間が経過し、冷却水温=実際の吸気弁温度と
なった後の始動とする)と暖機後80℃においてエンジ
ンを停止した場合について、冷却水温Tw、触媒温度T
c、吸気弁温度の変化をそれぞれ図2(A)、(B)に
示すと、吸気弁温度がTcとTwの間にくるので、Tc
とTwの内挿により吸気弁温度を求めることができる。
この場合の演算式は、 Tf=Tw+(Tc−Tw)×TTC …(3) ただし、Tf:吸気弁予測温度 Tw:冷却水温 Tc:触媒温度 TTC:内挿係数 である。Twのみで吸気弁温度を予測することは困難で
あるが、伝熱量およびエンジンの運転状態によって上昇
や下降の特性の異なる物性温度(つまり触媒温度)を検
出することにより、この物性温度、Twと吸気弁温度と
の相関を利用して、吸気弁温度の正確な予測が可能とな
るのである。
【0026】触媒温度に代えて、油温を用いる場合は、
図3(A)、(B)のように、吸気弁温度が油温To、
冷却水温Twよりも外側にくるので、ToとTwの外挿
により吸気弁温度を予測することができる。この場合の
演算式は、 Tf=Tw+(Tc−Tw)×TTO …(4) ただし、Tf:吸気弁予測温度 Tw:冷却水温 To:油温 TTO:外挿係数 である。
【0027】このようにして本発明では、触媒温度(あ
るいは油温)と冷却水温とから、手触媒温度、冷却水温
と吸気弁温度の相関を利用して吸気弁温度を正確に予測
することで、始動からのMfhやKmfの算出を精度よ
く行うことが可能となり、図4において実線に示したよ
うに、ホットリスタート時にも空燃比を一定に保つこと
ができる。
【0028】また、触媒温度を検出するセンサーは通
常、付属されているので、改めて設ける必要がない。
【0029】次に、触媒温度と冷却水温から吸気弁温度
を予測する場合を、以下のフローチャートにしたがって
説明する。
【0030】まず、図5のフローチャートは、壁流補正
温度Twfを算出するためのもので、たとえば1sec
毎(あるいは10ms毎)に実行する。
【0031】ステップ1ではファイアリング時であるか
どうかみて、ファイアリング時であればステップ2以降
に進む。ステップ2では、冷却水温Twと触媒温度Tc
を読み込み、ステップ3においてこれらの差Tc−Tw
から図6を内容とするテーブルを参照して内挿係数TT
Cを求め、この内挿係数TTCと冷却水温Tw、触媒温
度Tcを用い、ステップ4で吸気弁予測温度Tfを上記
(3)式により求めた後、ステップ5において、 Twf=Tf−80℃ …(5) の式により壁流補正温度Twfを計算する。
【0032】内挿係数TTCは触媒温度Tcと冷却水温
Twの差によって異なるため、図6のようにTc−Tw
に応じた値としている。また、上記(4)式の外挿係数
TTOもTo−Twに応じて与える。
【0033】図7のフローチャートは過渡補正量Kat
hosを演算するためのもので、このルーチンは10m
s周期で実行する。
【0034】まず、ステップ11では平衡付着量Mfh
を3つのパラメータNe,Tp,Twfを用いて演算す
る。
【0035】ここで、Mfhのデーターは、冷却水温T
wに対して予め与えられているので、Twの代わりにT
wfを用いて求める。冷却水温の場合で説明すると、た
とえば、実際の水温Twが基準温度Tw0〜Tw4(T
w0>…>Tw4)により分割されたどの温度領域にあ
るかを判別し、いま仮にTw≧Tw1であるとすると、
Twに最も近くてTwよりも高い温度である基準温度T
w0と、同じくTwよりも低い温度である基準温度Tw
1に対するマップからそのときのNe,Tpに応じたマ
ップ値Mfh0,Mfh1(Tw0,Tw1に対するM
fh)を求め、これらの値Mfh0,Mfh1と、基準
温度Tw0,Tw1、現在の冷却水温Twを用いて Mfh=Mfh0+(Mfh1−Mfh0) ×(Tw0−Tw)/(Tw0−Tw1) …(6) の式(直線補間計算式)によりMfhを計算するのであ
る。なお、基準温度Tw0〜Tw4に対する平衡付着量
Mfh0〜Mfh4は、NeとTpとをパラメーターと
して予め実測から求められるものである。
【0036】なお、Mfhの求め方はこれに限らず、特
開平3−134237号公報に開示されているように、 Mfh=Tp×Mfhtvo …(7) ただし、Mfhtvo:付着倍率 の式により求めるものでもかまわない。
【0037】このようにして求めたMfhに対して、現
時点での付着量(予測変数)Mfが単位周期当たり(た
とえばクランク軸1回転毎)にどの程度の割合で接近す
るかの割合を表す係数(つまり分量割合)kmfをステ
ップ12において基本分量割合Kmfatと分量割合回
転補正率Kmfnの積から演算する。
【0038】ここで、KmfatはTpとTwとからマ
ップ参照により求められる値であり、たとえばTpが大
きくなるほど大きくなるように設定されているが、ここ
でも、Twの代わりにTwfを用いて求める。また、K
mfnは、Neからテーブル参照により求められる値
で、たとえば回転数Neが小さくなるほど大きくなるよ
うに設定されている。
【0039】このようにして求めた分量割合Kmfをス
テップ13においてMfhと現時点での付着量Mfとの
差に乗じる演算により、つまり Vmf=(Mfh−Mf)×Kmf …(8) の式により付着速度(単位周期あたりの付着量のこと)
Vmfを求める。
【0040】Mfはその時点での付着量の予測変数であ
り、したがって(Mfh−Mf)の付着量は平衡付着量
からの過不足量を示し、この値(Mfh−Mf)が分量
割合Kmfにてさらに補正されるのである。
【0041】このようにして付着速度Vmfを求めた
後、ステップ14、15ではVmfをさらに軽質燃料使
用時における減速時のオーバーリーン防止のための補正
率Ghfによって補正し、基本噴射パルス幅Tpに対す
る過渡補正量Kathosを求め、図7のフローを終了
する。
【0042】図8のフローチャートはこうして求められ
た過渡補正量Kathosを加味して最終的な燃料噴射
パルス幅Tiを演算する処理を示しており、これも10
ms周期で実行する。
【0043】ステップ21ではそのときの吸入空気量Q
aと回転数Neから所定の空燃比(たとえば理論空燃
比)が得られる基本噴射パルス幅Tp(=K・Qa/N
e、ただし、Kは定数)を求め、ステップ22ではこれ
に過渡補正量Kathosを加えた値に空燃比センサー
3の出力に基づいて決定したフィードバック補正係数α
とその他の補正係数COEFとを乗じ、さらに無効パル
ス幅Tsを加えて最終的な燃料噴射パルス幅Tiを求め
る。
【0044】図9のフローチャートは噴射タイミングに
同期(具体的にはRef信号同期)したフローチャート
で、所定の噴射タイミングになると、ステップ31にお
いてTiが出力レジスターに転送されて噴射が行われ
る。
【0045】ステップ32では、上記の(6)式で得た
付着速度Vmfを用いて次回の処理時に用いる付着量M
fを、 Mf=(Mf-1Ref)+Vmf …(9) の式により求めておく。
【0046】(9)式中のMf-1Refは前回噴射終了時
(単位回転前)の付着量を意味させており、これに今回
の噴射時に加えられるVmfを加算した値が今回の噴射
終了時点での付着量Mfとなる。この付着量Mfの値が
次回のVmfの演算時に用いられる。(8)式のMfが
Vmfの演算直前の値であるのに対して(9)式左辺の
MfはVmfの演算直後の値である。したがって、内容
的には(8)式のMfの値を(9)式右辺のMf-1Ref
に入れて(9)式左辺のMfを計算することになる。
(9)式でMfとMf-1Refとが出てくるのは、付着量
を単位回転ごとにサイクリックに更新していく構成であ
るため、前回の値と今回の値とを区別する必要があるか
らである。
【0047】上記のMfhとKmfを求めるためのパラ
メーターとしてのエンジン負荷について、図1に示した
L−ジェトロニック方式MPIでは基本噴射パルス幅T
pや吸入空気量Qaが対象になるが、これに限られるも
のでなく、D−ジェトロニック方式MPIでは吸気管負
圧を、またいわゆるα−N方式かつMPIではα−N流
量QH0などをエンジン負荷として用いることができ
る。
【0048】最後に、実施形態では、吸気弁予測温度と
しての壁流補正温度Twfを用いて過渡補正量Kath
osを演算する場合で説明したが、吸気弁予測温度Tf
そのものを用いてKathosを演算することもできる
ことはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】冷却水温のみでホットリスタート時の吸
気弁温度を予測することは困難であるが、第1の発明で
は、上昇、下降の特性が冷却水温と異なる物性温度を検
出し、この検出した物性温度と冷却水温から吸気弁温度
を予測するので、再始動からの吸気弁温度の正確な予測
が可能となり、ホットリスタート時にも空燃比が一定に
保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】冷却水温が20℃の状態からエンジンを始動し
た場合と暖機後80℃においてエンジンを停止した場合
についての冷却水温Tw、触媒温度Tc、吸気弁温度の
変化を示す波形図である。
【図3】冷却水温が20℃の状態からエンジンを始動し
た場合と暖機後80℃においてエンジンを停止した場合
についての冷却水温Tw、油温To、吸気弁温度の変化
を示す波形図である。
【図4】第1実施形態の作用を説明するための波形図で
ある。
【図5】壁流補正用温度Twfの演算を説明するための
フローチャートである。
【図6】内挿係数TTCの特性図である。
【図7】過渡補正量Kathosの演算を説明するため
のフローチャートである。
【図8】燃料噴射パルス幅Tiの演算を説明するための
フローチャートである。
【図9】噴射タイミングに同期するフローチャートであ
る。
【図10】従来例の波形図である。
【図11】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 コントロールユニット 4 クランク角センサー 6 エアフローメーター 11 水温センサー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転条件に応じた基本噴射量を演算する手
    段と、 冷却水温を検出する手段と、 この冷却水温と上昇や下降の特性が異なる物性温度を検
    出する手段と、 この物性温度と前記冷却水温から吸気弁温度を予測する
    手段と、 この吸気弁予測温度、エンジン負荷およびエンジン回転
    数に基づいて平衡付着量を演算する手段と、 前記吸気弁温度、エンジン負荷およびエンジン回転数に
    基づいて分量割合を演算する手段と、 前記演算された平衡付着量とその時点での付着量との差
    を演算する手段と、 この差の付着量と前記演算された分量割合とに基づいて
    付着速度を演算する手段と、 この付着速度と前記付着量とを燃料噴射に同期して加算
    することにより付着量を更新する手段と、前記付着速度
    で前記基本噴射量を補正して燃料噴射量を演算する手段
    と、 この噴射量の燃料を吸気管に供給する手段とを設けたこ
    とを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】前記物性温度が触媒温度であり、この触媒
    温度と冷却水温から内挿により吸気弁温度を予測するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンジンの空燃比制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記内挿の係数を前記触媒温度と冷却水温
    の差に応じた値とすることを特徴とする請求項2に記載
    のエンジンの空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記物性温度が油温であり、この油温と冷
    却水温から外挿により吸気弁温度を予測することを特徴
    とする請求項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】前記外挿の係数を前記油温と冷却水温の差
    に応じた値とすることを特徴とする請求項4に記載のエ
    ンジンの空燃比制御装置。
JP7335055A 1995-12-22 1995-12-22 エンジンの空燃比制御装置 Pending JPH09177578A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7047944B2 (en) 2003-10-17 2006-05-23 Toyota Technical Center Usa, Inc. Method and system to determine engine restart
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