JP2001214778A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給制御装置

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JP2001214778A
JP2001214778A JP2000019211A JP2000019211A JP2001214778A JP 2001214778 A JP2001214778 A JP 2001214778A JP 2000019211 A JP2000019211 A JP 2000019211A JP 2000019211 A JP2000019211 A JP 2000019211A JP 2001214778 A JP2001214778 A JP 2001214778A
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将樹 上野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
    • F02D41/047Taking into account fuel evaporation or wall wetting

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関の始動から暖機運転までの期間における
燃料供給量の制御精度を向上させ、排気特性を極低レベ
ルの排気ガス規制に適合させることができる燃料供給制
御装置を提供する。 【解決手段】 始動に適した燃料供給量算出方法によ
り、修正始動用基本燃料量TiMSTMと、始動完了後
に適した燃料供給量算出方法により、修正始動後用基本
燃料量TiMMとを算出し(S21〜S24)、時間経
過に伴って1から0に向かって変化する移行係数KMT
IMを用いて、総合基本燃料量TiMFを算出する(S
25,S26)。総合基本燃料量TiMFを用いて燃料
噴射量TOUTを算出すすることにより、始動に適した
燃料噴射量から始動後に適した燃料噴射量へ滑らかに移
行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給制御装置に関し、特に内燃機関の始動から暖機運転ま
での期間における燃料供給制御を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の始動時の燃料供給量算出手法
として、機関冷却水温に応じて始動用基本燃料量を設定
し、その始動用基本燃料量を機関回転数に応じて補正す
るものが従来より知られている。また、始動が完了した
後の、すなわち始動後の燃料供給量算出手法として、機
関回転数及び吸気管内圧力に応じて基本燃料量を算出
し、その基本燃料量を、始動後の経過時間に応じて設定
される増量補正係数、機関冷却水温に応じて設定される
水温補正係数など種々の補正係数を用いて補正するもの
が知られている。このように従来は、機関始動時と始動
後では、異なる燃料供給量算出手法を用いて燃料供給量
を算出し、始動完了(完爆)と判定した時点で、算出方
法を切り換えることが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記燃料供給制御手法では、排気中の不要成分(特に未
燃HC成分)の排出量をより低減し、排気特性を極低レ
ベルの排気ガス規制に適合させることが困難であるとい
う問題があった。
【0004】すなわち機関始動時から排出される未燃H
C成分の排出量をより低減するためには、始動初期から
吸入空気量に対して過不足のない燃料を供給し、最適な
燃焼を実現する必要があるが、上記従来の手法では始動
時は機関温度と機関回転数のみに応じて燃料供給量が設
定されること、及び始動完了時に始動後の燃料供給量算
出手法で算出された値に直ちに変更されることから、燃
料供給量を必要な精度で制御することができず、始動時
から暖機完了までの期間において最適燃焼を実現するこ
とが困難であった。
【0005】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、機関の始動から暖機運転までの期間における燃料
供給量の制御精度を向上させ、排気特性を極低レベルの
排気ガス規制に適合させることができる燃料供給制御装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、内燃機関の始動時は始動時に
適した燃料量算出方法により前記機関に供給する燃料量
を算出する始動時燃料量算出手段と、前記機関の始動後
は始動後に適した燃料量算出方法により前記燃料量を算
出する始動後燃料量算出手段とを備え、前記機関の始動
時及び始動後は、それぞれ前記始動時燃料量算出手段及
び始動後燃料量算出手段により算出された燃料量を前記
機関に供給する内燃機関の燃料供給量制御装置におい
て、前記始動時燃料量算出手段により算出された燃料量
から、前記始動後燃料量算出手段により算出された燃料
量への移行を滑らかに行う過渡制御手段を備えることを
特徴とする。
【0007】この構成によれば、内燃機関の始動時は始
動時に適した燃料量算出方法により燃料量が算出され、
機関始動後は始動後に適した燃料量算出方法により燃料
量が算出され、始動時に適した燃料量算出方法により算
出された燃料量から、始動後に適した燃料量算出方法に
より算出された燃料量への移行が滑らかに行われるの
で、始動時及び始動後の双方において、それぞれの運転
状態に適した量の燃料が供給されるとともに、機関の始
動完了時に燃料供給量が急変することがなく、機関の始
動から暖機運転までの期間における燃料供給量の制御精
度を向上させ、排気特性を極低レベルの排気ガス規制に
適合させることが可能なる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料供給量制御装置において、前記過渡制御手段は、
前記始動時燃料量算出手段により算出した燃料量及び前
記始動後燃料量算出手段により算出した燃料量を、時間
経過に伴って変化する移行係数を用いて補正することを
特徴とする。
【0009】この構成によれば、始動時に適した燃料量
算出方法により算出された燃料量及び始動後に適した燃
料量算出方法により算出された燃料量を、時間経過に伴
って変化する移行係数を用いて補正することにより、滑
らかな燃料量の移行が行われるので、移行係数の変更態
様を変えることにより、過渡制御の態様を容易に変更す
ることができる。なお、前記移行係数は、前記機関にお
ける燃焼回数(例えばTDC信号パルスの発生回数)に
応じて設定することが望ましいが、時間を計測するタイ
マの値に応じて設定してもよい。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の内燃機関の燃料供給制御装置において、前記
始動時燃料量算出手段及び始動後燃料量算出手段は、そ
れぞれ前記機関の吸気管内に噴射された燃料の一部が吸
気管内壁に付着することに起因する燃料の輸送遅れを補
正する始動時付着補正手段及び始動後付着補正手段を備
え、該始動時付着補正手段及び始動後付着補正手段は、
それぞれ独立して設定される始動用付着補正パラメータ
及び始動後用付着補正パラメータを用いて燃料量を補正
し、前記過度制御手段は、前記始動用付着補正パラメー
タ及び始動後用付着補正パラメータを、時間経過に伴っ
て変化する移行係数を用いて補正することにより、前記
始動用付着補正パラメータから始動後用付着補正パラメ
ータへの移行を滑らかに行うことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、始動時には始動用付着
補正パラメータを用いて、また始動後には始動後用付着
補正パラメータを用いて燃料量が補正され、始動用付着
補正パラメータ及び前記始動後用付着補正パラメータ
を、時間経過に伴って変化する移行係数を用いて補正す
ることにより、始動用付着補正パラメータから始動後用
付着補正パラメータへの移行が滑らかに行われるので、
始動時及び始動後の双方において、それぞれの運転状態
に適した付着補正が行われるとともに、始動完了時点で
付着補正パラメータが急変することがなく、吸気管内壁
に付着する燃料を考慮したより高精度の燃料供給量制御
を行うことができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の内燃機関の燃料供給制御装置におて、前記過
渡制御手段は、前記移行係数を前記機関の温度に応じて
設定することを特徴とする。この構成によれば、始動時
に適した燃料量算出方法により算出された燃料量から、
始動後に適した燃料量算出方法により算出された燃料量
へ移行する過渡制御に使用される移行係数が、機関温度
に応じて設定されるので、始動時に適した燃料量算出方
法により算出された燃料量から、始動後に適した燃料量
算出方法により算出された燃料量への移行速度または移
行完了時期が機関温度に応じて変化し、始動時の機関温
度に最適な過渡制御を行うことができる。
【0013】この場合、前記移行係数は、機関温度が高
くなるほど移行速度が速くなるように、または移行完了
時期が早まるように設定することが望ましい。また前記
始動時燃料量算出手段は、機関回転速度及び吸気管内圧
力に応じて設定される始動用基本燃料量を、吸気温に応
じて設定される始動用の吸気温補正係数(KTAS
T)、大気圧に応じて設定される始動用の大気圧補正係
数(KPAST)及び機関温度に応じて設定される始動
用の機関温度補正係数(KTWST)の少なくとも一つ
を用いて補正することにより、前記燃料量を算出するこ
とが望ましい。
【0014】また前記始動後燃料量算出手段は、機関回
転速度及び吸気管内圧力に応じて設定される始動後用基
本燃料量を、吸気温に応じて設定される始動後用の吸気
温補正係数(KTA)、大気圧に応じて設定される始動
後用の大気圧補正係数(KPA)及び機関温度に応じて
設定される始動後用の機関温度補正係数(KTW)の少
なくとも一つを用いて補正することにより、前記燃料量
を算出することが望ましい。
【0015】前記移行係数をα(KMTIM,KMF
W)とすると、前記過渡制御手段は、0≦α≦1となる
ように前記移行係数αを設定し、前記始動時燃料量算出
手段により算出される燃料量に前記移行係数αを乗算し
た値と、前記始動後燃料量算出手段により算出される燃
料量に(1−α)を乗算した値とを加算することによ
り、前記機関に供給する燃料量を算出することが望まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の実施の一形態にか
かる燃料供給制御装置を含む、内燃機関(以下「エンジ
ン」という)及びその制御装置の全体構成図であり、例
えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロット
ル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロットル
弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロ
ットル弁3の開度に応じた電気信号を出力してエンジン
制御用電子コントロールユニット(以下「ECU」とい
う)5に供給する。
【0017】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側
に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃
料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接
続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の
開弁時間が制御される。
【0018】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気
管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この
絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号
は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気
温(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを
検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給す
る。
【0019】エンジン1の本体に装着されたエンジン水
温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジ
ン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を
出力してECU5に供給する。エンジン1の図示しない
カム軸周囲又はクランク軸周囲には、エンジン回転数
(NE)センサ11及び気筒判別(CYL)センサ12
が取り付けられている。エンジン回転数センサ11は、
エンジン1の各気筒の吸入行程開始時の上死点(TD
C)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で
(4気筒エンジンではクランク角180゜毎に)TDC
信号パルスを出力し、気筒判別センサ12は、特定の気
筒の所定クランク角度位置で気筒判別信号パルスを出力
するものであり、これらの各信号パルスはECU5に供
給される。
【0020】排気管13には三元触媒14が設けられ、
三元触媒14の上流位置には、比例型空燃比センサ17
(以下「LAFセンサ17」という)が装着されてい
る。このLAFセンサ17は排気中の酸素濃度(空燃
比)にほぼ比例した電気信号を出力し、ECU5に供給
する。
【0021】エンジン1は、吸気弁及び排気弁のバルブ
タイミングを、エンジンの高速回転領域に適した高速バ
ルブタイミングと、低速回転領域に適した低速バルブタ
イミングとの2段階に切換可能なバルブタイミング切換
機構30を有する。このバルブタイミングの切換は、弁
リフト量の切換も含み、さらに低速バルブタイミング選
択時は2つの吸気弁のうちの一方を休止させて、空燃比
を理論空燃比よりリーン化する場合においても安定した
燃焼を確保するようにしている。
【0022】バルブタイミング切換機構30は、バルブ
タイミングの切換を油圧を介して行うものであり、この
油圧切換を行う電磁弁及び油圧センサがECU5に接続
されている。油圧センサの検出信号はECU5に供給さ
れ、ECU5は電磁弁を制御してエンジン1の運転状態
に応じたバルブタイミングの切換制御を行う。
【0023】ECU5は、各種センサからの入力信号波
形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナロ
グ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する
入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」とい
う)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム
及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射
弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成され
る。
【0024】図2は、燃料噴射弁6の開弁時間、即ち燃
料噴射量TOUTを算出する処理のフローチャートであ
り、本処理はTDC信号パルスの発生毎にこれと同期し
て、ECU5のCPU5bで実行される。なお、本実施
形態における燃料量(燃料噴射量)は、実際には燃料噴
射弁6の開弁時間として算出されるものであるが、燃料
噴射量は燃料噴射時間に比例するので、燃料量または燃
料噴射量として記述している。
【0025】ステップS11では、前記各種センサによ
り検出されるエンジン運転パラメータを読み込み、次い
で図3に示すTiMF算出処理を実行する(ステップS
12)。この処理では、始動用基本燃料量TiMST及
び始動後用基本燃料量TiMを算出するとともに、これ
らを吸気温TA、大気圧PA及びエンジン水温TWに応
じて補正し、さらに始動から始動後への燃料供給量の移
行を滑らかにするための移行係数KMTIMを用いて、
総合基本燃料量TiMFを算出する。
【0026】ステップS13では、図6に示す付着パラ
メータ算出処理を実行する。この処理では、燃料噴射弁
6から噴射された燃料の一部が吸気管2の内壁に付着す
ることに起因する燃料輸送遅れの補正に使用する付着パ
ラメータ、すなわち直接率AFWF及び持ち去り率BF
WFを算出する。直接率AFWFは、あるサイクルで吸
気管内に噴射した燃料の内、そのサイクル中に燃焼室に
吸入される燃料の割合であり、持ち去り率Bは前回まで
に吸気管壁に付着した燃料の内、そのサイクル中に蒸発
等により燃焼室に吸入される燃料の割合である。
【0027】ステップS14では、下記式(1)より、
要求燃料量TCYL(N)を算出する。 TCYL(N)=TiMF×KCMD×KLAF×KTOTAL(N) (1) ここで、(N)は、気筒毎に算出されるパラメータであ
ることを示すために付したものであり、TiMFは前記
ステップS12で算出される総合基本燃料量、KCMD
は、エンジン回転数NE、スロットル弁開度θTH、エ
ンジン水温TW等のエンジン運転パラメータに応じて設
定される目標空燃比係数、KLAFは、LAFセンサ1
7の出力に応じて設定される空燃比補正係数、KTOT
AL(N)は、各種センサからのエンジン運転パラメー
タに基づいて算出される他の補正係数(ただし、後述す
る吸気温補正係数KTA,KTAST、大気圧補正係数
KPA,KPAST、及びエンジン水温補正係数KT
W,KTWST、並びに目標空燃比係数KCMD及び空
燃比補正係数KLAFを除く)の積である。なお始動時
は、空燃比補正係数KLAF及びその他の補正係数の積
KTOTAL(N)は、所定値(例えば1.0)に設定
される。
【0028】ステップS15では、ステップS14で算
出した要求燃料量TCYL(N)を下記式(2)に適用
して、今回のサイクルで直接燃焼室に供給すべき燃料量
としての直接供給燃料量TNET(N)を算出する。 TNET(N)=TCYL(N)+TTOTAL(N) −BFWF×TWP(N) (2) ここでTTOTAL(N)は、各種センサからのエンジ
ン運転パラメータに基づいて算出されるすべての加算補
正項(例えば加速増量補正項TACCなど)の和であ
る。ただし、燃料噴射弁6を駆動するバッテリの電圧に
応じて設定される無効時間TVは含まない。TWP
(N)は、図10の処理で算出される吸気管付着燃料量
(予測値)であり、BFWF×TWP(N)は、吸気管
付着燃料から燃焼室に持ち去られる持ち去り燃料量に相
当する。持ち去り燃料量分は、新たに噴射する必要がな
いので、式(2)において要求燃料量TCYL(N)か
らこの分を減算するようにしているのである。
【0029】続くステップS16では、直接供給燃料量
TNET(N)が、正の値か否かを判別し、TNET
(N)≦0のときは、燃料噴射量(燃料噴射弁6の開弁
時間)TOUTを「0」とする一方(ステップS1
8)、TNET(N)>0のときは、次式(3)により
直接供給燃料量TNET(N)を直接率AFWFで除算
することにより、燃料噴射量TOUTを算出する(ステ
ップS19)。噴射した燃料の内、直接燃焼室に供給さ
れるのは、TOUT×AFWF(=TNET(N))だ
からである。 TOUT=TNET(N)/AFWF (3)
【0030】この式(3)によって算出されるTOUT
値にバッテリ電圧に応じて設定される無効時間TVを加
算した時間だけ燃料噴射弁6を開弁するよう指令するこ
とにより、燃焼室には(TNET(N)+BFWF×T
WP(N)=TCYL(N)+TTOTAL(N))に
相当する量の燃料が供給される。続くステップS19で
は、図10に示すTWP算出処理を実行し、吸気管付着
燃料量TWP(N)を算出し、本処理を終了する。
【0031】図3は、図2のステップS12で実行され
るTiMF算出処理のフローチャートである。ステップ
S21では、エンジンの始動時に適した燃料供給量を算
出するために使用される始動用基本燃料量TiMST、
始動用吸気温補正係数KTAST、始動用大気圧補正係
数KPAST及び始動用エンジン水温TWSTを算出す
る。
【0032】具体的には、始動用基本燃料量TiMST
は、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて、始動用基本燃料量マップ(図示せず)を検索して
算出される。始動用基本燃料量マップは、エンジン回転
数NE及び吸気管内絶対圧PBAの設定値に対応する運
転状態において、エンジンの始動に最適な空燃比となる
ように設定されている。
【0033】始動用吸気温補正係数KTASTは、吸気
温TAに応じて図4(a)に破線で示すKTASTテー
ブルを検索することにより算出される。KTASTテー
ブルは、吸気温TAが上昇するほど補正係数KTAST
が減少するように設定されている。始動用大気圧補正係
数KPASTは、大気圧PAに応じて図4(b)に破線
で示すKPASTテーブルを検索することにより算出さ
れる。KPASTテーブルは、大気圧PAが低下するほ
ど補正係数KPASTが減少するように設定されてい
る。始動用エンジン水温補正係数KTWSTは、エンジ
ン水温TWに応じて図4(c)に破線で示すKTWST
テーブルを検索することにより算出される。KTWST
テーブルは、エンジン水温TWが上昇するほど補正係数
KTWSTが減少するように設定されている。
【0034】続くステップS22では、ステップS21
で算出した各パラメータを下記式(4)に適用して、エ
ンジンの始動に適した修正始動用基本燃料量TiMST
Mを算出する。 TiMSTM=TiMST×KTAST×KPAST×KTWST (4) ステップS23では、エンジンの始動完了後、すなわち
通常運転に適した燃料供給量を算出するために使用され
る始動後用基本燃料量TiM、始動後用吸気温補正係数
KTA、始動後用大気圧補正係数KPA及び始動後用エ
ンジン水温TWを算出する。
【0035】具体的には、始動後用基本燃料量TiM
は、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて、始動後用基本燃料量マップ(図示せず)を検索し
て算出される。始動後用基本燃料量マップは、エンジン
回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAの設定値に対応す
る運転状態において、空燃比が理論空燃比と一致するよ
うに設定されている。この始動後用基本燃料量(Ti
M)マップは、同一の運転状態(同一エンジン回転数N
Eかつ同一吸気管内絶対圧PBA)であっても始動用基
本燃料量(TiMST)マップの設定値とは異なる、始
動後すなわち通常運転に適した値に設定されている。
【0036】始動後用吸気温補正係数KTAは、吸気温
TAに応じて図4(a)に実線で示すKTAテーブルを
検索することにより算出される。KTAテーブルは、吸
気温TAが上昇するほど補正係数KTAが減少するよう
に設定されており、また低温域では、始動用補正係数K
TASTより小さい値に設定され、高温域では逆に始動
用補正係数KTASTより大きい値に設定されている。
始動後用大気圧補正係数KPAは、大気圧PAに応じて
図4(b)に実線で示すKPAテーブルを検索すること
により算出される。KPAテーブルは、大気圧PAが低
下するほど補正係数KPAが減少するように設定されて
おり、また始動用補正係数KPASTより大きい値に設
定されている。始動後用エンジン水温補正係数KTW
は、エンジン水温TWに応じて図4(c)に実線で示す
KTWテーブルを検索することにより算出される。KT
Wテーブルは、エンジン水温TWが上昇するほど補正係
数KTWが減少するように設定されており、また低温域
では、始動用補正係数KTWSTより小さい値に設定さ
れ、高温域では逆に始動用補正係数KTWSTより大き
い値(=1.0)に設定されている。
【0037】続くステップS24では、ステップS23
で算出した各パラメータを下記式(5)に適用して、エ
ンジンの始動後、すなわち通常運転に適した修正始動後
用基本燃料量TiMMを算出する。 TiMM=TiM×KTA×KPA×KTW (5) ステップS25では、図5に示すKMTIM算出処理を
実行し、始動完了時点から時間経過に伴って徐々に減少
する移行係数KMTIMを、始動中のエンジン水温TW
に応じて算出する。
【0038】ステップS26では、下記式(6)に上記
ステップS22及びS24で算出した修正始動用基本燃
料量TiMSTM及び修正始動後用基本燃料量TiMM
を適用することにより、総合基本燃料量TiMFを算出
する。 TiMF=TiMM×(1−KMTIM)+TiMSTM×KMTIM (6)
【0039】始動時は、式(6)の移行係数KMTIM
を「1.0」に設定することにより、総合基本燃料量を
始動に適した修正始動用基本燃料量TiMSTMに設定
し、始動完了直後の過渡制御においては、移行係数KM
TIMを漸減させることにより、総合基本燃料量TiM
Fの値を、修正始動用基本燃料量TiMSTMから修正
始動後用基本燃料量TiMMに滑らかに移行させる。そ
して、KMTIM=0となった時点以後は、総合基本燃
料量TiMFは始動後に適した修正始動後用基本燃料量
TiMMに等しくなり、始動後に適した燃料量が算出さ
れる。これにより、始動時及び始動後の双方において、
それぞれの運転状態に適した燃料量が算出されるととも
に、始動完了時に燃料量が急変することがなくなるの
で、始動初期から暖機運転までの期間における燃料供給
量の制御精度を向上させ、排気特性を極低レベルの排気
ガス規制に適合させることが可能なる。
【0040】なお後述するように、エンジンのホットリ
スタート時のように始動時のエンジン水温TWが高いと
きは、移行係数KMTIMの初期値を1より小さい値に
設定し、通常制御(TiMF=TiMMとなる制御)へ
の移行完了時期を早めている。
【0041】図5は、図3のステップS25で実行され
るKMTIM算出処理のフローチャートであり、この処
理では移行係数KMTIMが始動中のエンジン水温TW
応じて設定される。ステップS31では、エンジン1が
始動中か否かを判別し、始動中のときは、始動完了後の
TDC信号パルスの発生数をカウントするTDCカウン
タTDCASTを「0」に設定し(ステップS32)、
エンジン水温TWが第1の所定水温TWKML(例えば
15℃)以上か否かを判別する(ステップS33)。そ
して、TW≧TWKMLであるときは、さらに第1の所
定水温TWKMLより高い第2の所定水温TWKMH
(例えば50℃)以上か否かを判別する(ステップS3
5)。その結果、TW<TWKMLであるときは、エン
ジンの暖機状態を示す暖機状態変数MTWKMを「0」
に設定し(ステップS34)、TWKML≦TW<TW
KMHであるときは、暖機状態変数MTWKMを「1」
に設定し(ステップS36)、TW≧TWKMHである
ときは、暖機状態変数MTWKMを「2」に設定して
(ステップS37)、ステップS39に進む。
【0042】ステップS31で始動中でないとき、すな
わち始動完了後であるときは、TDCカウンタTDCA
STを「1」だけインクリメントして(ステップS3
8)、ステップS39に進む。ステップS39では、暖
機状態変数MTWKMの値が「0」であるか否かを判別
し、MTWKM>0であるときは、さらにその値が
「1」であるか否かを判別する(ステップS42)。そ
して、MTWKM=0であるときは、TDCカウンタT
DCASTの値に応じて図9(a)に示すKMTIM0
Nテーブルを検索し、低温時用の移行係数値KMTIM
0Nを算出して(ステップS40)、移行係数KMTI
Mをその低温時用移行係数値KMTIM0Nに設定する
(ステップS41)。KMTIM0Nテーブルは、TD
CAST=0のときKMTIM0N=1.0であり、T
DCカウンタTDCASTの値が増加するほど、すなわ
ち始動完了後の時間経過に伴って移行係数値KTIM0
Nが減少して「0」となるように設定されている。
【0043】またMTWKM=1であるときは、TDC
カウンタTDCASTの値に応じて図9(a)に示すK
MTIM1Nテーブルを検索し、中温時用の移行係数値
KMTIM1Nを算出して(ステップS43)、移行係
数KMTIMをその中温時用移行係数値KMTIM1N
に設定する(ステップS44)。KMTIM1Nテーブ
ルは、TDCAST=0のときKMTIM1N=1.0
であり、TDCカウンタTDCASTの値が増加するほ
ど、すなわち始動完了後の時間経過に伴って移行係数値
KTIM1Nが減少して「0」となるように設定されて
いる。KMTIM1Nテーブルは、KMTIM0Nテー
ブルより、その設定値が減少する速度が速くなるよう
に、すなわち移行係数の減少速度が速くなるように設定
されている。
【0044】またMTWKM=2であるときは、TDC
カウンタTDCASTの値に応じて図9(a)に示すK
MTIM2Nテーブルを検索し、高温時用の移行係数値
KMTIM2Nを算出して(ステップS45)、移行係
数KMTIMをその高温時用移行係数値KMTIM2N
に設定する(ステップS46)。KMTIM2Nテーブ
ルは、TDCAST=0のとき係数値KMTIM2Nが
1.0より小さい所定値に設定され、TDCカウンタT
DCASTの値が増加するほど、すなわち始動完了後の
時間経過に伴って移行係数値KTIM2Nが減少して
「0」となるように設定されている。KMTIM2Nテ
ーブルは、KMTIM1Nテーブルより、早い時点で移
行係数値が「0」となるように設定されている。
【0045】以上のように図5の処理により、移行係数
KMTIMが、始動時のエンジン水温TWが高いほど、
移行速度が速くなるように、あるいは移行完了時点が早
まるように設定される。したがって、この移行係数KM
TIMを前記式(6)に適用することにより、始動時の
エンジン温度に応じた適切な過渡制御を行い、燃料供給
量の制御精度をより向上させることができる。
【0046】図6は、図2のステップS13における付
着パラメータ算出処理のフローチャートである。ステッ
プS51では、エンジン1の始動中であるか否かを判別
し、始動中であるときは、エンジン水温TWに応じて図
7(a)に示すAFWCRテーブル及び同図(b)に示
すBFWCRテーブルを検索して、始動用直接率AFW
CR及び始動用持ち去り率BFWCRを算出し(ステッ
プS52)、ステップS55に進む。AFWCRテーブ
ル及びBFWCRテーブルは、エンジン水温TWが高く
なるほど、直接率AFWCR及び持ち去り率BFWCR
が増加するように設定されている。
【0047】始動中でないとき、すなわち始動完了後
は、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて図8(a)に示すAFW0マップ及び同図(b)に
示すBFW0マップを検索し、直接率のマップ値AFW
0及び持ち去り率のマップ値BFW0を算出する(ステ
ップS53)。AFW0マップは、吸気管内絶対圧PB
Aが高くなるほど、またエンジン回転数NEが高くなる
ほどマップ値AFW0が増加するように設定されてい
る。BFW0マップは、吸気管内絶対圧PBAが高くな
るほど、またエンジン回転数NEが高くなるほどマップ
値BFW0が減少するように設定されている。
【0048】続くステップS54では、エンジン水温T
Wに応じて直接率の温度補正係数KATW及び持ち去り
率の温度補正係数KBTWを算出し、ステップS55に
進む。これらの補正係数は、エンジン水温TWが高くな
るほど、その値が増加するように設定される。
【0049】ステップS55では、図5の処理で算出さ
れる暖機状態変数MTWKMが「0」であるか否かを判
別し、MTWKM=0であるときは、TDCカウンタT
DCASTの値に応じて図10(b)に示すKMFW0
Nテーブルを検索し、低温時用の移行係数値KMFW0
Nを算出する(ステップS56)。KMFW0Nテーブ
ルは、TDCAST=0のときKMFW0N=1.0で
あり、TDCカウンタTDCASTの値が増加するほ
ど、すなわち始動完了後の時間経過に伴って移行係数値
KMFW0Nが減少して「0」となるように設定されて
いる。続くステップS57では、移行係数KMFWを低
温時用移行係数値KMFW0Nに設定し、ステップS6
0に進む。
【0050】一方ステップS55でMTWKM=1また
は2であるときは、TDCカウンタTDCASTの値に
応じて図10(b)に示すKMFW1Nテーブルを検索
し、高温時用の移行係数値KMFW1Nを算出する(ス
テップS58)。KMFW1Nテーブルは、TDCAS
T=0のときKMFW1N=1.0であり、TDCカウ
ンタTDCASTの値が増加するほど、すなわち始動完
了後の時間経過に伴って移行係数値KMFW1Nが減少
して「0」となるように設定されている。KMFW1N
テーブルは、KMFW0Nテーブルより、その設定値が
減少する速度が速くなるように、すなわち移行係数の減
少速度が速くなるように設定されている。。続くステッ
プS59では、移行係数KMFWを高温時用移行係数値
KMFW1Nに設定し、ステップS60に進む。
【0051】ステップS60では、移行係数KMFWが
「0」であるか否かを判別し、KMFW>0であるとき
は直ちに、またKMFW=0であるときはエンジン始動
から過渡制御終了までの間「1」に設定される過渡制御
フラグFKMSTFWを「0」に設定して(ステップS
61)、ステップS62に進む。
【0052】ステップS62では、過渡制御フラグFK
MSTFWが「1」であるか否かを判別し、FKMST
FW=1であるときは、ステップS52で算出した始動
用直接率AFWCR及び始動用持ち去り率BFWCR、
ステップS53で算出した始動後用直接率のマップ値A
FW0及び始動後用持ち去り率のマップ値BFW0、ス
テップS54で算出した温度補正係数KATW,KBT
W及びステップS57またはS59で設定した移行係数
KMFWを、下記式(7)(8)に適用して、総合直接
率AFWF及び総合持ち去り率BFWFを算出し(ステ
ップS63,S64)、本処理を終了する。 AFWF=AFW0×KATW×(1−KMFW) +AFWCR×KMFW (7) BFWF=BFW0×KBTW×(1−KMFW) +BFWCR×KMFW (8)
【0053】一方ステップS62でFKMSTFW=0
であって過渡制御が終了したときは、総合直接率AFW
F及び総合持ち去り率BFWFを、マップ値AFW0,
BFW0にそれぞれ温度補正係数KATW,KBTWを
乗算して得られる値に設定して(ステップS65)、本
処理を終了する。
【0054】以上のように図6の処理によれば、始動時
においては移行係数KMFWが「1」に設定され、総合
直接率AFWF及び総合持ち去り率BFWFが、それぞ
れ実質的に始動用付着補正パラメータである始動用直接
率AFWCR及び始動用持ち去り率BFWCRに設定さ
れ、また始動完了直後の過渡制御においては、移行係数
KMFWを漸減することにより、始動後用の直接率(A
FW0×KATW)及び持ち去り率(BFW0×KBT
W)へ滑らかに移行するように設定され、過渡制御終了
後においては、始動後用の直接率(AFW0×KAT
W)及び持ち去り率(BFW0×KBTW)に設定され
るので、始動時及び始動後の双方において、それぞれの
運転状態に適した付着補正が行われるとともに、始動完
了時点で付着補正パラメータが急変することがなく、吸
気管内壁に付着する燃料を考慮したより高精度の燃料供
給量制御を行うことができる。
【0055】なお、始動後用の直接率及び持ち去り率を
算出するためのAFW0マップ及びBFW0マップは、
バルブタイミングが高速バルブタイミングであるか、低
速バルブタイミングであるかに応じて、異なる設定のも
のを使用することが望ましい。
【0056】図10は、図2のステップS19で実行さ
れるTWP算出処理のフローチャートである。ステップ
S71では、図2のステップS17またはS18で算出
された燃料噴射量TOUTが、所定最小値TOUTMI
Nより大きいか否かを判別し、TOUT>TOUTMI
Nが成立するときは、次式(9)により付着燃料量TW
P(N)を算出する(ステップS72)。 TWP(N)=(1−BFWF)×TWP(N)(n−1) +(1−AFWF)×TOUT (9)
【0057】ここでTWP(N)(n−1)はTWP
(N)の前回値であり、また、右辺の第1項は前回付着
していた燃料のうち、今回も持ち去られずに残った燃料
量に相当し、右辺の第2項は今回噴射された燃料のう
ち、新たに吸気管に付着した燃料量に相当する。
【0058】一方、前記ステップS71でTOUT≦T
OUTMINが成立するときは、燃料がほとんど噴射さ
れなかったかあるいは全く噴射されなかった場合であ
り、次式(10)により付着燃料量TWP(N)を算出
する(ステップS73)。 TWP(N)=(1−BFWF)×TWP(N)(n−1) (10) この式(10)は、式(9)の右辺第2項を削除したも
のに相当する。噴射燃料量が極少ないときは新たに付着
する燃料はないからである。
【0059】ステップS72またはS73を実行した後
は、ステップS74に進み、算出した付着燃料量TWP
(N)が所定ガード値TWPLG以上か否かを判別す
る。このガード値TWPLGは0に近い微小値に設定さ
れる。そしてTWP(N)<TWPLGであるときはT
WP(N)=0として(ステップS75)、またTWP
(N)≧TWPLG値であるときは直ちに、本処理を終
了する。
【0060】図10の処理によれば、燃料噴射量TOU
Tに基づいて付着燃料量TWP(N)が算出され、正確
な付着燃料量TWP(n)(予測値)を得ることがで
き、各気筒に吸入される燃料量を精度よく制御すること
ができる。本実施形態では、図3のステップS21,S
22、及び図6のステップS52並びに図2のステップ
S14〜S19が始動時燃料量算出手段に相当し、図3
のステップS23,S24、及び図6のステップS5
3,S54並びに図2のステップS14〜S19が、始
動後燃料量算出手段に相当し、図3のステップS25,
S26、及び図6のステップS55〜S64が過渡制御
手段に相当する。また始動時燃料量算出手段に含まれ
る、図6のステップS52及び図2のステップS15,
S17,S19が、始動時付着補正手段に相当し、始動
後燃料量算出手段に含まれる、図6のステップS53,
54及び図2のステップS15,S17,S19が、始
動後付着補正手段に相当する。
【0061】なお本発明は上述した実施形態に限るもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した
実施形態では、基本燃料量の移行に使用する移行係数K
MTIMと、付着パラメータの移行に使用する移行係数
KMFWとを異なる設定としたが、同一の移行係数を使
用してもよい。
【0062】また上述した実施形態では、移行係数KM
TIM,KMFWを始動完了後のTDC信号パルスの発
生数に応じて設定したが、始動完了後の経過時間を計測
するタイマを用い、その経過時間に応じて設定するよう
にしてもよい。また上述した実施形態では、エンジン水
温TWをエンジン温度を代表するパラメータとして使用
しているが、例えばエンジンオイルの温度などエンジン
温度を示すパラメータを検出し、その検出値を用いても
よい。
【0063】また上述した実施形態では、修正始動用基
本燃料量TiMSTM及び修正始動後用基本燃料量Ti
MMは、それぞれ基本燃料量TiMST及びTiMを、
吸気温TA、大気圧PA及びエンジン水温TWに応じて
補正することにより算出したが、吸気温TA、大気圧P
A及びエンジン水温TWうちのいずれか一つまたは二つ
に応じて基本燃料量TiMST及びTiMを補正するこ
とにより算出するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、内燃機関の始動時は始動時に適した燃料量
算出方法により燃料量が算出され、機関始動後は始動後
に適した燃料量算出方法により燃料量が算出され、始動
時に適した燃料量算出方法により算出された燃料量か
ら、始動後に適した燃料量算出方法により算出された燃
料量への移行が滑らかに行われるので、始動時及び始動
後の双方において、それぞれの運転状態に適した量の燃
料が供給されるとともに、機関の始動完了時に燃料供給
量が急変することがなく、機関の始動から暖機運転まで
の期間における燃料供給量の制御精度を向上させ、排気
特性を極低レベルの排気ガス規制に適合させることが可
能なる。
【0065】請求項2に記載の発明によれば、始動時に
適した燃料量算出方法により算出された燃料量及び始動
後に適した燃料量算出方法により算出された燃料量を、
時間経過に伴って変化する移行係数を用いて補正するこ
とにより、滑らかな燃料量の移行が行われるので、移行
係数の変更態様を変えることにより、過渡制御の態様を
容易に変更することができる。
【0066】請求項3に記載の発明によれば、始動時に
は始動用付着補正パラメータを用いて、また始動後には
始動後用付着補正パラメータを用いて燃料量が補正さ
れ、始動用付着補正パラメータ及び前記始動後用付着補
正パラメータを、時間経過に伴って変化する移行係数を
用いて補正することにより、始動用付着補正パラメータ
から始動後用付着補正パラメータへの移行が滑らかに行
われるので、始動時及び始動後の双方において、それぞ
れの運転状態に適した付着補正が行われるとともに、始
動完了時点で付着補正パラメータが急変することがな
く、吸気管内壁に付着する燃料を考慮したより高精度の
燃料供給量制御を行うことができる。
【0067】請求項4に記載の発明によれば、始動時に
適した燃料量算出方法により算出された燃料量から、始
動後に適した燃料量算出方法により算出された燃料量へ
移行する過渡制御に使用される移行係数が、機関温度に
応じて設定されるので、始動時に適した燃料量算出方法
により算出された燃料量から、始動後に適した燃料量算
出方法により算出された燃料量への移行速度または移行
完了時期が機関温度に応じて変化し、始動時の機関温度
に最適な過渡制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる燃料供給制御装置
を含む内燃機関の制御装置の構成を示す図である。
【図2】燃料噴射時間(TOUT)を算出する処理のフ
ローチャートである。
【図3】総合基本燃料量(TiMF)を算出する処理の
フローチャートである。
【図4】図3の処理で使用するテーブルを示す図であ
る。
【図5】移行係数(KMTIM)を算出する処理のフロ
ーチャートである。
【図6】付着パラメータを算出する処理のフローチャー
トである。
【図7】図6の処理で使用するテーブルを示す図であ
る。
【図8】図8の処理で使用するマップを示す図である。
【図9】図5の処理または図6の処理で使用するテーブ
ルを示す図である。
【図10】吸気管内壁に付着した燃料量(TWP)を算
出する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 吸気管 5 電子コントロールユニット(始動時燃料量算出手
段、始動後燃料量算出手段、過渡制御手段、始動時付着
補正手段、始動後付着補正手段) 6 燃料噴射弁
フロントページの続き (72)発明者 富井 正明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G084 BA13 CA01 EA07 EB09 EC01 FA02 FA10 FA11 FA20 FA33 FA38 FA39 3G301 HA01 HA06 HA19 JA26 KA01 LB02 MA01 NC02 ND04 NE01 PA09Z PA10Z PA11Z PB10Z PE01Z PE08Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の始動時は始動時に適した燃料
    量算出方法により前記機関に供給する燃料量を算出する
    始動時燃料量算出手段と、前記機関の始動後は始動後に
    適した燃料量算出方法により前記燃料量を算出する始動
    後燃料量算出手段とを備え、前記機関の始動時及び始動
    後は、それぞれ前記始動時燃料量算出手段及び始動後燃
    料量算出手段により算出された燃料量を前記機関に供給
    する内燃機関の燃料供給量制御装置において、 前記始動時燃料量算出手段により算出された燃料量か
    ら、前記始動後燃料量算出手段により算出された燃料量
    への移行を滑らかに行う過渡制御手段を備えることを特
    徴とする内燃機関の燃料供給量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記過渡制御手段は、前記始動時燃料量
    算出手段により算出した燃料量及び前記始動後燃料量算
    出手段により算出した燃料量を、時間経過に伴って変化
    する移行係数を用いて補正することを特徴とする請求項
    1に記載の燃料供給量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記始動時燃料量算出手段及び始動後燃
    料量算出手段は、それぞれ前記機関の吸気管内に噴射さ
    れた燃料の一部が吸気管内壁に付着することに起因する
    燃料の輸送遅れを補正する始動時付着補正手段及び始動
    後付着補正手段を備え、該始動時付着補正手段及び始動
    後付着補正手段は、それぞれ独立して設定される始動用
    付着補正パラメータ及び始動後用付着補正パラメータを
    用いて燃料量を補正し、前記過度制御手段は、前記始動
    用付着補正パラメータ及び始動後用付着補正パラメータ
    を、時間経過に伴って変化する移行係数を用いて補正す
    ることにより、前記始動用付着補正パラメータから始動
    後用付着補正パラメータへの移行を滑らかに行うことを
    特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供
    給制御装置。
  4. 【請求項4】 前記過渡制御手段は、前記移行係数を前
    記機関の温度に応じて設定することを特徴とする請求項
    2または3に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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