JP3594688B2 - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は内燃機関の燃料供給制御装置に関し、特に内燃機関の吸気管壁面に付着する燃料量を考慮して燃料噴射量を決定する燃料供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射弁により吸気管内に噴射された燃料は、その大部分が機関の燃焼室に直接供給されるが、一部は吸気管壁面に付着するため、この点を考慮して燃料噴射量を決定する、いわゆる付着補正を行うようにした燃料供給制御装置は、従来より知られている。
【0003】
また、機関の始動中は吸気管壁面に付着する燃料量を精度よく予測することが困難であるため、始動中は付着補正を行わないようにした制御装置や始動中及び機関回転数の変化率が所定以上のときは付着補正を行わないようにした制御装置が、従来より知られている(特開平3−189344号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、始動完了後の付着補正開始時には付着燃料量の予測値が演算されていないため、正確な付着補正を行うことができず、供給燃料量が大きく変化して、機関回転の変動を招く場合があった。
【0005】
一方、始動中も始動後と同様の付着補正を行うようにすると、以下のような問題がある。即ち、特に機関の低温時には燃料が吸気管壁面に大量に付着することが予測されるので、燃料を多く供給するように補正してしまうが、始動時においては供給した燃料が燃焼しないことがあるため、燃料が残存して空燃比が極端なリッチ状態となり、機関の始動性を悪化させる場合があった。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みなされたものであり、機関始動中においても始動性を悪化させない範囲で付着補正を行い、実際に燃焼室に供給される燃料量をより適切に制御するとともに、始動後の付着補正開始時における供給燃料量の急変を防止することができる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関の運転状態に応じて、前記機関の燃焼室に供給されるべき要求燃料量を演算する要求燃料量演算手段と、前記機関の始動完了を判定する始動完了判定手段と、前記機関の始動完了前に、前記機関の運転状態に応じて吸気通路内の燃料付着特性を表すパラメータを演算する第1のパラメータ演算手段と、前記機関の始動完了後に、前記機関の運転状態に応じて吸気通路内の燃料付着特性を表すパラメータを演算する第2のパラメータ演算手段と、前記燃料付着特性を表すパラメータに基づいて燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量のうち、前記燃焼室に直接吸入される第1の燃料量と前記吸気通路の壁面に付着している燃料量が蒸発して前記燃焼室に吸入される第2の燃料量とを演算する燃料量演算手段と、前記第1及び第2の燃料量に基づいて前記要求燃料量を補正することにより前記燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、前記機関始動完了後の前記燃料量演算手段の演算に用いる燃料付着特性を表すパラメータを、前記機関の始動完了前の前記機関の運転状態に応じて演算する第3のパラメータ演算手段とからなることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置を提供するものである。
【0008】
また、前記機関の始動完了時に前記第1のパラメータ演算手段により演算された前記パラメータから、前記第2のパラメータ演算手段により演算された前記パラメータへ徐々に移行させる過渡制御手段をさらに設けることが望ましい。
【0009】
また、前記機関始動完了後の前記燃料量演算手段の演算に用いる燃料付着特性を表すパラメータは、前記吸気通路に付着している燃料量に相当するパラメータとすることが望ましい。
【0010】
【作用】
請求項1記載の燃料供給制御装置によれば、機関の始動中においては、機関の始動性を悪化させずに付着補正を行った上で、燃料付着パラメータの演算を別個に継続することにより、始動後の付着補正に反映させることができる。
【0011】
請求項2記載の燃料供給制御装置によれば、機関の始動完了時においては、始動中の付着補正値から始動後の付着補正値へ徐々に移行するように制御される。
【0012】
請求項3記載の燃料供給制御装置によれば、機関の始動中に吸気通路に付着する燃料量を推定することができる。
【0013】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施例に係る内燃機関(以下「エンジン」という)及びその空燃比制御装置の全体の構成図であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0015】
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
【0016】
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7を介して吸気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
【0017】
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
【0018】
また、エンジン1の図示しないカム軸周囲またはクランク軸周囲には、クランク角度(CRK)センサ11と、気筒判別(CYL)センサ12とが取り付けられている。CRKセンサ11は、エンジン1のクランク軸の1/2回転(180°)より短い一定のクランク角周期(例えば30°周期)でもって所定のクランク角度位置でパルス(以下、CRKパルスという)を発生する。CRKパルスはECU5に供給され、前記CRKパルスに基づいてTDCパルスを出力する。すなわち、TDCパルスは各気筒の基準クランク角度位置を表すものであって、クランク軸の180°回転毎に発生する。
【0019】
また、ECU5は、CRKパルスの発生時間間隔を計測してCRME値を算出し、さらにこのCRME値をTDCパルスの発生時間間隔に亘って加算してME値を算出し、該ME値の逆数であるエンジン回転数NEを算出する。CYLセンサ12は、特定の気筒の吸入行程開始時に対応するTDCパルス発生位置よりも前の所定クランク角度位置(例えば、10°BTDC)でパルス(以下、CYLパルスという)を発生する。
【0020】
ECU5には、さらに大気圧PAを検出する大気圧センサ17が接続されており、その検出信号がECU5に供給される。
【0021】
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、複数の中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0022】
次に吸気管2の壁面に付着する燃料を考慮した燃料噴射弁6の開弁時間TOUTの算出手法を説明する。なお、本実施例では、燃料噴射弁6の開弁時間は、燃料噴射量に対応するので、以下の説明では、実際は燃料噴射時間に換算して表されているパラメータを、燃料噴射量あるいは燃料量として記載している。
【0023】
図2は、燃料噴射量TOUTを算出する処理のフローチャートであり、本処理はTDCパルスの発生毎にECU5のCPU5bで実行される。
【0024】
先ずステップS1では、壁面付着補正パラメータである直接率A及び持ち去り率Bを算出する。直接率Aは、あるサイクルで噴射した燃料のうち、そのサイクル中に蒸発等により燃焼室に吸入される燃料の割合であり、持ち去り率Bは、前回までに吸気管壁面に付着した燃料のうち、そのサイクル中に蒸発等により燃焼室に吸入される燃料の割合である。このステップにおける算出処理の詳細は、図3を参照して後述する。
【0025】
続くステップS2では、始動モード(クランキング中)か否かを判別し、始動モードでなければ直ちにステップS4に進み、始動モードであればステップS4の演算で用いる付着燃料量TWPを後述する始動時用の付着燃料量TWPCRに置き換えて、ステップS4に進む。
【0026】
ステップS4では、下記式により今回噴射すべき燃料量である噴射燃料量TNETを算出する。
【0027】
TNET=(TCYL(N)−B×TWP(N−1))/A
ここで、TCYL(N)は、要求燃料量(実際に燃焼室に吸入されるべき燃料量)であり、エンジン運転状態に応じて以下のように算出される。即ち、エンジンの始動モード(クランキング中)においては、エンジン回転数NEに応じて設定される基本燃料量を、エンジン水温TW及び大気圧PAに応じて補正することにより算出され、エンジンの基本モード(始動モード以外の制御モード、通常運転状態)においては、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定される基本燃料量を、エンジン水温TW、大気圧PA等を含む各種センサからのエンジン運転パラメータに応じて補正することにより算出される。
【0028】
また、TWP(N)は、後述する図4の処理で算出される吸気管付着燃料量(予測値)であり、(B×TWP(N−1))は、前回のサイクルまでに吸気管に付着した燃料量から今回のサイクルで燃焼室に持ち去られる持ち去り燃料量に相当する。持ち去り燃料量分は新たに噴射する必要がないので、TCYL(N)値からこの分を減算するようにしている。
【0029】
続くステップS5では、ステップS2で算出した噴射燃料量TNETのリミットチェックを行う。具体的には、TNET値が負値のときはTNET=0とし、所定上限値TNETLMTHを越えるときは、TNET=TNETLMTHとする。
【0030】
次いで、最終的な燃料噴射時間TOUT(N)をTNET値に設定して(ステップS6)、本処理を終了する。
【0031】
図3は図2のステップS1における直接率A及び持ち去り率Bを決定する処理のフローチャートである。
【0032】
先ずステップS11では、始動モードか否か、即ちエンジンのクランキング中か否かを判別する。この判別は、例えばエンジン回転数NEが所定回転数NECRより低いか否かを判別することにより行う。
【0033】
始動モードであるときは、図5に示すようにエンジン水温TWに応じて設定されたACR/BCRテーブルを検索して始動時用の直接率ACR及び持ち去り率BCRを決定するとともに、図7に示すようにエンジン水温TWに応じて設定されたATWテーブル及びBTWテーブルを検索して付着燃料量TWPの仮演算用の直接率ATW及び持ち去り率BTWを算出する。
【0034】
ACR/BCRテーブルは、エンジン水温TWが上昇するほどACR値及びBCR値が減少するように設定されている。ACR値及びBCR値は1.0に近いほど、吸気管付着燃料量が少ないことに対応するので、ACR/BCRテーブルは、エンジン水温TWが低下するほど、付着補正の度合いが低下するように設定されている。また、このテーブル設定値は、基本モードにおいてマップ検索により決定される基本モード用の直接率のマップ値AMAP及び持ち去り率のマップ値BMAPより大きな値(1.0に近い値)、即ち付着補正の度合いの低い値に設定されている。
【0035】
このようにして決定した始動時用の付着パラメータACR,BCRを用いることにより、始動中においても始動性を悪化させない範囲で付着補正を行うことができる。
【0036】
また、ATWテーブル及びBTWテーブルは、それぞれ図7(a),(b)に示すように、エンジン水温TWが上昇するほどATW値及びBTW値が増加するように設定されている。ATW値及びBTW値を用いて算出する付着燃料量TWPは、始動完了時において始動後の付着燃料量の初期値として用いるために算出するものである。
【0037】
続くステップS13では、始動時用の付着パラメータACR,BCRについて各種の補正を行う。具体的には例えば、エンジン回転数NE、大気圧PA、吸気温TA等に応じて補正係数を算出し、これをステップS12で決定したテーブル検索値ACR,BCRに乗算することにより、補正直接率ACRM及び補正持ち去り率BCRMを算出する。そして、これのACRM値及びBCRM値を直接率A及び持ち去り率Bとするとともに、仮演算用の付着パラメータATW,BTWをA’,B’として(ステップS14)、本処理を終了する。
【0038】
一方ステップS11で、始動モードでないとき、即ち基本モードであるときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたマップを検索して、直接率のマップ値AMAP及び持ち去り率のマップ値BMAPを算出する(ステップS15)。次いで、過渡処理を行う(ステップS16)。この処理は、基本モードに移行する直前のACR値及びBCR値と、ステップS15で算出したマップ値AMAP,BMAPとの差が大きい場合には、直前のACR値及びBCR値から、徐々にAMAP値及びBMAP値に移行させる処理である。
【0039】
この過渡処理により、付着パラメータ値の急変を防止し、エンジン回転数NEの変動を防止することができる。
【0040】
続くステップS17では、過渡処理後のAMAP値及びBMAP値に、エンジン水温TW、吸気温TA、大気圧PA等に応じて算出される補正係数を乗算して、補正マップ値AMAPM,BMAPMを算出し、これらを直接率A及び持ち去り率Bとして(ステップS18)、本処理を終了する。
【0041】
図4は、吸気管付着燃料量TWPを算出する処理のフローチャートである。
【0042】
先ずステップS21では、始動モードか否かを判別し、始動モードのときは、図3のステップS14で算出された最新の直接率A、A’及び持ち去り率B,B’を読み込み(ステップS22)、次いで下記式により始動時用付着燃料量TWPCR(N)及び付着燃料量TWP(N)を算出する(ステップS23)。
【0043】
TWPCR(N)=(1−A)×TOUT(N)+(1−B)×TWPCR(N−1)
TWP(N)=(1−A’)×TOUT(N)+(1−B’)×TWP(N−1)
ここで、TWPCR(N−1),TWP(N−1)は、前回算出値であり、右辺第1項は、直前に終了した噴射により新たに付着した燃料量を表し、右辺第2項は、既に付着していた燃料の一部が持ち去られ、その残りの分に相当する。
【0044】
続くステップS24では、TWPCR(N)値及びTWP(N)値のリミットチェックを行い、本処理を終了する。
【0045】
一方前記ステップS21で始動モードでないときは、図3のステップS18で算出された最新の直接率A及び持ち去り率Bを読み込み、次いで下記式により付着燃料量TWP(N)を算出する。
【0046】
TWP(N)=(1−A)×TOUT(N)+(1−B)×TWP(N−1)
続くステップS23では、TWP(N)値のリミットチェックを行い、本処理を終了する。
【0047】
図6は、エンジンの移動開始から基本モードへ移行する場合の、直接率A、持ち去り率B、付着燃料量TWP及びエンジン回転数NEの推移の一例を示す図である。この例では始動時の直接率ACR及び持ち去り率BCRが0.8に設定されており、これを用いて算出される始動時用の付着燃料量TWPCRは、時間経過とともに徐々に増加する。これにより、エンジンの始動性を悪化させない範囲で付着補正を行うことができる。また、始動中においては仮演算用の直接率ATW及び持ち去り率BTWを用いて、付着燃料量TWPが算出される。そして、エンジン回転数NEが上昇し、時刻t0において基本モードに移行すると、基本モードにおける付着燃料量TWPの初期値は、始動モードにおいてATW値及びBTW値を用いて算出したTWP値の最終値に設定され、直接率A及び持ち去り率Bの決定処理において過渡処理が実行され(過渡処理実行中の直接率及び持ち去り率をATR,BTRで示す)、直接率A及び持ち去り率Bの値は、ACR値及びBCR値から徐々にAMAP値及びBMAP値に移行する。
【0048】
このように本実施例では、エンジンの始動中においてもエンジン水温TWに応じて始動時用の直接率ACR及び持ち去り率BCRを設定し、これらの値を基本モードにおけるマップ値より大きな値に設定し、さらにエンジン水温TWが低下するほど補正の度合いを小さくしたので、例えばエンジンの低温始動時においても始動性を悪化させることがない。
【0049】
さらに、始動時用の直接率ACR及び持ち去り率BCRより小さな値(始動後に使用するマップ値AMAP,BMAPとほぼ同程度の値)に設定される仮演算用の直接率ATW及び持ち去り率BTWを用いて、付着燃料量TWPを算出するようにしたので、基本モードへの移行時点における付着燃料量TWPの初期設定を、適切に行うことができ、移行直後の付着補正の精度を向上させることができる。
【0050】
さらに、始動モードから基本モードへの移行直後における過渡処理により、付着補正量の急変による燃料供給量の変動を防止することができる。
【0051】
なお、上述した実施例では、エンジン水温TWに応じて始動時用の直接率ACR及び持ち去り率BCR及び仮演算用の直接率ATW及び持ち去り率BTWを決定するようにしたが、これに限るものではなく、例えば吸気温TA又はエンジンオイル温度に応じて、図5又は図7と同様の傾向で設定するようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1記載の燃料供給制御装置によれば、機関の始動中においては、機関の始動性を悪化させずに付着補正を行った上で、燃料付着パラメータの演算を別個に継続することにより、始動後の付着補正に反映させるようにしたので、始動中において実際に燃焼室に供給される燃料量をより適切に制御するとともに、始動完了直後の付着補正の精度を向上させることができる。
【0053】
請求項2記載の燃料供給制御装置によれば、機関の始動完了時においては、始動中の付着補正値から始動後の付着補正値へ徐々に移行するように制御されるので、始動完了直後の付着補正の精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】燃料噴射時間(TOUT)を算出する処理のフローチャートである。
【図3】付着補正パラメータ(A,B)を決定する処理のフローチャートである。
【図4】吸気管付着燃料量を算出する処理のフローチャートである。
【図5】始動時用の付着補正パラメータ(ACR,BCR)を算出するためのテーブルを示す図である。
【図6】付着補正パラメータ、吸気管付着燃料量及びエンジン回転数の推移を示す図である。
【図7】付着パラメータ算出用のテーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
5 電子コントロールユニット
6 燃料噴射弁
9 吸気温センサ
10 エンジン水温TWセンサ
Claims (3)
- 内燃機関の運転状態に応じて、前記機関の燃焼室に供給されるべき要求燃料量を演算する要求燃料量演算手段と、
前記機関の始動完了を判定する始動完了判定手段と、
前記機関の始動完了前に、前記機関の運転状態に応じて吸気通路内の燃料付着特性を表すパラメータを演算する第1のパラメータ演算手段と、
前記機関の始動完了後に、前記機関の運転状態に応じて吸気通路内の燃料付着特性を表すパラメータを演算する第2のパラメータ演算手段と、
前記燃料付着特性を表すパラメータに基づいて燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量のうち、前記燃焼室に直接吸入される第1の燃料量と前記吸気通路の壁面に付着している燃料量が蒸発して前記燃焼室に吸入される第2の燃料量とを演算する燃料量演算手段と、
前記第1及び第2の燃料量に基づいて前記要求燃料量を補正することにより前記燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段と、
前記機関始動完了後の前記燃料量演算手段の演算に用いる燃料付着特性を表すパラメータを、前記機関の始動完了前の前記機関の運転状態に応じて演算する第3のパラメータ演算手段とからなることを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。 - 前記機関の始動完了時に前記第1のパラメータ演算手段により演算された前記パラメータから、前記第2のパラメータ演算手段により演算された前記パラメータへ徐々に移行させる過渡制御手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
- 前記機関始動完了後の前記燃料量演算手段の演算に用いる燃料付着特性を表すパラメータは、前記吸気通路に付着している燃料量に相当するパラメータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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