JPH09177533A - 包囲型エンジンの騒音低減装置 - Google Patents

包囲型エンジンの騒音低減装置

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JPH09177533A
JPH09177533A JP7334392A JP33439295A JPH09177533A JP H09177533 A JPH09177533 A JP H09177533A JP 7334392 A JP7334392 A JP 7334392A JP 33439295 A JP33439295 A JP 33439295A JP H09177533 A JPH09177533 A JP H09177533A
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JP
Japan
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noise
duct
exhaust
microphone
engine
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JP7334392A
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English (en)
Inventor
Kozo Nishikawa
幸三 西川
Takeshi O
健 王
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で包囲型エンジンの騒音を低減す
る。 【解決手段】 防音ケース2によって囲まれたエンジン
発電機にアクティブノイズコントロール(ANC)によ
る騒音低減を行う場合において、防音ケース2気口10
に連通するように排風ダクトケース71と水平ダクト7
5を設け、排風ダクトケース71内の排気側スピーカ4
7が配設される排気側上昇風路81の下流側端部が、排
気側上昇風路81の延在方向Sと垂直でなく傾いた状態
でダクト出口35に連通するように構成していので、排
気側上昇風路81の開口74において定常波が発生する
ことを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は騒音低減装置に関
し、より詳しくは、防音ケースなどの包囲体によって囲
まれたエンジンの騒音を低減する、包囲型エンジンの騒
音低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジン、排気ダクトの騒音
を低減する技術として吸音材、制振動材を設けるという
パッシブな方法が提案されている。これに対し、近年、
騒音に対して同振幅、逆位相の相殺音を放射して、音波
の干渉効果により騒音を低減する能動的騒音制御(アク
ティブノイズコントロール、以下、ANCと称する)が
実用化され、各方面で盛んに研究されている(特公表平
2−503219号、特開平3−204354号、特開
平4−350314号公報など)。
【0003】例えば、上記ANCの一例として特開平4
−350314号に開示されたエンジン排気音低減装置
では、エンジン排気管の端部回りにリング状の大径部を
設け、その大径部内にスピーカを配設し、エンジン排気
管から放出される音とは逆位相の相殺音を発生させて騒
音を低減するものである。このANC制御における参照
信号、残留信号の検出方法については記載がないが、エ
ンジン爆発音についてはクランク軸の回転信号を基準に
してある程度正確に予測できることから、比較的簡単に
騒音低減が可能になると思われる。
【0004】一方、近年、環境に優しい製品の開発が要
望され、エンジン発電機などおいて、騒音を低減するた
めにエンジンを防音ケースに収容する形態のものが好ま
れるようになっている。上記環境問題の高まりを考慮す
ると、上記ANCを包囲型エンジンに適用して騒音を低
減することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ン発電機などの包囲型エンジンの騒音は図10に示すよ
うにクランクシャフトや冷却ファンシャフト等の回転数
に起因する基本周波数およびその高調波、ファンの風切
り音、包囲体の振動などで構成され、複雑なスペクトル
を有しているので、クランク軸の回転信号のような基準
周期信号を基にして、参照信号を生成して相殺音を発生
させることが難しい。この場合は、参照騒音マイク、残
留騒音マイクの間にスピーカを配設し、参照騒音マイク
からの参照騒音信号および、残留騒音マイクからの残留
騒音信号に基づいて、所定のANCアリゴリズムによ
り、残留騒音のエネルギーが最小になるようにスピーカ
が発する相殺音を逐次的に変えて行く方法を採用するこ
とになる。
【0006】この場合、包囲型エンジンをANCを適用
して実用上効果のある騒音低減を行うためには、(1)包
囲型エンジンは包囲体内部を冷却するために冷却風を起
こす必要があり、この冷却風の流れを考慮したダクト、
およびANCシステム構成とすること、(2)上記複雑な
スペクトルを有する騒音を低減するために、できるだけ
簡単な音響系のダクトを採用するとともに、エンジンの
騒音、およびスピーカからの相殺音によって定常波など
が生じないようにすること、(3)包囲型エンジンで特に
気になる低周波域のこもり音(約100Hz〜約500
Hz)を高いS/Nで検出できるように工夫すること、
の各課題を解決しなければならない。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記の各課題に鑑みてなされた
ものであり、包囲型エンジンにおいて、上記課題を解決
し、騒音低減の向上を図れる包囲型エンジンの騒音低減
装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の包囲型エンジンの騒音低減装置は、包
囲体内にエンジンを収容し、包囲体の所定箇所に少なく
とも吸気口と排気口を設け、吸気口から外気を取り入れ
て排気口から排気する包囲型エンジンの騒音を低減する
ために、少なくとも排気口に連通する排気側ダクトが包
囲体周囲に形成され、排気口に近い騒音を検出する参照
騒音検出マイクと、排気側ダクトのダクト口に近い騒音
を検出する残留騒音検出マイクと、排気側ダクト内に配
設された相殺音発生手段と、参照騒音信号および残留騒
音信号に基づいてダクト口における騒音を打ち消す相殺
音を発生させるように相殺音発生手段を駆動するANC
制御手段とを備え、排気側ダクト内の相殺音発生手段の
あるダクト内風路の下流側端部が、そのダクト内風路の
延在方向に対して垂直でなく傾いた状態でダクト口に連
通していることを特徴とする。
【0009】請求項2の包囲型エンジンの騒音低減装置
は、排気側ダクト内のダクト内風路の延在方向と平行に
棒状支持部材を固設し、棒状支持部材の排気口側に参照
騒音検出手段を固定し、棒状支持部材のダクト口側に残
留騒音検出手段を固定し、参照騒音検出手段と残留騒音
検出手段の間位置に相殺音発生手段を配設したことを特
徴とする。
【0010】
【作用】請求項1の包囲型エンジンの騒音低減装置にお
いては、排気口近くの騒音は参照騒音検出手段により検
出され、その参照騒音信号および残留騒音検出手段から
の残留騒音信号とに基づいてANC制御手段のANC制
御により、相殺音発生手段からダクト口における騒音を
低減するような相殺音が発生される。このANC消音動
作において、相殺音発生手段のあるダクト内風路の下流
側端部が、そのダクト内風路の延在方向に対して垂直で
なく傾いた状態でダクト口に連通しているので、包囲型
エンジンの騒音がそのダクト内風路の開口において定常
波となり、騒音が大きくなることを防止することができ
る。つまり、ANCにおいて500Hz以下の低い周波
数の騒音を良好に低減するために、排気側ダクト内に長
いダクト内風路を形成し、そのダクト内風路に相殺音発
生手段から相殺音を放出するように構成した場合、ダク
ト内風路の下流側端部が、そのダクト内風路の延在方向
に対して垂直に開いていると、その部分が明確な音響イ
ンピーダンスの屈折点となり定常波が発生して騒音が大
きくなりやすい。そこで、その開口上に傾斜面を上から
被せたような構造にすることにより、ダクト内風路での
定常波の発生を抑制して、包囲型エンジンの騒音を低減
することができる。
【0011】請求項2の包囲型エンジンの騒音低減装置
であれば、排気側ダクト内のダクト内風路の延在方向と
平行に棒状支持部材を固設し、棒状支持部材の排気口側
に参照騒音検出手段を固定し、棒状支持部材のダクト口
側に残留騒音検出手段を固定することにより、排気側ダ
クトに伝わる振動の特性が参照騒音検出手段、残留騒音
検出手段において同じになるので、参照騒音検出手段、
残留騒音検出手段との間の音の相関性を高めることがで
きる。また、ダクト内風路の位置によって冷却風の強
さ、方向が異なることがあるが、ダクト内風路の延在方
向と平行に棒状支持部材を固設することにより、ダクト
内風路を流れる冷却風の方向と平行に棒状支持部材が配
設されることになるので、冷却風の影響が参照騒音検出
手段、残留騒音検出手段においてほぼ同じになり、参照
騒音検出手段、残留騒音検出手段との間の音の相関性を
高めることができる。
【0012】
【発明の効果】上記作用において説明したように、請求
項1の発明によれば、相殺音発生手段のあるダクト内風
路の下流側端部が、そのダクト内風路の延在方向に対し
て垂直でなく傾いた状態でダクト口に連通しているの
で、包囲型エンジンの低周波域の騒音がダクト口に連通
するダクト内風路において定常波となることを防止で
き、ダクトが大きく振動したり、ANCによる騒音低減
が不安定になることを防止できるという特有の効果を奏
する。請求項2の発明は、定常波の発生を防止したダク
ト内風路において参照騒音検出手段、残留騒音検出手段
との間の音の相関性を高め、騒音低減レベルを向上させ
ることができるという特有の効果を奏する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1実施形態を
示す図であり、図1(A)は包囲型エンジン発電機の騒
音低減装置の構成を示す概略縦断面図、図1(B)は吸
風ダクトケースを取り外した状態の左側面図、図1
(C)は排風ダクトケースを取り外した状態の右側面
図、図1(D)は図1(A)のD−D線方向横断面図で
ある。また、図2(A)は排風ダクトケース内における
参照騒音マイクと残留騒音マイクの配置の仕方を説明す
るための斜視図、図2(B)はその要部拡大図である。
【0014】この包囲型エンジン発電機は、図1に示す
ように直方体形状の6つの防音壁で構成された防音ケー
ス2の図中右側にディーゼルエンジン3を配設するとと
もに、図中左側にエンジン発電機4を配設してある。ま
た、右側防音壁2bの略中央位置に排出口10を開口
し、左側防音壁2cの下部位置に吸気口21を開口して
いる。また、防音ケース2の内壁、後述する排風ダクト
ケース71、水平ダクト75の内壁には一面に1kHz
以上の高周波音が外部に漏れることを防止する消音材が
張り付けられている。このような消音材としてはグラス
ウールなどの軽量かつ安価な公知の消音材が使用され
る。
【0015】ラジエータ6は防音ケース2内で排出口1
0に臨ませて配設されており、ラジエータ6にはファン
ベルトによりクランク軸と連動駆動される吸い出し型の
ラジエータファン20が取り付けられている。エンジン
3の上方には吸気管に連通するエアクリーナ24と、排
気管に連通するマフラ42を設け、排気ガス放出管77
を介して外部排気管78に連通されている。また、右側
防音壁2bの排出口10を上側から覆うように排風口7
2を備えた袋状の導風板73を取り付けている。導風板
73は上壁が所定半径の曲面部73aとしたものを採用
している。導風板73の上側には2個の排気側ラウドス
ピーカ47,47を並んで設けている。防音ケース右壁
2bには上壁71aに所定大きさの開口74を有する略
長方形椀状の排風ダクトケース71が取り付けられ、そ
の開口74を覆うように水平ダクト75が排風ダクトケ
ース上壁71aに水平方向に取り付けられている。排風
ダクトケースの下壁71cと右壁71bをつなぐ角部、
水平ダクト75の上壁75aと右壁75bをつなぐ角部
はそれぞれ滑らかな所定半径の曲面部71d,75cと
なっている。水平ダクト75のダクト出口35には異物
混入防止用の金網76が張設されている。
【0016】排風ダクトケース71を防音ケース右壁2
bに取り付けることにより、導風板73内の排気導風室
79の排風口72から放出された騒音は導風板73と排
風ダクトケース右壁71bとで構成される排気側上昇風
路81、開口74、水平ダクト75内の水平風路82を
経て、金網76が張設されたダクト出口35から外部に
放出されることになる。水平ダクト75は排気側上昇風
路81の延存方向Sに対して垂直でない曲面部75dを
有している。
【0017】また、排気側上昇風路81内には、排風ダ
クトケース下壁71cから上壁71aに至る横断面L字
形の棒状のマイク支持部材83が鉛直方向に固定されて
いる。マイク支持部材83は図2(A)に示すように下
側から参照騒音マイク46、残留騒音マイク48の順に
取り付けられ、各マイク46,48はマイク支持部材8
3に衝撃吸収材84を介してしっかりと固定されてい
る。衝撃吸収材84としては各種防振スポンジが例示で
きる。参照騒音マイク46の配設位置は導風板73の右
壁最下端位置より少し上側の位置になっており、この位
置ではラウドスピーカ47から発生された相殺音は導風
板73の曲面部73aにより遮蔽され直接に入らないよ
うになっている。
【0018】マイク支持部材83の下端は排風タクトケ
ース下壁71cに植設され、マイク支持部材83の上端
は支持板85を介して排風ダクトケース上壁71aに固
定されている。マイク支持部材83の配設位置は図1
(D)において示すように、排気側上昇風路81におい
て左右対称形となる中央位置に設けられている。ANC
騒音低減装置は、上記参照騒音マイク46と、排気側ス
ピーカ47と、開口74の下側位置に設けられた残留騒
音マイク48と、排気側ANCコントローラ(図示せ
ず)とから構成されている。なお、ANCコントローラ
の詳細構成については後述する。
【0019】また、エンジン3と発電機4は防音ケース
2の底壁2dの所定箇所に配設された防振ゴム55を介
して防音ケース2内に収容されているので、エンジン3
および発電機4の振動が防音ケース2に伝わることが軽
減されている。さらに、防音ケース2内左上部の吸気口
21を塞がない位置には燃料タンク22が配設され、防
音ケース上壁2aに設けられた燃料注ぎ口56から燃料
を供給できるようになっている。
【0020】上記構成のエンジン発電機の騒音低減装置
の作用について説明する。エンジン発電機のエンジン3
が運転され、発電が開始されると、エンジンのクランク
軸に連動するラジエータファン20が駆動する。ラジエ
ータファン20の駆動によりダクト入口41から吸入さ
れた外気は、吸風ダクトケース67内の吸気側上昇風路
61、吸気導風室50を経て、防音ケース2内に導か
れ、発電機4およびエンジン3を冷却した後、排風ダク
トケース71内の排気導風室79、排気側上昇風路81
を流れ、開口74、水平ダクト75の水平風路82を経
てダクト出口35から排風される(図中矢印H参照)。
【0021】エンジン3の運転が始まると、ANCコン
トローラは参照騒音マイク46により、排気側上昇風路
81下部の参照騒音を検出し、その参照騒音信号と残留
騒音マイク48の残留騒音信号に基づいて、ダクト出口
35の騒音が最小になるように、ラウドスピーカ47を
駆動して相殺音を発生させる。このANC動作において
この実施形態では、変形しにくいL字形鋼を使用して、
2つのマイク46,48を支持しているので個々のマイ
ク46,48が独立して振動することがなくなり、参照
騒音マイク46と残留騒音マイク48間の音の相関係数
を向上させることができる。さらに、衝撃吸収材84を
介してマイク支持部材83に固定しているので、エンジ
ンの振動、排気風によって生じるマイク支持部材83の
振動が参照騒音マイク46、残留騒音マイク48に直接
的に伝わることを抑制でき、2つのマイク間の音の相関
性を向上させることができる。
【0022】また、マイク支持部材83は排気風が流れ
る排気側上昇風路81の方向Sに沿って配設されるとと
もに、排気側上昇風路81において左右対称形となる位
置に設けられているので、排気風に乗って流れる騒音特
性を全領域において偏りなく検出することができ、結果
として騒音低減性能を向上させることができる。また、
水平ダクト75を設けることにより、排風ダクトケース
71の開口74からそのまま、残留騒音が外部に放出さ
れる形態よりも騒音のレベルを低減することができる。
これは、水平ダクト75が、排気側上昇風路81の延在
方向Sと約90゜の角度をもって接続し、水平ダクト7
5の角部が所定半径の曲面部75cとなっていることに
より、排気側上昇風路81において定常波が発生するの
を防止できることによる。また、曲面部75cとするこ
とによりスピーカ47により低減された騒音が水平ダク
ト75の上壁75aに衝突して再び排気側上昇風路81
に戻ってくる成分を少なくできる利点もある。
【0023】この水平ダクト75の構成は必ずしも所定
半径の曲面部75cだけに限定されるものではなく、排
気側上昇風路81の延在方向Sに対して傾斜した角度を
有する壁面を備えたダクトであれば、定常波の発生を抑
制できる。なお、その壁面の傾斜角度は定常波の発生抑
制効果と、傾斜した壁面に衝突して排気側上昇風路81
に帰ってくる騒音成分量との兼ね合いによって適宜設定
すればよい。最も単純な構成としては、図3に示すよう
に排気側上昇風路81の延在方向Sに対する傾斜角度θ
が45゜である面113を持つ構成が例示できる。傾斜
角度θは45゜に限定されるものではなく、傾斜角度θ
を30゜〜50゜の範囲に広がる水平ダクト75を設け
てもよい。なお、この明細書において水平ダクト75と
は上壁71aとダクトの軸線方向が一致するダクトに限
定されるものではなく、若干上下に傾いたダクトであっ
ても略水平方向に延びる構成であり、ダクト口35にお
ける騒音を低減できるものであれば含まれる。
【0024】図4(A)は参照騒音マイク46、残留騒
音マイク48の詳細構成を示す縦断面図、図4(B)は
図4(A)のB−B線横断面図、図5は分解斜視図であ
る。この包囲型エンジンの低減装置に使用されるマイク
94は、プラスチック製長方体形状の外部ケース87
と、外部ケース87の内側に収容された硬質スポンジ等
の衝撃吸収材88と、衝撃吸収材88に側面を圧接され
た状態で外部ケース87の中央部に支持されるマイクユ
ニット89とから構成されている。
【0025】外部ケース87は長方体椀状の収容ケース
90と収容ケース90の蓋91とから構成され、収容ケ
ース90の後壁にはマイクユニット89のマイクコード
92が挿通する切欠部93が設けられている。収容ケー
ス90の前壁90aおよび側壁90bは所定肉厚(
mm程度)とされ、これらの壁90a,90bには音波
導入口を一切設けてはいない。マイクユニット89は、
収容ケース90の前壁90aおよびマイクユニット89
を収容する位置より前方の外部ケース側壁90bを透過
した音を検出するようになっている。
【0026】衝撃吸収材88は図5に示すようにマイク
ユニット89を挿嵌するような穴95を有する略円筒形
状に形成され、その穴95内にマイクユニット89を挿
嵌した状態で収容ケース90に収容され蓋91により固
定される。衝撃吸収材88の厚さは蓋91装着時に、側
面から圧接する弾性力を受けるように設定され、その弾
性力によりマイクユニット89を所定位置に保持するよ
うにしている。この包囲型エンジン発電機のANCによ
る騒音の低減は前述したように吸音材で低減できない5
00Hz以下の低周波域の音(腹に響くようなこもり
音)を対象としている。したがって、従来の一般のマイ
クロホンのように500Hz以下の低周波の音から数k
Hz以上の高周波の音までを検出する必要がない。
【0027】この実施形態のマイクによれば、プラスチ
ック面を透過することにより、1kHz以上の音はプラ
ッチックに吸収され、1kHz以下の音だけをマイクユ
ニットにより検出することができる。また、従来の音波
導入口がある防振型マイクロホンであると排風ダクトケ
ース71内を流れる強い冷却ファン風の乱気流によって
騒音検出上の悪影響、例えば、音波導入口があることに
よる振動発生、汚染物質の付着等の問題が発生するが、
本実施形態のマイク94であれば、その問題を解決する
ことができ、信号のS/Nを向上させることができる。
このようにマイク94の乱気流対策、マイクの振動対策
を行い、マイク支持部材の配設位置を上記第4実施形態
で説明した適切な配置位置とすることにより、参照騒音
マイク46と残留騒音マイク48との音の相関性を高め
ることができる。
【0028】図6(A)は本実施形態の乱気流対策を施
したマイク94を使用し、マイク支持部材83を排気側
上昇風路81の延在方向と平行かつ左右対称形に配設し
た場合における2つのマイク46,48の相関係数を縦
軸に、横軸に周波数を取って示した図、図6(B)は通
常の音波導入口のあるマイクを使用し、マイク支持部材
83を排気側上昇風路81の延在方向と斜め方向に傾け
て配設した場合における2つのマイク46,48の相関
係数と周波数の関係を示した図である。本実施形態に対
応する図6(A)では低減の対象となる500Hz以下
の騒音に対して相関係数が約1.0に近い良好な値とな
っているのに対し、図6(B)に示す従来の構成ではA
NC制御を行っても実際には音をほとんど低減できない
約0.5程度の悪い値となっている。なお、実機を用い
た実験では、内壁に内装される吸音材とANC制御を組
み合わせた本実施形態の構成により、排気口10側の騒
音を対策がない場合の騒音レベルである85dBから対
策後は75dBまでに低減できることを確認した。
【0029】
【実施形態2】図7はこの発明の第2実施形態を示す図
であり、図7(A)は包囲型エンジン発電機の騒音低減
装置の構成を示す概略縦断面図、図7(B)は吸風ダク
トケースを取り外した状態の左側面図、図7(C)は排
風ダクトケースを取り外した状態の右側面図、図7
(D)は図7(A)のD−D線方向横断面図である。こ
の第2実施形態が第1実施形態と異なる点は排風ダクト
ケース97内の構成が異なる点と、マイクの構成を図8
に示す構成に代えた点のみである。
【0030】この第3実施形態の排風ダクトケース97
は、排風ダクトケース97を大形化して、排風側上昇風
路81の右外側に排風側下降風路98を区画形成し、排
風側下降風路98に臨む排風ダクトケース右壁97bの
下側にダクト出口35を設けている。排風側上昇風路8
1と排風側下降風路98とは垂直に立設された平板状の
区画壁99によって分けられ、区画壁99と排風ダクト
ケース上壁97aとの間の上部空間が排風側上昇風路8
1と排風側下降風路98との連通路となっている。区画
壁99の排風側下降風路98側の面には、図2で説明し
たマイク支持部材83が垂直方向に固定されている。排
気側スピーカ47は参照騒音マイク46と残留騒音マイ
ク48の間位置で排風ダクトケース97の右側壁97b
に固定されている。排風ダクトケース上壁97aと右壁
97bの角部および排風側下降風路98のダクト出口3
5に対向する角部はそれぞれ所定半径の曲面部97c、
曲面部99aになっている。
【0031】排風ダクトケース下壁97dには排風ダク
トケース97を地面から直接に支える支持台100が設
けられ、排風ダクトケース97と防音ケース右壁2bと
は防振材111を介して連結されている。防振材111
は防音ケース右壁2bの全外周にそって配設されている
ので、エンジン3、ラジエータファン20、導風板73
などの振動に対してできるかぎり孤立した排風ダクトケ
ース97となるように構成してある。
【0032】また、この第3実施形態では一次マフラ4
2は防音ケース2の側壁から外部排気管に連通させるよ
うに構成しているので、第1実施形態のような排風ダク
トケース71を貫通する排気ガス放出管77が不要とな
っている。この実施形態によれば、排風ダクトケース9
7を振動上、防音ケース2とは独立した構成にしたの
で、マイク支持部材83に伝わる振動を大幅に低減する
ことができ、マイク46,48間の音の相関性を高める
ことができる。
【0033】また、この構成においても、ダクト出口3
5に対向する排風側下降風路98が曲面部99aとなっ
ているので、定常波の発生を防止でき、前記実施形態と
同様に外部に放出される騒音のレベルを低減することが
できる。また、この実施形態であると、ラジエータファ
ン音の駆動音、ファンの風切り音、エンジン騒音などが
混在化した騒音が、排気導風室79、排気側上昇風路8
1を経て、両風路81,98の連通路部分の狭い領域か
ら排風側下降風路98へ放射されることになり、ANC
制御上において有利な構成となっている。
【0034】図8はこの第2実施形態に使用されるマイ
クの詳細構成を示す縦断面図、図8(B)は図8(A)
のB−B線横断面図である。参照騒音マイク46および
残留騒音マイク48の外部周囲を図8に示すように1k
Hz以上の高周波の騒音を吸収する吸音材107で覆う
とともに、それらの外部ケース87の内側を防振ゴムの
ような制振材108で内張りした後、衝撃吸収材88を
収容し、マイクユニット89を中央部に位置するように
している。なお、マイク46,48は衝撃吸収材84を
介してマイク支持部材83に取り付けるようにする点は
第1実施形態と同一である。
【0035】このマイクの構成によれば、制振材108
によりマイクの振動が抑制されるとともに、吸音材10
7により高い周波数の騒音がマイクユニット89に入る
ことを防止でき、電気的にローパスフィルタを通す場合
に比べて遅延を生ぜず、ANC制御上好都合とすること
ができる。
【0036】
【実施形態3】次に本発明に適用できるANCコントロ
ーラの構成の一例について説明する。図9は上記第1〜
第2実施形態に使用されるANCコントローラの概略構
成を示すブロック図である。図9においてANCコント
ローラ25は大別すると、加算器117、補償用デジタ
ルフィルタ118、補償用デジタルフィルタ119、適
応テジタルフィルタ120、LMS制御部121とから
構成されている。参照騒音マイク46から検出された騒
音は、図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変
換された後、加算器117に加えられる。加算器117
には補償用デジタルフィルタ118からの出力信号も加
えられており、加算器117はこれらの入力信号を加算
し、その加算した参照騒音信号Xnを補償用デジタルフ
ィルタ119および適応デジタルフィルタ120に出力
する。また、適応デジタルフィルタ120の出力信号Y
nが排気側スピーカ47の駆動信号となる。
【0037】なお、補償用デジタルフィルタ118は排
気側スピーカ47と参照騒音マイク46間の電気音響特
性<B>を補償するフィルタであり、補償用デジタルフ
ィルタ119は排気側スピーカ47と残留騒音マイク4
8間の電気音響特性<C>を補償するフィルタである。
【0038】LMS制御部121は、排気側スピーカ4
7から出された相殺音が包囲型エンジンの騒音を低減す
るように、上記参照入力信号Xnと残留騒音マイクから
の残留騒音信号enとに基づいて残留騒音信号enが最小
となるように適応デジタルフィルタ120のフィルタ係
数を更新する。残留騒音信号enが最小となるように、
適応デジタルフィルタ120のフィルタ係数を最適値に
する方法としては、例えば、B.Widrowらが提案
した「Filtered−xLMSアルゴリズム」が周
知である。
【0039】このアルゴリズムでは下記式により適応
デジタルフィルタ120のフィルタ係数を再帰的に更新
する。 Wn+1=Wn+2μen・Xn …… 但し、 Wn:適応デジタルフィルタ係数(W[0],W
[1],…,W[L−1]) Xn:参照騒音信号(X[n],X[n−1],…,X
[n−L]) en:残留騒音信号 n:離散時間 μ:収束係数 L:フィルタ次数 である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包囲型エンジンの騒音低減装置の
一実施形態としての包囲型エンジン発電機の騒音低減装
置の構成を示す図であり、図1(A)は包囲型エンジン
発電機の騒音低減装置の構成を示す概略縦断面図、図1
(B)は吸風ダクトケースを取り外した状態の左側面
図、図1(C)は排風ダクトケースを取り外した状態の
右側面図、図1(D)は図1(A)のD−D線方向横断
面図である。
【図2】図2(A)は排風ダクトケース内における参照
騒音マイクと残留騒音マイクの配置の仕方を説明するた
めの斜視図、図2(B)はその要部拡大図である。
【図3】図3は定常波を抑制する水平ダクトの他の構成
を示す図である。
【図4】図4(A)は参照騒音マイク、残留騒音マイク
の詳細構成を示す縦断面図、図4(B)は図4(A)の
B−B線横断面図である。
【図5】図5は本実施形態に係るマイクの分解斜視図で
ある。
【図6】図6(A)は第1実施形態における相関係数と
周波数の関係を示した図、図6(B)は比較例の相関係
数と周波数の関係を示した図である。
【図7】図7はこの発明の第2実施形態を示す図であ
り、図7(A)は包囲型エンジン発電機の騒音低減装置
の構成を示す概略縦断面図、図7(B)は吸風ダクトケ
ースを取り外した状態の左側面図、図7(C)は排風ダ
クトケースを取り外した状態の右側面図、図7(D)は
図7(A)のD−D線方向横断面図である。
【図8】図8は図7に示す実施形態に使用されるマイク
の詳細構成を示す縦断面図、図8(B)は図8(A)の
B−B線横断面図である。
【図9】図9は本実施形態に使用されるANCコントロ
ーラの概略構成を示すブロック図である。
【図10】包囲型エンジンの騒音スペクトル特性の一例
を示す図である。
【符号の説明】
2…防音ケース、3…エンジン、10…排気口、21…
吸気口、25…ANCコントローラ、35…ダクト出
口、46…排気側参照騒音マイク、47…排気側スピー
カ、48…排気側残留騒音マイク、71…排風ダクトケ
ース、73…導風板、75…水平ダクト、81…排気側
上昇風路、83…マイク支持部材、97…排風ダクトケ
ース、98…排気側下降風路、S…ダクト内風路の延在
方向。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包囲体(2)内にエンジン(3)を収容
    し、包囲体(2)の所定箇所に少なくとも吸気口(2
    1)と排気口(10)を設け、吸気口(21)から外気
    を取り入れて排気口(10)から排気する包囲型エンジ
    ンの騒音を低減するために、少なくとも排気口(10)
    に連通する排気側ダクト(71,75)(97)が包囲
    体(2)周囲に形成され、排気口(10)に近い騒音を
    検出する参照騒音検出マイク(46)と、排気側ダクト
    (71,75)(97)のダクト口(35)に近い騒音
    を検出する残留騒音検出マイク(48)と、排気側ダク
    ト(71,75)(97)内に配設された相殺音発生手
    段(47)と、参照騒音信号および残留騒音信号に基づ
    いてダクト口(35)における騒音を打ち消す相殺音を
    発生させるように相殺音発生手段(47)を駆動するA
    NC制御手段(25)とを備え、 排気側ダクト(71,75)(97)内の相殺音発生手
    段(47)のあるダクト内風路(81)(98)の下流
    側端部が、そのダクト内風路(81)(98)の延在方
    向(S)に対して垂直でなく傾いた状態でダクト口(3
    5)に連通していることを特徴とする包囲型エンジンの
    騒音低減装置。
  2. 【請求項2】 排気側ダクト(71,75)(97)内
    のダクト内風路(81)(98)の延在方向(S)と平
    行に棒状支持部材(83)を固設し、棒状支持部材(8
    3)の排気口(10)側に参照騒音検出手段(46)を
    固定し、棒状支持部材(83)のダクト口(35)側に
    残留騒音検出手段(48)を固定し、参照騒音検出手段
    (46)と残留騒音検出手段(48)の間位置に相殺音
    発生手段(47)を配設した請求項1に記載の包囲型エ
    ンジンの騒音低減装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082206A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Yanmar Co Ltd エンジン発電装置の吸気フード
WO2016047070A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 レンジフード
WO2023280178A1 (zh) * 2021-07-08 2023-01-12 李士平 一种带主动降噪结构的发电机组

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