JPH09176562A - 塩素化変性枝鎖オレフィン重合体接着剤組成物 - Google Patents

塩素化変性枝鎖オレフィン重合体接着剤組成物

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JPH09176562A
JPH09176562A JP32915796A JP32915796A JPH09176562A JP H09176562 A JPH09176562 A JP H09176562A JP 32915796 A JP32915796 A JP 32915796A JP 32915796 A JP32915796 A JP 32915796A JP H09176562 A JPH09176562 A JP H09176562A
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純 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素化変性枝鎖オレフィン重合体を含有する
耐熱性に優れた接着剤組成物の提供。 【解決手段】 枝鎖オレフィン重合体にラジカル重合可
能な単量体をグラフト重合し、更に塩素を反応させて前
記単量体単位0.01〜40wt%、塩素含有量10〜
70wt%とした重合体を有効成分とする接着剤組成
物。 【効果】 耐熱性及び耐溶剤性の良好な組成物が得られ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素化変性重合体組
成物に関する。更に詳しくは耐熱性に優れた塩素化変性
枝鎖オレフィン重合体の製造方法と該塩素化変性枝鎖オ
レフィン重合体を含有する接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ポリプロピレンやポリエチ
レン等のオレフィン重合体に無水マレイン酸等をグラフ
ト重合し、更に塩素化して得られた塩素化変性オレフィ
ン重合体は、有用な被膜形成物として同様に利用されて
いる塩素化オレフィン重合体に比較して、下地に対する
接着性、耐溶剤性、他樹脂との相溶性等に優れているこ
とから、クリヤーラッカー、塗料、インキ等の被覆用組
成物の成分や接着剤の成分としての用途に広く利用され
ている。しかし、これらの塩素化変性オレフィン重合体
を主成分とする被覆用組成物または接着剤組成物は耐熱
性に劣り、100℃〜200℃で軟化する問題点があっ
た。
【0003】このような塩素化変性オレフィン重合体を
主成分とする被覆用組成物または接着剤組成物の耐熱性
を改良する試みとして、塩素化変性4−メチルペンテン
−1重合体若しくは共重合体を主成分とする被覆用組成
物または接着剤組成物が提案されている(特開昭59−
59711号公報、特開昭60−179413号公報、
特開平1−138251号公報)。しかしながら、これ
らの提案の被覆用組成物や接着剤組成物の耐熱性は改良
されているものの未だ不十分なものであった。
【0004】本発明者等は、上述した従来技術による接
着剤組成物の耐熱性の改良について鋭意研究した。その
結果、250℃以上の融点を有する枝鎖オレフィン重合
体をグラフト重合変性し、更に塩素化して得られた塩素
化変性枝鎖オレフィン重合体を有効成分として含有する
接着剤組成物を使用した際には著しく耐熱性が向上する
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は、耐熱性
に優れた塩素化変性枝鎖オレフィン重合体の製造方法と
該塩素化変性枝鎖オレフィン重合体を含有する耐熱性に
優れた接着剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
する。 (1)融点が250℃以上の枝鎖オレフィン重合体に、
ラジカル開始剤の存在下でラジカル重合可能な単量体を
グラフト重合し、更に塩素を反応させて得られ、ラジカ
ル重合可能な単量体単位の含有量および塩素含有量がそ
れぞれ0.01重量%〜40重量%、10重量%〜70
重量%である、塩素化変性枝鎖オレフィン重合体を有効
成分とする接着剤組成物。 (2)枝鎖オレフィン重合体が、3−メチルブテン−
1、3−メチルペンテン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1、および4,4−ジメチルヘキセン−1から選択
される1種類以上の枝鎖オレフィン成分単位が55重量
%〜100重量%、および上記枝鎖オレフィン以外の炭
素数2〜20のオレフィン成分単位が0〜45重量%で
ある枝鎖オレフィン重合体および/または枝鎖オレフィ
ン共重合体である前記(1)に記載の接着剤組成物。 (3)ラジカル重合可能な単量体が、不飽和カルボン酸
および/または不飽和カルボン酸無水物である前記
(1)に記載の接着剤組成物。
【0006】本発明の構成について、以下に詳述する。
本発明に係る枝鎖オレフィン重合体は、三塩化チタンを
主成分とする固体成分、若しくは塩化マグネシウム等の
担体に四塩化チタンを担持させた固体成分等のチタン含
有固体触媒成分に代表される周期律表IV〜VI属の遷移金
属化合物触媒成分と、有機アルミニウム化合物に代表さ
れる周期律表I〜III 属の金属の有機化合物を組み合わ
せ、また場合によっては電子供与体を触媒の第三成分と
して組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッター触媒
を用いて、不活性溶媒中で重合を行うスラリー重合、枝
鎖オレフィン自身を溶媒とするバルク重合、若しくは枝
鎖オレフィンガスを主体とする気相中で行う気相重合に
より枝鎖オレフィンを水素の存在下若しくは不存在下に
おいて0℃〜200℃、大気圧(0kg/cm2G )〜50kg
/cm2G 程度の重合条件で、10分間〜20時間重合させ
て得られる結晶性枝鎖オレフィン重合体であり、これら
の中で融点が250℃以上のものが本発明に用いられ
る。
【0007】上記の融点が250℃以上の枝鎖オレフィ
ン重合体の具体例としては、3−メチルブテン−1単独
重合体(融点約306℃)、3−メチルペンテン−1単
独重合体(融点約362℃)、3−エチルペンテン−1
単独重合体(融点約425℃)、4,4−ジメチルペン
テン−1単独重合体(融点約391℃)、4,4−ジメ
チルヘキセン−1単独重合体(融点約350℃)やこれ
らの単独重合体を与える枝鎖オレフィン同士の共重合体
や、更には該枝鎖オレフィンと枝鎖オレフィン以外の炭
素数が2〜20のオレフィンとの共重合体であっても枝
鎖オレフィン成分単位が55重量%以上、炭素数2〜2
0のオレフィン成分単位45重量%以下であって融点が
250℃以上ならば使用可能である。
【0008】該融点が250℃未満であると、本発明の
目的である耐熱性の向上が見られない。枝鎖オレフィン
と共重合可能な炭素数2〜20のオレフィンの具体例と
しては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1等の直鎖オレフィン、4−メチルペ
ンテン−1、4−メチルヘキセン−1、5−メチルヘキ
セン−1、4−エチルヘキセン−1等の枝鎖オレフィ
ン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレ
フィン、更には、ビニルシクロヘキサンやアリルトリメ
チルシラン、スチレン等があげられる。
【0009】なお、本発明に係る製造方法および本発明
の組成物においては、上記した融点が250℃以上の枝
鎖オレフィン重合体若しくは共重合体以外に、本発明の
効果を損なわない限りの量の他のオレフィン重合体、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチルペンテ
ン−1重合体、エチレン−プロピレンラバー、スチレン
−ジエン系ラバー若しくはその水素添加物等のオレフィ
ン系重合体を併用することも可能である。本発明に係る
塩素化変性枝鎖オレフィン重合体の製造方法は、以上に
述べた融点が250℃以上の枝鎖オレフィン重合体に、
ラジカル重合可能な単量体をグラフト重合し、更に塩素
を反応させることを特徴としている。なお、本発明に係
る製造方法においては、上記グラフト重合と塩素化の二
つの反応のどちらを先に行っても良いし、またグラフト
重合と塩素化を同時に行っても良い。更に各反応を2回
以上繰り返して行うことも可能である。以下グラフト重
合を行った後、塩素化を行う態様について説明するが、
本発明は下記態様に限定されるものではない。
【0010】枝鎖オレフィン重合体の変性方法として
は、ラジカル開始剤の存在下で行う種々のグラフト重合
法、例えば枝鎖オレフィン重合体を適当な媒体中に懸濁
させてラジカル重合可能な単量体をグラフト重合させる
スラリーグラフト重合法、枝鎖オレフィン重合体を溶剤
中に溶解させて行う溶液グラフト重合法、枝鎖オレフィ
ン重合体を加熱下に溶融した状態で行う溶融グラフト重
合法や、気相中に枝鎖オレフィン重合体を流動化した状
態で行う気相グラフト重合法等が採用可能である。以上
の方法の他にも電離放射線を照射して気相反応させる放
射線グラフト重合法を用いることも可能である。
【0011】グラフト反応条件としては、反応温度は常
温〜450℃、圧力は大気圧(0kg/cm2G )〜100kg
/cm2G の条件で、枝鎖オレフィン重合体100重量部に
対して、ラジカル開始剤0.005重量部〜10重量
部、およびラジカル重合可能な単量体0.01重量部〜
100重量部程度を使用して、通常1分間〜20時間反
応させる。グラフト重合終了後は、そのまま若しくはア
セトン等により単離し、変性枝鎖オレフィン重合体が得
られる。得られた変性枝鎖オレフィン重合体は引き続い
て塩素化される。
【0012】変性枝鎖オレフィン重合体の塩素化は、ベ
ンゼン、キシレン、トルエンやテトラクロルエタン等の
溶媒の存在下に変性枝鎖オレフィン重合体に溶解した状
態や懸濁した状態で塩素ガスを導入する方法や、溶媒の
不存在下、気相中に変性枝鎖オレフィン重合体を流動化
させた状態で塩素ガスを導入する等の公知の方法によ
り、反応温度は30℃〜300℃、圧力は大気圧(0kg
/cm2G )〜100kg/cm2G の条件で、通常1時間〜20
時間反応させる。塩素化反応の際には、塩素化反応触媒
として通常用いられるラジカル開始剤や、紫外線あるい
は放射線を併用し、反応効率を上げることも可能であ
る。塩素化反応終了後は、そのまま若しくはメタノー
ル、水蒸気等により単離し、本発明に係る塩素化変性枝
鎖オレフィン重合体が得られる。
【0013】かくして、得られた塩素化変性枝鎖オレフ
ィン重合体のラジカル重合可能な単量体単位の含有量
は、0.01重量%〜40重量%、かつ塩素化含有量は
10重量%〜70重量%の範囲内にあることが必要であ
る。得られた塩素化変性枝鎖オレフィン重合体中のラジ
カル重合可能な単量体成分の含有量が0.01重量%未
満では、接着性、耐溶剤性、他樹脂との相溶性の性質の
付与が不十分となり、40重量%を超えると接着性がか
えって低下し、また枝鎖オレフィン重合体が本来所有す
る耐水性も低下する。また、塩素含有量が10重量%未
満では、被覆用組成物や接着剤組成物に使用される溶媒
への溶解性が低下し、70重量%を超えると耐熱性や接
着性が低下する。
【0014】上記した本発明の製造方法に係るグラフト
重合法に用いられるラジカル剤としては、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオ
キサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイ
ド類、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類、2,4,4−トリメチ
ルペンチル−2−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジ
アルキルパーオキサイド類、1,1−ジ−t−ブチルパ
ーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、
2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン等のパ
ーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類など
の有機過酸化物が特に好ましくあげられる。
【0015】また本発明に用いられるラジカル重合可能
な単量体とは、ラジカル重合若しくは共重合が可能な不
飽和結合を分子内に少なくとも1個以上有する化合物で
あり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マイレン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ア
リルコハク酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチルナジ
ック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフ
タル酸等の不飽和カルボン酸、無水マイレン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無
水グルタコン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック
酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒド
ロフタル酸等の不飽和カルボン酸無水物、マイレン酸ジ
エチル、マイレン酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジエチ
ル、フマル酸ジ−n−ブチル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘプチ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸グリシジル、アク
リル酸メチルグリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸メチルグリシジル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等
の不飽和カルボン酸エステルやその誘導体、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチ
レン等の芳香族系単量体、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン、1,5−ヘキサジエン等のジエン
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルア
ミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、更に
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリル
トリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、γ−
メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン等の不飽和有機ケイ素化合物等が
あげられ、なかでも不飽和カルボン酸および/または不
飽和カルボン酸無水物が好ましく用いられる。なお、こ
れらの単量体は1種類だけでなく2種類以上を用いるこ
とも可能である。
【0016】本発明に係る製造方法によって得られた塩
素化変性枝鎖オレフィン重合体は、必要に応じて公知の
塩素化変性枝鎖オレフィン重合体、各種の熱可塑性樹脂
や熱硬化性樹脂、可塑剤、安定剤、顔料、粘度調節剤、
チクソ改良剤、タレ防止剤、各種接着剤等の添加物、更
には溶媒等を配合して被覆用組成物や接着用組成物をは
じめ多くの分野において広く利用することが可能であ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明する。なお、枝鎖オレフィン重合体若しく
は共重合体の融点はデュポン社製の1090型示差走査
熱量分析計を用いて、試料を一度装置内で溶融後、徐冷
し、20℃にて10分間保持してから、20℃/分の昇
温条件下で測定した。なお、複数の融点ピークが測定さ
れた場合には、最高値を融点として採用した。(単位:
℃)
【0018】実施例1 (1)枝鎖オレフィン重合体の製造 チタン含有固体触媒成分の製造 n−ヘキサン6リットル、ジエチルアルミニウムモノクロラ
イド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル1
2.0モルを25℃で1分間で混合し5分間同温度で反応
させて反応生成液(I)(ジイソアミルエーテル/DE
ACのモル比2.4)を得た。窒素置換された反応器に四
塩化チタン40モルを入れ、35℃に加熱し、これに上記
反応生成液(I)の全量を30分間保ち、75℃に昇温
して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上澄液を除
き、n−ヘキサン20リットルを加えてデカンテーションで
上澄液を除く操作を4回繰り返して、固体生成物(II)
1.9kgを得た。この(II)の全量をn−ヘキサン30
リットル中に懸濁させ、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド200gを加え、30℃でプロピレン1.0kgを加え
1時間反応させ、重合処理を施した固体生成物(II−
A)を得た(プロピレン反応量0.6kg)。反応後、上
澄液を除いた後、n−ヘキサン30リットルを加え、デカン
テーションで除く作業を2回繰り返し、上記の重合処理
を施した固体生成物(II−A)2.5kgをn−ヘキサン
6リットル中に懸濁させて、四塩化チタン3.5kgを室温に
て約1分間で加え、80℃にて30分間反応させた後、
更にジイソアミルエーテル1.6kgを加え、80℃で1
時間反応させた。反応終了後、上澄液をデカンテーショ
ンで除いた後、40リットルのn−ヘキサンを加え、10分
間撹拌し、静置して上澄液を除く操作を5回繰り返した
後、減圧で乾燥させ三塩化チタン組成物(III)を得た。
三塩化チタン組成物 (III)1g中のチタン含量は192
mgであった。
【0019】枝鎖オレフィンの重合 窒素置換をした内容積200リットルの撹拌機付きステンレ
ス製重合器にn−ヘキサン100リットル、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド120g、および上記で得た三
塩化チタン組成物 (III)500gを投入後、3−メチル
ブテン−1を3.5kg添加し、撹拌下、40℃にて2時
間重合した。反応時間経過後、メタノール10リットルを投
入し80℃にて1時間処理した。処理後、20重量%の
水酸化ナトリウム水溶液にて中和し、更に40℃にて一
回につき水50リットルを用いて重合体を三回水洗した。引
き続いて重合体を分離、乾燥して結晶性3−メチルブテ
ン−1重合体を3.1kg得た。該重合体の融点は30
6.3℃であった。
【0020】(2)塩素化変性枝鎖オレフィン重合体の
製造 窒素置換した撹拌機付きガラス製反応器に上記(1)で
得た3−メチルブテン−1重合体1kgを投入後、無水マ
イレン酸150gとジクミルパーオキサイド5gを加え
撹拌した。撹拌下で50℃に昇温し、15分間保持し
た。続いて100℃にて1時間反応後、更に150℃に
て2時間反応させた。反応終了後は得られた粉末をアセ
トンで洗浄し、更に乾燥して無水マイレン酸変性3−メ
チルブテン−1重合体を得た。引き続いて、窒素置換を
した撹拌機付きガラス製反応器に10リットルのテトラクロ
ルエチレンおよび前記の方法で得た無水マイレン酸変性
3−メチルブテン−1重合体400gを投入後、圧力2
kg/cm2G 、温度150℃において、光を照射しつつ塩素
ガスを吹き込んで撹拌下に7時間塩素化反応を行った。
反応終了後、反応液を水蒸気蒸留することにより、無水
マイレン酸含有量が1.4重量%および塩素含有量が3
1重量%の塩素化無水マイレン酸変性3−メチルブテン
−1重合体を得た。
【0021】実施例2 (1)実施例1の(1)において、3−メチルブテン−
1以外にブテン−1を更に0.5kg使用すること以外は
同様にして融点が280.2℃、ブテン−1含有量が1
3.0重量%の3−メチルブテン−1−ブテン−1共重
合体を得た。 (2)窒素置換をした撹拌機付きガラス製反応器に上記
(1)で得た3−メチルペンテン−1−ブテン−1共重
合体1kgを投入後、メタクリル酸グリシジル80gとベ
ンゾイルパーオキサイド2gを加え撹拌した。撹拌下で
40℃に昇温後、15分間同温度に保持してから90℃
にて2時間反応させた。反応終了後は得られた粉末をア
セトンで洗浄し、更に乾燥してメタクリル酸グリシジル
変性3−メチルブテン−1−ブテン−1共重合体を得
た。引き続いて、窒素置換をした撹拌機付きガラス製反
応器に10リットルのテトラクロルエチレンおよび前記の方
法で得たメタクリル酸グリシジル変性3−メチルブテン
−1−ブテン−1共重合体400gを投入後、圧力2kg
/cm2G 、温度150℃において、光を照射しつつ塩素ガ
スを吹き込んで撹拌下に6時間塩素化反応を行った。反
応終了後、反応液を水蒸気蒸留することにより、メタク
リル酸グリシジル含有量が5.5重量%および塩素含有
量が25重量%の塩素化メタクリル酸グリシジル変性3
−メチルブテン−1−ブテン−1共重合体を得た。 (3)上記(2)で得たメタクリル酸グリシジル変性3
−メチルブテン−1−ブテン−1共重合体10重量部を
キシレン100重量部に溶解し、プライマーを得た。該
プライマーを3−メチルブテン−1重合体製射出成形片
(縦10cm、横2cm、厚さ0.5cm)2枚のそれぞれの
端部2cm四方に刷毛にて塗布後、一液型ウレタン系接着
剤(サイデン化学社製 商品名サイビノールUF−2
1)を刷毛にて塗布した。続いて塗布部分を重ねて接着
し、得られた接着試験片をエアーオーブン中において8
0℃で30分間乾燥後、更に150℃で2時間放置し
た。引き続いて、更に25℃のレギュラーガソリン中に
8時間浸漬した。浸漬後、常温(20℃)でテンシロン
型引張試験機を用いて、せん断速度20mm/分で試験片
の非接着側の両端を引っ張り、せん断強度を測定したと
ころ、18.5kgf/cm2 であり、良好な耐熱性および
耐ガソリン性を有していた。
【0022】比較例1 実施例2の(1)において3−メチルブテン−1に代え
て4−メチルペンテン−1を用いること以外は同様にし
て4−メチルペンテン−1−ブテン−1共重合体(融点
202.5℃)を得た。該4−メチルペンテン−1−ブ
テン−1共重合体を用いて、以後は実施例2の(2)、
(3)と同様にしてプライマーを得た。該プライマーに
ついて、実施例2の(3)と同様にしてせん断強度を測
定したところ2.2kgf/cm2 であった。
【0023】実施例3 (1)実施例2の(1)において、ブテン−1に代えて
プロピレンを0.2kg使用すること以外は同様にして融
点が287.0℃、プロピレン含有量が6.2重量%の
3−メチルブテン−1−プロピレン共重合体を得た。 (2)実施例2の(2)において、3−メチルブテン−
1−ブテン−1共重合体に代えて上記(1)で得た3−
メチルブテン−1−プロピレン共重合体を用いること、
またメタクリル酸グリシジルに代えて無水マレイン酸を
用いること以外は同様にして無水マレイン酸含有量が
0.6重量%、塩素含有量が27重量%の塩素化無水マ
レイン酸変性3−メチルブテン−1−プロピレン共重合
体を得た。 (3)上記(2)で得た塩素化無水マレイン酸変性3−
メチルブテン−1−プロピレン共重合体7重量部をキシ
レン50重量部に溶解した。該溶液を一液型ウレタン系
接着剤(サイデン化学社製 商品名サイビノールUF−
21)100重量部と混合して接着剤組成物を得た。3
−メチルブテン−1重合体製射出成形片(縦10cm、横
2cm、厚さ0.5cm)2枚それぞれの端部2cm四方に上
記の方法で得られた接着剤組成物を刷毛にて塗布し、塗
布部分を重ねて接着した。得られた接着試験片をエアー
オーブン中において80℃で30分間乾燥後、更に15
0℃で2時間放置した。引き続いて、更に25℃のレギ
ュラーガソリン中に8時間浸漬した。浸漬後、常温(2
0℃)でテンシロン型引張試験機を用いて、せん断速度
20mm/分で試験片の非接着側の両端を引っ張り、せん
断速度を測定したところ、19.5kgf/cm2 であり、
良好な耐熱性および耐ガソリン性を有していた。
【0024】
【発明の効果】既述した実施例からも明らかなように、
本発明に係る方法によって得られた塩素化変性枝鎖オレ
フィン重合体を含有する接着剤組成物は、公知の塩素化
変性オレフィン重合体を含有する組成物に比較して著し
く高い耐熱性を有する。また、融点が250℃以上の枝
鎖オレフィン重合体を使用しても、本発明の方法によら
ず、塩素化若しくはグラフト重合変性のみでは、得られ
た組成物は耐溶剤性や溶媒可溶性に乏しい。従って、本
発明の方法によって得られた塩素化変性枝鎖オレフィン
重合体を含有する接着剤組成物は、従来利用されなかっ
た、高耐熱性および高耐溶剤性を要求される分野におい
ても広く利用することが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が250℃以上の枝鎖オレフィン重
    合体に、ラジカル開始剤の存在下でラジカル重合可能な
    単量体をグラフト重合し、更に塩素を反応させて得ら
    れ、ラジカル重合可能な単量体単位の含有量および塩素
    含有量がそれぞれ0.01重量%〜40重量%、10重
    量%〜70重量%である、塩素化変性枝鎖オレフィン重
    合体を有効成分とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 枝鎖オレフィン重合体が、3−メチルブ
    テン−1、3−メチルペンテン−1、4,4−ジメチル
    ペンテン−1、および4,4−ジメチルヘキセン−1か
    ら選択される1種類以上の枝鎖オレフィン成分単位が5
    5重量%〜100重量%、および上記枝鎖オレフィン以
    外の炭素数2〜20のオレフィン成分単位が0〜45重
    量%である枝鎖オレフィン重合体および/または枝鎖オ
    レフィン共重合体である請求項第1項に記載の接着剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合可能な単量体が、不飽和カ
    ルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物である
    請求項第1項に記載の接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000026310A1 (fr) * 1998-10-30 2000-05-11 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Resine de liaison pour resine polyolefinique, son procede de production et ses utilisations
US6699932B2 (en) * 2001-04-25 2004-03-02 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Binder resin composition for high-solid primer

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