JPH09175465A - 自動二輪車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フートレストをクランクケース下部に固定す
る構成と採りながら、乗り越えた路上の突起物がフート
レスト固定座に引っかかり難いようにする。 【解決手段】 クランクケース１０の下側にクランクケ
ース下面の前端から略水平に車体後側へ延びるアンダー
ガード１７を配設する。アンダーガード１７の後部をク
ランクケース１０にフートレスト固定ボルト２１によっ
て固定する。アンダーガード１７とフートレスト１６の
取付板２０とによってクランクケース１０の下面の略全
域を覆った。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのクラン
クケース下部にフートレストをボルト止めする自動二輪
車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、運転者の足を載せるフートレスト
をエンジンの下面に固定する自動二輪車では、フートレ
ストの棒状部をクランクケースの下方で車体の左右方向
に延びるように形成し、この左右方向の延在部に溶接し
た取付板をクランクケース下面に下方からボルト止めし
ている。前記取付板をクランクケース下面に取付けるに
当たっては、クランクケース下面の後部に下方へ突出す
るフートレスト固定座を一体に形成し、このフートレス
ト固定座に前記取付板を下方から重ねた状態で固定ボル
トをこの取付板に下方から挿通させて前記フートレスト
固定座に螺着させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したようなフート
レスト取付構造を採用した自動二輪車は、エンジンのク
ランクケース下面からフートレスト固定座が下方へ突出
しているので、路上の突起物を乗り越えたときにこの突
起物がフートレスト固定座に引っかかるようにして衝突
し易いという問題があった。衝突時の衝撃は、フートレ
スト固定座の近傍の相対的に肉厚が薄いクランクケース
底壁部分にも伝達されるので、衝撃が大きいと前記底壁
部分が破損されかねない。

【０００４】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、フートレストをクランクケース下部
に固定する構成を採るに当たり、乗り越えた路上の突起
物がクランクケース下面の下方延在部であるフートレス
ト固定座に引っかかり難いようにすることを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
は、クランクケースの下側にクランクケース下面の前端
から略水平に車体後側へ延びるアンダーガードを配設し
てこのアンダーガードの後部をクランクケースにフート
レスト固定用固定ボルトによって固定し、前記アンダー
ガードとフートレストの取付板とによってクランクケー
スの下面の略全域を覆ったため、クランクケースの下側
に無用な凹凸がなくなる。このため、エンジン下部に当
たるような大きな突起物をこの自動二輪車が乗り越える
と、アンダーガードおよびフートレストの取付板が前記
突起物上を滑るようになる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動二輪車の
実施の形態の一例を図１ないし図４によって詳細に説明
する。図１は本発明に係る自動二輪車の側面図、図２は
本発明に係るアンダーガードを取付けた状態のエンジン
の側面図、図３はアンダーガードおよびフートレストを
取付けた状態のエンジンの底面図である。図４はアンダ
ーガードを示す図で、同図（ａ）は側面図、同図（ｂ）
は底面図、同図（ｃ）は正面図、同図（ｄ）は（ｂ）図
におけるＤ−Ｄ線断面図である。

【０００７】これらの図において、符号１はこの実施の
形態による自動二輪車を示し、この自動二輪車１は、操
向ハンドル２とシート３との間に足通し空間Ｓが形成さ
れるように構成している。４はこの自動二輪車１の前
輪、５は同じく後輪を示す。前記前輪４は、フロントフ
ォーク６を介して車体フレーム７のヘッドパイプ７ａに
操舵自在に懸架させ、前記後輪５は、車体フレーム７に
上下方向に揺動自在なリヤアーム８を介して懸架させて
いる。

【０００８】そして、この自動二輪車１は、前記前輪４
と後輪５の間となる部位にエンジン９を搭載している。
このエンジン９は、空冷４サイクル単気筒型のもので、
図２に示すように、クランクケース１０と、このクラン
クケース１０の車体前側となる端部に車体の略前方へ突
出するように取付けたシリンダ１１とから構成してい
る。１２は前記クランクケース１０に回転自在に支持さ
せたクランク軸、１３はコンロッド、１４はピストンを
示す。前記クランクケース１３の下部には、スタータモ
ータ１５、フートレスト１６およびアンダーガード１７
などが取付けてある。

【０００９】前記スタータモータ１５は、クランクケー
ス１０の下端部における車体前側の端部に取付け、前記
フートレスト１６は、クランクケース１０の下端部にお
ける車体後側の端部に取付けている。このフートレスト
１６は、図３に示すように、両端に足載せ用ゴム１８を
取付けた管材からなる棒状部１９と、この棒状部１９を
クランクケース１０に固定するための取付板２０とから
構成している。棒状部１９は、エンジン９の下方で車体
の左右方向に延びて両端がエンジン９の側方に突出する
ように形成し、クランクケース１０の真下となる部位に
取付板２０を下方からあてがった状態で溶接している。

【００１０】前記取付板２０は、板材を加圧成形するこ
とによって前記棒状部１９が嵌合できる形状に形成し、
図３に示す取付状態において棒状部１９より車体の前後
両側に延在する構造になっている。そして、この前後方
向へ延在する部分の一部を他より延在寸法が長くなるよ
うなフランジ状に形成し、このフランジ部２０ａをフー
トレスト固定ボルト２１によってクランクケース１０の
フートレスト固定座２２，２３（図２参照）にねじ止め
している。

【００１１】このフートレスト固定座２２，２３は、ク
ランクケース１０の後部下面に他の部位（クランクケー
ス１０の底壁部分）から下方へ突出するように一体に形
成している。フートレスト固定座２２は前記棒状部１９
より車体前側の左右２箇所に配設し、フートレスト固定
座２３は棒状部１９より車体後側の左右２箇所に配設し
ている。このため、前記フランジ部２０ａはフートレス
ト固定材２２，２３の形成位置に対応するように計４箇
所に形成し、前記フートレスト固定ボルト２１も計４本
使用している。

【００１２】前記アンダーガード１７は、図３に示すよ
うに、前記スタータモータ１５とともにクランクケース
１０の下面を下方から覆う構造になっており、前端部と
後端部をクランクケース１０の下端部に固定している。
このアンダーガード１７の詳細な構造を図４によって説
明する。

【００１３】アンダーガード１７は、金属製板材を加圧
成形することによって、略平板状の主板部１７ａと、こ
の主板部１７ａの車体前側の端部から上方へ起立する起
立部１７ｂと、主板部１７ａの車体左側の端部から上方
へ起立する側板部１７ｃとを一体に形成し、前記主板部
１７ａおよび起立部１７ｂの略全域に丸穴２４を多数穿
設している。また、このアンダーガード１７は、前記主
板部１７ａの車体後側の端部における左右両側に透孔２
５を穿設するとともに、前記起立部１７ｂの車体右側と
車体左側の端部に取付ブラケット２６，２７を突設して
いる。

【００１４】このように形成したアンダーガード１７
は、主板部１７ａの後端部を前記フートレスト１６とと
もにクランクケース１０の後側下端部に固定し、起立部
１７ｂの取付ブラケット２６，２７をアンダーガード固
定ボルト２８（図２参照）によってクランクケース１０
の下端部前面に固定する。この実施の形態では、アンダ
ーガード１７の前記主板部１７ａの後端部をクランクケ
ース１０に固定するに当たっては下記のようにして行
う。

【００１５】すなわち、図２に示すように、先ず、フー
トレスト１６の前記取付板２０をクランクケース固定座
２２，２３に下方からあてがい、この取付板２０におけ
る棒状体１９より車体前側に位置づけられた２箇所のフ
ランジ部２０ａに、主板部１７ａの後端部を下方から重
ねる。そして、フートレスト固定ボルト２１を主板部１
７ａの透孔２５に下方から挿通させて主板部１７ａおよ
びフランジ部２０ａに貫通させ、フートレスト固定座２
２に螺着させる。

【００１６】このようにアンダーガード１７をクランク
ケース１０に取付けることにより、アンダーガード１７
はクランクケース１０の下面の前端から略水平に車体後
側へ延びてフートレスト１６の取付板２０に連なるよう
になる。

【００１７】また、この実施の形態では、スタータモー
タ１５のリード線１５ａを前記アンダーカバー１７の主
板部１７ａとクランクケース下面との間に通して車体後
側へ導出させている。なお、このリード線１５ａは、図
３に示すように、アンダーカバー１７の側板部１７ｃに
略沿うように配線している。

【００１８】このようにフートレスト１６とアンダーカ
バー１７を取付けたエンジン９は、フートレスト１６の
取付板２０とアンダーカバー１７とによってクランクケ
ース１０の下面の略全域が覆われる。したがって、クラ
ンクケース１９の下側に無用な凹凸がなくなるから、こ
のエンジン９を搭載した自動二輪車１が、エンジン下部
に当たるような大きな突起物を乗り越えると前記アンダ
ーカバー１７および前記取付板２０が前記突起物上を滑
るようになる。

【００１９】また、この実施の形態ではアンダーカバー
１７に丸穴２４を多数穿設しているので、これによって
軽量化が図られるばかりか、主板部１７ａおよび起立部
１７ｂの剛性が小さくなって突起物が当たったときにこ
こが容易に変形する。すなわち、突起物がアンダーカバ
ー１７に当たったときにフートレスト固定座２２に伝達
される衝撃力が緩和される。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自動二
輪車は、クランクケースの下側にクランクケース下面の
前端から略水平に車体後側へ延びるアンダーガードを配
設してこのアンダーガードの後部をクランクケースにフ
ートレスト固定用固定ボルトによって固定し、前記アン
ダーガードとフートレストの取付板とによってクランク
ケースの下面の略全域を覆ったため、クランクケースの
下側に無用な凹凸がなくなる。このため、エンジン下部
に当たるような大きな突起物をこの自動二輪車が乗り越
えると、アンダーガードおよびフートレストの取付板が
前記突起物上を滑るようになる。

【００２１】したがって、フートレスト取付座をクラン
クケース下面から下方へ突出させる構成を採っても前記
突起物がこれに引っかかることがないので、突起物が衝
突したときにフートレスト固定座の近傍の相対的に肉厚
が薄いクランクケース底壁部分に伝達される衝撃力を小
さく抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る自動二輪車の側面図である。

【図２】 本発明に係るアンダーガードを取付けた状態
のエンジンの側面図である。

【図３】 アンダーガードおよびフートレストを取付け
た状態のエンジンの底面図である。

【図４】 アンダーガードを示す図である。

【符号の説明】 １０…クランクケース、１６…フートレスト、１７…ア
ンダーカバー、２０…取付板、２１…フートレスト固定
ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのクランクケースの後端部下面
   に、フートレストと一体的に構成した取付板をボルト止
   めすることによってフートレストを固定した自動二輪車
   において、前記クランクケースの下側にクランクケース
   の下面の前端から略水平に車体後側へ延びるアンダーガ
   ードを配設してこのアンダーガードの後部をフートレス
   ト固定用ボルトによってクランクケースに固定し、前記
   アンダーガードとフートレストの前記取付板とによって
   クランクケースの下面の略全域を覆ったことを特徴とす
   る自動二輪車。