JPH09175350A - 路面状態改変装置 - Google Patents

路面状態改変装置

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JPH09175350A
JPH09175350A JP7337457A JP33745795A JPH09175350A JP H09175350 A JPH09175350 A JP H09175350A JP 7337457 A JP7337457 A JP 7337457A JP 33745795 A JP33745795 A JP 33745795A JP H09175350 A JPH09175350 A JP H09175350A
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vehicle
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wheel
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Riyouichi Kurasako
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D25/00Superstructure or monocoque structure sub-units; Parts or details thereof not otherwise provided for
    • B62D25/08Front or rear portions
    • B62D25/16Mud-guards or wings; Wheel cover panels
    • B62D25/18Parts or details thereof, e.g. mudguard flaps
    • B62D25/182Movable mudguards, or mudguards comprising movable or detachable parts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60BVEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
    • B60B39/00Increasing wheel adhesion

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は凍結路等摩擦係数の小さな路面の状
態を改変する装置として好適な路面状態改変装置に関
し、低摩擦係数路の摩擦係数を上昇させる機能を備える
メンテナンス不要の路面状態改変装置を実現することを
目的とする。 【解決手段】 車輪10の前方に複数の突状体14を備
える筒体12を配設する。支持アーム16により、筒体
12の回転中心軸線Crが車輪10の回転中心軸線Cw
に対して所定角θだけ傾斜するように、筒体12を回転
可能に支持する。支持アーム16をブッシュ18を介し
て油圧アクチュエータ20に連結すると共に、ブッシュ
22を介して車体側部材に連結する。車両が凍結路を走
行中であり、かつ、車両が制動状態または加速状態であ
る場合に、筒体12が所定の接触圧で路面と接触するよ
うに油圧アクチュエータ20を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面状態改変装置
に係り、特に、凍結路等摩擦係数の小さな路面の状態を
改変する装置として好適な路面状態改変装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平4−38204
号に開示される如く、車両の制動時および発進時に、車
輪の前方に砂等の滑り防止材を散布する装置が知られて
いる。凍結路などの低摩擦係数路では、制動時および発
進時において車輪がスリップし易い。車両がかかる低摩
擦係数路を走行している場合に上記従来の装置により滑
り防止材が散布されると、車輪が接地する部分の摩擦係
数を上昇させることができる。従って、上記従来の装置
を搭載する車両においては、路面の摩擦係数が小さい場
合においても、比較的大きな制動力および駆動力を得る
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、砂等の滑り防止材を消費材として用いる構成であ
る。従って、かかる装置の機能を常に発揮させるために
は、滑り防止材の消費状態を把握し、適度なメンテナン
スを行うことが必要となる。この点、上記従来の装置
は、安価に実現することが困難であるとと共に、点検項
目の増加等、実用上種々の問題を伴うものであった。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、低摩擦係数路の摩擦係数を上昇させる機能を備
え、かつ、メンテナンスの必要のない路面状態改変装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、車輪の前方に回転可能に支持される筒
体を路面に押圧することにより路面状態を改変する路面
状態改変装置であって、前記筒体を、該筒体の回転中心
軸線が前記車輪の回転中心軸線と非平行となるように、
前記車輪の前方で支持する支持手段と、前記支持手段を
駆動して、前記筒体が路面に接触する状態と、前記筒体
が路面から離間する状態とを実現する状態切替え手段
と、を備える路面状態改変装置により達成される。
【0006】本発明において、前記筒体は、支持手段に
よって、車両前方に回転可能に支持される。状態切替え
手段により筒体が路面に接触された状態で車両が走行す
ると、筒体は、その回転中心軸を中心として路面と接触
したまま回転する。筒体の回転中心軸と車輪の回転中止
軸とは非平行であるため、筒体の接線方向と車輪の進行
方向とは一致しない。筒体の接線方向が車輪の進行方向
に一致する場合は、筒体と路面との間に作用する摩擦が
接触摩擦に限定される。一方、本発明の如く、筒体の接
線方向と車輪の進行方向とが一致しない場合は、筒体と
路面との間に、接触摩擦に加えて滑り摩擦が作用する。
このため、筒体を路面に接触させたまま車両を走行させ
ると、筒体の表面が路面の表面を、車輪の進行方向に対
して斜めに摺動する事態が生ずる。
【0007】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の路面状態改変装置において、前記支
持手段が、前記筒体の揺動を許容する揺動許容手段を備
える路面状態改変装置によっても達成される。
【0008】本発明において、前記揺動許容手段は筒体
の揺動を許容する。路面が傾斜している場合に、筒体を
適切に路面に接触させるためには、筒体が車体に対して
傾斜することを許容する必要がある。本発明の如く筒体
の揺動が許容されると、かかる条件が満たされて、傾斜
した路面に対して筒体を適切に接触させることが可能と
なる。
【0009】上記の目的は、また、請求項3に記載する
如く、上記請求項1及び2記載の路面状態改変装置にお
いて、路面状態を検出する路面状態検出手段と、制動状
態または駆動状態を検出する車両状態検出手段と、路面
状態が所定の低摩擦係数状態であって車両が制動状態ま
たは駆動状態である場合に、前記筒体が路面に接触する
ように、前記状態切替え手段を制御する状態制御手段
と、を備える路面状態改変装置によっても達成される。
【0010】本発明において、前記状態制御手段は、車
両が低摩擦係数路を走行しており、かつ車両が制動状態
または駆動状態である場合に筒体を路面に接触させる。
従って、筒体は、低摩擦係数路の摩擦係数を上昇させる
必要がある場合に、確実に路面と接触する。
【0011】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
上記請求項1乃至3記載の路面状態改変装置において、
前記筒体が、その表面に突状体を備える路面状態改変装
置によっても達成される。
【0012】本発明において、前記筒体は、その表面に
突状体を備えている。突状体は、筒体が路面と接触した
状態で車両が走行する場合に、路面の表面を、車輪の進
行方向に対して斜めの方向に摺動する。路面の表面を、
かかる突状体が斜めに摺動すると、路面の状態は、車輪
の進行方向に対して斜めの方向性をもって、大きく改変
される。
【0013】また、上記の目的は、請求項5に記載する
如く、上記請求項1乃至3記載の路面状態改変装置にお
いて、前記筒体が、その表面に吸湿材を備える路面状態
改変装置によっても達成される。
【0014】本発明において、前記筒体は、その表面に
吸湿材を備えている。吸湿材は、筒体が路面と接触した
状態で車両が走行する場合に、路面表面の、車輪が通過
する部分の水分を除去する。このように路面表面の水分
が除去されると、雨天時における路面の摩擦係数が上昇
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図3を参照して、
本発明の第1実施例である路面状態改変装置のシステム
構成について説明する。図1は、本実施例の路面状態改
変装置と車輪10とを平面視で表したシステム構成図を
示す。また、図2は、本実施例の路面状態改変装置の要
部と車輪10とを、図1に示すII矢視で表した図を示
す。
【0016】本実施例の路面状態改変装置は、車輪10
の車両前方側(図1における左側)に配置される筒体1
2を備えている。尚、車輪10はFF車両の左前輪、す
なわち駆動輪である。筒体12の表面には、複数の突状
体14が配列されている。筒体12は、支持アーム16
により回転可能に支持されている。支持アーム16は、
筒体12に挿通される挿通部16aと、車体側に連結さ
れる連結部16bとを備えている。
【0017】連結部16bには、ブッシュ18を介して
油圧アクチュエータ20が連結されている。図3は、ブ
ッシュ18を図1に示すIII 矢視で表した側面図を示
す。図3に示す如く、ブッシュ18は、内筒18a、弾
性体18bおよび外筒18cを備えている。内筒18a
および外筒18cは、共に金属で構成された部材であり
高い剛性を有している。一方、弾性体18bは、ゴム等
の弾性材料により構成された部材であり所定の弾性を有
している。ブッシュ18の外筒18cには、支持アーム
16の連結部16bが一体に溶接されている。そして、
ブッシュ18の内筒18aおよび弾性体18bは、支持
アーム16を貫通するように設けられている。
【0018】図3中に二点鎖線で示す如く、油圧アクチ
ュエータ20は、その下端部に、ブッシュ18の内筒1
8aと連結される内筒保持部20aを備えている。内筒
保持部20aは、ブッシュ18の内筒18aを回転可能
に保持している。従って、油圧アクチュエータ20と支
持アーム16とは、ブッシュ18の内筒18aを回転軸
として互いに回動することができる。
【0019】図2に示す如く、支持アーム16の連結部
16bの端部、および油圧アクチュエータ20の端部に
は、それぞれブッシュ22または24が固定されてい
る。ブッシュ22および24は、共に上述したブッシュ
18と同様の構成を有している。これらのブッシュ2
2,24は、それぞれ車体側部材の所定部位に設けられ
た内筒保持部(図示せず)により回転可能に保持され
る。従って、支持アーム16および油圧アクチュエータ
20は、それぞれブッシュ22の内筒またはブッシュ2
4の内筒を回転軸として、車体側部材に対して回動する
ことができる。
【0020】また、上記の如く支持アーム16がブッシ
ュ18および22を介して油圧アクチュエータ20およ
び車体に連結される構成によれば、支持アーム16の挿
通部16a、すなわち筒体12は、支持アーム16の連
結部16bを中心軸として、ブッシュ18,22の弾性
変形により許容される範囲内で揺動することができる。
【0021】油圧アクチュエータ20には、図1に示す
如く、切替えバルブ26が接続されている。切替えバル
ブ26には、アキュムレータ28およびポンプ30から
なる高圧源、およびリザーバタンク32からなる低圧源
が接続されている。切替えバルブ26は、外部から供給
される指令信号に応じて、油圧アクチュエータ26に高
圧源を連通させる増圧状態と、油圧アクチュエータ26
に低圧源を連通させる減圧状態とを実現する。
【0022】油圧アクチュエータ20が高圧源に連通さ
れると、アキュムレータ28内に蓄えられている高圧の
液圧が油圧アクチュエータ20に供給される。かかる高
圧の液圧が供給されると、油圧アクチュエータ20はそ
の全長を伸長させる。その結果、支持アーム16には、
ブッシュ18を介して、路面方向へ向かう押圧力が伝達
される。上記の押圧力が支持アーム16に入力される
と、支持アーム16が、ブッシュ22の内筒を回転軸と
して図2における時計回り方向に回転し、筒体12を路
面に当接させる。以後、筒体12は、油圧アクチュエー
タ20が発する伸長力に応じた力で路面に押圧される。
このように、本実施例のシステムにおいては、切替えバ
ルブ26を増圧状態とすることで、筒体12を所定の押
圧力で路面側に押圧することができる。
【0023】ところで、本実施例において、支持アーム
16は、図2に示す如く筒体12が路面と接触した場合
に、筒体12の回転中心軸線Crが路面に対して水平と
なり、かつ、筒体12の回転中心軸線Crが車輪10の
回転中心軸線Cwに対して所定角θだけ傾くように設計
されている。従って、上記の如く筒体12が路面側へ押
圧されると、筒体12は、その全面においてほぼ均等に
路面に接触する。また、上述の如く、筒体12には、支
持アーム16の連結部16bを中心軸とした揺動が許容
されている。従って、筒体12は、路面が傾斜している
場合においても、適切にその全面においてほぼ均等に、
路面に接触することができる。
【0024】切替えバルブ26により油圧アクチュエー
タ20が低圧源に連通されると、油圧アクチュエータ2
0内の液圧がリザーバタンク32に開放される。油圧ア
クチュエータ20の液圧がリザーバタンク32に開放さ
れると、油圧アクチュエータ20はその全長を縮小させ
る。油圧アクチュエータ20の全長が縮小されると、支
持アーム16が、ブッシュ22を回転中心として図2に
おける反時計回り方向に回転する。その結果、筒体12
が路面から離間される。このように、本実施例のシステ
ムにおいては、切替えバルブ26を減圧状態とすること
で、筒体12を路面から離間させることができる。
【0025】図1に示す如く、本実施例の路面状態改変
装置は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)34
を備えている。ECU34は、上述した切替えバルブ2
6およびポンプ30を制御する。ECU34には、外気
温センサ36および加速度センサ38が接続されてい
る。ECU34は、外気温センサ36の出力に基づいて
外気温THAを検出し、加速度センサ38の出力に基づ
いて車両に作用する前後方向の加速度Gの大きさを検出
する。尚、加速度センサ38は、車両前方を正方向とし
て、車両が加速する場合に正の出力を発生し、車両が減
速する場合に負の出力を発生する。
【0026】ECU34には、また、車高センサ40お
よび車輪速センサ42が接続されている。車高センサ4
0は、車体と車輪との相対変位量に応じた信号を出力す
る。ECU40は、車高センサ40から出力される信号
に基づいて車高Hを演算する。また、車輪速センサ42
は、車輪10の回転速度に応じた周期でパルス信号を発
生する。ECU34は、パルス信号の周期に基づいて、
車輪10の回転速度Vwを演算する。
【0027】更に、ECU34には、ブレーキスイッチ
44およびアクセルセンサ46が接続されている。ブレ
ーキスイッチ44は、ブレーキペダル48が踏み込まれ
ている場合にオン出力を発生する。ECU34は、ブレ
ーキスイッチ44の状態に基づいて、車両が制動状態で
あるか否かを判断する。アクセルセンサ46は、アクセ
ルペダル50の踏み込み量に応じた信号を出力する。E
CU34は、アクセルセンサ46が発する出力信号に基
づいて、車両が加速状態であるか否かを判断する。
【0028】以下、図4および図5を参照して、本実施
例の路面状態改変装置の作動を説明する。図4は、本実
施例の路面状態改変装置により表面状態が改変された凍
結路の状態を平面視で表した図を示す。上述の如く、筒
体12の回転中心軸線Crは、車輪10の回転中心軸線
Cwに対して所定角度θだけ傾いている。このように筒
体12の回転中心軸Crが車輪10の回転中心軸Cwに
対して傾いていると、筒体12が回転して、突状体14
が筒体12の前面側(図4において左側)から筒体12
の後面側(図4において右側)に移動する際に、突状体
14には、車幅方向にD・ sinθ(D:筒体12の直
径)の変位が生ずる。
【0029】このため、本実施例のシステムにおいて、
筒体12が路面上に押圧された状態で車両が走行する
と、筒体12が備える各突状体14は、路面上を、車輪
10の進行方向に摺動すると共に、車輪10の幅方向に
も摺動する。この結果、路面上には、図4に示す如く、
車輪10の進行方向に対して斜めの方向成分を含む多数
の溝が刻まれる。
【0030】車両が凍結路を走行している場合に、路面
上に車輪10の幅方向に延びる溝を刻めば、車輪10が
発揮する前後方向のグリップ力を高めることができる。
また、同様の状況下で、路面上に車輪10の進行方向に
延びる溝を刻めば、車輪10が発揮する車幅方向のグリ
ップ力を高めることができる。従って、図4に示す如
く、路面上に、車輪10の進行方向に対して斜めの方向
成分を含む多数の溝が刻まれれば、車輪10は、前後方
向および車幅方向の双方に、高いグリップ力を発揮する
ことができる。このように、本実施例の路面状態改変装
置によれば、凍結路の表面状態を、車輪10のグリップ
力を総合的に高めるうえで有利な状態に改変することが
できる。
【0031】図5は、車両の走行している道路が凍結路
であり、かつ、車両が減速状態または加速状態にある場
合にのみ筒体12を道路に接触させるべくECU34が
実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
尚、図5に示すルーチンは、所定時間毎に起動される定
時割り込みルーチンである。
【0032】図5に示すルーチンが起動されると、先ず
ステップ100において、外気温THAが0℃より低い
か否かが判別される。THA<0℃が不成立である場合
は、路面が凍結している可能性がないと判断され、以
後、何ら処理を進めることなく今回のルーチンが終了さ
れる。一方、THA<0℃が成立する場合は、路面が凍
結している可能性があると判断され、次にステップ10
2の処理が実行される。尚、本実施例においては、路面
凍結の可能性を判断するしきい値として“0℃”を用い
ているが、上記のしきい値は、必ずしも0℃に限定され
るものではなく、外気温センサ36の配設位置等に応じ
て車両毎に設定することが適切である。
【0033】ステップ102では、ブレーキスイッチ4
4の状態に基づいて、車両が制動中であるか否かが判別
される。その結果、車両が制動中であると判別された場
合は、ステップ104において、更に、車両に発生して
いる減速度|G|が、車輪10に生じている減速度| d
Vw/dt |に比して過少でないか否かが判別される。
【0034】走行路の摩擦係数が高く、制動中において
車輪10が適正なグリップ状態を維持できる場合には、
車両の減速度|G|と車輪10の減速度| dVw/dt |
とに大きな偏差が生ずることはない。この場合、上記ス
テップ104の条件は不成立であると判別される。かか
る判別がなされた場合は、路面状態を改変する必要がな
いと判断され、以後、何ら処理が進められることなく今
回のルーチンが終了される。
【0035】一方、走行路の摩擦係数が小さく、制動中
において車輪10が適正なグリップ状態を維持できない
場合には、車輪10に大きな減速度が発生し、かつ、車
両に僅かな減速度しか発生しない事態が生ずる。この場
合、上記ステップ104の条件が成立すると判別され
る。かかる判別がなされた場合は、走行路が凍結路であ
り、路面改変の必要があると判断され、以後、ステップ
106において、筒体12が駆動された後、今回のルー
チンが終了される。
【0036】本実施例のシステムは、上述の如く車高セ
ンサ40を備えている。ECU34は、車高センサ40
の検出信号に基づいて車高を演算し、その演算値に基づ
いて更に、筒体12を適切な押圧力で路面表面に接触さ
せるために油圧アクチュエータ20に付与すべき伸長量
を演算する。上記ステップ106では、具体的には、か
かる伸長量が実現されるように切替えバルブ26の状態
が制御される。
【0037】尚、本実施例のシステムにおいては、油圧
アクチュエータ20の伸長量を、すなわち切替えバルブ
26の状態を、車高センサ40の出力信号に基づいて制
御することとしているが、車高センサ40に代えて、油
圧アクチュエータ20の押圧力を検出する押圧力センサ
を設け、その出力信号に基づいて切替えバルブ26の状
態を制御することとしてもよい。
【0038】車両の減速中に、上記ステップ106の処
理が実行されると、以後、車輪10の前方側の路面上に
図4に示す多数の溝が刻まれて、車輪10が高いグリッ
プ力を発揮し得る状態となる。このため、本実施例の路
面状態改変装置によれば、凍結路走行中の車両に対し
て、高い制動能力を付与することができる。
【0039】次に、上記ステップ102において車両が
制動中でないと判別された場合について説明する。かか
る判別がなされた場合は、次にステップ108におい
て、アクセルセンサ46の状態に基づいて、車両が加速
中であるか否かが判別される。その結果、車両が加速中
であると判別された場合は、ステップ110において、
更に、車両に発生している加速度|G|が、車輪10に
生じている加速度| dVw/dt |に比して過少でないか
否かが判別される。
【0040】走行路の摩擦係数が高く、加速中において
車輪10が適正なグリップ状態を維持できる場合には、
車両の加速度|G|と車輪10の加速度| dVw/dt |
とに大きな偏差が生ずることはない。この場合、上記ス
テップ110の条件は不成立であると判別される。かか
る判別がなされた場合は、路面状態を改変する必要がな
いと判断され、以後、何ら処理が進められることなく今
回のルーチンが終了される。
【0041】一方、走行路の摩擦係数が小さく、加速中
において車輪10に空転が生じる場合には、車輪10に
大きな加速度が発生し、かつ、車両に僅かな加速度しか
発生しない事態が生ずる。この場合、上記ステップ11
0の条件が成立すると判別される。かかる判別がなされ
た場合は、走行路が凍結路であり、路面改変の必要があ
ると判断され、以後、ステップ106において筒体12
が駆動された後、今回のルーチンが終了される。
【0042】車両の加速中に、上記ステップ106の処
理が実行されると、以後、車輪10の前方側の路面上に
図4に示す多数の溝が刻まれて、車輪10が高いグリッ
プ力を発揮し得る状態となる。このため、本実施例の路
面状態改変装置によれば、凍結路走行中の車両に対し
て、高い加速能力を付与することができる。
【0043】また、上記ステップ108において車両が
加速中でないと判別された場合は、車両が定常走行中で
あると判断することができる。この場合は、筒体12が
不必要に路面に押圧されるのを避けるため、ステップ1
06の処理がジャンプされ、直接今回のルーチンが終了
される。このため、本実施例の路面状態改変装置によれ
ば、走行路が凍結路であり、かつ、車両が制動中または
加速中である場合にのみ、筒体12を路面に押圧させて
路面の摩擦係数の向上を図ることができる。
【0044】ところで、上記の実施例においては、EC
U34を独立に設けることとしているが、ECU34の
機能は、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)
用の電子制御ユニット(ABS用ECU)に内蔵させる
ことが可能である。ECU34をABS用ECUに内蔵
させることとすれば、本実施例の路面状態改変装置を安
価に実現することが可能となる。
【0045】尚、上記の実施例においては、支持アーム
16前記請求項1記載の支持手段に、油圧アクチュエー
タ20が前記請求項1記載の状態切替え手段に、ブッシ
ュ18が前記請求項2記載の揺動許容手段に、それぞれ
相当している。また、上記の実施例においては、ECU
34が上記ステップ104または110の処理を実行す
ることにより前記請求項3記載の路面状態検出手段が、
上記ステップ102および108の処理を実行すること
により前記請求項3記載の車両状態検出手段が、上記ス
テップ106の処理を実行することにより前記請求項3
記載の状態制御手段が、それぞれ実現されている。
【0046】以下、図6および図7を参照して、本発明
の第2実施例である路面状態改変装置のシステム構成に
ついて説明する。尚、図6および図7において、上記図
1および図2に示す構成部分と同一の部分については、
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】図6に示す如く、本実施例の路面状態改変
装置は、筒体12を両側から支持する支持アーム52を
備えている。支持アーム52は、筒体12に挿通される
挿通部52a、挿通部52aの端部をそれぞれ支持すべ
く対称形状に成形されたアーム部52bおよび52c、
およびアーム部52b,52cを油圧アクチュエータ2
0および車体に連結する連結部52dを備えている。
【0048】更に、支持アーム52は、図7に示す如く
筒体12が路面と接触した場合に、筒体12の回転中心
軸線Crが車体に対して水平となり、かつ、筒体12の
回転中心軸線Crが車輪10の回転中心軸線Cwに対し
て所定角θだけ傾くように設計されている。
【0049】また、支持アーム52の構造によれば、油
圧アクチュエータ20から支持アーム52に伝達される
押圧力は、左右のアーム部52b,52cを介して筒体
12の両端にほぼ均等に伝達される。従って、本実施例
の路面状態改変装置によれば、上述した第1実施例の装
置に比して、より一層均一に、筒体12全体を路面に接
触させることができる。このため、本実施例の装置によ
れば、凍結路の、車輪10が通過する領域の状態を、上
記第1実施例の装置に比して更に均一に改変させること
ができる。
【0050】図8は、本実施例の路面状態改変装置の要
部である筒体12が、車幅方向に傾斜を有する路面に接
触している状態を、図6に示すVIII矢視で表した図を示
す。本実施例の装置において筒体12を支持する支持ア
ーム52は、上記第1実施例の場合と同様に、ブッシュ
18を介して油圧アクチュエータ20に、ブッシュ22
を介して車体側部材にそれぞれ連結されている。このた
め、筒体12は、支持アーム52の連結部52dを中心
軸として、ブッシュ18,22の弾性変形により許容さ
れる範囲内で揺動することができる。従って、本実施例
の路面状態改変装置によれば、図8に示す如く、路面が
傾斜している場合においても適切に筒体12の全面をほ
ぼ均等に、路面に接触させることができる。
【0051】図9は、本実施例の路面状態改変装置の要
部である筒体12が、わだちの形成された路面に接触し
ている状態を、図6に示すIX矢視で表した図を示す。本
実施例の装置において筒体12は、タイヤとほぼ同様の
弾性を有している。従って、図9に示す如く、路面上に
わだちが形成されている場合には、筒体12がわだちに
倣って変形することができる。このため、本実施例の路
面状態改変装置によれば、凍結路上にわだちが形成され
ている場合においても、車輪10が高いグリップ力を発
揮できるように、適切に路面状態を改変することができ
る。
【0052】以下、図10を参照して、本発明の第3実
施例である路面状態改変装置のシステム構成について説
明する。尚、図10において、上記図1および図2に示
す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付し
てその説明を省略する。図10に示す如く、本実施例の
路面状態改変装置は、筒体12を両側から支持する支持
アーム機構60を備えている。支持アーム機構60は、
筒体12に挿通される挿通部62を備えている。挿通部
62は、筒体12の回転中心軸を構成する傾斜軸62a
と、傾斜軸62aの両端に形成される平行部62b,6
2cを備えている。傾斜軸62aは、平行部62b,6
2cが水平に支持された状態で、かつ、後述の如く筒体
12が路面に接触する状態とされた場合に、車体に対し
て水平となると共に、車輪の回転中心軸Cwに対して所
定角θだけ傾斜するように設計されている。また、平行
部62b,62cは、それらの軸線方向が車輪の回転中
心軸線Cwと一致するように形成されている。
【0053】平行部62bは、ブッシュ64を介して揺
動アーム66に連結されている。平行部62bは、ブッ
シュ64の弾性変形により許容される範囲内で、揺動ア
ーム66に対して回動することができる。揺動アーム6
6は、ブッシュ68を介して車体側部材に連結されてい
る。ブッシュ68は、上記図1に示すブッシュ22と同
一の構造を有しており、かつ、同一の構造で車体側部材
に連結されている。従って、揺動アーム66は、ブッシ
ュ68の内筒を中心軸として、車体側部材に対して回動
することができる。
【0054】同様に、挿通部62の平行部62cは、ブ
ッシュ70を介して揺動アーム72に連結されている。
平行部62cは、ブッシュ70の弾性変形により許容さ
れる範囲内で、揺動アーム72に対して回動することが
できる。揺動アーム72は、ブッシュ74を介して車体
側部材に連結されている。ブッシュ74は、上記図1に
示すブッシュ22と同一の構造を有しており、かつ、同
一の構造で車体側部材に連結されている。従って、揺動
アーム72は、ブッシュ74の内筒を中心軸として、車
体側部材に対して回動することができる。
【0055】揺動アーム66および72は、共に同一の
長さに設けられている。また、揺動アーム66および7
2には、共にそれらの中央部近傍において、ボールジョ
イント76または78を介してビーム80が連結されて
いる。ビーム80は、ボールジョイント76および78
の機能上許容される範囲内で、揺動アーム66および7
2に対して揺動することができる。ビーム80の中央部
には、油圧アクチュエータ20が連結されている。油圧
アクチュエータ20は、ビーム80に対して車両前後方
向(図10における左右方向)に揺動できるように、ビ
ーム80に連結されている。
【0056】揺動アーム66に固定されるブッシュ68
と、揺動アーム72に固定されるブッシュ74とは、相
互に水平な位置関係となるように車体側部材に連結され
ている。従って、油圧アクチュエータ20がビーム80
を押圧する過程では、挿通部62の平行部62b,62
cが互いに水平な位置関係となる。このため、油圧アク
チュエータ20の伸長量が所定量に達すると、筒体12
は、車体に対して水平な姿勢で路面に接触する。
【0057】上記の如く筒体12が路面に接触する場合
において、路面が車幅方向に傾斜していない場合には、
ブッシュ64および70を弾性変形させるまでもなく、
筒体12がその全面において均一に路面に接触する。一
方、路面が車幅方向に傾斜している場合には、ブッシュ
64および70が弾性変形し得る範囲内で筒体12の姿
勢が矯正され、その結果、筒体12が、その全面におい
てほぼ均一に路面に接触する状態が実現される。
【0058】また、上述した支持アーム機構60の構造
によれば、油圧アクチュエータ20からビーム80に伝
達される押圧力は、左右の揺動アーム66,72を介し
て筒体12の両端にほぼ均等に伝達される。従って、本
実施例の路面状態改変装置によれば、上述した第2実施
例の装置と同様に、筒体12全体を路面に均等に接触さ
せる優れた効果を得ることができる。このため、本実施
例の装置によれば、凍結路の、車輪10が通過する領域
の状態を、上記第1実施例の装置に比して更に均一に改
変させることができる。
【0059】次に、図11を参照して、本発明の第4実
施例である路面状態改変装置について説明する。本実施
例の路面状態改変装置は、上記図1に示すシステム構
成、上記図6に示すシステム構成、および上記図10に
示すシステム構成において、筒体12の表面に配設され
る部材を突状体14からブラシに変更すると共に、EC
U34に図11に示す制御ルーチンを実行させることに
より実現される。
【0060】図11は、雨天走行中におけるハイドロプ
レーニング現象を抑制すべくECU34が実行する制御
ルーチンの一例のフローチャートを示す。尚、図11に
示す制御ルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り
込みルーチンである。図11に示すルーチンが起動され
ると、先ずステップ200において、車速Vが所定のし
きい値Vthを超えているか否かが判別される。V>Vth
が不成立である場合は、車速Vが低速であり、ハイドロ
プレーニング現象が生ずる可能性がないと判断される。
この場合、以後、何ら処理が進められることなく今回の
ルーチンが終了される。一方、V>Vthが成立する場合
は、ハイドロプレーニング現象が生ずる可能性があると
判断され、次にステップ202の処理が実行される。
【0061】ステップ202では、外気温THAが0℃
以上であるか否かが判別される。本ルーチンは、上述の
如く、ハイドロプレーニング現象を抑制するために実行
されるルーチンである。THA≧0℃が不成立である場
合は、ハイドロプレーニング現象ではなく、むしろ降雪
や路面の凍結に起因するスリップを抑制すべきであり、
本ルーチンの処理を実行する実益が乏しい。このため、
THA≧0℃が不成立である場合は、以後、何ら処理が
進められることなく今回のルーチンが終了される。一
方、THA≧0℃が成立する場合は、次にステップ20
4の処理が実行される。
【0062】ステップ204では、車両のワイパースイ
ッチがオンされているか否かが判別される。ハイドロプ
レーニング現象は、路面と車輪との間に水の膜が形成さ
れることにより生ずる。かかる現象は、一般には、多量
の雨が現実に降っている場合に発生する。このため、本
ルーチンでは、ワイパースイッチがオフとされている場
合には、ハイドロプレーニング現象が生ずる可能性がな
いと判断され、以後、何ら処理が進められることなく今
回のルーチンが終了される。一方、ワイパースイッチが
オンであると判別された場合は、次にステップ206の
処理が実行される。
【0063】ステップ206では、車両が減速中であ
り、かつ、車輪10の減速度| dVw/dt |に対して車
両の減速度|G|が過少であるか否かが判別される。上
述の如く、車両が減速状態にある場合に、車輪10が適
正なグリップ状態を維持していれば、車輪10の減速度
| dVw/dt |と車両の減速度|G|とに大きな偏差が
生ずることはない。従って、車輪10の減速度| dVw
/dt |が、車両の減速度|G|に対して過少である場合
には、車輪10が適正なグリップ状態を維持していない
と判断することができる。上記ステップ200〜204
の条件が成立し、かつ、車輪10が適正なグリップ状態
を維持していない場合には、ハイドロプレーニング現象
が生じていると判断することができる。
【0064】従って、上記ステップ206の条件が成立
する場合は、以後、ステップ208において、筒体12
を駆動するための処理が実行された後、今回のルーチン
が終了される。尚、本ステップ208において、筒体1
2は、車高センサ40の出力信号に基づいて、上記図5
中に示されるステップ106と同様の手法で駆動され
る。
【0065】一方、上記ステップ206において、車両
が減速中でない、または、車両の減速度が車輪の減速度
に対して過少ではない、と判別された場合は、車輪10
が適正なグリップ状態を維持しており、路面状態を改変
する必要がないと判断され、ステップ208の処理が実
行されることなく今回のルーチンが終了される。
【0066】上記ステップ208の処理により筒体12
が路面に押圧されると、走行路の、車輪10が通過する
部分に存在する水分が、筒体12の表面に配設されてい
る複数のブラシにより掃きだされる。筒体12の表面に
配設されている個々のブラシは、図4中に示される個々
の溝とほぼ同一の軌跡を辿って、すなわち、車輪10の
進行方向に対して斜めに向かう方向性を有する軌跡を辿
って路面上の水分を掃きだす。
【0067】路面上の、車輪10が通過する領域に存在
する水分を、車輪10が通過しない領域に掃きだすため
には、水分を掃きだすブラシの軌跡に、車輪10の幅方
向の成分が含まれていることが望ましい。本実施例の装
置は、上述の如く、ブラシに対して車輪の幅方向へ向か
う変位成分を付与することができる。従って、本実施例
の路面状態改変装置によれば、車輪10が通過する領域
から有効に水分を除去することができ、ハイドロプレー
ニング現象を有効に抑制することができる。
【0068】尚、上記の実施例においては、ECU34
が上記ステップ200〜204の処理、およびステップ
206の処理のうち減速度が過少であるか否かを判別す
る処理を実行することにより前記請求項3記載の路面状
態検出手段が、上記ステップ206の処理のうち車両が
減速中であるか否かを判別することにより前記請求項3
記載の車両状態検出手段が、また、上記ステップ208
の処理を実行することにより前記請求項3記載の状態切
替え手段が、それぞれ実現される。
【0069】次に、本発明の第5実施例である路面状態
改変装置について説明する。本実施例の路面状態改変装
置は、上記図1に示すシステム構成、上記図6に示すシ
ステム構成、および上記図10に示すシステム構成にお
いて、筒体12の表面に配設される部材を突状体14か
ら吸湿材に変更すると共に、ECU34に、上記図5に
示す制御ルーチンと、上記図11に示す制御ルーチンと
の双方を実行させることにより実現される。
【0070】本実施例のシステムにおいて、筒体12の
表面に配設される吸湿材は、ウェット路面上および凍結
路面上に押圧された状態で使用された場合に、容易に破
損しない程度の耐久性を備えている。本実施例のシステ
ムを搭載する車両が降雨環境下で走行している場合に、
上記図11中ステップ200〜206の条件が成立する
と、筒体12が路面上に押圧される。筒体12が路面上
に押圧されると、路面上の水分が吸湿材に吸収される。
その結果、車輪10が通過する領域において、路面がド
ライ状態となり、ハイドロプレーニング現象が有効に抑
制される。吸湿材に吸収された水分は、筒体12が回転
する際に生ずる遠心力により吸湿材から離脱する。この
ため、吸湿材は、雨天時の走行中、常時優れた吸水性を
維持することができる。
【0071】本実施例のシステムを搭載する車両が凍結
路を走行している場合に、上記図5中ステップ102お
よび104、又はステップ108および110の条件が
成立すると、筒体12が凍結路の表面に押圧される。上
述の如く、筒体12の表面には、吸湿材が配設されてい
る。路面が凍結する環境下では、吸湿材に吸水されてい
る水分も凍結し、吸湿材の表面に、凍結した水分からな
る突状体が複数形成される。つまり、本実施例のシステ
ムに用いられる筒体12は、その表面に吸湿材を備えて
いるにも関わらず、凍結路走行時には上記図1、図6又
は図10に示す筒体12と同様に、表面に複数の突状体
を備える部材として機能する。このため、上記の如く、
車両が凍結路を走行している場合に筒体12が路面に押
圧されると、路面上には、車輪10のグリップ力を高め
るのに有効な多数の溝、すなわち、上記図4に示す如く
車輪10の進行方向に対して斜め方向に向かう多数の溝
が刻まれる。
【0072】上述の如く、本実施例の路面状態改変装置
によれば、車輪10が通過する領域の路面状態を、雨天
走行中にはハイドロプレーニング現象を抑制するうえで
有利な状態に、また、凍結路走行中には高い制動能力お
よび高い駆動能力を得る上で有利な状態に、改変するこ
とができる。従って、本実施例の路面状態改変装置によ
れば、広い環境下で、車両挙動を安定化させることがで
きる。
【0073】ところで、上述した第1乃至第5実施例
は、路面状態改変装置をFF車両の前輪の前方、すなわ
ち駆動輪の前方に配置する構造としているが、本発明は
これに限るものではなく、駆動輪の前方に加えて、従動
輪の前方に路面状態改変装置を配設することとしてもよ
い。
【0074】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、回転する筒体の表面が、路面の表面を、車輪の進行
方向に対して斜めに摺動する事態を生じさせることがで
きる。上記の如く筒体が路面上を摺動すると、路面の表
面は、車輪の進行方向に対して斜めの方向性をもって改
変される。路面状態が車輪の進行方向に対して斜めの方
向性をもって改変されると、車輪と路面との前後方向の
摩擦係数と、車輪と路面との車幅方向の摩擦係数とが共
に向上される。また、本発明においては、路面状態を改
変するために何らの消費材も用いられていない。このた
め、本発明に係る路面状態改変装置によれば、煩雑なメ
ンテナンスを必要とすることなく、常に有効に低摩擦係
数路の摩擦係数を上昇させることができる。
【0075】請求項2記載の発明によれば、筒体が車体
に対して傾斜するのを許容することができる。従って、
本発明に係る路面状態改変装置によれば、車両が水平な
路面を走行する場合のみならず、車両が傾斜した路面を
走行する場合においても、有効に路面状態を改変するこ
とができる。
【0076】請求項3記載の発明によれば、車両が低摩
擦係数路を走行しており、かつ車両が制動状態または駆
動状態である場合に、確実に筒体を路面に接触させるこ
とができる。従って、本発明に係る路面状態改変装置に
よれば、車両の走行中に、路面の摩擦係数を上昇させる
必要がある場合に、確実にその要求を満たすことができ
る。
【0077】請求項4記載の発明によれば、筒体の表面
に配設されている突状体により、路面の状態を、車輪の
進行方向に対して斜め方向に延びる方向性をもって、大
きく改変することができる。従って、本発明に係る路面
状態改変装置によれば、車輪の前後方向および車幅方向
に対する路面の摩擦係数を、大きく上昇させることがで
きる。
【0078】請求項5記載の発明によれば、筒体の表面
に配設されている吸湿材により、路面表面の、車輪が通
過する部分の水分を除去することができる。従って、本
発明に係る路面状態改変装置によれば、雨天走行中にお
いて、路面の摩擦係数を大きく上昇させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である路面状態改変装置と
車輪とを平面視で表した図である。
【図2】図1に示す路面状態改変装置の要部と車輪とを
図1中に示すII矢視で表した図である。
【図3】図1に示す路面状態改変装置に用いられるブッ
シュを図1中に示すIII 矢視で表した図である。
【図4】図1に示す路面状態改変装置により表面状態が
改変された凍結路を平面視で表した図である。
【図5】図1に示す路面状態改変装置において実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例である路面状態改変装置と
車輪とを平面視で表した図である。
【図7】図6に示す路面状態改変装置の要部と車輪とを
図6中に示すVII 矢視で表した図である。
【図8】図6に示す路面状態改変装置に用いられる筒体
が、傾斜した路面に接触している状態を、図6中に示す
VIII矢視で表した図である。
【図9】図6に示す路面状態改変装置に用いられる筒体
が、わだちの形成された路面に接触している状態を、図
6中に示すIX矢視で表した図である。
【図10】本発明の第3実施例である路面状態改変装置
と車輪とを平面視で表した図である。
【図11】図10に示す路面状態改変装置において実行
される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 車輪 12 筒体 14 突状体 16,52 支持アーム 18 ブッシュ 20 油圧アクチュエータ 34 電子制御ユニット(ECU) 60 支持アーム機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の前方に回転可能に支持される筒体
    を路面に押圧することにより路面状態を改変する路面状
    態改変装置であって、 前記筒体を、該筒体の回転中心軸線が前記車輪の回転中
    心軸線と非平行となるように、前記車輪の前方で支持す
    る支持手段と、 前記支持手段を駆動して、前記筒体が路面に接触する状
    態と、前記筒体が路面から離間する状態とを実現する状
    態切替え手段と、 を備えることを特徴とする路面状態改変装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の路面状態改変装置におい
    て、 前記支持手段が、前記筒体の揺動を許容する揺動許容手
    段を備えることを特徴とする路面状態改変装置。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2記載の路面状態改変装置
    において、 路面状態を検出する路面状態検出手段と、 制動状態または駆動状態を検出する車両状態検出手段
    と、 路面状態が所定の低摩擦係数状態であって車両が制動状
    態または駆動状態である場合に、前記筒体が路面に接触
    するように、前記状態切替え手段を制御する状態制御手
    段と、 を備えることを特徴とする路面状態改変装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の路面状態改変装置
    において、 前記筒体が、その表面に突状体を備えることを特徴とす
    る路面状態改変装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3記載の路面状態改変装置
    において、 前記筒体が、その表面に吸湿材を備えることを特徴とす
    る路面状態改変装置。
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