JPH09173029A - 柿酢を含有する飲料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲用に便利であり、酢の健康機能性を図るこ
とのできる飲料組成物を提供する。 【解決手段】 飲料組成物の重量を基準に柿酢を０．５
〜８．０重量％；液状果糖、結晶果糖、砂糖、オリゴ
糖、ブドウ糖、蜂蜜及び水飴からなる群から選択される
１種以上の甘味料を１０〜２０重量％；及び無水クエン
酸、含水クエン酸及びビタミンＣからなる群から選択さ
れる１種以上の酸味料を０．０１〜１重量％含有する飲
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は特有の味と機能性を
有する柿酢を含有する飲料組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術・発明が解決しようとする課題】酢は、保
存中の酒が偶然に変化して作られたのがその始まりであ
り、人類が最初に作り出した調味料の一つである。それ
故、酢の歴史はその起源とも言える酒の歴史と同様に大
昔から続いて来たと言える。酢は以前から調味料として
だけでなく、その他に殺菌、健康、美容等の目的に使用
されて来たが、例えば西洋医学の始祖として崇拝されて
いる古代ギリシアのヒポクラテスは、吸血療法後の傷口
消毒に酢の使用を勧め、ローマ帝国時代においてもクレ
オパトラを始めとして多くの貴族等が健康と美容のため
酢を好んで飲んだと言う。更に、酢漬け食品は長期貯蔵
食品として多くの人達に貴重な栄養源の役割を果たし
た。従って、昔の非衛生的な食生活において酢の役割は
非常に大きかったと思われる。大韓民国においては新羅
時代から酢を使用したものと推測されているが、中国の
古書に高麗の昆布調理法に酢を使用したとの記録があ
り、高麗時代の漢医書である郷薬救急方に薬用で使用し
た記録があることから、実際に酢を食用や薬用に広く使
用することになったのは高麗時代からであるものと推定
される。酢の効能として、第一に酢内のクエン酸、酢酸
等の有機酸等が疲労根源物質である乳酸をクエン酸回路
を介して水と二酸化炭素に分解することによって疲労回
復を助けること、第二に筋肉を柔軟にすること、第三に
血圧を安定化させ動脈硬化を予防すること、第四に栄養
素の体内消費を促進させ過剰糖分やグリコーゲンを燃焼
させることが挙げられる。その他に酢は消化を促進し、
便秘を改善し、胆汁、副腎皮質ホルモンの生成を助ける
作用を有し、かかる作用は糖尿病にも関係深い。更に、
酢はヘモグロビンと酸素との親和力を高め、体内老廃物
排泄作用及び弱アルカリ性体質維持と皮膚美容効果も有
する。上記のような機能を示す酢の主要成分は、酢酸を
始めとしてクエン酸、コハク酸、酒石酸等６０種類以上
の有機酸である。代表的な酢中のその他の一般成分を下
記表１に示す〔参照：食品成分表、大韓民国農村振興庁
農村栄養改善研修院編（１９９１）〕。

【０００３】

【表１】

【０００４】この他に民間において高級酢として柿酢、
玄米酢、葡萄酢等が健康食品として多く飲用されてい
る。特に、柿酢は天然無公害柿を添加物無しに１年以上
自然熟成して醗酵させた健康食品であって、成人病の予
防のため多く服用されている。柿酢には果物酢特有のミ
ネラルと各種有機酸が豊富であり、柿から由来する多く
のビタミン類とタンニン成分が存在しているので、健康
に一層有益である。このように各種酢は健康に有益な製
品として認識されて来たが、酢自体の味や匂いが余りに
強くて飲料としての直接使用はできず、調味料として使
用する以外には多く利用されていないのが実情である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、こ
のように健康に有益な酢を飲料として多量服用できるよ
うにするため人体の好みに合う飲料組成物を研究し、そ
の結果、飲料として合った最適の酢飲料組成物を発明す
るに至った。即ち、使用される酢の種類によって添加さ
れる補助成分及び含量は異なるが、本発明においては酢
の中で特に人体に有用な柿酢を使用した。

【０００６】即ち、本発明は以下の通りである。 飲料組成物の重量を基準に柿酢を０．５〜８．０重量
％；液状果糖、結晶果糖、砂糖、オリゴ糖、ブドウ糖、
蜂蜜及び水飴からなる群から選択される１種以上の甘味
料を１０〜２０重量％；及び無水クエン酸、含水クエン
酸及びビタミンＣからなる群から選択される１種以上の
酸味料を０．０１〜１重量％含有する飲料組成物。

【０００７】柿酢を２．０〜５．０重量％；甘味料を
１２〜１５重量％；及び酸味料を０．０４〜０．２重量
％含有することを特徴とする記載の飲料組成物。

【０００８】甘味料が液状果糖であるまたは記載
の飲料組成物。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、柿酢を含有する健康機
能性飲料組成物に関するものである。本発明において柿
酢の配合量は、飲料組成物の重量を基準に０．５〜８．
０重量％、好ましくは２．０〜５．０重量％の範囲が適
当である。柿酢の使用量が０．５重量％未満の時には柿
酢特有の香り及び味を得ることができず、８．０重量％
を超過する場合には度を越す酸味と刺激のため飲用する
のに不適当である。

【００１０】本発明の飲料組成物には甘味を与えるため
に甘味料が配合される。かかる目的で液状果糖、結晶果
糖、砂糖、オリゴ糖、ブドウ糖、蜂蜜及び水飴からなる
群から選択される１種以上の甘味料が適当量使用され
る。甘味料の配合量は、飲用する人の好みによって適宜
選択されるが、一般的には飲料組成物の重量を基準に１
０〜２０重量％の範囲、好ましくは１２〜１５重量％の
範囲で添加されることが望ましい。

【００１１】更に、本発明の飲料組成物には適当な食用
酸味料が配合されるが、かかる目的で無水クエン酸、含
水クエン酸及びアスコルビン酸（ビタミンＣ）の中から
選択される１種以上の酸味料を適当量使用し、この他に
公知の食用酸味料を更に添加してもよい。酸味料の使用
量は、飲用する人の嗜好によって適宜選択されるが、一
般的には飲料組成物の重量を基準に０．０１〜１重量％
の範囲、好ましくは０．０４〜０．２重量％の割合で添
加することが望ましい。

【００１２】本発明の飲料組成物は、必要に応じ、上記
柿酢、甘味料及び酸味料に加えて、通常飲料組成物に用
いられる希釈液が配合されてなる。該希釈液としては、
例えば精製水等が好適に用いられる。

【００１３】本発明の飲料組成物にはまた必要によって
他の酢成分、例えば米酢、葡萄酢、りんご酢、玄米酢、
モルト酢及び酒粕酢からなる群から選択される１種以上
の酢を更に配合することもできる。また、本発明の組成
物には、飲料用組成物に常用される公知の食品添加物を
更に含有させることもできる。

【００１４】上記の通りに配合された柿酢含有飲料組成
物は、飲料製造の通常的な方法によって、例えば高温滅
菌後に適切な容器に充填させ密封し、冷却させる方法で
製品化することができる。

【００１５】

【実施例】本発明を次の実施例を通して更に詳しく説明
するが、これらの実施例によって本発明の技術的範囲が
限定されるものではない。

【００１６】参考例：柿酢の製造方法 柿を水洗して傷のなく新鮮なものを選別し、選別された
柿のみを醗酵槽に入れ６ヵ月間自然醗酵させた。これを
濾過して醗酵液を得、この醗酵液を６ヵ月以上自然条件
下で２次醗酵及び熟成させ柿酢を製造した。

【００１７】実施例１〜５ 下記表２の記載の成分配合比により各成分を配合し、そ
れぞれの組成物を１，０００ｍｌ調製した。その後、配
合された柿酢飲料組成物を９５℃で熱交換器を介して約
３０秒間殺菌し、１９０ｍｌの缶に充填した後、密封し
冷却させ本発明による柿酢含有飲料組成物を製造した。

【００１８】

【表２】

【００１９】実施例６：官能評価 上記実施例１〜５において製造した飲料組成物の嗜好度
等を確認するため、訓練された官能要員２５名を対象と
し、表３の基準に従って５点尺度で官能評価を実施し
た。その結果を下記表４に示す。

【００２０】

【表３】

【００２１】

【表４】

【００２２】上記表４の結果からわかるように、本発明
の組成物は全体的な味と酸味の嗜好度に優れるだけでな
く、酸味の強度は酢の量に比例して強く示された。

【００２３】実施例７：柿酢含有飲料組成物の機能性検
証 実施例３によって製造された柿酢含有飲料組成物を用い
てその機能性を検証してみた。この試験において対照群
としては市販イオン飲料〔組成（重量比）：砂糖４．０
４８３％、イソマルトオリゴ糖３％、ブドウ糖２％、無
水クエン酸０．２４％、クエン酸ナトリウム０．０７５
％、ビタミンＣ０．０５％、塩化ナトリウム０．０６２
％、塩化カリウム０．０４％、塩化マグネシウム０．０
０６％、乳酸カルシウム０．０１８％、フルーツフレー
バー０．１％、精製水９０．３６０７％〕を使用した。
試験のため大学の運動選手８名を対象に実施例３の飲料
組成物及び対照用市販イオン飲料をそれぞれ１９０ｍｌ
ずつ運動３０分前及び運動直後に服用させ、運動前と最
大下運動７５％（酸素吸収量が予め測定された最大酸素
吸収量の７５％である運動量）後の血中乳酸濃度とヘマ
トクリット値を測定した。表５には運動前と運動後の血
中乳酸濃度を測定して次式によって回復率を求めて示
し、表６には安定時及び最大下運動後回復期の静脈血の
ヘマトクリット値の変化を示した。対照群としてはそれ
ぞれ既存の市販イオン飲料を使用した。 回復率（％）＝（Ｂ−Ｃ）／（Ｂ−Ａ）×１００ ここで、Ａは安定時の血中乳酸濃度であり、Ｂは最大下
運動７５％時の血中乳酸濃度であり、Ｃは回復期の血中
乳酸濃度である。

【００２４】

【表５】

【００２５】

【表６】

【００２６】表５に記載の試験結果からわかるように、
回復期全般にわたって疲労要素である血中乳酸濃度の回
復率は、実施例３の飲料組成物を投与した方が市販イオ
ン飲料を投与した対照群の場合より高く示された。従っ
て、実施例３の柿酢含有飲料組成物が疲労回復効果が更
に優れることがわかる。また、表６において、ヘマトク
リット値の変化は既存のイオン飲料と差異がないことか
ら、体内水分吸収程度の差はないものと判明した。以上
の実施例から見るように、本発明による柿酢を含有する
飲料組成物は天然の健康機能飲料として非常に有用であ
るものと期待される。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、健康食品として有用な
柿酢を飲料に適した形態で提供できる。従って、本発明
の飲料組成物は、天然の健康機能飲料として非常に有用
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユ ジョンスウ 大韓民国、チュンブック、チョンジュシ、 ボンミョンドン、1604、エルジ社宅、Ｃ− 508 (72)発明者 ユン ヨキョン 大韓民国、チュンブック、チョンジュシ、 ボンミョンドン、1604、エルジ社宅、Ａ− 202

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料組成物の重量を基準に柿酢を０．５
   〜８．０重量％；液状果糖、結晶果糖、砂糖、オリゴ
   糖、ブドウ糖、蜂蜜及び水飴からなる群から選択される
   １種以上の甘味料を１０〜２０重量％；及び無水クエン
   酸、含水クエン酸及びビタミンＣからなる群から選択さ
   れる１種以上の酸味料を０．０１〜１重量％含有する飲
   料組成物。
2. 【請求項２】 柿酢を２．０〜５．０重量％；甘味料を
   １２〜１５重量％；及び酸味料を０．０４〜０．２重量
   ％含有することを特徴とする請求項１記載の飲料組成
   物。
3. 【請求項３】 甘味料が液状果糖である請求項１または
   ２記載の飲料組成物。