JPH09172302A - 誘電体フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種通信機器に用いる誘電体フィルタにおい
て、所望のフィルタ特性を得ることを目的とする。 【解決手段】 カバー５には誘電体共振器１０と接続す
るための切欠部１５を設けるとともに、実装基板１に設
けられた貫通孔７に圧入するための圧入脚６は前記切欠
部１５の側方のほぼ一直線上に対応して設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は各種通信機器に用い
られる誘電体フィルタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の誘電体フィルタは、実装基板上に
誘電体共振器を実装するとともに、誘電体共振器にカバ
ーを被せ、このカバーに設けられた切欠部を利用して、
カバーと前記誘電体共振器をハンダ付けしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように構成された
誘電体フィルタにおいてカバーは、誘電体フィルタに対
する外部からの影響を防ぐ役目を果たすとともに、誘電
体共振器の実装基板と反対側部のアースをカバーを介し
実装基板のアース電極に導通させるものである。

【０００４】この誘電体共振器の上部のアース導通が十
分に確保できなければ、図３の破線に示す如く、フィル
タ特性の減衰量が十分に確保できないものであり、上述
の如く構成された誘電体フィルタに於いては、カバーと
誘電体共振器の接続部と、カバーと実装基板のアース電
極の接続部とが遠く離れていたので、所望のフィルタ特
性が得られないという問題を有していた。

【０００５】そこで本発明は、このような問題を解決
し、所望のフィルタ特性を得ることを目的とするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、カバーの切次部に対応するカバーの下端部
には、前記実装基板の貫通孔に圧入するための圧入脚が
設けられたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、アース導体及びこのアース導体に接続されたスルー
ホール電極を有する貫通孔を備えた実装基板と、この実
装基板上に設けられた誘電体共振器と、前記実装基板上
においてこの誘電体共振器に被せられたカバーとから構
成され、前記カバーには前記誘電体共振器と接続するた
めの切欠部を設けるとともに、この切欠部に対応するカ
バーの下端部には、前記実装基板に設けられた貫通孔に
圧入するための圧入脚を設けたものであり、このように
構成することにより誘電体共振器の実装基板と反対側部
のアースが、カバーを介して最短距離でアース電極と接
続されることでアース効率が良くなり、その結果所望の
フィルタ特性が得られるという作用を有する。

【０００８】請求項２に記載の発明は、カバーに設けら
れた圧入脚の最大幅を、実装基板に設けられた貫通孔よ
り大きく設定するとともに、圧入脚の先端部と根元部の
幅は、前記貫通孔より小さくしたことを特徴とする請求
項１記載の誘電体フィルタとしたものであり、圧入脚の
先端部が実装基板に設けられた貫通孔より狭く設定して
あるため、前記貫通孔に圧入しやすく、また圧入脚の根
元部が狭くしてあるため、最大幅部が引掛りとなり、圧
入後に抜けにくくなるという作用を有する。

【０００９】以下、本発明の一実施形態について図面を
参照しながら説明する。誘電体フィルタは図１に示され
る如く構成されている。

【００１０】１はガラスエポキシ系の実装基板であり、
上面には入出力電極２とアース電極３ａが設けられ、下
面には前記アース電極３ａと側面電極４により接続され
たアース電極３ｂが設けられている。

【００１１】また、この実装基板１の両側部には、後述
されるカバー５の下端部に設けられた圧入脚６が圧入さ
れる貫通孔７が設けられており、図２に示す如く前記貫
通孔７にはスールーホール電極８が設けられており、こ
のスルーホール電極８は前記アース電極３ａとアース電
極３ｂとに接続されている。

【００１２】９は回路構成部品であり、誘電体からなる
基板上に電極を構成し、前記入出力電極２のそれぞれと
電気的に接続され、誘電体フィルタの回路を構成してい
る。

【００１３】１０は誘電体同軸共振器であり、貫通孔１
１を有する角形の誘電体ブロック１０ａと、この誘電体
ブロック１０ａの外周面に設けた外周電極１２と、前記
貫通孔１１内に設けた内部電極１３より構成されてい
る。

【００１４】またこの誘電体共振器１０は、前記実装基
板１の上面に設けられたアース電極３ａにハンダを用い
て接続されるとともに、前記貫通孔１１の内部電極１３
は、前記回路構成部品９と接続金具１４を介して接続さ
れている。

【００１５】５はカバーであり、リン青銅等の金属板よ
り構成されており、上面には前記誘電体共振器１０の上
面の外周電極１２とハンダ付けする為の切欠部１５が、
前記誘電体共振器１０の長手方向に対し直交するように
設けられている。

【００１６】また、このカバー５上面の両側端及び前側
端には、下方に向かって設けられた側面部１６及び前面
部１７を備え、さらに前記側面部１６の下端には、それ
ぞれ下方に突出した圧入脚６が、前記切欠部１５の側方
の一直線上の位置に対応して設けられている。

【００１７】また、このカバー５は、前記誘電体共振器
１０及び回路構成部品９を覆い、前記圧入脚６を前記実
装基板１の貫通孔７に圧入することにより取付けられる
もので、前記切欠部１５において前記誘電体共振器１０
の上面の外周電極１２とハンダ付けされるものである。

【００１８】このように構成された誘電体フィルタに於
いては、カバー５に設けられた切欠部１５と圧入脚６と
の距離が最短となり、前記切欠部１５と接続された誘電
体共振器１０の上面のアースが、前記実装基板１に設け
られたスルーホール電極８を介し前記アース電極３ａ，
３ｂに最短距離で到達できるようになり、誘電体共振器
１０のアース効率を向上することができ、図３に示され
る実線の如く、所望のフィルタ特性が得られるものであ
る。

【００１９】また図２に示す如く、前記圧入脚６の最大
幅は、実装基板１に設けられた貫通孔７より広く設定す
るとともに、先端部６ａと根元部６ｂの幅は前記貫通孔
７より狭く設定したものである。このように圧入脚６の
形状を設定することにより、実装基板１の貫通孔７に圧
入するにおいて圧入脚６の先端部６ａが狭くなっている
ので、圧入しやすく、また圧入部６の中間部６ｃが鋭角
にとがっているため、一旦圧入されたカバー５が実装基
板１からはずれにくくなるという効果が得られるもので
ある。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体共
振器の実装基板と反対側部のアースが、カバーを介して
最短距離でアース電極と接続され、アース効率が良くな
り、その結果所望のフィルタ特性が得られるというもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における誘電体フィルタ
の斜視図

【図２】同誘電体フィルタのカバー圧入脚部の断面図

【図３】同誘電体フィルタの周波数特性図

【符号の説明】

１ 実装基板 ３ａ アース電極 ３ｂ アース電極 ５ カバー ６ 圧入脚 ７ 貫通孔 ８ スルーホール電極 １０ 誘電体共振器 １５ 切欠部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アース電極及びこのアース電極に接続さ
   れたスルーホール電極を有する貫通孔を備えた実装基板
   と、この実装基板上に設けられた誘電体共振器と、前記
   実装基板上においてこの誘電体共振器に被せられたカバ
   ーとから構成され、前記カバーには前記誘電体共振器と
   接続するための切欠部を設けるとともに、この切欠部に
   対応するカバーの下端部には、前記実装基板に設けられ
   た貫通孔に圧入するための圧入脚を設けたことを特徴と
   する誘電体フィルタ。
2. 【請求項２】 カバーに設けられた圧入脚の最大幅を、
   実装基板に設けられた貫通孔より広く設定するととも
   に、圧入脚の先端部と根元部の幅は、前記貫通孔より狭
   くしたことを特徴とする請求項１記載の誘電体フィル
   タ。