JPH09171235A - 写真フィルムカートリッジ - Google Patents

写真フィルムカートリッジ

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JPH09171235A
JPH09171235A JP25487196A JP25487196A JPH09171235A JP H09171235 A JPH09171235 A JP H09171235A JP 25487196 A JP25487196 A JP 25487196A JP 25487196 A JP25487196 A JP 25487196A JP H09171235 A JPH09171235 A JP H09171235A
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cartridge
photographic film
film
photographic
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Shinpei Ikegami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真フィルムのカールの度合いを小さくして
平面性を高め、画像の鮮鋭度を向上させる。 【解決手段】 写真フィルムカートリッジは、写真フィ
ルムと、これを収納するカートリッジとからなる。写真
フィルムは、透過支持体の片側に感光層が形成されてい
る。写真フィルムが感光層側にカールするのを防止する
ために、残りの片側に親水性ポリマーを含有するバック
層が形成されている。感光層は、総膜厚が30μm以下
であり、バック層は感光層の総膜厚の15%〜90%の
膜厚を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルム(ハ
ロゲン化銀写真感光材料)を内蔵した写真フィルムカー
トリッジに関するものである。更に詳しくは、感光層と
バック層の膜厚の割合を調整して、写真フィルムのカー
ルの度合いを小さく抑えた写真フィルムカートリッジに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーネガフィルム(ハロゲン化
銀カラーネガ感光材料)を中心とする写真フィルム(ハ
ロゲン化銀写真感光材料)の粒状性、鮮鋭度、色再現性
の改良と、ズームレンズまたは二焦点レンズを装備した
カメラの普及が相俟ってますますバラエティーに富んだ
高画質な写真が得られるようになった。
【0003】しかし、ズームレンズまたは二焦点レンズ
を装備したカメラにおいては、望遠側の焦点距離を伸ば
すとカメラが大型化し携帯性が悪くなり、逆にカメラの
小型化を優先すると十分な望遠効果を持たないカメラと
なる欠点を有していた。
【0004】上記問題を解決する手段として、米国特許
第3,490,844号、同4,583,831号及び
同4,650,304号などに、最近のカラーネガフィ
ルムの性能の進歩に着目して、いわゆる凝似ズームの手
法についての提案がなされている。この凝似ズームの手
法は、撮影段階に何らかの手法で写真フィルム又はカー
トリッジに入力したレンズの焦点距離の情報をプリント
の段階で検出して、カラーネガフィルムの画面の一部を
引き伸し、結果的に望遠効果を付与しようとするもので
ある。従来提案された凝似ズームの手法は、現在主流の
135フォーマットのカラーネガフィルムを前提とした
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在主
流の135フォーマットのカラーネガフィルムを使っ
て、上記凝似ズームの手法を実施すると画質特に鮮鋭度
が不十分であることが判明した。凝似ズームは、単なる
大サイズのプリントと異り、大サイズプリントの一部を
切り取って小サイズのプリントとすることに対応する。
小サイズプリントの鑑賞距離は大サイズプリントの場合
より小さい。従って、凝似ズームで作った小サイズプリ
ントにおいては、鮮鋭度がきわめて重要である。
【0006】本発明者が種々の検討を重ねた結果、撮影
時の湿度が変化すると写真フィルムのカール状態が変化
し、カメラの露光ステージにおける写真フィルムの位置
がピント面から外れ、特に疑似ズーム手法で望遠効果を
付与したプリントにおいて鮮鋭度の低下が顕著になるこ
とが判明した。
【0007】さらに凝似ズームプリントシステムで引伸
し倍率が大きくなることに起因する重大な問題として写
真フィルムのキズがあることが判った。数多くの調査の
結果写真フィルムの背面のキズは、プリント上で白く抜
けてしまうので非常に目立ちかつ頻度も全体のキズの5
0%以上に及ぶことが明らかとなった。従って写真フィ
ルムの背面のキズの改良は、凝似ズームプリントシステ
ムで得られるプリントの高画質化のための新たな別の課
題であることが見出された。
【0008】以上のことから本発明の第1の目的は、写
真フィルムのカールを少なくして、鮮鋭度のすぐれたプ
リントが得られるようにした写真フィルムカートリッジ
を提供することである。
【0009】本発明の第2の目的は、凝似ズームプリン
トシステムに適した写真フィルムカートリッジを提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、写
真フィルムと、この写真フィルムを収納するカートリッ
ジとからなり、このカートリッジは、写真フィルムをロ
ール状に巻き回すスプール軸と、写真フィルムを出し入
れするフィルム出口を有し前記スプール軸を軸線回りに
回転自在に収納するカートリッジ本体とから構成された
写真フィルムカートリッジにおいて、透過支持体の片側
に総膜厚が30μm以下の感光層が形成され、残る片側
に該感光層の総膜厚の15%以上、90%以下の膜厚を
有し、親水性ポリマーを含有するバック層が形成されて
いることを特徴とする写真フィルムカートリッジによっ
て達成された。
【0011】すなわち、本発明は、感光層の反対側にバ
ック層を設けることによって、写真フィルムのカールの
度合いを小さくし、それにより鮮鋭度を向上させ、また
写真フィルムのキズに起因するプリント品質の劣化を防
止する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の写真フィルムカートリッ
ジは、写真フィルムと、これを収納するカートリッジと
から構成されている。カートリッジ(1)は、第1図に
模式的に示すように、フィルム出口(3)を有するカー
トリッジ本体(1a)と、このカートリッジ本体(1
a)内に回転自在に収納されたスプール軸(4)とから
なる。このスプール軸(4)は写真フィルム(2)をロ
ール状に巻き回す。
【0013】カートリッジ(1)は、カートリッジ装填
室13内に装填されているときに、フィルム出口(3)
をカメラ本体(11)の露光ステージ(12)を含む平
面(A)内に保ち、かつ写真フィルムの出し入れ方向
(B)がカメラ内の写真フィルム巻き取り方向(C)と
平行になるように姿勢制御する手段を有する。
【0014】上記姿勢制御手段を設けることにより、写
真フィルムカートリッジをカメラ内に装填し、カートリ
ッジ(1)のフィルム出口(3)から、露光ステージ
(12)をへだてて他方の側にあるカメラ内のフィルム
巻取手段まで写真フィルム(2)を通したときに、該写
真フィルム(2)の平面性、とくにカートリッジ(1)
のフィルム出口(3)付近における写真フィルム(2)
の平面性を保つことができる。
【0015】前記平面性を保つには、基本的にはカメラ
内のカートリッジ装填室(13)においてカートリッジ
(1)がそのスプール軸(4)を中心に回転運動できな
いようにすればよい。具体的には、カートリッジ(1)
が上記平面性を保つようにカメラと係合する手段を設け
るのがよい。さらに、より良好な係合関係を得るにはカ
ートリッジ(1)の外形の寸法の精度を向上させること
が好ましい。特にポート部分(フィルム出口3の部分)
の長さの寸法の精度を向上させることが好ましい。カー
トリッジの姿勢制御を設定するための具体的手段、換言
すればカートリッジとカメラとの係合手段として、例え
ば以下のものが挙げられる。
【0016】第1に、カートリッジ(1)のスプール軸
(4)に垂直な面の形状(フィルム出口部を除く)を非
円形にしてカメラのカートリッジ装填室と係合させるこ
とができる。非円形とすべきスプール軸(4)に垂直な
面は、カートリッジ本体の胴体部及び側縁部のいずれか
であればよいが、側縁部のみ又は胴体部及び側縁部の両
方であることが好ましい。
【0017】側縁部が非円形である例として、カートリ
ッジ本体の胴体部の断面積(S1)より側縁部の断面積
(S2) を大きくすることによってカメラ内におけるカ
ートリッジの姿勢制御を行なうこともできる。しかし側
縁部の断面積(S2) が大きすぎるとカメラの小型化に
とって好ましくないため、S2/S1比は一般に1.2
以下、好ましくは1.1以下、特に好ましくは1.05
以下である。
【0018】具体的には、第5図及び第6図に示すよう
な、非円形部(21)を有する側縁部及び円形状の断面
を有する胴体部(22)からなるカートリッジ(1)を
挙げることができる。上記非円形部(21)及び好まし
くは胴体部(22)は、カメラのカートリッジ装填室
(13)に設けられたバネ(32,33)により、姿勢
制御されるようカメラに係合されることが好ましい。
【0019】胴体部が非円形である例として、第2図に
示すようにカートリッジ本体の胴体の少なくとも一つの
側面を平面状にすることが挙げられる。上記平面状と
は、姿勢制御を行なうに足りる平面性を該カートリッジ
本体の側面が有すればよく、ある程度曲面性をもってい
てもよい。また、かかるカートリッジ本体の平面は、カ
メラ内のカートリッジ装填室の特定の面と一致させて、
実質的に接触させることが好ましい。ここで、実質的に
接触とは姿勢制御を行なうに足る接触を意味し、必ずし
も完全な接触を意味するものではない。
【0020】カートリッジとカメラの係合手段として、
第2に、カートリッジを姿勢制御できるようにカメラ内
のカートリッジ装填室に保持できる少なくとも1つの接
合部分をカートリッジとカメラに設けることが挙げられ
る。
【0021】かかる接合部分の設置場所、設置数及び形
状は、カートリッジの姿勢制御が達成されれば、いかな
るものであってもよい。例えば、該接合手段として、い
わゆる突起とそれに嵌合するくぼみをカメラとカートリ
ッジにそれぞれ設ける方法を挙げることができる。
【0022】例えば、第3図に示すように、カートリッ
ジ本体の側縁部(6)に凸形の突起(8)を設けて、カ
メラのカートリッジ装填室に設けたくぼみと係合させる
ことができる。かかる係合手段は、カートリッジの両端
面に設けるのが好ましい。
【0023】あるいは、第4図に示すように、カートリ
ッジ本体の側面(5)に直線状の突起(9)を設けて、
カメラのカートリッジ装填室に設けた該突起と嵌合する
直線状のくぼみと係合させることができる。
【0024】また、第5図に示すように、カートリッジ
本体のフィルム出口に突起(27)を設け、カメラの露
光ステージに設けたくぼみ(26)と係合させることが
できる。かかる突起は、フィルム出口(3)のいずれに
設けてもよく、例えばフィルム出口に沿って直線状に設
けたり、フィルム出口中央部に1か所設けたりすること
ができる。
【0025】上記において、それぞれ突起がカメラ側に
設けられ、それに嵌合するくぼみがカートリッジに設け
られていてもよい。また、突起とくぼみは姿勢制御に達
成するに十分な嵌合関係であればよい。
【0026】更なる接合手段として、カメラとカートリ
ッジの双方に少なくとも一組の突起部分を設けて該突起
部分の接合により、カートリッジをカメラ内のカートリ
ッジ装填室に保持する方法が挙げられる。
【0027】例えば第5図及び第6図に示すように、カ
ートリッジの突起(23)とカメラ内の突起(34)、
カートリッジの突起(24)とカメラ内の突起(35)
により、それぞれカートリッジをカメラ内のカートリッ
ジ装填室に保持することができる。上記保持手段は場合
によりいずれか一方であれば足りる。また、カートリッ
ジの突起(24)とカメラ内の突起(35)による保持
手段は、カートリッジの両端面に設けることもできる。
【0028】さらに、上記の姿勢制御をよりよく設定す
るために、カートリッジ本体の外形の寸法精度を±0.
5mm以下とするのが好ましく、±0.3mm以下とするの
がさらに好ましい。また姿勢制御をさらによりよく行う
ために、ポート部分の長さの寸法精度を±0.3mm以下
とするのが好ましく、±0.2mm以下とするのがさらに
好ましく±0.1mm以下とするのが特に好ましい。
【0029】この精度を確保するために、カートリッジ
の材料としてプラスチックス材料を用いて成形するのが
好ましい。このプラスチックス材料は、炭素・炭素二重
結合をもつオレフィンの付加重合、小員環化合物の開環
重合、2種以上の多官能化合物間の重縮合(縮合重
合)、重付加、及びフェノール誘導体、尿素誘導体、メ
ラミン誘導体とアルデヒドを持つ化合物との付加縮合な
どの方法を用いて製造することができる。
【0030】プラスチックス材料の原料は、炭素・炭素
二重結合をもつオレフィンとして、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、ブタジエン、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルカル
バゾール、N−ビニルピロリドン、シアン化ビニリデ
ン、エチレン、プロピレンなどが代表的なものとして挙
げられる。又、小員環化合物として、例えば、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、グリシドール、3,3
−ビスクロロメチルオキセタン、1,4−ジオキサン、
テトラヒドロフラン、トリオキサン、ε−カプロラクタ
ム、β−プロピオラクトン、エチレンイミン、テトラメ
チルシロキサンなどが代表的なものとして挙げられる。
【0031】又、多官能化合物として例えば、テレフタ
ル酸、アジピン酸、グルタル酸などのカルボン酸類、ト
ルエンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシア
ネート類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンなどのアルコール類、ヘキサメチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、パラフェニレンジア
ミンなどのアミン類、エポキシ類などが代表的なものと
して挙げられる。又、フェノール誘導体、尿素誘導体、
メラミン誘導体としては例えばフェノール、クレゾー
ル、メトキシフェノール、クロロフェノール、尿素、メ
ラミンなどが代表的なものとして挙げられる。さらにア
ルデヒドを持つ化合物としては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、オクタナール、ドデカナール、ベンズ
アルデヒドなどが代表的なものとして挙げられる。これ
らの原料は、目標とする性能に応じて、1種のみならず
2種類以上を使用してもかまわない。
【0032】これらの原料を用いてプラスチックス材料
を製造する場合には、触媒や溶媒を使用する場合があ
る。触媒としては、(1−フェニルエチル)アゾジフェ
ニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ
ート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ベ
ンゾイルペルオキサイド、シクロヘキサノンペルオキサ
イド、過硫酸カリウムなどのラジカル重合触媒、硫酸、
トルエンスルホン酸、トリフロロ硫酸、過塩素酸、トリ
フルオロホウ素、4塩化スズなどのカチオン重合触媒、
n−ブチルリチウム、ナトリウム/ナフタレン、9−フ
ルオレニルリチウム、フェニルマグネシウムブロマイド
などのアニオン重合触媒、トリエチルアルミニウム/テ
トラクロロチタン系のチーグラーナッタ(Ziegler −Na
tta )系触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カ
リウム金属などを用いる。
【0033】溶媒としては、重合を阻害しない限り特に
制約はないが、ヘキサン、デカリン、ベンゼン、トルエ
ン、シクロヘキサン、クロロホルム、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロ
フランなどが一例として挙げられる。
【0034】本発明のプラスチックスの成形には、必要
に応じて可塑剤をプラスチックスに混合する。可塑剤と
しては、例えば、トリオクチルホスフェート、トリブチ
ルホスフェート、ジブチルフタレート、ジエチルセバケ
ート、メチルアミルケトン、ニトロベンゼン、γ−バレ
ロラクトン、ジ−n−オクチルサクシネート、ブロモナ
フタレン、ブチルパルミテートなどが代表的なものであ
る。
【0035】本発明に用いるプラスチックス材料の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではな
い。 P−1 ポリスチレン P−2 ポリエチレン P−3 ポリプロピレン P−4 ポリモノクロロトリフルオロエチレン P−5 塩化ビニリデン樹脂 P−6 塩化ビニル樹脂 P−7 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 P−8 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合樹脂 P−9 メチルメタアクリル樹脂 P−10 ビニルホルマール樹脂 P−11 ビニルブチラール樹脂 P−12 ポリエチレンフタレート P−13 テフロン P−14 ナイロン P−15 フェノール樹脂 P−16 メラミン樹脂
【0036】本発明に特に好ましいプラスチックス材料
は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
である。
【0037】通常カートリッジは、遮光性を付与するた
めにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチ
ックを使って製作される。遮光性を付与するには、プラ
スチック材料に対して0.1〜0.8重量%好ましく
は、0.2〜0.5重量%のカーボンブラックや顔料を
使用する。
【0038】特開平1ー231045号公報、特開平2
ー124564号公報、米国特許4,832,275
号、米国特許4,846,418号、米国特許4,84
8,693号、米国特許4,834,306号、米国特
許4,445,768号、米国特許4,423,943
号などに記載されているように、スプール軸の回転で写
真フィルムがカートリッジから送り出されるタイプのカ
ートリッジに対しても本発明を適用できる。
【0039】次に、本発明に係る写真フィルムについて
詳述する。本発明の写真フィルムは、感光層の総膜厚は
30μm以下、好ましくは25μm以下、さらに好まし
くは21μm以下、12μm以上である。感光層の総膜
厚には、透過支持体(ベース)に接するアンチハレーシ
ョン層、最上層の保護層、その他の中間層も含まれる。
写真フィルムの感光層の総膜厚が大きすぎると、カメラ
の露光ステーションにおける感光材料の平面性の湿度依
存性が強くなり好ましくない。
【0040】また感光層の総膜厚を薄くしすぎると、感
光層の耐傷性が劣化するので好ましくない。感光層の総
膜厚は、感光材料の断面の顕微鏡写真または膜厚計を使
って容易に測定できる。
【0041】本発明の写真フィルムのバック層は、感光
層の総膜厚の15%以上90%以下、好ましくは20%
以上70%以下、さらに好ましくは25%以上60%以
下である。このように、感光層とバック層との膜厚を調
整してカールの度合いを小さく抑えることで、写真フィ
ルムの平面性が良好となり、その結果画像の鮮鋭度が向
上する。
【0042】広い湿度の範囲で、カメラ内の露光ステー
ジにおける適正なカール状態を保つには、バック層を感
光層より薄く保つ必要がある。感光層に対しバック層が
厚くなりすぎると、湿度が低いときに、写真フィルムの
カールによって、写真フィルムが圧板より浮きレンズ側
へ飛び出しピント不良になるので好ましくない。また感
光層に対しバック層が薄すぎると、湿度が高いときに、
写真フィルムのカールによって、写真フィルムが圧板よ
り浮きレンズ側へ飛び出しピント不良になるので好まし
くない。
【0043】本発明のバック層に使用される親水性ポリ
マーとして下記のものを例示できるがこれに限定される
ものではない。ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼ
イン、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチル
セルローズなどのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸
ソーダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導
体、合成親水性ポリマー例えばポリビニルアルコール、
ポリN−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合体、
ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分
解物、ゼラチン誘導体などを使用できる。特にゼラチン
が好ましい。
【0044】ここで使われるゼラチンとしては、製造過
程において、ゼラチン抽出前にアルカリ浴に浸漬される
いわゆる石灰処理ゼラチン、酸浴に浸漬される酸処理ゼ
ラチンおよびその両方の処理を経た二重浸漬ゼラチン、
酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。
【0045】写真フィルムのバック層の効果は、透過支
持体の厚みが薄くなったときに顕著になる。カートリッ
ジを小型にし、カメラを薄くするために、透過支持体を
薄くするのは大切なことである。本発明の感光材料の透
過支持体の厚みは、20μm〜150μ、好ましくは5
0μ〜100μ、より好ましくは60μ〜90μであ
る。
【0046】本バック層は1層以上の層より成る。バッ
ク層と透過支持体との間の接着力を強固にせしめるため
に少なくとも1層に高沸点有機溶剤を含有せしめること
が好ましい。この高沸点有機溶剤としては当業界でよく
知られているものはいづれも用いることができる。
【0047】例えば、フタール酸アルキルエステル(ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレートなど)、リン酸エステル(ジフエニル
フオスフエート、トリフエニルフオスフニート、トリク
レジルフオスフエート、ジオクチルブチルフオスフエー
ト、トリオクチルホスフエート、トリヘキシルホスフエ
ート、トリシクロヘキシルホスフエートなど)クエン酸
エステル(例えばアセチルクエン酸トリブチル)、安息
香酸エステル(例えば安息香酸オクチル)、アルキルア
ミド(例えばジエチルラウリルアミド)、脂肪酸エステ
ル類(例えばジブトキシエチルサクシネート、ジオクチ
ルアゼレート)、トリメシン酸エステル類(例えばトリ
メシン酸トリブチル)など、を挙げることができる。
【0048】本発明に於る高沸点有機溶剤の使用量は1
平方メートル当り0.01〜0.40g、特に0.05
〜0.30gであることが好ましい。
【0049】本発明のバック層には、さらに必要により
界面活性剤、帯電防止剤、硬膜剤、すべり剤、マット剤
染料等を含有せしめることができる。
【0050】バック層の層の数は2層以上とするのが好
ましい。透過支持体に近い層に高沸点有機溶剤を含有さ
せると、透過支持体との接着力向上に効果的である。高
沸点有機溶剤とゼラチンの比率(Wt比)は0.1〜
0.7が好ましい。また、透過支持体から遠い層にマッ
ト剤、易滑剤などを添加するのはバック面と表面の接着
防止、スベリ性の付与に効果的である。
【0051】耐傷性付与には、透過支持体から遠い層の
オイル/ゼラチン比を支持体に近い層より下げるのが効
果的である。
【0052】バック層に含有可能な帯電防止剤として
は、特に制限はないが、例えばアニオン性高分子電解質
としてはカルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を
含む高分子で例えば特開昭48−22017号、特開昭
46−24159号、特開昭51−30725号、特開
昭51−129216号、特開昭55−95942号に
記載されているような高分子である。カチオン性高分子
としては、例えば特開昭49−121523号、特開昭
48−91165号、特公昭49、24582号に記載
されているようなものがある。また、イオン性界面活性
剤もアニオン性とカチオン性とがあり、例えば特開昭4
9−85826号、特開昭49−33630号、米国特
許2,992,108号、米国特許3,206,312
号、特開昭48−87826号、特公昭49−1156
7号、特公昭49−11568号、特開昭55−708
37号などに記載されているような化合物を挙げること
ができる。
【0053】さらに特開昭62−215949に記載さ
れている含フッ素化合物、第4級窒素を有する化合物を
併用することもできる。
【0054】さらに帯電防止剤として好ましいものは、
ZnO、TiO3 、SnO2 、Al 2 3 、In
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 の中から
選ばれた少くとも1種の結晶性の金属酸化物あるいはこ
れらの複合酸化物の微粒子である。
【0055】バック層に含有可能な導電性の結晶性酸化
物又はその複合酸化物の微粒子は、その体積抵抗率が1
7 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下である。
またその粒子サイズは0.01〜0.7μ、特に0.0
2〜0.5μですることが望ましい。
【0056】前記結晶性金属酸化物あるいは複合酸化物
の微粒子の製造方法については特開昭56−14343
0号及び同60−258541号の明細書に詳細に記載
されている。第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製
し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する
方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造すると
きに導電性を向上せる為の異種原子を共存させる方法、
第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の
酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が容易で
ある。異種原子を含む例としてはZnOに対してAl、
In等、TiO2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に
対してSb、Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。異種
原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好まし
いが.0.1〜10mol%であれば特に好ましい。
【0057】凝似ズームプリントでは有効ネガ面積が小
さく、プリント時の拡大率が高いので、ネガに付着した
ゴミによるプリント品質の劣化が、通常のプリントより
大きくなる。処理後のネガの帯電が十分抑制されている
と、ゴミの付着が減少するので好ましい。従って処理液
中に流出しない帯電防止剤をバック層に含有させるのは
好ましい。
【0058】ポリマー化された帯電防止剤、水難溶性の
無機化合物などが上記の目的に有効である。また、バッ
ク層に、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウムのような無機化合物の微粒子やポリ
メチルメタクリレート、セルロースアセテートプロピオ
ネート、フッ素樹脂などの有機化合物の微粒子を含有さ
せ、ロール状態で保存したときに感光層とバック層の接
着を防止するのは好ましい。好ましいサイズは1μ〜1
0μであるバック層のマット剤量を感光層のマット剤量
より多くするのは、特に凝似ズームプリントのシャープ
ネス劣化を防止するのに有効である。好ましくは、バッ
ク層と感光層のマット剤量の比率を1.2:1以上、より
好ましくは2:1以上とする。
【0059】写真フィルムの透過支持体として有効なも
のは、例えば、セルロースエステル(特にセルロースト
リアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプ
ロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレー
ト)、ポリアミド(米国特許第2,856,385号、
2,848,439号、英国特許第542,509号)
ポリカーボネート(ベルギー特許第593,040号〜
593,047号、英国特許第853,587号、米国
特許第3,023,101号、西独特許第1,060,
710号、1,062,544号、仏国特許第1,25
9,156号)ポリエステル(特開昭48−40414
号、英国特許第789,317号、特願昭63−713
08号)(特にポリエチレンテレフタレート、ポリ−
1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リエチレン1,2−ジフエノキシエタン−4,4’−ジ
カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート金属スルホネートを有する芳香族
ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポリエステル、
金属スルホネートを有する芳香族ジカルボン酸と脂肪族
ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポリエステ
ル)、ポリスチレン(英国特許第991,702号)、
ポリプロピレン(英国特許第964,780号、BP第
921,635号)、ポリエチレン(仏国特許第1,2
64,407号)、ポリメチルペンテン、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、芳香族
ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリア
ミドイミド、ポリフェニレンオキサイド(英国特許第
1,250,206号)、ポリフェニレンサルファイド
等の半合成又は合成ポリマーからなるフィルムが挙げら
れる。
【0060】これらの透過支持体は柔軟性付与等の目的
で可塑剤を添加使用される事もある。特にセルロースエ
ステルではトリフェニルフォスフェート、ビフェニルフ
ォスフェート、ジメチルエチルフォスフェート等の可塑
剤含有物が通常である。透過支持体の厚みは、100μ
以下の場合が本発明の目的に好ましく、90μ〜50μ
の場合がさらに好ましく80μ〜60μの場合が特に好
ましい。
【0061】支持体強度は、破断強度4kg/mm2 以上、
初期弾性率150kg/mm2 以上、曲げ弾性率150kg/
mm2 以上のものが好ましい。
【0062】これら支持体ポリマーの分子量は、1万以
上のものが使用可能であるが通常は2万〜80万のもの
が使用される。
【0063】これらのポリマーを透過支持体に使用する
場合、透過支持体がいずれも疎水性の表面を有するた
め、これらの透過支持体上にゼラチンが主である保護コ
ロイドからなる写真層(たとえば感光性ハロゲン化銀乳
剤層、中間層、フィルター層など)を強固に接着させる
事は非常に困難である。この様な難点を克服するために
試みられた従来技術としては、次のものがある。 (1)薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処
理、などの表面活性化処理をしたのち、直接写真乳剤を
塗布して接着力を得る方法。 (2)一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面処
理なしで下塗層を設けたこの上に写真乳剤層を塗布する
方法。(例えば米国特許第2,693,241号、2,
764,520号、2,864,755号、3,46
2,335号、3,475,193号、3,143,4
21号、3,501,301号、3,460,944
号、3,674,531号、英国特許第788,365
号、804,005号、891,469号、日本特許特
公昭48−431、特公昭51−446等)。これらの
表面処理は、いずれも、本来は疎水性であった支持体表
面に多少共、極性基を作らせる事、表面の架橋密度を増
加させることなどによるものと思われ、その結果として
下塗液中に含有される成分の極性基との親和力が増加す
ること、ないし接着表面の堅牢度が増加すること等が考
えられる。又、下塗層の構造としても種々の工夫が行わ
れており、第1層として支持体によく接着する層(以
下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として
写真層とよく接着する親水性の樹脂層(以下、下塗第2
層と略す)を塗布する所謂重層法と、疎水性基と親水性
基との両方を含有する樹脂層を一層のみ塗布する単層法
とがある。
【0064】(1)の表面活性化処理のうちコロナ放電
処理はもっともポピュラーであり、例えば特公昭48─
5043号、特公昭47─51905号、特開昭47─
28067号、特開昭49─83767号、特開昭51
─41770号、特開昭51─131576号等に開示
された方法により行うことができる。放電周波数は50
Hz〜5000 KHz好ましくは5 KHz〜数100 KHzが適
当である。放電周波数が小さすぎると、安定な放電が得
られずかつ被処理物にピンホールが生じ好ましくない。
又周波数が高過ぎるとインピーダンスマッチングのため
の特別な装置が必要となり、装置の価格が大となり好ま
しくない。被処理物の処理強度に関しては、通常のポリ
エステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムの
濡れ性改良のためには、0.001KVA 分/m2 〜5KV
A 分/m2 、好ましくは0.01KVA /m2 〜1KVA /
2 が適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリ
アランスは0.5mm〜2.5mm好ましくは1.0mm〜
2.0mmが適当である。
【0065】多くの場合もっとも効果的な表面処理であ
るグロー放電処理は、従来知られているいずれの方法、
例えば、特公昭35─7578号、同36─10336
号、同45─22004号、同45─22005号、同
45─24040号、同46─43480号、米国特許
3,057,792号、同3,057,795号、同
3,179,482号、同3,288,638号、3,
309,299号、,同3,424,735号、,3,
462,335号、同3,475,307号、同3,7
61,299号、英国特許997,093号、特開昭5
3─129262号等を用いることができる。
【0066】グロー放電処理条件は、一般に圧力は0.
005〜20Torr、好ましくは0.02〜2Tor
rが適当である。圧力が低すぎると表面処理効果が低下
し、また圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
おこりやすく、危険でもあるし、被処理物を破壊する恐
れもある。放電は、真空タンク中で1対以上の空間を置
いて配置された金属板或いは金属棒間に高電圧を印加す
ることにより生じる。この電圧は、雰囲気気体の組成、
圧力により色々な値を取り得るものであるが、通常上記
圧力範囲内では、500〜5000Vの間で安定な定常
グロー放電がおきる。接着性を向上せしめるのに特に好
適な電圧範囲は、2000〜4000Vである。又、放
電周波数として、従来技術に見られるように、直流から
数1000 MHz、好ましくは50 MHz〜20 KHzが適当
である。放電処理強度に関しては、所望の接着性能が得
られることから0.01KVA 分/m2 〜5KVA 分/m2
好ましくは0.15KVA 分/m2 〜1KVA 分/m2 が適
当である。
【0067】次に(2)の下塗法であるがこれらの方法
はいずれもよく研究されており、重層法における下塗第
1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジ
エン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする
共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ
樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロースなど数多
くのポリマーについて、下塗り第二層では主にゼラチン
についてその特性が検討されてきた。
【0068】単層法においては多くは支持体と下塗ポリ
マーの界面混合を利用することによって良好な接着性を
達成しているケースが多く、セルロース誘導体支持体に
対しよく用いられる。セルロース誘導体に対しては表面
処理の効果が少なく、メチレンクロライド/ケトン/ア
ルコール混合系有機溶剤に分散したゼラチン液を単層塗
布し、支持体の膨潤、ゼラチンの拡散を利用した界面混
合を用いて下塗層を付与するのが最も用いられる方法で
ある。
【0069】ゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム
明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グル
タールアルデヒドなど)イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂などを挙げる
ことができる。
【0070】これら下塗液には、必要に応じて各種の添
加剤を含有させることができる。例えば界面活性剤、帯
電防止剤、アンチハレーション剤、着色用染料、顔料、
塗布助剤、カブリ防止剤等である。本発明の下塗液を使
用する場合には、レゾルシン、抱水クロラール、クロロ
フェノールなどの如きエッチング剤を下塗り液中に含有
させることもできる。
【0071】下びき層にはSiO2 、TiO2 、の如き
無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合微粒
子(1〜10μm)をマット剤として含有させることが
できる。
【0072】(塗布法)下塗液は、一般によく知られた
塗布方法、例えばディップコート法、エアーナイフコー
ト法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤー
バーコート法、グラビヤコート法、あるいは米国特許第
2,681,294号に記載のホッパーを使用するエク
ストルージョンコート法等により塗布することができ
る。必要に応じて、米国特許第2,761,791号、
同3,508,947号、同2,941,898号、及
び同3,526,528号、原崎勇次著「コーティング
工学」253頁(1973年朝倉書店発行)などに記載
された方法により2層以上の層を同時に塗布することが
できる。
【0073】写真フィルムは、透過支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層及び非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、透過支持体上に実質的に感色
性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳
剤層からなる感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン
化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色
光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性
層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
ては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に
赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
又同一感色性層中に異なる感色性層が挟まれたような設
置順もとりえる。
【0074】上記ハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各種の中間層などの非感光性層を設けて
もよい。この中間層には、特開昭61−43748号、
同59−113438号、同59−113440号、同
61−20037号、同61−20038号明細書に記
載されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれてい
てもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでい
てもよい。
【0075】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、透過支持体に向かって順次感光度
が低くなるように配列するのが好ましく、また各ハロゲ
ン乳剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。
また、特開昭57−112751号、同62−2003
50号、同62−206541号、同62−20654
3号等に記載されているように透過支持体より離れた側
に低感度乳剤層、透過支持体に近い側に高感度乳剤層を
設置してもよい。
【0076】具体例として透過支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性
層(RL)/の順、またはBH/BL/GL/GH/R
H/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/
RHの順等に設置することができる。
【0077】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、透過支持体から最も遠い側から青感
光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することも
できる。また特開昭56−25738号、同62−63
936号明細書に記載されているように、透過支持体か
ら最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RH
の順に配列することもできる。
【0078】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、透過支持体に向かって感光度が順次低
められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げ
られる。このような感光度の異なる3層から構成される
場合でも、特開昭59−202464号明細書に記載さ
れているように、同一感色性層中において透過支持体よ
り離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳
剤層の順に配置されてもよい。
【0079】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
【0080】写真フィルムの写真乳剤層に含有される好
ましいハロゲン化銀は、約30モル%以下のヨウ化銀を
含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀
である。特に好ましいのは約2モル%から約25モル%
までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀
である。
【0081】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶体を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0082】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン
以下の微粒子でも投影面積直径が約0ミクロンに至るま
での大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤
でもよい。
【0083】ハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643(197
8年12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造(Emulsi
on preparation and types)”、および同No. 1871
6(1979年11月)、648頁、グラフキデ著「写
真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P. Glafkide
s, Chemic et Pjisique Photographique, Pail Montel,
1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカ
ルプレス社刊(G. F. Duffin, (Focal Press,196
6)):ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L. Zelikman et al., Making a
nd Coarting Photographic Emulsion, FicalPress19
64)などに記載された方法を用いて調製することがで
きる。
【0084】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0085】また、アスペクト比が約5以上であるよう
な平板状粒子も使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、
フォトグラフィック・サイエンス・アンドエンジニアリ
ング(Gutoff, Photographic science and Engineerin
g)、第14巻248〜257頁(1970年);米国
特許第4,434,226号、同4,414,310
号、同4,433,048号、同4,439,520号
および英国特許第2,112,157号などに記載の方
法により簡単に調製することができる。
【0086】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子混合物を用いてもよい。
【0087】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo. 17643および同No. 18716に記載さ
れており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0088】本発明に使用可能な公知の写真用添加剤も
上記の2つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤種類 RD7643 RD18716 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 強色増感剤 649頁右欄 4 増白剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 フィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬膜剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 表面活性剤 13 スタチック防止剤 27頁 同上
【0089】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載されたホルムア
ルデヒドガスと反応して、固定化できる化合物を感光材
料に添加することが好ましい。
【0090】感光層には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロジャー(RD)No. 17643、VII −C〜Gに記載
された特許に記載されている。
【0091】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号、等に記載のものが好ま
しい。
【0092】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許4,310,619号、同第4,351,897号、
欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,4
32号、同第3,725,064号、リサーチ・ディス
クロージャーNo. 24220(1984年6月)、特開
昭60−33552号、リサーチ・ディスクロージャー
No. 24230(1984年6月)、特開昭60−43
659号、同61−72238号、同60−35730
号、同55−118034号、同60−185951
号、米国特許第4,500,630号、同第4,54
0,654号、同第4,556,630号、WO(PC
T)88/04795号等に記載のものが特に好まし
い。
【0093】シアンカプラーとしては、、フェノール系
及びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,
052,212号、同第4,146,396号、同第
4,228,233号、同第4,296,200号、同
第2,369,929号、同第2,801,171号、
同第2,772,162号、同第2,895,826
号、同第3,772,002号、第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,753,871号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。
【0094】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、米国特許第4,163,67
0号、特公昭57−39413号、米国特許4,00
4,929号、同第4,138,258号、英国特許第
1,146,368号に記載のものが好ましい。
【0095】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0096】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,173号等に記載されている。
【0097】現像時に画像状に造核剤もしくは現色促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。
【0098】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、米国特許第4,130,42
7号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,
472号、同第4,338,393号、同4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号に記載の離脱後復色する色素を放出
するカプラー、R.D.11449、同24241、特
開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出カ
プラー、米国特許第4,553,477号等に記載のリ
ガンド放出カプラー、特開昭63−75747号に記載
のロイコ色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0099】前記カプラーは、種々の公知分散方法によ
り感光材料に導入できる。例えば、水中油滴分散法に用
いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,02
7号などに記載されている。
【0100】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。 (実施例1) 1)カラーネガフィルムの作成 両側に下塗りを施した厚さ90μの三酢酸セルロースフ
ィルムを支持体上の片側に下記組成のバック層を塗設
し、さらにもう一方の側に下記組成の感光層を塗設し、
カラーネガフィルムAを作成した。
【0101】(バック層組成)各成分に対応する数字
は、g/m2 単位で表した塗布量を示す。 第16層(第1バック層) ゼラチン 4.20 EXー14 2.40 第17層(第2バック層) ゼラチン 0.80 第18層(第3バック層) ゼラチン 1.79 ポリメチルアクリレート粒子 (直径 約 1.5μm) 0.30 各層には上記の成分の他に、ゼラチン硬化剤や界面活性
剤を添加した。(膜厚8μ)
【0102】(感光層組成)各成分に対応する数字は、
g/m2 単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀につ
いては、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素につい
ては、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモ
ル単位で示す。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシル ハイドロキノン 0.18 EX−1 0.07 EX−3 0.02 EX−12 0.002 U−1 0.06 U−2 0.08 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.02 ゼラチン 1.04 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 EX−2 0.335 EX−10 0.020 U−1 0.07 U−2 0.05 U−3 0.07 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.87 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤G 銀 1.0 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-5 EX−2 0.400 EX−3 0.050 EX−10 0.015 U−1 0.07 U−2 0.05 U−3 0.07 ゼラチン 1.30 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤D 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 EX−3 0.010 EX−4 0.080 EX−2 0.097 HBS−1 0.22 HBS−2 1.10 ゼラチン 1.63 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.80 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素V 3.0×10-5 増感色素VI 1.0×10-4 増感色素VII 3.8×10-4 EX−6 0.260 EX−1 0.021 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.100 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.45 増感色素V 2.1×10-5 増感色素VI 7.0×10-5 増感色素VII 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−8 0.018 EX−7 0.026 HBS−1 0.160 HBS−3 0.008 ゼラチン 0.50 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.2 増感色素V 3.5×10-5 増感色素VI 8.0×10-5 増感色素VII 3.0×10-4 EX−13 0.015 EX−11 0.100 EX−1 0.025 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.54 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.05 EX−5 0.08 HBS−1 0.03 ゼラチン 0.95 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.08 乳剤B 銀 0.07 乳剤F 銀 0.07 増感色素VIII 3.5×10-4 EX−9 0.721 EX−8 0.042 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VIII 2.1×10-4 EX−9 0.154 EX−10 0.007 HBS−1 0.05 ゼラチン 0.78 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VIII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.07 ゼラチン 0.69 第14層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 0.05 ゼラチン 1.00 第15層(第2保護層) ポリメチルアクリレート粒子 (直径 約1.5μm) 0.54 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0103】各層には、上記の成分の他に、ゼラチン硬
化剤H−1や界面活性剤を添加した。(膜厚21μ)
【0104】
【表1】
【0105】
【化1】
【0106】
【化2】
【0107】
【化3】
【0108】
【化4】
【0109】
【化5】
【0110】
【化6】
【0111】
【化7】
【0112】
【化8】
【0113】
【化9】
【0114】
【化10】
【0115】
【化11】
【0116】
【化12】
【0117】
【化13】
【0118】
【化14】
【0119】
【化15】
【0120】
【化16】
【0121】
【化17】
【0122】
【化18】
【0123】
【化19】
【0124】
【化20】
【0125】
【化21】
【0126】
【化22】
【0127】
【化23】
【0128】
【化24】
【0129】
【化25】
【0130】
【化26】
【0131】
【化27】
【0132】
【化28】
【0133】
【化29】
【0134】
【化30】
【0135】
【化31】
【0136】カラーネガフィルムAにおいてバック層の
総膜厚が8/3μmとなるように各層均等に塗布量を変
化させてカラーネガフィルムBを作成した。さらに片側
に下塗りを施した厚さ90μの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に上記の感光層を塗設し、バック層のないカ
ラーネガフィルムCを作成した。各カラーネガフィルム
A〜Cのバック層の厚みは、次の表2に示す。
【0137】
【表2】 カラーネガフィルム バック層の厚み A 8μ B 2.7μ C 0
【0138】2)カラーネガフィルムの加工 カラーネガフィルムA、B、Cを135フォーマットの
ロールフィルムに裁断し、各々図1、図6に示すカート
リッジに巻き込み6種類の写真フィルムカートリッジを
作成した。この6種類の写真フィルムカートリッジに用
いられるカラーネガフィルムとカートリッジと組合せ
は、次の表3に示す。
【0139】
【表3】 撮影材料 カラーネガフィルム カートリッジ 101 本発明 A 図6 102 〃 B 図6 103 比較 C 図6 104 〃 A 図1 105 〃 B 図1 106 〃 C 図1
【0140】3)カメラの改造 非プレワインド方式としさらに図5ー2のカートリッジ
を装填できるようにフィルムの装填室を改造したカメラ
と非プレワインド方式とした通常のカメラ各1台を用意
した。(フジズームカルディア800)
【0141】4)撮影 2駒づつ撮影して2駒目の写真を評価用とした。撮影条
件を次に示す。 (I)前の撮影終了後直ちに2駒連続撮影 (II)前の撮影終了後25℃70%の雰囲気で24時間
経過後1駒撮影し、25℃70%の雰囲気で15分間経
過後2駒目を撮影した。撮影は、暗いくもりの明るさに
設置した一定の人口光源のもとで行った。3mの距離で
人物を撮影した。
【0142】5)現像 CNー16処理でネガを現像した。
【0143】6)プリント 通常のLサイズプリントと有効ネガ面積が1/4になる
ようにトリミングしたLサイズプリントを撮影して、画
像のシャープさを評価した。
【0144】
【表4】 〔通常のプリント〕 撮影条件 撮影材料 鮮鋭度※ (I) 101(本発明) 1 〃 102( 〃 ) 1 〃 103(比 較) 1 〃 104( 〃 ) 1 〃 105( 〃 ) 1 〃 106( 〃 ) 1 (II) 101(本発明) 1 〃 102( 〃 ) 2 〃 103(比 較) 5 〃 104( 〃 ) 3 〃 105( 〃 ) 4 〃 106( 〃 ) 6 (※ 目視評価で鮮鋭度に順位をつけた。)
【0145】
【表5】 〔凝似ズーム(2倍)プリント〕 撮影条件 撮影材料 鮮鋭度※ (I) 101(本発明) 1 〃 102( 〃 ) 1 〃 103(比 較) 1 〃 104( 〃 ) 1 〃 105( 〃 ) 1 〃 106( 〃 ) 1 (II) 101(本発明) 2 〃 102( 〃 ) 3 〃 103(比 較) 6 〃 104( 〃 ) 4 〃 105( 〃 ) 5 〃 106( 〃 ) 7 (※ 目視評価で鮮鋭度に順位をつけた。)
【0146】撮影条件(II)における鮮鋭度の差は凝似
ズームプリントにおいてより明確に認められた。表4、
表5の結果を以下に整理する。
【0147】(1)撮影条件(I)では、バック層の効
果、カートリッジの差は認められなかった。 (2)撮影条件(II)では、バック層とカートリッジの
効果がみられ、本発明のバック層とカートリッジの組合
せで鮮鋭度がすぐれることが判明した。 (3)バック層/感光層比の高い撮影材料の方が鮮鋭度
がすぐれていることが判明した。(撮影条件(II)、1
01VS102,104VS105)。一般のユーザー
は、一気に一本のフィルムを撮影することは稀である。
従って、鮮鋭度の高いプリントを約束する撮影材料10
1、102はきわめて有用である。
【0148】(実施例2)支持体の組成を三酢酸セルロ
ースから平均分子量4万の厚み80μのポリエチレンテ
レフタレートに変更した以外は撮影材料101〜106
と全く同様に作成したものを撮影材料201/206と
した。これらの撮影材料を実施例1と全く同様に比較し
た。
【0149】ポリエチレンテレフタレートを使用した場
合も、撮影条件(II)において本発明の撮影材料20
1、202から得たプリントの鮮鋭度はすぐれていた。
【0150】(実施例3)実施例2においてポリエチレ
ンテレフタレートの厚みを90μ、120μとした以外
は、実施例2と全く同様にして撮影材料301〜304
を作成した。これらの撮影材料を実施例1の撮影条件
(II)で撮影し、疑似ズームプリントを作成し、鮮鋭度
を評価した。
【0151】
【表6】 撮影材料 ベース厚み バック層 カートリッジ 鮮鋭度※ 301(本発明) 90μ 有 図6 1 302(比 較) 〃 無 図6 3 303(本発明) 120μ 有 図6 1 304(比 較) 〃 無 図6 2 (※ 目視評価で鮮鋭度に順位をつけた。)
【0152】本発明の効果はベースの厚みの薄い方が顕
著に認められることが判明した。この結果は、本発明の
バック層に、カートリッジを組み合せることによって、
凝似ズームプリントを行う場合にもベースの厚みを減少
させることが可能となり、カートリッジを小型化できる
ことを示すもので、本発明の意義深さを示すものであ
る。
【0153】(実施例4)実施例1の支持体の組成をポ
リエチレンテレフタレートから、平均分子量1万を持つ
変成ポリエチレンテレフタレート(モル比がエチレング
リコール:テレフタル酸:アジピン酸:リジウムスルフ
オネーテイドイソフタル酸=1:1:0.08:0.0
6)や平均分子量4万を持つポリカーボネートに変更し
て実施例1と同様のテストをした結果、同様の効果が得
られた。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、透過支持体の片側に総
膜厚が30μm以下の感光層を形成し、残る片側に該感
光層の総膜厚の15%以上、90%以下の膜厚を有し、
親水性ポリマーを含有するバック層を形成したから、特
に湿度の影響で写真フィルムのカールが大きくなるのを
防止し、良好な平面性を確保するから、鮮鋭度のすぐれ
たプリントを得ることができる。本発明の写真フィルム
カートリッジは、とくに凝似ズームプリントシステムに
好適である。また、写真フィルムのカールを抑制したか
ら、カートリッジからのフィルム出し入れや、カメラ内
でのフィルム給送が確実かつ容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】135フォーマットの写真フィルムカートリッ
ジをカメラに装填した状態を示す斜視図である。
【図2】カートリッジ本体を四角形状にした写真フィル
ムカートリッジの斜視図である。
【図3】カートリッジ本体の端面に突起を設けた写真フ
ィルムカートリッジの斜視図である。
【図4】カートリッジ本体の胴部に突条を形成した写真
フィルムカートリッジの斜視図である
【図5】写真フィルムカートリッジをカメラに装填した
状態を示すカートリッジ装填室の断面図である。
【図6】写真フィルムカートリッジをカメラに装填する
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ 1a カートリッジ本体 2 写真フィルム 3 フィルム出口 4 スプール軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フィルムと、この写真フィルムを収
    納するカートリッジとからなり、このカートリッジは、
    写真フィルムをロール状に巻き回すスプール軸と、写真
    フィルムを出し入れするフィルム出口を有し前記スプー
    ル軸を軸線回りに回転自在に収納するカートリッジ本体
    とから構成された写真フィルムカートリッジにおいて、 前記写真フィルムは、透過支持体の片側に総膜厚が30
    μm以下の感光層が形成され、残る片側に該感光層の総
    膜厚の15%以上、90%以下の膜厚を有し、親水性ポ
    リマーを含有するバック層が形成されていることを特徴
    とする写真フィルムカートリッジ。
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