JPH09169220A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置

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JPH09169220A
JPH09169220A JP33160395A JP33160395A JPH09169220A JP H09169220 A JPH09169220 A JP H09169220A JP 33160395 A JP33160395 A JP 33160395A JP 33160395 A JP33160395 A JP 33160395A JP H09169220 A JPH09169220 A JP H09169220A
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clutch
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braking
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Takamasa Onda
隆雅 恩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン及び変速機間の伝動系に発進用クラ
ッチ及び変速用クラッチを直列に介装した動力伝達装置
において、変速機のギヤチェンジ時、発進用クラッチの
引摺り現象をなくして、チェンジショックを防止する。 【解決手段】 ミッションケース2の一側面に制動リン
グ32を回転不能に取付け、この制動リング32に対向
する変速用クラッチCcを変速機Tの入力軸に軸方向摺
動可能に取付け、これら制動リング32及び変速用クラ
ッチCc間に、該クラッチCcの回転に伴いそれらの軸
間隙を詰める間隙排除機構36を設け、変速用クラッチ
Ccのオフ操作力により該クラッチCcを間隙排除機構
36を介して制動リング32に押しつけ、該クラッチC
cに加わる制動力により、発進用クラッチCsの引摺り
現象を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車に適用される車両用動力伝達装置に関し、特に、エン
ジンのクランク軸と変速機の入力軸との間に発進用クラ
ッチと、レリーズ機構付の変速用クラッチとを直列に介
装したものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる動力伝達装置は、例えば実公昭6
1−19940号公報に開示されているように、既に知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かゝる動力伝達装置に
おける発進クラッチは、一般に遠心クラッチが用いられ
るが、この種のクラッチは、エンジンのアイドリング
時、オフ状態となっていても、各部の摩擦に起因した引
摺り現象が生じる。このため変速機の中立状態では、エ
ンジンのクランク軸の回転が発進クラッチを介して変速
用クラッチ及び変速機の入力軸に多少とも伝達して、こ
れらを空転させることになる。そこで変速機をLow側
へチェンジ操作すると、Lowギヤ列の確立時、出力軸
側の負荷抵抗により発進用クラッチ、変速用クラッチ及
び入力軸等の回転が急停止させられ、これによりチェン
ジショックが発生し、これが乗心地を阻害する一因とな
る。
【0004】本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたも
ので、変速用クラッチのオフ操作力を利用して発進用ク
ラッチの引摺り現象を防止もしくは緩和してチェンジシ
ョックの発生を防止し得る前記車両用動力伝達装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、前記車両用動力伝達装置において、変速
機の入力軸を支持するミッションケースの一側面に制動
面を形成し、この制動面に隣接して変速用クラッチを入
力軸に軸方向摺動可能に取付け、変速用クラッチをオフ
状態にすべくレリーズ機構を操作したとき、その操作力
により変速用クラッチが前記制動面側へ押圧されて制動
力を受けるようにしたことを第1の特徴とする。
【0006】また本発明は、上記特徴に加えて、前記制
動面及び変速用クラッチ間に、それらの軸方向間隙を該
クラッチの回転に伴い詰める間隙排除機構を設けたこと
を第2の特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0008】先ず図1において、自動二輪車用パワーユ
ニットPは、エンジンEのクランク軸3を支持するクラ
ンクケース1と、変速機Tの入力軸4、出力軸5及びシ
フトドラム6を支持するミッションケース2とを一体化
して構成される。クランクケース1外に突出したクラン
ク軸3の右端部には遠心式の発進用クラッチCsが取付
けられ、またミッションケース2外に突出した入力軸4
の右端部には多板式の変速用クラッチCcが取付けら
れ、発進用クラッチCsの出力筒軸7と変速用クラッチ
Csのクラッチアウタ14とは、互いに噛合する1次減
速駆動ギヤ10a及び1次減速被動ギヤ10bを介して
連結される。また入力軸4及び出力軸5間に、シフトド
ラム6により2本のシフトフォーク12を介して作動切
換えされる4段の変速ギヤ列G1 〜G4 が構成される。
【0009】両クラッチCs,Ccは、クランクケース
1及びミッションケース2の右側面に接合されるサイド
カバー11によって覆われる。
【0010】図1及び図2において、変速用クラッチC
cは、ボス14aを入力軸4にブッシュ13を介して回
転及び軸方向摺動可能に支承させる円筒状のクラッチア
ウタ14と、このクラッチアウタ14に同心上で囲繞さ
れてボス15aを入力軸4に摺動可能にスプライン嵌合
させる円筒状のクラッチインナ15と、クラッチアウタ
14の内周面に摺動可能にスプライン係合される複数の
駆動摩擦板16と、これら駆動摩擦板16と交互に重合
されてクラッチインナ15の外周面に摺動自在にスプラ
イン係合される複数の被動摩擦板17とを備える。クラ
ッチアウタ14は、そのボス14aに連なる端壁14b
をミッションケース2の外側面に向けて配置され、この
端壁14bに突設される複数の突起18(図にはその1
個のみを示す)に前記1次減速被動ギヤ10bがダンパ
ゴム19を介して支持され、該ギヤ10bの外側面を押
える押え板20が突起18にリベット止めされる。また
クラッチインナ15は、そのボス15aがクラッチアウ
タ14のボス14a内端に当接するように配置される。
そしてこれらボス14a,15aの抜止めのために、入
力軸4先端にナット21が螺着される。
【0011】駆動及び被動摩擦板16,17群を軸方向
から挟むように、加圧板22及び受圧板23が配設され
る。即ち、加圧板22は、クラッチインナ15のボス1
5aに摺動自在に支承されて左端の駆動摩擦板16に対
面するように配置され、また受圧板23は、クラッチイ
ンナ15の右端にフランジ状に一体に形成されて右端の
駆動摩擦板16に対面するように配置される。
【0012】加圧板22には、クラッチインナ15の端
壁15bを貫通して軸方向に延びる複数の小ボス22a
(図にはその1本のみ示す)が一体に形成されており、
これら小ボス22aにレリーズ板24が固着されると共
に、このレリーズ板24を介して加圧板22を受圧板2
3に向けて付勢するクラッチばね25が装着される。
【0013】レリーズ板24の中心部にはレリーズベア
リング26のアウタレース26aが嵌着され、そのイン
ナレース26bの外端に隣接してレリーズレバー27が
配設される。
【0014】レリーズレバー27は、前記インナレース
26bの外端に当接する底有円筒状の支持筒27aと、
この支持筒27aの一側面と他側面からそれぞれ半径方
向外方へ延出するアーム27b及びカム27cとからな
っており、支持筒27aは、前記サイドカバー11に調
節ボルト29を介して取付けられた支持体30に回転及
び摺動可能に嵌合、支持される。またアーム27bは、
前記シフトドラム6を駆動するチェンジペダル軸(図示
せず)に連動連結され、カム27cは支持体30の一側
に軸支されたローラ31の外周面に接するように配置さ
れる。このカム27cは、レリーズレバー27が支持体
30の軸線周りにクラッチオフ方向へ回動されたとき、
ローラ31との協働により支持筒27aをレリーズベア
リング26側へ軸方向に押動するようになっている。而
して、レリーズ板24、レリーズベアリング26、レリ
ーズレバー27、及び支持体30は変速用クラッチCc
をオフ状態にするためのレリーズ機構Rを構成する。
【0015】図2,図4及び図5に示すように、入力軸
4の周囲においてミッションケース2の外側面に制動リ
ング32が装着される。制動リング32は、一側に欠円
部を持つU字形をなしており、入力軸4を支持するボー
ルベアリング33を収納すべくミッションケース2に形
成されたベアリングハウジング34のU字状の外端壁3
4aに回転不能に嵌合され、この制動リング32がミッ
ションケース2外側面に制動面を形成することになる。
この制動リング32及び外端壁34aの欠円部35はボ
ールベアリング33への潤滑油の誘導部となっている。
【0016】図2ないし図4に示すように、上記制動リ
ング32と、前記クラッチアウタ14の端壁14b外面
に固定された押え板20との間において間隙排除機構3
6が構成される。この機構36は、押え板20に当接す
るようにクラッチアウタ14のボス14aに軸方向摺動
可能に嵌合されるリテーナ37と、このリテーナ37に
軸方向摺動可能に嵌合されて制動リング32に対面する
スラスト板38と、このスラスト板38及びリテーナ3
7間に介装される複数の遠心ボール39とから構成され
る。
【0017】リテーナ37は、クラッチアウタ14のボ
ス14aに軸方向摺動可能に嵌合される内周壁37a
と、これを囲繞する外周壁37bと、これら周壁37
a,37bの一端同士を連結する端壁37cとからなっ
ており、その端壁37cの外側面が押え板20に対面
し、その内側面は半径方向外方へ向うに従いスラスト板
38に近づくように傾斜した緩斜面40に形成されてい
る。
【0018】スラスト板38は、リテーナ37の開放面
を閉じるようにその内周壁37aの外周面及び外周壁3
7bの内周面に摺動可能に嵌合されるもので、その内側
面には、複数の遠心ボール39が転動可能に係合する複
数のガイド溝41が放射状に形成される。
【0019】次に、この実施例の作用について説明す
る。
【0020】エンジンEのアイドリング状態では、発進
用クラッチCsはオフ状態にあるものゝ、各部の摩擦に
よる引摺り現象によるクランク軸3の回転トルクの一部
が発進用クラッチCs及び1次減速ギヤ10a,10b
を介して変速用クラッチCcに伝達し、このとき変速機
Tが中立状態にあれば入力軸4を空転させる。
【0021】この場合、変速用クラッチCcと共に軸方
向間隙排除機構36も回転するため、その内部の遠心ボ
ール39は遠心作用により半径方向外方へ移動し、リテ
ーナ37の緩斜面40を登りながらリテーナ37及びス
ラスト板38間を軸方向に開かせ、これによりリテーナ
37を押え板20に、またスラスト板38を制動リング
32にそれぞれ接触させる。こうして変速用クラッチC
c及び制動リング32間から間隙を排除する。これに伴
い上記接触部に摩擦が生じるが、遠心ボール39の重量
設定により、高速回転状態となっても、その摩擦抵抗に
より変速用クラッチCcの回転を阻害しないようになっ
ている。
【0022】次に、変速機Tの図示しないチェンジペダ
ルを中立位置からLow位置へ操作すると、その前半の
操作によりレリーズレバー27が回動され、そのカム2
7cが支持体30のローラ31から受ける反力によりレ
リーズレバー27全体が図2で左方へ移動し、その支持
筒27aがレリーズベアリング26を介してレリーズ板
24をクラッチばね25のセット荷重に抗して左動させ
るので、加圧板22も同時に左動して駆動及び被動摩擦
板16,17から圧接力を解放する。これにより変速用
クラッチCcはオフ状態となるが、このクラッチCcに
も引摺り現象が生じるため、クラッチインナ9及び入力
軸4は回転をし続けようとする。
【0023】しかしながら、レリーズレバー27の左動
力は変速用クラッチCc全体にも作用するため、入力軸
4に対し摺動可能なクラッチアウタ14及びクラッチイ
ンナ15は間隙排除機構36を制動リング32に対し強
く押しつけることになり、既に接触状態にある制動リン
グ32とスラスト板38、リテーナ37と押え板20の
各間の摩擦力が増大する。その結果、押え板20を介し
てクラッチアウタ14に制動力が加わり、その回転が停
止若しくは減速される。したがって、次いでチェンジペ
ダル軸の後半の回動によりLowギヤ列G1 が確立した
とき、出力軸5側の負荷抵抗が入力軸4に作用してこれ
を停止させても、チェンジショックの発生を回避し得
る。
【0024】特に、変速用クラッチCc及び制動リング
32間の軸方向間隙は、間隙排除機構36により常に確
実に排除されているから、レリーズレバー27の左動ス
トロークは全て加圧板22の後退に有効に働き、変速用
クラッチCcを確実にオフ状態にすることができ、同時
にそれに対する制動力を的確に得ることができる。
【0025】尚、間隙排除機構36におけるリテーナ3
7の緩斜面40は、レリーズレバー27からの左動力に
よるも遠心ボール39との摩擦力により、該ボール39
の低位側への逃げを拘束するようになっている。
【0026】Lowギヤ列G1 の確立後、チェンジペダ
ル軸を原位置に戻すと、変速用クラッチCcは再びオン
状態となる。そこで、車両のアクセル操作によりエンジ
ンEのクランク軸3の回転数を上げていけば、発進用ク
ラッチCsは半クラッチ状態を経てオン状態に移行する
ので、エンジンEの動力は発進用クラッチCs、1次減
速ギヤ10a,10b及び変速用クラッチCcを経て変
速機Tの入力軸4に伝達し、そしてLowギヤ列G1
介して出力軸5へと伝達していき、車両はスムーズに発
進していく。
【0027】以後、チェンジペダル軸の同様の操作によ
り変速機Tの他の変速ギヤG2 〜G 4 への作動切換えを
行うことができる。
【0028】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば制動リング32をミッションケース
2に鋳包みにより一体化することもできる。またリテー
ナ37及びスラスト板38の位置を左右相互に入れ替え
ることもできる。さらに発進用クラッチCsとして電磁
式の自動クラッチを用いることもできる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、変速機の入力軸を支持するミッションケースの一側
面に制動面を形成し、この制動面に隣接して変速用クラ
ッチを入力軸に軸方向摺動可能に取付け、変速用クラッ
チをオフ状態にすべくレリーズ機構を操作したとき、そ
の操作力により変速用クラッチが前記制動面側へ押圧さ
れて制動力を受けるようにしたので、変速用クラッチの
レリーズ機構の操作力を利用して変速用クラッチに制動
力を加えることにより発進クラッチの引摺り現象を防止
もしくは緩和することができ、したがって続いて行われ
るギヤチェンジの際、発進用クラッチの引摺り現象に起
因するチェンジショックの発生を防止することができ、
車両の乗心地の向上に寄与し得る。
【0030】また本発明の第2の特徴によれば、前記制
動面及び変速用クラッチ間に、それらの軸方向間隙を該
クラッチの回転に伴い詰める間隙排除機構を設けたの
で、前記制動面及び変速用クラッチ間の間隙を、各部の
加工誤差や摩耗に関係なく常に排除して、レリーズ機構
の操作量を変速用クラッチのオフ操作量としてロス無く
使用することができ、したがって常にクラッチオフ状態
が確実に得られると共に、それに対する制動力を効果的
に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動二輪車用パワーユニ
ットの要部の縦断平面図
【図2】図1における変速用クラッチ及び間隙排除機構
部の拡大図
【図3】図2の3−3線拡大断面図
【図4】図3における間隙排除機構部の分解縦断側面図
【図5】図4の5矢視図
【符号の説明】
E エンジン Cc 変速用クラッチ Cs 発進用クラッチ T 変速機 R レリーズ機構 2 ミッションケース 4 入力軸 32 制動面を構成する制動リング 36 間隙排除機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)のクランク軸(3)と変
    速機(T)の入力軸(4)との間に発進用クラッチ(C
    s)と、レリーズ機構(R)付の変速用クラッチ(C
    c)とを直列に介装した、車両用動力伝達装置におい
    て、 変速機(T)の入力軸(4)を支持するミッションケー
    ス(2)の一側面に制動面(32)を形成し、この制動
    面(32)に隣接して変速用クラッチ(Cc)を入力軸
    (4)に軸方向摺動可能に取付け、変速用クラッチ(C
    c)をオフ状態にすべくレリーズ機構(R)を操作した
    とき、その操作力により変速用クラッチ(Cc)が前記
    制動面(32)側へ押圧されて制動力を受けるようにし
    たことを特徴とする、車両用動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、 前記制動面(32)及び変速用クラッチ(Cc)間に、
    それらの軸方向間隙を該クラッチ(Cc)の回転に伴い
    詰める間隙排除機構(36)を設けたことを特徴とす
    る、車両用動力伝達装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100483939B1 (ko) * 2001-10-19 2005-04-15 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 무단 변속기 부착 동력 전달장치
KR100918545B1 (ko) * 2006-09-29 2009-09-21 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 동력 전달 장치
JP2011163488A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Honda Motor Co Ltd クラッチレリーズ機構

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JP2011163488A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Honda Motor Co Ltd クラッチレリーズ機構

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