JPH09166238A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JPH09166238A
JPH09166238A JP32534795A JP32534795A JPH09166238A JP H09166238 A JPH09166238 A JP H09166238A JP 32534795 A JP32534795 A JP 32534795A JP 32534795 A JP32534795 A JP 32534795A JP H09166238 A JPH09166238 A JP H09166238A
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JP
Japan
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sleeve
solenoid valve
valve
spool valve
pressure
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JP32534795A
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Inventor
Kenichi Kanatsu
謙一 金津
Motoyoshi Ando
元良 安藤
Kazuhiro Ezaka
和広 江坂
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Publication of JPH09166238A publication Critical patent/JPH09166238A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でかつ簡単な方法で、供給圧に対するス
プール弁移動量を無段階に調節可能な電磁弁を提供す
る。 【解決手段】 スプール弁20はスリーブ30に摺動可
能に収容されている。コイル部17の電磁吸引力、板ば
ね15の付勢力、フィードバック室36の圧力および圧
縮コイルスプリング49の付勢力の釣合いから決まるス
プール弁20の位置により、作動流体の供給圧PINは出
力圧POUT に調整される。スプール弁20の移動量は、
雄ねじ50aを有するアジャストスクリュ50を回転し
て軸方向に移動させることにより圧縮コイルスプリング
49の取付荷重を変えて調節される。アジャストスクリ
ュ50は、貫通孔37を通したかしめピンにより雄ねじ
50aを潰すことにより任意の位置で固定されるので、
圧縮コイルスプリング49の取付荷重を無段階に調節し
て出力圧POUT を高精度に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の圧力を制御
する電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気信号に応じて流体の圧力を制
御する電磁弁として、スプール弁を用いたスプール弁型
電磁弁が知られている。このようなスプール弁型電磁弁
の一例として、特開平2−129484号公報に開示さ
れた圧力調整弁がある。このものでは、供給ポート、出
力ポートおよび排出ポートを有する弁スリーブ内を軸方
向に摺動するスプール弁に、電磁石による吸引力、スプ
リング荷重および出力圧フィードバック荷重を作用さ
せ、これらの荷重をバランスさせている。これにより、
供給ポートに供給される流体の供給圧は、この流体が出
力ポートから流出するときには電磁石部への入力電気信
号に対応した出力圧に調整される。供給圧に対するスプ
ール弁の移動量の調節は、電磁石による吸引力の働く方
向とは逆方向にスプール弁を付勢するスプリングの一端
が係止される調節部材を軸方向に移動させ、これにより
スプリングの取付荷重を調整して行われる。具体的に
は、弁スリーブの一端の内周に雌ねじ部を設け、雄ねじ
が形成された調節部材としての受栓をこの雌ねじ部に螺
合する。受栓の一端にはスプリングの一端が係止されて
おり、受栓を回転させて軸方向に移動することによりス
プリングの取付荷重を調節することができる。この受栓
は、(a) スプリングの取付荷重が適切となる位置におい
て、一端が受栓に設けられた係止穴に挿入され他端が弁
スリーブに嵌合される嵌合ピンを用いて弁スリーブに固
定されるか、あるいは、(b) 受栓の外周に位置する弁ス
リーブをかしめることにより弁スリーブに固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−1
29484号公報に開示された圧力調整弁によると、上
記(a) の方法を用いて受栓を弁スリーブに固定する場合
には、この受栓を一回転させる間において、受栓を固定
可能な位置は所定間隔で配置された係止穴の固定のため
の必要個数分の箇所に限られる。このため、この受栓の
固定位置によって定められるスプリングの取付荷重を無
段階に調節することはできない。また、嵌合ピンを用い
ることにより部品点数が増加するという問題がある。
【0004】一方、上記(b) の方法を用いて受栓を弁ス
リーブに固定する場合には受栓の回転方向に対する固定
位置の制約はないので、スプリングの取付荷重を無段階
に調節することが可能である。しかし、一般に弁スリー
ブはアルミダイキャストなどの鋳造材料からなるため衝
撃に弱く、受栓を固定する際に弁スリーブをかしめると
弁スリーブが割れることがあるので歩留りが低下し、結
果的にコストが高くなるという問題がある。かしめによ
る弁スリーブの割れを防止するためには展性の高い材料
を用いて弁スリーブを製造する必要があるので、弁スリ
ーブの材料の選択自由度が低くなる。また、展性の高い
材料を用いると切削加工性が悪くなるため、供給ポート
や出力ポートなどの加工が困難となる。被かしめ性の良
いアルミ鍛造材料の削り出しにより弁スリーブを製造す
ることも考えられるが、この場合にはダイキャストに比
べて著しくコストが高くなるという問題がある。
【0005】本発明の目的は、安価でかつ簡単な方法
で、供給圧に対するスプール弁移動量を無段階に調節す
ることができる電磁弁を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の電磁弁では、調節部材を軸方向に
移動させることにより付勢手段の付勢力を調節した後、
スリーブに設けられた貫通孔または切欠を通して調節部
材を変形させることにより調節部材を固定するという手
段が採用される。これにより、例えば嵌合ピンを用いる
従来技術とは異なり、調節部材を任意の位置で固定する
ことができるので、スプリングの取付荷重を無段階に調
節することが可能である。したがって、供給圧に対する
スプール弁移動量を無段階に調節することができるので
出力圧を高精度に制御できる。また、例えばスリーブを
変形させることにより調節手段を固定する従来技術とは
異なり、請求項1記載の電磁弁ではスリーブの貫通孔ま
たは切欠から直接調節部材の外形を変形させるという手
段により調節部材を固定する。このように、スリーブを
変形させることなく調節部材を固定するため、アルミダ
イキャストなどの安価な材料からスリーブを製造して
も、スリーブに割れを生じることなく調節部材を無段階
に固定することができる。
【0007】また、請求項3記載の電磁弁では、調節部
材としてスリーブとねじ嵌合されるねじを用い、このね
じのねじ山を潰すことによりねじを位置決めし固定する
という手段が採用される。付勢手段の付勢力を調節した
後にねじ山を潰すと、スリーブに対してねじがこれ以上
回転することができなくなりねじが固定される。これに
より、調節部材を任意の位置で固定してスプリングの取
付荷重を無段階に調節することができるため出力圧を高
精度に制御することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるスプール弁型
電磁弁を図1〜図8に示す。電磁弁1は非通電時に全閉
状態となるタイプ(以下、「常閉型」という)であり、
軸方向に連結された調圧弁部9および駆動部10からな
る。図1はこの電磁弁1の全閉状態を示し、図2は全開
状態を示している。
【0009】まず、駆動部10の構成について説明す
る。ハウジング11は磁性体からなり、ハウジング11
の図1および2で左側に位置する一端には調圧弁部9が
かしめ固定されている。ハウジング11に収容されたコ
イル部17は、ハウジング11に固定された円筒状のボ
ビン172とこのボビン172に巻装されたコイル17
1とからなる。コイル171は、コネクタハウジング1
8に設けられたターミナル19に接続されている。磁性
体からなるステータコア12は、ボビン172の内径側
に嵌合されるとともに、ハウジング11の左端である反
調圧弁部9側にかしめ固定されている。
【0010】ハウジング11およびステータコア12に
は可動シャフト13が貫挿されており、可動シャフト1
3の中央部には磁性体からなる可動体14が圧入固定さ
れている。可動体14はハウジング11とステータコア
12との間に形成された可動体室8に収容され、その軸
方向両端には当接部材14a、14bが固定されてい
る。当接部材14a、14bは真鍮などの非磁性体から
なり、コイル171が励磁されたときに可動体14がハ
ウジング11またはステータコア12に吸着されること
を防止するとともに、可動体14が図1および2の左右
方向に移動したときのストッパとして機能する。
【0011】板ばね15は、可動シャフト13の反調圧
弁部9側端部に中央部が固定されている。板ばね15の
外周部は、ハウジング11の右端にステータコア12と
ともにかしめ固定された蓋部材16とステータコア12
との間に挟持されている。この板ばね15は、外力の働
かない状態では縦断面直線状であり、図1に示す状態で
は可動シャフト13を左方向に付勢し、図2に示す状態
では可動シャフト13を右方向に付勢している。
【0012】ターミナル19からコイル171に通電す
ると、ハウジング11、ステータコア12および可動体
14を通る磁気回路が形成される。この磁気回路により
生じる電磁吸引力によって可動体14が調圧弁部9側に
吸引される。これにより、可動シャフト13は調圧弁部
9側に駆動される。一方、前述のように可動シャフト1
3にはその左右方向の位置に応じて板ばね15による右
向きまたは左向きの付勢力が働いている。電磁吸引力と
板ばね15の付勢力との合力(以下、「電磁吸引力と板
ばね15の付勢力との合力」を「駆動部側付勢力」とい
う)により、可動シャフト13は当接部材14aとステ
ータコア12とが当接する位置から当接部材14bとハ
ウジング11とが当接する位置まで、コイル171に通
電される電流量に比例して移動する。
【0013】次に、調圧弁部9の構成を説明する。調圧
弁部9は、スリーブ30と、このスリーブ内を軸方向に
摺動可能な可動子としてのスプール弁20を有する。ス
リーブ30は略円筒形状であり、アルミダイキャストに
より製造される。スリーブ30の内部には、中径内壁4
1および小径内壁42により形成された摺動孔39と、
大径内壁43により形成され摺動孔39に連通するスプ
リング室38とからなりスリーブ30の軸方向に貫通す
る貫通孔が形成されている。中径内壁41、小径内壁4
2および大径内壁43は、スリーブ30の駆動部10側
端部からこの順番で設けられている。大径内壁43には
雌ねじ43aが形成されている。
【0014】中径内壁41の外周に位置するスリーブ3
0には、摺動孔39に連通しスリーブ30の外周に開口
する排出ポート31、出力ポート32および供給ポート
33が形成されている。排出ポート31、出力ポート3
2および供給ポート33は、スリーブ30の駆動部10
側からこの順番で配置されている。中径内壁41と小径
内壁42との接続部の外周に位置するスリーブ30に
は、摺動孔39に連通しスリーブ30の外周に開口する
フィードバックポート34が形成されている。排出ポー
ト31、出力ポート32、供給ポート33、およびフィ
ードバックポート34は、スリーブ30の径方向に18
0°間隔でそれぞれ二つ設けられている。また、排出ポ
ート31、出力ポート32、供給ポート33、およびフ
ィードバックポート34と摺動孔39との連通位置付近
に位置するスリーブ30の内壁には、これらの各ポート
における流体、例えば作動油の流れを円滑にするために
環状切欠部30a、30b、30c、30dが設けられ
ている。
【0015】スプール弁20は略円柱状であり、第1ラ
ンド21、この第1ランド21の反駆動部10側に設け
られており第1ランド21と同径の第2ランド22、第
1ランド21および第2ランド22よりも小径であり第
2ランド22の反駆動部10側に設けられた第3ランド
23とを有する。第1ランド21および第2ランド22
は中径内壁41に案内され、第3ランド23は小径内壁
42に案内されている。第1ランド21の反駆動部10
側に位置する端面21bと第2ランド22の駆動部10
側に位置する端面22aとの間には、スリーブ30に対
するスプール弁20の位置に応じて供給ポート33から
供給された作動油を出力ポート32および排出ポート3
1に分配するための分配室40が形成されている。端面
22aの外周部には、出力ポート32からの出力圧特性
を調節するためにノッチ22cが形成されている。ま
た、第2ランド22の反駆動部10側に位置する端面2
2bと第3ランド23の駆動部10側に位置する端面2
3aとの間には、フィードバックポート34に連通する
フィードバック室36が形成されている。スプール弁2
0は、駆動部10側に位置する一端に半球状の当接部2
4を有し、反駆動部10側に位置する他端には円柱状の
凸部25を有する。当接部24は、可動シャフト13の
一端13aに当接している。
【0016】出力ポート32から流出する作動油の出力
圧POUT は、この電磁弁1を収容する図示しないハウジ
ングに設けられた通路を経由してフィードバックポート
34からフィードバック室36に導かれる。ここで、端
面23aの受圧面積に対して端面22bの受圧面積が大
きいため、フィードバック室36の圧力、すなわち出力
ポート32から流出する作動油の出力圧POUT に応じ
て、スプール弁20は駆動部10側に付勢される。
【0017】スプリング室38の駆動部10側はスプー
ル弁20により摺動可能に封止され、反駆動部10側は
スリーブ30に固定された調節部材としてのアジャスト
スクリュ50により封止されている。アジャストスクリ
ュ50は、外周に雌ねじ43aに螺合可能な雄ねじ50
aを有し、アルミ鍛造品などの被かしめ性の良好な材料
からなる円柱状の部材である。アジャストスクリュ50
の駆動部10側端部には凸部50bが形成されている。
また、アジャストスクリュ50の反駆動部10側端部に
は、このアジャストスクリュ50の組付時にプラスドラ
イバ等によりアジャストスクリュ50を回転させるため
の十字溝50cが設けられている。雄ねじ50aの外周
に位置する部分のスリーブ30には、スプリング室38
に連通しスリーブ30の外周に開口する二つの貫通孔3
7が180°間隔で配置されている。この貫通孔37に
は、後述するかしめピン60が挿入され、このかしめピ
ン60によりアジャストスクリュ50のねじ山が潰され
る。これにより、アジャストスクリュ50がスリーブ3
0に固定される。
【0018】スプリング室38に収容された付勢手段と
しての圧縮コイルスプリング49は、その一端が凸部2
5の外周に嵌合されて第3ランド23の反駆動部10側
の端面23bに係止されており、他端が凸部50bの外
周に嵌合されてアジャストスクリュ50の駆動部10側
の端面50dに係止されている。圧縮コイルスプリング
49の圧縮量は端面23bから端面50dまでの距離L
0 によって決まり、この圧縮量によって定められる取付
荷重をもって圧縮コイルスプリング49はスプール弁2
0を駆動部10側に付勢し、当接部24を可動シャフト
13の一端13aに当接させている。
【0019】これにより、当接部材14aとステータコ
ア12とが当接する図1に示す位置から当接部材14b
とハウジング11とが当接する図2に示す位置まで、ス
プール弁20はスリーブ30内を移動可能である。そし
て、スリーブ30内におけるスプール弁20の位置は、
圧縮コイルスプリング49による駆動部10側への付勢
力およびフィードバック室36の出力圧による駆動部1
0側への付勢力(以下、「圧縮コイルスプリング49に
よる駆動部10側への付勢力およびフィードバック室3
6の出力圧による駆動部10側への付勢力」を「調圧弁
部側付勢力」という)と駆動部側付勢力とが釣合う位置
となる。
【0020】圧縮コイルスプリング49の取付荷重の調
整方法をより詳細に説明する。図3に示すように、スプ
ール弁20を収容したスリーブ30の左端開口部から圧
縮コイルスプリング49を挿入する。次いで、アジャス
トスクリュ50の雄ねじ50aを雌ねじ43aに螺合す
る。十字溝50cにプラスドライバ等を嵌合してアジャ
ストスクリュ50を回転させることにより、スリーブ3
0内でアジャストスクリュ50を軸方向に移動させるこ
とができる。これにより、端面23bから端面50dま
での距離L0 を調節して圧縮コイルスプリング49の取
付荷重を調整する。
【0021】圧縮コイルスプリング49の取付荷重を所
定値に調整したのち、図4に示す貫通孔37に、図5に
示すようにかしめピン60を通し、このかしめピン60
を用いてアジャストスクリュ50の外周に形成された雄
ねじ50aのねじ山を潰す。これにより、アジャストス
クリュ50をこれ以上回転させることができなくなるた
め、アジャストスクリュ50がスリーブ30に固定さ
れ、アジャストスクリュ50の緩みなどにより圧縮コイ
ルスプリング49の取付荷重が変化することが防止され
る。
【0022】上記の方法によると、アジャストスクリュ
50は回転方向の任意の位置で固定できるため、圧縮コ
イルスプリング49の取付荷重を無段階に調節すること
ができる。また、アジャストスクリュ50の固定は、貫
通孔37を通じて被かしめ性の良い材料からなるアジャ
ストスクリュ50を直接変形させることにより行われる
ため、スリーブ30に割れなどを生じることはない。
【0023】この電磁弁1の作動について説明する。供
給ポート33に供給圧PINをもつ作動油が供給される
と、この作動油は供給ポート33から第2ランド22と
スリーブ30との間の隙間を通って第1ランド21と第
2ランド22との間の空間に流入し、出力ポート32お
よび排出ポート31に分配されてスリーブ30から流出
する。このとき、作動油の出力ポート32および排出ポ
ート31への分配比はスリーブ30に対するスプール弁
20の位置により定められる。
【0024】スプール弁20が最も右側に位置する図1
に示す状態は電磁弁1の全閉状態であり、端面22aと
供給ポート33との間の距離は最大であり端面21bと
排出ポート31との距離は最小であるため、排出ポート
31から流出する作動油の割合は最大である。これに対
して、スプール弁20が最も左側に位置する図2に示す
状態は電磁弁1の全開状態であり、端面22aと供給ポ
ート33との間の距離は最小であり端面21bと排出ポ
ート31との距離は最大であるため、排出ポート31か
ら流出する作動油の割合は最小である。この全閉状態と
全開状態との間では、コイル171の電流値により前述
のように調圧弁部側付勢力と駆動部側付勢力とが釣合う
位置にスプール弁20を移動させて電磁弁1の開度を比
例制御する。このようにして、電磁弁1を通過すること
により作動油の圧力は供給圧PINから出力圧POUT に調
節される。
【0025】本発明の第1実施例による電磁弁1の特性
を図7に示す。図7において右端が電磁弁1の全閉状態
であり、左端が電磁弁1の全開状態である。図7(A)
は、スプール弁20の位置に対する出力圧POUT の関係
を示す。左側部分において出力圧曲線の傾きが急になっ
ているのは、第2ランド22にノッチ22cが設けられ
ているためである。
【0026】図7(B)は、スプール弁20の位置に対
する駆動部側付勢力の関係をコイル171に通電される
電流値毎に示す。i1 、i2 、i3 はコイル171に通
電される電流値であり、i1 <i2 <i3 となってい
る。ここで、中電流i2 および大電流i3 のときに比べ
て低電流i1 のときには駆動部側付勢力の値が小さいた
め、板ばね15のばね定数の影響を受けて低電流i1
ときのストロークに対する駆動部側付勢力直線は右上が
りとなる。
【0027】一般に、出力圧曲線の傾きおよび駆動部側
付勢力直線の傾きをフラットに近くすると、出力圧P
OUT のばらつきが小さくなることが知られている。図7
において、圧縮コイルスプリング49の取付荷重がFs
(a)およびFs(b)のときの出力圧POUT はそれぞれP
1(a)およびP1(b)となり、この間にはΔP1 の圧力差が
生じる。したがって、低電流i1 における出力圧POUT
のばらつきを小さくするためには、アジャストスクリュ
50の軸方向位置により圧縮コイルスプリング49の取
付荷重を微調整する必要がある。
【0028】本発明の第1実施例によると、前述のよう
にアジャストスクリュ50を任意の位置で固定すること
ができるので、圧縮コイルスプリング49の取付荷重を
無段階に調節することが可能である。したがって、低電
流i1 においても出力圧POU T のばらつきを抑えて出力
圧POUT を高精度に制御することができる。なお、上記
第1実施例ではスリーブ30に設けた貫通孔37を通し
てアジャストスクリュ50の外形を変形させる方法につ
いて説明したが、図6に示すように、スリーブ30に貫
通孔に替えて切欠56を設け、この切欠56を通じてか
しめピン60によりアジャストスクリュ50を変形させ
てもよい。
【0029】また、上記第1実施例では電磁弁1により
圧力を制御される流体として作動油を用いる例について
説明したが、この流体は気体でもよい。 (第2実施例)本発明の第2実施例のスプール弁型電磁
弁を図8および図9に示す。第1実施例と同一の符号は
実質的に同一の構成部分を示す。
【0030】電磁弁2は非通電時に全開状態となるタイ
プ(以下、「常開型」という)であり、図8はこの電磁
弁2の全開と全閉との間の中間状態を示す。アルミダイ
キャストからなるスリーブ30には、小径内壁142お
よび中径内壁141により摺動孔139が形成されてい
る。小径内壁142および中径内壁141は、駆動部1
0側からこの順に形成されている。スプリング室38
は、摺動孔139の反駆動部10側に大径内壁43によ
り形成され摺動孔139に連通している。
【0031】中径内壁141の外周に位置するスリーブ
30には、摺動孔139に連通しスリーブ30の外周に
開口する供給ポート133、出力ポート132および排
出ポート131が駆動部10側からこの順番に配置され
ている。中径内壁141と小径内壁142との接続部の
外周に位置するスリーブ30には、摺動孔139に連通
しスリーブ30の外周に開口するフィードバックポート
134が形成されている。このうち、出力ポート132
はスリーブ30の径方向に180°間隔で二つ設けられ
ている。
【0032】スプール弁20は略円柱状であり、小径内
壁142に案内される第1ランド121と、中径内壁1
41に案内される第2ランド122および第3ランド1
23とを有する。第2ランド122と第3ランド123
とは同径であり、駆動部10側からこの順番で設けられ
ている。第1ランド121と第2ランド122との間に
は、供給ポート133から供給された作動油を出力ポー
ト132および排出ポート131に分配するための分配
室140が形成されている。分配室140に面した第2
ランド122の端面の外周部にはノッチ122aが設け
られている。
【0033】第1ランド121と第2ランド122との
間には、フィードバックポート134に連通するフィー
ドバック室136が形成されている。出力ポート132
から流出する作動油の出力圧POUT はフィードバック室
136に導かれる。この第2実施例では、第1ランド1
21の受圧面積に対して第2ランド122の受圧面積が
大きい。このため、フィードバック室136の圧力に応
じてスプール弁20が駆動部10側に付勢された第1実
施例とは異なり、第2実施例ではフィードバック室13
6の圧力に応じてスプール弁20が反駆動部10側に付
勢される。したがって、圧縮コイルスプリング49に
は、駆動部10側付勢力に加えてフィードバック室13
6の圧力と釣合うだけの大きな取付荷重が必要となる。
このため、アジャストスクリュ50の軸方向移動量に対
する圧縮コイルスプリング49の取付荷重の変化も大き
くなる。
【0034】第2実施例の電磁弁2によると、第1実施
例と同様に、アジャストスクリュ50を回転させて軸方
向に移動させることにより圧縮コイルスプリング49の
取付荷重を調整し、その後、貫通孔37を通してアジャ
ストスクリュ50のねじ山を潰すことによりアジャスト
スクリュ50を固定する。これにより、アジャストスク
リュ50を任意の位置で固定できるため、圧縮コイルス
プリング49の取付荷重を無段階に調節することができ
る。したがって、出力圧POUT をより高精度に制御する
ことができる。この第2実施例では、前述のようにアジ
ャストスクリュ50の軸方向移動量に対する圧縮コイル
スプリング49の取付荷重の変化が大きいため、圧縮コ
イルスプリング49の取付荷重を無段階に調節できるこ
とによる効果は第1実施例に比べて大きい。
【0035】当接部材14aがステータコア12に当接
するとき、スプール弁20は最も右側位置にあり電磁弁
2は全開状態である。また、当接部材14bがハウジン
グ11に当接するとき、スプール弁20は最も左側位置
にあり電磁弁2は全閉状態である。この全閉状態と全開
状態との間では、コイル171の電流値により調圧弁部
側付勢力と駆動部側付勢力とが釣合う位置にスプール弁
20を移動させて電磁弁2の開度を比例制御する。この
ようにして、電磁弁2を通過することにより作動油の圧
力は供給圧PINから出力圧POUT に調節される。
【0036】本発明の第2実施例による電磁弁2の特性
を図9に示す。図9において右端が電磁弁2の全開状態
であり、左端が電磁弁2の全閉状態である。図9(A)
は、スプール弁20の位置に対する出力圧POUT の関係
を示す。右側部分において出力圧曲線の傾きが急になっ
ているのは、第2ランド122にノッチ122aが設け
られているためである。このように、第2実施例の電磁
弁2では、図7に示す第1実施例の電磁弁1に比べて、
低電流i1 における出力圧曲線の傾きが急になってい
る。
【0037】図9(B)は、スプール弁20の位置に対
する駆動部側付勢力の関係をコイル171に通電される
電流値毎に示す。図9において、圧縮コイルスプリング
49の取付荷重がFs(a)およびFs(b)のときの出力圧P
OUT はそれぞれP2(a)およびP2(b)となる。図7に示す
第1実施例の常閉型電磁弁1と比較すると、第2実施例
の常開型電磁弁2では圧縮コイルスプリング49の圧力
差ΔFs に対する出力圧の差ΔP2 がより大きいことが
判る。これは、前述のように第2実施例の電磁弁2で
は、図7に示す第1実施例の電磁弁1に比べて、低電流
1 における出力圧曲線の傾きが急なためである。した
がって、第2実施例の電磁弁2においては、圧縮コイル
スプリング49の取付荷重を無段階に調節することは、
低電流i1のときの出力圧POUT のばらつきを小さくす
る上でより効果的である。
【0038】本発明の第2実施例によると、前述のよう
にアジャストスクリュ50を任意の位置で固定すること
ができるので、圧縮コイルスプリング49の取付荷重を
無段階に調節することが可能である。そのため、低電流
1 においても出力圧POUTのばらつきを抑えて出力圧
OUT を高精度に制御することができる。なお、上記第
1および第2実施例では本発明をスプール弁型の電磁弁
に適用したが、本発明をポペット弁型電磁弁に適用した
場合にも同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による電磁弁の全閉状態を
示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による電磁弁の全開状態を
示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による電磁弁において、圧
縮コイルスプリングの組付方法を示す分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例による電磁弁の貫通孔を示
す側面図である。
【図5】本発明の第1実施例による電磁弁のアジャスト
スクリュの固定方法を示すもので、図4のV−V線断面
図である。
【図6】本発明の第1実施例による電磁弁の変形例を示
す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施例による電磁弁の特性を示す
特性図である。
【図8】本発明の第2実施例による電磁弁の中間状態を
示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施例による電磁弁の特性を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 電磁弁 2 電磁弁 9 調圧弁部 10 駆動部 11 ハウジング 12 ステータコア 13 可動シャフト 14 可動体 14a 当接部材 14b 当接部材 15 板ばね 17 コイル部 20 スプール弁(可動子) 21 第1ランド 22 第2ランド 23 第3ランド 30 スリーブ 31 排出ポート 32 出力ポート 33 供給ポート 34 フィードバックポート 36 フィードバック室 37 貫通孔 40 分配室 41、141 中径内壁 42、142 小径内壁 43 大径内壁 49 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 50 アジャストスクリュ(調節部材) 50a 雄ねじ 56 切欠

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁吸引力を受ける可動子と、前記可動
    子を軸方向に往復移動可能に収容するスリーブと、前記
    可動子の移動量を制限する付勢手段と、前記スリーブ内
    を軸方向に移動可能であり前記付勢手段の一端を係止す
    る調節部材を備えた電磁弁であって、 前記調節部材を軸方向に移動させることにより前記付勢
    手段の付勢力を調節した後、前記スリーブに設けられた
    貫通孔または切欠を通して前記調節部材を変形させるこ
    とにより前記調節部材を固定することを特徴とする電磁
    弁。
  2. 【請求項2】 前記電磁弁はスプール弁またはポペット
    弁構造を有することを特徴とする請求項1記載の電磁
    弁。
  3. 【請求項3】 前記調節部材は前記スリーブとねじ嵌合
    されるねじであって、前記貫通孔または前記切欠を通し
    て前記ねじのねじ山を潰すことにより前記ねじを位置決
    めし固定することを特徴とする請求項1または2記載の
    電磁弁。
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