JP2700563B2 - 両座電磁弁 - Google Patents

両座電磁弁

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JP2700563B2
JP2700563B2 JP22047088A JP22047088A JP2700563B2 JP 2700563 B2 JP2700563 B2 JP 2700563B2 JP 22047088 A JP22047088 A JP 22047088A JP 22047088 A JP22047088 A JP 22047088A JP 2700563 B2 JP2700563 B2 JP 2700563B2
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孝司 市橋
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は2つの対向する弁座を備えた電磁弁すなわち
両座電磁弁に関する。
[従来の技術] 両座電磁弁の基本的な構成は以下の通りである。ハウ
ジングに弁室が形成され、この弁室を画成する一対の対
向する面にそれぞれ一対の弁孔が形成されている。弁室
は制御ポートを介してアクチュエータに接続され、一方
の弁孔は供給ポートを介してポンプに接続され、他方の
弁孔は排出ポートを介してタンクに接続されている。弁
室内には弁体が収容されており、この弁体が上記一方の
弁孔の周囲に形成された弁座から離れ他方の弁孔の周囲
に形成された弁座に当接した時には、制御ポートが供給
ポートと連通され排出ポートと遮断される。これとは逆
に弁体が上記一方の弁座に当接した時には、制御ポート
が供給ポートと遮断され排出ポートと連通される。弁体
の移動はハウジングに設けられたコイルスプリングとこ
のコイルスプリングに対向した力を生じるソレノイド駆
動装置によって行なわれる。
両座電磁弁として、いわゆるボールタイプ,フラット
タイプ,コーンタイプが知られている。ボールタイプの
両座電磁弁は、特公昭49−10371号および特開昭60−532
89号に示されるように、ボール形状の弁体を用いてい
る。フラットタイプの両座電磁弁は、実開昭61−140297
号に示されるように、一対の弁座およびこの弁座に当接
する弁体の一対の当接面がそれぞれ弁体の軸芯と直交す
る平坦面からなる。コーンタイプの両座電磁弁は、特開
昭60−44671号に示されるように、一対の当接面が円錐
面からなる弁体を用いている。
上記ボールタイプとコーンタイプの両座電磁弁は、デ
ューティ制御による圧力制御に多用されている。すなわ
ち、ソレノイド駆動装置にデューティ制御されたパルス
状の駆動電流が供給されると、駆動電流のデューティ比
に対応して両弁座と弁体の一対の当接面との間の流通断
面積が決定され、これにより制御ポートに接続されアク
チュエータへの作動流体圧力が決定されるのである。
特に、上記公報に記載されたコーンタイプの両座電磁
弁では、弁体に作動流体の圧力が付与されることに起因
して生じる互いに逆向きの軸方向の力が相殺され、弁体
は作動流体の圧力とほぼ無関係にコイルスプリングとソ
レノイド駆動装置の力により移動されるため、応答性が
良い。したがって比較的高い周波数でのデューティ制御
に適している。
[発明が解決しようとする課題] ところで、デューティ制御による圧力制御をする場
合、弁体の当接面と弁座との間の流通断面積が小さい状
態では、作動流体の流れが極端に制限されるため、弁体
の変位と制御ポートの圧力との関係がリニアではなく、
したがってデューティ比と制御ポートの圧力との関係も
リニアでない。
上記コーンタイプの両座電磁弁では、このようなリニ
ア関係をもたらさない流通断面積の範囲を越えるため
に、弁体をいずれか一方の弁座に着座した位置から比較
的大きく変位させる必要がある。なぜなら、弁体の当接
面が弁体の軸芯に対して傾斜しているため、弁体の変位
量に対する流通断面積の変化が小さいからである。
したがって、コーンタイプの両座電磁弁では、デュー
ティ比が0%からある値以下までの比較的広い範囲およ
び他のある値以上から100%までの比較的広い範囲で
は、デューティ制御による圧力制御が不可能である。言
い替えれば、制御ポートの圧力をリニアに制御できるデ
ューティ比のダイナミックレンジ(上記2つのある値に
より決定される)の範囲が狭いのである。このため、デ
ューティ比の一定の変化分に対して制御ポートの圧力変
化分を大きくせざるを得ず、この結果、高精度に圧力制
御をするのが困難であった。
[課題を解決するための手段] 本発明の目的は、比較的高い周波数でのデューティ制
御に適するとともに、デューティ引の広いダイナミック
レンジで圧力制御を行なうことができる両座電磁弁を提
供することにある。
本発明の要旨は、次の構成を備えた両座電磁弁にあ
る。
a)ハウジング。このハウジングは、次の構成を有す
る。
i)圧力を付与された作動流体が供給される供給ポー ト。
ii)作動流体が排出される排出ポート。
iii)制御対象に接続される制御ポート。
iv)弁室。この弁室は上記制御ポートに接続されてい
る。
v)真っ直ぐに延びるガイド孔。このガイド孔の一端 は上記弁室に開口する。
vi)第1弁座。この第1弁座は、ガイド孔の弁室側 の周縁を囲み、ガイド孔の軸芯に対して直交した平坦面
からなる。
vii)上記弁室に開口する弁孔。この弁孔は上記排 出ポートに接続される。
viii)第2弁座。この第2弁座は、弁孔の弁室側周 縁を囲み、ガイド孔の軸芯に対して直交した平坦面から
なる。第2弁座は第1弁座と弁室を介して対向してい
る。第2弁座の内周縁によって囲われる面積は、第1弁
座の内周縁によって囲われる面積より小さい。
b)ガイド孔内においてこれと同軸をなして往復動可能
な弁体。この弁体は次の構成を有している。
i)上記ハウジングのガイド孔の内周面に接するラ ンド部。
ii)一端がランド部に同軸をなして連結されたステ ム部。このステム部の径はガイド孔の径より小さく、ス
テム部の外周面とガイド孔の内周面との間には環状の隙
間が形成されている。この環状の隙間は、上記供給ポー
トと接続される。
iii)上記ステム部の他端に同軸をなして連結され た弁部。この弁部は、上記弁室内に配置され、その両端
にそれぞれその軸芯と直交する平坦面からなる環状の第
1当接面と第2当接面を備えている。第1当接面は第1
弁座に対向しており、両者が離れている時には、供給ポ
ートを上記環状の隙間および弁室を介して制御ポートに
接続する。第2当接面は第2弁座に対向しており、両者
が離れている時には、制御ポートを上記弁室および弁孔
を介して排出ポートに接続する。上記第1,第2の当接面
の外周縁によって囲われる面積は、上記第1,第2の弁座
の内周縁によって囲われる面積よりそれぞれ大きい。ま
た、第2当接面の外周によって囲われる面積は、第1当
接面の外周縁によって囲われる面積より小さい。
c)ハウジングに収容され、上記弁体を軸方向に付勢す
るコイルスプリング。
d)ハウジングに設けられ、上記コイルスプリングに対
向する力を弁体に付与するソレノイド駆動手段。
[作用] 弁体が第1弁座に当接し、制御ポートと供給ポートと
の間が遮断されている時には、供給ポートの作動流体圧
力がガイド孔の内周面と弁体の間の環状の隙間に供給さ
れる。この状態では、環状の隙間の両端に位置する弁体
の受圧部に作動流体圧力が付与されるため、作動流体圧
力に起因して弁体に付与される力が相殺される。
また、弁体が第2弁座に当接して制御ポートと排出ポ
ートが遮断された時には、上記環状隙間のみならず弁室
にも供給ポートの作動流体圧力が付与される。この状態
では、弁体の第1当接面が作動流体圧力を受けることに
より弁体には第2弁座方向への力が付与される。しか
し、第2当接面の外周によって囲われる面積が第1当接
面の外周縁によって囲われる面積より小さいので、弁体
の弁部には作動流体圧力に起因した第1弁座方向への力
も付与される。これら2つの力は互いに打ち消し合うよ
うに働く。
上記のように、弁体には、作動流体圧力に起因した弁
体移動を鈍らせるような力が生じないか抑制されるの
で、弁体の応答性が良好であり、比較的高い周波数での
デューティ制御が可能になり、制御ポートの圧力を安定
させることができる。
また、第1,第2の弁座および弁体の第1,第2の当接面
が、弁体の軸芯と直交する平坦面からなるので、弁体の
変位量に対する弁座と当接面との間の流通断面積の変化
がボールタイプやコーンタイプに比べて大きい。このた
め、弁体の着座位置からの変位両が比較的少なくても、
作動流体の流通を極端に制限する流通断面積の範囲から
脱することができ、この結果、制御ポートの圧力をリニ
アに制御できるデューティ比のダイナミックレンジを広
くすることができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図を参照して説明す
る。ハウジング1は、互いに同軸をなして連結されたそ
れぞれ筒状をなすボデイ10とケーシング20を備えてい
る。
ボデイ10は、図において右側の小径筒部11と左側の大
径筒部12と、両者を連ねる肩部13と、大径筒部12の左端
から径方向外側に延びる鍔部14とを備えている。ボデイ
10には、軸方向に延びるとともに左方向に向かって径が
拡大する段付孔15が形成されており、この段付孔15は右
から順に第1部分15a,第2部分15b,第3部分15cを有し
ている。
段付孔15の右端部に位置する小径の第1部分15aは、
供給ポートとして供されている。また、ボデイ10の肩部
13にはボデイ10の軸芯と平行な複数の制御ポート16が形
成されている。制御ポート16の一端は肩部13の外端面に
開口し、他端は段付孔15の左端部の第3部分15cに連な
っている。
ボデイ10には、図示しない継手が取り付けられてお
り、この継手を介して供給ポート15aと制御ポート16
は、それぞれポンプPおよびクラッチ駆動用のシリンダ
等のアクチュエータAに接続されている。
他方、ケーシング20は、大径部21と小径部22とを有し
ており、大径部21の右端の周縁部をかしめてボデイ10の
鍔部14に係合させることにより、ボデイ10とケーシング
20が連結されている。ケーシング20の小径部22には、筒
部材23がねじ込まれており、この筒部材23の軸芯に沿っ
て形成された孔23aが、排出ポートとして供され、タン
クTに接続されている。
上記ボデイ10の段付孔15の中間に位置する第2部分15
bから左端部の第3部分15cにわたり、ハウジング1の一
部を構成する筒状のガイドシリンダ30が収容されてお
り、また第3部分15cの左端にはハウジング1の一部を
構成するディスク40がガイドシリンダ30と同軸をなして
収容されている。
ガイドシリンダ30は、右側の小径筒部31と左側の大径
筒部32と、両者を連結する肩部33を備えている。小径筒
部31により囲われた内部空間34は後述する弁体50のため
のガイド孔または弁孔として供され、大径筒部32と肩部
33とデイスク40とで囲われた内部空間35は弁室として供
される。上記肩部33と大径筒部32との連結角度には切欠
36が形成されており、この切欠36を介して弁室35が制御
ポート16に接続されている。
ガイドシリンダ30の小径筒部31はボデイ10の段付孔15
の第2部分15bに収容されており、小径筒部31の外径が
第2部分15bの内径より小さいため、両者の間に環状の
隙間37が形成されている。更に小径筒部31には肩部33の
近傍において複数の孔31aが形成されている。
ガイドシリンダ30の肩部33の内側の端面(左側の端
面)は、ガイド孔34の軸芯および後述する弁体50の軸芯
と直交しており、その端面の内、ガイド孔34の弁室35側
の周縁を囲む環状の部分38が、第1弁座として供されて
いる。
他方、デイスク40の中央には弁孔41が形成されてい
る。デイスク40の第1弁座38に対向する面は、後述する
弁体50の軸芯と直交しており、この面の内、弁孔41の周
縁を囲む環状の部分42が、第2弁座として供されてい
る。
上記デイスク40の弁孔41の径すなわち第2弁座42の内周
縁の径d2は、ガイドシリンダ30のガイド孔34の径すなわ
ち第1弁座38の内周縁の径d1よりも小さい。
ガイドシリンダ30には、弁体50が軸方向に移動可能に
支持されている。弁体50は、右から順に互いに同軸をな
すランド部51、ステム部52、弁部53を備えている。弁体
50のランド部51およびステム部52は、ガイドシリンダ30
のガイド孔34内に配置され、弁体50の弁部53は弁室35内
に配置されている。
弁体50のランド部51の径D1は、ガイド孔34の径d1と実
質的に等しく、このため、ランド部51がガイド孔34の内
周面に接している。したがって、弁体50はガイド孔34と
軸芯を一致させながら、軸方向に移動可能になってい
る。
弁体50のステム部52の径D2はガイド孔34の径d1より小
さいため、ステム部52とガイド孔34の内周面との間に環
状の隙間55が形成されている。この環状の隙間55は、前
述したガイドシリンダ30の孔31a、およびガイドシリン
ダ30とボデイ10との間に形成された環状の隙間37とを介
して、供給ポート15aに接続されている。
弁体50の弁部53は、第1弁座38側の大径部53aと第2
弁座42側の小径部53bとを有している。弁部53の第1弁
座38,第2弁座42に対向する平坦な両端面は、弁体50の
軸芯と直交しており、その外側の環状部分56,57が各弁
座38,42に対する第1,第2の当接面となっている。
弁部53の大径部53aの外径すなわち第1当接面56の外
径D3は、第1弁座38の内径d1より大きくなっていて、第
1弁座38と第1当接面56の接触代を確保している。ま
た、弁部53の小径部53bの外径すなわち第2当接面57の
外径D4は、第2弁座42の内径d2より大きくなっていて、
第2弁座42と第2当接面57の接触代を確保している。
上記弁部53の大径部53aと小径部53bとの境の段は、弁
体5の軸芯と直交する環状の受圧面58によって形成され
ている。
弁体50には軸芯に沿って段付孔59が形成されており、
この段付孔59の大径部には圧縮状態のコイルスプリング
60が収容されている。このコイルスプリング60の一端は
段付孔59の段に係止され、他端はガイドシリンダ30の小
径部31に取り付けられた閉塞板61に当たっている。コイ
ルスプリング60の力で、弁体50は第2弁座42方向に付勢
されている。
上記弁体50は、前述のケーシング20に収容されたソレ
ノイド駆動装置70により、移動制御される。このソレノ
イド駆動装置70は、ステータ71とアーマチャ72とコイル
73とを有している。
ソレノイド駆動装置70のステータ71は、円筒部71aと
鍔部71bとを有している。前述のボデイ10とケーシング2
0との連結は、ステータ71の鍔部71bの周縁部がケーシン
グ20の大径部21に形成された段21aとボデイ10の鍔部14
に挟まれた状態で行なわれるため、ステータ71がハウジ
ング1内に固定される。更に、ステータ71が鍔部71bと
ボデイ10の肩部13の内端面との間にデイスク40とガイド
シリンダ30の大径部32が挟まれるため、これらデイスク
40とガイドシリンダ30が、ボデイ10とケーシング20内に
固定される。
ソレノイド駆動装置70のアーマチャ72は、非磁性のガ
イド筒74に案内されて軸芯方向に往復動可能である。ガ
イド筒74の外周にはコイル3が配置されており、その励
磁によりアーマチャ72が図中右方向に移動される。ステ
ータ71の筒71aにはアーマチャ72の弁体50との間の力の
伝達を行なうロッド75が軸方向に移動可能に収容されて
いる。アーマチャ72のステータ71と筒部材23との間での
最大移動ストロークは、弁体50の弁部53が弁座38,42間
で移動するストロークに比べて若干大きい。アーマチャ
72には収容凹部72aが形成されており、アーマチャ72の
ガタを防ぐ弱いコイルスプリング76が収容されている。
デイスク40の弁孔41は、ステータ71の外周に形成され
たスリット71cおよびアーマチャ72に形成されたスリッ
ト72bおよび筒部材23の端部に形成された複数の孔23bを
介して、排出ポート23aに接続されている。
上記コイル73は制御回路80に接続されている。この制
御回路80は、パルス状の駆動電流を供給する。この駆動
電流のパルスは比較的高い周波数たとえば50Hzで出力さ
れ、その幅が変調されることにより、0%から100%の
範囲のデューティ比の駆動電流が供給される。
上記構成において、コイル73に駆動電流が供給されな
い時、また駆動電流のデューティ比が0%の時には、第
1図に示すようにコイルスプリング60の力により弁体50
は左方向に移動し、その第2当接面57が第2弁座42に当
接して弁孔41を閉じており、第1当接面56が第1弁座38
から最大限離れていてガイド孔34を開いている。このた
め制御ポート16は、排出ポート23aと遮断され供給ポー
ト15aと連通されているため、ポンプPからの供給圧力P
sをそのまま供給される。この状態で供給圧力Psが弁体5
0に与える力について考察してる。弁体50の弁部53の右
端面からなる受圧面積と、弁体50のランド部51とステム
部52との境の段面からなる受圧面積との差異により、弁
体50には、コイルスプリング60の力と同方向の力F1が生
じる。この力F1は次式で表わされる。
F1=Ps(D3 2−D1 2)π/4 …(1) しかし、本発明の両座電磁弁では弁体50に受圧面58が
上記供給圧力Psを受けることにより、弁体50は上記力F1
とは逆向きの力F2を受ける。この力F2は次式で表わされ
る。
F2=Ps(D3 2−D4 2)π/4 …(2) この結果、供給圧力によって生じる弁体50の軸方向の
合計の力Ft(左方向を正とする)は次の式で表わされ
る。
Ft=F1−F2=Ps(D4 2−D1 2)π/4 …(3) 弁体50には、上記供給圧力Psに起因する軸方向の力
と、コイルスプリング60の力Fpが加わるから、第2当接
面57は次式で表わされるセット力F0で第2弁座42に当接
している。
F0=Fp+Ft …(4) 上記の式(3)から明らかなように、弁部53の小径部
53bの径D4がランド部51の径D1と等しい場合には、Ft=
0となるから、セット力F0=Fpとなる。
また、弁部53の小径部53bの径D4がランド部51の径D1
より小さい場合には、供給圧力Psに起因する力Ftは負の
値となる。すなわち、力Ftがコイルスプリング60の力Fp
を打ち消す方向に働く。このため、セット力F0はコイル
スプリング60の力Fpより小さくなる。
弁部53の小径部53bの径D4は、Fp=Ftになるまで、す
なわち、次式で表わされる値になるまで小さくすること
ができる。
この場合には、セット力F0はゼロとなる。
後述するように、デューティ比のダイナミックレンジ
を広げるためには、セット圧力F0をコイルスプリング60
と同等からそれより小さくするのが好ましいから、小径
部D4の径は次式を満足するように設定するのが好まし
い。
コイル73への駆動電流のデューティ比が100%の場合
には、コイル73の励磁力により弁体50がコイルスプリン
グ60に抗して右方向に移動し、第1当接面56が第1弁座
38に着座する。このため、制御ポート16は供給ポート15
aと遮断され、排出ポート23aにのみ連通した状態となる
から、制御ポート16の圧力はほぼ0すなわち大気圧とな
る。この状態では、供給圧力Psは環状の隙間55に付与さ
れるが、その両端の受圧面積が等しいので、弁体50に付
与される油圧に起因した軸方向の力は相殺される。した
がって、弁体50の第1弁座38に対するセット力は、コイ
ルスプリング60の力とコイル73の励磁に伴い弁体50に付
与される力との差によってのみ決定される。後述するよ
うにデューティ比のダイナミックレンジを広くする観点
からすれば、セット力を小さくするかゼロにするのが好
ましい。
上述したように、弁体50はいずれの位置においても弁
体50の動きを妨げるような作動流体圧力の影響を受けな
いので、コーンタイプの両座電磁弁と同様に応答性がよ
く、比較的高周波でのデューティ制御が行なえる。その
ため、制御ポート16の圧力を安定させることができる。
制御ポート16の圧力Pcと供給ポート15aの圧力Psとの
比Pc/Psは、デューティ比とリニアな関係を有してい
る。第2図の実線で示すように制御ポート16の圧力Pcを
リニアに制御できるデューティ比のダイナミックレンジ
を0%から100%にするのが理想であるが、実際のダイ
ナミックレンジはこれより狭い。その理由を説明する。
デューティ比が0%に近い場合には、コイル73の励磁力
は、前述したセット圧力F0より弱く、弁体50を着座位置
から変位させることができない。また、デューティ比が
0%に近いと弁体50の応答遅れのために、弁体50が着座
位置から変位しない。デューティ比が高くなると、弁体
50が着座位置から変位する。この変位量が小さく、第2
弁座42と第2当接面57との間の流通断面積が小さいと、
オリフィス効果のため作動流体の流れが極端に悪いた
め、弁体50の変位量に見合った制御ポート16の圧力Pcの
低下がない。
したがって、デューティ比が0%から所定値(ダイナ
ミックレンジの下限値)に至るまでは、デューティ比と
圧力比Pc/Psはリニアな関係にないのである。同様の議
論がデューティ比が100%近傍においても当てはまり、
デューティ比のダイナミックレンジの上限値が決定され
る。
本発明の両座電磁弁はコーンタイプの両座電磁弁と同
様に応答性が良いので、ボールタイプの電磁弁に比べて
上記の応答遅れに起因したリニア関係を生じないデュー
ティ比の範囲を狭くすることができ、その分ダイナミッ
クレンジを広くすることができる。
本発明のフラットタイプの両座電磁弁におけるデュー
ティ比と圧力比Pc/Psとの関係は、第2図中点線で示さ
れており、コーンタイプの両座電磁弁のそれは一点鎖線
で示されている。両者の比較から明らかなように、本発
明の電磁弁では、圧力比Pc/Psをリニアに制御できるデ
ューティ比のダイナミックレンジRを、コーンタイプの
電磁弁のダイナミックレンジR′に比べて広くすること
ができる。その理由を説明する。第2弁座42と第2当接
面57がともに平坦であり弁体50の軸芯と直交しているた
め、弁体50が第2弁座42に着座した位置から変位した量
に対応する第2当接面57と第2弁座42との間の流通断面
積を大きくすることができる。このため、弁体50の比較
的小さな変位量で、上記デューティ比と圧力比との関係
のリニア性を得られない範囲の流通断面積を越えること
ができる。換言すれば比較的低いデューティ比から、デ
ューティ比と圧力比Pc/Psのリニア関係が得られ、ダイ
ナミックレンジの下限値を低くすることができる。この
議論は、弁体50の第1弁座38に対する着座位置からの変
位に対しても当てはまり、ダイナミックレンジの上限値
を高くすることができる。
デューティ比のダイナミックレンジは、前述したよう
に、弁体50が弁座38,40に着座した時のセット力を小さ
くするかゼロにことによって、更に広くすることができ
る。
第3図は、他の態様をなす弁体50′を示す。この弁体
50′は、円錐面からなる受圧面58′を備えているが、他
の構成は第1図の弁体50と同じであるから、同番号を付
して説明を省略する。
本発明は上記実施例に制約されず種々の態様が可能で
ある。たとえば、ソレノイド駆動装置が非励磁の時に、
コイルスプリングにより弁体が第1弁座に当接して制御
ポートと供給ポートとを遮断するようにしてもよい。ま
た、上記実施例ではガイド孔,弁孔,弁体の総てが円形
であるが、弁体の弁部は非円形であってもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、作動流体圧力によ
り弁体の動きが鈍くなるのを防止でき、弁体の応答性を
良好にすることができる。このため、比較的高い周波数
でのデューティ制御が可能になり、制御ポートの圧力を
安定させることができる。また、2つの弁座およびこれ
らにそれぞれ接離する2つの当接面が、弁体の軸芯と直
交する平坦面となっているため、弁体の着座位置からの
変位量に対して弁座と当接面との間の流通断面積の変化
を比較的大きくすることができ、この結果、制御ポート
の圧力をリニアに制御できるデューティ比のダイナミッ
クレンジを広くすることができ、ひいてはデューティ比
の変化に対して制御ポートの圧力変化を小さくすること
が可能となり、高精度の圧力制御を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は両座電磁弁の断面図、第2図は駆動電流のデュ
ーティ比と制御ポート圧力との関係を示す図、第3図は
弁体の他の態様を示す断面図である。 1……ハウジング、15a……供給ポート、16……制御ポ
ート、23a……排出ポート、34……ガイド孔、35……弁
室、38……第1弁座、41……弁孔、42……第2弁座、50
……弁体、51……ランド部、52……ステム部、53……弁
部、55……環状の隙間、56……第1当接面、57……第2
当接面、60……コイルスプリング、70……ソレノイド駆
動手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成を備えた両座電磁弁 a)ハウジング。このハウジングは、次の構成を有す
    る。 i)圧力を付与された作動流体が供給される供給ポー
    ト。 ii)作動流体が排出される排出ポート。 iii)制御対象に接続される制御ポート。 iv)弁室。この弁室は上記制御ポートに接続されてい
    る。 v)真っ直ぐに延びるガイド孔。このガイド孔の一端は
    上記弁室に開口する。 vi)第1弁座。この第1弁座は、ガイド孔の弁室側の周
    縁を囲み、ガイド孔の軸芯に対して直交した平坦面から
    なる。 vii)上記弁室に開口する弁孔。この弁孔は上記排出ポ
    ートに接続される。 viii)第2弁座。この第2弁座は、弁孔の弁室側周縁を
    囲み、ガイド孔の軸芯に対して直交した平坦面からな
    る。第2弁座は第1弁座と弁室を介して対向している。
    第2弁座の内周縁によって囲われる面積は、第1弁座の
    内周縁によって囲われる面積より小さい。 b)ガイド孔内においてこれと同軸をなして往復動可能
    な弁体。この弁体は次の構成を有している。 i)上記ハウジングのガイド孔の内周面に接するランド
    部。 ii)一端がランド部に同軸をなして連結されたステム
    部。このステム部の径はガイド孔の径より小さく、ステ
    ム部の外周面とガイド孔の内周面との間には環状の隙間
    が形成されている。この環状の隙間は、上記供給ポート
    と接続される。 iii)上記ステム部の他端に同軸をなして連結された弁
    部。この弁部は、上記弁室内に配置され、その両端にそ
    れぞれその軸芯と直交する平坦面からなる環状の第1当
    接面と第2当接面を備えている。第1当接面は第1弁座
    に対向しており、両者が離れている時には、供給ポート
    を上記環状の隙間および弁室を介して制御ポートに接続
    する。第2当接面は第2弁座に対向しており、両者が離
    れている時には、制御ポートを上記弁室および弁孔を介
    して排出ポートに接続する。上記第1,第2の当接面の外
    周縁によって囲われる面積は、上記第1,第2の弁座の内
    周縁によって囲われる面積よりそれぞれ大きい。また、
    第2当接面の外周によって囲われる面積は、第1当接面
    の外周縁によって囲われる面積より小さい。 c)ハウジングに収容され、上記弁体を軸方向に付勢す
    るコイルスプリング。 d)ハウジングに設けられ、上記コイルスプリングに対
    抗する力を弁体に付与するソレノイド駆動手段。
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