JP2014043870A - ソレノイド弁 - Google Patents

ソレノイド弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2014043870A
JP2014043870A JP2012185171A JP2012185171A JP2014043870A JP 2014043870 A JP2014043870 A JP 2014043870A JP 2012185171 A JP2012185171 A JP 2012185171A JP 2012185171 A JP2012185171 A JP 2012185171A JP 2014043870 A JP2014043870 A JP 2014043870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
screw
adjusting
valve housing
male
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012185171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5720643B2 (ja
Inventor
Masahiro Tomita
正広 冨田
Keita Okada
圭太 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012185171A priority Critical patent/JP5720643B2/ja
Priority to US13/965,545 priority patent/US9523433B2/en
Priority to KR20130100319A priority patent/KR101489086B1/ko
Publication of JP2014043870A publication Critical patent/JP2014043870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5720643B2 publication Critical patent/JP5720643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K3/00Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing
    • F16K3/30Details
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K27/00Construction of housing; Use of materials therefor
    • F16K27/04Construction of housing; Use of materials therefor of sliding valves
    • F16K27/048Electromagnetically actuated valves
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/44Mechanical actuating means
    • F16K31/50Mechanical actuating means with screw-spindle or internally threaded actuating means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/02Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic
    • F16K31/06Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic using a magnet, e.g. diaphragm valves, cutting off by means of a liquid
    • F16K31/0603Multiple-way valves
    • F16K31/061Sliding valves
    • F16K31/0613Sliding valves with cylindrical slides
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/12Actuating devices; Operating means; Releasing devices actuated by fluid
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D16/00Control of fluid pressure
    • G05D16/20Control of fluid pressure characterised by the use of electric means
    • G05D16/2006Control of fluid pressure characterised by the use of electric means with direct action of electric energy on controlling means
    • G05D16/2013Control of fluid pressure characterised by the use of electric means with direct action of electric energy on controlling means using throttling means as controlling means
    • G05D16/2024Control of fluid pressure characterised by the use of electric means with direct action of electric energy on controlling means using throttling means as controlling means the throttling means being a multiple-way valve

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Preventing Unauthorised Actuation Of Valves (AREA)

Abstract

【課題】調圧工程が実施された後、スリーブに対しアジャストスクリュを回り止めする際に、アジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止することにより、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる油圧制御弁を提供する。
【解決手段】アジャストスクリュ7には、雄ねじ部7aに隣接して円筒面7bが設けられ、調圧工程が実施された後、円筒面7bに対してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対し回り止めされる。かしめ工程は、調圧工程の力関係を維持した状態で実施される。つまり、治具の軸方向荷重=F1の方がスプリング6の反力=F2より大きい状態で調圧工程を実施した場合は、その力関係(F1>F2)を維持した状態で円筒面7bをかしめることにより、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイルを励磁して電磁石を形成し、その電磁石の駆動力(吸引力)によって弁体を駆動するソレノイド弁に関する。
従来技術の一例として、特許文献1に開示されたソレノイド弁がある。
このソレノイド弁は、図15に示す様に、スリーブ100の内部に挿入されたスプール110を電磁石の駆動力に抗して図示右方向へ付勢するスプリング120と、スリーブ100の一端側内周にねじ結合されるアジャストスクリュ130とを備え、スリーブ100に対するアジャストスクリュ130のねじ込み量に応じてスプリング120のセット荷重を調整することができる。
アジャストスクリュ130は、治具(図示せず)により回転力が付与されてスプリング120のセット荷重を調整した後、スリーブ100の周壁に開口する貫通孔101よりカシメピン140(図18参照)を挿入して、そのカシメピン140により、アジャストスクリュ130のねじ山を潰すことでスリーブ100に対し回り止めされて、取り付け位置が固定される。
以下、治具によりアジャストスクリュ130に回転力を付与しながらスプリング120のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ。
また、特許文献2では、調圧工程を実施した後、アジャストスクリュ130の背後(反スプリング側)にシール材を充填し、このシール材が固まることでアジャストスクリュ130の緩み止めを行う技術が開示されている。
特開2009−166238号公報 特開2011−33181号公報
上記の調圧工程を実施する場合、アジャストスクリュ130には、図16に示す様に、「アジャストスクリュ130に回転力を与える治具の軸方向荷重=F1」と、「スプリング120の反力=F2」とが作用する。
ここで、スリーブ100の内周に形成されるねじ面を雌ねじ面と呼び、アジャストスクリュ130の外周に形成されるねじ面を雄ねじ面と呼ぶ時に、通常は、F1>F2の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。この場合、図17(a)に示す様に、スリーブ100の雌ねじ面とアジャストスクリュ130の雄ねじ面とが、雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
この後(調圧工程が実施された後)、アジャストスクリュ130に対する治具の軸方向荷重F1を取り除くと、図17(b)に示す様に、アジャストスクリュ130がスプリング120の反力を受けて図示左方向(反スプリング側)へ移動する。つまり、スリーブ100に対するアジャストスクリュ130の位置が反スプリング側へずれるため、スリーブ100の雌ねじ面とアジャストスクリュ130の雄ねじ面とが、雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。この状態で、カシメピン140によりアジャストスクリュ130のねじ山を潰す加工を行うと、アジャストスクリュ130がスリーブ100に対して軸方向に位置ずれした状態でかしめ固定されるため、スプリング120のセット荷重が変化して調圧ずれを生じる。
具体的に説明すると、カシメピン140によりアジャストスクリュ130のねじ山を潰す際に、反スプリング側の雄ねじ面に作用するかしめ力の軸方向分力をf1とし、スプリング側の雄ねじ面に作用するかしめ力の軸方向分力をf2とすると、カシメピン140に対するアジャストスクリュ130の軸方向位置に応じて、f1>f2の場合と、f1<f2の場合とが生じる。すなわち、カシメピン140でアジャストスクリュ130のねじ山を潰す際に、図18に示す様に、反スプリング側の雄ねじ面よりスプリング側の雄ねじ面の方に大きな軸方向分力(f1<f2)が作用する場合は、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接した状態(図17(b)の状態)でアジャストスクリュ130がスリーブ100にかしめ固定されるため、調圧工程を実施した状態(図17(a)の状態)から、ねじピッチクリアランス分だけスプリング120のセット荷重が変化して調圧ずれを生じる。
一方、図19に示す様に、スプリング側の雄ねじ面より反スプリング側の雄ねじ面の方に大きな軸方向分力(f1>f2)が作用する場合は、その軸方向分力を受けて、アジャストスクリュ130がスプリング側(ねじピッチクリアランスが生じている方向)へ移動する。この時、アジャストスクリュ130が移動する量を正確に管理できない。言い換えると、雄ねじ面に作用するかしめ力の軸方向分力fに応じてアジャストスクリュ130の移動量が変化するため、アジャストスクリュ130の軸方向の位置ずれを確実に防止することはできない。その結果、スプリング120のセット荷重が変化して調圧ずれを生じる。
また、特許文献2に開示された従来技術では、調圧工程が実施された後、アジャストスクリュ130の背後(反スプリング側)にシール材を充填するために治具を取り除くと、図20に示す様に、アジャストスクリュ130がスプリング120の反力によって押されるため、スリーブ100の雌ねじ面とアジャストスクリュ130の雄ねじ面とが、雄ねじ山の反スプリング側で当接して、スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。この後、アジャストスクリュ130の背後にシール材を充填すると、その充填圧力がアジャストスクリュ130の背面に加わることで、図21に示す様に、アジャストスクリュ130がスプリング側へ移動するが、その移動量がばらつくことにより、調圧ずれを生じる。
上記のように、特許文献1、2に開示された従来技術では、調圧工程を実施した後、スリーブ100に対するアジャストスクリュ130の取り付け位置を固定する(回り止めする)際に、ねじピッチクリアランス分だけアジャストスクリュ130が軸方向に移動する恐れがある。このため、スプリング120のセット荷重を精度良く調整することは困難である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、調圧工程を実施した後、弁ハウジングに対しアジャストスクリュを回り止めする際に、アジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止することにより、スプリングのセット荷重を精度良く調整できるソレノイド弁を提供することにある。
(請求項1に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1>F2 ………………………………………………………………(1)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部に円筒面が設けられて、その円筒面の外径が雌ねじ部の内径より小さく形成され、あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側に円筒面が設けられて、その円筒面の外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成され、調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、円筒面に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされることを特徴とする。
(請求項1に係る発明の作用効果)
請求項1に記載したソノレイド弁は、F1>F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対するスプリングの反力より治具の軸方向荷重の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向のスプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、円筒面に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。すなわち、かしめ工程では、アジャストスクリュを軸方向へ移動させる力は発生しない。また、かしめ時においても、F1>F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力によってアジャストスクリュが反スプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、弁ハウジングに対しアジャストスクリュが回り止めされた状態で、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山のスプリング側で当接しているので、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果も期待できる。
(請求項2に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1<F2 ………………………………………………………………(2)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部に円筒面が設けられて、その円筒面の外径が雌ねじ部の内径より小さく形成され、あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側に円筒面が設けられて、その円筒面の外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成され、調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、円筒面に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされることを特徴とする。
(請求項2に係る発明の作用効果)
請求項2に記載したソノレイド弁は、F1<F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対する治具の軸方向荷重よりスプリングの反力の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向の反スプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、円筒面に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。すなわち、かしめ工程では、アジャストスクリュを軸方向へ移動させる力は発生しない。また、かしめ時においても、F1<F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力に抗してアジャストスクリュがスプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、弁ハウジングに対しアジャストスクリュが回り止めされた状態で、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接しているので、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果も期待できる。
(請求項3に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1>F2 ………………………………………………………………(1)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部の外径が雌ねじ部の内径より小さく形成されている。あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部の外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成されている。
さらに、突条部は、高さ方向の頂点に向かって軸方向の幅寸法が次第に小さく形成され、且つ、軸方向の反スプリング側の側面を第1側面と呼び、スプリング側の側面を第2側面と呼び、頂点を通って軸方向と直交する垂線と第1側面とが成す角度をθ1、垂線と第2側面とが成す角度をθ2と定義した時に、下記(3)式の条件が成立しており、
θ1>θ2 ………………………………………………………………(3)
調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、突条部に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされる。
(請求項3に係る発明の作用効果)
請求項3に記載したソノレイド弁は、F1>F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対するスプリングの反力より治具の軸方向荷重の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向のスプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、非ねじ部に設けられた突条部に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、突条部には、かしめ力の軸方向分力が作用する。本発明の突条部は、頂点を通って軸方向と直交する垂線に対して軸方向の一端側と他端側とが非対称形状に設けられ、θ1>θ2の条件が成立している。従って、突条部の第1側面と第2側面とに加わるかしめ力の軸方向分力を比較すると、第1側面に加わるかしめ力の軸方向分力f1の方が第2側面に加わるかしめ力の軸方向分力f2より大きくなる。これにより、(f1−f2)の荷重がアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わる。
また、かしめ時においても、F1>F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力によってアジャストスクリュが反スプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、本発明では、F1>F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時に突条部に作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山のスプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(請求項4に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1<F2 ………………………………………………………………(2)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部の外径が雌ねじ部の内径より小さく形成されている。あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部の外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成されている。
さらに、突条部は、高さ方向の頂点に向かって軸方向の幅寸法が次第に小さく形成され、且つ、軸方向の反スプリング側の側面を第1側面と呼び、スプリング側の側面を第2側面と呼び、頂点を通って軸方向と直交する垂線と第1側面とが成す角度をθ1、垂線と第2側面とが成す角度をθ2と定義した時に、下記(4)式の条件が成立しており、
θ1<θ2 ………………………………………………………………(4)
調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、突条部に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされる。
(請求項4に係る発明の作用効果)
請求項4に記載したソノレイド弁は、F1<F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対する治具の軸方向荷重よりスプリングの反力の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向の反スプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、非ねじ部に設けられた突条部に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、突条部には、かしめ力の軸方向分力が作用する。本発明の突条部は、頂点を通って軸方向と直交する垂線に対して軸方向の一端側と他端側とが非対称形状に設けられ、θ1<θ2の条件が成立している。従って、突条部の第1側面と第2側面とに加わるかしめ力の軸方向分力を比較すると、第1側面に加わるかしめ力の軸方向分力f1より第2側面に加わるかしめ力の軸方向分力f2の方が大きくなる。これにより、(f2−f1)の荷重がアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わる。
また、かしめ時においても、F1<F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力に抗してアジャストスクリュがスプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、本発明では、F1<F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時に突条部に作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュを軸方向の反スプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山の反スプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(請求項5に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1>F2 ………………………………………………………………(1)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部にテーパ面が設けられて、そのテーパ面の外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、テーパ面の最大外径が雌ねじ部の内径より小さく形成され、あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側にテーパ面が設けられて、そのテーパ面の外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、テーパ面の最大外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成され、調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、テーパ面に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされることを特徴とする。
(請求項5に係る発明の作用効果)
請求項5に記載したソノレイド弁は、F1>F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対するスプリングの反力より治具の軸方向荷重の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向のスプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、テーパ面に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、テーパ面には、かしめ力の軸方向分力が作用する。この軸方向分力は、テーパ面の外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されているので、アジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力として働く。
また、かしめ時においても、F1>F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力によってアジャストスクリュが反スプリング側へ移動することはない。
これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、本発明では、F1>F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時にテーパ面に作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山のスプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(請求項6に係る発明の構成)
本発明のソレノイド弁は、軸方向の一端側内周に雌ねじ部が形成された円筒孔を有する弁ハウジングと、円筒孔に往復動可能に収容される弁体と、電磁石の駆動力によって弁体を円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部と、電磁石の駆動力に抗して弁体を円筒孔の他端方向へ付勢するスプリングと、外周に雄ねじ部を有し、この雄ねじ部を雌ねじ部に噛み合わせて弁ハウジングの一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて弁ハウジングに対するねじ込み量を調整することでスプリングのセット荷重を調整するアジャストスクリュとを備える。
上記ソレノイド弁において、治具によりアジャストスクリュに回転力を付与しながらスプリングのセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、調圧工程を実施する際にアジャストスクリュを軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1<F2 ………………………………………………………………(2)
また、アジャストスクリュは、雄ねじ部より軸方向のスプリング側または雄ねじ部の軸方向中央部にテーパ面が設けられて、そのテーパ面の外径が軸方向のスプリング側から反スプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、テーパ面の最大外径が雌ねじ部の内径より小さく形成され、あるいは、雄ねじ部より軸方向の反スプリング側にテーパ面が設けられて、そのテーパ面の外径が軸方向のスプリング側から反スプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、テーパ面の最大外径が雄ねじ部の外径以上に大きく形成され、調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、テーパ面に対し弁ハウジングをかしめることにより、アジャストスクリュが弁ハウジングに回り止めされることを特徴とする。
(請求項6に係る発明の作用効果)
請求項6に記載したソノレイド弁は、F1<F2の条件が成立する状態、つまり、アジャストスクリュに対する治具の軸方向荷重よりスプリングの反力の方が大きい状態で調圧工程が実施される。この場合、弁ハウジングの内周に形成された雌ねじ部に対し、アジャストスクリュに形成された雄ねじ部が軸方向の反スプリング側で当接する。言い換えると、弁ハウジングに形成される雌ねじ部のねじ面(雌ねじ面と呼ぶ)と、アジャストスクリュに形成される雄ねじ部のねじ面(雄ねじ面と呼ぶ)とが、雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスが生じる。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュの雄ねじ部ではなく、テーパ面に対し弁ハウジングをかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、テーパ面には、かしめ力の軸方向分力が作用する。この軸方向分力は、テーパ面の外径が軸方向の一端側から他端側へ向かって次第に小さく形成されているので、アジャストスクリュを軸方向の反スプリング側へ押圧する力として働く。
また、かしめ時においても、F1<F2の条件が維持されているので、弁ハウジングをかしめる際に、スプリングの反力に抗してアジャストスクリュがスプリング側へ移動することはない。
これにより、調圧後、弁ハウジングに対するアジャストスクリュの軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリングのセット荷重を精度良く調整できる。
さらに、本発明では、F1<F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時にテーパ面に作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュを軸方向の反スプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山の反スプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部と雄ねじ部とが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
実施例1のアジャストスクリュを含むスプール弁の一部断面図である。 実施例1の油圧制御弁の断面図である。 実施例1のスリーブの一端側を示す半断面図である。 実施例1のアジャストスクリュを示す半断面図である。 実施例1に係るアジャストスクリュの調圧位置を示す半断面図である。 実施例2に係るアジャストスクリュの調圧位置を示す半断面図である。 実施例3のアジャストスクリュを含むスプール弁の一部断面図である。 実施例3のアジャストスクリュを示す判断面図である。 実施例3のアジャストスクリュに設けられる突条部の断面図である。 実施例4のアジャストスクリュを示す半断面図である。 実施例4のアジャストスクリュに設けられる突条部の断面図である。 実施例5のアジャストスクリュによる調圧工程を示す半断面図である。 実施例6のアジャストスクリュによる調圧工程を示す半断面図である。 実施例1〜6の変形例を示すスプール弁の一端側断面図である。 特許文献1に係る従来技術を説明するソレノイド弁の一部断面図である。 特許文献1に係る調圧時のアジャストスクリュに作用する軸方向荷重を説明する断面図である。 特許文献1に係るアジャストスクリュの調圧位置を示す半断面図である。 特許文献1に係るアジャストスクリュにかしめ時の軸方向分力(f2−f1)が加わる状態を示す半断面図である。 特許文献1に係るアジャストスクリュにかしめ時の軸方向分力(f1−f2)が加わる状態を示す半断面図である。 特許文献2に係るアジャストスクリュがスプリング反力を受けてスプリング側へ移動した状態を示す半断面図である。 特許文献2に係るアジャストスクリュがシール材の充填圧力によってスプリング側へ移動した状態を示す半断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明のソレノイド弁を車両用自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁1に適用した一例を説明する。
油圧制御弁1は、図2に示す様に、油圧の調整を行うスプール弁2と、このスプール弁2の作動を制御するソレノイド部3とで構成される。
スプール弁2は、筒状のスリーブ4と、このスリーブ4の内部を長手方向(図示左右方向)に往復動可能に収容されるスプール5と、このスプール5を付勢するスプリング6と、このスプリング6のセット荷重を調整するアジャストスクリュ7等より構成される。
以下、図2に示すスリーブ4の長手方向を軸方向と呼び、その軸方向の図示左側(反ソレノイド部側)を一端側、図示右側を他端側と定義する。
スリーブ4は、例えば、アルミダイキャストによって製造され、内部を軸方向に貫通する段付き状の円筒孔が形成されている。この円筒孔には、一端側の内周にアジャストスクリュ7をねじ結合するための雌ねじ部4aが形成され、さらに、雌ねじ部4aより他端側には、スプリング6を配設するスプリング室9と、スプール5を摺動可能に収容する摺動孔8とが形成されている。
また、雌ねじ部4aとスプリング室9との間には、図3に示す様に、雌ねじ部4aの内径D1と同一寸法または若干小さい内径D2を有する内筒面4bが形成されている。
スリーブ4の一端側外周面には、内筒面4bが形成される軸方向の範囲内に袋孔4cが凹設され、袋孔4cの底面と内筒面4bとの間のスリーブ4の肉厚が薄く形成されている。なお、袋孔4cは、例えば、スリーブ4の径方向に対向する2箇所にドリル等で穿設される。
このスリーブ4には、所定のライン圧に調整された作動油がオイルポンプ(図示せず)より供給される入力ポート10と、スプール5の位置に応じて所定の出力圧に調圧された作動油を出力する出力ポート11と、出力圧をフィードバックして導入するF/Bポート12と、余剰の作動油をオイルパン等の低圧側へ排出する排出ポート13と、スプリング室9に通じる呼吸用のドレンポート14等が形成される。
スプール5は、入力ポート10のシール長を可変する入力ランド5aと、この入力ランド5aより一端側に設けられて排出ポート13のシール長を可変する排出ランド5bと、入力ランド5aより他端側に設けられて摺動孔8の内周面をシールするF/Bランド5c等を有する。なお、「入力ポート10のシール長」とは、入力ポート10と出力ポート11との間に形成されるスリーブ4の内周面に対し、入力ランド5aの外周面が軸方向にラップする長さであり、「排出ポート13のシール長」とは、出力ポート11と排出ポート13との間に形成されるスリーブ4の内周面に対し、排出ランド5bの外周面が軸方向にラップする長さである。
入力ランド5aと排出ランド5bは、互いの外径が同一寸法に形成され、F/Bランド5cは、入力ランド5aおよび排出ランド5bより外径が少し小さく形成されている。
入力ランド5aと排出ランド5bとの間には、スプール5の位置に応じて入力ポート10から流入した作動油を出力ポート11と排出ポート13に分配するための分配室15が形成される。また、入力ランド5aとF/Bランド5cとの間には、F/Bポート12に連通するF/B室16が形成される。
F/Bポート12よりF/B室16に導入された出力圧は、入力ランド5aとF/Bランド5cとの外径差による互いの受圧面積の差に応じて、スプール5を摺動孔8の一端方向(図示左方向)へ押圧する荷重(以下、F/B荷重と呼ぶ)として作用する。
このスプール5には、F/Bランド5cの他端側に棒状の連接シャフト5dが一体に設けられ、この連接シャフト5dの先端が、後述するプランジャ21の一端側端面に当接している。また、連接シャフト5dには、スリーブ4とソレノイド部3との間を液密に区画するゴム製のダイヤフラム17が取り付けられている。
スプリング6は、一端がアジャストスクリュ7に係止され、他端が排出ランド5bに係止されて、初期荷重を付与された状態、つまり圧縮された状態でスプリング室9に配設される圧縮コイルばねであり、スプール5を他端側へ付勢している。
アジャストスクリュ7は、図4に示す様に、外周に雄ねじ部7aを有し、この雄ねじ部7aをスリーブ4の内周に形成された雌ねじ部4aに噛み合わせてねじ結合することにより、スリーブ4の一端側開口部に取り付けられる。このアジャストスクリュ7は、治具(図示せず)により回転力を与えられながら、スリーブ4に対するねじ込み量を調整することにより、スプリング6のセット荷重を調整することができる。
また、実施例1のアジャストスクリュ7には、図4に示す様に、雄ねじ部7aより軸方向のスプリング側(図示右側)に円筒面7bが設けられている。この円筒面7bの外径d1は、アジャストスクリュ7をスリーブ4の内周にねじ結合する際に、スリーブ4の内周に形成された雌ねじ部4aと干渉しない様に、雌ねじ部4aの内径D1(図3参照)より若干小さい寸法(例えば、雄ねじ部7aの谷の径d2と同一寸法)を有し、スリーブ4に形成される内筒面4bの内周に若干の隙間を有して挿入される。
ソレノイド部3は、図2に示す様に、ハウジングを兼ねるヨーク18と、このヨーク18の内周に収容されるコイル19と、ヨーク18と共にコイル19の周囲に磁気回路を形成する円筒状のステータ20と、このステータ20の内周を軸方向に可動する上記プランジャ21等より構成される。このソレノイド部3は、コネクタハウジング22に設けられたターミナル23を通じてコイル19が励磁されると、電磁石が形成されてステータ20が磁化されることにより、プランジャ21がステータ20に磁気吸引されて、ステータ20の内周を図示左方向へ移動する。このプランジャ21の移動により、スプリング6の付勢力に抗してスプール5が摺動孔8の内周を一端側へ移動する。この時、スプール5は、「スプリング6の反力」と「ソレノイド部3の駆動力+F/B荷重」とが釣り合う位置で静止する。一方、コイル19への励磁を中止して電磁石の吸引力が失われると、「スプリング6の反力」が「F/B荷重」に打ち勝ってスプール5を他端側へ移動させる。
次に、油圧制御弁1の作動について説明する。
オイルポンプより入力ポート10に供給された作動油は、入力ランド5aの外周面とスリーブ4の内周面との隙間を通って分配室15に流入した後、出力ポート11と排出ポート13とに分配されて、各ポート11、13より流出する。この時、出力ポート11より流出する作動油の出力圧は、上述した入力ポート10のシール長と排出ポート13のシール長との比率に応じて変化する。
例えば、スプール5がスリーブ4の内部を一端側へ移動して、入力ポート10のシール長が長く、排出ポート13のシール長が短くなると、入力ポート10より分配室15へ流入する作動油の量が減少して、排出ポート13より流出する作動油の量が増加するため、出力ポート11より流出する作動油の量が減少して、出力圧は低くなる。
一方、スプール5がスリーブ4の内部を他端側へ移動して、入力ポート10のシール長が短く、排出ポート13のシール長が長くなると、入力ポート10より分配室15へ流入する作動油の量は増加して、排出ポート13より流出する作動油の量は減少するため、出力ポート11より流出する作動油の量が増加して、出力圧は高くなる。
上記のように、スプール5の移動位置に応じて、入力ポート10のシール長と排出ポート13のシール長との比率を変えることにより、出力ポート11より流出する作動油の圧力(出力圧)を変化させることができる。
続いて、スプリング6のセット荷重を調整する工程(以下、調圧工程と呼ぶ)について詳述する。
スプリング6のセット荷重は、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7のねじ込み量によって調整される。実施例1では、「アジャストスクリュ7に回転力を与える治具の軸方向荷重」をF1、「スプリング6の反力」をF2とすると、
F1>F2 ………………………………………………………………(1)
上記(1)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
以下、スリーブ4の内周に形成される雌ねじ部4aのねじ面を雌ねじ面と呼び、アジャストスクリュ7に形成される雄ねじ部7aのねじ面を雄ねじ面と呼ぶ。
実施例1の調圧工程では、治具によりアジャストスクリュ7をねじ込んでいく際に、上記(1)式の条件が成立しているので、図5に示す様に、雌ねじ面と雄ねじ面とが、アジャストスクリュ7に形成された雄ねじ山のスプリング側で当接している。
調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態、つまり、治具による軸方向荷重=F1をアジャストスクリュ7に付与したままの状態で、アジャストスクリュ7の円筒面7bに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔4cにカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
(実施例1の作用および効果)
実施例1では、F1>F2の条件が成立する状態で調圧工程が実施されるため、図5に示したように、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。
調圧工程が実施された後、アジャストスクリュ7に対しスリーブ4の外径をカシメパンチにより押圧してアジャストスクリュ7の円筒面7bをかしめているので、かしめ力が雄ねじ部7aに加わることはない。つまり、実施例1のかしめ工程では、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはないので、かしめ時にアジャストスクリュ7を軸方向へ移動させる力は発生しない。
また、F1>F2の条件が維持された状態でかしめ工程が実施されるので、スリーブ4の外径をかしめる際に、スプリング6の反力によってアジャストスクリュ7が軸方向の反スプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。
さらに、スリーブ4に対しアジャストスクリュ7が回り止めされた状態で、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山のスプリング側で当接しているので、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動油のリーク量を抑制できる効果も期待できる。
以下、本発明に係る他の実施例(実施例2〜6)を説明する。
なお、実施例2〜6において、実施例1と同一名称の部品または同一機能を有する部品には、実施例1と同一番号を付している。
(実施例2)
この実施例2は、調圧工程の際に、アジャストスクリュ7に掛かる軸方向荷重の力関係が実施例1とは異なる。つまり、実施例2では、下記(2)式の条件が成立する状態で調圧工程が実施される。
F1<F2 ………………………………………………………………(2)
実施例2の調圧工程では、治具によりアジャストスクリュ7をねじ込んでいく際に、上記(2)式の条件が成立しているので、図6に示す様に、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。 調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、実施例1と同様に、アジャストスクリュ7の円筒面7bに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔4cにカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
この実施例2においても、実施例1と同様に、かしめ力が雄ねじ部7aに加わることはないので、かしめ時にアジャストスクリュ7を軸方向へ移動させる力は発生しない。
また、F1<F2の条件が維持された状態でかしめ工程が実施されるので、スリーブ4の外径をかしめる際に、スプリング6の反力に抗してアジャストスクリュ7が軸方向のスプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。
さらに、スリーブ4に対しアジャストスクリュ7が回り止めされた状態で、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接しているので、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動油のリーク量を抑制できる効果も期待できる。
(実施例3)
この実施例3は、図7に示すように、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aより軸方向のスプリング側に非ねじ部が設けられ、この非ねじ部がスリーブ4に形成される内筒面4bの内周に若干の隙間を有して挿入される。
非ねじ部の外周には、図8に示す様に、複数本(図8では3本)の突条部7cが設けられている。この突条部7cは、非ねじ部の外周を周方向に連続する円環状に設けられて、高さ方向の頂点に向かって軸方向の幅寸法が次第に小さく形成され、且つ、軸方向の断面形状が左右非対称の山形状となっている。
具体的には、図9に示す様に、突条部7cの頂点に対し軸方向の反スプリング側の側面を第1側面7c1と呼び、軸方向のスプリング側の側面を第2側面7c2と呼び、頂点を通って軸方向と直交する垂線と第1側面7c1とが成す角度をθ1、垂線と第2側面7c2とが成す角度をθ2と定義した時に、下記(3)式の条件が成立している。
θ1>θ2 ………………………………………………………………(3)
上記(3)式の条件を満たす一例として、「のこ歯形状」がある。
また、突条部7cの高さは、アジャストスクリュ7をスリーブ4の内周にねじ結合する際に、スリーブ4の内周に形成された雌ねじ部4aと干渉しない寸法に設定される。すなわち、突条部7cの外径は、雌ねじ部4aの内径より若干小さく、例えば、雄ねじ部7aの谷の径と同一寸法に形成される。
実施例3の調圧工程は、実施例1に記載した(1)式の条件(F1>F2)が成立する状態で実施される。このため、調圧時の雌ねじ面と雄ねじ面との位置関係は、実施例1(図5参照)と同じく、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。
調圧工程が実施された後、F1>F2の力関係が維持された状態、つまり、治具による軸方向荷重=F1をアジャストスクリュ7に付与したままの状態で、アジャストスクリュ7の非ねじ部に設けられた突条部7cに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔4c(図7参照)にカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
(実施例3の作用および効果)
実施例3では、調圧工程が実施された後、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aではなく、非ねじ部に設けられた突条部7cに対しスリーブ4をかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、突条部7cには、かしめ力の軸方向分力が作用する。実施例3の突条部7cは、頂点を通って軸方向と直交する垂線に対して軸方向の一端側と他端側とが非対称形状に設けられ、θ1>θ2の条件が成立している。従って、突条部7cの第1側面7c1と第2側面7c2とに加わるかしめ力の軸方向分力を比較すると、図9に示す様に、第1側面7c1に加わるかしめ力の軸方向分力f1の方が第2側面7c2に加わるかしめ力の軸方向分力f2より大きくなる。これにより、(f1−f2)の荷重がアジャストスクリュ7を軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わる。
また、かしめ時においても、F1>F2の条件が維持されているので、スリーブ4の外径をかしめる際に、スプリング6の反力によってアジャストスクリュ7が軸方向の反スプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。
さらに、実施例3では、F1>F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時に突条部7cに作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュ7を軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山のスプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動油のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(実施例4)
この実施例4は、実施例3と同様に、アジャストスクリュ7に非ねじ部を設け、その非ねじ部の外周に複数本の突条部7c(図10参照)を設けた他の事例である。
突条部7cの形状は、図11に示す様に、θ1とθ2との関係において、下記(4)式の条件が成立している。
θ1<θ2 ………………………………………………………………(3)
また、実施例4の調圧工程は、実施例2に記載した(2)式の条件(F1<F2)が成立する状態で実施される。このため、調圧時の雌ねじ面と雄ねじ面との位置関係は、実施例2(図6参照)と同じく、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。
調圧工程が実施された後、F1<F2の力関係が維持された状態で、アジャストスクリュ7の非ねじ部に設けられた突条部7cに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔にカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
この実施例4では、突条部7cに対してスリーブ4の外径をかしめる際に、突条部7cの第1側面7c1と第2側面7c2とに加わるかしめ力の軸方向分力を比較すると、前記(3)式の関係が成立していることから、第1側面7c1に加わるかしめ力の軸方向分力f1より第2側面7c2に加わるかしめ力の軸方向分力f2の方が大きくなる。従って、(f2−f1)の荷重がアジャストスクリュ7を軸方向の反スプリング側へ押圧する力として加わる。
また、かしめ時においても、F1<F2の条件が維持されているので、スリーブ4の外径をかしめる際に、スプリング6の反力に抗してアジャストスクリュ7が軸方向のスプリング側へ移動することはない。これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。
さらに、実施例4では、F1<F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時に突条部7cに作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュ7を軸方向の反スプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山の反スプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動油のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(実施例5)
この実施例5は、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aより軸方向のスプリング側にテーパ面7dを設けた一例である。
上記テーパ面7dは、図12に示す様に、軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって外径が次第に大きく形成され、且つ、アジャストスクリュ7をスリーブ4の内周にねじ結合する際に、スリーブ4の内周に形成された雌ねじ部4aと干渉しない様に、テーパ面7dの最大外径が雌ねじ部4aの内径より若干小さく形成されている。
実施例5の調圧工程は、実施例1に記載した(1)式の条件(F1>F2)が成立する状態で実施される。このため、調圧時の雌ねじ面と雄ねじ面との位置関係は、実施例1と同じく、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山のスプリング側で当接し、反スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。
調圧工程が実施された後、F1>F2の力関係が維持された状態、つまり、治具による軸方向荷重=F1をアジャストスクリュ7に付与したままの状態で、アジャストスクリュ7のテーパ面7dに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔4cにカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
(実施例5の作用および効果)
実施例5では、調圧工程が実施された後、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aではなく、テーパ面7dに対しスリーブ4の外径をかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、テーパ面7dには、かしめ力の軸方向分力が作用する。この軸方向分力は、テーパ面7dの外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されているので、アジャストスクリュ7を軸方向のスプリング側へ押圧する力として働く。また、かしめ時においても、F1>F2の条件が維持されているので、スリーブ4をかしめる際に、スプリング6の反力によってアジャストスクリュ7が軸方向の反スプリング側へ移動することはない。
これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。さらに、実施例5では、F1>F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時にテーパ面7dに作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュ7を軸方向のスプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山のスプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(実施例6)
この実施例6は、実施例5と同様に、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aより軸方向のスプリング側にテーパ面7dを設けた他の事例である。
上記テーパ面7dは、図13に示す様に、軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって外径が次第に小さく形成され、且つ、アジャストスクリュ7をスリーブ4の内周にねじ結合する際に、スリーブ4の内周に形成された雌ねじ部4aと干渉しない様に、テーパ面7dの最大外径が雌ねじ部4aの内径より若干小さく形成されている。
実施例6の調圧工程は、実施例2に記載した(2)式の条件(F1<F2)が成立する状態で実施される。このため、調圧時の雌ねじ面と雄ねじ面との位置関係は、実施例2と同じく、雌ねじ面と雄ねじ面とが雄ねじ山の反スプリング側で当接し、スプリング側にねじピッチクリアランスCが生じている。
調圧工程が実施された後、F1<F2の力関係が維持された状態で、アジャストスクリュ7のテーパ面7dに対し、スリーブ4の外周面に凹設された袋孔4cにカシメパンチ(図示せず)を挿入してスリーブ4の外径をかしめることにより、スリーブ4に対してアジャストスクリュ7が回り止めされてアジャストスクリュ7の取り付け位置が固定される。
(実施例6の作用および効果)
実施例6では、調圧工程が実施された後、実施例5と同様に、アジャストスクリュ7の雄ねじ部7aではなく、テーパ面7dに対しスリーブ4の外径をかしめているので、かしめ力の軸方向分力が雄ねじ面に作用することはない。一方、テーパ面7dには、かしめ力の軸方向分力が作用する。この軸方向分力は、テーパ面7dの外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に小さく形成されているので、アジャストスクリュ7を軸方向の反スプリング側へ押圧する力として働く。また、かしめ時においても、F1<F2の条件が維持されているので、スリーブ4をかしめる際に、スプリング6の反力に抗してアジャストスクリュ7が軸方向のスプリング側へ移動することはない。
これにより、調圧後、スリーブ4に対するアジャストスクリュ7の軸方向の位置ずれを防止できるので、スプリング6のセット荷重を精度良く調整でき、調圧ずれを防止できる。さらに、実施例6では、F1<F2の条件が維持された状態でかしめが行われ、そのかしめ時にテーパ面7dに作用するかしめ力の軸方向分力がアジャストスクリュ7を軸方向の反スプリング側へ押圧する力として加わるため、雄ねじ山の反スプリング側で当接する雌ねじ面と雄ねじ面との密着力が高まることにより、雌ねじ部4aと雄ねじ部7aとが噛み合うねじ嵌合部からの作動流体(例えば油)のリーク量を抑制できる効果が向上する。
(変形例)
実施例1、2では、アジャストスクリュ7の円筒面7bを雄ねじ部7aより軸方向のスプリング側に設けているが、雄ねじ部7aより軸方向の反スプリング側に設けても良い。あるいは、雄ねじ部7aの軸方向中央部に円筒面7bを設けることもできる。
同様に、実施例3、4に記載した突条部7c、および、実施例5、6に記載したテーパ面7dを、雄ねじ部7aより軸方向の反スプリング側、あるいは、雄ねじ部7aの軸方向中央部に設けることもできる。
なお、円筒面7b(または、突条部7c、テーパ面7d)を雄ねじ部7aの反スプリング側に設ける場合は、実施例1に記載したスリーブ4の内筒面4bが雌ねじ部4aの反スプリング側に形成されるため、内筒面4bの内径D2は、図14に示す様に、雌ねじ部4aの谷の径D3と同一寸法、あるいは、谷の径D3以上の大きさに形成される。言い換えると、内筒面4aの内径D2が雌ねじ部4aの谷の径D3より小さく形成されることはない。この場合、実施例1に記載した様に、円筒面7bの外径d1を雌ねじ部4aの内径D1(図3参照)より若干小さい寸法に設定すると、内筒面4bと円筒面7bとの間にねじ山の高さ分に相当する隙間が生じるため、円筒面7bに対しスリーブ4の外径をかしめることができなくなる。従って、円筒面7bを雄ねじ部7aの反スプリング側に設ける場合は、円筒面4bの外径d1を内筒面4bの内径D2より小さく、且つ、雄ねじ部7aの外径d3以上の大きさに設定する必要がある。これは、突条部7cおよびテーパ面7dの場合も同じである。
実施例3、4では、非ねじ部の外周に例えば3本の突条部7cを設けた事例を記載しているが、3本に限定するものではない。つまり、少なくとも1本の突条部7cが形成されていれば良い。
実施例1では、スリーブ4の外周面にドリル等で穿設した袋孔4cを径方向に対向する2箇所に形成している、つまり、アジャストスクリュ7の円筒面7bに対し二点かしめを実施しているが、二点かしめに限定するものではなく、例えば、一点かしめでも良い。あるいは、周方向において等間隔に三点以上をかしめる多点かしめ、または、スリーブ4の全周をかしめる全周かしめを実施することも出来る。
なお、実施例1と同様に、二点かしめを実施する場合は、スリーブ4の径方向に対向する平行な二平面を形成し、この二平面にカシメパンチを押圧してかしめを実施することもできる。また、全周かしめを実施する場合は、予め、かしめ部位に相当するスリーブ4の全周に周溝を形成して、スリーブ4の肉厚を薄く形成しておくこともできる。
実施例1〜6では、本発明のソレノイド弁を自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁1に適用した一例を記載したが、例えば、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に使用される油圧制御弁に適用することも出来る。また、油圧制御弁1に限らず、流量制御弁、流路切換弁などにも適用可能である。
さらに、実施例1〜6に記載した油圧制御弁1は、弁体として串形のスプール5を使用しているが、本発明のソレノイド弁は、スプール5以外の弁体(例えば、ボール弁、ニードル弁など)を使用することも可能である。
1 油圧制御弁(ソレノイド弁)
3 ソレノイド部
4 スリーブ(弁ハウジング)
4a スリーブの雌ねじ部
5 スプール(弁体)
6 スプリング
7 アジャストスクリュ
7a アジャストスクリュの雄ねじ部
7b アジャストスクリュに設けられた円筒面
7c アジャストスクリュの非ねじ部に設けられた突条部
7d アジャストスクリュに設けられたテーパ面
8 スリーブの摺動孔

Claims (7)

  1. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1>F2 ………………………………………………………………(1)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部に円筒面(7b)が設けられて、その円筒面(7b)の外径が前記雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側に円筒面(7b)が設けられて、その円筒面(7b)の外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、前記円筒面(7b)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記弁ハウジング(4)に対して前記アジャストスクリュ(7)が回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  2. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1<F2 ……………… ………………………………………………(2)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部に円筒面(7b)が設けられて、その円筒面(7b)の外径が前記雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側に円筒面(7b)が設けられて、その円筒面(7b)の外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、前記円筒面(7b)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記アジャストスクリュ(7)が前記弁ハウジング(4)に回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  3. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1>F2 ………………………………………………………………(1)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部(7c)が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部(7c)の外径が前記雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部(7c)が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部(7c)の外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記突条部(7c)は、高さ方向の頂点に向かって軸方向の幅寸法が次第に小さく形成され、且つ、軸方向の反スプリング側の側面を第1側面(7c1)と呼び、スプリング側の側面を第2側面(7c2)と呼び、前記頂点を通って軸方向と直交する垂線と前記第1側面(7c1)とが成す角度をθ1、前記垂線と前記第2側面(7c2)とが成す角度をθ2と定義した時に、下記(3)式の条件が成立しており、
    θ1>θ2 ………………………………………………………………(3)
    前記調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、前記突条部(7c)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記アジャストスクリュ(7)が前記弁ハウジング(4)に回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  4. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1<F2 ………………………………………………………………(2)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部(7c)が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部(7c)の外径が前記雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側に非ねじ部を有すると共に、この非ねじ部の外周には、少なくとも1本の突条部(7c)が周方向に連続する円環状に設けられて、その突条部(7c)の外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記突条部(7c)は、高さ方向の頂点に向かって軸方向の幅寸法が次第に小さく形成され、且つ、軸方向の反スプリング側の側面を第1側面(7c1)と呼び、スプリング側の側面を第2側面(7c2)と呼び、前記頂点を通って軸方向と直交する垂線と前記第1側面(7c1)とが成す角度をθ1、前記垂線と前記第2側面(7c2)とが成す角度をθ2と定義した時に、下記(4)式の条件が成立しており、
    θ1<θ2 ………………………………………………………………(4)
    前記調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、前記突条部(7c)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記アジャストスクリュ(7)が前記弁ハウジング(4)に回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  5. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(1)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1>F2 ………………………………………………………………(1)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部にテーパ面(7d)が設けられて、そのテーパ面(7d)の外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、前記テーパ面(7d)の最大外径が雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側にテーパ面(7d)が設けられて、そのテーパ面(7d)の外径が軸方向の反スプリング側からスプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、前記テーパ面(7d)の最大外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記調圧工程が実施された後、前記(1)式の条件が維持された状態で、前記テーパ面(7d)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記アジャストスクリュ(7)が前記弁ハウジング(4)に回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  6. 軸方向の一端側内周に雌ねじ部(4a)が形成された円筒孔を有する弁ハウジング(4)と、
    前記円筒孔に往復動可能に収容される弁体(5)と、
    電磁石の駆動力によって前記弁体(5)を前記円筒孔の一端方向へ駆動するソレノイド部(3)と、
    前記電磁石の駆動力に抗して前記弁体(5)を前記円筒孔の他端方向へ付勢するスプリング(6)と、
    外周に雄ねじ部(7a)を有し、この雄ねじ部(7a)を前記雌ねじ部(4a)に噛み合わせて前記弁ハウジング(4)の一端側内周にねじ結合され、治具により回転力が付与されて前記弁ハウジング(4)に対するねじ込み量を調整することで前記スプリング(6)のセット荷重を調整するアジャストスクリュ(7)とを備えるソレノイド弁(1)であって、
    前記治具により前記アジャストスクリュ(7)に回転力を付与しながら前記スプリング(6)のセット荷重を調整する工程を調圧工程と呼ぶ時に、前記調圧工程を実施する際に前記アジャストスクリュ(7)を軸方向のスプリング側へ押圧する力をF1、軸方向の反スプリング側へ押圧する力をF2とすると、下記(2)式の条件が成立する状態で前記調圧工程が実施され、
    F1<F2 ………………………………………………………………(2)
    前記アジャストスクリュ(7)は、前記雄ねじ部(7a)より軸方向のスプリング側または前記雄ねじ部(7a)の軸方向中央部にテーパ面(7d)が設けられて、そのテーパ面(7d)の外径が軸方向のスプリング側から反スプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、前記テーパ面(7d)の最大外径が雌ねじ部(4a)の内径より小さく形成され、あるいは、前記雄ねじ部(7a)より軸方向の反スプリング側にテーパ面(7d)が設けられて、そのテーパ面(7d)の外径が軸方向のスプリング側から反スプリング側へ向かって次第に大きく形成されると共に、前記テーパ面(7d)の最大外径が前記雄ねじ部(7a)の外径以上に大きく形成され、
    前記調圧工程が実施された後、前記(2)式の条件が維持された状態で、前記テーパ面(7d)に対し前記弁ハウジング(4)をかしめることにより、前記アジャストスクリュ(7)が前記弁ハウジング(4)に回り止めされることを特徴とするソレノイド弁。
  7. 請求項1〜6に記載した何れか一つのソレノイド弁(1)において、
    前記弁ハウジング(4)の一端側外周面には、少なくとも一つの袋孔(4c)が穿設され、前記アジャストスクリュ(7)に対し、前記袋孔(4c)にて前記弁ハウジング(4)を点かしめすることを特徴とするソレノイド弁。
JP2012185171A 2012-08-24 2012-08-24 ソレノイド弁 Active JP5720643B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012185171A JP5720643B2 (ja) 2012-08-24 2012-08-24 ソレノイド弁
US13/965,545 US9523433B2 (en) 2012-08-24 2013-08-13 Pressure control valve
KR20130100319A KR101489086B1 (ko) 2012-08-24 2013-08-23 압력 제어 밸브

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012185171A JP5720643B2 (ja) 2012-08-24 2012-08-24 ソレノイド弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014043870A true JP2014043870A (ja) 2014-03-13
JP5720643B2 JP5720643B2 (ja) 2015-05-20

Family

ID=50147162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012185171A Active JP5720643B2 (ja) 2012-08-24 2012-08-24 ソレノイド弁

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9523433B2 (ja)
JP (1) JP5720643B2 (ja)
KR (1) KR101489086B1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5920325B2 (ja) * 2013-11-11 2016-05-18 株式会社デンソー 付勢力調整装置、これを用いた油圧制御弁、及び、付勢力調整装置の製造方法
JP6256104B2 (ja) * 2014-03-03 2018-01-10 株式会社ジェイテクト 電磁弁及び電磁弁の製造方法
JP2022049218A (ja) * 2020-09-16 2022-03-29 株式会社デンソー ソレノイドバルブ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02129480A (ja) * 1988-11-09 1990-05-17 Aisin Aw Co Ltd 圧力調整弁
US5259414A (en) * 1988-11-09 1993-11-09 Aisin Aw Co., Ltd Pressure control valve
JPH09166238A (ja) * 1995-12-14 1997-06-24 Denso Corp 電磁弁
JP2001124231A (ja) * 2000-09-29 2001-05-11 Keihin Corp ソレノイド弁
JP2002195439A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Denso Corp 電磁弁装置
US20030038260A1 (en) * 2001-08-23 2003-02-27 Noboru Matsusaka Electromagnetic valve device
JP2009166238A (ja) * 2009-03-12 2009-07-30 Fujitsu Component Ltd カッタ
JP2011033181A (ja) * 2009-08-06 2011-02-17 Kyb Co Ltd 電磁比例制御弁

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3467157A (en) * 1967-03-23 1969-09-16 Jack La Torre Fastener having interference thread forming means associated therewith
JPH02129481A (ja) * 1988-11-09 1990-05-17 Aisin Aw Co Ltd 圧力調整弁
US4983084A (en) * 1989-09-26 1991-01-08 Northrop Corporation Double locked threaded fastener
JPH0640537U (ja) * 1992-08-28 1994-05-31 太平洋工業株式会社 安全弁
JP3784797B2 (ja) 2003-10-15 2006-06-14 株式会社ケーヒン 油圧制御弁のダンパ装置
JP5005909B2 (ja) 2005-11-18 2012-08-22 勝行 戸津 ねじ具の緩み止め締結具及びその製造方法
DE102011078256A1 (de) * 2011-06-29 2013-01-03 Hilti Aktiengesellschaft Schraube und Verfahren zur Herstellung eines Schraubgewindes

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02129480A (ja) * 1988-11-09 1990-05-17 Aisin Aw Co Ltd 圧力調整弁
US5259414A (en) * 1988-11-09 1993-11-09 Aisin Aw Co., Ltd Pressure control valve
JPH09166238A (ja) * 1995-12-14 1997-06-24 Denso Corp 電磁弁
JP2001124231A (ja) * 2000-09-29 2001-05-11 Keihin Corp ソレノイド弁
JP2002195439A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Denso Corp 電磁弁装置
US20030038260A1 (en) * 2001-08-23 2003-02-27 Noboru Matsusaka Electromagnetic valve device
JP2003139261A (ja) * 2001-08-23 2003-05-14 Denso Corp 電磁弁装置および電磁弁装置の製造方法
JP2009166238A (ja) * 2009-03-12 2009-07-30 Fujitsu Component Ltd カッタ
JP2011033181A (ja) * 2009-08-06 2011-02-17 Kyb Co Ltd 電磁比例制御弁

Also Published As

Publication number Publication date
US9523433B2 (en) 2016-12-20
KR20140026297A (ko) 2014-03-05
US20140054485A1 (en) 2014-02-27
KR101489086B1 (ko) 2015-02-02
JP5720643B2 (ja) 2015-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9624948B2 (en) Electromagnetic valve
US20170343110A1 (en) Sealing device
US7584937B2 (en) Linear solenoid with abutted portion
WO2018164022A1 (ja) 作動油制御弁およびバルブタイミング調整装置
US8925585B2 (en) Oil pressure regulation valve
JP5920325B2 (ja) 付勢力調整装置、これを用いた油圧制御弁、及び、付勢力調整装置の製造方法
CN108779787B (zh) 流体缸
KR20130017072A (ko) 유체압 실린더
JP5720643B2 (ja) ソレノイド弁
US10683913B2 (en) Tensioner
US8382064B2 (en) Solenoid valve
US6732999B2 (en) Electromagnetic valve device
US9903498B2 (en) Solenoid valve and manufacturing method of the same
US6938875B2 (en) Proportional solenoid valve
WO2016116995A1 (ja) 高圧ポンプ及びその製造方法
US20060029503A1 (en) Plunger pump and method of controlling discharge of the pump
JP5760936B2 (ja) スプール制御弁
US20190063562A1 (en) Tensioner
JP2020193637A (ja) ソレノイドバルブ
US20210180477A1 (en) Valve timing regulator
JP6681448B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP2014055597A (ja) 制御弁
JP2008133904A (ja) 樹脂製スラスト軸受
EP3106666B1 (en) Hydraulic rotary machine
EP2937605A1 (en) Valve structure

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150309

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5720643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250