JPH0640537U - 安全弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、一つの圧縮コイルばねを用いて開
弁圧力の設定値が異なる複数の安全弁を得ると共に、圧
縮コイルばねのばね力のばらつきが直接開弁圧力に影響
することのない安全弁を得ることを目的とする。 【構成】 本考案の安全弁は、円筒形に形成した安全弁
のボディ１に圧力開放口２を設けると共に、この周縁に
凸環形状の弁座３を設け、この弁座３の上方に、下面中
央の開口４にパッキン７を嵌着してなる弁体６と、圧縮
コイルばね８および中央部に通口９を有するプレート１
０を順次収納した安全弁において、前記ボディ１の上部
開口側を側面からかしめ加工等により変形させて前記プ
レート１０をボディ１の任意の位置にて固定できるよう
にしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、カーエアコンの冷凍回路やボイラ回路等に装着する安全弁に関す るもので、特に安全弁の圧力設定を任意に変更できるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、従来の安全弁を示すものであり、円筒形に形成された安全弁のボディ １には、下方に圧力開放口２が設けられると共に、この周縁に凸環形状の弁座３ が設けられ、一方、上部開口縁には後述するプレート１０を載置させるための肩 部５が設けられている。そして、前記弁座３の上方には、下面中央の開口４にパ ッキン７を嵌着してなる弁体６と、圧縮コイルばね８および通口９を有するプレ ート１０が順次収納され、これらの部品は、前記ボディ１の上部開口縁をプレー ト１０上縁にかしめることによって固定されている。なお、図中１３は、圧力開 放側の端部に設けられたおねじであり、制御すべき流体の配管系等に接続できる ようになっている。また、１４は、シール用のＯリングである。 そして、冷媒回路の圧力が設定圧力より高くなると、弁体６が圧縮コイルばね ８の押付力に打ち勝って弁座３より離れ、冷媒ガスをプレート１０の通口９より ボディ１の軸線方向に向かって大気中へ放出し、また、回路中の圧力が降下する と圧縮コイルばね８の力で復帰するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

安全弁は、その使用状況に応じて開弁圧力が異なるため、従来の安全弁では、 それぞれの圧力設定に対応したばね力を持つ圧縮コイルばねを用意する必要があ った。また、前記圧縮コイルばね８により弁体６を押し付ける力は、他の部品の ばらつきと重なって安全弁の開弁性能に大きなばらつきを生じさせていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の目的は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、一つ の圧縮コイルばねを用いて開弁圧力の設定値が異なる複数の安全弁を得ると共に 、圧縮コイルばねのばね力のばらつきが直接開弁圧力に影響することのない安全 弁を得ることを目的とする。

【０００５】 すなわち、本考案の安全弁は、円筒形に形成した安全弁のボディ１に圧力開放 口２を設けると共に、この周縁に凸環形状の弁座３を設け、この弁座３の上方に 、下面中央の開口４にパッキン７を嵌着してなる弁体６と、圧縮コイルばね８お よび中央部に通口９を有するプレート１０を順次収納した安全弁において、前記 ボディ１の上部開口側を側面からかしめ加工等により変形させて前記プレート１ ０をボディ１の任意の位置にて固定できるようにしたことを特徴とするものであ る。

【０００６】 また、前記ボディ１の上部開口側を側面からかしめ加工等により変形させて前 記プレート１０を固定する際に、プレート１０を押し下げることにより前記圧縮 コイルばね８が予め設定された荷重に達した位置にてプレート１０をかしめ固定 したことを特徴とする請求項１記載のものである。

【０００７】

【作用】

本考案の安全弁は、従来品のように、上部開口縁にプレート１０を位置決めす る肩部５をもたないから、安全弁の設定開弁圧力に応じて圧縮コイルばね８を適 宜押し下げてプレート１０の位置決めをすることができる。つまり、一つの圧縮 コイルばね８でもそのセット長を変化させることによりばね力を変化させ得るた め、同一の部品を使用しても圧力設定の異なる複数の安全弁が得られる。 また、圧縮コイルばね８やその他の部品にばらつきがあっても、所望する開弁 圧力が得られるばね力になるようにプレート１０の位置決めをしてこれをかしめ 固定するものであるから、これらの部品のばらつきが直接開弁圧力に影響するこ とのない安全弁を得ることができる。

【０００８】

【実施例】 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す安全弁の縦断側面図である。 本考案の安全弁は、圧力開放口２と弁座３を備えたボディ１と、パッキン７を嵌 着した弁体６と、圧縮コイルばね８および通口９を有するプレート１０とによっ て構成されるが、これらの部品は従来品と全く同じであるから、その詳細な説明 を省略する。

【０００９】 本考案の安全弁における従来品との相違点は、前記プレート１０を前記ボディ １の上部開口側に固定する際の固定方法であるが、この点を以下に説明する。 図２は、安全弁を組み付ける時の状態を示す縦断側面図であり、円筒形をしたボ ディ１の内部には、パッキン７を嵌着した弁体６と、圧縮コイルばね８と、プレ ート１０とを収納し、該プレート１０の上方からは設定されたばね力が得られる ように押さえ込み治具１１によってプレート１０を押さえ込み、プレート１０の 位置を仮固定する。そして、図１に示すように、ボディ１の上部開口側を側面か らかしめ加工等により変形させて前記プレート１０をボディ１に固定する。 このように本考案では、プレート１０の固定位置、つまり圧縮コイルばね８のセ ット長は、治具の押し下げ位置を開弁設定圧力に応じて任意に設定できるため、 一つの圧縮コイルばねを用いて開弁圧力の異なる複数の安全弁を得ることができ る。

【００１０】 また、図示しないが、治具１１にセンサーを取り付けて治具による押付力を計 測できるようにし、治具１１の押付力が圧縮コイルばね８の設定荷重に達した時 点で停止、すなわち、プレート１０の固定位置を決定して組み付ければ、圧縮コ イルばねのばね力のばらつきやその他の部品のばらつきが直接開弁圧力に影響す ることのない安全弁を得ることができる。

【００１１】

【その他の実施例】

図３は変形実施例を示す。先に説明した図１の実施例では、プレート１０のフ ランジ部分を抱き抱えるようにしてかしめ固定しているが、図３に示すようにプ レート１０の側面を凹形状にし、その凹部にボディ１の上部開口側側面が食い込 むようにしてもよい。また、図４に示すようにプレート１０の側面にローレット 加工等の摩擦係数を高める処置を施し、側面の凹部のかわりとしてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

この考案によれば、ボディ１の上部開口側を側面からかしめ加工等により変形 させて前記プレート１０をボディ１の軸線方向の任意な位置にて固定できるよう にしているため、プレート１０の固定位置を調整して前記圧縮コイルばね８のセ ット長を変化させることにより、圧縮コイルばね８のばね力を所望の大きさに調 整することができ、一つの圧縮コイルばねを使用するにもかかわらず、その所望 の大きさに調整されたばね力に対応した開弁圧力の異なる複数の安全弁を得るこ とができるので、圧力設定の種類に対し、圧縮コイルばねの種類を大幅に減らす 事ができる。 また、治具１１にセンサーを取り付けて治具による押付力を計測できるように し、治具１１の押付力が圧縮コイルばね８の設定荷重に達した時点で停止、すな わち、プレート１０の固定位置を決定して組み付ければ、圧縮コイルばねのばね 力のばらつきやその他の部品のばらつきが直接開弁圧力に影響することがなく、 安全弁の精度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の安全弁の縦断側面図。

【図２】 本考案の安全弁を組み付ける時の状態を示す
縦断側面図。

【図３】 本考案の他の実施例の縦断側面図。

【図４】 本考案の他の実施例のプレートを示す斜視
図。

【図５】 従来の安全弁の縦断側面図。 １ ボディ ２ 圧力開放口 ３ 弁座
４ 開口 ５ 肩部 ６ 弁体 ７ パッキ
ン ８ 圧縮コイルばね ９ 通口 １０ プレー
ト １１ 治具。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形に形成した安全弁のボディ１に圧
   力開放口２を設けると共に、この周縁に凸環形状の弁座
   ３を設け、この弁座３の上方に、下面中央の開口４にパ
   ッキン７を嵌着してなる弁体６と、圧縮コイルばね８お
   よび中央部に通口９を有するプレート１０を順次収納し
   た安全弁において、前記ボディ１の上部開口側を側面か
   らかしめ加工等により変形させて前記プレート１０をボ
   ディ１の任意の位置にて固定できるようにしたことを特
   徴とする安全弁。
2. 【請求項２】 前記ボディ１の上部開口側を側面からか
   しめ加工等により変形させて前記プレート１０を固定す
   る際に、プレート１０を押し下げることにより前記圧縮
   コイルばね８が予め設定された荷重に達した位置にてプ
   レート１０をかしめ固定したことを特徴とする請求項１
   記載の安全弁。