JPH09165445A - 硬化性樹脂組成物、およびその硬化物の製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、およびその硬化物の製造方法

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JPH09165445A
JPH09165445A JP32853495A JP32853495A JPH09165445A JP H09165445 A JPH09165445 A JP H09165445A JP 32853495 A JP32853495 A JP 32853495A JP 32853495 A JP32853495 A JP 32853495A JP H09165445 A JPH09165445 A JP H09165445A
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resin composition
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meth
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JP32853495A
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English (en)
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Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Makoto Doi
誠 土肥
Toru Kurihashi
透 栗橋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無溶剤で塗工できる樹脂組成物を提供すること
を目的とする。 【解決手段】1分子中にアクリル基またはメタクリル基
を2個有する化合物(A)10〜70重量%、1分子中
にアクリル基またはメタクリル基を3個以上有する化合
物(B)1〜35重量%および、1級モノアミンまたは
2級ジアミン(C)10〜70重量%を反応せしめてな
る樹脂組成物からなり、化合物(A)、化合物(B)ま
たはアミン(C)の少なくとも一つが、同一分子内にラ
クタム環を有する化合物であること特徴とする硬化性樹
脂組成物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤を用いないで
塗工または成形ができる樹脂組成物に関する。本発明の
樹脂組成物は、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、充填
剤、成形材料用の無溶剤型液状樹脂として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、充填剤、
成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使われてき
た。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程および硬化乾
燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境また作業
環境への関心の高まりとともに、この様な樹脂溶液の使
用に対する制限が加えられる様になってきている。その
一つの方法として、樹脂の水溶液や粉体、ホットメルト
材料の使用が挙げられるが、樹脂の水溶液は塗装性を向
上する意味から若干の有機溶剤を含み、作業環境におけ
る臭気が除かれたとは言いにくい。また、放出される有
機溶剤の焼却処理とともに、排水処理に投資を必要とす
る。大規模な排ガス処理設備を備えた塗装、充填工場で
は大気への有機溶剤放出は抑えられるが、そうした設備
を持たない小規模工場では、有機溶剤に関して処理出来
ても排水処理が出来ないという問題点を有する。また、
粉体またはホットメルトの塗装、充填の場合には、従来
の塗装、充填設備と方法が大いに異なるために、新規の
設備を導入する必要が生まれる。
【0003】上記の問題を解決するために、樹脂溶液の
ハイソリッド化、樹脂の水溶液の改良等を行われてお
り、こうした努力により、今後樹脂溶液の使用量は低下
の傾向がさらに顕著となると考えられる。しかし、根本
的な解決策として、公害、安全衛生、引火、爆発等の問
題がなく、広範囲に適用でき、且つ塗工、充填の容易な
無溶剤液状樹脂の開発が強く要望されている。また、こ
れらの無溶剤液状樹脂は従来の乾燥装置で硬化した被
膜、成形物となる必要がある。このような無溶剤液状樹
脂は、特開昭57−171号公報に開示されている。こ
の技術は、アクリルモノマーによる液状樹脂を使用する
が、得られた樹脂がオリゴマーであり、組成物中に低分
子量成分を含有することから安全衛生上さらに改善が望
まれている。
【0004】一方、アクリル基またはメタクリル基と、
1級または2級アミンとの反応は、一般に、マイケル付
加反応あるいはカルボキシエチル化反応として知られて
いる。これを、高分子反応に応用した例として、高分子
化学、第26巻、271ページ(1969年)には、二
官能アクリレートと、二官能ポリアミンとの重付加反応
を、アミド系溶媒で、アルカリ金属塩を触媒として行な
っている。また、特開昭50−34400号公報では、
多官能(メタ)アクリレートと、多官能ポリアミンを、
無溶媒で反応させ、それぞれ、三次元架橋された高分子
化合物を得ている。しかし、これらの公知技術では、得
られた高分子化合物は三次元化しているため、塗加工が
できず、また、これらの(メタ)アクリレートとアミン
の混合物の段階での塗加工は、三次元硬化反応が進行す
るために、ポットライフが短い、塗工装置内でゲル化し
やすいなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗装工程の
作業環境を飛散する有機溶剤で汚染することがなく、ま
た大気中に有機溶剤を放出しないため特別の排ガス処理
設備を要さず、なおかつ従来より用いられている塗装、
充填方法、例えばロールコーターやナイフコーターで塗
装、充填できる液状の樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題の解
決について鋭意検討を行なった結果、特定の(メタ)ア
クリル基を有する化合物およびアミノ化合物を反応させ
た樹脂組成物が高分子量でありながら、従来の塗装、充
填方法で塗装、充填できる樹脂組成物となることを見い
だし、また、熱、光または電子線で処理することにより
硬化性樹脂組成物となることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、1分子中にアクリル
基またはメタクリル基を2個有する化合物(A)10〜
70重量%、1分子中にアクリル基またはメタクリル基
を3個以上有する化合物(B)1〜50重量%、1級モ
ノアミンまたは2級ジアミン(C)10〜70重量%を
反応せしめてなる樹脂組成物からなり、化合物(A)、
化合物(B)またはアミン(C)の少なくとも一つが、
同一分子内にラクタム環を有する化合物であること特徴
とする硬化性樹脂組成物に関する。また、重量平均分子
量が2,000〜200,000であり、50℃におけ
る粘度が500〜100,000cpsである上記硬化
性液状樹脂組成物に関する。さらに、上記液状樹脂組成
物を、基材上に塗布または型中に注入後、熱、光または
電子線で処理せしめてなる硬化物の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される1分子中にア
クリル基またはメタクリル基を2個有する化合物(A)
としては、例えば、多官能アルコールまたは多官能フェ
ノールのジ(メタ)アクリル酸エステル、メチレンビス
(メタ)アクリルアミドなどがある。
【0009】具体的には、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブタンジオール、n−ペンタンジオー
ル、ネオペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタ
ンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカ
ンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオー
ル、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、エ
イコサンジオール、ドコサンジオールなどの二官能アル
コールのジ(メタ)アクリレート、
【0010】フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、マロン酸、ヘキサン二酸などの二官能
カルボン酸のポリアルキレングリコール変性物またはエ
ピクロルヒドリン変性物のジ(メタ)アクリレート、ビ
スフェノールA誘導体のエピクロルヒドリン変性物のジ
(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸誘導体のポリア
ルキレングリコール変性物のジ(メタ)アクリレート、
【0011】グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニ
トール、ソルビトールなどの多官能アルコールまたはそ
のポリアルキレングリコール変性物またはエピクロルヒ
ドリン変性物のジ(メタ)アクリレート、カテコール、
レゾルシン、ハイドロキノン、フロログルシン、ピロガ
ロールなどの多官能フェノールのジ(メタ)アクリレー
トなどがあげられる。これらは、2種以上用いてもよ
い。
【0012】化合物(A)の使用量は、樹脂組成物全体
に対して10〜70重量%が好ましく、上記範囲外で
は、硬化物が得られ難くなるため、好ましくない。
【0013】また、本発明で用いられる、1分子中にア
クリル基またはメタクリル基を3個以上有する化合物
(B)は、樹脂組成物の分枝点となる他に、一部の(メ
タ)アクリル基を、未反応のまま残留させ、樹脂組成物
を硬化させる反応点を与える構成成分として使用され
る。化合物(B)の1分子中のアクリル基またはメタク
リル基は3個以上6個以下が好ましく、6個より多くな
ると反応物がゲル化する傾向がある。化合物(B)とし
て、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
マンニトール、ソルビトールなどの3価以上のアルコー
ル、またはそのポリアルキレングリコール変性物または
エピクロルヒドリン変性物のポリ(メタ)アクリレー
ト、
【0014】没食子酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロ
ピロメリット酸などの3価以上のカルボン酸のポリアル
キレングリコール変性物またはエピクロルヒドリン変性
物のポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸誘導体
のポリアルキレングリコール変性物のトリ(メタ)アク
リレート、フロログルシン、ピロガロールなどの3価以
上のフェノールのポリ(メタ)アクリレートなどがあげ
られる。これらは、2種以上用いてもよい。
【0015】化合物(B)の使用量は、樹脂組成物全体
に対して1〜50重量%が好ましく、1重量%より少な
い場合は、硬質な硬化物が得られ難く、また、50重量
%より多い場合は樹脂組成物が架橋して、塗工可能な樹
脂組成物が得られ難くなるために好ましくない。
【0016】また、本発明で用いられるアミン(C)
は、共重合体を粘度を調整とするための構成成分として
使用される。本発明で用いられるアミン(C)は、プロ
ピルアミン、N,N−ジメチルプロパンジアミン、n−
ブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、
ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノ
ニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシ
ルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、
オクタデシルアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミ
ンなどのアルキレン鎖を有する1級アミン、
【0017】N,N’−ジメチルヘキサンジアミン、
N,N’−ジエチルオクタンジアミン、N,N’−ジプ
ロピルデカンジアミン、N,N’−ジメチルドデカンジ
アミンなどのアルキレン鎖を有する2級ジアミン、メト
キシエトキシエトキシエチルアミン、メトキシプロピル
プロピルアミン、メトキシポリエチレンオキシエチルア
ミンなどのポリアルキレンオキシ鎖を有する1級アミ
ン、また、ピペリジンなどの環状アミン、アリルアミン
などの不飽和二重結合を有するアミノ化合物、エタノー
ルアミンなどの官能基を有するアミン、トリアジン、エ
チレンジアミンなどの活性水素を3個以上有するアミン
などが挙げられる。これらは、2種以上用いても良い。
【0018】これらのうちで、炭素数6以上22以下の
アルキレン鎖または繰り返し数が4以上25以下のポリ
アルキレンオキシ鎖を有する、1級モノアミンまたは2
級ジアミン化合物が好ましい。上記長鎖を有する場合、
得られる樹脂組成物は粘度が低下して好ましい。
【0019】アミン(C)の使用量は、全体の樹脂組成
物に対して10〜70重量%が好ましく、10重量%よ
り少ない場合は、塗工可能な樹脂組成物が得られ難く、
また、70重量%より多い場合は、硬化物が得られ難く
なるために好ましくない。また、全体の10重量%以内
で、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ネオペンタ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミ
ンなどのジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、メラミンなどの1級ポリアミンを加えて
も良い。
【0020】ラクタム環を有する化合物は、熱、光また
は電子線の処理によって硬化する、ラクタム環を樹脂に
導入するために用いる。本発明の樹脂は、アミノ基と
(メタ)アクリル基との付加反応によって、樹脂が形成
されるため、ラクタム環を有する化合物もまた、化合物
(A)、化合物(B)、アミン(C)のいずれかである
必要がある。
【0021】ラクタム環としては、特に限定はないが、
5員環または6員環のラクタム環が原料の入手の点で好
ましい。ラクタム環は、直接、または、原子団を介し
て、アミノ基または(メタ)アクリル基と結合している
必要がある。このようなラクタム環を有する化合物は、
ラクタム環と、アミノ酸誘導体、または、ポリ(メタ)
アクリル酸エステル誘導体と反応させ、ラクタム環の窒
素をアシル化させて、アミノ基またはポリ(メタ)アク
リル基と、ラクタム環を有する化合物が得られる。
【0022】また、このようなラクタム環を有する化合
物を得る方法として、イタコン酸ジエステルを例えば、
メタノール中室温で、アルキルモノアミンで付加させて
得られる1−アルキル−5−オキソ−3−ピロリジンカ
ルボン酸エステルから誘導する方法が例示できる。
【0023】上記オキソピロリジンカルボン酸エステル
を、更に、例えば、メタノール中室温でアルキレンジア
ミンとエステルアミド交換反応させると、アミノ基とラ
クタム環を有するN−(アミノアルキル)−オキソピロ
リジンカルボン酸アミドが得られる。上記オキソピロリ
ジンカルボン酸アミドを、化合物(B)で例示したよう
なポリ(メタ)アクリル酸エステル化合物と、例えば、
メタノール中室温で反応させることにより、2個以上の
(メタ)アクリル基とラクタム環を有する化合物が得ら
れる。
【0024】これら一連の反応は、本発明の樹脂合成と
全く同じ反応条件が適用される。また、原料のイタコン
酸ジエステルから、同一容器中で、目的の化合物まで生
成できるという利点がある。また、イタコン酸ジエステ
ルと直接、アルキレンジアミンを反応させてアミノ基と
ラクタム環を有する化合物を得ることもできる。これら
のラクタム環を有する化合物は、2種以上用いても良
い。
【0025】また、全体の10重量%以内で、N−(メ
タ)アクリロイルセファロスポリン酸エステル、N−
(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリ
ロイルγ−カプロラクタム、N−(メタ)アクリロイル
δ−バレロラクタムなどの1個の(メタ)アクリル基を
有するラクタム環化合物を加えても良い。
【0026】化合物(A)、化合物(B)およびアミン
(C)の付加反応せしめる際に、アミン(C)のアミノ
基の活性水素の化学当量が、化合物(A)および化合物
(B)のすべての(メタ)アクリル基の化学当量の0.
5〜1倍である場合、分子量の大きい樹脂組成物が得ら
れ易いために好ましい。また、ラクタム環を有する化合
物は、化合物(A)、化合物(B)およびアミン(C)
の合計量の1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%
となるようにすることが、得られた樹脂を液状とするた
めと硬化性のバランスをとる上で好ましい。
【0027】樹脂組成物は、通常、化合物(A)、化合
物(B)およびアミン(C)を、常圧で、容器内で撹拌
または振動させて反応させることで合成される。樹脂組
成物の合成は、無溶媒でも可能であるが、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルホスホラストリアミドなどのアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールな
どのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒を用いる
と、(メタ)アクリル基とアミン基の反応速度が向上す
るので好ましい。
【0028】合成時の温度は、化合物(A)または化合
物(B)がアクリル基を含む場合は、室温で反応して樹
脂組成物となるが、分子量の向上のために、室温でしば
らく放置後に加熱することが好ましい。また、得られた
樹脂組成物は、石油エーテル、ヘキサンなどで沈降精製
を行い、低分子量成分を除去すると、硬化後の物性が向
上し好ましい。本発明の樹脂組成物は、GPC法(ゲル
パーメーションクロマトグラフ)で測定した重量平均分
子量(ポリスチレン換算)の値が2,000〜200,
000、好ましくは、3,000〜150,000の範
囲になるように合成される。重量平均分子量が2,00
0より小さくなると、重合溶液中から樹脂組成物分を単
離するのが困難である他、可撓性などの被膜、成形物の
機械特性が低下する。また、重量平均分子量が200,
000より大きくなると樹脂組成物が塗工可能な粘度を
保てなくなるので好ましくない。得られた樹脂組成物の
粘度は、回転振動式粘度計で測定した50℃における粘
度が500〜100,000cpsであることが好まし
く、更に好ましくは800〜50,000cpsであ
る。
【0029】本発明の硬化性樹脂組成物は、実質的に無
溶剤型の塗料または成形材料として使用できる。しかし
ながら、樹脂組成物の流動性などを改良するために、樹
脂組成物に対して20重量%以内で、水または有機溶剤
などを配合してもよい。また、チタン白、各種の顔料等
の着色剤、滑剤等を添加してもよい。また、硬化性を高
めるために、樹脂組成物に、単官能または多官能の(メ
タ)アクリルモノマー、エポキシモノマーなどを添加し
ても良い。
【0030】本発明において、塗工または充填後に、ラ
クタム環を、熱、光または電子線で処理することにより
架橋させ、樹脂組成物を硬化させることができる。硬化
機構は明確ではないが、ラクタム環同士の開環付加反
応、あるいは、ラクタム環が加水分解した後に脱水縮合
することが予想される。従って、熱処理などを、水分を
含んだ空気下で行うと、加水分解を伴う反応が促進され
る。また、触媒として、熱硬化処理する場合は、パラト
ルエンスルホン酸、ポリリン酸などの酸、または、水酸
化ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基なを、また、光
処理する場合は、例えば、ジアリールヨードニウム塩、
ジアリールアルキルスルホニウム塩などの光分解型酸発
生剤を樹脂組成物全体に対して、0.001〜10重量
%添加することが好ましい。光処理する場合は、さら
に、各種増感色素を添加してもよい。
【0031】本発明の樹脂組成物は、各種金属、プラス
チック、紙などの板、フィルム、シート上に、ロールコ
ータ、バーコータ、ナイフコータなどで塗工あるいは充
填できる。熱処理する場合は、30〜250℃で加熱す
る。熱源に特に限定はないが、一般的には熱循環式オー
ブンあるいは加熱ロールが好適に用いられる。光処理す
る場合、光源に特に限定はなく、水銀ランプ、キセノン
ランプ、蛍光灯、白熱灯、各種レーザなどが好適に用い
られる。電子線で処理する場合は、各種の中低電圧電子
線加速器が好適に用いられる。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (合成例1)イタコン酸ジメチル15.9g、1−ブチ
ルアミン7.3g、メタノール25gを室温で12時間
反応させて、1−ブチル−5−オキソ−3−ピロリジン
カルボン酸メチルを得た。更に、2,2−ジメチル−
1,3−ジアミン10.2gを加え、室温で12時間反
応させた後、メタノールを減圧留去して、N−(3−ア
ミノ−2,2−ジメチルプロピル)−1−ブチル−5−
オキソ−3−ピロリジンカルボン酸アミド(化合物D
1)を得た。
【0033】(合成例2)イタコン酸ジエチル18.7
g、1−ヘキシルアミン10.1g、ジオキサン30g
を室温12時間反応させて、1−ヘキシル−5−オキソ
−3−ピロリジンカルボン酸エチルを得た。更に、エチ
レンジアミン6.0gを加え、室温で12時間反応させ
た後、メタノールを減圧留去して、N−(2−アミノエ
チル)−1−ヘキシル−5−オキソ−3−ピロリジンカ
ルボン酸アミド(化合物D2)を得た。 (合成例3)合成例1の減圧留去する前の化合物D1の
メタノール溶液に、トリメチロールプロパントリアクリ
レート29.6gを加えて、室温で12時間反応させた
後、メタノールを減圧留去して、N−(2−(2,2−
ジ(アクリロイルオキシエチル)ブチルカルバモイル)
エチル)−1−ヘキシル−5−オキソ−3−ピロリジン
カルボン酸アミド(化合物D3)を得た。 (合成例4)合成例2の減圧留去する前の化合物D2の
メタノール溶液に、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート35.2gを加えて、室温で12時間反応させた
後、メタノールを減圧留去して、N−(2−(2,2,
2−トリ(アクリロイルオキシエチル)エチルカルバモ
イル)エチル)−1−ヘキシル−5−オキソ−3−ピロ
リジンカルボン酸アミド(化合物D4)を得た。
【0034】(実施例1)ネオペンチルグリコールジア
クリレート(共栄社化学(株)製NP−A)16.9
g、トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社
化学(株)製TMP−A)5.9g、ブチルアミン3.
7g、(化合物D1)12.8g、メタノール40g
を、室温12時間反応させた後、メタノールを減圧留去
して、液状樹脂1を得た。GPCによる重量平均分子量
は、5000で、50℃における回転振動式粘度計のよ
る粘度は、40,000cpsであった。 (比較例1)ネオペンチルグリコールジアクリレート
(共栄社化学(株)製NP−A)16.9g、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート(共栄社化学(株)製
TMP−A)5.9g、ブチルアミン7.4g、メタノ
ール40gを、室温12時間反応させた後、メタノール
を減圧留去して、液状樹脂1を得た。GPCによる重量
平均分子量は、6000で、50℃における回転振動式
粘度計のよる粘度は、38,000cpsであった。
【0035】(実施例2〜12)実施例1のネオペンチ
ルグリコールジアクリレートの代わりに表1に示した化
合物(A)を用い、また、トリメチロールプロパントリ
アクリレートの代わりに、表1に示した化合物(B)を
用い、1−ブチルアミンの代わりに表1に示したアミン
(C)を用い、化合物D1のかわりに、表1に示した化
合物(D)を用い、他は実施例1と同様の操作を行なっ
たときの、GPCによる重量平均分子量および、50℃
における回転振動式粘度計による粘度を表2に示した。
【0036】表1で、701-A は、2−ヒドロキシ−3−
アクリロイルオキシ−1−メタクリロイルオキシプロパ
ン、80MFA はグリセリンジグリシジルエーテルジアクリ
レート、1600A は1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテルジアクリレート、NP-Aは、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、200PA は、トリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテルジアクリレート、40EMは、
エチレングリコールジグリジジルエーテルジメタクリレ
ート、M-215 はジアクリル化イソシアヌレート、200EA
はテトラエチレングリコールジグリシジルエーテルジア
クリレートを表す。また、TMP-A はトリメチロールプロ
パントリアクリレート、DPE6A はジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートを表す。また、HAは1−ヘキシル
アミン、DAは1−デシルアミン、OAは1−オクタデシル
アミン、BAはn−ブチルアミン、EAはエタノールアミ
ン、DMHAはN,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジア
ミン、MEEAはメトキシエトキシエトキシエチルアミン、
PAはフェネチルアミンを表す。
【0037】 表1 ──────────────────────────────────── 実 化合物(A) 化合物(B) アミン(C) ラクトン環化合物 施 例 < g, モル> < g, モル> < g, モル> < g, モル> ──────────────────────────────────── 2 701-A<17.2,0.08> TMP-A< 5.9,0.02> HA < 5.1,0.05> D1<12.8,0.05> 3 80MFA<27.9,0.08> TMP-A< 5.9,0.02> DA < 7.8,0.05> D1<12.8,0.05> 4 1600A<30.0,0.08> TMP-A< 5.9,0.02> OA <13.5,0.05> D2<13.5,0.05> 5 NP-A <19.6,0.09> DPE6A< 5.8,0.01> BA < 3.7,0.05> D2<13.5,0.05> 6 NP-A <16.9,0.08> TMP-A< 5.9,0.02> EA < 3.1,0.05> D2<13.5,0.05> 7 NP-A < 8.5,0.04> TMP-A< 8.9,0.03> BA < 5.1,0.07> D3< 6.8,0.03> 8 200PA<16.7,0.04> TMP-A< 8.9,0.03> DMHA<14.2,0.10> D3< 6.8,0.03> 9 40EM <13.9,0.04> TMP-A< 8.9,0.03> MEEA<16.3,0.10> D3< 6.8,0.03> 10 M-215<29.5,0.08> TMP-A< 3.0,0.01> DA <15.7,0.10> D4< 2.8,0.01> 11 200EA<38.0,0.08> DPE6A< 5.8,0.01> DA <15.7,0.10> D4< 2.8,0.01> 12 NP-A <16.9,0.08> TMP-A< 3.0,0.01> PA <12.1,0.10> D4< 2.8,0.01> ────────────────────────────────────
【0038】 表2 ──────────────────────────────────── 実施例 重量平均分子量(×103 ) 50℃における粘度(cps) ──────────────────────────────────── 2 3.6 30000 3 4.5 35000 4 5.5 45000 5 5.2 40000 6 6.7 48000 7 3.5 45000 8 3.5 35000 9 3.5 47000 10 3.2 46000 11 3.8 45000 12 4.0 46000 ────────────────────────────────────
【0039】実施例1の樹脂組成物5gに、パラトルエ
ンスルホン酸0.05gを添加し、メカニカルスターラ
で室温にて撹拌し、アルミ板に0.5ミルアプリケータ
で塗工したものを、120℃1時間加熱したところ、タ
ックフリーとなった。同様に、実施例2〜12および比
較例1について、評価おこなった結果を表3に示す。
【0040】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例 150℃加熱後の表面状態 ──────────────────────────────────── 2 タックフリー 3 タックフリー 4 タックフリー 7 タックフリー 10 タックフリー 比較例1 タックあり ────────────────────────────────────
【0041】実施例1の樹脂組成物5gに、ジアリール
ヨードニウムトリフルオロボレート0.05gを添加
し、メカニカルスタータで室温にて撹拌し、アルミ板に
0.5ミルアプリケータで塗工したものを、UV照射装
置(東芝製UV3000:3kW水銀ランプ2灯:12
0W/cm:コンベアスピード10m/分)で1回照射
したところ、タックフリーとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明により、無溶剤型の塗料、接着
剤、粘着剤、インキ用の液状樹脂組成物が簡便に提供さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗橋 透 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中にアクリル基またはメタクリル基
    を2個有する化合物(A)10〜70重量%、 1分子中にアクリル基またはメタクリル基を3個以上有
    する化合物(B)1〜50重量%、1級モノアミンまた
    は2級ジアミン(C)10〜70重量%を反応せしめて
    なる樹脂組成物からなり、化合物(A)、化合物(B)
    またはアミン(C)の少なくとも一つが、同一分子内に
    ラクタム環を有する化合物であること特徴とする硬化性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】重量平均分子量が2,000〜200,0
    00であり、50℃における粘度が500〜100,0
    00cpsである請求項1記載の硬化性液状樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の硬化性液状樹脂組
    成物を、基材上に塗布または型中に注入後、熱、光また
    は電子線で処理せしめてなる硬化物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008019414A (ja) * 2006-06-16 2008-01-31 Toyo Ink Mfg Co Ltd 帯電防止用硬化性組成物、硬化膜及び積層体
JP2011074317A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Waseda Univ ポリラジカル化合物の製造方法
JP2012523581A (ja) * 2009-04-09 2012-10-04 エルジー・ケム・リミテッド 配向膜組成物、これにより製造された配向膜、配向膜の製造方法、これを含む光学フィルム及び光学フィルムを含むディスプレイ装置
JP2017530192A (ja) * 2014-09-14 2017-10-12 ナノシンソンズ リミティド ライアビリティ カンパニー ピロリドン誘導体、オリゴマー及びポリマー

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