JPH0885775A - プレコート鋼板製造用組成物 - Google Patents

プレコート鋼板製造用組成物

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JPH0885775A
JPH0885775A JP24864794A JP24864794A JPH0885775A JP H0885775 A JPH0885775 A JP H0885775A JP 24864794 A JP24864794 A JP 24864794A JP 24864794 A JP24864794 A JP 24864794A JP H0885775 A JPH0885775 A JP H0885775A
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JP
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group
compound
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steel sheet
precoated steel
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JP24864794A
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Makoto Niwa
真 丹羽
Hiroyuki Ota
博之 太田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬化速度が速く、その硬化膜が硬度、耐衝撃性
及び鋼板との密着性等に優れ、得られるプレコート鋼板
が加工性に優れるプレコート鋼板製造用組成物の提供。 【構成】1〜4個のオキセタン環を有する化合物及び光
カチオン重合開始剤からなるプレコート鋼板製造用組成
物、該組成物を使用して活性エネルギー線の照射により
硬化させるプレコート鋼板の製造方法、及び鋼板表面に
該組成物の硬化膜を有するプレコート鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オキセタン環を有する
化合物からなるプレコート鋼板製造用の組成物に関する
ものである。尚、本明細書においては、アクリロイル基
又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表
す。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭電気、内装建材、事務器又は
車両メーカー等においては、無公害、省力及び省工程等
の理由により、加工した後に塗装を行うポストコートを
避け、プレコート鋼板を使用して加工することが多くな
ってきている。しかしながら、従来のプレコート鋼板
は、ポストコート並みの硬度及び耐衝撃性を有し、か
つ、高加工性、例えば0T折曲げ加工に耐えうるものは
なかった。そのため、前記のようなメーカーがある特定
の分野にプレコート鋼板を採用する場合は、前記特性の
いずれかを犠牲にするのが現状である。例えば、熱硬化
硬質アクリル系塗装材を使用したものは、加工性に乏し
い。
【0003】ところで、活性エネルギー線硬化技術は、
その速い硬化速度、一般に無溶剤であることによる非汚
染性の作業環境、極めて低いエネルギー要求量等の種々
の良好な特性を有することから、木材のコーティング、
金属の装飾及び印刷等の種々の産業において、極めて重
要になってきている。この分野における初期の開発は、
多官能性アクリレート及び不飽和ポリエステル等の活性
エネルギー線開始ラジカル重合に集中しており、今日で
も、これらの材料は依然として大量に使用されている。
現在においても、これらの研究の大部分は、活性エネル
ギー線開始ラジカル重合に向けられているが、活性エネ
ルギー線開始イオン重合も多くの応用分野でかなり有望
であることも充分に認められている。特に活性エネルギ
ー線開始カチオン重合は、酸素によって重合が阻害され
ることがないので、特に不活性雰囲気下で実施しなけれ
ばならないという制限はなく、空気中で速やか且つ完全
な重合を行うことができるという利点を有する。今日ま
で、活性エネルギー線開始カチオン重合技術の開発は、
エポキシ樹脂及びビニルエーテルという2種類のモノマ
ーに集中していた。特に光硬化性エポキシ樹脂は、接着
性に優れ、又その塗膜は耐熱性及び耐薬品性が良好であ
る。しかしながら、従来の光硬化性エポキシ樹脂におい
ては、光重合速度が比較的遅いという欠陥をもつため、
速やかな光硬化が求められる用途においては使用するこ
とができなかった。又、低分子量の光硬化性エポキシ樹
脂は、変異原性をはじめとする毒性が指摘され、その危
険性が問題視されている。一方、光硬化性ビニルエーテ
ルは、揮発性があったり、臭気の強いものが多く、光硬
化性エポキシと比較して硬化時の収縮が認められるもの
が多い。特に、基材への吸込み現象や基材とのグラフト
反応による密着性の向上が期待できない、プレコート鋼
板の製造においては、硬化時の収縮により密着性が損な
われる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プレコート鋼板の製造
に使用する組成物として、前記エポキシ樹脂及びビニル
エーテルが検討されているが、上記のように、エポキシ
樹脂を使用した場合は、硬化性及び毒性に問題があり、
他方ビニルエーテルを使用する場合には、揮発性、臭気
の問題、及び硬化時に収縮を起こしたり、鋼板との密着
性に劣るをいう問題を有していた。本発明者らは、上記
事情に鑑み、毒性等がなく、硬化速度が速く、その硬化
膜が硬度、耐衝撃性及び鋼板との密着性等に優れ、折り
曲げによりクラックの生じることのない、即ち0T折曲
げ加工性に優れるプレコート鋼板製造用組成物を見出す
ため鋭意検討したのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の検
討により、特定の構造を有する環状エーテルからなる組
成物が、プレコート鋼板製造用組成物として上記の課題
を解決することができることを見出し本発明を完成し
た。すなわち、本発明の第1発明は、1〜4個のオキセ
タン環を有する化合物及び光カチオン重合開始剤からな
るプレコート鋼板製造用組成物、第2発明はエポキシ基
を有する化合物をさらに含有する第1発明のプレコート
鋼板製造用組成物、第3発明はビニルエーテル基を有す
る化合物をさらに含有する第1発明のプレコート鋼板製
造用組成物、第4発明は(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物及び光ラジカル重合開始剤をさらに含有する第
1発明のプレコート鋼板製造用組成物、第5発明は第1
〜4発明の組成物を鋼板表面に塗布し、活性エネルギー
線の照射により硬化させることを特徴とするプレコート
鋼板の製造方法、並びに第6発明は鋼板表面に第1〜4
発明の組成物の硬化膜を有するプレコート鋼板である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】○1〜4個のオキセタン環を有する化合物 本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキ
セタン環を1〜4個有するものである。オキセタン環を
5個以上有する化合物を使用すると、組成物の硬化膜に
柔軟性が失われ、得られるプレコート鋼板が折り曲げで
ヒビ割れを起こすことがある。本発明で使用するオキセ
タン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有す
る化合物であれば、種々のものが使用できる。1個のオ
キセタン環を有する化合物としては、具体的には下記一
般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】式(1)において、R1 は、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素
数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロア
ルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニ
ル基である。R2 は、メチル基、エチル基、プロピル基
或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−
プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プ
ロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテ
ニル基、2−ブテニル基或いは3−ブテニル基等の炭素
数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、
フルオロベンジル基、メトキシベンジル基或いはフェノ
キシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル
基、プロピルカルボニル基或いはブチルカルボニル基等
の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、プロポキシカルボニル基或いはブトキシカ
ルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル
基、又はエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル
基、ブチルカルバモイル基或いはペンチルカルバモイル
基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等
である。
【0009】つぎに、2個のオキセタン環を有する化合
物としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙
げられる。
【0010】
【化2】
【0011】式(2)において、R1 は、前記一般式
(1)におけるものと同様の基である。R3 は、例え
ば、エチレン基、プロピレン基或いはブチレン基等の線
状或いは分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)
基或いはポリ(プロピレンオキシ)基等の線状或いは分
枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メ
チルプロペニレン基或いはブテニレン基等の線状或いは
分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基
を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン
基、又はカルバモイル基を含むアルキレン基等である。
又、R3 は、下記式(3)、(4)及び(5)で示され
る基から選択される多価基でもある。
【0012】
【化3】
【0013】式(3)において、R4 は、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素
数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基或いはブトキシ基等の炭素数1〜4個のアル
コキシ基、塩素原子或いは臭素原子等のハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカル
ボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基であ
る。
【0014】
【化4】
【0015】式(4)において、R5 は、酸素原子、硫
黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2 、C(C
3 2 又はC(CH3 2 である。
【0016】
【化5】
【0017】式(5)において、R6 は、メチル基、エ
チル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個
のアルキル基、又はアリール基である。nは、0〜20
00の整数であり、組成物の硬化膜が高い表面硬度を要
求される場合には、nが0〜6であることが好ましく、
組成物の硬化膜が高い引張強さを要求される場合には、
nが100〜200であることが好ましい。R7 はメチ
ル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数
1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。R
7 は、下記式(6)で示される基から選択される多価基
でもある。
【0018】
【化6】
【0019】式(6)において、R8 は、メチル基、エ
チル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4個の
アルキル基、又はアリール基である。mは、0〜100
の整数である。2個のオキセタン環を有する化合物の具
体例としては、下記式(7)及び(8)で示される化合
物等が挙げられる。
【0020】
【化7】
【0021】式(7)で示される化合物は、式(2)に
おいて、R1 がエチル基、R3 がカルボキシル基である
化合物である。
【0022】
【化8】
【0023】式(8)で示される化合物は、一般式
(2)において、R1 がエチル基、R3が式(5)でR
6 及びR7 がメチル基、nが1である化合物である。
【0024】2個のオキセタン環を有する化合物におい
て、上記した化合物以外の好ましい例としては、下記一
般式(9)で示される化合物がある。
【0025】
【化9】
【0026】3〜4個のオキセタン環を有する化合物と
しては、下記一般式(10)で示される化合物等が挙げ
られる。
【0027】
【化10】
【0028】式(10)において、R1 は、前記一般式
(1)におけるものと同様の基である。R9 は、例えば
下記式(11)〜(13)で示される基等の炭素数1〜
12の分枝状アルキレン基、下記式(14)で示される
基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記式
(15)で示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙
げらる。jは、3又は4である。
【0029】
【化11】
【0030】〔式(11)において、R10はメチル基、
エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。〕
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】〔式(14)において、lは1〜10の整
数である。〕
【0035】
【化15】
【0036】3〜4個のオキセタン環を有する化合物の
具体例としては、下記式(16)で示される化合物等が
挙げられる。
【0037】
【化16】
【0038】さらに、上記した以外の1〜4個のオキセ
タン環を有する化合物の例としては、下記式(17)で
示される化合物がある。
【0039】
【化17】
【0040】式(17)において、R8 は式(6)にお
けるものと同様の基である。R11はメチル基、エチル
基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4であ
る。
【0041】本発明で使用するオキセタン化合物のより
好ましい例としては、以下に示す化合物がある。
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】○光カチオン重合開始剤 本発明の組成物で使用する光カチオン重合開始剤として
は、種々のものを用いることができる。これらの開始剤
として好ましいものとしては、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。典型的
な光カチオン重合開始剤を下に示す。
【0047】
【化22】
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】式中、R12は、水素原子、炭素数1〜18
のアルキル基、又は炭素数1〜18のアルコキシ基であ
り、R13は、水素原子、ヒドロキシアルキル基、ヒドロ
キシアルコキシ基であり、好ましくはヒドロキシエトキ
シ基である。Mは、金属好ましくはアンチモンであり、
Xは、ハロゲン好ましくはフッ素であり、kは、金属の
価数であり、例えばアンチモンの場合は5である。光カ
チオン重合開始剤は、オキセタン環を有する化合物に対
して0.1〜20重量%の割合で含有することが好まし
く、より好ましくは0.1〜10重量%である。後記す
る、第1発明の組成物にさらにエポキシ基を有する化合
物及び/又はビニルエーテル基を有する化合物を含有さ
せる場合は、オキセタン環を有する化合物、エポキシ基
を有する化合物及び/又はビニルエーテル基を有する化
合物の合計量に対して、0.1〜20重量%の割合で含
有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10重
量%である。0.1重量%に満たない場合は、硬化性が
十分なものでなくなり、他方、20重量%を越える場合
は、光透過性が不良となり、均一な硬化ができなかった
り、硬化膜表面の平滑性が失われることがある。
【0052】○その他の配合物 本発明の組成物には、上記した必須成分の他、必要に応
じてその他の成分を配合することができる。本発明の第
2発明は、第1発明の組成物に、さらにエポキシ基を有
する化合物を含有するプレコート鋼板製造用組成物であ
る。この場合、エポキシ化合物を組成物中に含有させる
ことにより、組成物の硬化速度をさらに改善することが
できる。エポキシ基を有する化合物としては、種々のも
のが使用できる。例えば、エポキシ基を1個有するエポ
キシ化合物としては、フェニルグリシジルエーテル及び
ブチルグリシジルエーテル等があり、エポキシ基を2個
以上有するエポキシ化合物としては、ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
及びノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。特に
本発明では脂環式エポキシ化合物を使用することが好ま
しく、例えば、以下に示す化合物等が挙げられる。
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】この場合、エポキシ基を有する化合物の配
合割合としては、上記1〜4個のオキセタン環を有する
化合物とエポキシ基を有する化合物の合計量100重量
部に対して、5〜95重量部が好ましい。
【0057】本発明の第3発明は、第1発明の組成物
に、さらにビニルエーテル基を有する化合物を含有する
プレコート鋼板製造用組成物である。この場合、ビニル
エーテル基を有する化合物を組成物中に含有させること
により、組成物の硬化速度をさらに改善することができ
る。ビニルエーテル基を有する化合物としては、種々の
ものが使用できる。例えば、ビニルエーテル基を1個有
する化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニル
エーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート
及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ビ
ニルエーテル基を2個以上有する化合物としては、シク
ロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレ
ングリコールジビニルエーテル及びノボラック型ジビニ
ルエーテル等が挙げられる。この場合、ビニルエーテル
基を有する化合物の配合割合としては、上記1〜4個の
オキセタン環を有する化合物とビニルエーテル基を有す
る化合物の合計量100重量部に対して、5〜95重量
部が好ましい。
【0058】本発明の第4発明は、第1発明の組成物
に、さらに(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び
光ラジカル重合開始剤を含有するプレコート鋼板製造用
組成物である。この場合、(メタ)アクリロイル基を有
する化合物を組成物中に含有させることにより、組成物
粘度の調整、組成物の硬化膜硬度の改質を行うことがで
きる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物として
は、種々のものが使用できる。例えば、(メタ)アクリ
ロイル基を1個有する化合物としては、フェノール、ノ
ニルフェノール及び2−エチルヘキサノールの(メタ)
アクリレート、並びにこれらのアルコールのアルキレン
オキシド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物として
は、ビスフェノールA、イソシアヌル酸、エチレングリ
コール及びプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレ
ート、並びにこれらのアルコールのアルキレンオキシド
付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メ
タ)アクリロイル基を3個有する化合物としては、ペン
タエリスリトール、トリメチロールプロパン及びイソシ
アヌル酸のトリ(メタ)アクリレート、並びにこれらの
アルコールのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)
アクリレート等があり、(メタ)アクリロイル基を4個
以上有する化合物としては、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。又、ウレタン結合を主鎖とするウレタンア
クリレート、エステル結合を主鎖とするポリエステルア
クリレート、エポキシ化合物にアクリル酸を付加したエ
ポキシ(メタ)アクリレート等の従来公知のアクリル系
モノマー・オリゴマーなども挙げられる。この場合、
(メタ)アクリロイル基を有する化合物の配合割合とし
ては、上記1〜4個のオキセタン環を有する化合物と
(メタ)アクリロイル基を有する化合物の合計量100
重量部に対して、5〜95重量部が好ましい。本発明の
第4発明においては、組成物に光ラジカル重合開始剤を
配合する。光ラジカル重合開始剤としては、種々のもの
を用いることができ、好ましいものとしては、ベンゾフ
ェノン及びその誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、
2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
フォリノ−1−プロパノン、ベンジルジメチルケター
ル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、アリキルフェニルグリオキシレート、ジエトキ
シアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタンノン
並びにアシルホスフィンオキシド等が挙げられる。これ
らの光ラジカル重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物に対して0.01〜20重量%
であることが好ましい。
【0059】又、本発明においては、第1発明の組成物
に、前記したエポキシ基を有する化合物、ビニルエーテ
ル基を有する化合物並びに〔(メタ)アクリロイル基を
有する化合物及び光ラジカル重合開始剤〕から選ばれる
2種以上を配合することもできる。この場合、これらの
配合割合としては、上記1〜4個のオキセタン環を有す
る化合物、エポキシ基を有する化合物、ビニルエーテル
基を有する化合物及び(メタ)アクリロイル基を有する
化合物の合計量100重量部に対して、エポキシ基を有
する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物及び(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物の合計量が5〜95
重量部であることが好ましい。
【0060】本発明の組成物には、上記成分の他、10
0重量部の硬化性成分当たり100重量部までの量で無
機充填剤、染料、顔料、粘度調節剤、処理剤、有機溶剤
及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することが
できる。
【0061】本発明の組成物には、光カチオン重合開始
剤又は/及び光ラジカル重合開始剤の他に、光増感剤を
加えて、UV領域の波長を調整することもできる。本発
明において用いることができる典型的な増感剤として
は、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sc
i., 62, 1(1984) 〕が開示しているものが挙げられ、具
体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チ
オキサントン、2-クロロチオキサントン及びベンゾフラ
ビン等がある。
【0062】○鋼板 本発明の組成物が適用できる鋼板としては、切板或いは
コイル状の鉄板、熱延鋼板、冷延鋼板、合金メッキ鋼
板、電気亜鉛メッキ鋼板、溶融塩亜鉛メッキ鋼板、又は
これらにクロム酸、リン酸処理等の化成処理を施された
もの、アルミニウム板、ステンレス板、ブリキ及びチン
フリースチール板等を挙げることができる。鋼板には、
必要に応じて前処理を行ったものであってもよい。上記
したようにその製造工程ですでに化成処理を施したもの
を使用するにあたっては、単に洗浄処理を行えばよく、
又、化成処理を行っていないものはその材質に応じた前
処理を行えばよい。又、鋼板としては、鋼板の表面にプ
ライマーが塗布されたものも使用できる。鋼板の表面に
プライマーを塗布することにより、プレコート鋼板の耐
腐性、組成物との密着性等を改善することができる。プ
ライマーとしては、種々のものが使用でき、例えばエポ
キシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ビスフェノール、エポキ
シアクリレート、ポリエステル等が挙げられる。
【0063】○プレコート鋼板の製造方法 本発明の組成物を使用するプレコート鋼板の製造方法と
しては、直接塗装や印刷等の常法に従い本発明の組成物
を鋼板に塗布した後、活性エネルギー線の照射により硬
化させれば良い。直接塗装する場合には、カーテンフロ
ーコート、ロールコート及びスプレーコート等の方法が
あり、印刷により塗布する場合には、オフセット方式、
グラビアオフセット方式及びオフセット方式等による通
常の印刷方法を用いることができる。又、組成物中に、
溶剤等の低沸物質を添加した場合は、活性エネルギー線
を照射する前に、これを蒸発させる。この場合、通常は
加熱により蒸発させ、その方法としては、加熱炉、遠赤
外炉又は超遠赤外炉等を用いることができる。活性エネ
ルギー線としては、紫外線、X線及び電子線等が挙げら
れる。紫外線により硬化させる場合に使用できる光源と
しては、様々なものを使用することができ、例えば水銀
アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭
素アークランプ及びタングステン−ハロゲン複写ランプ
等が挙げられる。電子線により硬化させる場合には、通
常300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させる
が、1Mrad〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させ
ることも可能である。本発明では、安価な装置を使用で
きることから、組成物の硬化に紫外線を使用することが
好ましい。
【0064】本願発明により得られた、プレコート鋼板
には、この表面にさらに他の塗料等を塗布することもで
きる。
【0065】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、以下の各例における部は重量
基準である。
【0066】実施例1 ●組成物の製造 オキセタン環を有する化合物として、下記オキセタン環
を2個有する下記化合物(29)(以下成分Aという)
100部、及び光カチオン重合開始剤として下記化合物
(30)(以下成分Gという)4部を攪拌混合し、プレ
コート鋼板製造用組成物を製造した。
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】●プレコート鋼板の製造 得られた組成物を、厚さ0.8mm、幅50mm、長さ
150mmのの大きさのボンデライト鋼板上に10μm
の厚さで塗工し、これを80W/cm、集光型の高圧水
銀ランプの下から10cm位置で、コンベアスピ−ド1
0m/minの条件で、水銀ランプの下を繰り返し通過
させ硬化させた。得られた組成物及び硬化膜について、
以下の評価を行った。その結果を下記表2に示す。
【0070】○硬化性 上記硬化条件で、表面から粘着性がなくなるまでのパス
回数(通過回数)で評価した。
【0071】〇鉛筆硬度 得られた硬化膜を、JISK 5400に従い評価し
た。
【0072】〇密着性 得られた硬化膜を、1mm間隔で碁盤目に切り込みを入
れ、JISK 5400に従い、密着性を評価した。
尚、表2における○、△及び×は、以下の意味を示す。 ○:ほとんど剥がれなし △:50%以上残る ×:50%を超えて剥がれる
【0073】〇デュポン衝撃 得られた硬化膜の上に、1kgの重錘を30cmの高さより落
下させて衝撃を与えた。これにより生じた塗膜面のキ
ズ、剥離等を肉眼で評価した。尚、表2における○、△
及び×は、以下の意味を示す。 ○:キズ、剥離が認められない △:キズが少し生じる ×:キズ、剥離が認められる
【0074】〇0T衝撃折曲げ 得られた硬化膜面を外側にして、180度折り曲げ、生
じた塗膜面のクラック等を肉眼により評価した。尚、表
2における○、△及び×は、以下の意味を示す。 ○:クラックが生じない △:クラックがわずかに生じる ×:クラックが生じる
【0075】実施例2〜7 表1で示す組成の成分を使用した以外は、実施例1と同
様にして、組成物を製造した。得られた組成物を用い
て、実施例1と同様にしてプレコート鋼板を製造した。
得られた硬化膜について、実施例1と同様に評価を行っ
た。それらの結果を表2に示す。
【0076】比較例1〜3 表1で示す組成の成分を使用した以外は、実施例1と同
様にして、組成物を製造した。得られた組成物を用い
て、実施例1と同様にしてプレコート鋼板を製造した。
得られた硬化膜について、実施例1と同様に評価を行っ
た。それらの結果を表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表1において、各数字は部を示す。又、表
1において、成分B〜Hは、以下の化合物を示す。
【0079】・成分B(3個のオキセタン環を有する化
合物)
【0080】
【化31】
【0081】・成分C(1個のオキセタン環を有する化
合物)
【0082】
【化32】
【0083】・成分D(2個のエポキシ基を有する化合
物)
【0084】
【化33】
【0085】・成分E(2個のビニルエーテル基を有す
る化合物)
【0086】
【化34】
【0087】・成分F(2個のアクリロイル基を有する
化合物)
【0088】
【化35】
【0089】・成分H(光ラジカル重合開始剤)
【0090】
【化36】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】本発明のプレコート鋼板製造用組成物
は、硬化速度が速く、その硬化膜が硬度、耐衝撃性、鋼
板との密着性及び0T折曲げ加工性に優れ、種々のプレ
コート鋼板の製造に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09D 163/00 PKB

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1〜4個のオキセタン環を有する化合物及
    び光カチオン重合開始剤からなるプレコート鋼板製造用
    組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ基を有する化合物をさらに含有す
    る請求項1のプレコート鋼板製造用組成物。
  3. 【請求項3】ビニルエーテル基を有する化合物をさらに
    含有する請求項1のプレコート鋼板製造用組成物。
  4. 【請求項4】(メタ)アクリロイル基を有する化合物及
    び光ラジカル重合開始剤をさらに含有する請求項1のプ
    レコート鋼板製造用組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の組成物を鋼板表面に塗布
    し、活性エネルギー線の照射により硬化させることを特
    徴とするプレコート鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】鋼板表面に請求項1〜4の組成物の硬化膜
    を有するプレコート鋼板。
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