JPH08165345A - 硬化性液状樹脂組成物の製造方法およびその硬化方法 - Google Patents

硬化性液状樹脂組成物の製造方法およびその硬化方法

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JPH08165345A
JPH08165345A JP31297994A JP31297994A JPH08165345A JP H08165345 A JPH08165345 A JP H08165345A JP 31297994 A JP31297994 A JP 31297994A JP 31297994 A JP31297994 A JP 31297994A JP H08165345 A JPH08165345 A JP H08165345A
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compound
addition reaction
resin composition
electron
reaction product
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JP31297994A
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Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Toru Kurihashi
透 栗橋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、無溶剤で塗工できる樹脂組成物を提
供することを目的とする。 【構成】活性水素を2個以上有するアミノ化合物(A)
と、電子吸引性の官能基と共役する二重結合を1個有す
る化合物(B)および/または電子吸引性の官能基と共
役する二重結合を2個有する化合物(C)を付加反応さ
せ、1分子中に活性水素を2個以上有する付加反応物
(I)とした後、化合物(C)および電子吸引性の官能
基と共役する二重結合を3個以上有する化合物(D)を
上記付加付加反応物(I)に付加反応させることを特徴
とする、重量平均分子量が2,000〜200,000
であり、かつ、50℃での粘度が500〜50,000
cpsである液状樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶剤を用いないで塗工
または成形ができる樹脂組成物に関する。本発明の樹脂
組成物は、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、充填剤、成
形材料用の無溶剤型液状樹脂として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、充填剤、
成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使われてき
た。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程および硬化乾
燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境また作業
環境への関心の高まりとともに、この様な樹脂溶液の使
用に対する制限が加えられる様になってきている。その
一つの方法として、樹脂の水溶液や粉体、ホットメルト
材料の使用が挙げられるが、樹脂の水溶液は塗装性を向
上する意味から若干の有機溶剤を含み、作業環境におけ
る臭気が除かれたとは言いにくい。また、放出される有
機溶剤の焼却処理とともに、排水処理に投資を必要とす
る。大規模な排ガス処理設備を備えた塗装、充填工場で
は大気への有機溶剤放出は抑えられるが、そうした設備
を持たない小規模工場では、有機溶剤に関して処理出来
ても排水処理が出来ないという問題点を有する。また、
粉体またはホットメルトの塗装、充填の場合には、従来
の塗装、充填設備と方法が大いに異なるために、新規の
設備を導入する必要が生まれる。
【0003】上記の問題を解決するために、樹脂溶液の
ハイソリッド化、樹脂の水溶液の改良等が行われてお
り、こうした努力により、今後樹脂溶液の使用量は低下
の傾向がさらに顕著となると考えられる。しかし、根本
的な解決策として、公害、安全衛生、引火、爆発等の問
題がなく、広範囲に適用でき、且つ塗工、充填の容易な
無溶剤液状樹脂の開発が強く要望されている。また、こ
れらの無溶剤液状樹脂は従来の乾燥装置で硬化した被
膜、成形物となる必要がある。このような無溶剤液状樹
脂は、特開昭57−171号公報に開示されている。こ
の技術は、アクリルモノマーによる液状樹脂を使用する
が、得られた樹脂がオリゴマーであり、組成物中に低分
子量成分を含有することから安全衛生上さらに改善が望
まれている。
【0004】一方、アクリル基またはメタクリル基と、
1級または2級アミンとの反応は、一般に、マイケル付
加反応あるいはカルボキシエチル化反応として知られて
いる。これを、高分子反応に応用した例として、高分子
化学、第26巻、271ページ(1969年)には、二
官能アクリレートと、二官能ポリアミンとの重付加反応
を、アミド系溶媒で、アルカリ金属塩を触媒として行な
っている。また、特開昭50−34400号公報では、
多官能(メタ)アクリレートと、多官能ポリアミンを、
無溶媒で反応させ、それぞれ、三次元架橋された高分子
化合物を得ている。しかし、これらの公知技術では、得
られた高分子化合物は三次元化しているため、塗加工が
できず、また、(メタ)アクリレートおよびアミンの混
合物の段階での塗加工は、三次元硬化反応が進行するた
めに、ポットライフが短い、塗工装置内でゲル化しやす
いなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗装工程の
作業環境を飛散する有機溶剤で汚染することがなく、ま
た大気中に有機溶剤を放出しないため特別の排ガス処理
設備を要さず、なおかつ従来より用いられている塗装、
充填方法、例えばロールコーターやナイフコーターで塗
装、充填でき、ポットライフの長い液状の樹脂組成物を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題の解
決について鋭意検討を行なった結果、特定の二重結合を
有する化合物およびアミノ化合物を反応させた樹脂組成
物が高分子量でありながら、従来の塗装、充填方法で塗
装、充填できる樹脂組成物となることを見いだし、ま
た、熱、光または電子線で処理することにより硬化性樹
脂組成物となることを見いだし、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、活性水素を2個以上
有するアミノ化合物(A)と、電子吸引性の官能基と共
役する二重結合を1個有する化合物(B)および/また
は電子吸引性の官能基と共役する二重結合を2個有する
化合物(C)を付加反応させ、1分子中に活性水素を2
個以上有する付加反応物(I)とした後、化合物(C)
および電子吸引性の官能基と共役する二重結合を3個以
上有する化合物(D)を上記付加付加反応物(I)に付
加反応させることを特徴とする、重量平均分子量が2,
000〜200,000であり、かつ、50℃での粘度
が500〜50,000cpsである液状樹脂組成物の
製造方法に関する。
【0008】更に、本発明は、付加反応物(I)が、活
性水素数がm個(ただし、mは3〜8の整数を表す。)
であるアミノ化合物(A)の1モルと、化合物(B)の
(m−2)モルとの付加反応により得られたものである
上記液状組成物の製造方法に関する。更に、本発明は、
付加反応物(I)が、活性水素数をk個(ただし、kは
2〜8の整数を表す。)であるアミノ化合物(A)の1
モルと、化合物(C)の1/2モルとの付加反応により
得られたものである上記液状組成物の製造方法に関す
る。
【0009】更に、本発明は、アミノ基の活性水素の化
学当量が、付加反応物(I)と反応させる化合物(C)
および化合物(D)を合わせた電子吸引性の官能基と共
役する二重結合の化学当量の0.5〜1倍である上記硬
化性液状樹脂組成物の製造方法に関する。更に、本発明
は、上記硬化性液状樹脂組成物を、基材上に塗布または
型中に注入後、熱、光または電子線で処理せしめてなる
硬化物の製造方法に関する。
【0010】本発明では、まず、第1の工程で、活性水
素を2個以上有するアミノ化合物(A)と、電子吸引性
の官能基と共役する二重結合を1個有する化合物(B)
および/または電子吸引性の官能基と共役する二重結合
を2個有する化合物(C)との付加反応により、活性水
素を2個以上有する付加反応物(I)を合成する。この
付加反応物(I)は、アミノ化合物(A)、化合物
(B)または化合物(C)の構造を選ぶことによって、
種々の官能基を導入することができる。次に、第2の工
程で、この付加反応物(I)と、化合物(C)および化
合物(D)とを付加反応させて、高分子量化した硬化性
液状樹脂化合物を得ることができる。
【0011】本発明で用いられる活性水素を2個以上有
するアミノ化合物(A)は、共重合体を粘度を調整とす
るための構成成分として使用される。本発明で用いられ
るアミノ化合物(A)として、ベンジルアミン、フェネ
チルアミン、プロピルアミン、N,N−ジメチルプロパ
ンジアミン、n−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソ
ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、
デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テ
トラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシル
アミン、エイコシルアミン、ドコシルアミンなどのアル
キレン鎖を有する1級アミン、
【0012】N,N’−ジメチルヘキサンジアミン、
N,N’−ジエチルオクタンジアミン、N,N’−ジプ
ロピルデカンジアミン、N,N’−ジメチルドデカンジ
アミンなどのアルキレン鎖を有する2級ジアミン、メト
キシエトキシエトキシエチルアミン、メトキシプロピル
プロピルアミン、メトキシポリエチレンオキシエチルア
ミンなどのポリアルキレンオキシ鎖を有する1級アミ
ン、また、ピペリジンなどの環状アミン、アリルアミン
などの不飽和二重結合を有するアミノ化合物、エタノー
ルアミンなどの官能基を有するアミン、トリアジン、ヒ
ドラジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミンなど
の活性水素を3個以上有するアミンなどが挙げられる。
これらは、2種以上用いても良い。これらのうちで、炭
素数6以上22以下のアルキレン鎖または繰り返し数が
4以上25以下のポリアルキレンオキシ鎖を有する場
合、得られる樹脂組成物は粘度が低下して好ましい。
【0013】また、本発明で使用される電子吸引性の官
能基と共役する二重結合を1個有する化合物(B)また
は電子吸引性の官能基と共役する二重結合を2個有する
化合物(C)において、電子吸引性の官能基として、例
えば、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、シア
ノ基が挙げられる。化合物(B)の例として、アクロレ
イン、(メタ)アクリロニトリル、また、(メタ)アク
リル酸およびそのエステル、(メタ)アクリルアミドお
よびそのNアルキル置換体、クロトン酸およびそのエス
テル、けい皮酸およびそのエステルなどが挙げられる。
【0014】(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例
として、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−
アルキルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど、
【0015】また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリ
セロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコー
ルモノメタアクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート等のアルコキシ基または水酸基を含む
モノマー、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニル
モノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチ
ルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキ
シエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アク
リロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)ア
クリロキシエチルモノエステルなどのカルボン酸を含む
モノマーなどが挙げられる。、これらは2種以上用いて
も良い。
【0016】また、化合物(C)の例として、メチレン
ビス(メタ)アクリルアミドなどのアルキレンビス(メ
タ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリル酸エステルが
ある。ジ(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例とし
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエ
チレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタ
ンジオール、n−ペンタンジオール、ネオペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタン
ジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカン
ジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオー
ル、オクタデカンジオール、エイコサンジオール、ドコ
サンジオールなどの二官能アルコールのジ(メタ)アク
リレート、
【0017】フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、マロン酸、ヘキサン二酸などの二官能
カルボン酸のポリアルキレングリコール変性物またはエ
ピクロルヒドリン変性物のジ(メタ)アクリレート、ビ
スフェノールA誘導体のエピクロルヒドリン変性物のジ
(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸誘導体のポリア
ルキレングリコール変性物のジ(メタ)アクリレート、
【0018】グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニ
トール、ソルビトールなどの多官能アルコールまたはそ
のポリアルキレングリコール変性物またはエピクロルヒ
ドリン変性物のジ(メタ)アクリレート、カテコール、
レゾルシン、ハイドロキノン、フロログルシン、ピロガ
ロールなどの多官能フェノールのジ(メタ)アクリレー
トなどがあげられる。これらは、2種以上用いてもよ
い。
【0019】主として期待される付加反応物(I)は、
2つのタイプに大別される。一つは、活性水素がm個
(mは3〜8の整数を示す。)のアミノ化合物を1モル
に対して、(m−2)モルの化合物(B)と反応させる
もので、化合物(B)の有する官能基は、樹脂組成物と
なったとき、樹脂の側鎖部分と結合することになる。通
常、活性水素が3個以上のアミノ化合物(A)と、化合
物(C)または化合物(D)と反応させると、架橋が進
行してゲル化するが、本製造方法を用いれば、ゲル化す
ることなく液状樹脂組成物を得ることができる。
【0020】もう一つは、活性水素がk個(mは2〜4
の整数を示す。)のアミノ化合物(A)の2モルに対し
て、1/2モルの化合物(C)を反応させるもので、化
合物(C)の2つの二重結合間の官能基は、樹脂組成物
となったとき、樹脂の主鎖部分と結合することになる。
例えば、アクリル基を有する化合物(C)と、メタクリ
ル基を有する化合物(C)を混合して使用すると、反応
速度の差から競争反応となりアクリル基が先に反応す
る。しかし、まず、メタクリル基だけを先に反応させる
本製造方法を用いれば、メタクリル基を有する化合物
(C)を主鎖部分に確実に導入させることが可能とな
る。さらに、アミノ化合物(A)、化合物(B)および
化合物(C)の、構造と反応量を選択して、上記2つの
タイプを折衷した、より複雑な構造を樹脂に持たせるこ
とができる。
【0021】アミノ化合物(A)と、化合物(B)また
は化合物(C)の配合量は、主として期待する反応付加
物(I)の構造に依存する。すなわち、アミノ化合物
(A)の活性水素と、電子吸引性の官能基と共役する二
重結合は1対1で反応するため、反応付加物(I)は、
2個以上、好ましくは2〜6個の活性水素を有してい
る。反応付加物(I)の活性水素が1個以下の場合、第
2の工程で、高分子量化しなくなる。また、付加反応物
(I)の活性水素が7個以上の場合は、第2の工程でゲ
ル化しやすくなり、好ましくない。また、前記付加反応
物の2つのタイプのうち後者の範疇である、アミノ化合
物(A)と、メタクリル基を含む化合物(C)との組合
わせにおいては、アミノ化合物(A)を化合物(C)に
対して、計算の当量以上の過剰に配合することが付加反
応物の収量を増加させるために好ましい。過剰に残留す
るアミン化合物(A)は、第1の工程の後に留去する
か、残留するアミン化合物(A)と反応する量の化合物
(C)または化合物(D)を、第2の工程時に追加して
やれば良い。また、配合の際に、全体の20重量%以内
でナトリウムメトキシドなどの金属アルコラートなどを
併用しても良い。
【0022】本発明の第1の工程で得られる付加反応物
(I)は、実質的にアミノ化合物(A)と化合物(B)
の付加反応物のみからなるものであってもよいし、アミ
ノ化合物(A)と化合物(C)の付加反応物のみからな
るものであってもよいし、両者の付加反応物の混合物で
あってもよい。
【0023】付加反応物(I)は、通常、アミノ化合物
(A)、化合物(B)および化合物(C)を、常圧で、
容器内で撹拌または振動させて反応させることで合成さ
れる。樹脂組成物の合成は、無溶媒でも可能であるが、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ヘキサメチルホスホラストリアミドなどのア
ミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒を用いると、アミノ化合物(A)と、化合物(B)
または化合物(C)の反応速度が向上するので好まし
い。
【0024】合成時の温度は、化合物(B)または化合
物(C)がアクリル基を含む場合は、室温で反応して樹
脂組成物となるが、分子量の向上のために、室温でしば
らく放置後に溶媒還流温度まで加熱してもよい。
【0025】次に、高分子量化反応である、第2の工程
について説明する。第1の工程で使用された反応溶媒
は、第2の工程の前に留去してもよく、また、そのまま
使用しても良い。付加反応物(I)は、活性水素を有し
ているので、新たに配合する電子吸引基と共役する二重
結合を有する化合物(C)または化合物(D)と反応す
る。ここで、化合物(D)を用いることにより、より高
分子量化することができる。
【0026】本発明で用いられる、電子吸引性の官能基
と共役する二重結合を3個以上有する化合物(D)は、
樹脂組成物の分枝点となる他に、二重結合を未反応のま
ま残留させ、樹脂組成物を硬化させる反応点を与える構
成成分として使用される。化合物(D)の1分子中のア
クリル基またはメタクリル基は3個以上6個以下が好ま
しく、6個より多くなると反応物がゲル化する傾向があ
る。化合物(D)として、具体的には、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、マンニトール、ソルビトールなどの
3価以上のアルコール、またはそのポリアルキレングリ
コール変性物またはエピクロルヒドリン変性物のポリ
(メタ)アクリレート、
【0027】トリメリト酸、ピロメリット酸、ヘキサヒ
ドロピロメリット酸などの3価以上のカルボン酸のポリ
アルキレングリコール変性物またはエピクロルヒドリン
変性物のポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸誘
導体のポリアルキレングリコール変性物のトリ(メタ)
アクリレート、フロログルシン、ピロガロール、没食子
酸などの3価以上のフェノールのポリ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。これらは、2種以上用いてもよ
い。
【0028】付加反応物(I)、化合物(C)および化
合物(D)の使用量は、それぞれ、樹脂組成物全体の1
0〜80重量%、10〜80重量%、および1〜50重
量%が好ましく、上記範囲外では、硬質な硬化物が得ら
れないか、粘度が増大するか、またはゲル化して、好ま
しくない。また、必要に応じて、n−ブチルアミン、エ
チレンジアミンなどのアミン化合物を使用しても良い。
特に、付加反応物(I)のアミノ基の活性水素の化学当
量が、化合物(C)および化合物(D)を合わせた電子
吸引性の官能基と共役する二重結合の化学当量の0.5
〜1倍である場合、分子量の大きい樹脂組成物が得られ
易いために好ましい。
【0029】また、硬化した後の物性を向上させるため
に、全体の20重量%以内で、ナトリウムメトキシドな
どの金属アルコラートなどを併用しても良い。第2の工
程においても、第1の工程と同様の反応溶媒、反応温度
を適用できる。また、得られた樹脂組成物は、石油エー
テル、ヘキサンなどで沈降精製を行い、低分子量成分を
除去すると、硬化後の物性が向上し好ましい。本発明の
樹脂組成物は、GPC法(ゲルパーメーションクロマト
グラフ)で測定した重量平均分子量(ポリスチレン換
算)の値が2,000〜200,000、好ましくは、
3,000〜150,000の範囲になるように合成さ
れる。重量平均分子量が2,000より小さくなると、
重合溶液中から樹脂組成物分を単離するのが困難である
他、可撓性などの被膜、成形物の機械特性が低下する。
また、重量平均分子量が200,000より大きくなる
と樹脂組成物が塗工可能な粘度を保てなくなるので好ま
しくない。
【0030】得られた樹脂組成物の粘度は、回転振動式
粘度計で測定した50℃における粘度が500〜50,
000cpsであることが好ましく、更に好ましくは8
00〜20,000cpsである。本発明の硬化性樹脂
組成物は、実質的に無溶剤型の塗料または成形材料とし
て使用できる。しかしながら、樹脂組成物の流動性など
を改良するために、樹脂組成物に対して5重量%以内
で、小量の水または有機溶剤などを配合してもよい。ま
た、チタン白、各種の顔料等の着色剤、滑剤等を添加し
てもよい。また、硬化性を高めるために、樹脂組成物
に、単官能または多官能の(メタ)アクリルモノマー、
ポリイソシアネート、メラミンなどの架橋剤を添加して
も良い。
【0031】本発明において、塗工または充填後に、化
合物(D)由来の、未反応で残留した二重結合を、熱、
光または電子線で処理することにより架橋させ、樹脂組
成物を硬化させることができる。熱硬化処理する場合
は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルな
どの熱分解型ラジカル開始剤を、光処理する場合は、例
えば、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ジアセチ
ル、ベンジル、ミヒラーズケトン、ジアリールヨードニ
ウム塩、ポリハロゲン化合物などの光分解型開始剤を樹
脂組成物全体に対して、0.001〜10重量%添加す
ることが好ましい。光処理する場合は、さらに、各種増
感色素を添加してもよい。
【0032】本発明の樹脂組成物は、各種金属、プラス
チック、紙などの板、フィルム、シート上に、ロールコ
ータ、バーコータ、ナイフコータなどで塗工あるいは充
填できる。熱処理する場合は、30〜250℃で加熱す
る。熱源に特に限定はないが、一般的には熱循環式オー
ブンあるいは加熱ロールが好適に用いられる。光処理す
る場合、光源に特に限定はなく、水銀ランプ、キセノン
ランプ、蛍光灯、白熱灯、各種レーザなどが好適に用い
られる。電子線で処理する場合は、各種の中低電圧電子
線加速器が好適に用いられる。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (試作例1)n−ブチルアミン36.6g(0.5モ
ル)と、ネオペンチルグリコールジメタクリレート2
4.0g(0.1モル)とメタノール100gを、メタ
ノール還流温度で8時間反応させた。その後、エバポレ
ータで未反応のn−ブチルアミンと、メタノールを留去
して、付加反応物1を得た。
【0034】(試作例2)試作例1において、メタノー
ル還流温度で8時間反応後、メタノールなどを留去せ
ず、付加反応物2のメタノール溶液160gを得た。こ
れは、溶液のまま、第2の工程で使用した。この場合、
付加反応が100%進行したとすると、溶媒中に、期待
される付加反応物0.1モル、未反応のn−ブチルアミ
ンが0.3モル含まれていることになる。
【0035】(試作例3)フェネチルアミン24.2g
(0.2モル)と、エチレングリコールジメタクリレー
ト19.8g(0.1モル)とメタノール50gを、試
作例1と同様の操作を行い、付加反応物3を得た。
【0036】(試作例4)ドデシルアミン37.0g
(0.2モル)と、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート24.2g(0.1モル)とメタノール50gを、
試作例1と同様の操作を行い、付加反応物4を得た。
【0037】(試作例5)p−キシリレンジアミン
(0.1モル)13.6gと、アクリロニトリル10.
6g(0.2モル)とメタノール50gを、室温で3時
間反応させた。その後、エバポレータでメタノールを留
去して、付加反応物5を得た。
【0038】(試作例6)エチレンジアミン6.0g
(0.1モル)と、イソアミルアクリレート28.4g
(0.2モル)と、メタノール50gを、試作例5と同
様の操作を行い、付加反応物6を得た。
【0039】(試作例7)ヘキサメチレンジアミン1
1.6g(0.1モル)と、フェノキシエチルアクリレ
ート38.4g(0.2モル)とメタノール100g
を、試作例5と同様の操作を行い、付加反応物7を得
た。
【0040】(実施例1)付加反応物1を38.6g
と、ネオペンチルグリコールジアクリレート12.7g
と、トリメチロールプロパントリアクリレート11.8
gおよびメタノール100gを、室温で3時間反応さ
せ、その後、3時間80℃油浴中で反応させた。反応
後、石油エーテル500mlに投入し、沈降した樹脂組
成物をデカンテーションして精製した。さらに、同様の
沈降精製を2回行い、その後、40℃で10時間減圧乾
燥(0.2Torr)した。GPCによる重量平均分子
量は14,000であり、50℃における回転振動式粘
度計(VM−100、山一電機(株)製)による粘度
は、5000cpsであった。また、この組成物の室温
暗所で1ケ月保存後の、50℃における粘度は5000
cpsであった。
【0041】(実施例2〜7)実施例1の付加反応物1
の代わりに表1に示した化合物(I)を用い、また、ネ
オペンチルグリコールジアクリレートの代わりに表1に
示した化合物(C)を用い、また、トリメチロールプロ
パンの代わりに、表1に示した化合物(D)を用い、他
は実施例1と同様の操作を行なったときの、GPCによ
る重量平均分子量および、直後および1ケ月後(室温暗
所放置)の50℃における回転振動式粘度計による粘度
を表2に示した。なお、実施例2においては、付加反応
物2のメタノール溶液として得たため、新たにメタノー
ルを追加せず、付加反応物2のメタノール溶液に、表1
に示した化合物(C)および化合物(D)だけを加え
た。
【0042】表1中、NP-Aはネオペンチルグリコールジ
アクリレート、M-215はトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートジアクリレート、EG-Aはエチレン
グリコールジアクリレート、BP-4PAはビスフェノールA
テトラプロピレンオキシ変性ジアクリレート、BP-134は
トリメチロールプロパンジアクリレートベンゾエートを
表す。また、TMP-Aはトリメチロールプロパントリアク
リレート、PE-4Aはペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、DPE-6Aはジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、PE-3Aはペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、M-315はトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートトリアクリレートを表す。
【0043】 表1 ────────────────────────────────── 実施例 付加反応物(I) 化合物(C) 化合物(D) <g,モル> <g,モル> <g,モル> ────────────────────────────────── 2 (試作例2)<160.0,0.4> NP-A <50.8,0.24> TMP-A <47.4,0.16> 3 (試作例3)< 44.0,0.1> M-215 <29.5,0.08> PE-4A < 7.0,0.02> 4 (試作例4)< 61.2,0.1> EG-A <17.8,0.09> DPE-6A< 5.8,0.01> 5 (試作例5)< 24.2,0.1> NP-A <12.7,0.06> TMP-A <11.8,0.04> 6 (試作例6)< 34.4,0.1> BP-4PA<34.1,0.06> PE-3A <11.9,0.04> 7 (試作例7)< 50.0,0.1> BA-134<20.8,0.06> M-315 <16.9,0.04> ──────────────────────────────────
【0044】 表2 ────────────────────────────────── 実施例 重量平均分子量(×104) 50℃における粘度(cps) 直後 1ケ月後 ────────────────────────────────── 2 3.0 8000 8000 3 2.2 8000 8000 4 2.0 6000 6000 5 0.8 2000 2000 6 1.2 2500 2500 7 1.5 3000 3000 ──────────────────────────────────
【0045】実施例1の樹脂組成物5gに、ベンゾフェ
ノン0.05gを添加し、メカニカルスタータで室温に
て撹拌し、アルミ板に0.5ミルアプリケータで塗工し
たものを、UV照射装置(東芝製UV3000:3kW
水銀ランプ2灯:120W/cm:コンベアスピード1
0m/分)で5回照射した後の鉛筆硬度でHであった。
実施例2の樹脂組成物の代わりに、表3に示した樹脂組
成物を使用し、他は、上記と同様に操作したときの、鉛
筆硬度を表3に示す。
【0046】
【0047】実施例1の樹脂組成物5gに、過酸化ベン
ゾイル0.05gを添加し、メカニカルスターラで室温
にて撹拌し、アルミ板に0.5ミルアプリケータで塗工
したものを、100℃1時間加熱した後の、鉛筆硬度で
Hであった。又、実施例1の樹脂組成物の代わりに、表
4に示した樹脂組成物を使用した場合の鉛筆硬度を表4
に示す。
【0048】
【0049】(比較例1)n−ブチルアミン36.6g
(0.5モル)と、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート24.0g(0.1モル)と、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート50.8gと、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート47.4gおよびメタノールメ
タノール200gを、メタノール還流温度で反応させ
た。反応後、石油エーテル500mlに投入したとこ
ろ、沈降物はなかった。そのため、溶剤をエバポレータ
にて留去し、40℃で10時間減圧乾燥(0.2Tor
r)し、比較例1の組成物を得た。GPCによる重量平
均分子量は1,000であり、十分に高分子量化してい
なかった。また、この比較例1の組成物5gに、ベンゾ
フェノン0.05gを加え、実施例1と同様の紫外線を
照射したが、塗膜は液状のままであった。
【0050】(比較例2)p−キシリレンジアミン
(0.1モル)13.6gと、アクリロニトリル10.
6g(0.2モル)と、ネオペンチルグリコールジアク
リレート12.7gと、トリメチロールプロパントリア
クリレート11.8gおよびメタノール100gを、室
温で3時間反応させたところ、ゲル状弾性固体となり、
液状組成物とならなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明により、無溶剤型の塗料、接着
剤、粘着剤、インキ、充填剤、成形材料用の液状樹脂組
成物が簡便に提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水素を2個以上有するアミノ化合物
    (A)と、電子吸引性の官能基と共役する二重結合を1
    個有する化合物(B)および/または電子吸引性の官能
    基と共役する二重結合を2個有する化合物(C)を付加
    反応させ、1分子中に活性水素を2個以上有する付加反
    応物(I)とした後、化合物(C)および電子吸引性の
    官能基と共役する二重結合を3個以上有する化合物
    (D)を上記付加付加反応物(I)に付加反応させるこ
    とを特徴とする、重量平均分子量が2,000〜20
    0,000であり、かつ、50℃での粘度が500〜5
    0,000cpsである液状樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 付加反応物(I)が、活性水素数がm個
    (ただし、mは3〜8の整数を表す。)であるアミノ化
    合物(A)の1モルと、化合物(B)の(m−2)モル
    との付加反応により得られたものである請求項1記載の
    液状組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 付加反応物(I)が、活性水素数をk個
    (ただし、kは2〜8の整数を表す。)であるアミノ化
    合物(A)の1モルと、化合物(C)の1/2モルとの
    付加反応により得られたものである請求項1記載の液状
    組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 アミノ基の活性水素の化学当量が、付加
    反応物(I)と反応させる化合物(C)および化合物
    (D)を合わせた電子吸引性の官能基と共役する二重結
    合の化学当量の0.5〜1倍である請求項1ないし3記
    載の硬化性液状樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の硬化性液状樹脂
    組成物を、基材上に塗布または型中に注入後、熱、光ま
    たは電子線で処理せしめてなる硬化方法。
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