JPH0859750A - 硬化性液状樹脂およびその製造方法 - Google Patents

硬化性液状樹脂およびその製造方法

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JPH0859750A
JPH0859750A JP19517594A JP19517594A JPH0859750A JP H0859750 A JPH0859750 A JP H0859750A JP 19517594 A JP19517594 A JP 19517594A JP 19517594 A JP19517594 A JP 19517594A JP H0859750 A JPH0859750 A JP H0859750A
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liquid resin
meth
acrylate
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curable liquid
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JP19517594A
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Takeo Yamaguchi
岳男 山口
Toru Kurihashi
透 栗橋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来より用いられている造膜方法で造膜でき、
なお且つ熱、UV・EB処理により硬化させることがで
きる被覆材料、接着剤、または粘着剤用の無溶剤型液状
樹脂を提供する。 【構成】(A)下記式(1)または式(2)で示される
単量体10〜90重量% CH2=C(R1)COO−R2 (1) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数4〜
22のアルキル基をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COO(Cn2nO)m3 (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数1〜
5のアルキル基、nは1〜3の整数、mは4〜25の整
数をそれぞれ表す。) (B)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有
する化合物0.1〜50重量%および、(C)その他の
重合性ビニル化合物 0〜40重量%か
らなる、粘度が500cps〜30,000cps(5
0℃)である硬化性液状樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、インキ等の被膜
形成材料用、接着剤・粘着剤用の樹脂として溶剤を使わ
ずに造膜し硬化膜を得ることができる液状樹脂とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、インキ等には有機
溶剤を含有する樹脂系が使われてきた。これらの樹脂系
は、塗装、印刷工程などの造膜工程、および硬化乾燥工
程で大量の有機溶剤を飛散することが知られている。地
球環境また作業環境への関心の高まりとともに、有機溶
剤の使用に対する制限が加えられるようになってきてい
る。そのため被膜形成材料用樹脂の無溶剤化に関しても
様々な対応策が打ち出されている。
【0003】無溶剤化に用いられる樹脂系は、大きくわ
けるとプレカーサ系とポリマー系に分けられる。プレカ
ーサ系は低分子量のモノマーやプレポリマーを用いるこ
とから低粘度の液状であり、従来の造膜法がそのまま使
用できる。しかしながら、組成物中に低分子量物を含有
するプレカーサ系では、低分子量物の飛散など安全衛生
上さらに改善が望まれる。また物性面では、オリゴマー
領域の樹脂から構成される塗料の場合、硬化物特性をコ
ントロールすることの困難さが知られており(室井宗
一、「1992年度接着と塗装研究会講座」講演要旨
集、p4、1993)、低粘性を保った上での分子量増
加が望まれる。他方ポリマー系では、固体ポリマーを何
らかの方法で液状にするか、あるいは造膜方法を変える
ことが必要となる。有機溶剤を使わないで液状にする代
表的な従来法として、不揮発性の可塑剤により液状化す
るプラスチゾル系では硬い硬化物が得にくいことや可塑
剤が移行するという問題点が指摘されている。またエマ
ルジョンやハイドロゾル等のラテックス系では、硬化物
の不均一性や乾燥速度の遅さなどの問題点が指摘されて
いる。現時点で最も有効とされている水溶性樹脂系にお
いても乾燥速度が遅いことや耐水性、排水処理方法等に
問題が残されている。またほとんどの水溶性樹脂系は顔
料分散性や造膜性を向上するために10%以上の有機溶
剤を含んでいる。また、粉体、ホットメルト樹脂系の場
合には、従来の造膜方法による設備と大いに異なるため
に、新規の設備を導入する必要が生まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗装工程の
作業環境を飛散する有機溶剤で汚染することがなく、ま
た大気中に有機溶剤を放出しないため特別の排ガス処理
設備を要さず、なおかつ従来より用いられている造膜方
法、例えばロールコーターやナイフコーターで造膜で
き、従来からある処理方法により硬化を行っても溶剤の
散逸の無い塗料を提供するものである。
【0005】本発明者は上記問題の解決について様々な
樹脂系について鋭意研究を行なった結果、高分子量であ
りながら従来より用いられている造膜方法、例えばロー
ルコーターやナイフコーターで造膜でき、なおかつ硬化
剤を用いなくても従来ある熱処理、UV・EB処理によ
る硬化乾燥より硬化させることができる無溶剤型被覆組
成物を見いだし本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下記式
(1)または式(2)で示される単量体10〜90重量
% CH2=C(R1)COO−R2 (1) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数4〜
22のアルキル基をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COO(Cn2nO)m3 (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数1〜
5のアルキル基、nは1〜3の整数、mは4〜25の整
数をそれぞれ表す。) (B)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有
する化合物0.1〜50重量%および、(C)その他の
重合性ビニル化合物 0〜40重量%か
らなる、粘度が500cps〜30,000cps(5
0℃)である硬化性液状樹脂である。更に、本発明は、
上記(A)ないし(C)成分を、水を含有してもよい水
混和性溶剤中でラジカル重合することを特徴とする上記
硬化性液状樹脂の製造方法である。更に、本発明は、上
記硬化性液状樹脂に熱分解型ラジカル開始剤もしくは光
分解型開始剤を添加してなることを特徴とする硬化性液
状樹脂組成物である。
【0007】式(1)または式(2)で示される単量体
(A)は、共重合体を液状とするための構成成分として
使用される。式(1)で示される単量体(A)は、例え
ば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル
(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、
ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラ
デシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)ア
クリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプ
タデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)
アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコ
シル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アク
リレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数4
〜22のアルキル(メタ)アクリレートがあり、中でも
炭素数8〜20のアルキル基を有するアクリレートまた
は対応するメタクリレートが好ましい。炭素数が3以下
では液状の樹脂が得られにくく、また炭素数が23以上
になると重合度が上がりにくい上、50℃では固体であ
るため、造膜の際に専用の溶融システムが必要となるた
め好ましくない。
【0008】式(2)で示される単量体(A)は、例え
ば、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、
メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)
アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール
(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレング
リコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキ
シテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、n−ペンタキシテトラプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレートなどがある。4〜25、好まし
くは5〜22の繰り返し単位であるポリオキシアルキレ
ン鎖を有するアクリレートまたは対応するメタアクリレ
ートを使用することにより効果的に共重合体の粘度を下
げることができる。繰り返し単位3以下の場合、液状の
樹脂が得られにくく、また26以上になると重合度が上
がりにくい上、50℃では固体であるため、造膜の際に
専用の溶融システムが必要となるため好ましくない。
【0009】単量体(A)の使用量は共重合体である液
状樹脂に対して10〜90重量%、好ましくは、40〜
80重量%であり、共重合体中の単量体(A)が40重
量%、特に10重量%より少なくなると、共重合体が造
膜に必要な低粘度を保ち得なくなり、逆に80重量%、
特に90重量%より多くなると硬質な塗膜が得られなく
なるため好ましくない。(A)は2種以上用いてもよ
い。また、式(1)で示される単量体(A)と、式
(2)で示される単量体(A)を併用すると、粘度の低
下が認められるために好ましい。この場合、式(1)で
示される単量体(A)と、式(2)で示される単量体
(A)の比は、1:9〜9:1(モル比)であることが
好ましい。なお、本発明における造膜とは、印刷および
塗装などの方法により、紙、金属、プラスチック、セラ
ミックス等よりなる基材上に、樹脂を厚さ0.1〜10
0μmの膜を形成せしめることをいう。
【0010】本発明の単量体(B)は、1分子中に2個
以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、共
重合体の側鎖に重合性の二重結合基を導入し、熱、光、
および電子線等で処理することにより分子間で架橋し硬
化させる機能を付与する。
【0011】また、本発明で用いられる1分子中に2個
以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(B)は、
例えば、(メタ)アクリル基、アリル基、シクロヘキセ
ニル基などのエチレン性不飽和結合を有する化合物であ
り、樹脂の分枝点となる他に、一部のエチレン性不飽和
結合が、未反応のまま残留し、液状樹脂を硬化させる反
応点を与える構成成分として使用される。具体的には、
例えば、ポリオールの一部または全部が(メタ)アクリ
ル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテルなどで
置換された化合物が挙げられる。このようなポリオール
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールなど2価以上の脂
肪族ポリオール、または、そのポリアルキレングリコー
ル、エピクロルヒドリン、または、カプロラクトン変性
物、
【0012】フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク
酸、マロン酸、ヘキサン二酸、クエン酸、ピロメリット
酸などの2価以上のカルボン酸のポリアルキレングリコ
ール、またはエピクロルヒドリン変性物、ビスフェノー
ルA誘導体のポリアルキレングリコール、またはエピク
ロルヒドリン変性物、イソシアヌル酸誘導体のポリアル
キレングリコール変性物、カテコール、レゾルシン、ハ
イドロキノン、フロログルシン、ピロガロールなどの2
価以上のフェノールが挙げられる。その他、化合物
(B)として、ビシクロヘキセン、ビスマレインイミ
ド、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。1分子中のエ
チレン性不飽和結合の数は、通常、2〜6個のものが好
適に用いられる。また、これらは、2種以上用いても良
い。
【0013】化合物(B)の使用量は液状樹脂全体に対
して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜35重
量%であり、液状樹脂中の化合物(B)成分が0.1重
量%より少なくなると、架橋反応が起こりくく、耐溶剤
性、機械的強度が向上せず、逆に50重量%より多くな
ると反応中にゲル化したり、液状樹脂の粘度が高くなり
塗工困難となるため好ましくない。
【0014】本発明の重合性ビニル化合物(C)は、樹
脂の液状を保てる範囲で、硬化後の塗膜の耐水性や硬度
の向上のために使用される。具体的には、スチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族モノマー、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート等の炭素数3以下のアルキル
基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールモノメタアクリレート、ポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレン
グリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ基また
は水酸基を含むモノマー、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもし
くはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)ア
クリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メ
タ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β
−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸
β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボ
ン酸を含むモノマーなどがあり、これらの群から複数用
いても良い。重合性ビニル化合物の使用量は、共重合体
である液状樹脂に対して0〜40重量%、好ましくは0
〜30重量%であり、30重量%、特に40重量%より
多くなると、液状樹脂の粘度が高くなり塗工が困難にな
る。
【0015】本発明の液状樹脂は、共重合体の数平均分
子量が10,000〜200,000、好ましくは、1
5,000〜150,000である。数平均分子量は上
記数値より小さくなると、重合溶液中から樹脂分を単離
するのが困難である他、可撓性など機械特性が低下した
り、耐溶剤性、耐沸水等の塗膜物性が低下するので好ま
しくなく、また上記数値より大きくなると樹脂が塗工可
能な粘度を保てなくなるので好ましくない。
【0016】本発明の液状樹脂は、上記単量体の混合物
をラジカル重合開始剤の存在下、溶液中に溶解するか、
単量体の混合物を滴下する方法によりラジカル重合によ
り製造することができる。ラジカル重合開始剤として
は、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、クメ
ンヒドロペルオキシド、過酸化ラウロイル、また有機過
酸化物(大成社、「架橋剤ハンドブック」、p520〜
535、第2刷)に記載の過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリルなどのア
ゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの
過硫酸系開始剤など既知の化合物を使用することができ
る。斯るラジカル重合開始剤の配合量は、全単量体配合
量に対し、0.01〜5重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜3重量%である。
【0017】使用する溶剤としては、酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec
−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノー
ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカル
ビトール、エチルカルビトール、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート、ダイアセトンア
ルコールなどをあげることができる。また上記溶剤のう
ち、ジオキサン、イソプロパノール、メタノール、エタ
ノール、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトー
ル等の水混和性溶剤を用いると、反応溶液から樹脂分を
単離するのに水を添加すればよいので好ましい。得られ
た樹脂の粘度は、50℃での粘度が500〜30,00
0cps、好ましくは800〜10,000cpsの液
状である。
【0018】本発明において、塗工または充填後に、化
合物(B)由来の、未反応で残留した(メタ)アクリル
基を、熱、光または電子線で処理することにより架橋さ
せ、液状樹脂を硬化させることができる。
【0019】熱硬化処理する場合は、アゾビスイソブチ
ロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの熱分解型ラジカル
開始剤を、光処理する場合は、例えば、カンファーキノ
ン、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ミヒラー
ズケトン、ジアリールヨードニウム塩、ポリハロゲン化
合物などの光分解型開始剤を液状樹脂全体に対して、
0.001〜10重量%添加することが好ましい。光処
理する場合は、さらに、各種増感色素を添加してもよ
い。熱処理する場合は、30〜250℃で加熱する。熱
源に特に限定はないが、一般的には熱循環式オーブンあ
るいは加熱ロールが好適に用いられる。光処理する場
合、光源に特に限定はなく、水銀ランプ、キセノンラン
プ、蛍光灯、白熱灯、各種レーザなどが好適に用いられ
る。電子線で処理する場合は、各種の中低電圧電子線加
速器が好適に用いられる。
【0020】本発明の液状樹脂は、実質的に無溶剤型の
塗料または成形材料として使用できる。しかしながら、
液状樹脂の流動性を改良するために、液状樹脂に対して
5重量%以内で、小量の水、有機溶剤または反応性希釈
剤などを配合してもよい。また、チタン白、各種の顔料
等の着色剤、滑剤等を添加してもよい。また、液状樹脂
の硬化性を高めるため、アミノ樹脂、フェノール樹脂等
の硬化剤樹脂を配合しても差し支えない。また、硬化膜
または硬化成形物の性能を向上させるため、本発明以外
のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリス
チレン等を配合してもよい。ただし、これらの配合量は
何れも20重量%以下である。
【0021】本発明の液状樹脂は、各種金属、プラスチ
ック、紙等の板、フィルム、シートの基材に1〜50μ
m塗布することができる。塗布方法としては、ロールコ
ーター、ナイフコーター等がある。また、本発明の液状
樹脂は相溶化剤、界面改質剤、顔料分散剤等としても利
用できる。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。例中、
%とあるのは重量%を示す
【0023】(実施例1〜10)撹拌装置、窒素導入
管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた500m
l四つ口丸底フラスコに、化合物(A)および、化合物
(B)を、表1に示した組成で配合し、アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)を開始剤(全モノマー仕込み
量に対し1重量%)とし、イソプロパノール(IPA)
溶媒中(モノマー仕込み時の濃度:30重量%)で、5
時間還流させたところ粘稠なポリマー溶液となった。得
られたポリマー溶液を氷冷しながら静置したところ、二
層に分離した。上層を除去した後、石油エーテルで下層
を洗浄し、真空乾燥器で5時間乾燥後、液状ポリマーを
得た。得られた液状ポリマーのゲルパーミッションクロ
マトグラフィー(東ソー(株)製SC−8020)によ
るスチレン換算の数平均分子量(Mn)および、回転振
動式粘度計(山一電機(株)製、VM−100型)を用
いて50℃における粘度を測定した。数平均分子量、粘
度(50℃)の測定結果を表1に示した。
【0024】尚、実施例、比較例で使用した化合物は以
下のように略記する。 化合物(A) LMA:ラウリルメタクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート PEG9MA:メトキシポリエチレングリコール(n=
9)メタクリレート PEG4MA:メトキシテトラエチレングリコールメタ
クリレート 化合物(B) PEG9A2:ポリエチレングリコール(#400)ジ
アクリレート PEG4A2:ポリエチレングリコール(#200)ジ
アクリレート PEG2A2:ジエチレングリコールジメタクリレート HGA2:1、6−ヘキサンジオールジアクリレート TMP−A:トリメチロールプロパントリアクリレート PEG2MA2:ジエチレングリコールジアクリレート TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート
【0025】 表1 ─────────────────────────────────── 実 化合物(A) 化合物(B) (A):(B) 分子量 溶融粘度 施 ()内はモル比 重量比 Mn (50#C) 例 (×104) cps ─────────────────────────────────── 1 LMA PEG9A2 100:10 1.7 9000 2 LMA PEG4A2 100: 6 2.3 18000 3 LMA TMP-A 100: 6 3.0 16500 4 BMA PEG9A2 100:11 2.8 28000 5 PEG9MA PEG9A2 100:5.7 1.8 8000 6 PEG9MA PEG4A2 100:0.3 2.0 8500 7 PEG9MA PEG4A2 100:2.0 2.2 9000 8 PEG9MA PEG4A2 100:3.5 3.0 12000 9 PEG9MA PEG2A2 100:2.7 2.0 15000 10 PEG9MA HGA2 100:2.5 2.0 13000 11 PEG9MA TMP-A 100:3.3 3.5 20000 12 PEG9MA PEG2MA2 100:2.4 1.7 13000 13 PEG9MA TMP 100:3.8 3.1 17500 14 PEG4MA PEG4A2 100:5.5 2.0 12000 15 PEG9MA/LMA(6/4) PEG9A2 100:6.8 1.8 4000 16 PEG9MA/LMA(6/4) PEG4A2 100:4.2 2.0 5000 17 PEG9MA/LMA(6/4) PEG2A2 100:3.2 2.1 9000 18 PEG9MA/LMA(6/4) HG12 100:3.1 2.0 7000 ───────────────────────────────────
【0026】(実施例19)撹拌装置、窒素導入管、温
度センサー、及びコンデンサーを備えた500ml四つ
口丸底フラスコに、 IPA 200 g 水 50 g PEG9MA 72 g LMA 27 g PEG4A2 4.2g AIBN を仕込み、湯浴中でフラスコ内温度を74℃に昇温す
る。そのまま反応を4時間続けて得られた重合体溶液に
更に水を50g加えたところ二層に分離した。上層の液
を除き、石油エーテルで洗浄した後、減圧乾燥器に移
し、5時間以上減圧乾燥を行った。収率は95%であっ
た。
【0027】(比較例1)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、及びコンデンサーを備えた500ml四つ口
丸底フラスコに、 IPA 240 g BMA 50 g PEG9A2 54 g AIBN 1 g を仕込み、湯浴中でフラスコ内温度を74℃に昇温した
ところ、反応開始後30分でゲル状になったため反応を
停止した。
【0028】(比較例2)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、及びコンデンサーを備えた500ml四つ口
丸底フラスコに、 IPA 250 g PEG9MA 72 g LMA 27 g AIBN 1 g を仕込み、湯浴中でフラスコ内温度を74℃に昇温す
る。そのまま反応を4時間続けて得られた重合体溶液を
氷冷したところ二層に分離した。上層の液を除き、石油
エーテルで洗浄した後、減圧乾燥器に移し、5時間以上
減圧乾燥を行った。収率は93%であった。得られた液
状ポリマーの分子量はMn=20000であり、溶融粘
度(50#C)は4500cpsであった。
【0029】表1に示した実施例1〜18および、比較
例2で得られた液状ポリマー5gに、ベンゾフェノン
0.05gを添加し、メカニカルスターラで室温にて撹
拌し、アルミ板に0.5ミルアプリケータで塗工したも
のを、UV照射装置(東芝製UV3000:3kW水銀
ランプ2灯:120W/cm:コンベアスピード10m
/分)で5回照射した後の鉛筆硬度(JIS−K−54
40に準じる)および耐溶剤性試験(MEKラビングテ
スト50回後における硬化物の残存率)の測定結果を表
2に示す。
【0030】
【0031】表1に示した実施例2、6〜9、14、1
6および比較例2で得られた液状ポリマー5gに、過酸
化ベンゾイル0.05gを添加し、メカニカルスターラ
で室温にて撹拌し、アルミ板に0.5ミルアプリケータ
で塗工したものを、150℃、10分間加熱した後の、
鉛筆硬度および耐溶剤性を表3に示す。
【0032】
【0033】
【発明の効果】本発明により、無溶剤型の塗料、接着
剤、粘着剤用の液状樹脂として利用される硬化性液状樹
脂、また、相溶化剤、界面改質剤、接着剤、医用材料、
金属キレート剤が簡便に提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1)または式(2)で示
    される単量体10〜90重量% CH2=C(R1)COO−R2 (1) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数4〜
    22のアルキル基をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COO(Cn2nO)m3 (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数1〜
    5のアルキル基、nは1〜3の整数、mは4〜25の整
    数をそれぞれ表す。) (B)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有
    する化合物0.1〜50重量%および、(C)その他の
    重合性ビニル化合物 0〜40重量%か
    らなる、粘度が500cps〜30,000cps(5
    0℃)である硬化性液状樹脂。
  2. 【請求項2】 単量体(A)が、式(1)においてR2
    が炭素数8〜20のアルキル基である単量体である請求
    項1記載の硬化性液状樹脂。
  3. 【請求項3】 1分子中に2個以上のエチレン性不飽和
    結合を有する化合物(B)がポリオールの(メタ)アク
    リル酸エステル、アリルエーテルまたはビニルエーテル
    誘導体である請求項1ないし3記載の硬化性液状樹脂。
  4. 【請求項4】 上記(A)ないし(C)成分を水を含有
    してもよい水混和性溶剤中でラジカル重合することを特
    徴とする請求項1記載の硬化性液状樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3記載の硬化性液状樹脂
    に熱分解型ラジカル開始剤もしくは光分解型開始剤を添
    加してなることを特徴とする硬化性液状樹脂組成物。
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