JPH09164962A - ステアリング用ジョイント部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【解決手段】球頭部４から延出する柄部３を有するタイ
ロッド２と、球頭部を包持するベアリング５と、小開口
部７内周からタイロッドの柄部が突出され、大開口部８
外周に第一外周フランジ９を有し、内周にベアリングを
保持する円筒状のハウジング６と、小開口部側外周から
第一外周フランジにかけて固着されるゴム状弾性体１０
と、小開口部側端部外周に第二外周フランジを有し、内
径が第一外周フランジの外径より小径の補助リング１１
と、第二外周フランジが小開口部側に位置するように内
周に補助リングを収容し、開口部をかしめて補助リング
を固定するカップ状の外輪１３とからなる。 【効果】ステアリングホイールに振動が伝達されること
がなく、走行性能を高く維持できる。また、ハウジング
の抜け荷重は大幅にアップでき、ハウジングが外輪から
抜けることがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のステアリン
グ装置の連接部に使用されるステアリング用ジョイント
部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車のステアリング装置の連接部に
は、以前より例えばボールジョイントのようなステアリ
ング用ジョイント部材が頻繁に使用されていた。このよ
うなステアリング装置を図１を基に説明すると、車輪７
１を支持する車輪支持体６４に接続部材６６を介してス
テアリング用ジョイント部材１０１のタイロッド２が接
続され、更にステアリング用ジョイント部材１０１はラ
ック組立体５２のラック軸５３に接続される。そして、
ラック軸５３のラック歯（図示せず）には、ステアリン
グホイール５５から延びるステアリング軸５４の端部に
設けられるステアリングギア（図示せず）が噛合されて
いた。このようなステアリング装置５１によれば、ステ
アリングホイール５５を回す回転運動がステアリングギ
ア及びラック歯により、タイロッド２軸線方向の横移動
の運動に変換され、車輪支持体６４を引っぱり及び押圧
して車輪７１の向きを変える構造になっていた。

【０００３】このようなステアリング装置５１に使用さ
れるステアリング用ジョイント部材１０１は、図６に示
す如く、球状の球頭部１０４と球頭部１０４から延出す
る柄部１０３とを有するタイロッド１０２と、タイロッ
ド１０２の球頭部１０４を包持するベアリング１０５
と、ベアリング１０５を保持する円筒状のハウジング１
０６とを備え、ハウジング１０６の底部１１５にはラッ
ク軸の端部に螺合する雄ネジ部１１６が突設されてい
た。

【０００４】上記の如きステアリング用ジョイント部材
１０１としては、実開昭６１−５９９１１号、特開昭６
３−５７９１２号など多数ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記ステアリング用ジ
ョイント部材１０１において、車両走行中に車輪７１が
路面の凹凸を乗り越えた時や急発進・急停車した時な
ど、車輪７１からの振動が、車輪支持体６４、ステアリ
ング装置５１及びステアリング軸５４を介してステアリ
ングホイール５５に伝達されることがあった。つまりこ
のときステアリング用ジョイント部材１０１で振動が吸
収されることはなかった。このような振動は車両の走行
性能を低下させるとともに、運転者に不快感を与えるこ
とになる。

【０００６】従って、本発明は上述の如き課題を解決
し、車輪からの振動を吸収し、運転者に不快感を与えな
いステアリング用ジョイント部材を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の構成は以下の通
りである。

【０００８】球状の球頭部と球頭部から延出する柄部と
を有するタイロッドと、タイロッドの球頭部を包持する
ベアリングと、一端に小開口部、他端に大開口部を有
し、小開口部内周からタイロッドの柄部が突出され、大
開口部外周に第一外周フランジを有し、内周にベアリン
グを保持する円筒状のハウジングと、ハウジングの小開
口部側外周から第一外周フランジにかけて固着されるゴ
ム状弾性体と、ゴム状弾性体の外周に固着され、小開口
部側端部外周に第二外周フランジを有し、内径が第一外
周フランジの外径より小径の補助リングと、第二外周フ
ランジが小開口部側に位置するように内周に補助リング
を収容し、開口部をかしめて補助リングを固定するカッ
プ状の外輪とからなる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を図１乃至図５に基づい
て説明する。

【００１０】図１は車両（自動車）のステアリング装置
５１及びその周辺の装置を表し、６１は車輪７１を支持
する車輪支持体６４とその車輪支持体６４と車両の車体
を連結・支持するアッパーアーム６２及びロアアーム６
３とを備えるサスペンション装置である。また、車輪支
持体６４には、例えばボールジョイントのような接続部
材６６を介してステアリング用ジョイント部材１のタイ
ロッド２が接続され、更にステアリング用ジョイント部
材１はラック組立体５２のラック軸５３に接続される。
そして、ラック軸５３のラック歯（図示せず）には、ス
テアリングホイール５５から延びるステアリング軸５４
の端部に設けられるステアリングギア（図示せず）が噛
合される。このようなステアリング装置５１によれば、
ステアリングホイール５５を回す回転運動がステアリン
グギア及びラック歯により、タイロッド２軸線方向の横
移動の運動に変換され、車輪支持体６４を引っぱり及び
押圧して車輪７１の向きを変える。

【００１１】このようなステアリング装置５１に使用さ
れるステアリング用ジョイント部材１は、図２に示す如
く、球状の球頭部４とその球頭部４から延出する柄部３
とを有するタイロッド２と、タイロッド２の球頭部４を
包持する合成樹脂製のベアリング５と、ベアリング５を
保持する円筒状のハウジング６と、ハウジング６の外周
にゴム状弾性体１０、及び補助リング１１を介してカッ
プ状の外輪１３が配設される。ここでハウジング６は、
一端に小開口部７、他端に大開口部８を有し、小開口部
７内周からタイロッド２の柄部３が突出され、大開口部
８外周に周状に延出する第一外周フランジ９を有する。
また大開口部８内周には、ハウジング６を塞ぐプラグ１
７がかしめ固定される。補助リング１１は、小開口部７
側端部外周に周状に延出する第二外周フランジ１２を有
し、内径が第一外周フランジ９の外径より小径に形成さ
れる。そして、補助リング１１とハウジング６との間に
介在されるゴム状弾性体１０は、内外周面が接着剤によ
り補助リング１１の内周面及びハウジング６の外周面と
固着される。更に外輪１３は補助リング１１を収容する
カップ状で、一端に開口部１４、他端に底部１５を有
し、底部１５から延出する雄ネジ部１６を有する。この
雄ネジ部１６は、接続するラック軸、又はロッドに螺合
される。尚、上述のゴム状弾性体１０の接着は、電着等
の方法でも良い。

【００１２】次に上記ステアリング用ジョイント部材１
の組立て方法について、図２乃至図５に基づいて説明す
る。

【００１３】まず、図３に示す如く、鍛造及び切削加工
により成形したハウジング６と、曲げ加工により第二外
周フランジ１２を成形した補助リング１１とを所定の間
隔をおいて図示せぬ金型に設置し、ハウジング６の小開
口部７側外周から第一外周フランジ９にわたる外周と補
助リング１１の内周との間にゴム材を充填する。このと
き、ハウジング６の外周面及び補助リング１１の内周面
には予め接着剤が塗布されており、充填されたゴム材が
固まってゴム状弾性体１０となり、ハウジング６、ゴム
状弾性体１０及び補助リング１１が一体的に固着され、
予備組立体２１を形成する。続いて、図４に示す如く、
球頭部４にベアリング５を包持させたタイロッド２を、
その柄部３側から予備組立体２１内へ挿入し、ベアリン
グ５をハウジング６に保持させる。そして連続的にプラ
グ１７をハウジング６の大開口部８内周肩部８ａに着座
させ、大開口部８を内周側へかしめて、中間組立体２２
を形成する。そして最後に、図５に示す如く、中間組立
体２２を球頭部４側から外輪１３内へ挿入し、補助リン
グ１１の第二外周フランジ１２を外輪１３の開口部１４
内周肩部１４ａに着座させ、外輪１３の開口部１４を内
周側へかしめて、図２に示す如く、ステアリング用ジョ
イント部材１の組立てが完了する。

【００１４】よって上述のステアリング用ジョイント部
材１は、タイロッド２と外輪１３との間にゴム状弾性体
１０が介在されるため、車輪からの振動がゴム状弾性体
１０で吸収される。

【００１５】また、ハウジング６の第一外周フランジ９
の外径を外輪１３にかしめ固定した補助リング１１の内
径より大径に形成しているため、ハウジング６の抜け荷
重は大幅にアップできる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、球状の球
頭部と球頭部から延出する柄部とを有するタイロッド
と、タイロッドの球頭部を包持するベアリングと、一端
に小開口部、他端に大開口部を有し、小開口部内周から
タイロッドの柄部が突出され、大開口部外周に第一外周
フランジを有し、内周にベアリングを保持する円筒状の
ハウジングと、ハウジングの小開口部側外周から第一外
周フランジにかけて固着されるゴム状弾性体と、ゴム状
弾性体の外周に固着され、小開口部側端部外周に第二外
周フランジを有し、内径が第一外周フランジの外径より
小径の補助リングと、第二外周フランジが小開口部側に
位置するように内周に補助リングを収容し、開口部をか
しめて補助リングを固定するカップ状の外輪とからなる
ため、車輪からの振動がゴム状弾性体で吸収されるの
で、ステアリングホイールに振動が伝達されることがな
く、走行性能を高く維持できる。また、ハウジングの第
一外周フランジの外径を外輪にかしめ固定した補助リン
グの内径より大径に形成しているため、ハウジングの抜
け荷重は大幅にアップでき、ハウジングが外輪から抜け
ることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ステアリング装置を表す説明図である。

【図２】本発明の実施例によるステアリング用ジョイン
ト部材を表す部分断面平面図である。

【図３】本発明の実施例によるステアリング用ジョイン
ト部材を組付ける第一段階を表す部分断面平面図であ
る。

【図４】本発明の実施例によるステアリング用ジョイン
ト部材を組付ける第二段階を表す部分断面平面図であ
る。

【図５】本発明の実施例によるステアリング用ジョイン
ト部材を組付ける第三段階を表す部分断面平面図であ
る。

【図６】従来のステアリング用ジョイント部材を表す部
分断面平面図である。

【符号の説明】

２ タイロッド ３ 柄 部 ４ 球頭部 ５ ベアリング ６ ハウジング ７ 小開口部 ８ 大開口部 ９ 第一外周フランジ １０ ゴム状弾性体 １１ 補助リング １２ 第二外周フランジ １３ 外 輪 １４ 開口部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 球状の球頭部（４）と該球頭部（４）か
   ら延出する柄部（３）とを有するタイロッド（２）と、
   該タイロッド（２）の球頭部（４）を包持するベアリン
   グ（５）と、一端に小開口部（７）、他端に大開口部
   （８）を有し、小開口部（７）内周からタイロッド
   （２）の柄部（３）が突出され、大開口部（８）外周に
   第一外周フランジ（９）を有し、内周にベアリング
   （５）を保持する円筒状のハウジング（６）と、該ハウ
   ジング（６）の小開口部（７）側外周から第一外周フラ
   ンジ（９）にかけて固着されるゴム状弾性体（１０）
   と、該ゴム状弾性体（１０）の外周に固着され、小開口
   部（７）側端部外周に第二外周フランジ（１２）を有
   し、内径が第一外周フランジ（９）の外径より小径の補
   助リング（１１）と、第二外周フランジ（１２）が小開
   口部（７）側に位置するように内周に前記補助リング
   （１１）を収容し、開口部（１４）をかしめて補助リン
   グ（１１）を固定するカップ状の外輪（１３）とからな
   ることを特徴とするステアリング用ジョイント部材。