JPH09157590A - ポリウレタン塗膜材の製造方法 - Google Patents
ポリウレタン塗膜材の製造方法Info
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- JPH09157590A JPH09157590A JP7335706A JP33570695A JPH09157590A JP H09157590 A JPH09157590 A JP H09157590A JP 7335706 A JP7335706 A JP 7335706A JP 33570695 A JP33570695 A JP 33570695A JP H09157590 A JPH09157590 A JP H09157590A
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Abstract
ス(2−クロロアニリン)に代わる安全性の高い芳香族
ポリアミン架橋剤を使用でき、速やかに硬化して耐熱
性、耐候性に優れた塗膜が得られ、特に手塗り塗工に適
した可使時間を保持することができる常温硬化型速硬化
性ポリウレタン塗膜材の製造方法を提供する。 【解決手段】 ビス(1−イソシアネート−1−メチル
エチル)ベンゼンとポリオールとの反応によって得られ
るイソシアネート末端プレポリマーからなる主剤とジエ
チルトルエンジアミンからなる芳香族ポリアミン架橋
剤、可塑剤および触媒を含有する硬化剤とを施工現場で
混合し、塗工して硬化せしめる。硬化剤中の可塑剤の使
用量を主剤プレポリマー100重量部に対して5〜10
0重量部とし、主剤中のプレポリマーのNCO基と硬化
剤中の芳香族ポリアミンのNH2 基との当量比が0.8
〜2.0となるように主剤と硬化剤とを混合する。
Description
リウレタン塗膜材(塗り床材、防水材)の製造方法に関
し、更に詳しくは、特に手塗り塗工に適した可使時間
(塗工可能時間)を保持した耐候性のよいポリウレタン
塗り床材、防水材の製造方法に関するものである。
らビルディングの屋上、ベランダ、廊下などの防水、ス
ポーツ施設の弾性舗装などの用途に大量に使用されてい
る。かような塗り床材、防水材の製造方法は、ポリオキ
シプロピレンポリオールなどのポリオールとトリレンジ
イソシアネート[以下TDIと略記する]との反応によ
って得られるイソシアネート末端プレポリマーを主剤と
し、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)
[以下”MOCA”と略記する]およびポリオキシプロ
ピレンポリオールをイソシアネート反応成分としてこれ
に有機金属鉛などの触媒や必要に応じて可塑剤を配合し
て硬化剤とし、上記の主剤と硬化剤の2液を施工現場で
混合した後、コテ、ヘラ、またはレーキ等を用いて手塗
り塗工して硬化せしめるものである。
アネート反応成分の主成分として使用するMOCAは、
化審法による指定化学物質、労安法による特定化学物質
の第2類物質であるため安全性に問題があり、また常温
では固体で結晶性が高いため可塑剤への溶解安定性が悪
く取り扱い難いものであるにもかかわらず、イソシアネ
ートとの反応が比較的緩やかであり、塗り床材、防水材
として特に必要とされる可使時間(2液混合後これを支
障なく塗布できるまでの時間であり、一般に、混合後に
粘度が10万センチポイズに達するまでの時間とされて
いる)が得られ、更にウレタン塗り床材、防水材に必要
とされる各種物性を保持できるので、この分野で使用可
能なほとんど唯一の芳香族ポリアミン架橋剤であった。
(以下DETDAと略記する)を芳香族ポリアミン架橋
剤の主成分として含有する硬化剤と、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート系のイソシアネート成分を
含有する主剤とからなる高反応性2液型ウレタン材料
を、高圧衝突混合機により瞬間的に混合しスプレー塗工
し、速硬化させるウレタン塗り床材、防水材が普及して
来ている。然しながらかような高反応性ウレタン材料
は、2液混合からゲル化まで10秒前後と超速硬化であ
るため手塗り塗工に望ましい可使時間がまったく得られ
ず、スプレー塗工時にミストが飛散して周辺を汚染し、
更に塗工面のレベリング性が悪いなどの欠点がある。
ーをこのDETDAを用いて常温硬化させることによる
塗膜防水材を開発した。然しながらこの方法では、高温
時(夏場)の施工において可使時間を確保することがい
まひとつ困難で、防水材用途に使用されるよりもNCO
含有率の高いプレポリマーを使用するとさらに可使時間
がとり難くなるのでこの方法は塗り床材用途には適用し
にくいという難点があった。
指定化学物質であるMOCAに代る安全性の高い芳香族
ポリアミンが使用でき、高温時(夏場)においても、N
CO含有率のより高いプレポリマーを使用する必要のあ
る塗り床材用途においても、手塗り塗工に適した可使時
間を充分に保持することが出来、冬期においても硬化性
が良好であり、更にはトップコートがなくても屋外に適
用することが可能となり得るほど耐候性にすぐれた常温
硬化型ポリウレタン塗り床材、防水材の製造方法を提供
すべく鋭意研究した結果本発明を完成したものである。
族ポリアミン架橋剤の主成分として高反応性のDETD
Aを使用し、このDETDAと所定量の可塑剤および触
媒を配合してなる硬化剤を、ビス(1−イソシアネート
−1−メチルエチル)ベンゼンとポリオールとの反応に
よって得られるイソシアネート末端プレポリマーを主成
分とする主剤と所定の割合で施工現場で混合して手塗り
塗工することによって、必要とされる可使時間を保持す
るとともに耐水性、強度など所定の物性を具備し、しか
も耐候性にすぐれたポリウレタン塗り床材、防水材が製
造できるものである。さらに詳細には、本発明は、ポリ
イソシアネートを主成分とする主剤と、芳香族ポリアミ
ン、可塑剤および触媒を含有する硬化剤とを常温で混
合、塗工し硬化せしめるポリウレタン塗膜材の製造方法
において、 a)、ポリイソシアネートとしてビス(1−イソシアネ
ート−1−メチルエチル)ベンゼンとポリオールとの反
応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを
使用し、 b)、芳香族ポリアミンの主成分としてDETDAを使
用し、 c)、可塑剤をイソシアネート末端プレポリマーの使用
量100重量部に対し5〜100重量部使用し、 d)、主剤と硬化剤とを、主剤のイソシアネート基と硬
化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.
8〜2.0となるように混合、塗工し硬化せしめること
を特徴とする、可使時間を保持した常温硬化型ポリウレ
タン塗膜材の製造方法である。
は、イソシアネート含有率が或る程度以上の大きいもの
を使用すると可塑剤量を増量しても所望の可使時間を保
持することが困難となる傾向があったが、このTDIプ
レポリマーに替えて本発明のビス(1−イソシアネート
−1−メチルエチル)ベンゼンのプレポリマーを主剤と
して用いると、可塑剤量を所定量以上に増量せずともイ
ソシアネート含有率のかなり大きいものでも可使時間が
とり易くなり、従って塗膜防水材はもとより、防水材よ
りも硬さや強度が要求される塗り床材用途にも適用でき
るものとなる。また本発明のプレポリマーは耐候性がす
ぐれているので本発明の方法による硬化塗膜はトップコ
ート塗布の必要のない程度にまで耐候性を改善すること
もできる。さらに従来のMOCA−ポリオール併用系の
硬化剤に替えて安全性が高く、しかも高反応性のDET
DAを使用するので、不特定多数の作業者が安心して取
扱えるようになり、アフタータックのない無発泡の塗膜
材が得られる。
イソシアネート末端プレポリマーは、ビス(1−イソシ
アネート−1−メチルエチル)ベンゼンとポリオールと
の反応によって生成される。ビス(1−イソシアネート
−1−メチルエチル)ベンゼンは通常テトラメチルキシ
レンジイソシアネートと呼ばれTMXDIと略称され
る。p−置換体[1,4−ビス(1−イソシアネート−
1−メチルエチル)ベンゼン、p−TMXDI]および
m−置換体[1,3−ビス(1−イソシアネート−1−
メチルエチル)ベンゼン、m−TMXDI]が知られて
いるが、p−置換体は常温では固体であり取扱い難いの
で本発明では常温で液体であるm−置換体を使用するの
が好ましい。
方の原料であるポリオールとしては、ポリオキシプロピ
レンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオ
ール(所謂PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコ
ール(所謂PTMG)、ポリエステルポリオール、ポリ
カプロラクトンポリオールなどの通常のウレタン原料と
して一般に知られているポリオールが使用できる。これ
ら一般的なポリオールのうち本発明の分野では粘度ある
いは常温ないし低温での結晶性の点においてPPG、特
定のPTMGまたは特定のポリエステルが好ましい。す
なわちPPGでは、平均分子量が350〜8000で、
そのうち10重量%以上がトリオールであるものが好適
に使用される。PTMGでは、数平均分子量が900以
下で、重量平均分子量と数平均分子量の比が1.8以下
のものが好適に使用される。ポリエステルでは、平均分
子量が500〜4000で、炭素数が5〜10の脂肪族
グリコール(たとえばネオペンチルグリコール,3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールまたは2−エチル−2
−ブチル−1,3−プロパンジオールなど)とジカルボ
ン酸(たとえばアジピン酸)との縮合により製造される
ポリエステルポリオールまたはβ−メチル−δ−バレロ
ラクトンの重合体ポリオールが好適に使用される。
るには、TMXDIとポリオールとをNCO基対OH基
の当量比が通常2近傍となるように仕込んで反応させる
ことが好ましい。TMXDIとポリオールとの反応は通
常の反応条件のもとではかなり遅いので反応を促進させ
るためにジブチル錫ジラウレートのような触媒を微量
(例えば反応系の0.001重量%)添加して行なわれ
る。
端プレポリマーのイソシアネート含有率は1.5〜10
重量%の範囲にあることが望ましい。1.5重量%未満
では所望の物性が得られず、10重量%を超えると所望
の可使時間がとり難くなる。この範囲でイソシアネート
含有率の小さい側のものは塗膜防水材として適してお
り、大きい側のものは塗り床材用として好適である。本
発明の方法において、硬化剤の芳香族ポリアミン架橋剤
の主成分として使用するDETDAは、3,5−ジエチ
ルトルエン−2,4−または2,6−ジアミンであり、
異性体含有率の異なるものが市販されている。市販品と
して例えばエタキユア100(エチルコーポレーション
社製商品名。2,4−異性体/2,6異性体の重量比は
80/20)などが使用できる。またこのDETDA
は、我国においては既存化学物質として登録済であり、
従来技術において慣用されていたMOCAとは異なり安
全であり、製造や使用に際しての制約がない。本発明に
よれば、かような高反応性のDETDAを芳香族ポリア
ミン架橋剤の主成分として使用するので夏場の高温多湿
時でも発泡せず、表面タックを残さず、年間を通じて仕
上り性の良い塗膜剤が得られる。
としての可塑剤は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプ
チル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、
アジピン酸ジオクチル、塩素化パラフィン、トリス・β
−クロロプロピルホスフェート等の、主剤中のイソシア
ネートプレポリマーのNCO基と反応性のない通常の可
塑剤が使用できる。硬化剤中の可塑剤の使用量は、主剤
であるイソシアネート末端プレポリマー100重量部に
対し5〜100重量部の範囲で使用することが必要であ
る。5重量部未満では手塗り塗工に適した可使時間が確
保し難くなるとともに主剤と硬化剤との混合比率が大き
くなり過ぎ混合不良が起き易くなる。100重量部を越
えると塗膜表面に可塑剤がブリートする傾向が強くな
り、また得られた硬化塗膜の物性も低くなってしまう。
化剤中の架橋剤成分として使用されていたポリオール
は、本発明の硬化剤中では不可欠成分ではなく配合する
必要がない。然しながらポリオールはDETDAよりも
イソシアネートとの反応性が低く、特に硬化初期過程に
おいてはDETDAの反応性を遅延させる可塑剤と同様
の作用を有するため、ポリオールが最終的にイソシアネ
ート基と反応する、しないに拘らず、ポリオールを可塑
剤とみなして硬化剤中に配合することも可能である。
うかなり反応性の遅いイソシアネートのプレポリマーを
主剤の主成分として使用するので、DETDAというか
なり高活性の芳香族ポリアミンを硬化剤中のイソシアネ
ート反応成分の主成分として使用するにもかかわらず塗
膜を充分に硬化させかつ所望の物性を発現させるため
に、硬化剤中に触媒を若干配合する必要がある。本発明
において使用する触媒としては、オクチル酸、アゼライ
ン酸、オレイン酸などの有機酸、鉛オクトエート、鉛ナ
フテネート、亜鉛オクトエートなどの有機金属触媒があ
げられるが耐候性、耐熱性の面より有機触媒の方が好ま
しい。触媒の使用量は、主剤プレポリマー100重量部
に対し0.01〜5重量部で、必要以上の添加は可使時
間を短くし、塗膜面の平滑性や耐熱性にも影響を及ぼす
ので好ましくない。
に応じて炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、ケイソウ土などの無機充填剤、酸化クロム、ベンガ
ラ、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔
料、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ベ
ンゾトリアゾール系などの安定剤を添加することができ
る。
XDIとポリオールとの反応によって得られるイソシア
ネート末端プレポリマーを主成分とする主剤と、DET
DAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋剤、所定量の
可塑剤および触媒、さらには必要に応じて充填剤、顔
料、安定剤等を配合して硬化剤とを、主剤中のプレポリ
マーのNCO基と硬化剤中の芳香族ポリアミン架橋剤の
NH2基との当量比が0.8〜2.0となるように施工
現場で混合し、被塗物上に手塗り塗工して硬化せしめる
のである。主剤中のNCO基と硬化剤中のNH2基との
当量比が0.8未満 では物性が低下し、未反応のアミ
ンにより塗膜が黄変し易くなり、2.0を越えると硬化
性が遅くなり過ぎる。塗膜物性も含めて最も好ましいN
CO基とNH2 基との当量比は0.9〜1.5の範囲で
ある。主剤と硬化剤とを上述したような所定の割合で混
合することによって、施工環境温度(通常のウレタン塗
膜材では5〜35℃)下で20分以上150分以下とい
った可使時間を保持することができる。施工環境温度下
で20分以上の可使時間があれば、補修あるいは小面積
施工が可能であり、150分を越えると硬化が遅くなる
ので好ましくない。
塗工に適しているが、可使時間およびレベリング可能時
間が長くとれるため、スタチックミキサーあるいはダイ
ナミックミキサー等の自動混合装置を使用した、手塗り
塗工と同様なレベリング性を備えた機械塗工にも適用す
ることができる。また、ダレ止め剤を配合して、立面、
壁面、曲面等をローラー、リシンガン、エアレスガン等
の従来方法で塗工することもできる。また本発明による
塗膜材は、従来からの防水材の用途でもある廊下や階段
等の発音性低下、モルタル保護、防塵性を目的とした床
材、金属等の腐食防止のための防錆材、コーキング材と
しても使用できる。使用の際には作業性に応じてキシレ
ン、トルエン等の溶剤を加えて施工することも可能であ
る。
らに説明する。実施例および比較例についての配合表お
よび試験結果に使用した材料および試験項目はそれぞれ
下記の通りである。
社製) D−400:ポリオキシプロピレンジオール、分子量4
00(商品名アクトコールP−400、武田薬品工業
(株)製品) D−2000:ポリオキシプロピレンジオール、分子量
2000(商品名アクトコールP−2020、武田薬品
工業(株)製品) D−3000:ポリオキシプロピレンジオール、分子量
3000(商品名アクトコールP−23、武田薬品工業
(株)製品) T−400:ポリオキシプロピレントリオール、分子量
410(商品名アクトコールG−410、武田薬品工業
(株)製品) T−3000:ポリオキシプロピレントリオール、分子
量3000(商品名アクトコールP−3030、武田薬
品工業(株)製品) T−5000:ポリオキシプロピレントリオール、分子
量5000(商品名アクトコール35−34、武田薬品
工業(株)製品) 650SN:ポリオキシテトラメチレングリコール、分
子量650重量平均分子量と数平均分子量との比=1.
5(商品名PTG650SN、保土谷化学工業(株)製
品) P−510:3−メチル−1,5−ペンタンジオール系
ポリエステルジオール分子量500、(商品名クラポー
ルP−510、クラレ(株)製品) P−2010:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
系ポリエステルジオール分子量2000、(商品名クラ
ポールP−2010、クラレ(株)製品) F−3010:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
系ポリエステルトリオール分子量3000、(商品名ク
ラポールF−3010、クラレ(株)製品) L−2010:ポリ(β−メチル−δ−バレロラクト
ン)ジオール分子量2000、(商品名クラポールL−
2010、クラレ(株)製品)
ユア100、エチルコーポレーション社製品) DOP:フタル酸ジオクチル(可塑剤、大八化学工業所
製品) 炭酸カルシウム:無機充填剤(丸丸カルシウム(株)製
品) 触媒:2−エチルヘキシル酸(三建化工(株)製品)
ポリマー中のNCO基と硬化剤中のDETDAのNH2
基との当量比
できる限度の時間(分)(混合液の粘度が10万センチ
ポイズに達するまでの時間) タックフリータイム:塗膜表面に指触でベトつきがなく
なるまでの時間(時間)
062に準じて行った硬化塗膜の物性試験結果 耐熱性:塗工後、20℃で7日経過後に、さらに80℃
のオーブンで7日間加熱した後の硬化塗膜の物性試験結
果 引張強度保持率:耐熱性試験後の引張強度の基礎物性の
引張強度に対する強度比(%)。(JIS規格によれば
80%以上150%以下と規定されている) 耐候性:20℃7日経過後の硬化塗膜を、サンシャイン
ウエザーメーターに500時間暴露し、表面の変色の有
無を観察。
ー)の調製 2リットルのガラスコルベンに、表1に示した実施例お
よび比較例の配合表に従って、m−TMXDI、および
D−400、D−2000などのポリオールをそれぞれ
の仕込NCO基/OH基の当量比となるように仕込み、
攪拌しながらm−TMXDIとポリオールの合計の仕込
量の0.001重量%に相当するジブチル錫ジラウレー
トを添加した後、80〜100℃で2〜5時間加熱攪拌
して反応を完結させ、イソシアネート末端プレポリマー
を調製した。
示した実施例および比較例の配合表に従って、DETD
A、DOP、炭酸カルシウムおよび触媒(2−エチルヘ
キシル酸)(比較例7のみは無触媒)を仕込み、室温で
ディゾルバーを用いて15分間攪拌し、それぞれの硬化
剤を調製した。
MXDI、413.3gのD−2000および413.
3gのT−3000を仕込み(NCO/OH当量比1.
72)、攪拌しながら0.01gのジブチル錫ジラウレ
ートを加え、徐々に加温して80〜100℃に昇温し、
この温度で4時間保ち反応を完結させ、NCO含有率
2.5重量%のイソシアネート末端プレポリマー(主
剤)1000gを調製した。これとは別に、2リットル
の円筒型開放容器に48gのDETDA、450gのD
OP、5000gの炭酸カルシウム及び2gの2−エチ
ルヘキシル酸を仕込み、室温で15分間攪拌し、100
0gの硬化剤を調製した。上記で調製した主剤と硬化剤
とを20℃の雰囲気に2時間静置した後、この温度でな
るべく気泡を巻き込まないように両者を攪拌混合(主剤
/硬化剤重量比1/1)、NCO基/NH2基当量比
1.1)し、可使時間をチェックしながらプライマー処
理したスレート板にコテまたはヘラを用いて厚さ1〜2
mmになるように手塗り塗布した。この混合液の一部を
ガラス板上に厚さ1〜2mmになるように流延し、この
まま20℃の雰囲気で7日間硬化させた塗膜を物性(基
礎物性、耐熱性および耐候性)測定用の試験片とした。
可使時間は100分と充分に長く、余裕をもっての塗工
が可能で、20時間以内にタックフリーとなり硬化性良
好でかつ発泡もなく平滑で美麗な表面仕上り性を示し
た。7日硬化後の塗膜物性は、基礎物性、耐熱性とも塗
膜防水材のJIS規格を満足する性能を示した。また促
進耐候性試験(サンシャインウエザーメーター500時
間)結果は、変色がなく良好な耐候性を示した。
きいもの、すなわち3.4重量%(実施例2)および
6.4重量%(実施例3)について実施した。それぞれ
のプレポリマーは、いづれもポリオールとしてPPGを
使用し、表−1の配合表に従って仕込み実施例1と同様
に反応を行って製造した。硬化剤は、主剤対硬化剤の混
合比1対1においてNCO基対NH2基の当量比が1.
1対1になるようにそれぞれのプレポリマーのNCO基
含有率に応じてDETDAの含有量を変化させたものを
実施例1の硬化剤の製造に準じて調製した。それぞれの
主剤、硬化剤混合後の可使時間、硬化性および硬化塗膜
の物性は表−1の通りである。すなわち実施例2におい
ては、可使時間が90分と実施例1よりも若干短くなっ
たが充分に余裕を持っての施工が可能であり、20時間
以内にタックフリーとなり、硬化塗膜の物性は実施例1
よりも若干硬く、強くなり、防水材としてさらに好適な
良好な性能を示した。耐候性も良好であった。
NCO含有率の大きいプレポリマーを使用したので、可
使時間が57分と、実施例2より短くなったが充分に実
用の範囲内であり、硬化性、仕上り性とも良好であっ
た。硬化塗膜の物性は、硬さが83と、前2例よりかな
り固く、かつ強く、伸び率とあいまって防水材よりも塗
り床材用途に好適な性能を示すものとなった。耐候性も
トップコートの必要がない程度に良好であった。
DAの使用量も実施例3と同量使用し、硬化剤中の可塑
剤の使用量のみを増減して(可塑剤の使用量の増減に応
じて充填剤炭酸カルシウムの使用量および主剤対硬化剤
の混合比を調整)実施した。その結果、可塑剤使用量は
この程度の増減の範囲では可使時間に若干の長短がみら
れるだけで、硬化性、物性とも床材として良好な性能を
示すことが知れた。
硬化剤中のDETDAの使用量を増減して、主剤のNC
O基対硬化剤中のNH2 基の当量比が実施例3より小さ
い場合(0.9、実施例6)と、大きい場合(1.5、
実施例7)をテストした。結果は表−1の通り、当量比
が0.9と小さくなると可使時間が50分と、実施例3
より若干短くなり、当量比が1.5と大きくなると64
分と長くなる。硬化性もそれに伴って若干変化する傾向
が認められるがいづれも実用の範囲内であった。硬化塗
膜の物性は、実施例7において硬さが若干軟く、強度が
やや低下したが、いづれも塗り床材として好適な性能で
あった。耐候性については実施例6のみ僅かに黄変する
傾向を示したが充分実用に耐える程度であった。
ポリオールとしてPPG以外のポリオールを使用して製
造したプレポリマーの使用例を示した。実施例8では、
特定のPTMGすなわち分子量分布が狭く(重量平均対
数平均分子量の比が1.5)、かつ数平均分子量が65
0であるPTMGを原料として製造したプレポリマーを
主剤として使用した。実施例9および10は、3−メチ
ル1,5−ペンタンジオールを主成分とするグリコール
とジカルボン酸との縮合により合成したポリエステルと
TMXDIとの反応により得られたプレポリマーを主剤
とする場合である。実施例11は、β−メチル−δ−バ
レロラクトンの重合体ポリオールをポリオール成分の主
成分として製造したプレポリマーを主剤として使用した
場合である。結果は表−1で示したように、いづれも実
用的な可使時間で、硬化性、仕上り性とも良好であっ
た。硬化塗膜の物性も良好で、特にPTMG使用の実施
例8においては、高硬度、高強度の塗膜が得られてお
り、耐候性も良好であった。
もの(1.3重量%、比較例1)と、実施例3〜8より
大きいもの(11重量%、比較例2)を使用した場合の
例である。結果は表−2にみられるように、主剤のNC
O含有率が1.3重量%と小さいものを使用すると、可
使時間は120分と充分に長いが、硬化塗膜の物性が防
水材のJIS規格に適合しない程度にまで低下し、一方
主剤のNCO含有率が11重量%と大きいものを使用す
ると、可使時間が12分と短く、所望の可使時間が保持
できなくなり、硬化塗膜の物性も弾性塗り床材として使
用するには好ましくない性能となることを示した。
し、硬化剤中のDETDAの使用量も増減して主剤のN
CO基対硬化剤中のNH2 基の当量比が実施例6より小
さい場合(0.7、比較例3)と、実施例7より大きい
場合(2.2、比較例4)についてテストした。結果は
表−2の通り、比較例3では可使時間が実施例6より短
くなる上、塗膜にかなりの黄変が認められた。比較例4
では、硬化途上で塗膜が発泡してしまい、物性測定する
には至らなかった。すなわち実施例3、6および7の結
果を勘案すると、本発明の目的を達成するためには、主
剤のNCO基対硬化剤中のNH2 基の当量比には限界的
な所定の範囲が存在することを示している。
0およびD−2000というPPGのジオールのみ(実
施例1〜7と異なる)用いて製造した主剤を使用した場
合の例である。結果は表−2に示すように硬化塗膜の耐
熱性試験において(80℃オーブン中で)変形(25%
伸長)してしまい、耐熱性に欠陥があることが判明し
た。
ーを使用し、硬化剤中の可塑剤の使用量を実施例5より
増量した場合の例である。結果は表−2に示したように
塗膜表面に可塑剤がかなりブリードしてしまい、実用に
耐えないことが知れた。すなわち実施例3〜5の結果を
勘案すると、本発明の目的を達成するためには可塑剤の
使用量には限界的な所定の範囲が存在し、比較例6はそ
の限界外であることを示している。
施した。結果は表−2に示したように、硬化塗膜が耐熱
性試験において80℃のオーブン中で変形してしまい、
耐熱性に欠陥があることが認められた。すなわち本発明
の目的を達成するためには硬化剤中に、硬化促進用触媒
を配合することが必要であることが知れた。
れば、TMXDIとポリオールとの反応によって得られ
るイソシアネート末端プレポリマーを主成分とする主剤
と、DETDAを主成分とする芳香族ポリアミン架橋
剤、所定量の可塑剤および触媒を配合した硬化剤とを、
主剤中のNCO基と硬化剤中のDETDAのNH2 基と
の当量比が所定範囲内となるように施工現場で混合し、
塗工して硬化させることによって、所望の可使時間を保
持しながら塗工後数時間で、発泡せず、表面タックを残
さず、仕上り性よくかつ耐熱性、耐候性にすぐれたポリ
ウレタン硬化塗膜を得ることができる。従って本発明の
方法は、速硬化性の塗膜防水材や塗り床材などの手塗り
塗工に効果的に適用できるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリイソシアネートを主成分とする主剤
と、芳香族ポリアミン、可塑剤および触媒を含有する硬
化剤とを、常温で混合、塗工し硬化せしめるポリウレタ
ン塗膜材の製造方法において、 a)、ポリイソシアネートとしてビス(1−イソシアネ
ート−1−メチルエチル)ベンゼンとポリオールとの反
応によって得られるイソシアネート末端プレポリマーを
使用し、 b)、芳香族ポリアミンの主成分としてジエチルトルエ
ンジアミンを使用し、 c)、可塑剤をイソシアネート末端プレポリマーの使用
量100重量部に対し5〜100重量部使用し、 d)、主剤と硬化剤とを、主材のイソシアネート基と硬
化剤中の芳香族ポリアミンのアミノ基との当量比が0.
8〜2.0となるように混合、塗工し硬化せしめること
を特徴とする、可使時間を保持した常温硬化型ポリウレ
タン塗膜材の製造方法。 - 【請求項2】 ポリイソシアネートが[1,3−ビス
(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン]
である請求項1記載のポリウレタン塗膜材の製造方法。 - 【請求項3】 イソシアネート末端プレポリマーのイソ
シアネート含有率が1.5〜10重量%である請求項1
記載のポリウレタン塗膜材の製造方法。 - 【請求項4】 ポリオールが、平均分子量350〜80
00のポリオキシプロピレンポリオールまたはポリオキ
シエチレンプロピレンポリオールで、該ポリオールのう
ち10重量%以上がトリオールである請求項1記載のポ
リウレタン塗膜材の製造方法。 - 【請求項5】 ポリオールが、数平均分子量が200〜
900で、重量平均分子量と数平均分子量との比が1.
8以下であるポリオキシテトラメチレングリコールであ
る請求項1記載のポリウレタン塗膜材の製造方法。 - 【請求項6】 ポリオールが、平均分子量500〜40
00で、炭素数5〜10の脂肪族グリコールとジカルボ
ン酸との縮合により製造されるポリエステルポリオー
ル、またはβ−メチル−δ−バレロラクトンの重合体ポ
リオールである請求項1記載のポリウレタン塗膜材の製
造方法。 - 【請求項7】 可使時間が20〜150分である請求項
1記載のポリウレタン塗膜材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1017819A (ja) * | 1996-06-28 | 1998-01-20 | Hodogaya Chem Co Ltd | ポリウレタン塗膜材の製造方法 |
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JP2021042341A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社ダイフレックス | ウレタン被覆材組成物、被覆構造および施工方法 |
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JPH0649409A (ja) * | 1992-08-04 | 1994-02-22 | Mitsui Toatsu Chem Inc | スプレー成形によるポリウレタン・ポリウレア・エラス トマー積層物の製造方法 |
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1995
- 1995-12-01 JP JP33570695A patent/JP4582556B2/ja not_active Expired - Fee Related
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