JPH09157575A - 筆記板用水系黒色インキ組成物 - Google Patents

筆記板用水系黒色インキ組成物

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JPH09157575A
JPH09157575A JP31522795A JP31522795A JPH09157575A JP H09157575 A JPH09157575 A JP H09157575A JP 31522795 A JP31522795 A JP 31522795A JP 31522795 A JP31522795 A JP 31522795A JP H09157575 A JPH09157575 A JP H09157575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増粘及びカーボンブラックの凝集、沈降等に
起因する筆跡濃度の低下、ペン先での目詰まり、筆記の
際のカスレが生じ難い筆記板用水系黒色インキ組成物を
提供すること。 【解決手段】 水、カーボンブラックを次亜ハロゲン酸
及び/またはその塩を用いて酸化して得られる酸化カー
ボンブラック、皮膜形成樹脂及び剥離剤を含む筆記板用
水系黒色インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるホワイト
ボードのような筆記板にマーキングペンを用いて筆記す
ることができ、不用となった筆跡を拭き消すことができ
る筆記板用水系黒色インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】筆記板用黒色インキ組成物は、従来、着
色剤としてのカーボンブラックを、分散剤を用いてケト
ン系及び低級アルコール系溶剤のような有機溶剤に分散
させ、剥離剤及び界面活性剤等を添加して調製されてき
た。
【0003】しかし、近年では、環境及び人体に悪影響
を与えるこれら有機溶剤の使用を制限する傾向が一般的
となり、筆記板用インキ組成物についても水系のものが
望まれている。
【0004】筆記板用水系黒色インキ組成物の例とし
て、特開平2-117975号公報には(部分鹸化)酢酸ビニル系
ポリマーからなる樹脂とジカルボン酸ジ(ポリアルキレ
ングリコールエーテル)エステルのようなエステル化合
物を含む水性ビヒクル中に顔料を分散させたもの、特開
平4-239569号公報には剥離剤として水溶性エステル化合
物及びポリエーテル変性シリコーンオイルから選ばれる
化合物とシリコーンパウダーとを組合せて用いたもの、
特開平6-16991号公報には皮膜形成樹脂、青色顔料水分
散液及び脂肪族カルボン酸エステル系エマルジョンを含
むもの、特開平6-184486号公報には剥離剤として特定リ
ン酸エステル化合物を用いたもの、そして特開平6-2640
19号公報には剥離剤としてペンタエリスリトール脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びオキシ酸
エステル等を用いたものが記載されている。
【0005】しかし、これらの筆記板用水系黒色インキ
組成物は従来の筆記板用油性マーキングインキに含まれ
るビヒクルや剥離剤を水系顔料分散に適したものに代え
たにすぎず、顔料は溶剤系黒色インキ組成物に従来用い
ていたカーボンブラックである。したがって、ここに開
示の筆記板用水系黒色インキ組成物では、増粘及び顔料
の凝集、沈降等に起因する筆跡濃度の低下、ペン先での
目詰まり、筆記の際のカスレが生じ易く、長期間繰り返
し使用することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、その目的とするところは、
増粘及び顔料の凝集、沈降等に起因する筆跡濃度の低
下、ペン先での目詰まり、筆記の際のカスレが生じ難い
筆記板用水系黒色インキ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水、カーボン
ブラックを次亜ハロゲン酸及び/またはその塩を用いて
酸化して得られる酸化カーボンブラック、皮膜形成樹脂
及び剥離剤を含む筆記板用水系黒色インキ組成物を提供
するものであり、そのことにより、上記の目的が達成さ
れる。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書において「水系」とは、水
単独、又は主成分としての水と水混和性有機溶剤との混
合物を液媒体とすることをいう。一般に、主成分として
の水は、液媒体の全量の少なくとも50重量%以上を占
める。
【0009】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物で
は、液媒体として水を単独で用いることもできるが、水
混和性有機溶剤を適量併用してよい。水混和性有機溶剤
は液媒体の50重量%まで、好ましくは1〜30重量
%、さらに好ましくは3〜20重量%の量で用いられ
る。
【0010】用いうる水混和性有機溶剤の具体例には、
メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール及びイソブチルアルコールの
ような炭素数1〜4のアルキルアルコール;アセトン及
びジアセトンアルコールのようなケトンまたはケトンア
ルコール;テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンの
ようなエーテル;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコ
ールのようなアルキレングリコール;ポリエチレングリ
コール及びポリプロピレングリコールのようなポリアル
キレングリコール;エチレングリコールモノエチルエー
テル、プロレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレング
リコールモノエチルエーテルのような多価アルコールの
低級アルキルエーテル;ポリエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートのような低級アルキルエーテル
アセテート;グリセリン;及び2-メチルピロリドン及び
N-メチル-2-ピロリドンのようなピロリドン等;が挙げ
られる。
【0011】また、アルキレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、低級アルキルエーテル、低級アルキル
エーテルアセテート及びグリセリンなども用いうるが、
これらは後で説明する剥離剤としても作用する。
【0012】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物に
着色剤として用いる酸化カーボンブラックは、市販の着
色用カーボンブラックを次亜ハロゲン酸及び/またはそ
の塩で酸化することにより得られる。
【0013】カーボンブラックは一般に公知の種々の方
法で水に対する分散性が改良されたものが市販されてい
る。これらはその粒子の表面上に少量のカルボキシル基
を有し酸性を示すため、一般に酸性カーボンブラックと
呼ばれる。しかし、酸性カーボンブラックは分散性が不
十分であり、水性顔料インキ用の着色剤に用いるために
は長時間の機械的な分散処理をする必要がある。また、
前述したように本質的にカーボンブラック自体は、水や
有機溶剤には全く相溶性を有しないため、長時間放置す
ると顔料は沈降する。
【0014】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物に
用いる酸化カーボンブラックは、カーボンブラックを水
溶媒中で、酸化剤として次亜ハロゲン酸及び/またはそ
の塩を用い、加熱攪拌することにより得られる。次亜ハ
ロゲン酸塩としては次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸
カリウム等が挙げられ、次亜塩素酸ナトリウムが反応性
の点から特に好ましい。
【0015】カーボンブラックを酸化する方法の具体例
としては、カーボンブラックをイオン交換水の入った反
応釜に投入し、充分攪拌して水に馴染ませる。更に、か
き混ぜながら50℃まで加温して、次亜ハロゲン酸塩水
溶液を加え、95〜105℃で5〜20時間リフラック
スする。
【0016】また、カーボンブラックを水中に分散し、
充分攪拌して水に馴染ませた後、カーボンブラックの水
分散体に塩素ガスを送り込んで次亜塩素酸を生成させる
ことにより酸化してもよい。
【0017】ついで、酸化反応を行った後の分散体から
未酸化のカーボンブラック及び粗粒子を除去して精製濃
縮する。未酸化のカーボンブラック及び粗粒子は、例え
ば、400メッシュ程度の金網を用いることにより除去
しうる。精製濃縮は、例えば、0.01μm以下の口径を
有する分離膜(例えば、限外ろ過膜及び逆浸透膜等)を用
いて行いうる。一般に、酸化反応を行った後の酸化カー
ボンブラック水分散体は、顔料濃度10〜50重量%に
濃縮される。
【0018】カーボンブラックの微分散工程と酸化工程
とを同時に行う場合は、水性媒体とカーボンブラックと
次亜ハロゲン酸塩とを適当な割合でよく混合し、ミル媒
体を加え、そして加熱下分散機で、一般に約2〜20時
間、好ましくは約3〜10時間分散させる。
【0019】酸化反応によりカーボンブラックの表面に
酸素原子が導入される。その結果、カーボンブラック粒
子の表面上に水酸基及びカルボキシル基のような親水性
基が形成され、カーボンブラック粒子の親水性及び水分
散性が向上する。酸化カーボンブラックの酸化の程度は
酸素含有率及び活性水素含有量により示される。
【0020】酸化カーボンブラックの酸素含有率とは、
カーボンブラック中に含まれる酸素の重量%をいい、例
えば、不活性ガス融解−赤外線吸収法(JISZ2613-1976
法)に従い測定できる。本発明で用いる酸化カーボンブ
ラックは、3〜30%、好ましくは7〜25%の酸素含
有率を有する。酸化カーボンブラックの酸素含有率が3
%を下回ると水に対する親和性が低下する。
【0021】酸化カーボンブラックの活性水素含有量と
は、酸化カーボンブラック粒子の表面上の親水性基が有
する活性水素のモル量をいい、例えば、ツァイゼル法に
従い測定できる。本発明で用いる酸化カーボンブラック
は、1.5mmol/g以上、好ましくは2mmol/g以上の活性
水素含有量を有する。活性水素含有量が1.5mmol/gよ
り低い場合は水分散性が悪くなり、本発明の効果を達成
しにくい。
【0022】また、酸化反応で酸化カーボンブラック表
面に形成されるカルボキシル基のような酸性基は次亜ハ
ロゲン酸塩由来のカチオンと一部塩を形成し、そのこと
によりカーボンブラック粒子の水分散性が助長される。
好ましくは、酸化カーボンブラック表面に存在する親水
性基は、少なくとも一部がアルカリ金属塩、特に好まし
くはナトリウム塩になっている。その結果、酸化カーボ
ンブラックは水系液媒体中に微分散され、マーキングペ
ン等を腐食する問題が解消される。
【0023】酸化カーボンブラックの平均粒径は300
nm以下、好ましくは200〜30nm、更に好ましくは1
00nm程度とすることにより本発明の目的を達成でき
る。酸化カーボンブラックの平均粒径が300nmを上回
ると顔料の沈降が起こり易くなるからである。
【0024】本発明で用いる酸化カーボンブラックの原
料となるカーボンブラックは、一般に天然ガスや液状炭
化水素(重油やタール等)を熱分解または不完全燃焼させ
て得られる。また、製造方法によりチャンネルブラッ
ク、ファーネスブラック、ランプブラック等に分類さ
れ、市販されている。
【0025】用いるカーボンブラックの種類は特に限定
されない。アルカリ性、中性、酸性カーボンブラックの
いずれでも使用できる。
【0026】上述のようなカーボンブラックは市販され
ており、具体的には、三菱化学社製の#10B、#20
B、#30、#33、#44、#45、#50、#5
5、#95、#260、#900、#1000、#22
00B、#2300、#2350、#2400B、#2
650、#2700、#4000B、CF9、MA8、
MA11、MA77、MA100、MA220、MA2
30、MA600及びMCF88等;キャボット社製の
モナーク120、モナーク700、モナーク800、モ
ナーク880、モナーク1000、モナーク1100、
モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リ
ーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、
リーガル330R、リーガル400R、リーガル500
R及びリーガル660R等;デグサ社製のプリンテック
スA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテ
ックスV、プリンテックス55、プリンテックス140
U、プリンテックス140V、スペシャルブラック4、
スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペ
シャルブラック6、スペシャルブラック100、スペシ
ャルブラック250、カラーブラックFW1、カラーブ
ラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラッ
クFW18、カラーブラックFW200、カラーブラッ
クS160及びカラーブラックS170等が挙げられ
る。
【0027】吸油量の小さいカーボンブラックが好まし
い。本発明で用いるカーボンブラックは、好ましくはJ
IS−K6221測定法による吸油量150ml/100
g以下、更に好ましくは80ml/100g以下を有す
る。このようなカーボンブラックは酸化後微細化分散さ
れ易く、ペン体の中で良好な結果が得られるからであ
る。
【0028】酸化カーボンブラックはインキ全量に対し
て0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、更
に好ましくは2〜7重量%で本発明の筆記板用水系黒色
インキ組成物に含有させる。含有量が0.5重量%を下
回るとマーキングペンとしての必要な濃度を示さない。
また、20重量%を上回ると良好な消去性能を保つため
に大量の皮膜形成樹脂をインキ組成物に含有させる必要
が生ずるので、インキ粘度が高くなり過ぎ筆記できなく
なる。
【0029】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物で
は、インキ組成物に皮膜形成能を与えるために皮膜形成
樹脂を使用する。皮膜形成樹脂とは、使用する液媒体に
溶解又は分散し、顔料の分散性に悪影響を与えず、そし
て乾燥後皮膜を筆記板から拭き取ることができる程度の
筆記板に対する密着性を有する皮膜形成性樹脂である。
【0030】例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホル
マール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコー
ル、水溶性アクリル樹脂及び水溶性マレイン酸樹脂のよ
うな水溶性樹脂;及びアルキッド樹脂、ウレタン樹脂及
びアクリル樹脂のような非水溶性樹脂のエマルジョン等
が挙げられる。このような樹脂は市販されており、具体
的にはジョンソンポリマー社製の「ジョンクリルJ6
2」、昭和高分子社製の「ポリゾールPS」、クラレ社製
の「クラレポバールPVA203」及び「クラレポバール
L−8」等が挙げられる。
【0031】皮膜形成樹脂の使用量は、一般にインキ全
量に対して1〜20重量%程度、好ましくは2〜10重
量%程度である。
【0032】剥離剤(消去剤)は、本発明の筆記板用水系
黒色インキ組成物により筆記板に描かれた筆跡が不要と
なった際に、その筆跡を筆記板から剥離(消去)するため
の添加剤である。この剥離剤は、筆記後、皮膜形成樹脂
と顔料が乾燥して、粒子となって析出する際に、この粒
子のまわりを取り囲み、筆記文字を拭き消すこととを可
能にする。剥離剤が樹脂と完全に相溶すると剥離(拭き
消し)の際に汚れとなって残り、また、全く相溶しない
と筆記板上の筆跡は硬くなり、時間の経過と共に剥離し
難くなるので、用いる樹脂と適度に相溶するものが好適
である。
【0033】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物の
剥離剤としては、筆記板用溶剤系(ケトン−エステルま
たはアルコール)黒色インキ組成物で従来から使用され
た常温で液体の難揮発性物質を使用できる。例えば、高
級脂肪酸エステル、グリコール類及びそのエーテル、多
価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪族炭化水素、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン系界面活
性剤及びその誘導体、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ノールエーテル型非イオン系界面活性剤及びその誘導体
等が挙げられる。また特に好ましくは高級脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリ
コールポリプロピレングリコール及びアルキレングリコ
ール重縮合物である。
【0034】好ましい高級脂肪酸エステル類の具体的な
例としては、カプロン酸ミリスチル、カプロン酸イソス
テアリル、カプロン酸オレイル、カプリル酸イソステア
リル、カプリル酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ステ
アリル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、2−エ
チルヘキサン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸セチ
ル、カプリン酸イソオクタデシル、カプリン酸オレイ
ル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソオク
タデシル、パルミチン酸ジエチレングリコールモノブチ
ルステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソオクタ
デシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステア
リン酸イソセチル、イソステアリン酸−2−エチルヘキ
シル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸ラウリル
及びオレイン酸ブチル等が挙げられる。
【0035】また、好ましいグリコール類及びそのエー
テルとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、2,5−ヘキサンジオー
ル、液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、エチレングリコールやプロピレングリコール
の高級アルキルエーテル、グリセリントリポリエチレン
ポリプロピレングリコールエーテル、及びソルビタンプ
ロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0036】上記の剥離剤は単独または2種以上併用し
て使用でき、剥離剤の使用量は顔料と皮膜形成樹脂の合
計量に対し、50〜200重量%程度であり、好ましく
は100〜150重量%である。50重量%を下回ると
良好な剥離性を得られないおそれが高くなり、200重
量%を越えると筆跡が乾燥する際に、均質な筆記膜が形
成されずに筆跡の濃度低下を起こすおそれが高くなる。
【0037】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物に
おける剥離効果を示す添加剤混合物(以後は「剥離剤エマ
ルジョン」と表記する。)は、剥離剤、剥離助剤、乾燥調
整剤及びエマルジョン安定化剤等を高速ディゾルバー等
で充分攪拌して得られるエマルジョンであり、優れた消
去性を示す。
【0038】剥離助剤としての界面活性剤は、液媒体中
で上記剥離剤を安定にエマルジョン化して、筆記後、乾
燥時造膜樹脂と一定のエマルジョンの大きさで混合す
る。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性及びノニオ
ン性の区別なく使用出来る。使用量は当業者に通常用い
られる量でよいが、一般に剥離剤の3〜30重量%の範
囲である。
【0039】剥離助剤の具体例には、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル脂肪酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、グリセリ脂肪酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
またはその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン
酸エステル、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ア
ルキルアミン及び四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0040】乾燥調整剤またはエマルジョン安定化剤等
としては、例えば、グリコール系溶剤、グリコールエー
テル系溶剤、アルコール系溶剤、グリセリン系溶剤、2
−ピロリゾン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロ
ラクトン等が挙げられる。これらは筆記板用水系黒色イ
ンキ組成物の全量を基準にして1〜30重量%の範囲で
使用できる。
【0041】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物は
所望に応じて、従来使用されている公知の種々の添加剤
を配合することも可能であり、これらの添加剤として
は、例えば防腐剤、防カビ剤、造膜調整剤、乾燥調整
剤、キャップオフ乾燥防止剤、消泡剤、pH調整剤等が
挙げられる。
【0042】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物の
好ましい製造方法は、カーボンブラックの水系分散体を
提供する工程;分散されたカーボンブラックを次亜ハロ
ゲン酸及び/またはその塩で酸化することにより酸化カ
ーボンブラックの水系分散体を調製する工程;剥離剤エ
マルジョンを別途調製する工程;そして、酸化カーボン
ブラックの水系分散体、剥離剤エマルジョン、皮膜形成
樹脂及びその他の添加剤(防腐剤、防カビ剤、造膜調整
剤、乾燥調整剤、キャップオフ乾燥防止剤、消泡剤、p
H調整剤等)を混合分散し、インキ化する工程;を包含
する。
【0043】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。但し以下の記述において「重量部」を「部」と略
す。
【0044】実施例1 A)酸化カーボンブラック水分散体の調製 5000mlの4つ口フラスコにDBP吸油量50ml/1
00gのカーボンブラック(商品名:「#45」、三菱化
学社製)300g及び水2700mlを仕込みよく混合
し、ガラスビーズ1000mlを加え攪拌した。攪拌1時
間後、これに次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12
%)500gを加え、100〜105℃で10時間撹拌
した。
【0045】次いで、この分散体を濾過してビーズを分
離し、得られたウェットケーキを水3000mlに再分散
し、電導度0.5mSまで限外濾過膜を使用して脱塩精
製した。更に酸化カーボンブラック濃度を20%まで濃
縮した。
【0046】この酸化カーボンブラック水分散体の粘度
は2.5cps/25℃であり、酸化カーボンブラックの平
均粒径は60nmであり、収率は85%であった。
【0047】酸化カーボンブラックの酸素含有率分析を
行った。原料のカーボンブラックの酸素含有率は0.7
%、酸化カーボンブラックの酸素含有率は8.5%の値
が測定された。したがって得られた酸化カーボンブラッ
クが充分に酸化されていることが示された。
【0048】B)剥離剤エマルジョンの調製 (1)B−1液:イソステアリン酸−2−エチルヘキシル
50部と高級アルコール(商品名:「HA18G」、三菱
化学社製)5部を充分混合した。
【0049】(2)B−2液:別の容器に水30部、グリ
セリン10部及びポリオキシエチレンアルキルリン酸塩
(商品名:「プライサーフM208B」、第一工業製薬社
製)5部を充分混合する。
【0050】(3)B−2液を「ディゾルバー」(特殊機化
社製)を用いて回転数5000rpmで攪拌しながら、B−
1液を投入後15分攪拌し、剥離剤エマルジョンを調製
した。
【0051】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 水55部を攪拌しながら、スチレンアクリル樹脂の34
%水溶液(商品名:「ジョンクリルJ62」、ジョンソン
ポリマー社製)10部、Aの酸化カーボンブラック水分
散体20部、Bの剥離剤溶液15部を順次加え、全量添
加後1時間攪拌し、筆記板用水系黒色インキ組成物を得
た。
【0052】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存しても濃度低下、目詰まりする事もなく、またホ
ワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができた。表2
に評価結果を示した。
【0053】
【物性試験方法】酸化カーボンブラック水分散体の粘度測定 酸化カーボンブラック濃度20%の酸化カーボンブラッ
ク水分散体の粘度をE型粘度計(商品名:「ELD」、東
京計器社製)を用いて測定した。
【0054】酸化カーボンブラックの平均粒径の測定 酸化カーボンブラック水分散体を動的光散乱法方式測定
器(レーザードップラー散乱光解析方式、商品名:「マイ
クロトラックUPA」、LEEDS & NORTHRUP社製)を用いて
測定した。
【0055】酸化カーボンブラックの酸素含有率分析 酸化カーボンブラック中の酸素の割合を不活性ガス融解
−赤外線吸収法(JISZ2613-1976法)に従い測定した。
【0056】
【表1】 分析条件 分析機器 HERAEUS CHN-O RAPIO全自動元素分析装置 試料分解炉温度 1140℃ 分留管温度 1140℃ 使用ガス N2/H2=95%/5%の混合ガス ガス流量 70ml/min 検出器 非分散型分光計(Binos)
【0057】筆記板用水系黒色インキ組成物の濃度の経
時変化試験 試料をマーキングペンにセットし、そのペンを上向きで
3ヶ月間保存後、試料濃度の変化を測定した。
【0058】評価基準 ホワイトボード(筆記板)上に筆記して、初期と3ヶ月間
保存後との筆跡濃度を比較した。 ◎:初期に比べてまったく濃度低下がない。 ○:初期に比べてわずかの濃度低下があるが、マーキン
グペンとして使用できる。 △:初期に比べて濃度が半分以上低下し、マーキングペ
ンとして使用できない。 ×:初期に比べてまったく色がでない。
【0059】筆記板用水系黒色インキ組成物の目詰まり
の経時変化試験 試料をマーキングペンにセットし、そのペンを下向きで
3ヶ月間保存後、ペン先における目詰まりの度合いを判
定した
【0060】評価基準 ◎:目詰まりが全くない。 ○:最初の1cm以内の筆記で目詰まりが取れて、その後
は問題なく筆記可能となる。 △:最初は目詰まりして、筆跡がかすれるが、次第に筆
記していくとかすれの度合いは低くなる。 ×:目詰まりがひどく筆記できない。
【0061】筆記板用水系黒色インキ組成物の消去性試
試料をマーキングペンにセットし、そのペンでホワイト
ボードに筆記し、軽く拭き消す事が出来きるかどうかを
判定した。
【0062】評価基準 薄葉紙に100gの分銅を乗せて、軽く筆跡の上を引張
り消す操作を繰返す。 ◎:1〜2回で完全に消去できる。 ○:3〜5回で完全に消去できる。 △:5回以上で完全に消去できる。 ×:いくら繰返しても消去されない。
【0063】実施例2 A)酸化カーボンブラック水分散体の調製 5000mlの4つ口フラスコにDBP吸油量150ml/
100gのカーボンブラック(商品名:「カラーブラック
S160」、デグサ社製)200g及び水2500mlを仕
込みよく混合し攪拌した。攪拌1時間後、これに次亜塩
素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)400gを加え、
100〜105℃で15時間撹拌した。
【0064】次いで、ロ過し、得られたウェットケーキ
を水3000mlに再分散し、電導度0.3mSまで限外
濾過膜を使用して脱塩精製した。更に酸化カーボンブラ
ック濃度を20%まで濃縮した。
【0065】この酸化カーボンブラック水分散体の粘度
は8cps/25℃であり、酸化カーボンブラックの平均
粒径は180nmであり、収率は85%であった。
【0066】酸化カーボンブラックの酸素含有率分析を
行った。原料のカーボンブラックの酸素含有率は1.6
%、酸化カーボンブラックの酸素含有率は8.3%の値
が測定された。したがって得られた酸化カーボンブラッ
クが充分に酸化されていることが示された。
【0067】B)剥離剤エマルジョンの調製 (1)B−1液:オレイン酸ラウリル48部と高級アルコ
ール(商品名:「HA26G」、三菱化学社製)7部を充分
混合した。
【0068】(2)B−2液:別の容器に水30部、ジエ
チレングリコール10部及びポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコールエーテル(商品名:「エパン7
40」、第一工業工業社製)10部を充分混合した。
【0069】(3)B−2液を「ディゾルバー」を用いて回
転数5000rpmで攪拌しながら、B−1液を投入後1
5分攪拌し、剥離剤エマルジョンを調製した。
【0070】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 水53部を攪拌しながら、ポリ酢酸ビニルエマルジョン
の固形分50%水溶液(商品名:「ポリゾールPS」、昭
和高分子社製)7部、Aの酸化カーボンブラック水分散
体20部及びBの剥離剤溶液20部を順次加え、全量添
加後1時間攪拌し、筆記板用水系黒色インキ組成物を得
た。
【0071】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存しても濃度低下、目詰まりする事もなく、またホ
ワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができた。表2
に評価結果を示した。
【0072】実施例3 A)酸化カーボンブラック水分散体の調製 実施例1のDBP吸油量50ml/100gのカーボンブ
ラック(商品名:「#45」、三菱化学社製)をDBP吸油
量45ml/100gのカーボンブラック(商品名:「#2
400B」、三菱化学社製)に代えて、実施例1と同様に
酸化カーボンブラック水分散体を調製した。
【0073】この酸化カーボンブラック水分散体の粘度
は5cps/25℃であり、酸化カーボンブラックの平均
粒径は80nmであり、収率は90%であった。
【0074】B)剥離剤エマルジョンの調製 (1)実施例1のB−1液のイソステアリン酸−2−エチ
ルヘキシルをパルミチン酸イソオクタデシル、高級アル
コール(商品名:「HA18G」、三菱化学社製)を高級ア
ルコール(商品名:「HA22G」、三菱化学社製)に代え
て、実施例1と同様にB−1液を充分混合した。
【0075】(2)実施例1のB−2液のグリセリンをポ
リオキシプロピル化グリセリン(商品名:「サニックスG
P250」、三洋化成社製)、ポリオキシエチレンアルキ
ルリン酸塩(商品名:「プライサーフM208B」、第一
工業製薬社製)をポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル(商品名:「PEN−4620」、
日光ケミカル社製)に代えて実施例1と同様にB−2液
を充分混合した。
【0076】(3)実施例1と同様に剥離剤エマルジョン
を調製した。
【0077】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 実施例1の水55部とスチレンアクリル樹脂の34%水
溶液(商品名:「ジョンクリルJ62」、ジョンソンポリ
マー社製)10部を水62部とポリビニルアルコール(商
品名:「クラレポバールL−8」、クラレ社製)3部に代
えて、実施例1と同様に筆記板用水系黒色インキ組成物
を得た。
【0078】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存しても濃度低下、目詰まりする事もなく、またホ
ワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができた。表2
に評価結果を示した。
【0079】実施例4 A)酸化カーボンブラック水分散体の調製 直径1mmのジルコニアビーズを充填した横型湿式分散機
を使用し、DBP吸油量55ml/100gのカーボンブ
ラック(商品名:「#900」、三菱化学社製)300g及
び水2700gの混合物を3時間分散し、カーボンブラ
ック水分散体を調製した。得られた分散体3000gを
4つ口フラスコに移し、これに次亜塩素酸ナトリウム
(有効塩素濃度12%)1500gを加え、100〜10
5℃で8時間酸化処理した。次いで、処理液を濾過し、
得られたウェットケーキを水3000mlに再分散し、電
導度0.2mSまで限外濾過膜を使用し脱塩精製した。
更に酸化カーボンブラック濃度を20%まで濃縮した。
この酸化カーボンブラック水分散体の粘度は4cps/2
5℃であり、平均粒径は50nmであり、収率は80%で
あった。
【0080】酸化カーボンブラックの酸素含有率分析を
行った。原料のカーボンブラックの酸素含有率は0.5
%、酸化カーボンブラックの酸素含有率は11.5%の
値が測定された。したがって得られた酸化カーボンブラ
ックが充分に酸化されていることを示した。
【0081】B)剥離剤エマルジョンの調製 (1)B−1液:2−エチルヘキサン酸イソステアリル5
0部と高級アルコール(商品名:「HA18G」、三菱化
学社製)5部を充分混合した。
【0082】(2)B−1液:別の容器に水30部、グリ
セリン10部及びポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩(商品名:「ハイテノールN07」、第一
工業製薬社製)5部を充分混合した。
【0083】(3)B−2液をディゾルバー回転数500
0rpmで攪拌しながら、B−1液を投入後15分攪拌
し、剥離剤エマルジョンを調製した。
【0084】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 水61部に攪拌しながらポリビニルアルコール(商品
名:「クラレポバールPVA203」、クラレ社製)3部
を溶解し、Aの酸化カーボンブラック水分散体15部及
びBの剥離剤エマルジョン溶液20部を順次加え、全量
添加後1時間攪拌し、筆記板用水系黒色インキ組成物を
得た。
【0085】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存しても濃度低下、目詰まりする事もなく、またホ
ワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができた。表2
に評価結果を示した。
【0086】実施例5 A)酸化カーボンブラック水分散体の調製 実施例4のDBP吸油量55ml/100gのカーボンブ
ラック(商品名:「#900」、三菱化学社製)をDBP吸
油量170ml/100gのカーボンブラック(商品名:
「カラーブラックFW1」、デグサ社製)に代えて、実施
例4と同様に酸化カーボンブラック水分散体を調製し
た。
【0087】この酸化カーボンブラック水分散体の粘度
は4cps/25℃であり、酸化カーボンブラックの平均
粒径は130nmであった。収率は75%であった。
【0088】B)剥離剤エマルジョンの調製 (1)実施例4のB−1液の2−エチルヘキサン酸イソス
テアリルをパルミチン酸ジエチレングリコールモノブチ
ル、高級アルコール(商品名:「HA18G」、三菱化学
社製)を高級アルコール(商品名:「HA26G」、三菱化
学社製)に代えて、実施例4と同様にB−1液を充分混
合した。
【0089】(2)実施例4のB−2液のグリセリンをポ
リオキシプロピレン化グリセリン(商品名:「サンニック
スGP3000」、三洋化成社製)、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸エステル塩(商品名:「ハイテノー
ルN07」、第一工業製薬社製)をポリオキシアルキルリ
ン酸エステル(商品名:「フォスファノールLB40
0」、東邦化学社製)に代えて実施例4と同様にB−2液
を充分混合した。
【0090】(3)実施例4と同様に剥離剤エマルジョン
を調製した。
【0091】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 実施例4のポリビニルアルコール(商品名:「クラレポバ
ールPVA203」、クラレ社製)をポリプロピレンオキ
サイド(商品名:「パオゲンPP−15」、第一工業製薬
社製)に代えて、実施例4と同様に筆記板用水系黒色イ
ンキ組成物を得た。
【0092】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存しても濃度低下、目詰まりする事もなく、またホ
ワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができた。表2
に評価結果を示した。
【0093】比較例1 A)カーボンブラック水分散体の調製 DBP吸油量50ml/100gのカーボンブラック(商
品名:「#45」、三菱化学社製)500g、スチレンア
クリル樹脂の34%水溶液(商品名:「ジョンクリルJ6
2」、ジョンソンポリマー社製)500g及びイオン交換
水500gをディゾルバーでプレミックスした。これ
を、ジルコニアビーズを充填した横型湿式分散機を使用
し、平均粒径75nmまで分散し、分散が終了後、水でカ
ーボンブラック分20%まで希釈した。
【0094】B)剥離剤エマルジョンの調製 実施例1と同様に剥離剤エマルジョンを調製した。
【0095】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 Aのカーボンブラック水分散体20部を攪拌しながら、
Bの剥離剤エマルジョン20部を水60部で希釈した溶
液を、徐々に添加して、添加終了後1時間攪拌し、筆記
板用水系黒色インキ組成物を得た。
【0096】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存後に濃度低下が起こり、目詰まりが発生した。ま
たホワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができなか
った、表2に評価結果を示した。
【0097】比較例2 A)カーボンブラック水分散体の調製 ポリビニルアルコール350g(商品名:「クラレポバー
ルPVA203」、クラレ社製)を水1000gに完溶
し、これにDBP吸油量50ml/100gのカーボンブ
ラック(商品名:「#900」、三菱化学社製)500gを
加え、ディゾルバーでプレミックスした。これを、ジル
コニアビーズを充填した横型湿式分散機を使用して、平
均粒径95nmまで分散し、分散が終了後、水でカーボン
ブラック分20%まで希釈した。
【0098】B)剥離剤エマルジョンの調製 実施例4と同様に剥離剤エマルジョンを調製した。
【0099】C)筆記板用水系黒色インキ組成物の調製 Aのカーボンブラック水分散体20部を攪拌しながら、
Bの剥離剤エマルジョン20部を水60部で希釈した溶
液を、徐々に添加し、添加終了後1時間攪拌し、筆記板
用水系黒色インキ組成物を得た。
【0100】このインキ組成物をマーキングペンにセッ
トし評価した。その結果はペンを上向き及び下向きで長
期保存後に濃度低下が起こり、目詰まりが発生した。ま
たホワイトボードに筆記後軽く拭き消すことができなか
った、表2に評価結果を示した。
【0101】比較例3 本発明に示す剥離剤エマルジョンを使用しない例 ポリビニルアルコール(商品名:「クラレポバールPVA
203」、クラレ社製)30gを水730gに溶解し、さ
らに市販で(比較的)酸化度の高いDBP吸油量150ml
/100gのカーボンブラック(商品名:「カラーブラッ
クFW200」、デグザ社製)40gを加えて、ディゾル
バーで5000rpmで1時間攪拌した。この分散体は1
夜放置後、上澄み層と沈降物層に分離したため、インキ
には調製ができなかった。
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】本発明の筆記板用水系黒色インキ組成物
は酸化カーボンブラックを着色剤として使用しているた
め、水性液媒体に対する微分散性が改良されている。そ
のため長期間の使用においてもカーボンブラックの凝集
や沈降による濃度低下が生じず、分散保存安定性に優れ
る。またペン先での目詰まり、筆跡のカスレが生じない
のような保湿性も良好であり、高筆跡濃度で良好な筆記
性を示す。また、本発明の剥離剤エマルジョンと酸化カ
ーボンブラックとの相互作用によって、優れた消去性を
持続する。
【0104】また本発明の筆記板用水系黒色インキ組成
物は水性液媒体を使用しているため、使用時に揮発性有
機溶剤による臭気がなく、環境衛生的である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、カーボンブラックを次亜ハロゲン酸
    及び/またはその塩を用いて酸化して得られる酸化カー
    ボンブラック、皮膜形成樹脂及び剥離剤を含む筆記板用
    水系黒色インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記酸化カーボンブラックの表面活性水
    素含有量が1.5mmol/g以上である請求項1記載の筆記
    板用水系黒色インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記カーボンブラックのJIS−K62
    21測定法による吸油量が150ml/100g以下であ
    る請求項1記載の筆記板用水系黒色インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記酸化カーボンブラックの平均粒径が
    300nm以下である請求項1記載の筆記板用水系黒色イ
    ンキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記酸化カーボンブラックの表面に存在
    する酸性基の少なくとも一部がアルカリ金属塩になって
    いる請求項1記載の筆記板用水系黒色インキ組成物。
  6. 【請求項6】 前記酸化カーボンブラックがインキ組成
    物の全量に対して、0.5〜20重量%の量で含有され
    る請求項1記載の筆記板用水系黒色インキ組成物。
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