JP2003342502A - 水性インク - Google Patents
水性インクInfo
- Publication number
- JP2003342502A JP2003342502A JP2002153025A JP2002153025A JP2003342502A JP 2003342502 A JP2003342502 A JP 2003342502A JP 2002153025 A JP2002153025 A JP 2002153025A JP 2002153025 A JP2002153025 A JP 2002153025A JP 2003342502 A JP2003342502 A JP 2003342502A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- resin
- carbon black
- ink
- resins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐擦過性や耐マーカー性に優れた画像を形成
し、かつヘッドヒーター面でのコゲや堆積を抑制し、ノ
ズル付近での吐出安定性の良好な水性インクを提供する
こと。 【解決手段】 少なくとも、水と、色材となるカーボン
ブラックと、水性樹脂とを含有する水性インクにおい
て、上記水性樹脂が、構造形態の異なる2種の樹脂の組
合せであることを特徴とする水性インク。
し、かつヘッドヒーター面でのコゲや堆積を抑制し、ノ
ズル付近での吐出安定性の良好な水性インクを提供する
こと。 【解決手段】 少なくとも、水と、色材となるカーボン
ブラックと、水性樹脂とを含有する水性インクにおい
て、上記水性樹脂が、構造形態の異なる2種の樹脂の組
合せであることを特徴とする水性インク。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己分散型カーボ
ンブラックを色材として用いた水性インク、特にインク
ジェット記録に適した水性インクに関する。
ンブラックを色材として用いた水性インク、特にインク
ジェット記録に適した水性インクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフィスや家庭などで使用される
インクジェットプリンターには、水溶性染料を色材とす
る水性インクが主に用いられているが、これらの染料イ
ンクにより形成された画像は、耐水性や耐光性が不十分
であるという問題があり、かかる点からインクの色材と
して顔料を使用することが注目されている。
インクジェットプリンターには、水溶性染料を色材とす
る水性インクが主に用いられているが、これらの染料イ
ンクにより形成された画像は、耐水性や耐光性が不十分
であるという問題があり、かかる点からインクの色材と
して顔料を使用することが注目されている。
【0003】前記染料インクの問題を解決するために、
耐候性に優れた顔料が染料に代わる色材として広く用い
られているが、中でも黒用色材として耐水性や耐光性に
優れたカーボンブラックが用いられる場合が多い。しか
し、カーボンブラックを水性インクの色材として用いる
には、カーボンブラックを水性媒体中に安定に分散させ
る必要がある。
耐候性に優れた顔料が染料に代わる色材として広く用い
られているが、中でも黒用色材として耐水性や耐光性に
優れたカーボンブラックが用いられる場合が多い。しか
し、カーボンブラックを水性インクの色材として用いる
には、カーボンブラックを水性媒体中に安定に分散させ
る必要がある。
【0004】その方法として、インク中に分散剤を添加
する方法や、酸化剤によりカーボンブラック表面を改質
する方法などがある。分散剤によるカーボンブラックの
分散安定化処理では、吐出安定性などのインクの物性コ
ントロールの面から添加量に制限がある。また、カーボ
ンブラック表面の改質によるカーボンブラックの分散安
定化法では、該カーボンブラックを色材とした水性イン
クにより形成された画像の記録材に対する低い定着性に
より、該画像の耐擦過性や耐マーカー性が不十分であっ
た。
する方法や、酸化剤によりカーボンブラック表面を改質
する方法などがある。分散剤によるカーボンブラックの
分散安定化処理では、吐出安定性などのインクの物性コ
ントロールの面から添加量に制限がある。また、カーボ
ンブラック表面の改質によるカーボンブラックの分散安
定化法では、該カーボンブラックを色材とした水性イン
クにより形成された画像の記録材に対する低い定着性に
より、該画像の耐擦過性や耐マーカー性が不十分であっ
た。
【0005】これらの問題を改善するにあたり、表面改
質した自己分散型カーボンブラックに定着性を付加させ
る目的で、インク中への様々な樹脂の添加が検討されて
いるが、樹脂によっては、そのものの示す紙面浸透性か
ら印字濃度の低下やブリーディングなどの画像品質の低
下を招き、また、定着性に優れるポリウレタン系樹脂な
どの硬化性樹脂では、熱に過敏に反応し、ヘッドヒータ
ー面でこれらの樹脂が固化堆積し、何れはノズルの目詰
まりやヘッドヒーターのコゲーションを引き起こすた
め、上記の樹脂は実用的な樹脂とは言えない。以上のよ
うに従来のインクジェット用水性インクは多くの問題を
残し、従来、これらの問題点を解決した水性インクは得
られていなかった。
質した自己分散型カーボンブラックに定着性を付加させ
る目的で、インク中への様々な樹脂の添加が検討されて
いるが、樹脂によっては、そのものの示す紙面浸透性か
ら印字濃度の低下やブリーディングなどの画像品質の低
下を招き、また、定着性に優れるポリウレタン系樹脂な
どの硬化性樹脂では、熱に過敏に反応し、ヘッドヒータ
ー面でこれらの樹脂が固化堆積し、何れはノズルの目詰
まりやヘッドヒーターのコゲーションを引き起こすた
め、上記の樹脂は実用的な樹脂とは言えない。以上のよ
うに従来のインクジェット用水性インクは多くの問題を
残し、従来、これらの問題点を解決した水性インクは得
られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、耐擦過性や耐マーカー性に優れた画像を形成し、か
つヘッドヒーター面でのコゲや堆積を抑制し、ノズル付
近での吐出安定性の良好な水性インクを提供することに
ある。
は、耐擦過性や耐マーカー性に優れた画像を形成し、か
つヘッドヒーター面でのコゲや堆積を抑制し、ノズル付
近での吐出安定性の良好な水性インクを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、少なくと
も、水と、色材となるカーボンブラックと、水性樹脂と
を含有する水性インクにおいて、上記水性樹脂が、構造
形態の異なる2種の樹脂の組合せであることを特徴とす
る水性インクを提供する。
によって達成される。すなわち、本発明は、少なくと
も、水と、色材となるカーボンブラックと、水性樹脂と
を含有する水性インクにおいて、上記水性樹脂が、構造
形態の異なる2種の樹脂の組合せであることを特徴とす
る水性インクを提供する。
【0008】また、本発明は、前記カーボンブラック
が、種々の酸化剤による表面酸化処理、若しくは表面付
加反応による親水性官能基を付与されたことにより自己
分散性を有している前記の水性インク;前記2種の樹脂
の一方が、アクリルアミド系樹脂であり、他方がポリウ
レタン樹脂である前記の水性インク;前記アクリルアミ
ド系樹脂が、混床イオン交換樹脂による脱塩処理後のp
Hが、1.0〜8.0の範囲を示す前記の水性インクを
提供する。
が、種々の酸化剤による表面酸化処理、若しくは表面付
加反応による親水性官能基を付与されたことにより自己
分散性を有している前記の水性インク;前記2種の樹脂
の一方が、アクリルアミド系樹脂であり、他方がポリウ
レタン樹脂である前記の水性インク;前記アクリルアミ
ド系樹脂が、混床イオン交換樹脂による脱塩処理後のp
Hが、1.0〜8.0の範囲を示す前記の水性インクを
提供する。
【0009】また、本発明は、前記カーボンブラック
と、前記2種の樹脂の合計量とのインク中における固形
分質量比が、カーボンブラックを1とした時、前記2種
の樹脂の合計量が0.01〜5である前記の水性イン
ク;前記2種の樹脂のインク中における固形分質量比
が、アクリルアミド系樹脂を1とした時、ポリウレタン
樹脂が0.1〜10である前記の水性インクを提供す
る。
と、前記2種の樹脂の合計量とのインク中における固形
分質量比が、カーボンブラックを1とした時、前記2種
の樹脂の合計量が0.01〜5である前記の水性イン
ク;前記2種の樹脂のインク中における固形分質量比
が、アクリルアミド系樹脂を1とした時、ポリウレタン
樹脂が0.1〜10である前記の水性インクを提供す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。本発明で色材として使
用するカーボンブラックは、表面にアニオン性官能基、
カチオン性、ノニオン性の官能基、さらには水酸基な
ど、これら親水性官能基の少なくとも1つを持つ自己分
散型カーボンブラックであり、該カーボンブラックとし
ては過酸化物やオゾンなどの酸化剤を用いてカーボンブ
ラック表面を酸化処理したカーボンブラックまたは付加
反応にて親水性官能基を表面に付与したカーボンブラッ
クであることが好ましい。
本発明をさらに詳細に説明する。本発明で色材として使
用するカーボンブラックは、表面にアニオン性官能基、
カチオン性、ノニオン性の官能基、さらには水酸基な
ど、これら親水性官能基の少なくとも1つを持つ自己分
散型カーボンブラックであり、該カーボンブラックとし
ては過酸化物やオゾンなどの酸化剤を用いてカーボンブ
ラック表面を酸化処理したカーボンブラックまたは付加
反応にて親水性官能基を表面に付与したカーボンブラッ
クであることが好ましい。
【0011】本発明の水性インクにおいて、色材として
自己分散型カーボンブラックを用いた場合、水性インク
中への分散剤などの添加量を減少させることができ、或
いは分散剤を添加する必要がなく、その結果として上記
した効果に加えて、分散剤がない若しくは少ないことか
ら、ヘッドヒーター面でのコゲ抑制に繋がり、良好なイ
ンク吐出安定性が得られる。
自己分散型カーボンブラックを用いた場合、水性インク
中への分散剤などの添加量を減少させることができ、或
いは分散剤を添加する必要がなく、その結果として上記
した効果に加えて、分散剤がない若しくは少ないことか
ら、ヘッドヒーター面でのコゲ抑制に繋がり、良好なイ
ンク吐出安定性が得られる。
【0012】上記本発明で使用する自己分散型カーボン
ブラックは、その粒度分布をキュムラント法で解析して
求められた多分散指数が通常0.5以下であるが、印字
画質の向上に繋げるには特には0.3以下、さらには
0.15以下であることが好ましい。ここでいう「多分
散指数」とは、動的光散乱法で求められる値であり、μ
/G2の計算式から得られる値である。μとはキュムラ
ント法の2次係数の値であり、Gとはキュムラント法の
減衰定数を表す。多分散指数が0.3を超えると、自己
分散型カーボンブラックの粒子径分布が広く、粒子径の
大きなものも色材の中に存在することになり、吐出安定
性が悪くなる傾向にあるため、好ましくない。
ブラックは、その粒度分布をキュムラント法で解析して
求められた多分散指数が通常0.5以下であるが、印字
画質の向上に繋げるには特には0.3以下、さらには
0.15以下であることが好ましい。ここでいう「多分
散指数」とは、動的光散乱法で求められる値であり、μ
/G2の計算式から得られる値である。μとはキュムラ
ント法の2次係数の値であり、Gとはキュムラント法の
減衰定数を表す。多分散指数が0.3を超えると、自己
分散型カーボンブラックの粒子径分布が広く、粒子径の
大きなものも色材の中に存在することになり、吐出安定
性が悪くなる傾向にあるため、好ましくない。
【0013】レーザーゼータ電位計にて測定した上記の
自己分散型カーボンブラック表面のゼータ電位は、−1
00〜−20mVの範囲であることが好ましく、ゼータ
電位が−20mVより大きい場合、水性インク中で自己
分散型カーボンブラックの沈降などの欠点を生じる場合
がある。長期間安定的な水性インクを作製するにあたっ
ては、ゼータ電位が−40mV以下、さらには−60m
V以下であることが好ましい。
自己分散型カーボンブラック表面のゼータ電位は、−1
00〜−20mVの範囲であることが好ましく、ゼータ
電位が−20mVより大きい場合、水性インク中で自己
分散型カーボンブラックの沈降などの欠点を生じる場合
がある。長期間安定的な水性インクを作製するにあたっ
ては、ゼータ電位が−40mV以下、さらには−60m
V以下であることが好ましい。
【0014】また、レーザー粒径解析システムにて測定
した上記カーボンブラック二次粒子の平均粒径は通常、
30〜300nmの範囲であるが、水性インクの安定な
分散性および吐出性を得るには、平均粒径が200nm
以下、さらには100nm以下であることが好ましい。
二次粒子の粒径を下げると、印字面での平滑性上昇によ
り光沢性の向上やシャープな画像が得られるが、記録材
によっては粒子の埋没が発生し、画像の濃度低下に繋が
る傾向がある。
した上記カーボンブラック二次粒子の平均粒径は通常、
30〜300nmの範囲であるが、水性インクの安定な
分散性および吐出性を得るには、平均粒径が200nm
以下、さらには100nm以下であることが好ましい。
二次粒子の粒径を下げると、印字面での平滑性上昇によ
り光沢性の向上やシャープな画像が得られるが、記録材
によっては粒子の埋没が発生し、画像の濃度低下に繋が
る傾向がある。
【0015】以上の如き自己分散型カーボンブラックは
従来公知の方法で製造して水分散液とし、この分散液の
状態またはプレスケーキの状態で使用することが好まし
い。また、市販品を使用する場合にも分散液またはプレ
スケーキの状態で使用することが好ましい。これらの分
散液またはプレスケーキを一旦乾燥して粉末にすると、
自己分散型カーボンブラックの粒子が凝集してしまい、
再度の微分散が容易ではないことによる。
従来公知の方法で製造して水分散液とし、この分散液の
状態またはプレスケーキの状態で使用することが好まし
い。また、市販品を使用する場合にも分散液またはプレ
スケーキの状態で使用することが好ましい。これらの分
散液またはプレスケーキを一旦乾燥して粉末にすると、
自己分散型カーボンブラックの粒子が凝集してしまい、
再度の微分散が容易ではないことによる。
【0016】本発明の水性インクに用いる樹脂は、形態
が異なる2種の樹脂を含む混合系であり、一方の樹脂は
水溶性アクリルアミド系樹脂であり、他方は水分散性ポ
リウレタン樹脂であることが好ましい。以下本発明の水
性インクの構成材料である上記樹脂について詳細に説明
する。
が異なる2種の樹脂を含む混合系であり、一方の樹脂は
水溶性アクリルアミド系樹脂であり、他方は水分散性ポ
リウレタン樹脂であることが好ましい。以下本発明の水
性インクの構成材料である上記樹脂について詳細に説明
する。
【0017】上記それぞれの樹脂は、カーボンブラック
表面が、一般的にマイナスの電荷を帯びていることか
ら、対イオンとなり得るカチオン性樹脂では、カーボン
ブラックの凝集や沈降を起こす恐れがある。そのため、
ポリウレタン樹脂はアニオン性樹脂若しくは両性樹脂で
あることが好ましく、アクリルアミド系樹脂においては
スルホン基やカルボキシル基などの酸性官能基を有し、
混床イオン交換樹脂による脱塩処理後のpHが1〜8を
示すことが好ましい。特にpHは2〜5を示すものが好
ましい。なお、これら樹脂は、中和状態で水性インクに
使用するが、含有塩の存在により塩析凝集を起こす場
合、予めアニオン系不純物を除去することが好ましい。
表面が、一般的にマイナスの電荷を帯びていることか
ら、対イオンとなり得るカチオン性樹脂では、カーボン
ブラックの凝集や沈降を起こす恐れがある。そのため、
ポリウレタン樹脂はアニオン性樹脂若しくは両性樹脂で
あることが好ましく、アクリルアミド系樹脂においては
スルホン基やカルボキシル基などの酸性官能基を有し、
混床イオン交換樹脂による脱塩処理後のpHが1〜8を
示すことが好ましい。特にpHは2〜5を示すものが好
ましい。なお、これら樹脂は、中和状態で水性インクに
使用するが、含有塩の存在により塩析凝集を起こす場
合、予めアニオン系不純物を除去することが好ましい。
【0018】上記水分散性ポリウレタン樹脂は、カーボ
ンブラック粒子と共に系中に均一に分散する必要がある
ため、平均粒径が10〜200nmが好ましく、より好
ましくは10〜100nmである。さらに安定な水性イ
ンクであるために上記の水分散性ポリウレタン樹脂の粒
径は、色材の粒径以下であることが好ましい。また、キ
ュムラント法で求められた多分散指数においては0.3
以下であること、さらには0.15以下であることが好
ましい。また、上記ポリウレタン樹脂は、水系中におけ
るゼータ電位が−10〜−100mVであることが好ま
しく、さらには−30〜−60mVであることが好まし
い。
ンブラック粒子と共に系中に均一に分散する必要がある
ため、平均粒径が10〜200nmが好ましく、より好
ましくは10〜100nmである。さらに安定な水性イ
ンクであるために上記の水分散性ポリウレタン樹脂の粒
径は、色材の粒径以下であることが好ましい。また、キ
ュムラント法で求められた多分散指数においては0.3
以下であること、さらには0.15以下であることが好
ましい。また、上記ポリウレタン樹脂は、水系中におけ
るゼータ電位が−10〜−100mVであることが好ま
しく、さらには−30〜−60mVであることが好まし
い。
【0019】さらに上記ポリウレタン樹脂は、印字後の
紙面上における強靭な皮膜形成に寄与し、形成された画
像の耐水性、耐擦過性、耐候性などを左右するため、ガ
ラス転移温度は−50〜100℃が好ましく、特には5
0℃以下であることが効果的である。また、最低造膜温
度は85℃以下が好ましく、特に30℃以下であること
がより好ましい。さらに上記のポリウレタン樹脂の熱溶
融温度は、70℃以上であることが好ましく、特にヘッ
ドヒーター面での不純物堆積改善には120℃以上であ
ることが好ましい。
紙面上における強靭な皮膜形成に寄与し、形成された画
像の耐水性、耐擦過性、耐候性などを左右するため、ガ
ラス転移温度は−50〜100℃が好ましく、特には5
0℃以下であることが効果的である。また、最低造膜温
度は85℃以下が好ましく、特に30℃以下であること
がより好ましい。さらに上記のポリウレタン樹脂の熱溶
融温度は、70℃以上であることが好ましく、特にヘッ
ドヒーター面での不純物堆積改善には120℃以上であ
ることが好ましい。
【0020】本発明の水性インクにおいては、前記2種
の樹脂は、インク中における固形分質量比が、アクリル
アミド系樹脂を1とした時、ポリウレタン樹脂が0.1
〜10であることが好ましく、特には0.5〜3である
ことがより好ましい。本発明で用いるアニオン性アクリ
ルアミド系樹脂は、住化ケムテックス社製のスミレーズ
レジン7200A(数平均分子量が27,000前後)
や昭和高分子社製のポリゾール コーガム15Hなどの
商品名で入手して本発明で使用することができる。
の樹脂は、インク中における固形分質量比が、アクリル
アミド系樹脂を1とした時、ポリウレタン樹脂が0.1
〜10であることが好ましく、特には0.5〜3である
ことがより好ましい。本発明で用いるアニオン性アクリ
ルアミド系樹脂は、住化ケムテックス社製のスミレーズ
レジン7200A(数平均分子量が27,000前後)
や昭和高分子社製のポリゾール コーガム15Hなどの
商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0021】前記ポリウレタン樹脂の組成系としては、
エーテル系、エステル系、エステル・エーテル系、カー
ボネート系およびイソシアネート系などのポリウレタン
樹脂が挙げられ、具体的には日華化学社からネオステッ
カー400や700、第一工業製薬社からスーパーフレ
ックス150や300、420などの商品名で入手して
本発明で使用することができる。
エーテル系、エステル系、エステル・エーテル系、カー
ボネート系およびイソシアネート系などのポリウレタン
樹脂が挙げられ、具体的には日華化学社からネオステッ
カー400や700、第一工業製薬社からスーパーフレ
ックス150や300、420などの商品名で入手して
本発明で使用することができる。
【0022】以上の自己分散型カーボンブラックと樹脂
(2種の樹脂)の水性インク中における固形分質量比
は、カーボンブラックを1とした時、前記2種の樹脂の
合計量は0.01〜5であることが好ましく、樹脂量が
少なすぎると、形成される画像の耐擦過性や耐水性、耐
マーカー性などを左右する記録材への定着性が不十分と
なり、また、樹脂量が多すぎるとインク物性に影響を及
ぼし、インクの吐出安定性、ヒーター面でのコゲ性の悪
化、また、ブリーディングなどの画像品質の低下を招
く。よって前記2種の樹脂の合計量は、カーボンブラッ
クを1とした時、0.01〜1、さらには0.01〜
0.1であることがより好ましい。
(2種の樹脂)の水性インク中における固形分質量比
は、カーボンブラックを1とした時、前記2種の樹脂の
合計量は0.01〜5であることが好ましく、樹脂量が
少なすぎると、形成される画像の耐擦過性や耐水性、耐
マーカー性などを左右する記録材への定着性が不十分と
なり、また、樹脂量が多すぎるとインク物性に影響を及
ぼし、インクの吐出安定性、ヒーター面でのコゲ性の悪
化、また、ブリーディングなどの画像品質の低下を招
く。よって前記2種の樹脂の合計量は、カーボンブラッ
クを1とした時、0.01〜1、さらには0.01〜
0.1であることがより好ましい。
【0023】本発明の水性インクは、前記のカーボンブ
ラックおよび前記2種の樹脂を分散または溶解させる液
媒体が必要であり、該液媒体は少なくとも水溶性の有機
溶剤を含むことが必要である。好ましくは水と水溶性有
機溶剤との混合溶剤を水性インクの液媒体として使用す
る。本発明において水性インク全質量に占める水溶性有
機溶剤の割合は、例えば、5〜50質量%、さらには5
〜40質量%であることが好ましい。
ラックおよび前記2種の樹脂を分散または溶解させる液
媒体が必要であり、該液媒体は少なくとも水溶性の有機
溶剤を含むことが必要である。好ましくは水と水溶性有
機溶剤との混合溶剤を水性インクの液媒体として使用す
る。本発明において水性インク全質量に占める水溶性有
機溶剤の割合は、例えば、5〜50質量%、さらには5
〜40質量%であることが好ましい。
【0024】上記水溶性有機溶剤は、本発明の水性イン
クにおいてノズル付近での乾燥によるインク固化防止の
ために使用するものであって、具体的には、炭素数1か
ら4のアルキルアルコール類(例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなど)、ケト
ンまたはケトアルコール類(例えば、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセト
ン、ジアセトンアルコールなど)、エーテル類(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ポリアル
キレングリコール類(例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなど)、アルキレン基が
2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類(例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコールなど)、多価アル
コールなどのアルキルエーテル類(例えば、エチレング
リコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエ
ーテル、トリエチレンモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテルなど)、さらにはN−
メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
クにおいてノズル付近での乾燥によるインク固化防止の
ために使用するものであって、具体的には、炭素数1か
ら4のアルキルアルコール類(例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなど)、ケト
ンまたはケトアルコール類(例えば、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセト
ン、ジアセトンアルコールなど)、エーテル類(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ポリアル
キレングリコール類(例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなど)、アルキレン基が
2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類(例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコールなど)、多価アル
コールなどのアルキルエーテル類(例えば、エチレング
リコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエ
ーテル、トリエチレンモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテルなど)、さらにはN−
メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
【0025】特に好ましい水溶性有機溶媒は、グリセリ
ン、多価アルコール(例えば、ジエチレングリコールや
エチレングリコールなど)であり、グリセリン以外の多
価アルコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコール、ポリエチレングリコールやプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。水性インク中に
はこれらの水性有機溶媒を2種類以上混合して用いても
よい。
ン、多価アルコール(例えば、ジエチレングリコールや
エチレングリコールなど)であり、グリセリン以外の多
価アルコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコール、ポリエチレングリコールやプ
ロピレングリコールなどが挙げられる。水性インク中に
はこれらの水性有機溶媒を2種類以上混合して用いても
よい。
【0026】本発明の水性インクは上記水溶性有機溶媒
と共に水を含有する。水性インク全質量に占める水の割
合としては、一般的には20〜95質量%、特には40
〜95質量%、さらには60〜95質量%であることが
好ましい。また、水としては純水またはイオン交換水を
用いることが好ましい。
と共に水を含有する。水性インク全質量に占める水の割
合としては、一般的には20〜95質量%、特には40
〜95質量%、さらには60〜95質量%であることが
好ましい。また、水としては純水またはイオン交換水を
用いることが好ましい。
【0027】本発明の水性インクは、上記の成分を混合
して、自己分散性カーボンブラックを水性媒体中に十分
に分散させ、該カーボンブラックの粒度分布がキュムラ
ント法で解析して求められた多分散指数が0.5以下が
好ましく、印字画質向上に繋げるには特には0.3以
下、さらには0.15以下であることが好ましい。分散
方法としては、自己分散性カーボンブラックの分散液中
に他の成分を添加して混合する方法でよい。必要であれ
ば従来公知の分散装置が使用でき、また、必要に応じて
遠心分離や濾過方法などにより、水性インク中に残って
いる可能性のある粗大粒子を除去することが好ましい。
して、自己分散性カーボンブラックを水性媒体中に十分
に分散させ、該カーボンブラックの粒度分布がキュムラ
ント法で解析して求められた多分散指数が0.5以下が
好ましく、印字画質向上に繋げるには特には0.3以
下、さらには0.15以下であることが好ましい。分散
方法としては、自己分散性カーボンブラックの分散液中
に他の成分を添加して混合する方法でよい。必要であれ
ば従来公知の分散装置が使用でき、また、必要に応じて
遠心分離や濾過方法などにより、水性インク中に残って
いる可能性のある粗大粒子を除去することが好ましい。
【0028】本発明の水性インク中における自己分散性
カーボンブラックの水性インク全質量に占める割合は、
一般的には0.1〜20質量%、さらには1〜10質量
%であることが好ましい。自己分散性カーボンブラック
の量が0.1質量%未満では印字画像に十分な画像濃度
が得られず、該カーボンブラックの量が20質量%を超
えると、インクの吐出安定性が低下し、ヘッド付近の目
詰りなど起こすだけで、画像の濃度が特別向上するわけ
でもない。
カーボンブラックの水性インク全質量に占める割合は、
一般的には0.1〜20質量%、さらには1〜10質量
%であることが好ましい。自己分散性カーボンブラック
の量が0.1質量%未満では印字画像に十分な画像濃度
が得られず、該カーボンブラックの量が20質量%を超
えると、インクの吐出安定性が低下し、ヘッド付近の目
詰りなど起こすだけで、画像の濃度が特別向上するわけ
でもない。
【0029】また、本発明の水性インク中における前記
2種の樹脂の合計量の水性インク全質量に占める割合
は、一般的には0.01〜20質量%、さらには0.0
5〜10質量%であることが好ましい。前記2種の樹脂
の合計量が0.01質量%未満では、得られる画像の耐
水性、耐擦過性、耐マーカー性などに関する十分な効果
が得られず、一方、前記2種の樹脂の合計量が20質量
%を超えると、水性インクの物性変化によるインクの吐
出安定性の低下、ひいてはヘッドヒーター面での樹脂堆
積やコゲーションを招く傾向にある。また、得られる画
像においても、ブリーディングなどの品質低下が見られ
る。
2種の樹脂の合計量の水性インク全質量に占める割合
は、一般的には0.01〜20質量%、さらには0.0
5〜10質量%であることが好ましい。前記2種の樹脂
の合計量が0.01質量%未満では、得られる画像の耐
水性、耐擦過性、耐マーカー性などに関する十分な効果
が得られず、一方、前記2種の樹脂の合計量が20質量
%を超えると、水性インクの物性変化によるインクの吐
出安定性の低下、ひいてはヘッドヒーター面での樹脂堆
積やコゲーションを招く傾向にある。また、得られる画
像においても、ブリーディングなどの品質低下が見られ
る。
【0030】なお、本発明の水性インクには、前記成分
以外にも、例えば、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止
剤、防黴剤などの各種の添加剤を添加してもよい。ま
た、本発明の水性インクの粘度は25℃において1.0
〜5.0cpsであることが好ましい。
以外にも、例えば、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止
剤、防黴剤などの各種の添加剤を添加してもよい。ま
た、本発明の水性インクの粘度は25℃において1.0
〜5.0cpsであることが好ましい。
【0031】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、下記実施例により限定されるものではない。な
お、以下の記載で、「部」または「%」とあるものは特
に断らない限り質量基準である。
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、下記実施例により限定されるものではない。な
お、以下の記載で、「部」または「%」とあるものは特
に断らない限り質量基準である。
【0032】また、以下の実施例において、平均粒子径
は、動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システム
PAR−III;大塚電子(株)社製を使用)を用い、ゼ
ータ電位は電気泳動光散乱法(商品名:レーザーゼータ
電位計ELS−6000;大塚電子(株)社製を使用)
を用いて測定した値である。
は、動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システム
PAR−III;大塚電子(株)社製を使用)を用い、ゼ
ータ電位は電気泳動光散乱法(商品名:レーザーゼータ
電位計ELS−6000;大塚電子(株)社製を使用)
を用いて測定した値である。
【0033】まず、実施例および比較例に使用する自己
分散型カーボンブラック分散液CB−1およびCB−2
の作製方法を説明する。[CB−1]市販のカーボンブ
ラック「MA8」[三菱化学社製]250gをイオン交
換水(以下、水と記す)1,000mlによく混合して
分散した後、これにペルオキソ二硫酸アンモニウムを
1,000g投入して、60〜70℃で8時間攪拌し
た。得られたスラリーを分画分子量10,000の限外
濾過膜[東洋濾紙社製]で濾液電導度が0.5ms/c
m以下まで脱塩した。さらに、固形分濃度を20%まで
濃縮し、25%の水酸化カリウムを20g滴下し、pH
を8に調整した。最終的には固形分濃度を15%に調整
した。得られた分散液中のカーボンブラックは平均粒子
径85nm、多分散指数0.15、ゼータ電位−50m
Vであった。
分散型カーボンブラック分散液CB−1およびCB−2
の作製方法を説明する。[CB−1]市販のカーボンブ
ラック「MA8」[三菱化学社製]250gをイオン交
換水(以下、水と記す)1,000mlによく混合して
分散した後、これにペルオキソ二硫酸アンモニウムを
1,000g投入して、60〜70℃で8時間攪拌し
た。得られたスラリーを分画分子量10,000の限外
濾過膜[東洋濾紙社製]で濾液電導度が0.5ms/c
m以下まで脱塩した。さらに、固形分濃度を20%まで
濃縮し、25%の水酸化カリウムを20g滴下し、pH
を8に調整した。最終的には固形分濃度を15%に調整
した。得られた分散液中のカーボンブラックは平均粒子
径85nm、多分散指数0.15、ゼータ電位−50m
Vであった。
【0034】[CB−2]キャボット社製自己分散型カ
ーボンブラックCAB−O−JET200(固形分濃度
20%、表面官能基としてはスルホン基を有する)を使
用した。平均粒子径は130nm、多分散指数0.1
3、ゼータ電位−70mVであった。
ーボンブラックCAB−O−JET200(固形分濃度
20%、表面官能基としてはスルホン基を有する)を使
用した。平均粒子径は130nm、多分散指数0.1
3、ゼータ電位−70mVであった。
【0035】実施例1〜8および比較例1〜10
水性インクの作製方法としては、実施例1〜8では上記
のようにして準備した自己分散型カーボンブラック分散
体とアクリルアミド系樹脂、さらにポリウレタン樹脂を
各々の固形分が表1−1および表1−2に示す割合にな
るように調合し10分間攪拌後、ジエチレングリコール
20%およびアセチレノールEH0.10%を添加し、
最終的にカーボンブラックのインク中固形分が5%にな
るように水を加え、1時間攪拌を行った。さらに得られ
たインクを3μmのメンブランフィルター[東洋濾紙社
製]を用いて限外濾過し、水性インクを作製した。比較
例1〜10では同様の製法で表1−1および表1−2に
示す組成の水性インクを作製した。表1−1および表1
−2に示すC.B/A.A/P.Uは、カーボンブラッ
クとアクリルアミド系樹脂とポリウレタン樹脂のインク
中の固形分濃度を順に示している。
のようにして準備した自己分散型カーボンブラック分散
体とアクリルアミド系樹脂、さらにポリウレタン樹脂を
各々の固形分が表1−1および表1−2に示す割合にな
るように調合し10分間攪拌後、ジエチレングリコール
20%およびアセチレノールEH0.10%を添加し、
最終的にカーボンブラックのインク中固形分が5%にな
るように水を加え、1時間攪拌を行った。さらに得られ
たインクを3μmのメンブランフィルター[東洋濾紙社
製]を用いて限外濾過し、水性インクを作製した。比較
例1〜10では同様の製法で表1−1および表1−2に
示す組成の水性インクを作製した。表1−1および表1
−2に示すC.B/A.A/P.Uは、カーボンブラッ
クとアクリルアミド系樹脂とポリウレタン樹脂のインク
中の固形分濃度を順に示している。
【0036】
【0037】表1−1および表1−2に記載のポリウレ
タン樹脂の平均粒子径は、動的光散乱法(商品名:レー
ザー粒径解析システムPAR−III;大塚電子(株)社
製)により測定した値、若しくは樹脂メーカーの開示し
たデータに基づく。
タン樹脂の平均粒子径は、動的光散乱法(商品名:レー
ザー粒径解析システムPAR−III;大塚電子(株)社
製)により測定した値、若しくは樹脂メーカーの開示し
たデータに基づく。
【0038】作製した上記インクについて、キヤノン社
製プリンターBJF660を用いて開発評価パターンの
印字試験を行い、以下の評価テストを実施した。 (1)耐擦過性 印字から1日放置後、印字した紙上にキムワイプを載
せ、さらにその上に500g/12.56cm2の重り
を載せ、5回擦った時の白紙部の汚れや、文字部および
黒べた塗り部の擦れ具合を以下の評価基準で評価した。
評価結果は表2−1および表2−2に記した。 ○:白紙部に汚れなし、かつ文字部、黒べた部の擦れな
し。 △:白紙部にやや汚れがあり、文字部、黒べた部に擦っ
た形跡が見られる。 ×:白紙部に汚れがあり、文字部、黒べた部が擦り取ら
れている。
製プリンターBJF660を用いて開発評価パターンの
印字試験を行い、以下の評価テストを実施した。 (1)耐擦過性 印字から1日放置後、印字した紙上にキムワイプを載
せ、さらにその上に500g/12.56cm2の重り
を載せ、5回擦った時の白紙部の汚れや、文字部および
黒べた塗り部の擦れ具合を以下の評価基準で評価した。
評価結果は表2−1および表2−2に記した。 ○:白紙部に汚れなし、かつ文字部、黒べた部の擦れな
し。 △:白紙部にやや汚れがあり、文字部、黒べた部に擦っ
た形跡が見られる。 ×:白紙部に汚れがあり、文字部、黒べた部が擦り取ら
れている。
【0039】(2)耐水性
印字から1日放置後、印字物を5分間水道水中に静置
し、その後水分を自然乾燥させた後の反射濃度を測定し
た。測定結果の浸漬前に対する浸漬後の反射濃度残存率
から以下の評価基準で評価した。評価結果は表2−1お
よび表2−2に記した。 ○:画像濃度の残存率が90%以上。 △:画像濃度の残存率が80%以上、90%未満。 ×:画像濃度の残存率が80%未満。
し、その後水分を自然乾燥させた後の反射濃度を測定し
た。測定結果の浸漬前に対する浸漬後の反射濃度残存率
から以下の評価基準で評価した。評価結果は表2−1お
よび表2−2に記した。 ○:画像濃度の残存率が90%以上。 △:画像濃度の残存率が80%以上、90%未満。 ×:画像濃度の残存率が80%未満。
【0040】(3)耐マーカー性
印字から1日放置した後の文字部を、ZEBRA社製イ
エロー蛍光ペンを用いて通常の筆圧で一度マークし、耐
マーカー性を以下の評価基準で評価した。評価結果は表
2−1および表2−2に記した。 ○:印字部に滲みや白字部分の汚れが認められず、ペン
先も汚れていない。 △:白紙部分がやや汚れ、印字部分に若干の滲みがあ
る。 ×:白字部分に汚れ、印字部分に滲みがある。
エロー蛍光ペンを用いて通常の筆圧で一度マークし、耐
マーカー性を以下の評価基準で評価した。評価結果は表
2−1および表2−2に記した。 ○:印字部に滲みや白字部分の汚れが認められず、ペン
先も汚れていない。 △:白紙部分がやや汚れ、印字部分に若干の滲みがあ
る。 ×:白字部分に汚れ、印字部分に滲みがある。
【0041】(4)吐出性
開発評価パターンの印字結果状態を以下の評価基準で評
価した。 ○:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分が擦れなく十分塗れている。 △:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分が一部擦れている。 ×:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分がかなり擦れている、若しくは印字不可能状態
である。
価した。 ○:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分が擦れなく十分塗れている。 △:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分が一部擦れている。 ×:日本製紙社製NP−BP普通紙に印字直後、黒べた
画像部分がかなり擦れている、若しくは印字不可能状態
である。
【0042】(5)コゲ性
印字試験終了後、プリンターヘッドを分解し、ヒーター
面を観察し、以下の評価基準で評価した。 ○:ヒーター面にコゲ、堆積物が見られない。 △:ヒーター面に黒いコゲが見られるものの、堆積物は
殆どない。 ×:ヒーター面に黒いコゲおよび堆積物が見られる。
面を観察し、以下の評価基準で評価した。 ○:ヒーター面にコゲ、堆積物が見られない。 △:ヒーター面に黒いコゲが見られるものの、堆積物は
殆どない。 ×:ヒーター面に黒いコゲおよび堆積物が見られる。
【0043】(6)印字濃度
樹脂未添加インクによる印字画像反射濃度を100とし
た時、各樹脂添加インクによる印字画像の反射濃度の上
下変動を観察し、以下の評価基準で評価した。 ○:印字画像反射濃度が、100%以上である。 △:印字画像反射濃度が、90%以上、100%未満で
ある。 ×:印字画像反射濃度が、90%未満である。
た時、各樹脂添加インクによる印字画像の反射濃度の上
下変動を観察し、以下の評価基準で評価した。 ○:印字画像反射濃度が、100%以上である。 △:印字画像反射濃度が、90%以上、100%未満で
ある。 ×:印字画像反射濃度が、90%未満である。
【0044】実施例1〜8および比較例1〜10の評価
結果を下記表2−1および表2−2に示す。
結果を下記表2−1および表2−2に示す。
【0045】比較例3、4、5、9および10の(○)
は、作製インクがプリンターから全く吐出しなかったた
め、これらのインクを用いて市販霧吹き機により形成し
た霧吹き画像で耐擦過性、耐水性、耐マーカー性を評価
した。また、「−」は評価不能を意味する。
は、作製インクがプリンターから全く吐出しなかったた
め、これらのインクを用いて市販霧吹き機により形成し
た霧吹き画像で耐擦過性、耐水性、耐マーカー性を評価
した。また、「−」は評価不能を意味する。
【0046】実施例1〜8と比較例1〜10とを比較す
ると、比較例は各評価項目毎には良い評価も得ている
が、総合的に見ると全てを満足する良い例は無い。それ
に対し、実施例1〜8はアニオン性アクリルアミド系樹
脂の添加によるヘッドヒーター面のコゲ発生を抑制と、
ポリウレタン樹脂による耐擦過性、耐水性、耐マーカー
性の何れの向上も得ている。さらには印字濃度において
も低下することなく、若しくは上昇する傾向にある。
ると、比較例は各評価項目毎には良い評価も得ている
が、総合的に見ると全てを満足する良い例は無い。それ
に対し、実施例1〜8はアニオン性アクリルアミド系樹
脂の添加によるヘッドヒーター面のコゲ発生を抑制と、
ポリウレタン樹脂による耐擦過性、耐水性、耐マーカー
性の何れの向上も得ている。さらには印字濃度において
も低下することなく、若しくは上昇する傾向にある。
【0047】
【発明の効果】本発明により、コゲーションや目詰まり
を防止し、顔料インクに必要とされる耐擦過性、耐水性
および耐マーカー性に優れた水性インクを提供できる。
を防止し、顔料インクに必要とされる耐擦過性、耐水性
および耐マーカー性に優れた水性インクを提供できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも、水と、色材となるカーボン
ブラックと、水性樹脂とを含有する水性インクにおい
て、上記水性樹脂が、構造形態の異なる2種の樹脂の組
合せであることを特徴とする水性インク。 - 【請求項2】 前記カーボンブラックが、種々の酸化剤
による表面酸化処理、若しくは表面付加反応による親水
性官能基を付与されたことにより自己分散性を有してい
る請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項3】 前記2種の樹脂の一方が、アクリルアミ
ド系樹脂であり、他方がポリウレタン樹脂である請求項
1または2に記載の水性インク。 - 【請求項4】 前記アクリルアミド系樹脂が、混床イオ
ン交換樹脂による脱塩処理後のpHが、1.0〜8.0
の範囲を示す請求項3に記載の水性インク。 - 【請求項5】 前記カーボンブラックと、前記2種の樹
脂の合計量とのインク中における固形分質量比が、カー
ボンブラックを1とした時、前記2種の樹脂の合計量が
0.01〜5である請求項1〜4の何れか1項に記載の
水性インク。 - 【請求項6】 前記2種の樹脂のインク中における固形
分質量比が、アクリルアミド系樹脂を1とした時、ポリ
ウレタン樹脂が0.1〜10である請求項3に記載の水
性インク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002153025A JP2003342502A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 水性インク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002153025A JP2003342502A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 水性インク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342502A true JP2003342502A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29770207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002153025A Withdrawn JP2003342502A (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 水性インク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003342502A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007119658A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録用メンテナンス液 |
JP2007522285A (ja) * | 2004-01-21 | 2007-08-09 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 架橋済みポリウレタンを含有するインクジェットインキ |
WO2007142168A1 (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Tokai Carbon Co., Ltd. | 水性カーボンブラック顔料とその水性分散体 |
JP2009249446A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Konica Minolta Ij Technologies Inc | 水性インクジェットインク及びインクジェット記録方法 |
JP2014074153A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-24 | Canon Inc | インクセット及びインクジェット記録方法 |
US9243155B2 (en) | 2011-03-30 | 2016-01-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet ink, ink cartridge, and ink jet recording method |
JP2016041512A (ja) * | 2010-11-17 | 2016-03-31 | 新日鐵住金株式会社 | クロメートフリー着色塗装金属板の製造方法 |
WO2018235561A1 (ja) * | 2017-06-19 | 2018-12-27 | コニカミノルタ株式会社 | インク吐出ヘッドのメンテナンス方法、インク吐出ヘッドのメンテナンス装置及びインク吐出装置 |
-
2002
- 2002-05-27 JP JP2002153025A patent/JP2003342502A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007522285A (ja) * | 2004-01-21 | 2007-08-09 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 架橋済みポリウレタンを含有するインクジェットインキ |
JP2007119658A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-05-17 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録用メンテナンス液 |
WO2007142168A1 (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Tokai Carbon Co., Ltd. | 水性カーボンブラック顔料とその水性分散体 |
JP2009249446A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Konica Minolta Ij Technologies Inc | 水性インクジェットインク及びインクジェット記録方法 |
JP2016041512A (ja) * | 2010-11-17 | 2016-03-31 | 新日鐵住金株式会社 | クロメートフリー着色塗装金属板の製造方法 |
US9243155B2 (en) | 2011-03-30 | 2016-01-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet ink, ink cartridge, and ink jet recording method |
JP2014074153A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-24 | Canon Inc | インクセット及びインクジェット記録方法 |
WO2018235561A1 (ja) * | 2017-06-19 | 2018-12-27 | コニカミノルタ株式会社 | インク吐出ヘッドのメンテナンス方法、インク吐出ヘッドのメンテナンス装置及びインク吐出装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2235123B1 (en) | Inkjet recording ink, ink cartridge, inkjet printing apparatus and image forming method | |
US6551394B2 (en) | Recording liquid, printed product and ink jet recording method | |
JP3484878B2 (ja) | インクジェット記録用インクユニット及びインクジェット記録方法 | |
JP6313503B1 (ja) | 水性インクジェットインキ、及び、印刷物の製造方法 | |
US6099627A (en) | Dispersion ink | |
JP2006524279A (ja) | インクジェット印刷用水性着色剤調製物 | |
US7550039B2 (en) | Aqueous inkjet ink composition | |
JP4230212B2 (ja) | インクジェット記録用顔料インクおよびインクジェット記録方法 | |
JP2007161823A (ja) | インク組成物 | |
JP6880937B2 (ja) | インクジェット記録用水性インク | |
US5492952A (en) | Ink, ink-jet recording process and apparatus making use of the same | |
JP2019183063A (ja) | 水性インクジェットインキ、および、印刷物の製造方法 | |
JP2015124348A (ja) | 水性インクジェットインキ | |
JP2000290548A (ja) | 水性顔料インク組成物および該インク組成物を使用したインクジェット記録方法 | |
JP5263568B2 (ja) | 顔料分散体、顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物 | |
JP2003342502A (ja) | 水性インク | |
JP3908505B2 (ja) | 水性インク | |
JP2003342501A (ja) | 水性インク | |
JP4158303B2 (ja) | インクジェット記録用水性顔料インキ | |
JP4894084B2 (ja) | インクジェット記録用水性インク組成物 | |
JP2001089686A (ja) | 水性顔料インク組成物 | |
JP2003073595A (ja) | 水性顔料インク組成物 | |
JP4323153B2 (ja) | インク組成物およびインクジェット記録方法 | |
JP2005162899A (ja) | インクジェット記録用インク及び記録方法 | |
JP2004277562A (ja) | インクジェット用水性顔料インク |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050114 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061017 |