JP3745539B2 - 水性顔料インキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水性インキ組成物に関し、特に着色剤として、水性液媒体に対する分散性が改善された酸化カーボンブラックを含有する水性顔料インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来筆記具やインクジェットプリンター用の記録液として、黒色染料を含有する水性染料インキ組成物が主に用いられてきた。近年に至り、記録画像に耐光性や耐水性を持たせるためにカーボンブラックのような顔料を用いた水性顔料インキ組成物が注目されている。
【0003】
通常、着色剤用として市販されているカーボンブラックは、水分散性に劣る。そこで、水溶性アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂のような分散剤及びアミンの存在下で、各種分散機を使用して、カーボンブラックを水性媒体中に微細に分散、安定化させている。
【0004】
例えば、特開昭64−6074号及び同64−31881号公報には、pH5以下のカーボンブラックと分散剤(アニオン系界面活性剤や高分子分散剤)とを含む水性顔料インキ組成物が記載されている。また、特開平3−210373号公報には、酸性カーボンブラックと水溶性樹脂とを含むインクジェット用インキ組成物が記載されている。
【0005】
一般に、インクジェット記録ヘッドの微細な先端から安定に液滴を発生させたり、水性ボールペンの細いペン先でスムーズに筆記するためには、インクジェット記録ヘッドのオリフィスやボールペンチップの乾燥による固化などを防止することが必要である。
【0006】
しかしながら、上述の水性顔料インキ組成物のように分散剤を使用する場合には、分散剤を形成する樹脂がオリフィス等に付着した後再溶解されないで、目詰まり及び液滴の不吐出等が生じ得る。また、分散剤を含む水性顔料インキ組成物は比較的粘調なので、長時間にわたる連続吐出及び高速印字を行う際にノズル先端までの経路で抵抗をおこし、吐出が不安定になりスムーズな記録が困難となる。更に、水性顔料インキ組成物では、吐出安定性を確保するために顔料濃度を充分高めることができず、水性染料インキ組成物に比べて印字濃度が不十分であるという欠点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、インクジェット記録に用いた場合に吐出安定性に優れ、そして細いペン先からもスムーズに筆記できる記録特性と十分な濃度を有する水性顔料インキ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも水とカーボンブラックとを含有する水性顔料インキ組成物において、上記カーボンブラックのX線光電子分光法による表面酸素濃度が、炭素原子を基準として原子数比で0.07以上であり、X線光電子分光法による表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和が0.5%以上である水性顔料インキ組成物を提供するものであり、そのことによって上記目的が達成される。
【0009】
本明細書中、表面酸素濃度とは、カーボンブラックの粒子の表面(一般に、厚さ数nm)に存在する酸素原子数と炭素原子数との割合(O/C原子数比)を意味する。表面カルボキシル基炭素濃度とは、カーボンブラックの粒子の表面に存在する炭素原子のうちカルボキシル基炭素の割合(%)を意味する。表面水酸基炭素濃度とは、カーボンブラックの粒子の表面に存在する炭素原子のうち水酸基炭素の割合(%)を意味する。
【0010】
本明細書中、カルボキシル基炭素とは、カルボキシル基に含まれる炭素原子、すなわち、−COOHのCを意味する。水酸基炭素とは、水酸基が結合している炭素原子、すなわち、−C−OHのCを意味する。また、表面官能基炭素濃度という用語は、表面カルボキシル基炭素濃度及び表面水酸基炭素濃度を包含する用語として用いる。
【0011】
本発明の水性顔料インキ組成物に用いるカーボンブラックは、高い表面酸素濃度、表面カルボキシル基炭素濃度、及び表面水酸基炭素濃度を有することが好ましい。このようなカーボンブラックは良好な水分散性を示すからである。
【0012】
高い表面酸素濃度、表面カルボキシル基炭素濃度、及び表面水酸基炭素濃度を有するカーボンブラックは、カルボキシル基や水酸基をその表面に多く有するため、カーボンブラック自体の親水性が向上している。また、必然的にその表面積も大きいと考えられる。その結果、かかるカーボンブラックの表面はあたかも水不溶性の酸性染料のごとき化学的性質をもつことによって水分散性が良好となる。しかしながら、その内部はカーボンブラックの特性を残しており、耐候性、耐熱性に優れる。
【0013】
本発明の水性顔料インキ組成物が含有するカーボンブラックの表面酸素濃度は0.07以上であり、0.1以上であることが好ましい。また、表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和は、0.5%以上であり、0.7%以上であることが好ましい。
【0014】
より詳細には、表面カルボキシル基炭素濃度は0.3%以上であることが好ましく、0.4%以上であることが更に好ましい。また、表面水酸基炭素濃度は0.2%以上であることが好ましく、0.3%以上であることが更に好ましい。
【0015】
カーボンブラックの表面酸素濃度が0.07を下回るか、又は表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和が0.5%を下回ると、カーボンブラックの水や水性液媒体に対する分散性が悪くなり、本発明の効果を達成できなくなる。
【0016】
カーボンブラックの表面酸素濃度は、X線光電子分光法(XPS又はESCAとも呼ばれる。)により測定される。また、カーボンブラックの表面カルボキシル基炭素濃度及び表面水酸基炭素濃度は、気相化学修飾法(ラベル法)を応用して、X線光電子分光法により以下の如く測定される。
【0017】
すなわち、表面カルボキシル基炭素濃度については、カーボンブラック表面のカルボキシル基をトリフルオロエタノールの蒸気雰囲気でエステル化反応させ、カーボンブラック表面のフッ素量をX線光電子分光法で定量することにより、測定する。表面水酸基炭素濃度については、カーボンブラック表面の水酸基を無水トリフルオロ酢酸の蒸気雰囲気でエステル化反応させ、X線光電子分光法でカーボンブラック表面のフッ素量を定量することにより、測定する。
【0018】
一般に、カーボンブラック表面の官能基の定量方法として、滴定法等の方法による検討がなされているが、SOX、NOX等の影響により誤差を生じる可能性があると考えられるため、本発明ではカルボキシル基や水酸基の定量には、気相化学修飾法を応用したX線光電子分光法により行うことが好ましい。
【0019】
本発明の水性顔料インキ組成物に好適に用い得るこのようなカーボンブラックは、比較的高度に酸化処理された、特定量の含酸素官能基を有するカーボンブラック及びチャンネルブラック等の内から選択すればよい。
【0020】
また、このようなカーボンブラックは、市販の中性又は塩基性カーボンブラックの表面に含酸素官能基を付与することにより、又は市販の酸性カーボンブラックを更に酸化処理することにより、調製することもできる。一般には、カーボンブラックを酸化する処理を行う。カーボンブラックを酸化するには、例えば、次のような方法がある。空気接触による酸化法、窒素酸化物、オゾンとの反応による気相酸化法、硝酸、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム、亜塩素酸、過塩素酸、次亜ハロゲン酸塩、過酸化水素、臭素水溶液、オゾン水溶液等の酸化剤を用いる液相酸化法等である。プラズマ処理などにより表面を改質してもよい。
【0021】
特に好ましい方法は、次亜ハロゲン酸塩を用いてカーボンブラックを湿式酸化する方法である。次亜ハロゲン酸塩の具体例には次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウムが挙げられ、反応性の点から次亜塩素酸ナトリウムが特に好ましい。
【0022】
カーボンブラックの酸化は、一般に、カーボンブラックと次亜ハロゲン酸塩とを適量の水中に仕込み、3時間以上、好ましくは約5〜15時間、0℃以上好ましくは5℃以上で撹拌することにより行う。原料に用いるカーボンブラックは、微細に分散された状態で酸化処理されることが好ましい。具体的には、カーボンブラックを平均粒径300nm以下、好ましくは150nm以下まで分散した状態で酸化する。
【0023】
カーボンブラックの分散は、酸化処理の前にミル媒体及び粉砕装置を用いて行って良く、又は次亜ハロゲン酸塩等の水溶液中で撹拌もしくは粉砕することにより、酸化処理と同時に行っても良い。
【0024】
次亜ハロゲン酸塩の使用量は、その種類及び原料に用いるカーボンブラックにより異なるが、一般に、カーボンブラッックの重量を基準にして、100%換算で5〜250重量%、好ましくは5〜100重量%である。
【0025】
次いで、酸化処理後のカーボンブラックの分散体を(熱時)濾過して、得られたウエットケーキを水に再分散する。
【0026】
本発明の水性顔料インキ組成物を調製するために用いる水は、イオン交換水のような脱イオン水であることが好ましい。水道水のようなイオン含有水は好ましくない。イオン含有水に含まれるイオン、例えば、Caイオン及びMgイオン、は得られる水性顔料インキ組成物の性能、特に分散安定性に悪影響を与えるからである。
【0027】
その後、メッシュの金網を用いてビーズと粗粒子を取り除く。或いは、ビーズと粗粒子を取り除いた後、ウエットケーキを水、好ましくは脱イオン水で水洗し、副生塩を除去してもよい。或いは、ビーズと粗粒子を取り除いたスラリーを大量の水、好ましくは脱イオン水で希釈して、そのまま膜精製と濃縮を行ってもよい。
【0028】
必要に応じて、このカーボンブラックのウエットケーキは水、好ましくは脱イオン水に再度分散し、鉱酸(例えば、塩酸や硫酸)を用いて酸処理することが好ましい。酸処理は、水分散体に塩酸を加えpH3以下に調整し、80℃以上で1〜5時間加熱撹拌することが好ましい。酸処理は次工程でのアンモニア水やアミン化合物によるアンモニウム塩化もしくはアミン塩化に有利となることから行うことが好ましい。酸処理により、酸化剤に由来するナトリウムやカリウムを塩の形で除去できる。その後、分散体を濾過し、水、好ましくは脱イオン水で洗浄して、再度得られたウエットケーキを水、好ましくは脱イオン水に分散させる。
【0029】
必要に応じて、カーボンブラックの分散体を、次いで、塩基性化合物、好ましくはアミン化合物で中和する。カーボンブラックの表面には多くの酸性基が存在するので、その少なくとも一部はアミン化合物と(イオン)結合してアンモニウム塩もしくはアミン塩を形成する。このように、カーボンブラックをアミン化合物で中和することにより、水性顔料インキの分散安定性、ノズルの目詰まり防止、及び紙に記録した場合の耐水性が向上する。
【0030】
好ましいアミン化合物には水溶性の揮発アミン、アルカーノールアミン等が挙げられる。具体的には、アンモニア、炭素数1〜3のアルキル基で置換された揮発性アミン(例えばメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン);炭素数1〜3のアルカノール基で置換されたアルカノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン);炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のアルカノール基で置換されたアルキルアルカノールアミン等が挙げられる。特に好ましいアミン化合物はアンモニアである。しかし、全ての酸性基をアンモニウム塩もしくはアミン塩とする必要はない。
【0031】
これらは2種以上を組合せて使用できる。また、水性媒体に対する親和性及び分散安定性を調整したり、金属腐食防止のためにカーボンブラックの表面にある酸性基を一部アルカリ金属塩としてもよく、その場合は、塩基性化合物として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等をアミン化合物と併用する。
【0032】
その後、アミン塩化したカーボンブラックの分散体を逆浸透膜や限外瀘過膜のような小さい孔、好ましくは孔径0.01μm以下の孔を有する分離膜を用いて精製及び濃縮する。濃縮は、一般にカーボンブラックの含有率が水に対して10〜30重量%程度の濃厚な顔料分散液になるように行う。得られた顔料分散液をそのまま水性顔料インキとして用いうるが、その際には、カーボンブラックの濃度を1〜20重量%とするのが好ましい。濃縮された顔料分散液を更に乾燥して粉末状顔料としてよく、または、更に濃縮して顔料濃度50重量%程度の顔料分散体としてもよい。その後これらを後述の水性媒体に分散し、適当な濃度に調節することによって本発明の水性顔料インキが得られる。
【0033】
本発明に係るカーボンブラックは、一般には水性顔料インキ全量に対して、1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは5〜10重量%の範囲で含有されることが望ましい。カーボンブラックの含有量が1重量%未満では印字又は筆記濃度が不十分となり、20重量%を越えるとカーボンブラックが凝集し易くなり長期保存中に沈澱が発生したり、吐出安定性が悪くなるからである。
【0034】
本発明の水性顔料インキにおけるカーボンブラックの平均粒径は0.3μm以下、特に0.2μm以下、さらに0.15μm以下であることが好ましい。カーボンブラックの平均粒径が0.3μmを上回ると顔料の沈降が起こり易くなるからである。
【0035】
本発明の水性顔料インキ組成物には、必要に応じて水溶性樹脂を含有させることができる。水性顔料インキ組成物で記録した後の記録物の耐水性を改良するためである。
【0036】
この水溶性樹脂は、一般に使用される顔料分散のための樹脂と異なり、顔料を分散するための性能はあまり必要ではない。カーボンブラック自体が水性媒体中で良分散性、再分散性を持つためである。
【0037】
一般に、水系溶剤中に親油性のカーボンブラックを分散する場合、分散剤には親水性基と親油性基がバランス良く配置されていなければならず、また、その親油性基がカーボンブラック表面に強く吸着しなければならない。しかし、本発明に用いる樹脂はカーボンブラック表面に吸着する必要が無いので、親油性基は一般の分散剤と比較して弱いもので良く、その配置も特に制限はない。例えば、ブロックコポリマーのようなものでも問題なく使用できる。
【0038】
但し、水溶性樹脂を含有させることにより水性顔料インキ組成物の分散安定性や吐出安定性が損なわれてはならない。従って、オリフィスやノズルでのインキの固化を回避し、速やかに再溶解させるために、乾燥時カーボンブラックを大きな凝集体とすることなく、微細なカーボンブラック粒子の状態で包み込み再溶解されやすくする水溶性樹脂を用いる必要がある。
【0039】
そのような水溶性樹脂は、重量平均分子量が50000以下、好ましくは30000〜1000、更に好ましくは20000〜1000程度であり、酸価が100〜250、好ましくは150〜250の範囲にあるアクリル系ポリマーである。また、これらはアミンを溶解した水溶液に可溶であることが特に好ましい。
【0040】
重量平均分子量が50000以上であると、インキの粘性、分散体の粒径が大きくなり良好な吐出安定性が得られない。また、酸価が100以下であるとアミン化合物による樹脂の再溶解性が悪くなり、好ましくない。酸価が250以上であると水溶性が大き過ぎて、記録物の耐水性が低下し、好ましくない。
【0041】
また、この水溶性樹脂は20〜150℃、好ましくは30〜100℃のガラス転移温度を有することが好ましい。水溶性樹脂のガラス転移温度が20℃を下回ると印字塗膜が乾燥し難く、いつまでも粘着性が残り好ましくない。また、150℃を上回ると印字塗膜が硬く脆くなり、折り曲げによりひび割れを起こすこととなる。
【0042】
本発明において、アクリル系ポリマーとは、ポリマー組成がアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルのようなアクリル系モノマーの少なくとも1種を含み、且つ、カルボキシル基を有する共重合体をいう。
【0043】
そのようなアクリル系ポリマーは、以下に例示されるアニオン系モノマーとノニオン系モノマーの組合せまたはその比率を変えることにより共重合される。
【0044】
アニオン系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のような一塩基酸の不飽和単量体、マレイン酸、イタコン酸のような二塩基酸の不飽和単量体、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノブチルのような二塩基酸のモノエステルが挙げられる。
【0045】
ノニオン系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフリル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリルエステル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリルエステル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、等の(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル等の二塩基酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;
及びアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニルモノマーが挙げられる。
【0046】
具体的には、
アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
メタクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
(メタ)アクリル酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、
(メタ)アクリル酸−マレイン酸ジアルキルエステル共重合体、
マイレン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
イタコン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
メタクリル酸−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、
メタクリル酸−(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール共重合体、
メタクリル酸−メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン−アクリル酸共重合体、
スチレン−メタクリル酸共重合体、
スチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体
等が挙げられる。
【0047】
また、必要に応じて、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル等の合成樹脂やロジン樹脂等の天然樹脂で変性することも可能である。
【0048】
本発明の水性顔料インキ組成物に用いうる水溶性樹脂は市販されており、例えば、荒川化学社製のロジン変性マレイン酸樹脂「マルキード32」、ジョンソンポリマー社製のスチレンマレイン酸変性アクリル樹脂「ジョンクリルJ501」、及びスチレン−アクリル(酸)系樹脂「ジョンクリルJ−62」等が挙げられる。
【0049】
上記のアクリル系ポリマーは、アンモニア、アミン、アルカノールアミン及びアルキルアルカノールアミンから選ばれる揮発性塩基性化合物で中和され、水性媒体に溶解するものであることが好ましい。これらアクリル系ポリマーは、本発明の水性顔料インキ全量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の量で含有される。本発明のインキに含まれるカーボンブラックに対して、10〜100重量%程度添加することが好ましい。
【0050】
本発明の水性顔料インキには、必要に応じて、水混和性有機溶媒を含有させ得る。尚、水、水混和性有機溶媒及びこれらの混合物を本明細書では、水性媒体と称する。
【0051】
水混和性有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール及びイソブチルアルコールのような炭素数1〜4のアルキルアルコール;アセトン及びジアセトンアルコールのようなケトンまたはケトンアルコール;テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンのようなエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールのようなアルキレングリコール;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノエチルエーテルのような多価アルコールの低級アルキルエーテル;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;及び2−ピロリドン、2−メチルピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンのようなピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶媒の使用量は特に限定されないが、一般には3〜50重量%の範囲である。
【0052】
本発明の水性顔料インキは十分に脱塩精製されているため筆記具及びインクジェットプリンター等の腐食は生じない。さらに、カーボンブラックの表面のカルボキシル基の大半もしくは一部が、アンモニウム塩等となっているので、特にpHを調節する必要はない。また、カルボキシル基の一部が次亜ハロゲン酸のアルカリ金属(Na、K)塩に由来するアルカリ金属塩となっていてもよい。
【0053】
本発明の水性顔料インキ組成物に長期間にわたる良好な分散安定性を付与するためには、通常の水性染料インキ組成物と同様に、酸性(pH5〜)〜アルカリ性(pH〜10)に調節するのが好ましい。
【0054】
さらに、本発明の水性顔料インキ組成物にはこの種のインキ組成物に通常使用される粘度調整剤、防黴剤、防錆剤のような添加剤及び各種の水溶性界面活性剤(例えば、第4級アンモニウム塩系のカチオン界面活性剤、芳香族スルホン酸(エステル)塩系やリン酸エステル系のアニオン界面活性剤)を適宜選択して適量使用することもできる。
【0055】
本発明によれば、表面酸素濃度(比)及び表面官能基濃度(%)が高く、同時に表面積が大きくなっているカーボンブラックを含有するインキ組成物が提供される。このカーボンブラックは親水性であり、水性媒体に対する分散性に優れる。
【0056】
従って、本発明の水性顔料インキ組成物は、特に顔料分散樹脂(高分子分散剤)や界面活性剤等を加えないで、或いは機械的な分散処理をしなくても長期間の分散安定性に優れ、カーボンブラックがインキ組成物貯蔵部で沈降することはない。また、本発明の水性顔料インキ組成物に上述の水溶性樹脂を添加すると、記録物の耐水性が更に向上する。
【0057】
本発明の水性顔料インキ組成物は、インクジェット方式による記録用や水性ボールペンなどの筆記用インキ組成物として使用した場合も、記録・筆記特性が良好で高速度印字ができ、また、速記した場合も文字がかすれることはない。
【0058】
さらに、紙面に記録された文字や図形の堅牢性(耐光性や耐水性)に優れ、再度水に浸漬してもカーボンブラックは流れ出すことはなく耐水性があり、日光に暴露しても染料インキ組成物のように変退色するこがなく耐光性(耐候性)にすぐれる。
【0059】
更にまた、カーボンブラックを高濃度で含有させうるので印字物の濃度にすぐれ、水溶性黒色染料と同等もしくはそれ以上の光学濃度を提供する。
【0060】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0061】
実施例1
顔料分散液の調製1
市販の酸性カーボンブラック「ラーベン1040」(pH2.8)[コロンビアンカーボン日本(株)社製]235g及び次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)1300gを水1500gに入れ、室温にて分散機で十分に撹拌及び微分散した。得られたスラリーを濾過し、顔料粒子が洩れるまで水及びイオン交換水で洗浄した。この顔料ウエットケーキをイオン交換水に再分散し、逆浸透膜を用いて脱塩した。さらに、この顔料分散液を顔料濃度20重量%に濃縮した。
【0062】
得られた顔料分散液をさらに濃縮、乾燥および微粉砕して、酸化カーボンブラックの粉末を得た。得られた酸化カーボンブラックは、表面酸素濃度が0.11であり、表面カルボキシル基炭素濃度[COOH/C(total)]は0.4%、及び表面水酸基炭素濃度[C−OH/C(total)]は0.5%であった。
【0063】
表面酸素濃度は、ESCALAB220iXL(英国VG社製)を用いてX線光電子分光法により、表1に示す条件で測定した。
【0064】
【表1】
励起X線:単色ALKα1,2線(1486.6eV)
X線径:1000μmφ
X線出力:10kV/24mA
光電子脱出角度:約90゜(検出深さ約10nm未満)
【0065】
表面官能基炭素濃度(すなわち、表面カルボキシル基炭素濃度及び表面水酸基炭素濃度)は、SSX−100(米国SSI社製)を用いて、気相化学修飾法により、表2に示す条件で測定した。
【0066】
【表2】
励起X線:単色ALKα1,2線(1486.6eV)
X線径:1mmφ
X線出力:10kV/20mA
光電子脱出角度:約35゜(検出深さ約数nm)
【0067】
実施例2
水性顔料インキ組成物の調製1
実施例1で得られた顔料分散液25gに、エタノール5部と2−メチルピロリドン5部を加え、さらにイオン交換水を加えて全量を100gとすることにより水性顔料インキ組成物を得た。このインキ組成物の粘度は2cps/25℃以下であり、カーボンブラックの平均粒径は0.15μmであった。
【0068】
なお、実施例において、酸化カーボンブラックの平均粒径は、MICROTRAC UPA粒度分析計(Leeds & Northrup社製)を用いて測定した。酸化カーボンブラックの水性分散体及び水性顔料インキ組成物の粘度はE型粘度計(商品名:「ELD」、東洋計器社製)を用いて測定した。
【0069】
次に、このインキ組成物をインクジェット記録装置[商品名HG5130(エプソン社製)]にセットし印字したところ、インキ組成物の吐出は安定しており、速やかに印字され、印字物は、乾燥後水に浸漬しても顔料が流れることはなく、耐水性は良好であった。用いたノズルは一般的な水性染料インキ組成物用であるがインキ組成物が固化することなく、数時間後の印字テストにおいても吐出不良はなかった。
【0070】
このインキ組成物を50℃で1ヵ月保存しても沈降物は発生せず、平均粒径、粘度も変らず、再度印字テストをしてもインキ組成物の吐出は安定しており、スムーズに印字できた。マクベス濃度計TR−927(コルモーゲン社製)でベタ印字部の光学濃度を測定したところ1.36であり、十分に満足できるものであった。
【0071】
実施例3
顔料分散液の調製2
市販の塩基性カーボンブラック「ラーベン780」(pH7.4)[コロンビアンカーボン日本(株)社製]120g及び次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)600gを水2200gに入れ、室温にて分散機で十分に撹拌及び微分散した。さらに、得られたスラリーに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)325gを加え、ビーズミルを用いて分散処理を行った。得られたスラリーをイオン交換水で希釈して、限外濾過膜を用いて脱塩した。さらに、この顔料分散液を、顔料濃度20重量%に濃縮した。
【0072】
得られた顔料分散液をさらに濃縮、乾燥および微粉砕して、酸化カーボンブラックの粉末を得た。得られた酸化カーボンブラックは、表面酸素濃度が0.08であり、表面カルボキシル基炭素濃度は0.4%、及び表面水酸基炭素濃度は0.5%であった。
【0073】
実施例4
水性顔料インキ組成物の調製2
実施例3で得られた顔料分散液25gに、エタノール5gと2−メチルピロリドン5gを加え、さらにイオン交換水を加えて全量を100gにすることによって水性顔料インキ組成物を得た。このインキ組成物の粘度は2cps/25℃以下であり、カーボンブラックの平均粒径は0.1μmであった。
【0074】
次に、このインキ組成物をインクジェット記録装置[商品名HG5130(エプソン社製)]にセットし印字したところ、インキ組成物の吐出は安定しており、速やかに印字され、印字物は、乾燥後水に浸漬しても顔料が流れることはなく、耐水性は良好であった。用いたノズルは一般的な水性染料インキ組成物用であるがインキ組成物が固化することなく、数時間後の印字テストにおいても吐出不良はなかった。
【0075】
このインキ組成物を50℃で1ヵ月保存しても沈降物は発生せず、平均粒径、粘度も変らず、再度印字テストをしてもインキ組成物の吐出は安定しており、スムーズに印字できた。マクベス濃度計TR−927(コルモーゲン社製)でベタ印字部の光学濃度を測定したところ1.34であり、十分に満足できるものであった。
【0076】
実施例5
顔料分散液の調製3
市販の酸性カーボンブラック「モナーク1300」(pH2.5)[Cabot Corporation,Special Blacks Division社製]100g及び次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)1085gを水1715gに入れ、分散機で十分に撹拌及び微分散した。得られたスラリーをイオン交換水で希釈し、塩酸水でpH2に調整して、逆浸透膜を用いて脱塩した。さらに、この顔料分散液にアンモニア水溶液を加えてpH7.5に調整した後、顔料濃度20重量%に濃縮した。
【0077】
得られた顔料分散液をさらに濃縮、乾燥および微粉砕して、酸化カーボンブラックの粉末を得た。得られた酸化カーボンブラックは、表面酸素濃度が0.13であり、表面カルボキシル基炭素濃度は0.5%、及び表面水酸基炭素濃度は0.6%であった。
【0078】
実施例6
水性顔料インキ組成物の調製3
実施例5で得られた顔料分散液25gに、エタノール5gと2−メチルピロリドン5gを加え、さらにイオン交換水を加えて全量を100gにすることによって水性顔料インキ組成物を得た。このインキ組成物の粘度は2.3cps/25℃以下であり、カーボンブラックの平均粒径は0.12μmであった。
【0079】
次に、このインキ組成物をインクジェット記録装置[商品名HG5130(エプソン社製)]にセットし印字したところ、インキ組成物の吐出は安定しており、速やかに印字され、印字物は、乾燥後水に浸漬しても顔料が流れることはなく、耐水性は良好であった。用いたノズルは一般的な水性染料インキ組成物用であるがインキ組成物が固化することなく、数時間後の印字テストにおいても吐出不良はなかった。
【0080】
このインキ組成物を50℃で1ヵ月保存しても沈降物は発生せず、平均粒径、粘度も変らず、再度印字テストをしてもインキ組成物の吐出は安定しており、スムーズに印字できた。マクベス濃度計TR−927(コルモーゲン社製)でベタ印字部の光学濃度を測定したところ、十分に満足できるものであった。
【0081】
比較例1
市販の酸性カーボンブラック「MA100」(pH3.5)[三菱化学社製]5gにイオン交換水85gとエタノール5gと2−メチルピロリドン5gを加えて全量を100gとし、充分攪拌することによって水性顔料インキ組成物を得た。しかしこの酸性カーボンブラックは全く水に分散されず数分の静置により上澄みが出来て印字不可能であった。
【0082】
比較例2
市販の酸性カーボンブラック「MA100」(pH3.5)[三菱化学社製]100gに「ジョンクリルJ−62」(ジョンソンポリマー社製のスチレン−アクリル(酸)系樹脂水溶液)100g、イオン交換水300gを加えこれをビーズミルで5時間分散し、平均粒径150nmまで分散した。
【0083】
この顔料分散液25gにエタノール5gと2−メチルピロリドン5gを加え、イオン交換水で全量100gとし、充分撹拌することによって水性顔料インキ組成物を得た。粘度4cps/25℃で分散安定性は良好であった。
【0084】
実施例1と同様に、このインキ組成物をインクジェット記録装置にセットし印字したところ、インキ組成物の吐出安定性が徐々に悪くなり、印字濃度も薄くなった。また、一般的な水性染料インキ組成物用ノズルでは、インキ組成物が乾燥して数時間後の印字テストにおいて更に濃度が下がった。そして、これを繰り返すと不吐出が発生して、全く印字できなくなった。
【0085】
比較例3
比較例2で調製した顔料分散液25g、及びジエチレングリコール10g、2メチルピロリドン10g、イオン交換水55gを用いて水性顔料インキ組成物を得た。このインキ組成物は、繰り返し印字でき、ノズルで吐出不良は生じなかった。
【0086】
しかし、このインキ組成物を50℃で1ヵ月保存して後、平均粒径を測定したところ、0.2μmまで凝集しており、粘度も7cps/25℃に変化していた。再度攪拌分散して印字テストを試みたが、凝集して大きくなった顔料分散物がノズル部で詰まり印字できなかった。
【0087】
以下表3に総括して、本発明の実施例1、3及び5で得られた酸化カーボンブラックと市販のカーボンブラック(「カラーブラック FW200」、「MA100」及び「#45」)について、表面酸素濃度、表面カルボキシル基炭素濃度及び表面水酸基炭素濃度と水分散性とを比較した。
【0088】
【表3】
【0089】
表3から明らかなように、表面酸素濃度が0.07以上であり、且つ、表面官能基炭素濃度、すなわち、表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和が0.5%以上であるものについては、水分散性に優れる。すなわち、本発明に用いるカーボンブラックが水親和性に優れ、速やかに微分散できると共に、経時安定性は、20%顔料分散液として60日間放置されても安定であった。したがってこの酸化カーボンブラックを含有する本発明の水性顔料インキ組成物は、実施例2、4、6に示すような吐出安定性に優れたインクジェット記録用顔料インキ組成物を提供できる。
【0090】
これに対して、市販品「MA100」は、表面酸素濃度が0.03であり、且つ、表面カルボキシル基炭素濃度が0.1%、表面水酸基炭素濃度が0.1%であり、水分散性が悪い。すなわち、このカーボンブラックは水親和性が小さく、全く水に分散されないか、分散初期でも水面に浮遊していたり、分散後、時間の経過と共に分散状態が不安定化し沈降する程度のものであった。
【0091】
同様に、市販のカーボンブラック「#45」(三菱化学社製)、「モナーク1300」、「カラーブラック FW200」、「ラーベン1040」、及び「ラーベン780」も、水分散性に劣る。したがって、これらのカーボンブラックを用いる水性顔料インキ組成物は、比較例に示すように本発明の水性顔料インキ組成物が有する優れた性能を実現できない。
【0092】
また本発明の水性顔料インキ組成物に含まれるカーボンブラックの平均粒径は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂等の水溶性の分散樹脂や分散剤のない単純な水系分散状態で測定すると、分散樹脂や分散剤の存在下に各種分散機で強いシェアーを掛けて長時間分散したときと同じ約0.15μmという水性顔料インキ組成物に好ましい粒径にすることができた。また、微分散されているカーボンブラック(いわゆる液中凝集体)表面の含酸素官能基と水とが良くなじみ、分散安定性が持続されることが判った。
【0093】
【発明の効果】
インクジェット記録用に用いた場合に吐出安定性に優れ、そして細いペン先からもスムーズに筆記できる充分な濃度の水性顔料インキ組成物が提供された。
Claims (9)
- 少なくとも水とカーボンブラックとを含有する水性顔料インキ組成物において、
該カーボンブラックがカーボンブラックの重量を基準にして66〜250重量%の次亜ハロゲン酸及び/又はその塩を用いて湿式酸化して得られたものであり、および
該カーボンブラックのX線光電子分光法による表面酸素濃度が、炭素原子を基準として原子数比で0.08〜0.13であり、X線光電子分光法による表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和が0.5〜1.1%である、
水性顔料インキ組成物。 - 前記X線光電子分光法による表面カルボキシル基炭素濃度が0.3〜0.5%であり、X線光電子分光法による表面水酸基炭素濃度が0.2〜0.6%である請求項1記載の水性顔料インキ組成物。
- 前記X線光電子分光法による表面カルボキシル基炭素濃度と表面水酸基炭素濃度との和が0.7〜1.1%である請求項1記載の水性顔料インキ組成物。
- 前記X線光電子分光法による表面カルボキシル基炭素濃度が0.4〜0.5%であり、X線光電子分光法による表面水酸基炭素濃度が0.3〜0.6%である請求項3記載の水性顔料インキ組成物。
- 前記カーボンブラック表面に存在する酸性基の少なくとも一部がアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び/又はアミン塩となっている請求項1記載の水性顔料インキ組成物。
- 前記カーボンブラックの平均粒径が0.3μm以下である請求項1記載の水性顔料インキ組成物。
- 前記カーボンブラックの含有量が水性顔料インキ組成物全量に対して0.1〜50重量%である請求項1記載の水性顔料インキ組成物。
- 請求項1〜7のいずれか記載の水性顔料インキ組成物を含むインクジェット記録用水性顔料インキ。
- 請求項1〜7のいずれか記載の水性顔料インキ組成物を含む筆記具用水性顔料インキ。
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