JPH09156162A - 小型印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドによる紙上の印字位置
及びその周辺を操作者が直接目視可能になる様にし、操
作者が簡単に印字位置を把握しやすくし、印字位置のず
れや傾きを発生させ難くすると共に、改行などの枠に合
わせた印字画像形成などの場合にも、操作者の所望する
印字を可能にし、常に良好な印字品質を保証し得るよう
にすること。 【解決手段】 紙９と接触する掃引ローラ５に対してイ
ンクジェットヘッド１０を操作者側に配置することによ
り、操作者がインクジェットヘッド１０による印字位置
及びその周辺を確認する上において掃引ローラ５がその
視線を妨げない。従って、操作者は印字すべき画像の紙
９上の位置を直接目視によって視認できる為、印字位置
を正確に制御できると共に、改行や枠内に納める場合の
ような印字終了位置をも正確に制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印字装置本体には
被印字媒体の搬送手段を持たず、操作者が手動的にその
位置を決められる小型印字装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、小型印字装置、特に印字装置本体
には紙の搬送手段を持たず、操作者が手動的にその位置
を決められる小型印字装置には、以下のような技術が用
いられていた。

【０００３】図５は従来の小型印字装置の印字データ入
力部分を示す斜視図であり、図６はその小型印字装置の
印字部分を示す要部断面図である。操作者は印字データ
入力部１００の前面に設けられたひらがなキー１０２、
及び変換キー１０４を用い、同じく前記印字データ入力
装置１００の前面に設けられた液晶表示装置１０６上で
確認しながら印字すべき文章を入力する。入力された文
章は内部に設けられた図示しないＣＰＵによって印字画
像データに変換され、印字部１１０に設けられたヘッド
コントローラ１１２に伝達される。

【０００４】次に操作者は該小型印字装置の印字面、す
なわち図中下面を紙１１４に押し当て、図５中矢印方向
に掃引する。右ローラ１２０と左ローラ１２２が回転
し、該両ローラの中間部に支持されたインクジェットヘ
ッド１２４が前記ヘッドコントローラ１１２によって制
御され、該インクジェットヘッド１２４からインクが噴
射され前記印字画像データが紙１１４上に印字される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な小型印字装置の場合、インクジェットヘッド１２４は
両ローラ１２０と１２２の間に挟まれており、操作者は
直接には見えない。従って、前記インクジェットヘッド
１２４が印字した紙１１４上の画像も見る事は出来な
い。よって、操作者は正確な印字位置を把握し難く、印
字位置がずれたり、傾いたりしやすいという問題点があ
った。

【０００６】更に、印字された画像のみならずこれから
印字されるべき紙１１４上の位置も、前記インクジェッ
トヘッド１２４の印字位置から離れた所しか目視できな
い為、例えば入力されてた文字列を枠に合わせて改行し
ようとした場合など、改行のタイミングを正確に掴めず
に枠からはみ出してしまう、もしくは一文字の途中で改
行してしまい判読不能な文字を形成してしまうといった
問題があった。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、印字手段の被印字媒体上におけ
る印字位置、及びその周辺を操作者が直接目視可能にな
る様に前記印字手段、及び前記距離保持手段を配置する
事により、操作者が簡単に印字位置を把握しやすくし、
印字位置のずれや傾きを発生させ難くすると共に、改行
などの枠に合わせた印字画像形成などの場合にも、操作
者の所望する印字を可能にし、常に良好な印字品質を保
証し得る小型印字装置を提供する事を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１記載の小型印字装置では、被印字媒体上を
走査されることにより、入力された画像データを任意の
被印字媒体に印字する小型印字装置において、入力され
た印字画像データに基づいて被印字媒体上に画像を印字
する為の印字手段と、その印字手段と被印字媒体上にお
ける印字位置との間の距離を一定に保つ為の距離保持手
段とを備え、その距離保持手段は、操作者が被印字媒体
上の印字手段による印字位置近傍を確認できるようにそ
の視線を妨げない位置に配置されている。

【０００９】従って、印字すべき画像データに基づいて
印字手段は距離保持手段によって被印字媒体との距離を
ほぼ一定に保った状態で画像を被印字媒体に印字する事
ができる。更に操作者は、印字すべき画像データを印字
する被印字媒体上の位置を直接目視によって視認できる
為、印字位置を正確に制御できると共に、改行や枠内に
納める場合のような印字終了位置をも正確に制御でき
る。

【００１０】また、請求項２に記載の小型印字装置で
は、印字手段及び距離保持手段は走査方向と直交する方
向に並んで配置されると共に、印字手段は距離保持手段
に対して操作者側に配置されている。従って、操作者は
何の妨げもなく印字手段、及びそれによって印字される
べき被印字媒体上の位置を近傍も含めて直接目視によっ
て視認する事ができる。よって、所望の位置に正確に制
御された印字を得る事ができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。

【００１２】図１は全体の断面図であり、図２は印字部
の構成を示す底面図である。小型印字装置としてのペン
型印字装置１の筐体３の先端には掃引ローラ５が回転軸
７を中心として回転可能に支持されている。今、掃引ロ
ーラ５が被印字媒体である紙９にやや押し当てられた状
態となる様に、筐体３が操作者に保持されている。掃引
ローラ５の図１中図面の手前側（操作者側）にはインク
ジェットヘッド１０が、紙９にノズルが対向するように
筐体３に支持されている。

【００１３】この構成を図２に示す。矢印Ａ方向が操作
者がいる方向であり、図面の手前側に紙９がおかれてお
り（底面図なので、上下が逆転している）、矢印Ｂ方向
がペン型印字装置１の走査方向である。

【００１４】筐体３内には、他にヘッドコントローラ１
１、インクタンク１３、赤外通信制御回路１５、赤外通
信機１７が、各々図１に示すように配置されている。赤
外通信機１７は、外部の図示しないＰＣ（パーソナルコ
ンピュータ）との間で赤外線通信を行う。このＰＣは操
作者が印字すべき内容を編集したりする為の物で、印字
すべき内容は赤外通信制御回路１５を経てヘッドコント
ローラ１１に伝達される。ヘッドコントローラ１１は、
伝達された印字すべき内容に従う様にインクジェットヘ
ッド１０を制御し、紙９上に画像を印字する。すなわ
ち、本実施の形態においては、インクジェットヘッド１
０が印字手段を構成しており、掃引ローラ５が距離保持
手段を構成している。

【００１５】掃引ローラ５はベルト２１によってエンコ
ーダ２３に掃引ローラ５の回転を伝達する。エンコーダ
２３が回転すると、このエンコーダ２３に均等に設けら
れたスリットの通過速度から速度検出器２５が前記掃引
ローラ５の回転速度を検出し得るように構成されてい
る。

【００１６】次に、本実施の形態の動作を図面を参照し
て説明する。まず、操作者が上述の様なペン型印字装置
１を保持し、紙９に対向させる。この状態を下から見る
と図２に示すように矢印Ａ方向に操作者がおり、図面の
手前側に紙９がおかれ（底面図なので、上下が逆転して
いる）ている状態となる。

【００１７】図示しないＰＣからは、必要に応じて印字
画像データが前記赤外通信機１７を経て出力され、前記
ヘッドコントローラ１１に入力されている。

【００１８】まず操作者は印字を所望する位置にペン型
印字装置１を配置させようとする。この時、インクジェ
ットヘッド１０は掃引ローラ５よりも操作者側に配置さ
れているので、操作者は掃引ローラ５に邪魔されること
なくインクジェットヘッド１０を直接目視でき、正確に
印字を所望する位置の開始位置にインクジェットヘッド
１０を対向させるようにペン型印字装置を配置する事が
できる。

【００１９】次に、操作者は印字を所望する方向に、前
記掃引ローラ５を前記紙９に押し当てたまま当該ペン型
印字装置１を掃引する。この方向は図２中においては矢
印Ｂ方向に相当する。これにより、掃引ローラ５は回転
し、この回転がベルト２１によってエンコーダ２３に伝
達され、このエンコーダ２３が掃引ローラ５の回転を検
出し、それをヘッドコントローラ１１に出力する。該ヘ
ッドコントローラ１１は、掃引ローラ５の速度に合うよ
うに図示しないＰＣより入力された印字画像データに従
うようにインクジェットヘッド１０を制御し、インクタ
ンク１３内のインクを紙９に噴射させ、印字画像を得
る。

【００２０】印字を終了させる場合には、操作者はイン
クジェットヘッド１０の走査方向下流側、すなわち図２
中矢印Ｂ側の紙５を掃引ローラ５に邪魔されることなく
目視できる。これにより、改行すべき紙５上の枠位置、
もしくは残りスペースを直接確認して印字終了位置を決
定し、正確に印字終了位置までインクジェットヘッド１
０を走査してから印字を終了する事ができる。

【００２１】尚、本実施の形態においては、距離保持手
段として掃引ローラ５のみについて説明したが、本発明
はこれに限定される物ではなく、例えば図３及び図４に
示すように掃引ローラ５の横に補助タイヤ３９を設け、
これでペン型印字装置の傾斜角を規定するような構成に
しても良い。この場合には、掃引ローラ５と補助タイヤ
３９の双方が操作者がインクジェットヘッド１０を目視
する際の視線の妨げにならないようにインクジェットヘ
ッド１０に対して操作者とは反対側に配置にしておけば
同一の効果を発揮する物である。

【００２２】また、本実施の形態においてはインクジェ
ットヘッドを採用したが、本発明はこれに限定される物
ではなく、例えば被印字媒体の下側に対向電極を配置す
る事により、トナーを飛翔させる方式の印字ヘッドを採
用しても、又その効果を発揮できる事は既に明白であ
る。更に、筐体３の先端部分３ａを透明な部材にて形成
することにより、インクジェットヘッド１０をより目視
しやすくしてもよい。また、本実施の形態においては、
操作者がペン型印字装置１を手動にて走査するように構
成されているが、掃引ローラ５をモータで回転できるよ
うにして、操作者がペン型印字装置１を軽く持つだけで
ペン型印字装置１が自走する構成にしてもよい。

【００２３】尚、本実施の形態の動作説明において、操
作者が右手でペン型印字装置を保持し、右方向に掃引す
る場合を前提として説明したが、これはほとんどの操作
者がこのようにして操作するであろうという予測に基づ
き、説明を簡単にする為に引例したにすぎず、従って本
発明がこれに限定される物ではない。例えば左手でペン
型印字装置を保持する操作者や左方向に掃引する操作者
用には、その操作上視線を遮らない位置に距離保持手段
を配置する事により本発明はその効果を発揮する事がで
きる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項１記載の小型印字装置によれば、操作者は印字すべ
き画像データを印字する被印字媒体上の位置を直接目視
によって視認できる為、印字位置を正確に制御できると
共に、改行や枠内に納める場合のような印字終了位置を
も正確に制御する事ができるので、正確に所望の印字位
置に印字画像を得る事ができ、枠からはみ出したり、一
文字の途中で改行してしまって判読不能な文字を形成し
てしまうと言った問題を防ぐ効果がある。

【００２５】また、請求項２に記載の小型印字装置によ
れば、距離保持手段に対して印字手段が操作者側に配置
されているので、その都度の目的に応じて操作者が印字
位置周辺を目視するために、視線を移動させたり、のぞ
きこんだりしても、決してその視線を距離保持手段が妨
げることがないので、より正確な印字開始位置及び印字
終了位置の制御が可能になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した一実施の形態の小型印字装
置の全体の構成を示す断面図である。

【図２】上記小型印字装置の要部の構成を示す底面図で
ある。

【図３】本発明を具体化した変形例の小型印字装置の要
部の構成を説明する側面図である。

【図４】上記変形例の小型印字装置の要部の構成を示す
底面図である。

【図５】従来技術を示す小型印字装置の印字データ入力
部の斜視図である。

【図６】従来技術を示す小型印字装置の印字部の要部断
面図である。

【符号の説明】

５ 掃引ローラ １０ インクジェットヘッド ３９ 補助タイヤ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被印字媒体上を走査されることにより、
   入力された画像データを任意の被印字媒体に印字する小
   型印字装置において、 前記入力された印字画像データに基づいて前記被印字媒
   体上に画像を印字する為の印字手段と、 その印字手段と前記被印字媒体上における印字位置との
   間の距離を一定に保つ為の距離保持手段とを備え、 その距離保持手段は、操作者が被印字媒体上の前記印字
   手段による印字位置近傍を確認できるようにその視線を
   妨げない位置に配置されていることを特徴とする小型印
   字装置。
2. 【請求項２】 前記印字手段及び距離保持手段は、前記
   走査方向と直交する方向に並んで配置されると共に印字
   手段は距離保持手段に対して操作者側に配置されている
   ことを特徴とする請求項１記載の小型印字装置。