JPH1035031A - 手動型印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動型印字装置において、記録ヘッドと記録
媒体とのギャップ及び角度を一定に保ち、安定した印字
動作を行う。 【解決手段】 手動型印字装置１において、記録ヘッド
１０、走行ローラ５、突起部６とからなる印字ブロック
４を本体ボディ部１ｂにユニバーサルジョイント８を介
して連結する。これにより、ボディ部１ｂに対して印字
ブロック４は傾動自在となり、ボディ部１ｂがいかなる
方向に傾いても記録媒体Ｐに対する印字ブロック４の姿
勢は保持されるので、記録ヘッド１０と記録媒体Ｐとの
ギャップ及び角度を一定に保ち、安定した印字動作を行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使用者が手で装置
を持ち、用紙等の記録媒体上に所定のパターンの印字を
行うための手動型印字装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、様々な記録媒体に対して所望
の場所に印字を行うための装置として、手動型印字装置
が提案されている。この印字装置による印字は、記録媒
体上で、ユーザが印字装置を任意の速度で手動によって
走査し、記録ヘッドが装置の移動量に応じて記録媒体に
インクの噴射を行うことによって行われる。印字が適切
に行われるためには、記録ヘッドと記録媒体とのギャッ
プ及び角度が一定に保たれていることが必要であり、従
来の印字装置においては、装置の下端に設けられた接触
部と走行ローラにより装置の姿勢を保持することによ
り、記録ヘッドと記録媒体とのギャップ及び角度を一定
に保っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の手動型印字装置においては、装置を常に一
定の姿勢に保ちながら移動させることは困難であり、記
録ヘッドと記録媒体とのギャップ及び角度が一定に保た
れず、安定した印字動作を行うことが困難であった。

【０００４】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、記録ヘッドと記録媒体とのギャ
ップ及び角度が常に一定に保たれ、安定した印字動作を
行うことができる手動型印字装置を提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１に記載の発明に係る手動型印字装置は、記録
媒体上を手動走査されることにより記録媒体上に印字を
行う記録手段を備えた手動型印字装置において、記録手
段を保有した印字ブロックに、装置が記録媒体上に接触
して走行移動するための走行ローラと、記録媒体上に接
触し印字ブロックの姿勢を保持するためのガイド部とが
設けられ、印字ブロックが装置の本体ボディに対して傾
動自在に支持されるものである。

【０００６】上記構成においては、記録手段、走行ロー
ラ、ガイド部等からなる印字ブロックを装置の本体ボデ
ィ部に対して傾動自在に構成したので、本体ボディ部が
多少傾いても、記録媒体Ｐに対する印字ブロックの姿勢
は傾くことなく保持される。これにより、記録手段と記
録媒体とのギャップ及び角度は一定に保たれ、安定した
印字動作を行うことが可能となる。

【０００７】また、請求項２に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１に記載の手動型印字装置であっ
て、上記印字ブロックは本体ボディにユニバーサルジョ
イントによって支持されるものである。

【０００８】上記構成においては、本体ボディ部と印字
ブロックはユニバーサルジョイントによって連結されて
いるため、本体ボディ部が記録媒体に対していかなる方
向に傾いても、本体ボディ部の姿勢に関係なく印字ブロ
ックの記録媒体に対する姿勢を保持させることができ
る。これにより、印字ブロックに保持された記録ヘッド
と記録媒体とのギャップ及び角度をより一定に保ち、よ
り安定した印字動作を行うことができる。

【０００９】また、請求項３に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１に記載の手動型印字装置であっ
て、印字ブロックは、２つの走行ローラと１つのガイド
部の３点にて記録媒体上に接触するものである。

【００１０】上記構成においては、印字ブロックは２つ
の走行ローラと１つのガイド部の３点にて記録媒体上で
支持されるので、印字動作時において、印字ブロックの
姿勢は安定となる。これにより、記録手段と記録媒体と
のギャップ及び角度は一定に保たれるので、安定した印
字動作を行うことができる。

【００１１】また、請求項４に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１に記載の手動型印字装置であっ
て、上記走行ローラの回転量に基づいて印字タイミング
を生成する印字タイミング生成手段を更に備え、記録手
段は印字タイミング生成手段により生成された印字タイ
ミング信号に基づいて印字動作を行うものである。

【００１２】上記構成においては、走行ローラの回転量
から印字タイミング信号を生成し、この印字タイミング
信号に基づいて記録手段が駆動され印字動作を行うの
で、装置の移動速度に関係なく、安定した印字動作を行
うことが可能となる。

【００１３】また、請求項５に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の
手動型印字装置であって、記録手段はインクジェット方
式の記録手段であるものである。

【００１４】上記構成においては、記録手段がインクジ
ェット方式の記録手段であるため、印字リボン等を使用
したワイヤドットの方式の記録手段に対してその構成が
簡単であり、装置全体を小型化でき、さらに、印字をよ
り鮮明に行うことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態に係
る手動型印字装置について図面を参照して説明する。図
１は本発明に係る手動型印字装置の外形図である。図
中、手動型印字装置１のボディ１ｂは角型形状をなし、
ユーザが手で支持しやすいよう構成されている。ボディ
１ｂの上端には外部の装置と印字データ等の各種データ
の送受信を行うための赤外通信用のインターフェイス部
３が設けられている。一方、ボディ１ｂの下端には印字
ブロック４が設けられている。この印字ブロック４は記
録ヘッド（後述）を内蔵しており、さらに、回転可能に
構成された走行ローラ５と、摺動性の良い樹脂等の材料
で構成された突起部（ガイド部）６とを備えている。ま
た、ボディ１ｂには電源のオン・オフを行い、かつ手動
型印字装置１の印字モードを選択するための操作パネル
７が設けられている。

【００１６】そして、ユーザが手でボディ１ｂを支持し
て記録媒体（記録用紙等）Ｐ上を走行ローラ５と突起部
６を抵触させながら図１の矢印方向に走査することによ
って、外部装置等より入力された印字データなどが記録
媒体Ｐ上に印字される。印字の際は、走行ローラ５と突
起部６が印字ブロック４の姿勢を保ち、印字ブロック４
に内蔵された記録ヘッドと記録媒体Ｐとのギャップ及び
角度を一定に保つように構成されており、この走査で走
行ローラ５が回転することによって、記録ヘッドと記録
媒体Ｐとの相対位置が検出され、所定の印字が行われ
る。

【００１７】図２は手動型印字装置１の内部構成を示す
断面図、図３はこの装置１の底面図である。ボディ部１
ｂの下端部には印字ブロック４がユニバーサルジョイン
ト８により支持されている。このユニバーサルジョイン
ト８は固定片８ａと可動片８ｂとからなり、両者は一定
の範囲において軸９を中心として回動自在となってお
り、これにより、ボディ部１ｂに対して印字ブロック４
は傾動自在となる。

【００１８】記録ヘッド１０の先端には複数のノズル１
０ａが設けられ、その幅は、印字領域の印字方向の直角
方向に最大の幅（最大記録幅）で形成されている。突起
部６は記録ヘッド１０の印字方向前方に印字ブロック４
のフレーム４ａと一体的に形成されている。また、走行
ローラ５はフレーム４ａの側部に軸５ａによって回転可
能に支持されている。走行ローラ５が記録媒体Ｐと接触
する部分は、記録ヘッド１０による印字領域の外側に配
置されている。このように、２つの走行ローラ５と突起
部６の３点で記録媒体Ｐに接触するので、印字ブロック
４の姿勢を安定に保持することが可能となる。

【００１９】走行ローラ５の軸５ａには、プーリ１２が
ローラ５の回転に伴い回転するように配置されている。
プーリ１２にはベルト１３が引き回されており、ローラ
５の回転に伴って回転するプーリ１２の回転力をエンコ
ーダ１４の回転円盤１５に伝達するよう構成されてい
る。回転円盤１５には所定の間隔で円周上にスリットが
設けられており、回転円盤１５の回転によってオン・オ
フされるエンコーダ１４のフォトインタラプタ１６によ
って走行ローラ５の回転速度（記録ヘッド１０と記録媒
体Ｐとの相対位置）が電気パルス信号の間隔に変換さ
れ、その信号が後述する制御回路１７に入力される。ま
た、フォトインタラプタ１６は走行ローラ５の回転方向
をも検出するように構成されている。エンコーダ１４の
側部には記録ヘッド１０にインクを供給するためのイン
クタンク１８が設けられている。インクタンク１８から
記録ヘッド１０へのインクの送出はインク供給パイプ１
８ａにより行われる。

【００２０】ボディ１ｂ内の上方には、記録ヘッド１０
による記録動作、フォトインタラプタ１６による検出動
作、さらに、印字データを受信するために設けられたイ
ンターフェイス部３等を制御するための、ＣＰＵ（印字
タイミング生成手段）（後述）等を含む制御回路１７が
配置されている。その側近部には後述する各機能ブロッ
クに電力を供給するための電源１９が配置されている。
電源１９は、乾電池等の小型の電力供給部及びこれらの
電力を安定化する装置等で構成されている。

【００２１】図４は手動型印字装置１の制御系のブロッ
ク図である。手動型印字装置１全体の制御を司るＣＰＵ
２０には、インターフェイス部３を介してホストコンピ
ュータ２１が接続され、また、各機能ブロックを決めら
れたプログラムに沿って制御するための制御プログラム
を記憶したＲＯＭ２２、インターフェイス部３を介して
入力されたホストコンピュータ２１からの印字データを
記憶するためのＲＡＭ２３、及び操作パネル７が接続さ
れている。また、走行ローラ５の回転数，回転速度，回
転方向を計測するエンコーダ１４からのパルスが、速度
検出回路２５，位置検出回路２６に入力され、これらの
回路により手動型印字装置１の速度及び記録媒体Ｐとの
相対的な位置が検出され、この検出信号がＣＰＵ２０に
入力される。

【００２２】ＣＰＵ２０には、手動型印字装置１の速度
の変化等を表示するＬＣＤ（リキッド・クリスタル・デ
ィスプレイ）３１等の表示装置と、印字時間等を計測す
るためのタイマー回路３２が接続されている。さらに、
ＣＰＵ２０はヘッドドライバ３３を介して記録ヘッド１
０を駆動する。

【００２３】以上の構成からなる手動型印字装置１の動
作について説明する。手動型印字装置１は、ＲＯＭ２２
に記憶された予め決められたプログラムに沿って動作さ
れる。印字データの入力は、操作パネル７で印字を行う
モードが選択された場合にＣＰＵ２０によって行われ
る。印字データはホストコンピュータ２１から赤外線信
号によりインタフェース部３を介して入力され、入力さ
れた印字データは一旦ＲＡＭ２３に記憶される。ＣＰＵ
２０は、操作パネル７の操作によって印字開始信号を受
け取ると、印字データがＲＡＭ２３に記憶されているこ
とを確認した後、手動型印字装置１を印字スタンバイ状
態にする。

【００２４】次に、ユーザにより手動型印字装置１が手
動走査させられ、エンコーダ１４の回転円盤１５が回転
したことがＣＰＵ２０によって判断された場合、ローラ
５の回転量に応じて印字データの出力制御が行なわれ、
印字タイミングが生成され、この印字タイミングに基づ
いて、ヘッドドライバ３３を介して記録ヘッド１０が駆
動されることによって記録媒体Ｐ上に印字が行われる。
従って、ボディ１ｂの記録媒体Ｐ上での走行速度が不均
一でも、記録媒体Ｐに対しては常に均一な印字を行うこ
とができる。

【００２５】また、本実施形態に係る手動型印字装置１
においては、ボディ部１ｂと記録ヘッド１０とをユニバ
ーサルジョイント８により連結し、ボディ部１ｂに対し
て印字ブロック４を傾動自在としたので、ボディ部１ｂ
の姿勢がいかなる方向に傾いても、印字ブロック４の記
録媒体Ｐに対する姿勢は保持される。これにより、記録
ヘッド１０と記録媒体Ｐとのギャップ及び角度をより一
定に保ち、より安定した印字動作を行うことができる。

【００２６】なお、本発明は上記実施形態に限られず種
々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、
ボディ部１ｂと印字ブロック４をユニバーサルジョイン
ト８により連結し、これによりボディ部１ｂに対して印
字ブロック４を傾動自在な構成としていたが、ゴムなど
の弾性体によりボディ部１ｂと印字ブロック４を連結す
るものであってもよい。この構成においても、ボディ部
１ｂに対して印字ブロック４は傾動自在となるので、印
字ブロック４に保持された記録ヘッド１０と記録媒体Ｐ
とのギャップ及び角度を一定に保ち、安定した印字動作
を行うことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように請求項１に記載の発明に係
る手動型印字装置によれば、記録ヘッド、走行ローラ、
突起部等の記録媒体と対向又は接触する部位からなる印
字ブロックを装置の本体ボディ部に対して傾動自在に構
成したので、本体ボディ部が傾いても、記録媒体Ｐに対
する印字ブロックの姿勢は傾くことなく一定となる。こ
れにより、記録ヘッドと記録媒体とのギャップ及び角度
は一定に保たれ、安定した印字動作を行うことができ
る。

【００２８】また、請求項２に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、上記効果に加えて、印字ブロックを
ユニバーサルジョイントにより本体ボディ部に連結した
ので、ボディ部が記録媒体に対していかなる方向に傾い
ても、印字ブロックの記録媒体に対する姿勢を保持させ
ることができる。これにより、印字ブロックに保持され
た記録ヘッドと記録媒体とのギャップ及び角度をより一
定に保ち、より安定した印字動作を行うことが可能とな
る。

【００２９】また、請求項３に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、上記効果に加えて、印字ブロックは
２つの走行ローラと１つの突起部の３点にて記録媒体上
で支持されるので、印字ブロックの姿勢を安定に保持さ
せることができる。これにより、本体ボディ部が傾いて
も、記録手段と記録媒体とのギャップ及び角度は一定に
保たれ、安定した印字動作を行うことができる。

【００３０】また、請求項４に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、上記効果に加えて、走行ローラの回
転量から印字タイミング信号を生成し、この印字タイミ
ング信号に基づいて記録ヘッドが駆動され印字動作を行
うので、装置の移動速度に関係なく、安定した印字動作
を行うことができる。

【００３１】また、請求項５に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、上記効果に加えて、記録手段がイン
クジェット方式の記録手段であるため、印字リボン等を
使用したワイヤドットの方式の記録手段に比してその構
成が簡単であり、装置全体を小型化でき、さらに、印字
をより鮮明に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る手動型印字装置の外形図である。

【図２】上記手動型印字装置の内部構成を示す断面図で
ある。

【図３】上記手動型印字装置の底面図である。

【図４】上記手動型印字装置の制御系のブロック図であ
る。

【符号の説明】

１ 手動型印字装置 １ｂ ボディ ４ 印字ブロック ５ 走行ローラ ６ 突起部（ガイド部） ８ ユニバーサルジョイント １０ 記録ヘッド（記録手段） １０ａ ノズル ２０ ＣＰＵ（印字タイミング生成手段） Ｐ 記録媒体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体上を手動走査されることにより
   記録媒体上に印字を行う記録手段を備えた手動型印字装
   置において、 前記記録手段を保有した印字ブロックに、装置が記録媒
   体上に接触して走行移動するための走行ローラと、記録
   媒体上に接触し該印字ブロックの姿勢を保持するための
   ガイド部とが設けられ、 前記印字ブロックが装置の本体ボディに対して傾動自在
   に支持されることを特徴とする手動型印字装置。
2. 【請求項２】 前記印字ブロックは前記本体ボディにユ
   ニバーサルジョイントによって支持されることを特徴と
   する請求項１に記載の手動型印字装置。
3. 【請求項３】 前記印字ブロックは、２つの走行ローラ
   と１つのガイド部の３点にて記録媒体上に接触すること
   を特徴とする請求項１に記載の手動型印字装置。
4. 【請求項４】 前記走行ローラの回転量に基づいて印字
   タイミングを生成する印字タイミング生成手段を更に備
   え、前記記録手段は前記印字タイミング生成手段により
   生成された印字タイミング信号に基づいて印字動作を行
   うことを特徴とする請求項１に記載の手動型印字装置。
5. 【請求項５】 前記記録手段はインクジェット方式の記
   録手段であることを特徴とする請求項１乃至請求項４の
   いずれかに記載の手動型印字装置。