JPH09277612A - 手動型印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドと記録対象物との間隔を適正間隔
に保ちながら、平面上に載置された小物や厚みのある物
体の周辺部等にも印字を行う。 【解決手段】 前ローラ２ａと後ローラ２ｂを支持し、
ボディ１ｂに対して上下移動可能に設けられた支持板１
７と、この支持板１７の上下位置を調整する操作つまみ
１７ａとを装置に組み込む。これにより、使用者が操作
つまみ１７ａを操作することにより、支持板１７をボデ
ィ１ｂに対して任意の位置に上下移動させることができ
るので、平面３０上に載置された小物等の凸部３１や厚
みのある物体３３の周辺部等に印字を行う時にも記録媒
体Ｐと記録ヘッド５との間隔を適正間隔ｈ１に保つこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使用者が手で装置
を持ち、用紙等の記録媒体上に所定のパターンの印字を
行うための手動型印字装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット式の印字装置において、
適切な印字動作を行うためには、紙等の記録媒体と記録
ヘッドとを特定の間隔（以下、適正間隔という）に保つ
必要がある。従来の手動型印字装置においては、装置本
体と一体的に設けられたローラ等によりこの間隔を一定
に保っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の手動型印字装置のローラは、装置本体に対
して固定されているため、記録対象物の形状によって
は、記録ヘッドとの間隔を適正間隔に保つことができな
かった。例えば、平面上に載置された走行ローラの幅よ
りも短い小物に印字を行うときには、十分に記録ヘッド
とこの小物との間隔をとることができないため、印字が
困難であった。また、厚みのある物体の周辺部に印字を
行うときは、左右一方のローラは物体に支持されるが、
もう一方のローラは支持されないため、安定して印字を
行うのは困難であった。本発明は、上述した問題点を解
決するためになされたものであり、記録ヘッドと記録対
象物との間隔を適正間隔に保ちながら、平面上に載置さ
れた小物や厚みのある物体の周辺部等にも印字を行うこ
とができる手動型印字装置を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１に記載の発明に係る手動型印字装置は、記録
媒体上を手動走査されることにより記録媒体上に印字を
行う記録手段を備え、この記録手段が装置本体に取り付
けられてなる手動型印字装置において、記録媒体上にて
装置を手動走査させた時に記録媒体に接触して装置が走
行移動するための走行手段と、走行手段を支持し、装置
本体に対して上下移動可能に設けられた支持手段と、記
録媒体と記録手段との間隔が一定に保たれるように支持
手段の上下位置を調整する調整手段とを備えたものであ
る。この構成においては、使用者が調整手段を操作する
ことにより、走行手段を装置本体に対して任意の位置に
上下移動させることができるので、記録媒体と記録手段
との間隔を適正間隔に保つことができ、それにより、小
物や厚みのある物体の周辺部等にも印字することができ
る。

【０００５】また、請求項２に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１に記載の手動型印字装置であっ
て、走行手段は、装置の手動走査方向に直交する左右方
向に独立に設けられ、かつ、記録手段による記録領域の
外側に配置されているものである。この構成において
は、調整手段を操作することにより、左右それぞれの走
行手段を任意の位置に上下移動させることができ、上記
と同様の作用が得られる。

【０００６】また、請求項３に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項２に記載の手動型印字装置であっ
て、走行手段は、装置の手動走査に連動して回転するロ
ーラにより構成されているものである。この構成におい
ては、ローラが手動走査に連動して回転するので、記録
媒体が凹凸面であってもスムーズに印字動作を行うこと
ができる。

【０００７】また、請求項４に記載の発明に係る手動型
印字装置は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の
手動型印字装置であって、記録手段は、インクジェット
式の記録ヘッドとしたものである。この構成において
は、印字リボン等を使用したワイヤードット方式の記録
手段に対してその構成が簡単であり、装置全体を小型化
できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態に係
る手動型印字装置について図面を参照して説明する。図
１は本発明に係る手動型印字装置の使用状態を示す斜視
図である。図中、手動型印字装置１のボディ１ｂは角型
形状をなし、ユーザが手で支持しやすいよう構成されて
いる。そのボディ１ｂの下端には前ローラ２ａと後ロー
ラ２ｂが回転可能に設けられている。ボディ１ｂには電
源のオン・オフを行い、かつ手動型印字装置１の印字モ
ードを選択するための操作スイッチなどが配された操作
パネル４が設けられている。また、ボディ１ｂには、外
部装置から印字データ等を入力するためのケーブル３が
設けられている。

【０００９】そして、ユーザが手でボディ１ｂを支持し
て記録媒体（記録用紙等）Ｐ上に前ローラ２ａと後ロー
ラ２ｂとを接触させながら図１の矢印方向に手動走査す
ることによって、外部装置等より入力された印字データ
等を記録媒体Ｐ上に印字する。印字の際は、前ローラ２
ａと後ローラ２ｂがボディ１ｂの姿勢を保ち、記録ヘッ
ド（後述）と記録媒体Ｐとの位置を一定の位置に保つよ
うに構成され、上記手動走査でローラ２が回転すること
によって、記録ヘッドと記録媒体Ｐとの相対位置が検出
され、所定の印字が行われる。

【００１０】図２は手動型印字装置１の記録媒体Ｐとの
接触面近傍の内部構成を示す断面図、図３は同要部の側
断面図、図４は同要部の側面図である。ボディ１ｂの下
端には前ローラ２ａ及び後ローラ２ｂが軸７ａ，７ｂを
中心として回転自在に設けられている。前ローラ２ａの
軸７ａには、プーリ９が前ローラ２ａの回転に伴い回転
するように配置され、このプーリ９にはベルト１０が引
き回されており、前ローラ２ａの回転に伴って回転する
プーリ９の回転力をエンコーダ１１の回転円盤１２に伝
達するよう構成されている。回転円盤１２には所定の間
隔で円周上にスリットが設けられており、回転円盤１２
の回転によってオン・オフされるエンコーダ１１のフォ
トセンサ１３によって前ローラ２ａの回転速度（記録ヘ
ッドと記録媒体Ｐとの相対位置）が電気パルス信号の間
隔に変換され、その信号が後述する制御部１４に入力さ
れる。また、フォトセンサ１３は前ローラ２ａの回転方
向をも検出するように構成されている。前ローラ２ａの
印字方向後方には記録ヘッド５（記録手段）が配置され
ている。記録ヘッド５の上方には記録ヘッド５にインク
を供給するためのインクタンク８と記録ヘッド５による
記録動作、フォトセンサ１３による検出動作、さらに、
印字データを受信するために設けられたインターフェイ
ス部等を制御するためのＣＰＵ１６（後述）などを含む
制御部１４が配置されている。制御部１４から記録ヘッ
ド５への印字制御信号はフレキシブルプリント基板（Ｆ
ＰＣ）１５を介して伝達される。

【００１１】また、前ローラ２ａ、後ローラ２ｂ等を支
持する支持板１７（支持手段）が、装置１の印字方向
（走査方向）に直交する左右方向の両側に設けられてい
る。この支持板１７は左右独立となっており、使用者の
ボディ１ｂの左右両側面に設けられた操作つまみ１７ａ
（調整手段）の操作に応じて上下に動くようになってい
る。この操作つまみ１７ａはボディ１ｂに設けられた長
孔１８中を上下に移動可能で、所定の位置で停止される
ようにロック機構を備えている。また、長孔１８の近傍
には目盛り１９が刻まれている。これら支持板１７、操
作つまみ１７ａ等により調整装置が構成されている。な
お、図３及び図４は支持板１７及び操作つまみ１７ａが
最大上部にあり、記録ヘッド５から記録媒体Ｐまでの間
隔ｈ１が適正間隔にある状態（以下、初期状態という）
を示している。

【００１２】図５はボディ１ｂの底面図である。記録ヘ
ッド５の先端には複数のノズル５ａが設けられ、その幅
は、印字領域の印字方向の直角方向に最大幅（最大記録
幅）で形成されている。前ローラ２ａは記録ヘッド５の
印字方向前方に、後ローラ２ｂは記録ヘッド５の印字方
向後方に配置されている。これら前ローラ２ａ及び後ロ
ーラ２ｂが記録媒体Ｐと接触する部分は、記録ヘッド５
による印字領域の外側に配置されている。

【００１３】図６は手動型印字装置１の制御系のブロッ
ク図である。手動型印字装置１全体の制御を司るＣＰＵ
（制御手段）１６には、インターフェイス部２０を介し
てホストコンピュータ２１が接続され、また、各機能ブ
ロックを決められたプログラムに沿って制御するための
制御プログラムを記憶したＲＯＭ２２、インターフェイ
ス部２０を介して入力されたホストコンピュータ２１か
らの印字データを記録するためのＲＡＭ２３、及び上記
操作スイッチ等で構成される操作パネル４が接続されて
いる。また、前ローラ２ａの回転速度、回転方向を計測
するエンコーダ１１からのパルス信号がＣＰＵ１６に入
力される。ＣＰＵ１６はこれらの信号に基づいてヘッド
ドライバ２５を介して記録ヘッド５を駆動する。

【００１４】以上の構成からなる手動型印字装置１の印
字動作について説明する。手動型印字装置１は、ＲＯＭ
２２に記憶された予め決められたプログラムに沿って動
作される。印字データの入力は、操作パネル４のスイッ
チ操作で印字を行うモードが選択された場合にＣＰＵ１
６により行われる。印字データはホストコンピュータ２
１からインタフェース部２０を介して入力され、入力さ
れた印字データは一旦ＲＡＭ２３に記憶される。ＣＰＵ
１６は、操作パネル４のスイッチ操作によって印字開始
信号を受け取ると、印字データがＲＡＭ２３に記憶され
ていることを確認した後、手動型印字装置１を印字スタ
ンバイ状態にする。

【００１５】このとき、ＣＰＵ１６によってエンコーダ
１１の回転円盤１２が回転したか否かが判断され、回転
円盤１２が回転したことが判断された場合、前ローラ２
ａの回転量に合わせて印字データの出力制御を行い、記
録ヘッド５を駆動することによって記録媒体Ｐ上に印字
が行われる。印字データの出力制御は、ＣＰＵ１６が前
ローラ２ａの回転量に応じて制御する。従って、ボディ
１ｂの記録媒体Ｐ上の走査速度が不均一でも、記録媒体
Ｐに対して常に所定の印字を行うことができる。

【００１６】次に上記構成でなる手動型印字装置１の調
整装置の動作について、図７（ａ），（ｂ）を参照して
説明する。同図（ａ）のように、平面３０上に載置され
た小物等の凸部３１に印字を行う時には、使用者は装置
１の使用に先立って凸部３１の印字面の平面３０からの
高さｈ２を測定し、これと同距離だけ左右それぞれの操
作つまみ１７ｂを初期状態から下げる。これにより、支
持板１７がボディ１ｂに対して突出し、ボディ１ｂは初
期状態よりも凸部３１の高さｈ２分だけ高くなるので、
記録ヘッド５と凸部３１との間隔は適正間隔ｈ１とな
り、安定して印字を行うことができる。

【００１７】また、同図（ｂ）のように、平面３０上に
載置された物体３３の周辺部に印字を行う時には、使用
者は装置１の使用に先立って、物体３３の厚みｈ３を測
定し、これと同距離だけ左右一方の操作つまみ１７ａを
初期状態から下げ、支持板１７をボディ１ｂに対して突
出させる。図中においては右側の操作つまみ１７ａを下
げている。これにより、記録ヘッド５と物体３３との間
隔は適正間隔ｈ１に保たれ、しかも、右側のローラ２
ａ，２ｂは平面３０に支持され、左側のローラ２ａ，２
ｂは物体３３に支持されるので、安定して印字を行うこ
とができる。

【００１８】なお、本発明は上記実施例構成に限られず
種々の変形が可能である。例えば、ボディ１ｂの左右側
板間の所定高さ位置にアームブリッジ部材を架けわた
し、これを平面上に突出した物体の凸部等に当てて、ロ
ーラが平面上に接地するするまで操作つまみ、すなわち
支持板を下げるようにしたものであってもよい。また、
左右ローラが突出方向に付勢されていて、装置本体を押
し下げると、ローラの支持板が所定の高さに設けられた
ストッパ位置まで引込むようにしたものであっても構わ
ない。

【００１９】

【発明の効果】以上のように請求項１の記載の発明に係
る手動型印字装置によれば、調整手段を操作して調整す
ることにより、走行手段を装置本体に対して任意の位置
に上下移動させることができる。このため、記録媒体と
記録手段との間隔を適正間隔に保つことができ、平面上
に載置された、左右の走行手段よりも幅の小さいような
物体に対しても印字を行うことができる。

【００２０】また、請求項２に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、調整手段を操作して調整することに
より、左右それぞれの走行手段を任意の位置に上下移動
させることができる。このため、記録媒体と記録手段と
の間隔を適正間隔に保つことができ、厚物の周辺部に対
しても印字を行うことができる。

【００２１】また、請求項３に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、手動走査に連動して回転するローラ
を備えたため、凹凸のあるような物体表面に対してもス
ムーズに印字を行うことができる。

【００２２】また、請求項４に記載の発明に係る手動型
印字装置によれば、インクジェット式の記録手段を用い
ているので、印字リボン等を使用したワイヤードット方
式の記録手段よりもその構成が簡単であり、装置全体を
小型化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る手動型印字装置の
使用状態を示す斜視図である。

【図２】手動型印字装置の内部構成を示す断面図であ
る。

【図３】手動型印字装置の内部構成の要部を示す側断面
図である。

【図４】手動型印字装置の側面図である。

【図５】手動型印字装置の底面図である。

【図６】手動型印字装置の制御系のブロック図である。

【図７】（ａ），（ｂ）は手動型印字装置における調整
装置の動作を示す図である。

【符号の説明】

１ 手動型印字装置 ２ａ 前ローラ（走行手段） ２ｂ 後ローラ（走行手段） ５ 記録ヘッド（記録手段） １７ 支持板（支持手段） １７ａ 操作つまみ（調整手段） Ｐ 記録媒体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体上を手動走査されることにより
   記録媒体上に印字を行う記録手段を備え、この記録手段
   が装置本体に取り付けられてなる手動型印字装置におい
   て、 前記記録媒体上にて装置を手動走査させた時に該記録媒
   体に接触して装置が走行移動するための走行手段と、 前記走行手段を支持し、装置本体に対して上下移動可能
   に設けられた支持手段と、 前記記録媒体と前記記録手段との間隔が一定に保たれる
   ように前記支持手段の上下位置を調整する調整手段とを
   備えたことを特徴とする手動型印字装置。
2. 【請求項２】 前記走行手段は、装置の手動走査方向に
   直交する左右方向に独立に設けられ、かつ、前記記録手
   段による記録領域の外側に配置されていることを特徴と
   する請求項１に記載の手動型印字装置。
3. 【請求項３】 前記走行手段は、装置の手動走査に連動
   して回転するローラにより構成されていることを特徴と
   する請求項２に記載の手動型印字装置。
4. 【請求項４】 前記記録手段は、インクジェット式の記
   録ヘッドであることを特徴とする請求項１乃至請求項３
   のいずれかに記載の手動型印字装置。