JPH09150554A - 小型印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に印字される位置を直接目視によって確
認し得る構成とする事により、操作者が印字を所望する
位置に正確な印字を実現し得る小型印字装置を提供する 【解決手段】 入力された印字画像データに従って、イ
ンクジェットヘッド１０が紙９上にインクを噴射するこ
とにより印字する構成であり、操作者が小型印字装置１
を紙９上で走査する際、掃引ローラ５ａ、５ｂによって
筐体３はその軸線が紙９に対して傾斜するよう保持さ
れ、インクジェットヘッド１０は筐体３の軸線に対して
傾斜してインクを噴射するように配置されているため、
操作者は実際に印字される位置を直接目視によって確認
し得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、小型印字装置に関
し、特に装置本体には印字媒体の搬送手段を持たずに装
置本体を印字媒体上で走査することにより印字を行う小
型印字装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、小型印字装置、特に印字装置本体
には紙の搬送手段を持たず、操作者が手動的にその位置
を決め、その位置に印字する小型印字装置には、以下の
ような技術が用いられていた。

【０００３】図３は小型印字装置の印字データ入力部分
を示す斜視図であり、図４は小型印字装置の印字部分を
示す要部断面図である。操作者は印字データ入力部１０
０の前面に設けられたひらがなキー１０２、及び変換キ
ー１０４を用い、同じく前記印字データ入力装置１００
の前面に設けられた液晶表示装置１０６上で確認しなが
ら印字すべき文章を入力する。入力された文章は内部に
設けられた図示しないＣＰＵによって印字画像データに
変換され、印字部１１０に設けられたヘッドコントロー
ラ１１２に伝達される。

【０００４】次に操作者は該小型印字装置の印字面、す
なわち図中下面を紙１１４上の印字を所望する位置の近
傍に対向させて保持する。小型印字装置の側面の下面近
傍には、操作者側に印字位置を示す側面ドット１１６が
一点と、走査方向後側の面に印字範囲を示す後面ドット
１１８が二点配置されている。操作者は、操作者側の側
面と、走査方向後側の側面を交互に確認し、側面ドット
１１６と後面ドット１１８とによって示される印字位置
を想定し、これを所望の印字位置に合うように位置決め
し、その位置で小型印字装置１００を紙１１４に押し当
て、図３中矢印方向に走査する。すると、右ローラ１２
０と左ローラ１２２が回転し、該両ローラの中間部に支
持されたインクジェットヘッド１２４が前記ヘッドコン
トローラ１１２によって制御され、該インクジェットヘ
ッド１２４からインクが噴射され前記印字画像データが
紙１１４上に印字される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これで
は実際に印字される位置を目視に依って確認できる訳で
はなく、側面に設けられたドットの位置から想定するに
過ぎない為、正確に想定する事は困難であった。その
為、正確な所望位置に印字する事が困難で、印字された
画像の位置がずれてしまったり、傾いてしまったりする
という問題点があった。

【０００６】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、実際に印字される位置を直接目
視によって確認し得る構成とする事により、操作者が印
字を所望する位置に正確な印字を実現し得る小型印字装
置を提供する事を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１記載の小型印字装置は、印字媒体上を走査
されることにより、印字媒体上の任意の位置に印字する
小型印字装置において、画像を印字するために印字媒体
上に現像剤を噴射すると共に、その現像剤の噴射方向が
印字媒体に対して傾斜するように装置本体に配置されて
いる印字手段を備えている。よって、この小型印字装置
によれば、印字される位置を操作者が目視によって確認
できるため、正確な位置に印字をすることができる。

【０００８】また、請求項２記載の小型印字装置は、印
字手段がその噴射方向が傾斜するように装置本体に対し
て傾斜して配置されている。

【０００９】そして、請求項３記載の小型印字装置は、
印字手段と装置本体との間の傾斜角が４５°以下の範囲
である。よって、操作者が保持した装置本体の延長上の
印字媒体上の位置よりも、印字手段を４５°以下の範囲
で傾斜させた角度に応じた距離だけ走査方向と反対方向
に印字位置がシフトする。

【００１０】更に、請求項４記載の小型印字装置は、装
置本体が印字媒体に対して傾斜して保持されるように、
装置本体を支持する支持手段を備えている。

【００１１】また、請求項５記載の小型印字装置は、装
置本体と印字媒体とのなす傾斜角よりも、印字手段によ
る噴射方向と印字媒体とのなす角が小さくなるように、
印字手段が装置本体に対して傾斜して配置されている。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１３】図１は主要部拡大斜視図であり、図２は全
体の構成を示す断面図である。小型印字装置１の装置本
体としての筐体３の先端には掃引ローラ５ａ、５ｂが回
転軸７ａ、７ｂを中心として回転可能に支持されてい
る。今、掃引ローラ５ａ、５ｂが印字媒体である紙９に
やや押し当てられた状態となる様に、筐体３が操作者に
保持されている。従って、掃引ローラ５ａ、５ｂの両方
が紙９に接触させると、筐体３の軸線は約４５゜だけ傾
斜した状態となるため、これら掃引ローラ５ａ、５ｂが
本発明の支持手段を構成している。

【００１４】また、筐体３の先端には印字手段としての
インクジェットヘッド１０が、紙９にノズルが対向する
ように筐体３に支持されており、そのノズルから紙９に
向かって現像剤としてのインクを噴射するように構成さ
れている。また、このインクジェットヘッド１０は、そ
のインクの噴射方向が筐体３の軸線に対して、図２中左
方向へ約２５°左へ傾斜するように配置されている。

【００１５】筐体３内には、他にヘッドコントローラ１
１、インクタンク１３、赤外通信制御回路１５、赤外通
信機１７が、各々図２に示すように配置されている。赤
外通信機１７は、外部の図示しないＰＣ（パーソナルコ
ンピュータ）との間で赤外線通信を行う。このＰＣは操
作者が印字すべき内容を編集したりする為の物で、印字
すべき内容は赤外通信制御回路１５を経てヘッドコント
ローラ１１に伝達される。ヘッドコントローラ１１は、
伝達された印字すべき内容に従う様にインクジェットヘ
ッド１０を制御し、紙９上に画像を印字する。

【００１６】掃引ローラ５ａはベルト２１によってエン
コーダ２３に掃引ローラ５ａの回転を伝達する。エンコ
ーダ２３が回転すると、このエンコーダ２３に均等に設
けられたスリットの通過速度から速度検出器２５が前記
掃引ローラ５の回転速度を検出し得るように構成されて
いる。

【００１７】次に、本実施の形態の動作を図面を参照し
て説明する。まず、操作者が上述の様な小型印字装置１
を保持し、図１に示すように紙９に対向させる。この
時、小型印字装置の筐体３０と紙９のなす角は掃引ロー
ラ５ａ、５ｂによって決定される。インクジェットヘッ
ド１０は、そのインクの噴射方向が筐体３０と紙９との
なす傾斜角よりもさらに２５°傾いた状態で筐体３０に
保持されている。

【００１８】図示しないＰＣからは、必要に応じて印字
画像データが前記赤外通信機１７を経て出力され、前記
ヘッドコントローラ１１に入力されている。

【００１９】まず、操作者は印字を所望する位置に小型
印字装置１を配置させようとする。操作者は、通常右手
に小型印字装置１を保持し、まるでペンで文字を書くよ
うに操作する事が予想される。この時小型印字装置１は
図２に示すように紙９に対して右側に傾いて保持され
る。インクジェットヘッド１０はさらに右に傾いた角度
になるように配置されている為、この状態では操作者は
インクジェットヘッド１０を直接目視でき、又そのイン
クジェットヘッド１０と紙９のなす角も視認する事が出
来るので、正確に印字を所望する位置の開始位置にイン
クジェットヘッド１０を対向させるようにペン型印字装
置１を紙９上に配置する事ができる。

【００２０】次に、操作者は印字を所望する方向に、前
記掃引ローラ５を前記紙９に押し当てたまま当該小型印
字装置１を走査する。この走査方向は図１、及び図２中
においては矢印Ａ方向に相当する。これにより、掃引ロ
ーラ５ａは回転し、この回転がベルト２１によってエン
コーダ２３に伝達され、このエンコーダ２３が掃引ロー
ラ５ａの回転を検出し、それをヘッドコントローラ１１
に出力する。該ヘッドコントローラ１１は、掃引ローラ
５ａの速度に合うように図示しないＰＣより入力された
印字画像データに従うようにインクジェットヘッド１０
を制御し、インクタンク１３内のインクを紙９に噴射さ
せ、印字画像を得る。

【００２１】操作者から見て、筐体３０の軸線と紙９と
のなす傾斜角よりもさらにインクジェットヘッド１０が
２５°余分に傾いている為に、作業者は印字位置のみな
らず印字位置の走査方向の反対側、すなわち図１、もし
くは図２中の左側だけでなく、印字位置から走査方向の
これから印字が行われる部分も直接視認する事が出来
る。

【００２２】印字を終了させる場合には、操作者はイン
クジェットヘッド１０の前側、すなわち図２中矢印Ａ側
の紙９を目視する。これにより、改行すべき紙９上の枠
位置、もしくは残りスペースを直接確認して印字終了位
置を決定し、正確に印字終了位置までインクジェットヘ
ッド１０を走査してから印字を終了させる事ができる。

【００２３】尚、本実施の形態においては、筐体３とイ
ンクジェットヘッド１０とのなす角を２５°として説明
したが、本発明はこれに限定される物ではなく、例えば
４５°以下の範囲であれば、操作者が小型印字装置１を
保持した角度によっても、インクジェットヘッド１０か
らの印字媒体の噴流が被印字媒体上に良好な画像を印字
出来得る範囲内であるので、本発明はその効果を発揮す
るものである。また、本実施の形態においては印字手段
としてインクジェットヘッドを採用したが、本発明はこ
れに限定される物ではなく、例えば印字媒体の下側に対
向電極を配置する事により、トナーを紙９に向かって飛
翔させる方式の印字ヘッドを採用しても、その効果を発
揮できる事は既に明白である。

【００２４】尚、本実施の形態の動作説明において、操
作者が右手でペン型印字装置を保持し、右方向に走査す
る場合を前提として説明したが、これはほとんどの操作
者がこのようにして操作するであろうという予測に基づ
き、説明を簡単にする為に引例したにすぎず、従って本
発明がこれに限定される物ではない。例えば左手でペン
型印字装置を保持する操作者や左方向に走査する操作者
用には、その操作上視線を遮らない方向に印字手段が傾
斜して配置されている事により本発明はその効果を発揮
する事ができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項１記載の小型印字装置では、印字手段による現像剤
の噴射方向が印字媒体に対して傾斜するように構成され
ているため、操作者は実際に印字される位置を直接目視
によって確認し得ることができる。この為、操作者が所
望する位置に正確に印字出来、位置ずれや傾きなどの発
生を防止する効果があると共に、枠内に文字を納める場
合や、適当な位置で改行させたい場合などにも、残りス
ペースを直接目視により確認出来る為、改行位置がずれ
たり、はみ出したり、一文字の途中で改行して判読困難
な文字を形成する事を防止する効果もある。

【００２６】また、請求項２記載の小型印字装置では、
装置本体に印字手段を傾斜して配置するように構成した
ことから、簡単な構成で現像剤を印字媒体に対して傾斜
して噴射させることができる。

【００２７】そして、請求項３記載の小型印字装置で
は、印字手段と装置本体との間の傾斜角を４５゜以下に
したため、操作者はより確実に実際に印字される位置を
直接目視によって確認し得ることができる。

【００２８】更に、請求項４記載の小型印字装置では、
支持手段が装置本体を印字媒体に対して傾斜して保持す
るため、印字位置が安定して、良好な印字品質を保証出
来るという効果がある。

【００２９】また、請求項５記載の小型印字装置では、
印字媒体に対して装置本体を傾斜させると共に装置本体
に対して印字手段を傾斜させることにより、印字媒体に
対して印字手段をより傾斜させることができるため、操
作者はより確実に実際に印字される位置を直接目視によ
って確認し得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の小型印字装置の主要部
拡大斜視図である。

【図２】上記小型印字装置の内部構成を示す断面図であ
る。

【図３】従来技術を示す小型印字装置の印字データ入力
部の斜視図である。

【図４】従来技術を示す小型印字装置の印字部の要部断
面図である。

【符号の説明】

１ 小型印字装置 ３ 筐体 ５ａ 掃引ローラ ５ｂ 掃引ローラ １０ インクジェットヘッド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字媒体上を走査されることにより、印
   字媒体上の任意の位置に印字する小型印字装置におい
   て、 画像を印字するために前記印字媒体上に現像剤を噴射す
   ると共に、その現像剤の噴射方向が印字媒体に対して傾
   斜するように装置本体に配置されている印字手段を備え
   ていることを特徴とする小型印字装置。
2. 【請求項２】 前記印字手段は、前記噴射方向が傾斜す
   るように前記装置本体に対して傾斜して配置されている
   ことを特徴とする請求項１記載の小型印字装置。
3. 【請求項３】 前記印字手段と前記装置本体との間の傾
   斜角は４５°以下の範囲であることを特徴とする請求項
   ２記載の小型印字装置。
4. 【請求項４】 前記装置本体が前記印字媒体に対して傾
   斜して保持されるように、装置本体を支持する支持手段
   を備えていることを特徴とする請求項１記載の小型印字
   装置。
5. 【請求項５】 前記装置本体と前記印字媒体とのなす傾
   斜角よりも、前記印字手段による噴射方向と印字媒体と
   のなす角が小さくなるように、印字手段が装置本体に対
   して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項４
   記載の小型印字装置。