JPH09147524A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ケーシング内に２つのリールが同軸に配設され
るとともに、リールブレーキ構造が内蔵され、かつ製造
が容易で製造コストが廉価にできる磁気テープカートリ
ッジを提供する。 【解決手段】第１リール５と第２リール７とが回転中心
を同じにするように配置されている。また、第２巻取軸
７Ａに設けられた板体２９には、ケーシング３に設けら
れた可動片部３１が当接されて、第２リールが常時ケー
シング３の内側壁３Ａ方向へ付勢されている。そして、
ケーシング３の内側壁３Ａには、歯状の係合突起３Ｂが
一体に形成されるとともに、係合突起３Ｂに対向させ
て、フランジ部２３には、係合突起３Ｂが係合される係
合凹部５Ｂが形成されており、二つのリールは平易な構
成により同時係止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープカートリ
ッジに関し、特に、例えば、大型汎用コンピュータの外
部メモリーとしての使用に好適な磁気テープカートリッ
ジに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、大型汎用コンピュータの外部メ
モリーとしては、磁気テープが使用されており、その磁
気テープは、略正方形の箱状ケーシング内のリール軸に
一方端部が固定され、そのリール軸に巻回させて収納さ
れたカートリッジとしてコンピュータ（以下、ハードと
称する）に装填されるものがある。

【０００３】このカートリッジはハードに装填される
と、磁気テープの他方端部を保持したブロック状の保持
部材が、ハード側に設けられた機構により挟持され、磁
気テープはケーシング内から引き出されてハード内に設
けられた磁気テープ搬送路に沿ってローディングされ、
その搬送路には、情報が記録される記録ヘッドや、記録
された情報が読み取られる再生ヘッドなどが配設され、
磁気テープの他方端部はハード内のリールに巻き取られ
る。このカートリッジはケーシングの幅がリール径より
も僅かに大きく略正方形のもので、全体として比較的コ
ンパクトに構成されたものである。しかし、ハード側
の、磁気テープ搬送機構等が複雑になるとともに、磁気
テープの他方端部が巻き取られるリールが必要であるた
め、ハードの構成が複雑になるなどの弊害がある。

【０００４】一方、２つのリールがカートリッジに収納
された磁気テープカートリッジがある。この場合、例え
ばＶＨＳ方式のビデオカセットのように、２つのリール
が、それらの径方向で所定の間隔を介して別個のリール
軸を有する構成である。このような２つのリールが回転
自在に設けられた構成は、磁気テープをカートリッジか
ら引き出すことなく磁気ヘッドに接触させることができ
ることから、ハードの構成を平易にできる特徴をもって
いるが、このような２つリールを横に並べた構成では、
上記の１つリールタイプの磁気テープカートリッジより
もケーシングの幅が長くなり、ケーシング全体が大きく
なるという欠点を持っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような状況下にお
いて、２つのリールを同軸上に配設し、ケーシングの幅
がリール径よりも僅かに大きい、上記のカートリッジの
ごとくコンパクトな形状の磁気テープカートリッジも考
えられる。しかしながら、２つのリールを同軸に配設す
る構成を採用すると、例えば、カートリッジを大きくす
ることなく狭いスペースで各リールをどのように同時に
係止したらよいのか、といった解決しなければならない
課題がいくつか生じる。

【０００６】本発明の目的は、従来の略正方形のケーシ
ングと略同一の外径寸法に形成されたケーシング内に２
つのリールが同軸に配設されるとともに、２つのリール
を同時の係止可能なリールブレーキ構造が内蔵され、製
造コストが廉価で、かつ製造が容易な磁気テープカート
リッジを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、磁
気テープの一方端部が固定されるとともに、該磁気テー
プを巻き取る第１巻取軸を有する第１リールと、前記磁
気テープの他方端部が固定されるとともに、該磁気テー
プを巻き取る第２巻取軸を有し、前記第１リールと同軸
回転位置になる姿勢で配設された第２リールと、前記第
１リールと前記第２リールとをリール厚み方向に重ね合
わせるように収納するケーシングと、前記ケーシングの
内側壁に設けられ、前記第１リールとの対向面に係合し
て該第１リールを係止する係合手段と、前記第２リール
を前記第１リール共に前記内側壁方向へ付勢するリール
付勢手段）と、を備えたことを特徴とする磁気テープカ
ートリッジによって達成することができる。また、本発
明の実施の形態として、前記ケーシングの内側壁と前記
第１リールとが歯合若しくは摩擦係合可能に構成し、ま
た、前記第１リールと前記第２リールとが歯合若しくは
摩擦係合可能に構成することができる。

【０００８】本発明に係る磁気テープカートリッジで
は、第１リールと第２リールとが、同軸となる位置に配
置されて、リール付勢手段によりケーシング内側壁方向
へ付勢されており、第１リールはケーシング内側壁に設
けられた係合手段により係合可能に構成されていること
で、第１リールはケーシング内側壁により係止されると
共に、第２リールと第１リールによって係止される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気テープカ
ートリッジの好適な第１の実施の形態を図面に基づいて
説明する。なお、図１は、磁気テープカートリッジの裏
面側からみた全体図であり、リールについては図２にお
けるII矢視が示されている。図２はリールの斜視図であ
り、図３は図１におけるＩ−Ｉ線断面図が示されてい
る。図１および図２から理解されるように、磁気テープ
カートリッジ１は、合成樹脂等で形成された箱状のケー
シング３内に、各々合成樹脂等で形成された第１リール
５と第２リール７とが同軸となる姿勢（図３参照）で収
容されており、第１リール５の中心軸位置には、第２リ
ール７に形成された円柱状ボス部９が挿通される貫通孔
１１が形成されている。

【００１０】また、ボス部９の突出端部には、ハード内
のマグネット（図示せず）とによる磁着チャッキングに
使用される円盤状の金属板１３が接着剤やモールド成形
等により固定されているとともに、その金属板１３の周
囲には、ハード内の駆動部（図示せず）により第２リー
ル７を回転駆動させるための歯部１５が周回させて形成
されている。一方、貫通孔１１が歯部１５と対向する側
の辺縁部分には、ハード側の駆動部により第１リール５
を回転駆動させるための歯部１７が円形に並んで形成さ
れているとともに、その歯部１７の周囲には、ハード内
のマグネットによる磁着チャッキングに使用されるリン
グ状の金属板１９が前記金属板１３と同様に接着剤やモ
ールド成形等で固定されている。

【００１１】そして、図３にのＩ−Ｉ線断面図に示すよ
うに、貫通孔１１を形成している部分は磁気テープ（図
示せず）が巻き取られる芯部分となる第１巻取軸５Ａと
されており、この第１巻取軸５Ａは円筒状に形成される
とともに、その外周側面には、互いに所定の間隔（磁気
テープの幅より幾分大きくなる程度）を介して平行とな
る１対の円盤状フランジ部２１、２３が第１巻取軸５Ａ
の上下端部分に設けられている。

【００１２】一方、第２リール７には、ボス部９の突出
基部側に、第１巻取軸５Ａと同一の外径を有する円筒状
の第２巻取軸７Ａが一体に形成されており、第２巻取軸
７Ａには、円盤状フランジ部２１とフランジ部２３との
間隔と略同一の間隔を介して平行となるように円盤状フ
ランジ部２５、２７が設けられている。

【００１３】また、第２リール７の第２巻取軸７Ａに
は、例えばダイヤフラム形状の板体２９等からなるリー
ル上端部が形成されており、この板体２９には、ケーシ
ング３に設けられた可動片部３１が当接されており、可
動片部３１は、ケーシング３に設けられたコイルバネ収
容部３３内のコイルバネ３５により、常時板体２９方向
へ付勢されている。これにより、第２リール７と第１リ
ール５は、ケーシング３の他方の内側壁３Ａ方向へ常時
付勢されている（リール付勢手段）。なお、コイルバネ
３５は、磁気テープカートリッジ１がハードに装填され
た場合に、第２リール７をハード側の駆動手段に押しつ
ける作用を有しており、これによって、第２リール７の
適正な姿勢ならびに安定した回転が得られるという機能
をも有する。

【００１４】ここで、ケーシング３の内側壁３Ａには、
歯状の係合突起（第１歯部）３Ｂが一体に形成されると
ともに、フランジ部２３の係合突起３Ｂに対向する位置
には、係合突起３Ｂに対応して歯合可能構成、例えば凹
状の係合凹部（第２歯部）５Ｂが形成されている。ま
た、第１リール５のフランジ部２１と第２リール７のフ
ランジ部２７の対向面位置には、各々歯部５Ｃ、７Ｂが
形成され、それらの歯部５Ｃ、７Ｂは、互いに噛合可能
に構成されている。

【００１５】以上の構成により、磁気テープカートリッ
ジ１がハードから取り出されている場合には、コイルバ
ネ３５の付勢力により、第１リール５と第２リール７は
当接され、第１リール５は内側壁３Ａにも当接される。
従って、歯部７Ｂと歯部５Ｃとが噛合されるとともに、
係合凹部５Ｂと係合突起３Ｂとが係合されるので、第１
リール５と第２リール７の回転が規制されてリールブレ
ーキが掛かった状態となる（図３の状態）。

【００１６】一方、磁気テープカートリッジ１がハード
に装填されると、ハード内の機構によりコイルバネ３５
の付勢力に抗して第２リールが持ち上げられ、図４に示
すように第１リールと第２リールとが離間して、歯部７
Ｂと歯部５Ｃとの噛合が解除されるとともに、係合凹部
５Ｂと係合突起３Ｂとの係合が解除されれるので、第１
リール５と第２リール７は回転自在となり、回転駆動さ
れる状態になる（図４の状態）。

【００１７】以上の説明したように、この実施の形態で
は、第１リール５と第２リール７とが、同軸となる位置
に配置されて、コイルバネ３５の付勢力により歯部７Ｂ
と歯部５Ｃとが噛合され、かつ係合凹部５Ｂと係合突起
３Ｂとが係合されるので、従来の１つリールのものと略
同一の外径寸法とされたケーシング３内に第１リール５
と第２リール７とが収容されるとともに、特に、巻き取
られた磁気テープの緩みを防止できる機能を有するリー
ルブレーキが内蔵した磁気テープカートリッジの構成が
可能となる。

【００１８】また、係合凹部５Ｂと係合突起３Ｂとが係
合される構成により、リールブレーキとしての機能が確
実に発揮されるとともに、各部品に対して高精度が要求
されような動きのある動作部材が不要であるので、製造
が容易で、かつ製造コストを廉価にすることが可能とな
る。

【００１９】次に、本発明に係る磁気テープカートリッ
ジの好適な第２の実施の形態について説明する。なお、
図５および図６において、図４の部材と同一部材には同
一符号を付し、その説明は一部省略する。図５から理解
されるように、この実施の形態では、コイルバネ３５に
代えて、ダイヤフラム状あるいは板状のバネ材３７が設
けられ、このバネ材３７には、第２巻取軸７Ａと一体に
形成された山状の凸部３９が当接されている。なお、バ
ネ材３７がダイヤフラム状に形成されず、凸部３９に当
接可能に延出された構成（いわゆる、片持ち状態の板バ
ネ）も好適である。

【００２０】そして、本態様においては、前記態様（図
３参照）に示した歯部７Ｂと歯部５Ｃは形成されておら
ず、フランジ部２７とフランジ部２１とは、所望の摩擦
係数で当接されるように設定され、また、係合突起３Ｂ
の突出端部には、例えばゴム系の高摩擦体４１が設けら
れている。この場合、高摩擦体４１は、ポリウレタン等
の２色成形で形成されることにより、高摩擦体４１が別
途設けられる構成に比べ、さらに製造が容易になる。

【００２１】また、係合突起３Ｂと係合凹部５Ｂとが形
成されず、高摩擦体４１だけが内側壁３Ａに設けられて
製造が一層容易となる構成も可能であり、さらに、係合
突起３Ｂが形成されずに係合凹部５Ｂだけが形成され、
内側壁３Ａに設けられた高摩擦体４１が係合凹部５Ｂ内
に嵌まり込み、リールブレーキとしての機能が向上され
る構成も好適である。

【００２２】次に、本発明に係る磁気テープカートリッ
ジの好適な第３の実施の形態について説明する。図６か
ら理解されるように、この実施の形態では、フランジ部
２１とフランジ部２７との対向面に、各々ポリウレタン
等のゴム系高摩擦体４３、４５が設けられている。この
場合、高摩擦体４３と高摩擦体４５のうち、どちらか一
方が設けられる構成も好適であり、また、高摩擦体が設
けられない側には凹部が形成され、その凹部に高摩擦体
が嵌まり込む構成も好適である。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る磁気テ
ープカートリッジでは、第１リールと第２リールとが、
同軸となる位置に配置されて、リール付勢手段によりケ
ーシング内側壁方向へ付勢されており、第１リールはケ
ーシング内側壁と係合手段により係合され、その係合構
造がリールブレーキとされるので、従来の１つリールタ
イプの外径寸法とさほど変わらない大きさのケーシング
内に２つのリールとリールブレーキとを内蔵することが
可能となる。さらにまた、第１リールとケーシング内側
壁との間の係合並びにリール同士の係合を利用した係止
形態であるので、各部品に対して高精度が要求されよう
な動きのある動作部材が不要であり、製造が容易で、か
つ製造コストが廉価な磁気テープカートリッジを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る磁気テープカートリッジの外観図
である。

【図２】第１リールと第２リールの構成を示す斜視図で
ある。

【図３】図１におけるＩ−Ｉ線断面図であって、第１の
実施の形態における磁気テープカートリッジの構成を示
す説明図である。

【図４】リールブレーキが機能している状態を示す説明
図である。

【図５】第２の実施の形態における磁気テープカートリ
ッジの構成を示す説明図である。

【図６】第３の実施の形態における磁気テープカートリ
ッジの構成を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 磁気テープカートリッジ ３ ケーシング ３Ａ 内側壁 ５ 第１リール ５Ａ 第１巻取軸 ５Ｂ 係合凹部 ５Ｃ、７Ｂ、１５、１７ 歯部 ７ 第２リール ７Ａ 第２巻取軸 ９ ボス部 １１ 貫通孔 １３、１９ 金属板 ２１、２３、２５、２７ フランジ部 ２９ 板体 ３１ 可動片部 ３５ コイルバネ ３７ バネ材 ３９ 凸部 ４１、４３、４５ 高摩擦体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープの一方端部が固定されるとと
   もに、該磁気テープを巻き取る第１巻取軸を有する第１
   リールと、 前記磁気テープの他方端部が固定されるとともに、該磁
   気テープを巻き取る第２巻取軸を有し、前記第１リール
   と同軸回転位置になる姿勢で配設された第２リールと、 前記第１リールと前記第２リールとをリール厚み方向に
   重ね合わせるように収納するケーシングと、 前記ケーシングの内側壁に設けられ、前記第１リールと
   の対向面に係合して該第１リールを係止する係合手段
   と、 前記第２リールを前記第１リール共に前記内側壁方向へ
   付勢するリール付勢手段）と、 を備えたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。
2. 【請求項２】 前記ケーシングの内側壁と前記第１リー
   ルとが歯合若しくは摩擦係合可能に構成され、また、前
   記第１リールと前記第２リールとが歯合若しくは摩擦係
   合可能に構成されたことを特徴とする請求項１に記載の
   磁気テープカートリッジ。