JP4141163B2 - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等の外部記録媒体として磁気テープ等の記録テープが用いられている。このような記録テープは、記録面積が大きく主に大容量の情報のバックアップ用として用いられるため、塵埃の付着を防止できると共に保存時の収納スペースが小さいことが望ましい。
【0003】
このため、単一のリールに記録テープを巻装すると共に当該リールをケース内に回転可能に収容した記録テープカートリッジが採用されている。これにより、ケースによって記録テープへの塵埃の付着を防止できると共に、記録テープの情報の記録または再生時に当該記録テープを巻き取る第2のリールを備えた構成と比較して保存時の収容スペースを略半分とすることができる。
【0004】
このような記録テープカートリッジでは、通常(保管時や運搬時等の記録テープの不使用時)、リールはロック手段によってケースに対し回転不能にロックされている。これにより、記録テープの不要な巻出しが防止される。また、記録テープの先端には、リーダブロックやリーダピン、リーダテープ等のリーダ部材が接続されており、ドライブ装置の引出手段による引出操作用とされている。このリーダ部材は、通常、上記リールのロック状態でケースの記録テープ引出用の開口近傍における所定位置で保持されている。
【0005】
この記録テープカートリッジは、記録テープへの情報の記録または記録テープに記録された情報の再生を行う際には、ドライブ装置へ装填される。この装填に伴って、リールは、ロック手段によるロック状態が解除され、ケースに対し回転自在となる。
【0006】
そして、記録テープは、リーダ部材が上記引出手段によってケースから離脱されることでリールを回転させながらケースから引き出され、さらに該リーダ部材を収容した状態で回転するドライブ装置の巻取リールに巻き取られつつケースから順次引き出される。このように、記録テープは、ケースから引き出されつつ、所定のテープ経路に沿って配設されたドライブ装置の記録再生ヘッドによって情報の記録または再生が為される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の記録テープカートリッジでは、リーダ部材が、単に記録テープの先端に相対移動不能な固定状態(例えば、リーダ部材に嵌合するクランプピンやCリング等の弾性部材による挟持や、接着テープを介した接着等)で接続され、かつケースに位置決め状態で保持される構成であったため、例えば記録テープカートリッジの落下の際にロック手段によるリールのロック状態が解除されて該リールが記録テープの巻取方向に回転すると、記録テープのリーダ部材との接続部、すなわち記録テープの先端部に緊張方向の衝撃力が作用する場合があった。
【0008】
このような衝撃力は、記録テープの先端部に伸びや皺等の変形を生じさせたり、記録テープをリーダ部材(引出方向)に対し傾斜させたり、記録テープを上記接続部(先端部)において破断させたりし、ドライブ装置による記録テープの適正な引き出しを阻害する原因となる。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮して、記録テープの先端部に作用する衝撃力を緩和できる記録テープカートリッジを得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、ケース内に回転可能に収容された単一のリールに巻装され、前記ケースから引き出されつつ情報の記録または再生が為される記録テープと、前記記録テープの先端部に設けられ、通常は前記ケースに保持され、前記記録テープを引き出す際に操作されて前記ケースから離脱するリーダ部材と、前記リーダ部材と前記記録テープの先端部とを、前記ケースに保持された状態の前記リーダ部材に対する前記記録テープの先端部の張力方向の相対変位を許容するように連結し、該記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収可能な緩衝手段と、を備えている。
【0011】
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、通常は、記録テープの先端部に直接的または緩衝手段を介して設けられ(接続され)たリーダ部材が、ケースに保持されている。そして、リーダ部材が操作されてケースから離脱すると該ケースから記録テープが引き出され、該記録テープはケースから引き出されつつ情報の記録または再生が為される。
【0012】
ここで、リーダ部材と記録テープ先端部との間に上記緩衝手段を設けたため、仮にリーダ部材がケースに保持された状態でリールが記録テープの緊張方向(巻取方向)に回転しても、該緩衝手段は、記録テープの先端部をケースすなわち該ケースに保持されたリーダ部材に対し移動させながら、該記録テープの先端部に作用する衝撃力を吸収する。
【0013】
このため、記録テープは、その先端部が変形したり破断したりすることなく、リーダ部材との適正な接続状態が維持される。
【0014】
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの先端部に作用する衝撃力を緩和できる。
【0015】
特に、緩衝手段がリーダ部材と記録テープとの間に設けられているため、リーダ部材のケースに対する位置を変化させることなく上記衝撃力の緩和効果が得られるため、ドライブ装置の引出手段によるリーダ部材の操作(係合や引掛け、挟持等による保持)位置が一定であり、好適である。
【0016】
なお、請求項1記載の緩衝手段には、ばね等の弾性による緩衝、摩擦(部材の変形に伴う内部摩擦を含む)減衰や粘性減衰や空気等の流動抵抗に基づく減衰による緩衝、これらの一部または全部の組合せによる緩衝等、衝撃吸収機能を備えるものであれば、あらゆる緩衝手段が含まれる。
【0017】
また、請求項2記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リーダ部材は、ブロック状に形成されたリーダブロックであり、前記緩衝手段は、前記リーダブロック内に収容されている。
さらに、請求項3記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リーダ部材は、ブロック状に形成されたリーダブロックであり、前記緩衝手段は、前記リーダブロック内に一体に設けられている。
これらの構成では、ケースの内部やドライブ装置のテープ経路等に設けられた部材等に干渉することなく、緩衝手段を設けることができ好適である。
請求項4記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項2記載の記録テープカートリッジにおいて、前記緩衝手段は、一端が前記リーダ部材に接続されるとともに他端が前記記録テープに接続された緩衝ばねである。
請求項5記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項4記載の記録テープカートリッジにおいて、前記緩衝ばねは、前記リーダブロックに形成した凹部内に配設された支軸廻りに配設されたぜんまいばねである。
請求項6記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項2記載の記録テープカートリッジにおいて、前記緩衝手段は、前記リーダ部材に固定された固定軸と、該固定軸に相対回転可能に装着されると共に外周部に前記記録テープの先端部が接続された回動軸とを有し、前記固定軸と回動軸との相対回転に伴って生じる摩擦減衰力によって前記記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収する。
請求項7記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項6記載の記録テープカートリッジにおいて、前記固定軸と回動軸との間には、コイル状に形成され、一端が前記回動軸に固定されると共にコイル部分の内面が前記固定軸に接触され、前記固定軸と回動軸との前記記録テープの緊張緩和方向の相対回転に伴って縮径するブレーキスプリングが配設されている。
請求項8記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項3記載の記録テープカートリッジにおいて、前記緩衝手段は、前記リーダブロックにおける前記記録テープの先端部の幅方向両外側にそれぞれ形成され、該リーダブロックの長手方向に沿って複数の幅広部と幅狭部とが交互に設けられている一対の緩衝スリットと、両端部がそれぞれ異なる前記緩衝スリットの幅広部に入り込まされると共に、中間部に前記記録テープの先端部が接続された可動軸と、を有し、前記可動軸が前記緩衝スリットの幅狭部を通過して隣接する幅広部に移動するのに伴って生じる弾性力及び摩擦減衰力によって前記記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1乃至図6に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向(図1等に適宜示される矢印A方向)を前方向とし、矢印A方向を向いて見た場合を基準に前後左右の表現をする。
【0019】
図1には記録テープカートリッジ10が分解斜視図にて示されている。この図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、平面視で略矩形状のケース12内に、情報記録再生媒体である記録テープとしての磁気テープ14を巻装した単一のリール16が回転可能に収容されて構成されている。磁気テープ14の自由端(先端)には、後に詳述するリーダブロック18が接続されている。
【0020】
ケース12は、上ケース20と下ケース22とが接合されて成る略矩形箱状に形成されている。具体的には、天板20Aと周壁20Bとを有する上ケース20と、底板22Aと周壁22Bとを有する下ケース22とが、周壁20Bの開口端と周壁22Bの開口端とを突き当てて接合されて、中空のケース12が構成されている。
【0021】
この接合は、周壁20Bと周壁22Bとの溶着でも良く、ビス止めでも良い。なお、以下の説明では、矢印A方向を向く周壁20B、22Bで構成されるケース12の周壁を前壁12Aとし、前壁12Aの右側に位置し矢印A方向に沿うケース12の周壁を右側壁12Bとする。
【0022】
また、上ケース20及び下ケース22の各周壁20A、22Aの内側には、それぞれ互いに同軸同径である複数の円弧状の遊動規制壁24が立設されており、上下の遊動規制壁24が互いに突き当てられてリール16の収容空間を形成している。
【0023】
図4にも示される如く、ケース12の右前角隅部には、磁気テープ14をケース12の外部に引き出すための開口26が矢印A方向に対して傾斜して設けられている。この開口26の奥側(ケース12内側)には、リーダブロック18をケース12に保持するためのリーダブロック保持部28が形成されている。
【0024】
リーダブロック保持部28は、その内端が隔壁30によって規定されている。隔壁30は、前壁12A及び右側壁12Bに対してそれぞれ略45°傾斜して設けられた傾斜壁32と、傾斜壁32の右側壁12B側端部を基端とし傾斜壁32に略直交して右側壁12Bとの交点を終端として設けられた傾斜側壁34とで構成されている。
【0025】
この隔壁30には、傾斜壁32の略中央部から傾斜側壁34の終端に至る窓部36が形成されている。窓部36の上下方向の高さ寸法は磁気テープ14が通過可能でかつリーダブロック18が通過不能となるように決められており、この窓部36を通して開口26がケース12の内部と連通されている。また、傾斜側壁34は、リーダブロック18の後述する円弧面90に対応して湾曲されている。さらに、傾斜壁32の傾斜側壁34側の端部には、板厚方向に切欠かれた凹部32Aが形成されている。
【0026】
これにより、リーダブロック保持部28は、隔壁30と、隔壁30の外側における前壁12A及び右側壁12Bと、隔壁30の外側におけるケース12の天板20A、底板22A(以下、一対の舌部12C、12Dという)によって囲まれた空間として形成されている。換言すれば、リーダブロック保持部28の外縁部が開口26とされている。
【0027】
このリーダブロック保持部28を構成する一対の舌部12C、12Dは、適宜肉抜きされると共に開口26側に向けて互いの対向間隔が広がるテーパ状に形成されており、リーダブロック18を受け入れる際の案内性が向上すると共に摺動抵抗が抑制されるようになっている。これら一対の舌部12C、12Dの前壁12A側の端部には、それぞれ前壁12Aに直交する線と傾斜壁32に直交する線とが円弧で結ばれた如き形状の切欠き部38、40が形成されている。
【0028】
また、前壁12Aを構成する上ケース20の周壁20Bは、舌部12Cとの間にスリット42が設けられることによって、隔壁30の外側部分が板厚方向に弾性変形可能な板ばね部44とされおり、その自由端がリーダブロック18を係止する係止部46とされている。一方、右側壁12Bの前端部には、円弧状の係合突起48が設けられている。
【0029】
また、ケース12の底板22Aには、円形のギヤ開口50が設けられており、リール16のリールギヤ64(後述)の露出用とされている。また、ギヤ開口50の内縁部には、環状のリブ50Aがケース12の内方へ向けて突設されている。一方、図2に示される如く、上ケース20の内面中央部には、環状突起52が立設されると共に、環状突起52の内側において複数(本実施の形態では2本)の係止ピン54がギヤ開口50側へ突設されている。
【0030】
図3にも示される如く、リール16は、外周面に磁気テープ14が巻装される円筒部56Aと円筒部56Aの下部を閉塞する底部56Bとを有する略有底円筒状のリールハブ56を備えている。リールハブ56の底部56B側端部(下端部)には、下フランジ58がその径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。一方、リールハブ56の上端部には、内径が円筒部56Aの内径と略同径とされると共に外径が下フランジ58の外径と同径とされた上フランジ60が超音波溶着等によって同軸的に接合されている。
【0031】
これにより、リール16は、下フランジ58と上フランジ60との対向面間において、リールハブ56の円筒部56Aの外周面に磁気テープ14が巻き回されるようになっており、円筒部56Aは上方に開口している。下フランジ58、上フランジ60の外径は、ケース12の遊動規制壁24の内径よりも若干小径とされており、リール16がケース12内で回転可能とされている。
【0032】
また、リールハブ56の底部56Bには、その中央部に透孔62が設けられると共に、その下面(外面)における透孔62外側にリール16を回転駆動するためのリールギヤ64が環状に刻設されている。そして、リールギヤ64の内側には、マグネットで吸着可能な磁性材料より成り透孔62よりも若干小さい透孔66を有するリールプレート68がインサート成形により一体に設けられている。
【0033】
また、リールギヤ64の外側には環状溝70が設けられており、該環状溝70内に下ケース22のリブ50Aが嵌入(当接)されることにより、ケース12に対しリール16が回転可能に位置決めされた状態で、リールギヤ64がケース12の外部に露出されるようになっている。
【0034】
一方、リールハブ56の底部56Bの上面(内面)における透孔62外側にはリール制動ギヤ72が環状に刻設されており、リールハブ56の円筒部56A内に挿設される制動部材74の制動ギヤ76と噛合するようになっている。
【0035】
制動部材74は、記録テープカートリッジ10の不使用時にリール16の回転を阻止するためのロック手段を構成し、その下面外周部に制動ギヤ76が環状に設けられた略円板状に形成されている。また、制動部材74には、その下面中央に透孔62に挿入される解除突起78が下方へ突設されると共に、その上面に平面視略U字状の柱状凸部(以下、U字状凸部という)80が開放側を対向させて立設されている。さらに、制動部材74は、U字状凸部80の外側に設けられた環状溝82を備えている。
【0036】
この制動部材74は、ケース12(上ケース20)の2本の係止ピン54がそれぞれU字状凸部80の内面に挿入されて回転が阻止された状態で、ケース12の環状突起52と環状溝82との間で保持されたコイルばね84によって下方へ付勢されている。これにより、回転が阻止された制動部材74の制動ギヤ76がリール16のリール制動ギヤ72に噛合わされ、リール16の不用意な回転が阻止される(リール16がロックされる)構成である。
【0037】
また、この状態では、制動部材74の解除突起78がリールハブ56の透孔62内に位置してリールプレート68の透孔66からケース12の外部に臨んでいる。そして、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填され、該ドライブ装置に設けられた回転シャフト200の駆動ギヤ202にリール16のリールギヤ64が噛み合わされる動作に伴って、回転シャフト200の中央部に上方へ向けて突設された解除押圧部204が制動部材74の解除突起78を押圧するようになっている。この押圧によって、制動部材74がコイルばね84の付勢力に抗して上方へ移動して制動ギヤ76がリール制動ギヤ72から離間し、リール16の上記ロック状態が解除される構成である。
【0038】
次に、リーダブロック18について説明する。図5に示される如く、リーダブロック18は、その高さが磁気テープ14の幅よりも大きい略直方体ブロック状に形成されている。以下、リーダブロック18における、リーダブロック保持部28への保持状態でケース12外方を向く側面を側面18Aとし、反対側の側面を側面18Bとして説明する。
【0039】
リーダブロック18の長手方向一端部には、ドライブ装置の引出手段が係合する係合凹部86を構成する係合片88が、側面18B側から突設されている。図6に示される如く、係合凹部86の下部は底面視円形状の大径凹部86Aとされており、該大径凹部86Aの側面18A側を向く開口幅が、係合片88及び該係合片88と略対向する係合凸部89とによって狭められている。
【0040】
一方、リーダブロック18の係合凹部86とは反対側の端面は、ドライブ装置の巻取リールのリールハブ外周面に対応した円弧面90とされている。この円弧面90と側面18Aとの角部を角部90Aとし、円弧面90と側面18Bとの角部を角部90Bとする。
【0041】
このリーダブロック18の円弧面90近傍の側部には、収容凹部92が設けられている。収容凹部92は、側面18Bに開口している。この収容凹部92平面視中央部における上下にはそれぞれ軸孔94が設けられており、これらの軸孔94は支軸96を支持している。支軸96は、リーダブロック18に対し回転不能に支持される方が望ましい。
【0042】
この収容凹部92には、緩衝手段としての緩衝ばね98が収容されている。緩衝ばね98は、金属等の薄板より成り、その幅(高さ)が磁気テープ14の幅と同幅かつ平面視で渦巻き状に形成されたぜんまいばねであり、その内端が支軸96に係止されている。
【0043】
緩衝ばね98の他端部には、接着テープであるスプライステープ100を介してリーダテープ102の一端部が接続されている。リーダテープ102は、磁気テープ14よりも厚肉かつ高強度のテープ状に形成されると共に、その幅が磁気テープ14の幅と同幅とされており、その他端部がスプライステープ100を介して磁気テープ14の自由端(先端)に接続されている。
【0044】
なお、緩衝ばね98は、通常自由状態で収容凹部92内に収容されており、また磁気テープ14をケース12から引き出す際の張力によっては、そのリーダテープ102との接続端が収容凹部92から突出しないようにばね定数が決められている(図5は、説明の便宜上、リーダテープ102との接続端を収容凹部92の外側まで引き出した状態を示している)。
【0045】
以上説明したリーダブロック18は、ケース12のリーダブロック保持部28に対し着脱可能とされている。具体的には、図6に示される如く、リーダブロック18は、その側面18Bが傾斜壁32に当接すると共に円弧面90が傾斜側壁34に当接した状態で、係合片88の先端部が板ばね部44先端の係止部46に当接すると共に角部90Aが係止部46に係止されてケース12に保持される構成である。この状態では、隔壁30によってリーダブロック18のケース12内方への移動が阻止されている。
【0046】
またこの状態では、リーダブロック18は、一対の舌部12C、12Dによって上下方向の脱落をも阻止されており、窓部36(すなわち、開口26)を閉塞している。またこの状態では、リーダブロック18の係合凹部86(大径凹部86A)がケース12の切欠き部38、40から外部(上下)に露出されている。
【0047】
一方、リーダブロック18は、係合凹部86の大径凹部86A(係合片88及び係合凸部89)にドライブ装置の引出手段が係合した状態で、該引出手段が図6に示す矢印B方向に移動すると、係合突起48と角部90Aとの係合部位を中心として回動しつつ、係合片88先端において係合する板ばね部44を弾性変形させて開口26を通過するようになっている。
【0048】
すなわち、リーダブロック18は、上記矢印B方向への操作によって板ばね部44(係止部46)と係合突起48とによる上記保持状態が解除されてケース12から離脱する(取り外される)構成である。なお、この回動時には角部90Bが傾斜壁32の凹部32Aに逃げることでリーダブロック18がスムースに回動できる構成である。
【0049】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0050】
上記構成の記録テープカートリッジ10では、磁気テープ14の不使用時には、リール16が制動部材74によって不用意な回転を防止されている。すなわち、上ケース20の内面に突設された係止ピン54によって回転不能とされた制動部材74の制動ギヤ76がリール制動ギヤ72と噛合することにより、リール16の不用意な回転が防止(ロック)されている。また、開口26(窓部36)はリーダブロック18によって閉塞されている。
【0051】
一方、磁気テープ14を使用する際には、記録テープカートリッジ10をドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。記録テープカートリッジ10がバケットに装填されると、該バケットが下降し、図3に示される如く、ドライブ装置の回転シャフト200がケース12のギヤ開口50に向って相対的に接近する。すると、回転シャフト200の解除押圧部204がリールプレート68の透孔66より進入して制動部材74の解除突起78を上方に押圧し、該制動部材74をコイルばね84の付勢力に抗して上方に押し上げる。
【0052】
これにより、リール16は、リール制動ギヤ72が制動ギヤ76との噛合いを解除されると共に、環状溝70がケース12のリブ50Aとの当接状態が解除される。また、リールプレート68が回転シャフト200の解除押圧部204廻りに設けられたマグネット(図示省略)によって回転シャフト200に吸着保持されつつ、リールギヤ64が駆動ギヤ202と噛合わされる。これにより、リール16の回転駆動が可能となる。
【0053】
一方、磁気テープ14の先端に接続されたリーダブロック18は、上記装填に伴って引出手段の図示しないピンが係合凹部86内に入り込むと共に、上記バケットの下降に伴ってピンの先端に設けられた大径部が大径凹部86A内に下方より進入する。そして、ピンを介して大径部が図6の矢印B方向に移動されると、係合片88及び係合凸部89において上記大径部に係合保持されたリーダブロック18がケース12のリーダブロック保持部28から離脱する。
【0054】
このリーダブロック18は、引出手段によってドライブ装置の巻取リールへ誘導され、該巻取リールのリールハブに設けられた嵌入部に嵌入される。この状態で、リーダブロック18の円弧面90は、嵌入部の開口端から露出し、リールハブの外周面と共に磁気テープ14の巻取面を構成する。
【0055】
またこの状態で、巻取リール及び回転シャフト200(リール16)が同期しつつ回転駆動され、磁気テープ14は巻取リールに巻き取られつつケース12から順次引き出される。そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドによって、磁気テープ14への情報の記録または磁気テープ14に記録された情報の再生が為される。
【0056】
磁気テープ14が巻取リールに最後まで巻き取られると、該巻取リール及び回転シャフト200を逆回転駆動させて磁気テープ14をリール16に巻き戻す。磁気テープ14をリール16に最後まで巻き戻すと、リーダブロック18を上記嵌入部から抜き出すと共にケース12(記録テープカートリッジ10)のリーダブロック保持部28に保持させる。
【0057】
次いで、マグネットの磁力をOFFにして回転シャフト200とリールプレート68との吸着を解除すると共に、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットを上昇させてリールギヤ64と駆動ギヤ202との噛合を解除し、透孔66(透孔62)から解除押圧部204を退出させる。すると、コイルばね84の付勢力によって制動ギヤ76とリール制動ギヤ72とが噛合い、上述のようにリール16の不用意な回転が防止された状態(ロック状態)に復帰する。この状態で、記録テープカートリッジ10はバケット内から取り出される。
【0058】
ところで、上記のようなコイルばね84の付勢力によってリール制動ギヤ72に噛み合う制動部材74によるリール16のロック手段では、例えば記録テープカートリッジ10を落下させると、該落下の衝撃でコイルばね84が変形し、制動部材74にリール16のロック状態が解除される場合が想定される。
【0059】
ここで、リーダブロック18と磁気テープ14(リーダテープ102)との間に緩衝手段としての緩衝ばね98を設けたため、上記落下衝撃によって制動部材74によるリール16のロック状態が解除され、該リール16が磁気テープ14の巻取方向(緊張方向)に回転しても、該回転に伴って緩衝ばね98が伸びることで磁気テープ14先端部をリーダブロック18に対し移動させつつ、磁気テープ14に作用する衝撃力が吸収される。
【0060】
このため、記録テープは、その先端部が変形したり破断したりすることなく、隔壁30によってケース12内方への移動が阻止されたリーダブロック18との適正な接続状態が維持される。
【0061】
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、磁気テープ14の先端部に作用する衝撃力を緩和できる。
【0062】
なお、制動部材74(コイルばね84)によるリール16のロック状態に復帰する前にリール16の上記巻取方向の回転力が解消すると、緩衝ばね98は、その復元力によって初期状態に復帰する。一方、上記回転力が解消する前にリール16のロック状態に復帰すると、緩衝ばね98は、該ロック状態への復帰(リール16の急停止)に伴う衝撃も吸収する。また、緩衝ばね98は、上記何れも場合も、磁気テープ14を殆ど弛ませることがなく、該磁気テープ14のケース12との接触を阻止している。また、緩衝ばね98と磁気テープ14との間にリーダテープ102が設けられているため、上記衝撃力の吸収後に、万一磁気テープ14が弛んでも、ケース内で擦れる部分がリーダテープ102となり、記録面が設けられると共に強度の低い磁気テープ14が保護される。
【0063】
さらに、緩衝ばね98がリーダブロック18と磁気テープ14との間に設けられているため、リーダブロック18をケース12(リーダブロック保持部28)内で移動させることなく上記衝撃力の緩和効果が得られ、かつケース12に対する係合凹部86の位置が変化しない。このため、ドライブ装置の引出手段によるリーダブロック18の保持(係合)位置が一定であり、好適である。
【0064】
さらにまた、リーダブロック18の収容凹部92内に緩衝ばね98を配設したため、緩衝ばね98が磁気テープ引出時にケース12の内部やドライブ装置のテープ経路等に設けられた部材等に干渉することがない。
【0065】
次に、上記実施の形態の変形例を説明する。なお、上記の実施の形態と基本的に同一の部品、部分については、上記実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
図7(A)及び図7(B)には、第1変形例に係るリーダブロック110が示されている。これらの図に示される如く、リーダブロック110は、緩衝ばね98に代えて、緩衝手段としてのフリーストップ軸112を備えている点で上記実施の形態とは異なる。フリーストップ軸112は、固定軸114を備えている。固定軸114は、円柱状の基部114Aと、該基部114Aよりも小径の円柱状の摩擦軸114Bとが同軸的かつ一体に形成されている。
【0067】
この固定軸114は、基部114Aが収容凹部92下方の嵌合孔116に嵌合されると共に、摩擦軸114Bの先端が収容凹部92上方の嵌合孔118に嵌合されることで、リーダブロック110に対し回転不能に取り付けられている。すなわち、基部114A及び摩擦軸114Bの上記嵌合する部分については、非円形断面に形成されても良い。
【0068】
上記リーダブロック110への取付状態で、基部114Aの一部が収容凹部92内に突出している。この固定軸114には、回動軸120が回転自在に被嵌されている。回動軸120は、長手寸法が収容凹部92の高さに略対応した有底円筒状に形成されており、その内径が基部114Aの外径に対応すると共に、その上端を閉塞する底部120Aに設けられた軸孔120Bの内径が摩擦軸114Bに対応している。すなわち、回動軸120は、基部114A及び摩擦軸114Bに同軸的な回動自在に軸支されている。
【0069】
この回動軸120と摩擦軸114Bとの間には、ブレーキスプリング122が配設されている。ブレーキスプリング122は、コイルばねであり、その一端部122Aが回動軸120に係止されている。また、ブレーキスプリング122の内面は摩擦軸114Bと接触している。このブレーキスプリング122の巻き方向は、回動軸120を図7(A)に示す矢印C方向に回転させた場合に縮径する方向に設定されている。これにより、回動軸120は、所定の範囲内において固定軸114に対し任意の周方向位置で保持される構成である。
【0070】
そして、このフリーストップ軸112の回動軸120外周面には、磁気テープ14の先端に接続されたリーダテープ102の一端部が係止されており、リーダテープ102は所定長さに亘り回動軸120に巻き掛けられている(本第1変形例では1周弱巻き掛けているが、複数回巻き回しても良い)。
【0071】
本第1変形例に係るリーダブロック110(フリーストップ軸112)を備えた構成では、落下衝撃によってリール16のロック状態が解除され該リール16が磁気テープ14の巻取方向(緊張方向)に回転すると、回動軸120が矢印C方向に回動し、磁気テープ14の先端のリーダブロック110に対する移動を許容する。
【0072】
そして、ブレーキスプリング122は、上記回動に伴って縮径して摩擦軸114Bと摩擦しつつ磁気テープ14の先端に作用する衝撃力を吸収する。すなわち、本第1変形例では、摩擦減衰によって衝撃力を吸収することで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、フリーストップ軸112は、磁気テープ14をケース12から引き出す際の張力によっては、上記摩擦によって回動軸120の回転が阻止されるようになっている。
【0073】
図8及び図9には、第2変形例に係るリーダブロック130が示されている。これらの図に示される如く、リーダブロック130は、緩衝ばね98に代えて、緩衝手段132を備えている。緩衝手段132は、リーダブロック130の収容凹部92の上下に互いに対称に形成された緩衝スリット134を備えている。
【0074】
各緩衝スリット134は、リーダブロック130の長手方向に沿った直線上に配置された複数(本第2変形例では3箇所)の幅広部136と、隣り合う幅広部136間を結ぶ幅狭部138とで構成されている。幅広部136は平面視略円形状に形成されており、幅狭部138は、略矩形状に形成されている。
【0075】
また、緩衝手段132は可動軸140を備えている。可動軸140は、緩衝スリット134の幅広部136と略同径かつ幅狭部138の幅よりも大径の略円柱状に形成されており、磁気テープ14の先端に接続されたリーダテープ102の先端に接続されている。この状態で可動軸140の幅方向両端部は、リーダテープ102の幅方向両端部よりも突出している。
【0076】
図9に示される如く、この可動軸140におけるリーダテープ102の幅方向端部から突出した部分が、それぞれ上下の緩衝スリット134に挿入されている。可動軸140は、初期(出荷)状態では、最も係合凹部86側に位置する幅広部136に挿入され、リーダブロック130に対しガタつかない程度に緩く嵌合している。
【0077】
そして、緩衝手段132では、リーダテープ102(磁気テープ14)に所定値以上の張力が作用すると、可動軸140が緩衝スリット134を変形させつつ隣接する幅広部136に移動するように設定されている。この張力の所定値は、ドライブ装置による磁気テープ14引き出しの際の張力よりも大きく、かつ磁気テープ14に恒久的な変形を生じさせない大きさに設定されている。
【0078】
本第2変形例に係るリーダブロック130(緩衝手段132)を備えた構成では、落下衝撃によってリール16のロック状態が解除され該リール16が磁気テープ14の巻取方向(緊張方向)に回転し、磁気テープ14に作用する張力が上記設定された所定値以上となると、幅広部136に保持されていた可動軸140が隣接する幅広部136に移動し、磁気テープ14の先端のリーダブロック130に対する移動を許容する。
【0079】
そして、可動軸140は、上記移動に伴って緩衝スリット134の幅狭部138と摺動しつつ該緩衝スリット134を弾性変形させることで、磁気テープ14の先端に作用する衝撃力を吸収する。すなわち、本第2変形例では、スリット134の弾性変形(ばね)による緩衝効果と摩擦減衰(上記弾性変形に伴うリーダブロック130の内部摩擦を含む)によって衝撃力を吸収することで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
図10及び図11には、参考例に係るリーダブロック150及びリーダブロック保持部152が示されている。これらの図に示される如く、本参考例では、リーダブロック150と磁気テープ14との間に緩衝ばね98等の緩衝手段を備えず、リーダブロック150とケース12との間に緩衝手段としての緩衝ばね154を備える点で、上記実施の形態及び各変形例とは異なる。
【0081】
リーダブロック150は、略矩形ブロック状に形成されており、その長手方向一端部に平面視略U字状の嵌合凹部156が設けられている。この嵌合凹部156には、弾性材より成る略円柱状のクランプピン158が磁気テープ14の先端を巻き掛けた状態で嵌合されている。これにより、リーダブロック150が磁気テープ14の先端に接続されている。
【0082】
また、リーダブロック150の長手方向他端部には、係合スリット160が設けられている。係合スリット160は、リーダブロック150を上下に貫通すると共に上記他端部に開口しており、該開口近傍に係合片162が突設されることで奥部よりも開口部の幅が狭い平面視鉤状に形成されている。この係合片162よりも奥側に位置する幅広部164の長さ(リーダブロック150の長手方向に沿った寸法)は、緩衝ばね154によるリーダブロック150の移動ストロークよりも十分大きく設定されている。また、リーダブロック150の左側面には、平面視円弧状の係合溝165が全高に亘り設けられている。
【0083】
このリーダブロック150は、ケース12のリーダブロック保持部152に対し着脱可能とされている。リーダブロック保持部152は、ケース12の前壁12Aの右端近傍に矢印A方向を向いて設けられた開口166の奥に設けられている。開口166の上下の天板20A及び底板22Aには、それぞれリーダブロック150の幅に対応した保持溝168が互いに対向すると共に矢印A方向に沿って設けられている。上下の保持溝168は、互いの対向間隔がリーダブロック150の高さに対応しており、矢印A方向に沿った長さがリーダブロック150の長手寸法よりも若干大とされている。
【0084】
また、各保持溝168の左側の溝壁には、それぞれリーダブロック150の係合溝165に対応した円弧状突起170が右方へ向けて突設されている。一方、ケース12の右側壁12Bの内面における円弧状突起170に対応する位置には、リーダブロック150保持用の板ばね172が設けられている。板ばね172は、その自由状態で、弾性変形可能な平面視円弧状の押圧部172Aの先端が、保持溝168の右側の溝壁よりも若干内側(左側)に入り込んでいる。
【0085】
さらに、上下の保持溝168の開口166側端部における溝底部には、互いに対向する上下一対の切欠き部174が開口166と連設されており、リーダブロック150の係合スリット160を上下に露出させるようになっている。
【0086】
以上説明した上下の保持溝168、円弧状突起170、板ばね172、切欠き部174がリーダブロック保持部152を構成しており、このリーダブロック保持部152における上下の保持溝168のケース12内端には、それぞれ平面視円弧状の板ばねである緩衝ばね154が設けられている。緩衝ばね154は、開口166側に向けて凸とされており、矢印A方向とは反対方向の力が作用すると、弾性変形するようになっている。
【0087】
図11に示される如く、リーダブロック150は、その上下端が保持溝168に入り込んだ状態で、その右側面が板ばね172によって押圧されることで保持溝168の左側の溝壁に押し付けられている。この状態で、係合溝165には円弧状突起170が入り込んでおり、リーダブロック150のリーダブロック保持部152からの脱落が阻止されている。
【0088】
一方、リーダブロック150は、ドライブ装置の引出手段を構成する矩形環状の係合リングの先端部(ロッド状部分)が係合スリット160の幅広部164の最奥部まで入り込み、該係合リングが矢印A方向に移動しつつ係合片162の背面に係合することで、板ばね172を変形させつつ円弧状突起170を係合溝165から抜け出され、ケース12から離脱する。また、これと反対の動作によって、ケース12のリーダブロック保持部152に再度保持される。
【0089】
参考例に係るリーダブロック150及び緩衝ばね154を備えた構成では、落下衝撃によってリール16のロック状態が解除され該リール16が磁気テープ14の巻取方向(緊張方向)に回転すると、緩衝ばね154は、弾性変形しつつリーダブロック150及び磁気テープ14の先端のケース12に対する移動を許容して、該磁気テープ14の先端に作用する衝撃力を吸収する。これにより、緩衝手段がリーダブロック18に設けられたことによる効果を除いて、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
そして、上記衝撃を吸収する際にリーダブロック150が磁気テープ14の先端と共にケース12に対し相対移動するため、緩衝ばね154の復元力によってリーダブロック150がリーダブロック保持部152の所定位置(係合溝165に円弧状突起170が入り込む位置)に復帰する前に、リール16がロック状態に復帰すると、リーダブロック150は磁気テープ14の張力によって保持溝168の奥側に保持された状態とされるが、この状態においても、係合スリット160の幅広部164の長さを上記衝撃吸収時のリーダブロック150の移動ストロークよりも十分大きく設定しているため、上記引出手段の係合リングが係合片162の背面に係合することが可能である。
【0091】
なお、本発明は、上記実施の形態及び各変形例にそれぞれ示された構成に限定されることはなく、それぞれ示された構成要素を適宜組み合わせた(置換した)構成とすることもできる。したがって、例えば、干渉ばね154を備えないリーダブロック保持部152に保持されるリーダブロック150に、緩衝手段132を設けた構成としても良い(参考例の構成本発明の実施形態に係る構成を適用しても良い)。この構成では、磁気テープ14(リーダテープ102)の張力方向と緩衝スリット134の長手方向との為す角が小さくなり(または、両方向が一致し)、上記所定の張力の設定が容易となる。逆に、上記両方向を一致させるように、緩衝スリット134をリーダブロック130等の長手方向に対し傾斜して設けても良いことは言うまでもない。
【0092】
また例えば、緩衝ばね98、回動軸120、可動軸140は、リーダテープ102を介して磁気テープ14に接続された好ましい構成としたが、リーダブロック150の如く磁気テープ14に直接接続されても良い。
【0093】
また、上記の実施の形態及び各変形例では、リーダ部材としてリーダブロック18、110、130、150を備えた構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、リーダ部材としてリーダピンやリーダテープを備えた構成としても良い。
【0094】
さらに、上記の実施の形態及び各変形例では、リール16のケース12に対する回転が制動部材74によってロックされる構成としたが、本発明はロック手段の有無や構成によって限定されないことは言うまでもない。したがって、例えば、下フランジ58または上フランジ60の外周に刻設されたギヤがケース12内の角隅部に配設されたロック部材に噛み合わされることで、リール16の回転がロックされる構成としても良い。
【0095】
さらに、上記の実施の形態及び各変形例では、記録テープとして磁気テープ14を用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る記録テープカートリッジは、記録テープの先端部に作用する衝撃力を緩和できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する上ケースと制動部材とリールを下方から見た概略斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する開口及びリーダブロック保持部を示す斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリーダブロック及び緩衝ばねを示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリーダブロックのケースへの保持状態を示す断面図である。
【図7】 リーダブロック及び緩衝手段の第1変形例を示す図であって、(A)は平面断面図、(B)は側面断面図である。
【図8】 リーダブロック及び緩衝手段の第2変形例を示す斜視図である。
【図9】 リーダブロック及び緩衝手段の第2変形例を示す図5に対応した断面図である。
【図10】 リーダブロック及び緩衝手段の参考例を示す斜視図である。
【図11】 リーダブロック及び緩衝手段の参考例を示す図5に対応した断面図である。
【符号の説明】
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
14 磁気テープ(記録テープ)
16 リール
18 リーダブロック(リーダ部材)
98 緩衝ばね(緩衝手段)
110、130 リーダブロック(リーダ部材)
112 フリーストップ軸(緩衝手段)
132 緩衝手段

Claims (8)

  1. ケース内に回転可能に収容された単一のリールに巻装され、前記ケースから引き出されつつ情報の記録または再生が為される記録テープと、
    前記記録テープの先端部に設けられ、通常は前記ケースに保持され、前記記録テープを引き出す際に操作されて前記ケースから離脱するリーダ部材と、
    前記リーダ部材と前記記録テープの先端部とを、前記ケースに保持された状態の前記リーダ部材に対する前記記録テープの先端部の張力方向の相対変位を許容するように連結し、該記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収可能な緩衝手段と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  2. 前記リーダ部材は、ブロック状に形成されたリーダブロックであり、
    前記緩衝手段は、前記リーダブロック内に収容されている請求項記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記リーダ部材は、ブロック状に形成されたリーダブロックであり、
    前記緩衝手段は、前記リーダブロック内に一体に設けられている請求項1記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記緩衝手段は、一端が前記リーダ部材に接続されるとともに他端が前記記録テープに接続された緩衝ばねである請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  5. 前記緩衝ばねは、前記リーダブロックに形成した凹部内に配設された支軸廻りに配設されたぜんまいばねである請求項4記載の記録テープカートリッジ。
  6. 前記緩衝手段は、前記リーダ部材に固定された固定軸と、該固定軸に相対回転可能に装着されると共に外周部に前記記録テープの先端部が接続された回動軸とを有し、前記固定軸と回動軸との相対回転に伴って生じる摩擦減衰力によって前記記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収する請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  7. 前記固定軸と回動軸との間には、コイル状に形成され、一端が前記回動軸に固定されると共にコイル部分の内面が前記固定軸に接触され、前記固定軸と回動軸との前記記録テープの緊張緩和方向の相対回転に伴って縮径するブレーキスプリングが配設されている請求項6記載の記録テープカートリッジ。
  8. 前記緩衝手段は、
    前記リーダブロックにおける前記記録テープの先端部の幅方向両外側にそれぞれ形成され、該リーダブロックの長手方向に沿って複数の幅広部と幅狭部とが交互に設けられている一対の緩衝スリットと、
    両端部がそれぞれ異なる前記緩衝スリットの幅広部に入り込まされると共に、中間部に前記記録テープの先端部が接続された可動軸と、
    を有し、前記可動軸が前記緩衝スリットの幅狭部を通過して隣接する幅広部に移動するのに伴って生じる弾性力及び摩擦減衰力によって前記記録テープの緊張方向の衝撃力を吸収する請求項3記載の記録テープカートリッジ。
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