JPH09143110A - アルカジエノール類の製造方法 - Google Patents

アルカジエノール類の製造方法

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JPH09143110A
JPH09143110A JP7302522A JP30252295A JPH09143110A JP H09143110 A JPH09143110 A JP H09143110A JP 7302522 A JP7302522 A JP 7302522A JP 30252295 A JP30252295 A JP 30252295A JP H09143110 A JPH09143110 A JP H09143110A
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JP
Japan
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water
reaction
palladium
alkadienols
organic solvent
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JP7302522A
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Tomoyuki Mori
知行 森
Hiroshi Kameo
広志 亀尾
Shinji Isotani
真治 磯谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカジエノール類の製造方法の提供。 【解決手段】 パラジウム化合物及び疎水性燐化合物か
ら成る触媒を用いて共役アルカジエンの水和・二量化に
よりアルカジエノール類を製造する方法において、反応
生成液の少なくとも一部を水及び有機溶媒に接触させて
該生成液中に含有される高沸点副生物をタール状物質と
して分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカジエノール
類の製造方法に関するものである。詳しくは、特定の触
媒を用い、共役アルカジエンと水とを反応させてアルカ
ジエノール類を製造する方法において、反応生成液を水
と有機溶媒との混合物に接触させて該生成液中に含有さ
れる高沸点副生物を分離することを特徴とするアルカジ
エノール類の製造方法に関するものである。アルカジエ
ノール類、特にオクタジエノールは、n−オクタノール
及びそのエステル等を製造するための中間体として、化
学工業的に重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカジエノール類の製造法とし
ては、パラジウム化合物と、ホスフィン又はホスファイ
トよりなる触媒並びに二酸化炭素の存在下で共役アルカ
ジエンと水とを反応させる方法(特公昭50−1056
5号公報)が提案されている。この方法によりアルカジ
エノール類を製造するための反応を液相系で行なう場合
においては、上記触媒成分に共役アルカジエンと水とを
同時に接触させ、生成するアルカジエノール類を蒸留等
の手段により触媒から分類する作業が連続的に又は回分
的に実施される。そして、少なくともパラジウム化合物
とホスフィン、ホスファイトとを含有する触媒液は再び
反応に循環使用される。しかしながら、特公昭50−1
0565号公報に開示されるような共役アルカジエンと
水とからアルカジエノール類を製造する反応において
は、副反応により高沸点物質が生成し、これが循環使用
される触媒液中に次第に蓄積することは不可避である。
この触媒液中に蓄積する高沸点物質はそれ自体不必要な
希釈物質であるばかりでなく、触媒活性に対して化学的
な抑制作用を示したり、徒らに触媒液の粘度を上昇させ
たりして反応の進行を著しく阻害するようになる。それ
故、反応生成液から経済的な手段で、蓄積した高沸点物
質を分離することは、本方法によるアルカジエノール類
の製造を工業的に実施するための最も重要な課題の一つ
となっている。
【0003】反応生成液から高沸点物質を分離する方法
としては、例えば特開昭54−32411号公報には、
反応生成液の少なくとも一部を塩基性物質と接触させて
該生成液中に含有される高沸点副生物を抽出分離する方
法が提案されており、また、特開昭54−144307
号公報には、反応生成液の少なくとも一部をヘキサンの
ような脂肪族炭化水素と接触させて該生成液中に含有さ
れる高沸点副生物を抽出分離する方法が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、塩基性物質を含んだ排水が出ること、又、反
応生成液から塩基性物質を除去するための水洗工程が必
要であり、また、後者の方法では、目的物のアルカジエ
ノール類のロスを防ぐため、抽出処理に先立ち、反応生
成液を例えば3mmHgのような条件で蒸留せねばなら
ないという何れも工業的には大きな問題点があった。本
発明の目的は、反応で副生する高沸点生成物を、蒸留処
理或いは排水処理等要せず効率よく分離し、更には触媒
成分を含む残液の少なくともその一部を前記の共役アル
カジエンと水との反応に再循環することにより工業的に
有利なアルカジエノール類の製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、パラジウム化合
物及び疎水性燐化合物を含有した反応液を水及び有機溶
媒に接触させると、驚くべきことに反応液中の高沸点物
質がタール状の物質として分離することを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は、パラジウム化
合物及び疎水性燐化合物から成る触媒を用い、二酸化炭
素の存在下に共役アルカジエンと水とを反応させてアル
カジエノール類を製造する方法において、前記反応によ
り得られる反応生成液の少なくとも一部を水及び有機溶
媒に接触させて反応生成液中に含有される高沸点副生物
をタール状物質として分離することを特徴とするアルカ
ジエノール類の製造方法にある。以下、本発明の方法を
詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
1.アルカジエノール類の製造 (共役アルカジエン)本発明において、水と反応させて
アルカジエノール類を製造し得る共役アルカジエンとし
ては、1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、1,3
−オクタジエン等が挙げられる。原料が1,3−ブタジ
エンである場合、通常、容易に入手可能なものとして、
精製1,3−ブタジエン及び所謂BBP(ブテン−ブタ
ジエン留分)、即ち、ナフサ分解生成物中のC4 留分混
合物などが挙げられる。BBPを原料とする場合は、原
料BBP中に含有されるアセチレン類及びアレン類を予
め分解除去しておくことが望ましい。1,3−ブタジエ
ン原料中のアセチレン類及びアレン類の総濃度は、可能
な限り低いことが望ましいが、通常、1,3−ブタジエ
ンに対して1.0重量%以下程度が好ましい。アセチレ
ン類及びアレン類を低減する方法には特に制限はなく、
公知の諸法を適宜採用可能である。
【0007】(水)一方、他の原料である水としては、
水和二量化反応に影響を与えない程度の純度の水が適宜
使用される。前段の反応器に供給する水の使用量につい
ては、特に制限はないが、共役アルカジエン1モルに対
し、通常、0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルの
範囲とするのが望ましい。
【0008】(パラジウム化合物)水和二量化反応の主
触媒として使用されるパラジウム化合物の形態及び原子
価状態は、必ずしも限定されるものではない。パラジウ
ム化合物の例としては、パラジウム黒、担体付パラジウ
ム金属等の金属パラジウム;ビス(t−ブチルイソニト
リル)パラジウム(0)、ビス(t−アミルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(シクロヘキシルイソニト
リル)パラジウム(0)、ビス(フェニルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(p−トリルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(2,6−ジメチルフェニ
ルイソニトリル)パラジウム(0)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)パラジウム(0)、(1,5−シクロ
オクタジエン)(無水マレイン酸)パラジウム(0)、
ビス(ノルボルネン)(無水マレイン酸)パラジウム
(0)、ビス(無水マレイン酸)(ノルボルネン)パラ
ジウム(0)、(ジベンジリデンアセトン)(ビピリジ
ル)パラジウム(0)、(p−ベンゾキノン)(o−フ
ェナンスロリン)パラジウム(0)等の0価パラジウム
錯体;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)、トリス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)、ビス(トリトリルホスフィン)パラジウム
(0)、ビス(トリキシリル)パラジウム(0)、ビス
(トリメシチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリテトラメチルフェニル)パラジウム(0)、ビス
(トリメチルメトキシフェニルホスフィン)パラジウム
(0)等のホスフィン化合物を配位子として持つテトラ
キス(ホスフィン)パラジウム、トリス(ホスフィン)
パラジウム、ビス(ホスフィン)パラジウム錯体および
対応するホスファイト化合物を配位子として持つテトラ
キス(ホスファイト)パラジウム、トリス(ホスファイ
ト)パラジウム、ビス(ホスファイト)パラジウム錯
体;塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、テ
トラアミンジクロロパラジウム(II)、ジナトリウムテ
トラクロロパラジウム(II)等のパラジウム無機塩;酢
酸パラジウム(II)、安息香酸パラジウム(II)、α−
ピコリン酸パラジウム(II)等のパラジウムカルボン酸
塩;ビス(アセチルアセトン)パラジウム(II)、ビス
(8−オキシキノリン)パラジウム(II)等のパラジウ
ムキレート化合物;ビス(アリル)パラジウム(II)、
(η−アリル)(η−シクロペンタジエニル)パラジウ
ム(II)、(η−シクロペンタジエニル)(1,5−シ
クロオクタジエン)パラジウム(II)テトラフルオロ硼
酸塩、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)酢酸
塩、ジ−μ−クロロ−ジクロロビス(トリフェニルホス
フィン)二パラジウム(II)、ビス(トリ−n−ブチル
ホスフィン)パラジウム(II)酢酸塩、2,2−ビピリ
ジルパラジウム(II)酢酸塩等の2価パラジウム錯体な
どが挙げられる。パラジウム化合物の使用量は、通常、
共役アルカジエン1モル当りパラジウム原子に換算して
0.00001〜1グラム原子、好ましくは0.000
1〜0.5グラム原子の範囲で適宜決定される。
【0009】(疎水性燐化合物)一方、共触媒として使
用する疎水性燐化合物としては、各種のホスフィン類、
ホスフィナイト類、ホスホナイト類、ホスファイト類が
挙げられる。これらの具体例としては、トリオクチルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、ジメチルオクチルホ
スフィン等のトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキ
シルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリキ
シリルホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリス
(テトラメチルフェニル)ホスフィン、ジフェニル−p
−クロロフェニルホスフィン、トリス(p−メトキシフ
ェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン、ジフ
ェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の第3アルキルア
リールホスフィン、ジオクチルオクトキシホスフィン、
ジブチルブトキシホスフィン等のアルキルホスフィナイ
ト、ジフェニルフェノキシホスフィン、ジトリルトリル
オキシホスフィン、ジキシリルキシリルオキシホスフィ
ン等のアリールホスフィナイト、ジフェニルエトキシホ
スフィン、ジエチルフェノキシホスフィン等のアルキル
アリールホスフィナイト、オクチルジオクトキシホスフ
ィン、ブチルジブトキシホスフィン等のアルキルホスホ
ナイト、フェニルジフェノキシホスフィン、トリルジト
リルオキシホスフィン、キシリルジキシリルオキシホス
フィン等のアリールホスホナイト、フェニルジエトキシ
ホスフィン、エチルジフェノキシホスフィン等のアルキ
ルアリールホスホナイト、トリオクチルホスファイト、
トリブチルホスファイト、ジメチルオクチルホスファイ
ト等のトリアルキルファイト、トリシクロヘキシルホス
ファイト等のトリシクロアルキルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、トリトリルホスファイト、トリキ
シリルホスファイト等のトリアリールホスファイト、ジ
フェニルエチルホスファイト、ジメチルフェニルホスフ
ァイト等のアルキルアリールホスファイトが例示され
る。また、燐化合物としては下記式(I)又は(II)で
表される環式ホスファイト類も使用し得る。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 ,R2 及びR3 は、それぞ
れ、メチル、エチル、ノニル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシペンチル等のヒドロ
キシアルキル基、エトキシメチル等のアルコキシアルキ
ル基、フェノキシメチル等のアリールオキシアルキル
基、又は、アセトキシメチル、アセトキシペンチル等の
アシルオキシアルキル基を示す)
【0012】これらの燐化合物は、通常、パラジウム化
合物のパラジウム1グラム原子に対して0.1〜100
モル程度、好ましくは1〜50モル程度の割合で使用さ
れるが、必ずしも上記範囲に限定されるものではない。
【0013】(二酸化炭素)本発明の共役アルカジエン
と水との反応は、上記の如きパラジウム化合物及び燐化
合物を触媒として使用し、二酸化炭素の存在下に行われ
る。本発明で使用される二酸化炭素は、反応系で二酸化
炭素として存在するものであれば良く、特にその供給形
態は問わない。例えば、分子状の二酸化炭素、炭酸、炭
酸塩、重炭酸塩、或いは二酸化炭素又は炭酸とアミンと
の付加物等を用いることができる。二酸化炭素の使用量
の上限は経済的な理由により決定されるものであり、過
剰に使用しても特に反応が阻害されることはない。通
常、二酸化炭素はパラジウム化合物のパラジウム1グラ
ム原子に対して1モル以上、好ましくは10モル以上使
用される。
【0014】(溶媒)共役アルカジエンと水との反応
は、反応を円滑に行うために、共役アルカジエンと水と
を、これら両者を少なくとも部分的に溶解する溶媒中に
混合して行うのが好ましく、かかる反応溶媒としては、
従来より公知の種々の溶媒を使用できる。例えば、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、
エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等
のアルカン類、ヘキセン、オクテン等のアルケン類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等
のスルホン類、ニトロベンゼン、ニトロメタン等のニト
ロ化合物、ピリジン、α−ピロリン等のピリジン誘導
体、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピ
ルアミン等のアミン類、アセトアミド、プロピオンアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミ
ド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t
−ブタノール、n−オクタノール等のアルコール類、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸類などが
例示される。かかる溶媒を使用する場合には、これらを
単独で用いても、混合溶媒として用いても良い。
【0015】(反応方法)共役アルカジエンと水との反
応温度は、室温から約180℃までの広い範囲から選択
することができるが、好ましくは50〜130℃、より
好ましくは60〜100℃の範囲である。また、反応圧
力は、常圧から約200kg/cm2 までの広い範囲か
ら選択することができるが、3〜70kg/cm2 の範
囲とするのが好ましい。反応に際しては、特公昭50−
10565号公報に開示されているように、反応系中に
二酸化炭素の他にヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを
共存させることも可能である。本発明においては、以上
に説明した反応原料、反応条件にて共役アルカジエンと
水とを反応させて、アルカジエノール類を生成させる。
この反応により得られる反応生成液中には、触媒、主生
成物であるアルカジエノール、副生成物のアルカトリエ
ン類、ジアルカジエニルエーテル類、有機カルボン酸及
びエステル類、並びに溶媒、未反応の共役アルカジエン
及び水等が含有されている。原料共役アルカジエンが
1,3−ブタジエンの場合、主生成物としてはオクタ−
2,7−シエン−1−オールが、副生成物としてはオク
タ−1,7−ジエン−3−オール、オクタトリエン類、
ジオクタジエニルエーテル類及び有機カルボン酸等が生
成する。なお、副生成物の生成量は、反応条件に依存
し、通常、共役アルカジエンの基準でそれぞれ数モルパ
ーセント内外である。
【0016】2.高沸点副生物の分離 本発明の方法においては、例えば、水和反応生成液の少
なくとも一部に水及び有機溶媒を添加するか、或いは該
生成液の少なくとも一部を有機溶媒水溶液に添加し、攪
拌等により両液を十分に接触させ、次いで必要に応じて
静置して、高沸点副生物中のタール状高沸点物質を主と
して含む成分とそれ以外の成分を含む有機溶媒水溶液と
の二液相を形成させることによりタール状高沸点物質の
分離を行う。この高沸点物質の成分は明らかではない
が、ジアルカジエニルエーテル等の不飽和エーテル類、
ブタジエン重合物が主体である。
【0017】(水)本発明の方法で用いる水は、前述の
アルカジエノール類の製造に用いられる程度の純度の水
が適宜使用されるが、本発明を適用するプロセス内で循
環している水、例えば共役ジエンと水との反応において
過剰に添加した水を回収リサイクルする場合にあって
は、その少なくとも一部を使うことも可能である。
【0018】(有機溶媒)本発明において使用する有機
溶媒は、部分的に水を溶解する有機溶媒なら特に限定さ
れるものではないが、後述する様にタール状HB成分を
分離した後反応に循環使用する場合にあっては、先に反
応溶媒として例示した有機溶媒を用いるのが有利であ
る。そのなかでも、水を3重量%以上溶解することが必
要であり、エーテル類、ケトン類、スルホン類、アミド
類、アルコール類が望ましく、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、
スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、t−ブタ
ノールが好適に使用される。
【0019】本発明の方法においては、使用する水と有
機溶媒との比率、反応生成液と(水+有機溶媒)との比
率が重要であり、水の量或いは反応生成液の量が多いと
油水分離しタール状高沸点物質の分離はできない。ま
た、水の量が少なすぎたり、反応生成液の量が少ないと
均一相を形成し、分離できない。従って、水と有機溶媒
との重量比は3:97から50:50の範囲が良く、好
ましくは10:90から40:60の範囲が良い。反応
生成液と(水+有機溶媒)との重量比は、2:98から
50:50の範囲がよく、好ましくは5:95から3
0:70の範囲が良い。
【0020】(分離方法)本発明の方法により相分離さ
れたタール分は、デカンテーション、或いは遠心分離等
の公知の方法で有機溶媒水溶液から分離される。タール
分を分離した後のパラジウム化合物、疎水性燐化合物を
含んだ残液は、そのまま或いは必要に応じて蒸留等の適
当な処理を施した後反応系へリサイクルするのが工業的
には有利である。本発明の方法において、反応生成液を
水或いは有機溶媒水溶液と接触させる温度は特に限定さ
れるものではなく、水或いは有機溶媒水溶液が沸騰或い
は固化しない範囲なら良好に実施できる。また、本発明
の方法は、連続式、半回分式、回分式等のいずれの方法
を用いても良好に実施することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。
【0022】実施例1 アルカジエノールの製造 図1に示す装置をもちいて、触媒を循環使用しながら
1,3−ブタジエンと水との反応の連続運転を行った。
反応器1は、内容積10Lの誘導攪拌器付ステンレス製
オートクレーブを使用し、循環溶媒アセトン、高沸点複
製物を含む循環触媒液、水、1,3−ブタジエンを連続
的に供給した。この時、オートクレーブ内は、二酸化炭
素により10kg/cm2 に維持され、反応温度75
℃、反応器内液量5L、反応液の滞留時間5.1時間で
あった。反応器から連続的に抜き出された反応液は、気
液分離器2に供給され、1kg/cm2 G30℃にて分
離された液は蒸留塔3に連続的に供給された。蒸留塔3
は、理論段数15段で、塔頂圧力760mmHg、還留
比1で操作した。蒸留塔3の塔頂から留出した溶媒アセ
トンは反応器に戻され、一方、缶出液は油水分離器5で
油水分離され、油相は蒸発器4に供給された。蒸発器4
は、圧力20mmHg、ジャケットの熱媒温度140℃
で操作した。蒸発器4で分離されたHB成分は、単蒸留
釜5に連続的に供給された。単蒸留釜5は、圧力20m
mHgで操作し、缶出液の液量が1時間あたり60〜1
00gになるように液の温度を110〜125℃、滞留
時間を1〜3時間に範囲で変えて調節した。120時間
連続運転しタール分離テスト原料とした。
【0023】実施例2 高沸点成分の分離 実施例1で得られた蒸留塔3からの缶出液の油相をター
ル分離テスト液として用いた。ガラス製フラスコに、ア
セトン35.02g、水10.14gを仕込み、攪拌し
ながら缶出液を徐々に添加した。約5g添加した所で黄
色いタール状物質が分離されるのが目視で確認でき、1
0.12g添加したあと静置した。フラスコ下部に溜ま
った黄色いタール状物質を注射器で吸い取り、分析し
た。表1に結果を示すが、原料液中に21.5%であっ
たタール成分が、タール状物質中には68%まで濃縮さ
れており、その分離率は16%であった。
【0024】
【表1】
【0025】タール成分は、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ)により定量し、ジオクタジエニル
エーテルより早く流出する成分をタール分とした。
【0026】実施例3 蒸留塔3からの缶出液9.86g、アセトン35.0
g、水15.0gとしたほかは実施例2と同様に行っ
た。タール成分は、約2倍に濃縮されており、その分離
率は40%であった。このときは、約4gの缶出液を添
加した時点で、タール状物質の生成が見られた。結果を
表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】比較例1 蒸留塔3からの缶出液10.21g、アセトン20.1
1g、水30.02gを混合し、30分攪拌したが、液
は油水分離し、タール状物質は分離できなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、パラジウム系触媒を用
いて共役アルカジエンの水和・二量化反応によりアルカ
ジエノール類を製造する方法において、反応生成液の少
なくとも一部を水及び有機溶媒に接触させることにより
副生高沸点物質をタール状物質として効率よく分離する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 気液分離器 3 蒸留塔 4 蒸発器 5 単蒸留釜 6 圧縮機 7 油水分離器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム化合物及び疎水性燐化合物か
    ら成る触媒を用い、二酸化炭素の存在下に共役アルカジ
    エンと水とを反応させてアルカジエノール類を製造する
    方法において、前記反応により得られる反応生成液の少
    なくとも一部を水及び有機溶媒に接触させて反応生成液
    中に含有される高沸点副生物をタール状物質として分離
    することを特徴とするアルカジエノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 タール状物質を分離した残りの反応生成
    液の少なくとも一部を前記反応系に再循環する請求項1
    に記載のアルカジエノール類の製造方法。
  3. 【請求項3】 水と有機溶媒との重量比が3:97〜5
    0:50であり、且つ反応生成液の水と有機溶媒との合
    計に対する重量比が2:98〜50:50である請求項
    1又は2に記載のアルカジエノール類の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒が3重量%以上の水溶解度を持
    つエーテル類、ケトン類、スルホン類、アミド類及びア
    ルコール類から成る群から選ばれる少なくとも一種であ
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアルカジエ
    ノール類の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒がジエチレングリコールジメチ
    ルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
    ル、アセトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムア
    ミド及びt−ブタノールから成る群から選ばれる少なく
    とも一種である請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のアルカジエノール類の製造方法。
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