JP2727661B2 - アルカジエノール類の製造方法 - Google Patents

アルカジエノール類の製造方法

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JP2727661B2 JP1151337A JP15133789A JP2727661B2 JP 2727661 B2 JP2727661 B2 JP 2727661B2 JP 1151337 A JP1151337 A JP 1151337A JP 15133789 A JP15133789 A JP 15133789A JP 2727661 B2 JP2727661 B2 JP 2727661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルカジエノール類の製造方法に係り、詳し
くはパラジウム化合物とホスフィン又はホスファイトと
よりなる触媒、及び二酸化炭素の存在下に、共役アルカ
ジエンと水とを反応させて、該共役アルカジエンの水和
二量化物であるアルカジエノール類を製造する方法に関
するものである。
[従来の技術] アルカジエノール類のうち、特にオクタジエノール
は、n−オクタノール及びそのエステル等を製造するた
めの中間体として、化学工業的に重要な化合物である。
従来、アルカジエノール類の製造法としては、パラジ
ウム化合物、ホスフィン又はホスファイトよりなる触媒
並びに二酸化炭素の存在下で共役アルカジエンと水とを
反応させる方法(特公昭50−10565号)が提案されてい
る。この方法によりアルカジエノール類を製造するため
の反応を液相系で行なう場合においては、上記触媒成分
に共役アルカジエンと水とを同時に接触させ、生成する
アルカジエノール類を蒸留等の手段により触媒から分離
する作業が連続的にあるいは回分的に実施される。そし
て、少なくともパラジウム化合物とホスフィン、ホスフ
ァイトとを含有する触媒液は再び反応に循環使用され
る。
なお、本出願人は、先にアルカジエノール類の製造に
際し、触媒を有効に循環再使用する方法として、反応生
成液中の少なくとも一部を塩基性物質と接触させて反応
生成液中に含有される高沸点副生物を抽出分離した後、
触媒を含有する抽残液を前記反応に供する方法を提案し
た(特公昭61−6807号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特公昭50−10565号に開示されるよう
な共役アルカジエンと水とからアルカジエノール類を製
造する反応においては、副反応により高沸点物質が生成
し、これが循環使用される触媒液中に次第に蓄積するこ
とは不可避である。この触媒液中に蓄積する高沸点物質
はそれ自体不必要な希釈物質であるばかりでなく、触媒
活性に対して化学的な抑制作用を示したり、あるいは徒
らに触媒液の粘度を上昇させて反応の進行を著しく阻害
するようになる。
触媒液中にはパラジウム、ホスフィンあるいはホスフ
ァイト等の高価な物質が含有されているので、これらの
触媒成分を有効に利用しない場合の経済的損失は極めて
大きい。それ故、触媒活性を損なうことなく、経済的な
手段で、蓄積した高沸点物質を触媒液から分離、除去す
ることは、本方法によるアルカジエノール類の製造を工
業的に有利に実施するための最も重要な課題の一つとな
る。
なお、特公昭61−6807号に開示される方法は、反応生
成液中に含有される高沸点副生物を抽出分離し、パラジ
ウム触媒を含有する抽残液はパラジウム錯体を析出させ
ることなく反応系に循環するものであり、循環される触
媒活性がやや低いものとなるおそれがあった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、パラジウム化合
物とホスフィン又はホスファイトとよりなる触媒、及び
二酸化炭素の存在下に共役アルカジエンと水とからアル
カジエノール類を製造する反応において、副生する高沸
点物質とパラジウム触媒とを触媒としての有効性を損な
うことなく効率的に分離し、再利用することができるア
ルカジエノール類の製造方法を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明のアルカジエノール類の製造方法は、パラジウ
ム化合物並びにホスフィン又はホスファイトよりなる触
媒、及び二酸化炭素の存在下に共役アルカジエンと水と
を反応させてアルカジエノール類を製造する方法におい
て、前記反応により得られる反応生成液の少なくとも一
部からパラジウム錯体を析出させた後、該錯体を再び前
記反応系へ供することを特徴とする。
即ち、本発明者らは、前記従来の実情に鑑み、パラジ
ウム化合物とホスフィン又はホスファイトとよりなる触
媒、及び二酸化炭素の存在下に共役とアルカジエンと水
とからアルカジエノール類を製造する反応において、副
生する高沸点物質とパラジウム触媒との分離法について
鋭意研究を重ねた結果、少なくとも高沸点副生物とパラ
ジウム触媒とを含む溶液から、パラジウム錯体を析出さ
せることにより、触媒としての有効性を損なうことなく
高沸点副生物を効率的に分離し得ることを見い出し本発
明を完成した。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明方法により水と反応させてアルカジエノール類
を製造し得る共役アルカジエンとしては、1,3−ブタジ
エン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、ク
ロロプレン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。
本発明方法において主触媒として使用されるパラジウ
ム化合物の形態及びその原子価状態については必ずしも
限定的ではない。例えば、パラジウム黒、担体付パラジ
ウム金属等の金属パラジウム、ビス(t−ブチルイソニ
トリル)パラジウム(0)、ビス(t−アミルイソニト
リル)パラジウム(0)、ビス(シクロヘキシルイソニ
トリル)パラジウム(0)、ビス(フェニルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(p−トリルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(2,6−ジメチルフェニル
イソニトリル)パラジウム(0)、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(ト
リフェニルホスファイト)パラジウム(0)、トリス
(ビベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、(1,
5−シクロオクタジエン)(無水マレイン酸)パラジウ
ム(0)、ビス(ノボルネン)(無水マレイン酸)パラ
ジウム(0)、ビス(無水マレイン酸)(ノルボルネ
ン)パラジウム(0)、(ジベンジリデンアセトン)
(ビピリジル)パラジウム(0)、(p−ベンゾキノ
ン)(o−フェナンスロリン)パラジウム(0)、等の
O価パラジウム錯体、塩化パラジウム(II)、硝酸パラ
ジウム(II)、テトラアンミンジクロロパラジウム(I
I)、ジナトリウムテトラクロロパラジウム(II)等の
パラジウム無機塩、酢酸パラジウム(II)、安息香酸パ
ラジウム(II)、α−ピコリン酸パラジウム(II)等の
パラジウムカルボン酸塩、ビス(アセチルアセトン)パ
ラジウム(II)、ビス(8−オキシキノリン)パラジウ
ム(II)等のパラジウムキレート化合物、ビス(アリ
ル)パラジウム(II)、(η−アリル)(η−シクロペ
ンタジエニル)パラジウム(II)、(η−シクロペンタ
ジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(I
I)テトラフルオロ硼酸塩、ビス(ベンゾニトリル)パ
ラジウム(II)酢酸塩、ジ−μ−クロロ−ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)二パラジウム(II)、ビス
(トリ−n−ブチルホスフィン)パラジウム(II)酢酸
塩、2,2′−ビピリジルパラジウム(II)酢酸塩等の2
価パラジウム錯体等が挙げられる。
これらのパラジウム化合物の使用量は広範囲に可変で
あるが、通常、共役アルカジエン1モル当たりパラジウ
ム原子に換算して0.00001〜1グラム原子、好ましくは
0.0001〜0.5グラム原子の範囲で適宜決定される。
本発明で助触媒として使用されるホスフィン又はホス
ファイトとしては、トリ−n−オクチルホスフィン、ト
リブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホスフィ
ン等のトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィン等のトリシクロアルキルホスフィン、トリフェ
ニルホスフィン、トリトリルホスフィン、ジフェニル−
p−クロロフェニルホスフィン、トリス(p−メトキシ
フェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン、ジ
フェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン等の第三級アルキル−
アリールホスフィン及びこれらに対応するホスファイ
ト、ジエトキシフェニルホスフィン、エトキシジフェニ
ルホスフィン、ジメトキシフェニルホスフィン、ジイソ
プロポキシフェニルホスフィン、ビス(2−ブトキシ)
フェニルホスフィン、等のアルコキシアリールホスフィ
ン、ジフェノキシエチルホスフィン等のアリーロキシア
ルキルホスフィン、ジエチルアミノプロピルジフェニル
ホスフィン、モルホリノプロピルジフェニルホスフィ
ン、エチルスルホニルエチルジフェニルホスフィン等の
ヘテロ原子を含むホスフィン、あるいは下記一般式
[I]又は[II]で示される環式ホスファイト等が挙げ
られる。
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれメチル、エチル、ノニ
ル等のアルキル基、フェチル、トリル、ナフチル等のア
リール基、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒド
ロキシペンチル等のヒドロキシアルキル基、エトキシメ
チル等のアルゴキシアルキル基、フェノキシメチル等の
アリーロキシアルキル基、又はアセトキシメチル、アセ
トキシペンチル等のアシルオキシアルキル基を表わ
す。) これらのホスフィン又はホスファイトは、通常、パラ
ジウム1グラム原子に対して0.1〜100モル程度、好まし
くは0.1〜10モル程度の割合で使用されるが、必ずしも
上記範囲に限定されるものではない。
また、本発明方法において使用される二酸化炭素は、
反応系で二酸化炭素として存在するものであれば良く、
特にその供給形態は問わない。例えば、分子状の二酸化
炭素、炭酸、炭酸塩、重炭酸塩、或いは二酸化炭素又は
炭酸とアミンとの付加物等が挙げられる。二酸化炭素の
使用量の上限は経済的理由により決定されるものであ
り、過剰に使用することは特に反応を阻害するものでは
ない。通常、二酸化炭素はパラジウム1グラム原子につ
いて1モル以上、好ましくは10モル以上使用される。
本発明方法を実施するにあたって、反応溶媒は必ずし
も必要としないが、反応をより円滑に行なうためには溶
媒を使用するのが好適である。使用し得る溶媒として
は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケト
ン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト
リル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の芳香属炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等のアルカン類、ヘキセン、オクテン等の
アルケン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド
類、ニトロベンゼン、ニトロメタン等のニトロ化合物、
ピリジン、α−ピコリン等のピリジン誘導体、アセトア
ミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセト
アミド等のアミド等が挙げられる。その他、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル、n−オクタノール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸類などが例示され
る。これらのうち、特に低級アルコールを使用した場合
はアルコキシオクタジエン等の副生物の生成を伴ない、
低級カルボン酸を使用した場合はアシルオキシオクタジ
エン等の副生物の生成を伴ない、反応系を複雑にするの
で共に注意を要する。
本発明により共役アルカジエンと水とを反応させるた
めの反応温度は、室温から180℃程度の広い範囲から選
択することができるが、50〜130℃の温度範囲を選ぶの
がより一般的である。また、反応圧力は常圧から200kg/
cm2程度までの範囲内で選択される。この際、二酸化炭
素の他に窒素、ヘリウム、アルゴン等の反応に不活性な
気体を共存させることも可能である。
本発明においては、以上に説明した反応原料及び反応
条件にて共役アルカジエンを水和二量化してアルカジエ
ノール類を生成させる。この反応により得られる反応生
成液中には、触媒、主生成物であるアルカジエノール
類、アルカトルエン類等の軽沸点副生物、ジアルカジエ
ニルエーテル、有機カルボン酸及びエステル類等の高沸
点副生物、その他場合により溶媒或いは未反応の水又は
共役アルカジエン等が含有されている。軽沸点副生物及
び高沸点副生物の生成量は、反応条件に依存し、通常共
役アルカジエン基準でそれぞれ数モルパーセント内外で
ある。
本発明方法においては、上記反応生成液の少なくとも
一部からパラジウム錯体を析出させた後、パラジウム錯
体を再び反応系へ供する。
パラジウム錯体を析出させる方法としては、反応生成
液中のアルカジエノール類の一部又は大部分を蒸留等の
手段で分離して反応生成液を濃縮することにより、反応
生成液に対するパラジウム錯体の溶解量を低減する方法
が好ましい。反応に溶媒を使用する場合には、上記反応
生成液より溶媒を蒸留分離することが好ましい。通常の
場合、高沸点副生物は、濃縮された反応生成液中に残留
するようになる。
更に、パラジウム錯体の析出量を高める方法として次
の〜の方法を採用することができる。
パラジウム錯体として、反応生成液に対する溶解度
の低い錯体、即ち、ホスフィン又はホスファイトが多配
位したパラジウム錯体を形成させる。このような錯体を
形成させるためには、反応生成液中のホスフィン又はホ
スファイトがパラジウム1グラム原子に対して少なくと
も3倍モル、好ましくは少なくとも4倍モル存在するよ
うに必要に応じて反応生成液にホスフィン又はホスファ
イトを追加供給することが好適である。
必要に応じて加圧又は減圧下に50〜150℃の温度範
囲内での加熱操作を行なう。
高沸点副生物を含有する反応生成液を、還元剤と接
触させる。
高沸点副生物を含有する反応生成液を、塩基性物質
と接触させて、有機カルボン酸等の一部の高沸点副生物
を予め抽出分離することにより、パラジウム錯体の溶解
量を低減させる。
の場合、還元剤としては水素原子放出性の還元剤が
適当で、具体的には分子状水素、リチウムアルミニウム
ハイドライド、ナトリウムボロハイドライド、ヒドラジ
ン、ホルムアルデヒド、蟻酸、蟻酸エステル、イソプロ
ピルアルコール等を挙げることができる。還元剤の使用
量については必ずしも限定されないが、通常はパラジウ
ムに対し1〜1000倍当量、好ましくは10〜100倍当量用
いるのが適当である。還元剤として特に好ましいものは
分子状水素であり、その形態は窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、一酸化炭素と水素との混合気体であっても良い。こ
の場合、反応は流通形式、吹込み形式、加圧密閉形式等
の方式で行なうことができ、水素分圧は200kg/cm2程度
以下の任意の範囲で選択される。還元反応の反応温度は
0〜180℃程度の広い範囲から選択することができる
が、50〜130℃の温度範囲を選ぶのがより一般的であ
る。このような処理によって溶解性の高いPd2価錯体は
溶解性の低いPd0価錯体に変化して析出量が高められ
る。
の場合、塩基性物質としては、アルカリ金属、アル
カリ土類金属及びアンモニウムイオンの形成する水酸化
物、酸化物、アルコキシサイド、カルボン酸塩、炭酸塩
及び重炭酸塩等を使用することができる。具体的には、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、ナ
トリウムエトキサイド、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム
等が挙げられる。
塩基性物質は通常、水等の溶媒中に溶解した形で使用
するのが一般的であるが、固体の形で使用することも可
能である。溶液として使用する場合の塩基性物質の濃度
には特に制限はないが、通常0.05〜5モル/l程度の溶液
が有利に使用される。塩基性物質の使用量についても必
ずしも限定的ではないが、処理すべき高沸点物質と等モ
ル以上であることが望ましい。
反応生成液を塩基性物質によって接触処理する場合の
温度は0〜150℃とりわけ20〜100℃が好適である。通常
の場合、この処理相は有機相−水相の混相になるため、
効率の良い攪拌を加えるのが好ましい。塩基性物質との
接触により、触媒成分は有機相にそのまま残るのに対
し、高沸点副生物の大部分は水相に移動するので、相分
離により容易に高沸点副生物を除去することができる。
この場合、有機相と水相との分離を円滑に行なうため
に、補助溶媒を使用することもできる。用いる補助溶媒
は反応に不活性で水相と分離し易い有機溶媒から任意に
選択できる。具体的には、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和脂肪族炭化
水素、シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水素、オクテ
ン、オクタジエン、オクタトリエン等の不飽和炭化水
素、或いは塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられる。
なお、水相に移動した高沸点副生物は、例えば塩酸な
どにより水相を酸性とした後、適当な有機溶媒で抽出す
ることにより容易に回収することができる。
このような塩基性物質を用いる抽出操作を行なって、
パラジウム錯体の析出に好ましくない影響を及ぼす一部
の高沸点副生物を予め分離することにより、パラジウム
錯体を容易に析出させることが可能となる。
なお、本発明において、パラジウム錯体の析出量を高
める方法は上記〜の方法に何ら限定されるものでは
ない。また、パラジウム錯体を高効率で析出せしめるこ
とが可能であるならば、上記〜の方法の2以上を組
み合わせて行なうこともできる。
本発明の方法は反応により得られる反応生成液の少な
くとも一部からパラジウム錯体を析出させた後、再び該
錯体を反応系へ供するものであるが、通常の場合、析出
物を分離した後、反応系へ循環供給するのが好適であ
る。
この場合、反応生成液より析出したパラジウム錯体
は、濾過又はデカンテーション等の公知技術により容易
に分離回収することができる。分離回収されたパラジウ
ム錯体の一部又は全部は、必要に応じて前記反応溶媒に
溶解して再び共役アルカジエンと水との反応に供する。
[作用] 本発明の方法によれば、有害な高沸点物質の循環、蓄
積を防止して、高価な触媒を反応に循環再使用すること
ができる。反応生成液より析出されたパラジウム錯体
は、再度反応系に供した場合、本来の触媒活性を有効に
発揮する高活性触媒として作用する。
特公昭61−6807号に開示される方法は、反応生成液中
に含有される高沸点副生物を抽出分離し、パラジウム触
媒を含有する抽残液はパラジウム錯体を析出させること
なく反応系に循環するものであるのに対し、本発明の方
法は、パラジウム錯体を析出させ、反応系に循環するも
のであるが、通常は析出物を分離した後循環するのが好
適である。このような本発明の方法によれば、触媒をよ
り触媒活性の高い状態で反応系に循環することが可能と
される。
[実施例] 次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
実施例1 1,3−ブタジエン0.5モル、水1モル、二酸化炭素0.6
モル、ビス(アセチルアセトン)パラジウム0.5ミリモ
ル、トリフェニルホスフィン2.0ミリモル及びジメチル
ホルムアミド63mlの混合物を内容積0.3lのステンレス製
電磁誘導回転式オートクレーブ中にて90℃で3時間反応
させた。反応生成液をガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、2,7−オクタジエン−1−オール0.153モル、1,
7−オクタジエン−3−オール0.019モルが生成してい
た。
得られた反応生成液にトリフェニルホスフィン1.0ミ
リモルを添加し、浴温90℃、圧力1.8mmHgで蒸留してオ
クタジエニルアルコールを留去した。その後、浴温120
℃、圧力1.8mmHgで加熱操作を15分行なった。釜残液中
には黄色の固体が析出しており、これを濾過したところ
パラジウム金属換算で0.44ミリグラム原子のパラジウム
を含有する黄色パラジウム錯体1.67gと蒸留釜残の濾液
1.48gとに分離された。該濾液の主成分は、ジオクタジ
エニルエーテル及びノナトリエン酸を主体とする高沸点
副生物であった。
このようにして析出分離したパラジウム錯体を再びオ
ートクレーブに入れ、1,3−ブタジエン0.5モル、水1モ
ル、二酸化炭素0.6モル及びジメチルホルムアミド63ml
を改めて供給し、上記と同様の条件で反応を行なった結
果、2,7−オクタジエン−1−オール0.158モル、1,7−
オクタジエン−3−オール0.016モルが生成した。
実施例2 得られた反応生成液にトリフェニルホスフィン2.0ミ
リモルを添加した以外は、実施例1と同様に処理したと
ころ、パラジウム金属換算で0.49ミリグラム原子のパラ
ジウムを含有する黄色パラジウム錯体2.35gが析出分離
された。
実施例3 得られた反応生成液にトリフェニルホスフィンを添加
しなかったこと以外は、実施例1と同様に処理したとこ
ろ、パラジウム金属換算で0.37ミリグラム原子のパラジ
ウムを含有する黄色パラジウム錯体0.74gが析出分離さ
れた。
実施例4 実施例1と同じ反応で得られた反応生成液にトリフェ
ニルホスフィン1.0ミリモルを添加し、浴温60℃、圧力
1.8mmHgで低沸点副生物、水、ジメチルホルムアミドを
留去した。得られた蒸留釜残26gに1.0規定の水酸化ナト
リウム水溶液10gを加え、分液後、更に油相を純水20ml
で洗い、触媒成分を含む油相からオクタジエニルアルコ
ールを浴温90℃、圧力1.8mmHgで蒸留回収した。
蒸留釜残中には、黄色のパラジウム錯体が析出してお
り、これを濾過により分離し、濾別分離したパラジウム
錯体を再びオートクレーブに入れ、1,3−ブタジエン0.5
モル、水1モル、二酸化炭素0.6モル及びジメチルホル
ムアミド63mlを改めて供給し、実施例1と同様の条件で
反応を行なった。この操作を繰り返して4回反応を行な
った結果を第1表に示す。
実施例5 実施例1と同じ反応で得られた反応生成液にトリフェ
ニルホスフィン0.5ミリモルを添加し、浴温90℃、圧力
1.8mmHgで蒸留し、オクタジエニルアルコールを留去し
た。この操作により得られたPd錯体未析出の残釜4.60g
を、浴温90℃、水素常圧流通下、3時間還元反応を行な
った結果、パラジウム金属換算で0.45ミリグラム原子の
パラジウムを含有する黄色パラジウム錯体2.26gが析出
分離された。この分離されたパラジウム錯体を実施例4
におけるのと同じように再びオートクレーブに入れ繰り
返し反応を行なったところ、同程度の反応結果が得られ
た。
以上の結果から、反応生成液から析出されたパラジウ
ム錯体は、触媒活性を損なうことなく、有効に再使用す
ることができることが明らかである。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のアルカジエノール類の製
造方法によれば、パラジウム化合物とホスフィン又はホ
スファイトよりなる触媒、及び二酸化炭素の存在下に共
役アルカジエンと水とを反応させてアルカジエノール類
を製造する反応により得られる反応生成液からパラジウ
ム錯体を析出させ反応系へ供することにより、高沸点副
生物の蓄積を防止すると共に、触媒活性の劣化を伴なう
ことなくパラジウム錯体を繰り返しアルカジエノール類
の製造に利用することができる。
従って、本発明の方法によれば、触媒の効率的な回収
再使用が可能となり、経済的、工業的に極めて有利であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウム化合物並びにホスフィン又はホ
    スファイトよりなる触媒、及び二酸化炭素の存在下に共
    役アルカジエンと水とを反応させてアルカジエノール類
    を製造する方法において、前記反応により得られる反応
    生成液の少なくとも一部からパラジウム錯体を析出させ
    た後、該錯体を再び前記反応系へ供することを特徴とす
    るアルカジエノール類の製造方法。
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