JPH0778054B2 - ラクトン類の製造方法 - Google Patents

ラクトン類の製造方法

Info

Publication number
JPH0778054B2
JPH0778054B2 JP62157321A JP15732187A JPH0778054B2 JP H0778054 B2 JPH0778054 B2 JP H0778054B2 JP 62157321 A JP62157321 A JP 62157321A JP 15732187 A JP15732187 A JP 15732187A JP H0778054 B2 JPH0778054 B2 JP H0778054B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ruthenium
acid
mmol
reaction
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62157321A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6425771A (en
Inventor
啓輔 和田
善則 原
康之 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP62157321A priority Critical patent/JPH0778054B2/ja
Publication of JPS6425771A publication Critical patent/JPS6425771A/ja
Publication of JPH0778054B2 publication Critical patent/JPH0778054B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又
はジカルボン酸エステルの水素化によりラクトン類を製
造する方法に関する。
〔従来の技術〕
ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボ
ン酸エステルを水素化してラクトン類を製造する方法は
古くから検討されており、これまでに種々の触媒が提案
されている。
例えば、ニッケル系触媒(例えば特公昭43−6947号公
報)、コバルト系触媒(例えば特開昭51−95057号公
報)、銅−クロム系触媒(例えば特公昭38−20119号公
報)及び銅−亜鉛系触媒(例えば特公昭42−14463号公
報)を使用して、固定床あるいは液相懸濁相等の水素化
反応方式によりラクトン類を製造する方法については多
数の提案がなされている。一方、均一系のルテニウム触
媒を使用して上記の水素化反応を行なうラクトン類の製
造法も知られており、例えば米国特許第3957827号に
は、〔RuXn(PR1R2R3)xLy〕型の触媒を使用して40〜40
0psiの条件で水素化反応を行なうことが記載され、また
米国特許第4485246号には同様の触媒による水素化反応
を有機アミンの存在下に行なうこと、更には米国特許第
4485245号には〔RumXn(SnCl2)(MR3)nLy〕型の触媒
を用いて水素化反応を行なうことが記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記のようなニッケル系触媒、コバルト
系触媒、銅−クロム系触媒及び銅−亜鉛系触媒等を使用
する従来の方法には、全てが数十気圧以上の苛酷な条件
の採用は避けられない、という問題点があった。一方、
上記の均一系のルテニウム触媒を使用する従来の方法に
は比較的温和な条件下で水素化反応が進行するという特
徴のある半面、触媒活性はやや低水準にあるばかりか、
触媒寿命は著しく短く、又ハロゲンを使用しているため
反応装置の腐食が生ずるという致命的な問題点があっ
た。
本発明は、上記の従来の問題点をすべて解決して、ジカ
ルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボン酸
エステルを従来になく工業的有利に水素化しうるラクト
ン類の製造法の提供を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、かゝる目的を達成すべく鋭意検討した結
果、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカ
ルボン酸エステルを水素化してラクトン類を製造する方
法において、触媒として、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2よりも小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒を用いると水素化触媒活性
が増加するばかりでなく、触媒の活性安定性向上に効果
があることを見い出し、本発明に到達したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で原料とするジカルボン酸、ジカルボン酸無水物
又はジカルボン酸エステルは、炭素数が3〜7の飽和又
は不飽和のジカルボン酸誘導体であって、エステルとし
てはアルキルエステルが好ましく、とくにカルボン酸骨
格としては炭素数4の誘導体が好ましい。具体的には例
えば、フマール酸、コハク酸、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、マレイン酸ジメチル、フマール酸ジエチル、コ
ハク酸−ジ−n−ブチルあるいはコハク酸モノメチル、
マレイン酸モノメチル等が挙げられる。
本発明の方法に用いる触媒は、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2より小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒であり、好ましくは、かか
るルテニウム系触媒が更に中性配位子を含有したもの
である。
ここで、ルテニウムとしては、その供給形態において
金属ルテニウム及びルテニウム化合物のいずれもが使用
可能である。ルテニウム化合物としては、ルテニウムの
酸化物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩あるいは錯化合
物等が使用される。具体的には、二酸化ルテニウム、四
酸化ルテニウム、二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウ
ム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウ
ム、酢酸ルテニウム、トリス(アセチルアセトン)ルテ
ニウム、ヘキサクロロルテニウム酸ナトリウム、テトラ
カルボニルルテニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニル
ルテニウム、シクロペンタジエニルジカルボニルルテニ
ウム、ジブロモトリカルボニルルテニウム、クロロトリ
ス(トリフエニルホスフイン)ヒドリドルテニウム、ビ
ス(トリ−n−ブチルホスフィン)トリカルボニルルテ
ニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、テトラヒド
リドデカカルボニルテトラルテニウム、オクタデカカル
ボニルヘキサルテニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボ
ニルヒドリドトリルテニウム酸テトラフエニルホスホニ
ウム等が挙げられる。
これらの金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使用量
は、反応液中の濃度が反応溶液1リットル中のルテニウ
ムとして0.0001〜100モル、好ましくは0.001〜10ミリモ
ルとなる量である。
本発明の方法においては、ルテニウムとともに有機
ホスフィンの使用が必要であって、このものはルテニウ
ムの電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安
定化するのに寄与するものと考えられる。かかる有機ホ
スフィンの具体例としては、トリオクチルホスフィン、
トリ−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチル
ホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロ
ヘキシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン
類、トリフエニルホスフィン等のトリアリールホスフィ
ン類、ジメチルフエニルホスフィン等のアルキルアリー
ルホスフィン類、1,2−ビス(ジフエニルホスフィノ)
エタン等の多官能性ホスフィン類等が挙げられる。
これらの有機ホスフィンの使用量は、ルテニウム1モル
に対して、0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルの範
囲である。また、これらの有機ホスフィンは、それ自体
単独で又はルテニウムとの複合体の形で、反応系に供給
することが可能である。
また、本発明の水素化反応主触媒を構成するルテニウム
に対する付加的な促進剤としてpKaが2より小さい酸の
共役塩基を用いることによって、主構成成分であるルテ
ニウムの長所を生かして比較的温和な条件下で水素化反
応を進行させることができる他、とくに水素化触媒活性
の向上、活性安定性及び目的生成物の選択性の向上をは
かることができる。
pKaが2よりも小さい酸の共役塩基としては触媒調製中
又は反応系中においてかかる共役塩基を生成するもので
あればよく、その供給形態としてはpKaが2より小さい
ブレンステッド酸あるいはかかる酸の各種の塩等が用い
られる。
具体的には硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサ
フルオロ燐酸、フルオロスルホン酸等の無機酸類、トリ
クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタン
スルホン酸、ドデシルスルホン酸、オクタデシルスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン化スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体等の有機酸類等のブレンステ
ッド酸もしくはこれらの酸のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、銀塩等が挙げられる。
又、これらの酸の共役塩基が反応系で生成すると考えら
れる酸誘導体の形で添加してもさしつかえない。例えば
酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、酸アミド等の形
で反応系に添加しても同様の効果が期待される。
これら酸あるいはその塩の使用量は、ルテニウムに対し
て0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モルの範囲であ
る。
本発明のルテニウム系触媒は、更に中性配位子を含有す
ることができる。
かかる中性配位子として水素;エチレン、プロピレン、
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ブタジエ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、ノルボ
ナジエン等のオレフィン類;一酸化炭素、ジエチルエー
テル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
アセトン、アセトフエノン、ベンゾフエノン、シクロヘ
キサノン、プロピオン酸、カプロン酸、酪酸、安息香
酸、酢酸エチル、酢酸アリル、安息香酸ベンジル、ステ
アリン酸ベンジル、バレロラクトン等の含酸素化合物;
酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾ
ニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチルアミ
ン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、ピロー
ル、ピリジン、N−メチルホルムアミド、アセトアミ
ド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリド
ン、カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合物;
二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフエノー
ル、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チオ
フェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシ
ド等の含硫黄化合物;トリブチルホスフィンオキシド、
エチルジフエニルホスフィンオキシト、トリフエニルホ
スフィンオキシド、ジエチルフエニルホスフィネート、
ジフエニルエチルホスフィネート、ジフエニルメチルホ
スホネート、0,0−ジメチルメチルホスホノチオレー
ト、トリエチルホスファイト、トリフエニルホスファイ
ト、トリエチルホスフエート、トリフエニルホスフエー
ト、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機ホス
フィン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明は、反応原料、反応生成物、反応溶媒等が同時に
中性配位子として作用する場合も包含するものである。
本発明の方法に使用されるルテニウム系触媒はあらかじ
め合成、単離して使用してもよいし(例えば、J.Organo
metal.Chem.77 C−31('74))、又その前駆体をそれぞ
れ単独に反応系に添加して反応系内でルテニウム系触媒
を調製して使用してもよい。
本発明のルテニウム系触媒の合成法としては、例えば、
シクロオクタジエンジクロロルテニウム、ジクロロトリ
ストリフエニルホスフィンルテニウム等のハロゲン含有
ルテニウム化合物にM+Y-(Mはアルカリ金属、アルカリ
土類金属、IB属の金属、又はオニウム陽イオンを示し、
YはpKaが2よりも小さい酸の共役塩基を示す)の様な
塩で処理することによって合成することができる(例え
ばInorg.Chem.17 1965('78)式(1)参照)。
(式中、Xは塩素、臭素等のハロゲンを示し、Lは有機
ホスフィンあるいは中性配位子を示す。M、Yは前記定
義と同じ意味を示す。) 又、ジヒドリドテトラキス(トリフエニルホスフィン)
ルテニウム、ヒドリドクロロトリストリフエニルホスフ
ィン)ルテニウム等のルテニウムヒドリド化合物、ある
いは水素化反応条件下でルテニウムヒドリド化合物を生
成するルテニウム化合物にpKaが2よりも小さいブレン
ステッド酸あるいはその塩(アンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩、スルホニウム塩あるいはオキソニウム塩等のオ
ニウム塩化合物)を添加する方法(例えばJ.Chem.Soc.D
alton Trans.370('75)、式2参照) RuH2L4+M′Y〔RuHL4+Y-+M′H …(2) (式中L、Yは前記定義と同じ意味を示し、M′はプロ
トン、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オ
キソニウムイオン等のオニウム陽イオンを示す。)、 トリフエニルカルベニウムイオンあるいはトロピリウム
イオンの様な安定なカルベニウムイオンの塩(対アニオ
ンはpKaが2より小さい酸の共役塩基)で処理する方法
(例えばInorg.Chem 17 1965('78)、式(3)参
照)、 RuH2L4+Ph3C+Y-〔RuHL4+Y-+Ph3CH …(3) (式中、L、Yは前記定義と同じ意味を示す。) 等によって触媒を調製することができる。
本発明の方法は、溶媒の不存在下に、すなわち反応原料
そのものを溶媒として実施することもできるが、反応原
料以外の溶媒を使用することもできる。このような溶媒
としては例えば、ジエチルエーテル、アニソール、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、アセトフエノン等のケトン類、メタノール、
エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、フ
エノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール
等のアルコール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルイ
ル酸等のカルボン酸類、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、
安息香酸ベンジル等のエステル類、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、
n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化合物、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等のカルボン酸アミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド、N,N,N′,N′−テトラエチルスルファミド等の
その他のアミド類、N,N′−ジメチルイミダゾリドン、
N,NN,N−テトラメチル尿素等の尿素類、ジメチルスルホ
ン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類、ジメチル
スルホキシド、ジフエニルスルホキシド等のスルホキシ
ド類、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラ
クトン類、テトラグライム(テトラエチレングリコール
ジメチルエーテル)、18−クラウン−6等のポリエーテ
ル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の
炭酸エステル類等である。
本発明の方法により水素化反応を行うためには、反応容
器に反応原料と触媒成分並びに所望により溶媒を装入
し、これに水素を導入すればよい。水素は、窒素や二酸
化炭素等の反応に不活性なガスで希釈されたものであっ
てもよい。
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃で
ある。反応系内の水素分圧は、通常0.1〜100kg/cm2、好
ましくは1〜10kg/cm2である。もちろん、さらに低い圧
力又は高い圧力下で実施することも不可能ではないが、
工業的に有利ではない。
反応は、回分方式および連続方式のいずれで実施するこ
ともできる。回分方式の場合の所要反応時間は通常1〜
20hrsである。
反応生成液からは、蒸留、抽出等の通常の分離精製手段
により、目的物であるラクトン類を回収することができ
る。また、蒸留残渣は、触媒成分として反応系に循環す
ることができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明
の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるもので
はない。
実施例1 70ml SUS製ミクロオートクレーブにルテニウムアセチル
アセトナート0.0796g(Ru:0.2ミリモル)、トリオクチ
ルホスフィン0.74g(2.0ミリモル)テトラグライム10ml
を仕込み、アルゴン雰囲気下、200℃で4時間熱処理を
した。熱処理した触媒液は黄色を示していた。
この触媒液を気泡塔式SUS製反応器に移し、アンモニウ
ムテトラフルオロボレート0.105g(1.0ミリモル)、テ
トラグライム5ml、γ−ブチロラクトン6.7g(79ミリモ
ル)を仕込み反応原料として無水コハク酸20.0g(200ミ
リモル)を仕込み水素圧10気圧で水素ガスを100NTP./
hrで導入しながら、200℃に加熱して反応させた。
反応原料は反応による消費や蒸発により減少するので2
時間ごとに7.5gの原料を間欠的に補給して14時間反応を
行なった。
γ−ブチロラクトン(以下「GBL」と略記する)の生成
速度は36モリモル/hrであり、GBL以外の水添生成副生物
は痕跡量であった。
なおこの間安定した反応活性を維持していた。無水コハ
ク酸の転換率は79.2%、GBL選択率はほぼ100%であっ
た。
実施例2〜3、及び比較例1 気泡塔SUS製反応器にルテニウムアセチルアセトナート
0.0796g(Ru;0.2ミリモル)トリオクチルホスフィン0.7
4g(2.0ミリモル)、テトラグライム20ml及び表1に記
載したアンモニウム塩を添加し、更にテトラグライム20
ml及び反応原料として無水コハク酸20.0g(200ミリモ
ル)を仕込み、常圧下水素ガスを10NTP・/hrで導入し
ながら200℃に加熱して4時間反応を行なった。その結
果を表1に示した。
実施例4 ルテニウムシクロオクタジエンジクロリド0.056g(Ru;
0.2ミリモル)にヘキサフルオロホスフエイト銀0.101g
(2.0ミリモル)、トリオクチルホスフィン0.74g(2.0
ミリモル)、テトラグラフィム10mlをミクロオートクレ
ーブに仕込みアルゴン下、200℃、2時間熱処理して触
媒液を調製した。
副生した塩化銀を過後この触媒液にテトラグライム10
ml、反応原料として無水コハク酸20.0g(200ミリモル)
を添加して常圧、水素ガスを20NTP・/hrで導入して20
0℃で4時間加熱した。
その結果GBLが80.8ミリモル(収率40.4%)生成してい
た。
実施例5〜8 ルテニウムアセチルアセトナート0.0796g(Ru;0.2ミリ
モル)、トリオクチルホスフイン0.74g(2.0ミリモ
ル)、アンモニウムテトラフルオロボレート0.105g(1.
0ミリモル)及び表2に示す溶媒20mlを仕込み、アルゴ
ン雰囲気下200℃で2時間熱処理をした。その後無水コ
ハク酸20.0g(200ミリモル)を添加して実施例4と同様
の水素化反応を行なった。
その結果を表2に示した。
実施例9〜12 ルテニウムシクロオクタジエンジクロリド0.056g(0.2
ミリモル)に表3に示す各種の銀塩、トリフエニルホス
フィン0.525g(2.0ミリモル)、テトラグライム10mlを
ミクロオートクレーブに仕込みアルゴン雰囲気下、170
℃2時間で熱処理して触媒液を調製した。
生成した塩化銀を過後この触媒液にテトラグライム10
ml、無水コハク酸を20g(200ミリモル)を添加して常圧
下水素ガスを20NTP・/hr流して170℃で4時間加熱し
た。
その反応成績を表3に示した。何れの場合もGBL以外の
水添副生物は痕跡量であった。
比較例2 トリストリフエニルホスフィンジクロロルテニウム0.19
1g(0.2ミリモル)、トリフエニルホスフィン0.368g
(1.4ミリモル)を触媒として用いて実施例5と同様の
条件で水素化反応を行った所、GBLの生成量は16.8ミリ
モル(収率8.4%)であった。
実施例13 70mlSUS製ミクロオートクレーブにルテニウムアセチル
アセトナート0.0199g(Ru;0.05ミリモル)、トリオクチ
ルホスフィン0.185g(0.5ミリモル)、パラトルエンス
ルホン酸の0.084g(0.44ミリモル)、テトラグライム16
mlを仕込みアンゴン雰囲気下200℃で2時間熱処理して
触媒液を調製した。この触媒液に反応原料として無水コ
ハク酸4g(40ミリモル)を仕込み室温で水素を30気圧圧
入し、200℃に加熱して2時間反応させた。
所定反応時間後オートクレーブを開け、反応生成物をガ
スクロマトグラフィーにより定量した。
その結果、無水コハク酸の転換率67.4%、GBLBの選択率
95.4%、GBLの収率64.3%であった。
実施例14〜15 実施例13において用いたパラトルエンスルホン酸の代り
に他のスルホン酸を用いて同様の反応を行った結果を表
4に示した。
実施例16 実施例13において用いたルテニウムアセチルアセトナー
トの代りに酢酸ルテニウムを0.011g(0.025ミリモル)
を用いて同様の反応を行った。
その結果、21.4ミリモルのGBLが得られた。無水コハク
酸の転換率は56.0%、GBLの選択率は95.5%であった。
実施例17 実施例13において用いたルテニウムアセチルアセトナー
トの代りにドデカカルボニルトリルテニウムを0.011g
(0.017ミリモル)用いて同様の反応を行った。
その結果、18.4ミリモルのGBLが得られた。無水コハク
酸の転換率は51.3%、GBLの選択率は89.7%であった。
実施例18 気泡塔SUS製反応器にルテニウムアセチルアセトナート
0.0796g(Ru;0.2ミリモル)トリフエニルホスフィン0.5
2g(2.0ミリモル)、ドデシルスルホン酸0.25g(1ミリ
モル)、テトラグライム20ml及び反応原料として無水コ
ハク酸20.0g(200ミリモル)を仕込み、常圧下水素ガス
を20NTP・/hrで導入しながら170℃に加熱して2時間
反応を行った。その結果21ミリモルのGBLが得られた。
実施例19 気液分離器を取りつけた200ml誘導撹拌オートクレーブ
にテトラグライム80mlを仕込み200℃まで昇温した。200
℃に達した時点で圧力10気圧、GHSV460hr-1の流量で水
素を連続的に反応器に供給した。
一方、ルテニウムアセチルアセトナート0.197wt%、ト
リオクチルホスフィン1.86wt%、パラトルエンスルホン
酸0.82wt%無水コハク酸9.71wt%、テトラグライム87.4
1wt%からなる原料組成物を滞留時間1.6時間になるよう
に連続的に反応器に供給した。反応開始後ほぼ5時間以
降から定常的な組成を有する反応生成物が得られた。
定常状態での反応成績として無水コハク酸と転換率93
%、GBLの選択率94%が得られた。
これら反応液を油浴温度155℃、真空度3mmHgでGBLを留
去した後上記原料組成となるように無水コハク酸を添加
して同様の反応を繰り返した所、無水コハク酸転換率93
%、GBL選択率99%の成績を得た。
比較例3(pKa>2の酸) 気泡塔SUS製反応器にルテニウムアセチルアセトナート
0.0769g(Ru;0.2ミリモル)、トリオクチルホスフィン
0.74g(2.0ミリモル)、テトラグライム20ml、リン酸
(pKa=2.15)2.0ミリモルを添加し、反応原料として無
水コハク酸20.0g(200ミリモル)を仕込み、常圧下水素
ガスを10NTP・/hrで導入しながら200℃に加熱して4
時間反応を行ったが、GBLは生成しなかった。
実施例20 気泡塔SUS製反応器にルテニウムアセチルアセトナート
0.0796g(Ru;0.2ミリモル)、トリオクチルホスフィン
0.74g(2.0ミリモル)、テトラグライム20ml、パラトル
エンスルホン酸(2.0ミリモル)を添加し、テトラグラ
イム20ml及び反応原料として無水コハク酸20.0g(200ミ
リモル)を仕込み、常圧下水素ガスを10NTP・/hrで導
入しながら200℃に加熱して4時間反応を行った。
その結果、無水コハク酸の転換率20.5%、GBLの選択率9
6.8%であった。
実施例21 SUS製反応器にトリクロロルテニウム水和物0.0523g(0.
2ミリモル)、トリフェニルホスフィン0.371g(1.4ミリ
モル)、オクタデシルスルホン酸ナトリウム(C18H37SO
2Na)0.712g(2.0ミリモル)、テトラグライム20ml及び
無水コハク酸20.0g(200ミリモル)を仕込み常圧下水素
ガスを20/hrで導入しながら170℃、2時間反応を行な
った。その結果、GBLの生成量は42.0ミリモル(収率21.
0%)であり、GBL以外の水添生成物は痕跡量であった。
実施例22 実施例21において、トリフェニルホスフィンを1.43g
(5.4ミリモル)とし、カリオクタデシルスルホン酸ナ
トリウムのかわりにドデシルスルホン酸ナトリウム(C
12H25SO3Na)0.272g(1.0ミリモル)とした以外は実施
例21と同様に行なった。その結果、GBLの生成量は53.0
ミリモル(収率27.5%)であり、GBL以外の水添生成物
は痕跡量であった。
比較例4〜10(ハロゲン含有ルテニウム錯体にアミンを
加えた系) SUS製反応器にトリクロロルテニウム0.002g(0.01ミリ
モル)、トリフェニルホスフィン0.013g(0.05ミリモ
ル)、表5に示した各種のアミン類を0.1ミリモル、テ
トラグライム5ml及び反応原料として無水コハク酸1.0g
(10ミリモル)を仕込み水素20気圧で160℃、2時間反
応を行なった。
その結果、表5から明らかなようにアミン類を添加する
と反応活性が低下することがわかる。
〔発明の効果〕 本発明によればジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び
/又はジカルボン酸エステルを水素化してラクトン類を
製造するに際し、本発明のルテニウム系触媒を触媒とし
て均一液相反応で反応を行うことにより従来法に比して
温和な条件で高選択率で目的物を得ることができる。
更に該触媒は活性安定性に優れているため長時間使用し
ても転換率の低下が認められず長時間にわたって目的物
を高選択率で得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下にジカルボン酸,ジカルボン
    酸無水物および/又はジカルボン酸エステルを水素化し
    てラクトン類を製造する方法において、触媒として、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2よりも小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒を用いることを特徴とする
    ラクトン類の製造方法。
  2. 【請求項2】ルテニウム系触媒が更に 中性配位子 を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    のラクトン類の製造方法。
  3. 【請求項3】ルテニウム:有機ホスフィン:pKa
    が2よりも小さい酸の共役塩基のモル比が1:0.1〜1000:
    0.01〜1000である特許請求の範囲第1項記載のラクトン
    類の製造方法。
  4. 【請求項4】ルテニウム:有機ホスフィン:pKa
    が2よりも小さい酸の共役塩基のモル比が1:1〜100:0.1
    〜100である特許請求の範囲第1項記載のラクトン類の
    製造方法。
  5. 【請求項5】pKaが2より小さい酸の共役塩基がパラト
    ルエンスルホン酸アニオンである特許請求の範囲第1項
    記載のラクトン類の製造方法。
  6. 【請求項6】pKaが2より小さい酸の共役塩基がテトラ
    フルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフエー
    トアニオンまたはトリフルオロメタンスルホン酸アニオ
    ンであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    ラクトン類の製造方法。
  7. 【請求項7】pKaが2より小さい酸の共役塩基が硝酸ア
    ニオン、メタンスルホン酸アニオン、オクタデシルスル
    ホン酸アニオンまたはドデシルスルホン酸アニオンであ
    る特許請求の範囲第1項記載のラクトン類の製造方法。
JP62157321A 1986-08-19 1987-06-24 ラクトン類の製造方法 Expired - Lifetime JPH0778054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62157321A JPH0778054B2 (ja) 1986-08-19 1987-06-24 ラクトン類の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61-193691 1986-08-19
JP19369186 1986-08-19
JP62-95681 1987-04-18
JP9568187 1987-04-18
JP62157321A JPH0778054B2 (ja) 1986-08-19 1987-06-24 ラクトン類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6425771A JPS6425771A (en) 1989-01-27
JPH0778054B2 true JPH0778054B2 (ja) 1995-08-23

Family

ID=27307883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62157321A Expired - Lifetime JPH0778054B2 (ja) 1986-08-19 1987-06-24 ラクトン類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0778054B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2516805B2 (ja) * 1989-02-06 1996-07-24 三菱化学株式会社 ラクトン類の製造方法
JPH02233674A (ja) * 1989-03-07 1990-09-17 Mitsubishi Kasei Corp ラクトン類の製造法
JP2516809B2 (ja) * 1989-03-09 1996-07-24 三菱化学株式会社 ラクトン類の製法
JP2516815B2 (ja) * 1989-08-11 1996-07-24 三菱化学株式会社 ラクトン類の製造法
JP2516836B2 (ja) * 1989-10-04 1996-07-24 三菱化学株式会社 ラクトン類の製造法
JP2796884B2 (ja) * 1990-08-30 1998-09-10 高砂香料工業株式会社 光学活性γ―ブチロラクトン誘導体の製造方法
DK2681247T3 (en) 2011-02-28 2018-06-25 Cadena Bio Inc Polymers containing an acid group and their use as catalyst
US9238845B2 (en) 2012-08-24 2016-01-19 Midori Usa, Inc. Methods of producing sugars from biomass feedstocks
JP6287260B2 (ja) * 2013-01-31 2018-03-07 三菱ケミカル株式会社 カルボン酸無水物の製造方法及びγ−ブチロラクトンの製造方法
JP6458473B2 (ja) * 2013-12-09 2019-01-30 三菱ケミカル株式会社 ラクトン類の製造方法
JP6665407B2 (ja) 2014-02-17 2020-03-13 三菱ケミカル株式会社 ガンマブチロラクトン組成物及びその製造方法
JP6561506B2 (ja) * 2014-03-12 2019-08-21 三菱ケミカル株式会社 ガンマブチロラクトンの製造方法
JP6736835B2 (ja) * 2014-03-17 2020-08-05 三菱ケミカル株式会社 ガンマブチロラクトンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6425771A (en) 1989-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3579552A (en) Production of carboxylic acids
KR940003294B1 (ko) 락톤의 제조방법
JPH0778054B2 (ja) ラクトン類の製造方法
US5177278A (en) Preparation of cyclododecene
US4382148A (en) Process for the preparation of glycol aldehyde
US7491859B2 (en) Process for the telomerization of a conjugated diene, catalyst and bidentate ligand useful therein
JP2516809B2 (ja) ラクトン類の製法
JP2785967B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JP2516815B2 (ja) ラクトン類の製造法
CA1140160A (en) Process for producing alkadienes
JP2516805B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JPH02121976A (ja) フタライド類の製造法
JPH04217636A (ja) 1,4−ブタンジオールの製造法
JP2516836B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP2785363B2 (ja) ラクトン類の精製方法
JP4053325B2 (ja) ホスホニウム塩、その製造方法およびその用途
JP2022156346A (ja) ラクトン類の製造方法
JP2611831B2 (ja) 1,4―ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランの製造法
JPH02200680A (ja) γ―ブチロラクトンの製造法
JPH01290640A (ja) ジオール及び/又は環状エーテルの製造法
JP2908055B2 (ja) 1,4−ブタンジオ−ルの製造法
JPH03141273A (ja) ラクトン類の精製法
JPH03112973A (ja) ラクトン類の製造法
JPH06287155A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JPH0436275A (ja) ラクトン類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term