JP2516809B2 - ラクトン類の製法 - Google Patents

ラクトン類の製法

Info

Publication number
JP2516809B2
JP2516809B2 JP1055034A JP5503489A JP2516809B2 JP 2516809 B2 JP2516809 B2 JP 2516809B2 JP 1055034 A JP1055034 A JP 1055034A JP 5503489 A JP5503489 A JP 5503489A JP 2516809 B2 JP2516809 B2 JP 2516809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ruthenium
catalyst
dicarboxylic acid
anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1055034A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02235880A (ja
Inventor
千尋 宮澤
和成 高橋
広志 亀尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP1055034A priority Critical patent/JP2516809B2/ja
Publication of JPH02235880A publication Critical patent/JPH02235880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516809B2 publication Critical patent/JP2516809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラクトン類の製法に関するものである。詳し
くは、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸無水物及び
/又は飽和ジカルボン酸エステルを液相で水素化するこ
とによりラクトン類を製造する方法の改良に関するもの
である。
(従来の技術) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカル
ボン酸エステルを水素化してラクトン類を製造する方法
は古くから検討されており、これまでに多数の提案がな
されている。例えば触媒として、ニッケル系触媒(特公
昭43−6947号公報)、コバルト系触媒(特開昭51−9505
7号公報)、銅−クロム系触媒(特公昭38−20119号公
報)、銅−亜鉛系触媒(特公昭42−14463号公報)等の
固体触媒を使用して、固定床又は懸濁液相により水素化
反応を行なう方法が知られている。
一方、均一系のルテニウム系触媒を使用して上記の水
素化反応を行なう方法も知られ、例えば米国特許395782
7号には、[RuXn(PR1R2R3)xLy]型のルテニウム触媒を
使用し40〜400psiの加圧下で水素化してラクトン類を製
造する方法が記載され、また米国特許4485246号には、
同様に触媒による水素化反応を有機アミンの存在下で行
なうとが記載されている。更に本出願人はさきに、触媒
としてルテニウム、有機ホスフィン及びpka値が2より
小さい酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒を使用
し、液相で水素化する方法を提案した(特願昭62−1573
21号)。
(発明が解決しようとする課題) 上記のニッケル系触媒、コバルト系触媒、銅−クロム
系触媒、銅−亜鉛系触媒等の触媒を使用する従来の方法
は、反応条件が数十気圧以上の苛酷な条件の採用は避け
られないという問題点がある。また前記米国特許記載の
[RuXn(PR1R2R3)xLy]型のルテニウム触媒を使用する
方法は、反応条件が比較的温和である反面、触媒活性が
やや低水準で、触媒寿命が短く、また反応装置の腐蝕の
問題がある。
一方、前記ルテニウム、有機ホスフィン及びpka値が
2より小さい酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒
は活性が高く安定であるので、少量の使用で反応を良好
に進行させることができ、しかも反応混合物からラクト
ンを留去する際に分解せずに残留するため、そのまま次
の反応に循環使用し得る利点がある。しかし本触媒を循
環して使用していると、触媒活性が極端に低下する場合
がある。
本発明は、上記ルテニウム系触媒の使用によるこの問
題点が解決し、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸無
水物及び/又は飽和ジカルボン酸エステルから、工業的
有利にラクトン類を製造することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸
無水物及び/又は飽和ジカルボン酸エステルを原料物質
とし、上記ルテニウム系触媒を使用して水素化する方法
について検討を重ねた結果、触媒の活性低下が、原料物
質中に含有される不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボ
ン酸無水物及び/又は不飽和ジカルボン酸エステル等の
不飽和化合物に起因していること、及び触媒の活性低下
を回避するためには、反応に供与する原料物質中に存在
する不飽和ジカルボン酸類の量を特定割合以下とすれば
よいことを見出し本発明を完成した。即ち、本発明の要
旨は、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン無水物及
び/又は不飽和ジカルボン酸エステルを触媒の存在下液
相で水素と反応させて得た、飽和ジカルボン酸、飽和ジ
カルボン無水物及び/又は飽和ジカルボン酸エステルか
らなる原料物質をルテニウム系触媒の存在下液相で水素
化することによりラクトン類を製造する方法において、
反応に供与する原料物質に対する不飽和ジカルボン酸、
不飽和ジカルボン酸無水物及び/又は不飽和ジカルボン
酸エステルの含有量を0.4重量%以下とすることを特徴
とするラクトン類の製法に存する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるラクトン類の原料物質としては、炭素
数3〜7の飽和ジカルボン酸、それ等の無水物、もしく
はそれ等のエステル(以下飽和ジカルボン酸類という)
が挙げられ、エステルとして低級アルキルエステルが望
ましい。具体的には例えば、コハク酸、無水コハク酸、
コハク酸−ジ−n−ブチル等が挙げられる。
これ等の飽和ジカルボン酸類は、通常それ等の不飽和
化合物、即ち不飽和ジカルボン酸類、それ等の無水物、
もしくはそれ等のエステル(以下不飽和ジカルボン酸類
という)を、水素添加することによって製造されるが、
その反応生成物中には、未反応の不飽和ジカルボン酸類
が少量含有されている。例えばγ−ブチロラクトンの原
料となる無水コハク酸は、通常無水マレイン酸の水素添
加によって製造されるが、その中には少量の無水マレイ
ン酸が含まれている。
本発明方法においては、不飽和ジカルボン酸、不飽和
ジカルボン無水物及び/又は不飽和ジカルボン酸エステ
ルを触媒の存在下液相で水素と反応させて得た、飽和ジ
カルボン酸類からなる原料物質をルテニウム系触媒を使
用して液相で水素化する際、該原料物質に対する不飽和
ジカルボン酸類の含有量を、0.4重量%以下、好ましく
は0.3重量%以下、更に好ましくは0.2重量%以下に保持
することが必須の要件である。このためには、原料飽和
ジカルボン酸類中に含まれる不飽和ジカルボン酸類の含
有量を予め上記以下に低下させることが必要である。
飽和ジカルボン酸類中の不飽和ジカルボン酸類を除去
するには、不飽和ジカルボン酸類を、パラジウム、ニッ
ケル、コバルト等の還元触媒の存在下、気相又は液相で
水素と充分に接触させて水素添加を行なう方法、あるい
は飽和ジカルボン酸類をγ−ブチロラクトンのような溶
媒によって再結晶する方法等が採用される。
本発明における触媒としては、以下に示す(イ)ルテ
ニウム、(ロ)有機ホスフィン及び(ハ)pka値が2よ
り小さい酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒が挙
げられ、場合により中性配位子を含有していてもよい。
(イ)ルテニウム: ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム
化合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合
物としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸
化物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具
体的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウ
ム、二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニ
ウム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニ
ウム、トリス(アセチルアセトン)ルテニウム、ヘキサ
クロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテ
ニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、ジ
クロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモ
トリカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−
ブチルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカ
カルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボ
ニルテトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサル
テニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドト
リルテニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げら
れる。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の
使用量は、反応溶液1リットル中のルテニウムとして0.
0001〜100ミリモル、好ましくは0.001〜10ミリモルであ
る。
(ロ)有機ホスフィン: 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウム
の電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定
化するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィン
の具体例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、ト
リ−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホ
スフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘ
キシルホスフィンのようなトリシクロアルキルホスフィ
ン類、トリフエニルホスフィンのようなトリアリールホ
スフィン類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアル
キルアリールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィン)エタンのような多官能性ホスフィン類が挙げ
られる。有機ホスフィンの使用量は通常、ルテニウム1
モルに対して、0.1〜1000モル程度、好ましくは1〜100
モルである。また、有機ホスフィンは、それ自体単独
で、あるいはルテニウム触媒との複合体の形で、反応系
に供給することができる。
(ハ)pka値が2より小さい酸の共役塩基: pka値が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム触
媒の付加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系
中において、pka値が2より小さい酸の共役塩基を生成
するものであればよく、その供給形態としては、pka値
が2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩等が
用いられる。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、
亜硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフ
ルオロ燐酸、タングステン酸、燐モリブテン酸、燐タン
グステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ酸、フ
ルオロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、
あるいはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩
が挙げられる。また、これ等の酸の共役塩基が反応系で
生成すると考えられる酸誘導対、例えば酸ハロゲン化
物、酸無水物、エステル、酸アミド等の形で添加しても
同様の効果が得られる。これ等の酸又はその塩の使用量
は、ルテニウム1モルに対して0.01〜1000モル、好まし
くは0.1〜100モル、更に好ましくは0.5〜20モルの範囲
である。
本発明のルテニウム系触媒は、上記(イ)、(ロ)及
び(ハ)の成分の外に、場合により中性配位子を含有す
ることができる。中性配位子としては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ブ
タジエン、シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、
ノルボナジエン等のオレフィン類、一酸化炭素、ジエチ
ルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シ
クロヘキサノン、プロピオン酸、カプロン酸、酪酸、安
息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、安息香酸ベンジル、
ステアリン酸ベンジル等の含酸素化合物、酸化窒素、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、シ
クロヘキシルイソニトリル、ブチルアミン、アニリン、
トルイジン、トリエチルアミン、ピロール、ピリジン、
N−メチルホルムアミド、アセトアミド、1,1,3,3−テ
トラメチル尿素、N−メチルピロリドン、カプロラクタ
ム、ニトロメタン等の含窒素化合物、二硫化炭素、n−
ブチルメルカプタン、チオフェノール、ジメチルスルフ
ィド、ジメチルジスルフィド、チオフェン、ジメチルス
ルホキシド、ジフェニルスルホキシド等の含硫黄化合
物、トリブチルホスフィンオキシド、エチルジフエニル
ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシ
ド、ジエチルフェニルホスフィネート、ジフェニルメチ
ルホスフィネート、0,0,−ジメチルメチルホスホノチオ
レート、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機
ホスフィン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明の方法は、反応原料あるいは反応生成物自体を
溶媒とすることもできるが、これ等以外の溶媒を使用し
てもよい。このような溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、エチレング
ルコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等
のケトン類;メタノール、エタノール、n−ブタノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルコール類;フェノール類;ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、トルイル酸等のカルボン酸
類;酢酸メチル、酢酸n−ブチル、安息香酸ベンジル等
のエステル類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、
テトラリン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−オク
タン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジクロロメ
タン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ
炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸ア
ミド;ヘキサメチル燐酸トリアミド、N,N,N',N'−テト
ラエチルスルファミド等のその他のアミド類;N,N'−ジ
メチルイミダゾリドン、N,N,N,N−テトラメチル尿素等
の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン
等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルス
ルホキシド等のスルホキシド類;γ−ブチロラクトン、
ε−カプロラクトン等のラクトン類;テトラグライム、
18−クラウン−6等のポリエーテル類、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類が挙げ
られる。
本発明の方法により水素化反応を行なうには、反応容
器に、前記の原料物質、触媒成分及び所望により他の溶
媒を装入し、これに水素を導入する。水素は、窒素ある
いは二酸化炭素等の反応に不活性なガスで稀釈されたも
のであっもよい。反応系内の水素分圧は、通常0.1〜100
kg/cm2の範囲内から選択され、反応温度は50〜250℃か
ら選ばれる。反応は回分方式あるいは連続方式で実施す
ることができる。
反応終了後、反応生成液から蒸留、抽出等の通常の分
離手段により、目的物であるラクトン類を得ることがで
きる。蒸留残渣は触媒成分として反応系に循環使用され
る。
(実施例) 以下本発明を実施例及び参考例について更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実
施例に限定されるものではない。
実施例1 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 500mlの誘導攪拌オートクレーブに、無水マレイン酸2
40g、γ−ブチロラクトン(溶媒)57g及び0.5%Pd/Al2O
3(触媒)3gを仕込み、温度90℃、水素圧力8kg/cm2で2
時間15分間水素化反応を行なった。反応終了後、触媒を
濾去した反応生成液をガスクロマトグラフィーにより分
析した結果、生成液中の無水コハク酸の濃度は80重量
%、γ−ブチロラクトンの濃度は19.8重量%、無水マレ
イン酸の濃度は0.3重量%であった。よって原料物質に
対する無水マレイン酸は0.37重量%であった。
(ロ)無水コハク酸の水素化によるγ−ブチロラクトン
の製造: 500mlの誘導攪拌オートクレーブに、予め調製したル
テニウムアセチルアセトナート0.09重量%、トリオクチ
ルホスフィン0.84重量%、p−トルエンスルホン酸0.36
重量%及びトリエチレングリコールジメチルエーテル9
8.71重量%からなる触媒液218.75gと、上記(イ)で得
られた生成液31.25gとを仕込み、水素圧40kg/cm3、温度
200℃で水素化反応を行なった。
反応初期の原料濃度の変化から速度定数Aを算出し、
また原料中の無水マレイン酸の濃度が0の場合の速度定
数Bを算出し、これ等の値から、次式により比活性を算
出した。結果を表1に示す。
実施例2 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 実施例1(イ)の無水コハク酸の製造例における水素
化時間を2時間30分とした以外は、実施例1の(イ)と
全く同様の処理を行なった。反応終了後、触媒を濾去
し、生成液をガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、生成液中の無水マレイン酸の濃度は0.2重量%であ
った。原料物質に対する無水マレイン酸は0.25重量%で
あった。
(ロ)無水コハク酸の水素化のによるγ−ブチロラクト
ンの製造: 上記(イ)で得られた生成液を使用し、実施例1の
(ロ)と全く同様に水素化処理してγ−ブチロラクトン
を製造し、実施例1の(ロ)と同様にして、比活性を算
出した。結果を表1に示す。
実施例3 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 無水マレイン酸を、実施例2の(イ)と全く同様にし
て水素化処理を行なった後、120℃に昇温して更に1時
間保持した。反応終了後、触媒を濾去し、生成液をガス
クロマトグラフィーにより分析した結果、生成液中の無
水マレイン酸の濃度は0.005重量%以下であった。原料
物質に対する無水マレイン酸は0.005重量%以下であっ
た。
(ロ)無水コハク酸の水素化によるγ−ブチロラクトン
の製造: 上記(イ)で得られた生成液を使用し、実施例1の
(ロ)と全く同様に水素化処理してγ−ブチロラクトン
を製造し、実施例1の(ロ)と同様にして、比活性を算
出した。結果を表1に示す。
実施例4 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 無水マレイン酸を、実施例2の(イ)と全く同様にし
て水素化処理を行なった後、触媒を濾去し、生成液にγ
−ブチロラクトンを添加して、液中の無水コハク酸の濃
度を59重量%に稀釈し、次いで80℃に加熱して無水コハ
ク酸を完全に溶解した後、40℃に冷却して析出した無水
コハク酸の結晶を濾取した。この結晶を乾燥し、γ−ブ
チロラクトンに溶解して80重量%の無水コハク酸を含む
γ−ブチロラクトン溶液を調製した。この溶液をガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、溶液中の無水コ
ハク酸の濃度は80.01重量%、γ−ブチロラクトンの濃
度は19.89重量%、無水マレイン酸の濃度は0.1重量%で
あった。原料物質に対する無水マレイン酸は0.12重量%
であった。
(ロ)無水コハク酸の水素化によるγ−ブチロラクトン
の製造: 上記(イ)で得られた溶液(無水マレイン酸を0.1重
量%含有)を使用し、実施例1の(ロ)と全く同様に水
素化処理してγ−ブチロラクトンを製造し、実施例1の
(ロ)と同様にして、比活性を算出した。結果を表1に
示す。
比較例1 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 実施例1(イ)の無水コハク酸の製造例における水素
化時間を2時間とした以外は、実施例1の(イ)と全く
同様の処理を行なった。反応終了後、触媒を濾去し、生
成液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、生
成液中の無水マレイン酸の濃度は0.4重量%であった。
原料物質に対するる無水マレイン酸は0.50重量%であっ
た。
(ロ)無水コハク酸の水素化によるγ−ブチロラクトン
の製造: 上記(イ)で得られた生成液を使用し、実施例1の
(ロ)と全く同様に水素化処理してγ−ブチロラクトン
を製造し、実施例1の(ロ)と同様にして、比活性を算
出した。結果を表1に示す。
比較例2 (イ)無水マレイン酸の水素化による無水コハク酸の製
造: 実施例1(イ)の無水コハク酸の製造例における水素
化時間を1.5時間とした以外は、実施例1の(イ)と全
く同様の処理を行なった。反応終了後、触媒を濾去し、
生成液をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、
生成液中の無水マレイン酸の濃度は0.8重量%であっ
た。原料物質に対する無水マレイン酸は1.00重量%であ
った。
(ロ)無水コハク酸の水素化によるγ−ブチロラクトン
の製造: 上記(イ)で得られた生成液を使用し、実施例1の
(ロ)と全く同様に水素化処理してγ−ブチロラクトン
を製造し、実施例1の(ロ)と同様にして、比活性を算
出した。結果を表1に示す。
(発明の効果) 前記の実施例及び比較例に示すように、本発明の方法
によれば、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸無水物
及び/又は飽和ジカルボン酸エステルをルテニウム系触
媒の存在下液相で水素化することによりラクトン類を製
造する際に、原料物質に対する不飽和ジカルボン酸、不
飽和ジカルボン酸無水物及び/又は不飽和ジカルボン酸
エステルを0.4重量%以下とすることによって、触媒の
活性の安定性を向上させることができ、その実用上の価
値は大きい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン無
    水物及び/又は不飽和ジカルボン酸エステルを触媒の存
    在下液相で水素と反応させて得た、飽和ジカルボン酸、
    飽和ジカルボン無水物及び/又は飽和ジカルボン酸エス
    テルからなる原料物質をルテニウム系触媒の存在下液相
    で水素化することによりラクトン類を製造する方法にお
    いて、反応に供与する上記原料物質に対する不飽和ジカ
    ルボン酸、不飽和ジカルボン無水物及び/又は不飽和ジ
    カルボン酸エステルの含有量を0.4重量%以下とするこ
    とを特徴とするラクトン類の製法。
JP1055034A 1989-03-09 1989-03-09 ラクトン類の製法 Expired - Lifetime JP2516809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1055034A JP2516809B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ラクトン類の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1055034A JP2516809B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ラクトン類の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02235880A JPH02235880A (ja) 1990-09-18
JP2516809B2 true JP2516809B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=12987374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1055034A Expired - Lifetime JP2516809B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ラクトン類の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2516809B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4784004B2 (ja) * 2001-06-18 2011-09-28 三菱瓦斯化学株式会社 脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法
GB0210143D0 (en) 2002-05-02 2002-06-12 Davy Process Techn Ltd Process
GB0325384D0 (en) 2003-10-30 2003-12-03 Davy Process Techn Ltd Process
GB0325526D0 (en) 2003-10-31 2003-12-03 Davy Process Techn Ltd Process
JP6561506B2 (ja) * 2014-03-12 2019-08-21 三菱ケミカル株式会社 ガンマブチロラクトンの製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07115084B2 (ja) * 1986-07-25 1995-12-13 株式会社アイジー技術研究所 金属薄板材成形ロ−ル装置
JPH0778054B2 (ja) * 1986-08-19 1995-08-23 三菱化学株式会社 ラクトン類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02235880A (ja) 1990-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0778054B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JP2516809B2 (ja) ラクトン類の製法
NL8105842A (nl) Werkwijze voor het bereiden van een carbonzuuranhydride.
JP2516815B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP2516836B2 (ja) ラクトン類の製造法
JPH02121976A (ja) フタライド類の製造法
JP2785967B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JP2516805B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JPH02223547A (ja) 環式共溶媒を使用する5‐シアノ吉草酸およびそれのエステル類の製造
KR101494953B1 (ko) 디카복실산의 제조 방법
JP2825286B2 (ja) ラクトン類の製造法
EP0556806A1 (en) Process for producing biphenyltetracarboxylic dianhydride
JP2785363B2 (ja) ラクトン類の精製方法
JP2863266B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP3386569B2 (ja) ルテニウム錯体の濃縮分離および再使用方法
JPH04217636A (ja) 1,4−ブタンジオールの製造法
JP2611831B2 (ja) 1,4―ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランの製造法
JPH03141273A (ja) ラクトン類の精製法
JPH07121927B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP7384049B2 (ja) カルボニル化合物の製造方法
JPS6114139B2 (ja)
DE1961722B2 (de) Verfahren zur Herstellung von Dlmethylstyrolen
JPH02200680A (ja) γ―ブチロラクトンの製造法
JPH01290640A (ja) ジオール及び/又は環状エーテルの製造法
JPH02233674A (ja) ラクトン類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term